以下において、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を貼付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る運転支援装置は、図1に示すように、制御装置1、自車位置取得部2、周囲状況センサ3、車速センサ4、スピーカ5及び表示部6を備える。周囲状況センサ3は、自車両の周囲状況を検出するように、前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32を含む、車両に搭載可能な装置である。
自車位置取得部2は、例えばナビゲーション装置や、全地球測位システム(GPS)からGPS信号を受信するGPS受信機である。自車位置取得部2は、自車両の地図上における現在位置を取得する。尚、自車位置取得部2は、路車間通信、車車間通信を用いて、自車位置を取得するようにしてもよい。
前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32は、図2に示すように、自車両20の前端部のフロントバンパ付近に設けられている。なお、図2の前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32を設ける位置は例示であって、特にこれに限定されるものではない。例えば、前方センサ30は、自車両20のフロントガラスの上部に設けられていてもよい。
前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32としては、例えばレーザレーダ、ミリ波レーダ、定在波レーダ又はCCDカメラ等が使用可能である。前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32は、互いに同じ種類でもよく、異なる種類であってもよい。前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32のそれぞれについて、個数は1個に限定されず、2個以上の同じ種類のセンサ又は異なる種類のセンサで構成してもよい。
前方センサ30は、自車両20の前方の状況を検出する。前方センサ30は、例えば、自車両20が交差点に進入する際に、自車両20前方の交差点周辺の道路形状を検出する。前方センサ30により検出可能な交差点周辺の道路形状は、交差点の角部に位置する壁や建物等の遮蔽物の形状、交差点の交錯道路に沿ったガードレールや歩道の形状、自車両20の走行する走行道路と交錯道路とのなす角度を含む。尚、周囲状況センサ3の代わりに、車外に設けられたセンサが取得した周囲状況を無線通信により取得するようにしてもよい。
図2に示すように、左側センサ31は、自車両20の前進方向に対して左側を検出するように立体角φLで定義される放射状の左側検出領域A1を有する。左側センサ31は、交差点に進入する際には、交差点の左側の交錯道路の状況を検出する。右側センサ32は、自車両20の前進方向に対して右側を検出するように立体角φRで定義される放射状の右側検出領域A2を有する。右側センサ32は、交差点に進入する際には、交差点の右側の交錯道路の状況を検出する。
左側センサ31及び右側センサ32は、自車両20の乗員席よりも前側に設けているため、交差点に進入する際には、乗員席からは視認できていない、交錯道路の交差点における左右の状況を先行して検出可能である。なお、図2では、左側センサ31及び右側センサ32の光軸a1,a2は、自車両20の進行方向に対して直交方向となる左側及び右側をそれぞれ向いているが、例えば自車両20の進行方向に対して斜め前方を向いていてもよい。尚、左側センサ31及び右側センサ32が設けられる位置は、乗員席より前側で、車両前端部に近いほど、車両が交差点に進入する際に、早期に左右の状況が確認できるようになる。
図1に示した車速センサ4は、自車両20の速度を検出し、制御装置1に出力する。スピーカ5は、車室内に設置されており、制御装置1により制御される。表示部6は、液晶ディスプレイ等のディスプレイであり、制御装置1により制御される。車室内のインストルメンタルパネル等の乗員から視認しやすい位置に設置されている。
制御装置1は、例えば、論理演算処理装置7及び記憶装置8等を含む電子制御ユニット(ECU)で構成できる。論理演算処理装置7としては、中央処理装置(CPU)等が使用できる。記憶装置8としては、半導体記憶装置、磁気記憶装置又は光学記憶装置等が使用できる。なお、記憶装置8は、論理演算処理装置7内に備えられるレジスタ等であってもよく、キャッシュメモリ等を含んでもよい。記憶装置8は更に、2次記憶装置や、2次記憶装置等に設定される仮想メモリでもよい。
論理演算処理装置7は、交差点判定部11、境界検出部12、姿勢検出部13、タイミング決定部(検出可能位置決定部)14、教示部15、画像生成部16及び移動体検出部17を機能的に備える。交差点判定部11は、自車位置取得部2により取得された自車両20の地図上における現在位置等から、自車両20の前方に見通しの悪い交差点が有るか否かを判定する。見通しの悪い交差点の情報は、例えば、自車位置取得部2等のナビゲーション装置のデータベースから読み出してもよい。
境界検出部12は、前方センサ30により検出された自車両20の前方の道路形状等を用いて、自車両20の前方左側及び右側において、左側境界点及び右側境界点を検出する。左側境界点は、左側センサ31により、走行道路R1が交錯道路R2に交わる交差点の左側の状況の検出可能又は不可能の境界となる点(位置)である。右側境界点は、右側センサ32により、走行道路R1が交錯道路R2に交わる交差点の右側の状況の検出可能又は不可能の境界となる点(位置)である。
境界検出部12は、例えば図3に示すように、交差点の手前左側の角部に位置する建物等の遮蔽物41のエッジ位置P11を、左側境界点として検出する。境界検出部12は更に、交差点の手前右側の角部に位置する遮蔽物42のエッジ位置P12を、右側境界点として検出する。
境界検出部12は、前方センサ30により検出される周囲状況の高さ情報等に基づいて、遮蔽物の高さを考慮して左側境界点及び右側境界点を検出してもよい。例えば、図3に示した遮蔽物41,42の高さが所定の閾値(例えば1m)以上と判定された場合に、遮蔽物41,42により交差点の見通しが遮蔽されており、遮蔽物41,42のエッジ位置P11,P12を左側境界点及び右側境界点として検出してもよい。
一方、遮蔽物41,42の高さが所定の閾値未満と判定された場合、遮蔽物41,42越しに交差点を見通せるので、遮蔽物41,42のエッジ位置P11,P12を左側境界点及び右側境界点として検出しなくてもよい。所定の閾値は、制御装置1の記憶装置8等に予め設定されていてもよく、或いは車室内に設けられたカメラにより検出した運転席の乗員の視点の高さ等に応じて適宜調整してもよい。
姿勢検出部13は、前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32により検出された自車両20の周囲状況を用いて、自車両20の位置及び姿勢を検出する。自車両20の位置及び姿勢は、例えば、自車両20が走行する走行道路R1内の自車両20の位置及び向き並びに自車両20のヨー角を含む。なお、自車両20に設けた左側センサ31及び右側センサ32の位置及び向きや、左側検出領域A1及び右側検出領域A2の範囲等は既知である。
タイミング決定部14は、境界検出部12により検出された左側境界点P11及び右側境界点P12と、姿勢検出部13により検出された自車両20の位置及び姿勢等に基づいて、交差点に進入する際に、自車両20の周囲状況センサ3により、交差点の左右の状況を検出可能となるタイミング(位置)を決定する。ここで、タイミング決定部14が決定するタイミング(以降、左右検出タイミング)は、走行道路R1内の自車両20の乗員席から乗員の肉眼では視認できていない交錯道路R2と交わる箇所の左右の状況を、左側センサ31及び右側センサ32により先行して検出可能となる位置又はその近傍に設定される。左右検出タイミングは、左側センサ31及び右側センサ32により先行して検出され、表示部6に表示された交差点における左右の状況を乗員が確認するように一旦停車するのに適した位置を意味する。
例えば図4に示すように、自車両20が現在位置から直進し、左側センサ31及び右側センサ32の左側検出領域A1及び右側検出領域A2の境界が左側境界点P11及び右側境界点P12に接したときの説明をする。タイミング決定部14は、左側センサ31及び右側センサ32が左側境界点P11及び右側境界点P12より先に位置する交差点における左右の状況を検出可能となるときの自車両20の進行方向における位置P0を左右検出タイミングとして決定する。なお、図4の自車両20の位置は左右検出タイミングP0の決定方法を説明するための仮想的な位置であり、実際の自車両20の現在位置は左右検出タイミングP0よりも後方にある。また、図4では便宜的に前方センサ30の図示を省略している。
図4では、自車両20が走行道路R1の幅方向において中央位置を走行しており、走行道路R1の進行方向における左側境界点P11及び右側境界点P12の位置が共通している状況を例示している。このため、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の進行方向における位置P0(左)と、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の進行方向における位置P0(右)が共通する:
P0(左)=P0(右)=P0
また、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときのときの自車両20の進行方向における位置と、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の進行方向における位置が互いに異なる場合には、タイミング決定部14は、いずれか一方の位置を優先して左右検出タイミングとして決定する。
例えば、自車両20が走行する走行道路R1の幅方向において左側に寄って前進しているときは、図5(a)に示すように、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1と、図5(b)に示すように左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2が互いに異なる。即ち、図5(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するタイミングが先に到来する。
この場合、タイミング決定部14は、例えば、先に到来するタイミングである、図5(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P1を優先的に左右検出タイミングとして決定してもよい。これにより、乗員は、左右の状況を確認できるタイミングを早く知ることができるようになる。
また、タイミング決定部14は、図5(b)に示した相対的には後に到来するタイミングであるが、左側センサ31及び右側センサ32の両方で検出可能となるタイミングである、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P2を優先的に左右検出タイミングとして決定してもよい。これにより、乗員は、左右の両方の状況が確認できるタイミングを知ることができるようになる。
また、タイミング決定部14は、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1と、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2との間の位置(例えば両者から等間隔の位置)を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、例えば、図5(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1を第1の左右検出タイミングとし、図5(b)に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2を第2の左右検出タイミングとして決定して、2段階で左右検出タイミングを決定してもよい。
次に、例えば自車両20が走行する走行道路R1の進行方向に対して斜めに前進しているときも、図6(a)に示すように、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1と、図6(b)に示すように左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2とが互いに異なる。即ち、図6(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するタイミングが先に到来する。
この場合も、タイミング決定部14は、例えば、図6(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P1を左右検出タイミングとして決定してもよい。また、タイミング決定部14は、図6(b)に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P2を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P1と、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P2との間の位置(例えば両者から等間隔の位置)を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、例えば、図6(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1を第1の左右検出タイミングとし、図6(b)に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2を第2の左右検出タイミングとして決定して、2段階で左右検出タイミングを決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、例えば図7に示すように、左側センサ31及び右側センサ32自体を基準として、左側センサ31及び右側センサ32自体と、左側境界点P11及び右側境界点P12とが進行方向において一致する位置P0を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、例えば図8に示すように、左側センサ31及び右側センサ32の光軸a1,a2が車幅方向に対して自車両20の前方に傾いている場合には、タイミング決定部14は、左側センサ31及び右側センサ32の光軸a1,a2が左側境界点P11及び右側境界点P12に接するときの自車両20の進行方向における位置P0を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、図9に示すように、自車両20の前方の片側(右側)は見通しがよく、自車両20の前方の片側(左側)のみに遮蔽物41が有る場合、境界検出部12は、左側境界点P11のみを検出してもよい。このとき、タイミング決定部14は、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の進行方向における位置P0を左右検出タイミングとして決定できる。
図1に示した画像生成部16は、前方センサ30により検出された自車両20の前方の状況と、タイミング決定部14により決定された左右検出タイミング等を用いて、乗員が認識可能なように左右検出タイミングを示す画像を生成する。画像生成部16は、例えば図10の中央部に示すように、左右検出タイミングP0を示す画像I1を生成する。図10に示した画像I1は自車両20の上方からの俯瞰画像を例示しているが、自車両20の前方を示す前方画像等であってもよい。
前方センサ30がCCDカメラ等の撮像装置である場合には、画像生成部16は、撮像画像に左右検出タイミングP0を重畳した画像を生成してもよい。また、前方センサ30がレーザレーダ等である場合には、画像生成部16は、左右検出タイミングP0を示す仮想画像(CG画像)を生成してもよい。なお、例えば図5(a)及び図5(b)に示したようにタイミング決定部14により2段階の第1の左右検出タイミングP1及び第2の左右検出タイミングP2が決定された場合には、画像生成部16は、第1の左右検出タイミングP1及び第2の左右検出タイミングP2を示す画像を生成してもよい。
画像生成部16は更に、自車両20が左右検出タイミングP0に到達した直後又は自車両20が左右検出タイミングP0に到達する前から継続的に、図10に画像I1とともに示すように、左側センサ31により検出される左側の状況を示す画像I2と、右側センサ32により検出される右側の状況とを含む画像I3を生成する。図10の例示では、自車両20が左右検出タイミングP0に到達していないため、画像I2,I3には、遮蔽物41,42及び自車両20が走行する走行道路R1が写り込んでいる。
なお、図10では、画像I1,I2,I3を個別に生成する場合を例示するが、例えば前方センサ30により検出される自車両20の前方の道路状況と、左側センサ31により検出される左側の状況と、右側センサ32により検出される右側の状況とを、左右検出タイミングP0も含むように合成して1つの画像として生成してもよい。
図11に示すように、自車両20が左右検出タイミングP0に到達した後では、画像生成部16により生成される画像I2には、左側センサ31により検出される交差点左側の交錯道路R2の状況が写り込む。また、画像I3には、右側センサ32により検出される交差点右側の交錯道路R2の状況が写り込む。なお、図11では、左右検出タイミングP0を示す画像I1も生成しているが、自車両20が左右検出タイミングP0に到達した後では、左右検出タイミングP0を示す画像I1は生成せずに、画像I2,I3のみを生成してもよい。
図1に示した教示部15は、自車両20が左右検出タイミングP0に到達する前から、タイミング決定部14により決定された左右検出タイミングP0を乗員に教示する。教示部15は、例えば表示部6を制御して、画像生成部16により生成された左右検出タイミングP0を示す画像I1を図10に示すように表示させて、左右検出タイミングP0を乗員に教示する。
教示部15は更に、タイミング決定部14により決定された左右検出タイミングP0を、スピーカ5を制御して警告音により乗員に教示してもよい。例えば、図12に示すように、自車両20が左右検出タイミングP0に近づくほど断続音の周期を短くして、左右検出タイミングP0を教示する。図12では、断続音の周期を2段階で区分けし、左右検出タイミングP0から10m以上の断続音の周期よりも、10m未満の断続音の周期が短いことを示している。スピーカ5による警告音としては、断続音の代わりに、左右検出タイミングP0に近づいていること及び到達したことを教示可能な音楽や音声であってもよい。
なお、教示部15は、表示部6の表示又はスピーカ5での警告の一方のみにより左右検出タイミングを教示してもよい。或いは、教示部15は、表示部6の表示又はスピーカ5での警告の両方で左右検出タイミングを教示してもよい。
教示部15は、前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32により検出された自車両20の周囲状況等から、自車両20が走行する走行道路R1の幅員を算出し、走行道路R1の幅員が狭いほど、左右検出タイミングP0を教示し始めるタイミングを早くしてもよい。例えば、走行道路R1の幅員が5mの場合には、左右検出タイミングP0から5m手前から左右検出タイミングの教示を開始し、走行道路R1の幅員が3mと相対的に狭い場合には、左右検出タイミングP0の10m手前の早い位置から左右検出タイミングP0の教示を開始してもよい。
教示部15は、車速センサ4により検出された自車両20の速度と、自車両20の左右検出タイミングP0までの距離等に基づいて、自車両20の左右検出タイミングP0までの到達時間を予測し、予測された到達時間に応じて左右検出タイミングP0の教示を開始してもよい。例えば、走行道路R1の幅員が5mの場合には、予測された到達時間の2秒前から左右検出タイミングP0の教示を開始し、走行道路R1の幅員が3mと相対的に狭い場合には、予測された到達時間の5秒前から早いタイミングで左右検出タイミングP0の教示を開始してもよい。
教示部15は、車速センサ4により検出された自車両20の速度に基づいて、自車両20の速度が高いほど、左右検出タイミングP0を教示し始めるタイミングを早くしてもよい。例えば、自車両20の速度が時速10kmの場合には、左右検出タイミングの5m前又は予測された到達時間の2秒前から左右検出タイミングP0の教示を開始し、自車両20の速度が相対的に高い時速30kmの場合には、相対的に早いタイミングである左右検出タイミングの10m前又は予測された到達時間の5秒前から左右検出タイミングP0の教示を開始してもよい。
移動体検出部17が、左側センサ31及び右側センサ32により検出された交差点における左右の状況から、交錯道路R2に他車両、通行人等の移動体が存在するか否かを判定する。移動体が存在すると判定された場合、画像生成部16が、移動体を強調表示するように交差点における左右の状況を含む画像I2,I3を生成する。例えば図11に示すように画像I3に写り込む他車両21を移動体として検出して、他車両21の周囲を枠状のマークで囲むこと等により他車両21を強調表示する。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る運転支援方法の一例を説明する。なお、図13フローチャートの一連の処理は、所定の制御周期で繰り返し実行可能である。
ステップS1において、交差点判定部11が、自車位置取得部2により取得された自車両20の地図上における現在位置等に基づいて、自車両20の走行道路R1の前方に見通しの悪い交差点か有るか否かを判定する。見通しの悪い交差点が有ると判定された場合、ステップS2に進む。なお、このステップS1の手順は必須ではなく、すべての交差点において以降の運転支援方法の手順を行ってもよい。
ステップS2において、前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32が、自車両20の前方の走行道路R1の交差点付近の道路状況を検出する。ステップS3において、境界検出部12は、前方センサ30により検出された交差点付近の道路状況等を用いて、例えば図3に示すように、自車両20の前方左側境界点P11を検出する。ステップS4において、境界検出部12は、前方センサ30により検出された交差点付近の道路状況等を用いて、自車両20の前方右側境界点P12を検出する。
ステップS5において、姿勢検出部13が、前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32により検出された自車両20の周囲状況等から、自車両20の走行道路R1中の位置及び姿勢を検出する。
ステップS6において、タイミング決定部14が、境界検出部12により検出された左側境界点P11及び右側境界点P12と、姿勢検出部13により検出された自車両20の位置及び姿勢等を用いて、例えば図4に示すように自車両20の左右検出タイミングP0を決定する。
ステップS7において、画像生成部16が、タイミング決定部14により決定された左右検出タイミングP0を示す画像I1を生成する。教示部15が、画像生成部16により生成された画像I1を表示するように表示部6を制御する。更に、教示部15が、左右検出タイミングP0を教示するための警告音を出力するようにスピーカ5を制御する。
ステップS8において、教示部15は、姿勢検出部13により検出された自車両20の位置及び姿勢等から、左右検出タイミングP0に対する自車両20の相対的な位置を特定する。ステップS9において、教示部15は、自車両20が左右検出タイミングP0に到達したか否かを判定する。自車両20が左右検出タイミングP0に到達していないと判定された場合、ステップS8の手順に戻る。一方、ステップS9において、自車両20が左右検出タイミングP0に到達したと判定された場合、ステップS10に進む。
ステップS10において、教示部15は、スピーカ5及び表示部6を用いた左右検出タイミングP0の教示を停止する。ステップS11において、画像生成部16は、左側センサ31及び右側センサ32により検出された交差点における左右の状況を含む画像I2,I3を図11に示すように生成し、表示部6に表示させる。表示部6による表示は、例えば自車両20が交差点を通過するまで継続される。
ステップS12において、移動体検出部17が、左側センサ31及び右側センサ32により検出された交差点における左右の状況から、交錯道路R2に他車両、通行人等の移動体が存在するか否かを判定する。移動体が存在すると判定された場合、ステップS9に進む。ステップS13において、画像生成部16が、移動体を強調表示するように画像I2,I3を生成し、表示部6に表示させる。また、スピーカ5により警報を出力してもよい。
本発明の本発明の第1の実施形態に係る運転支援プログラムは、図13に示した運転支援方法の手順を、制御装置1を構成するコンピュータに実行させる。即ち、本発明の実施の形態に係る運転支援プログラムは、自車両が交差点に進入する際に、前記交差点の道路形状を検出する手順、検出した道路形状を用いて、自車両の左右検出タイミングを決定する手順、決定した左右検出タイミングを乗員に教示する手順、自車両の乗員席よりも前側に設けられた周囲状況センサにより、交差点の左右の状況を検出する手順、検出された交差点の左右の状況を表示部に表示する手順等を制御装置1を構成するコンピュータに実行させる。本発明の実施の形態に係る運転支援プログラムは、例えば記憶装置8に格納可能である。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、自車両20が交差点に進入する際に、走行道路R1と交錯道路R2とが交わる交差点の道路形状と、自車両20の走行道路R1中の位置及び姿勢を用いて、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときの自車両20の左右検出タイミングを乗員に教示する。自車両20の左右検出タイミングを乗員に教示すれば、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングを乗員に容易に知覚させることができる。
したがって、乗員は、走行道路R1に交差する交錯道路R2の交差点における左右の状況を肉眼で視認できていないうちは、表示部6に表示される画像で早期に見逃すことなく確認できる。その後、肉眼で視認可能となった後は表示部6の確認を止め、実風景を視認して、走行道路R1に交差する交錯道路R2の交差点における左右の状況を確認することができる。
更に、自車両20の位置及び姿勢を検出し、自車両20の位置及び姿勢を用いて左右検出タイミングを決定することにより、自車両20の位置及び姿勢に応じた左右検出タイミングを決定することができる。
更に、例えば図5(a)及び図5(b)に示すように、周囲状況センサ3により交差点の左右の状況を検出可能となるときの自車両20の位置P11,P12を左右それぞれで算出し、左右それぞれの位置P11,P12のうち、自車両20の現在位置に近い位置P12を左右検出タイミングとして決定することにより、一方の右側センサ32により交錯道路R2の右側の状況を先行して検出可能となるときのタイミングを乗員に容易に知覚させることができる。
更に、図10に示すように、左右検出タイミングP0を示す画像I1を表示部6に表示すること、又は図12に示すように、スピーカ5による音声で左右検出タイミングP0を教示することにより、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングを乗員に容易に知覚させることができる。
更に、交差点に近づくまでの走行道路R1の幅員が狭いほど、又は自車両20の速度が高いほど、左右検出タイミングP0を乗員に教示し始める位置を手前に(タイミングを早く)設定することにより、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングの教示を、走行道路R1の幅員又は自車両20の速度に応じて適切なタイミングで開始できる。
<第1の変形例>
本発明の第1の実施形態の第1の変形例として、図14(a)に示すように、自車両20の走行する走行道路R1の進行方向において、遮蔽物41,42のエッジ位置P11,P12がずれている場合を説明する。図14(a)では、遮蔽物41のエッジ位置P11が、遮蔽物42のエッジ位置P12よりも交差点に近い位置にある。このため、図14(a)に示すように、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P12と、図14(b)に示すように、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P11が互いに異なる。
この場合、タイミング決定部14は、例えば、図14(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P1を左右検出タイミングとして決定してもよい。また、タイミング決定部14は、図14(b)に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P2を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1と、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2との間(例えば両者から等間隔の位置)を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、例えば、図14(a)に示した右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置P1を第1の左右検出タイミングとし、図14(b)に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置P2を第2の左右検出タイミングとして決定して、2段階で左右検出タイミングを決定してもよい。
<第2の変形例>
本発明の第1の実施形態においては、交錯道路R2に対して、自車両20が走行する走行道路R1が直交する場合を説明したが、第2の変形例として、交錯道路R2に対して、自車両20が走行する走行道路R1が斜めに交差する場合を説明する。
図15に示すように、交錯道路R2と自車両20が走行する走行道路R1が斜めに交差する場合も、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するタイミングと、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するタイミングが互いに異なる。即ち、図15に示すように走行道路R1が右に傾斜して交錯道路R2に交わる場合には、左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するタイミングが先に到来する。
この場合、タイミング決定部14は、例えば、図15に示した左側センサ31の左側検出領域A1の境界が左側境界点P11に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)P1を左右検出タイミングとして決定してもよい。また、図示を省略するが、右側センサ32の右側検出領域A2の境界が右側境界点P12に接するときの自車両20の位置(即ち、相対的に、自車両20の現在位置に近く、交差点から見て遠い位置)を左右検出タイミングとして決定してもよい。
<第3の変形例>
本発明の第1の実施形態の第3の変形例として、交差点に存在する歩道やガードレールを考慮して左右検出タイミングを決定する場合を説明する。例えば図16(a)に示すように、交錯道路R2に沿ったガードレール61,62及び歩道を規定する白線51〜54が存在する場合には、境界検出部12は、遮蔽物41,42の先に位置する白線51,52のエッジ位置P11,P12を、左側境界点及び右側境界点として擬似的に検出してもよい。
なお、境界検出部12は、遮蔽物41,42の先に位置する白線51,52よりも手前側の白線53,54のエッジ位置を、左側境界点及び右側境界点として擬似的に検出してもよい。また、境界検出部12は、図16(b)に示すように、ガードレール61,62のエッジ位置P11,P12を、左側境界点及び右側境界点として検出してもよい。
また、境界検出部12は、図17に示すように、白線51のエッジ位置P11を左側境界点として検出し、ガードレール62のエッジ位置P12を右側境界点として検出してもよい。即ち、境界検出部12は、互いに異なる種類の対象について左側境界点P11及び右側境界点P12を検出してもよい。境界検出部12による検出対象は交差点の道路形状等に応じて適宜選択可能である。
本発明の第1の実施形態の第3の変形例によれば、交差点に存在する歩道やガードレールを考慮して左右検出タイミングを決定することにより、白線51〜54で規定される歩道やガードレール61,62に応じて左側境界点P11及び右側境界点P12を設定し、左右検出タイミングを決定できる。
<第4の変形例>
本発明の第1の実施形態の第4の変形例として、自車両20の位置及び姿勢によらずに自車両20の周囲状況のみから左右検出タイミングを決定する場合を説明する。
境界検出部12は、図18(a)に示すように、遮蔽物41のエッジ位置P11を左側境界点として検出し、遮蔽物42のエッジ位置P12を右側境界点として検出する。タイミング決定部14は、左側境界点P11と右側境界点P12を仮想的に結んだ直線上を左右検出タイミングP0として決定してもよい。図18(b)に示すように、左側境界点P11と右側境界点P12が走行道路R1の進行方向においてずれた位置にある場合も、タイミング決定部14は、左側境界点P11と右側境界点P12を仮想的に結んだ直線上を左右検出タイミングP0として教示してもよい。
また、図19に示すように、左側境界点P11と右側境界点P12が走行道路R1の進行方向においてずれた位置にある場合、タイミング決定部14は、左側境界点P11と右側境界点P12を直線で結ぶ代わりに、左側境界点P11及び右側境界点P12を通り、走行道路R1の幅方向に平行な直線P1,P2の一方上を左右検出タイミングとして教示してもよい。なお、直線P1上を第1の左右検出タイミングとし、直線P2上を第2の左右検出タイミングとして2段階で決定してもよい。
本発明の第1の実施形態の第4の変形例によれば、左側境界点P11と右側境界点P12を結んだ直線を左右検出タイミングP0として決定すること、又は左側境界点P11と右側境界点P12を通る直線を左右検出タイミングP1,P2として決定することにより、自車両20の位置及び姿勢によらずに容易に左右検出タイミングP0,P1,P2を決定することができる。
<第5の変形例>
本発明の第1の実施形態の第5の変形例として、左側センサ31の検出領域(表示領域)A1及び右側センサ32の検出領域(表示領域)A2を高さ方向において補正する場合を説明する。
例えば図20(a)に示すように、自車両20は左右検出タイミング上を通過しており、左側センサ31及び右側センサ32が交差道路R2の左右の状況を検出する。画像生成部16は、左側センサ31及び右側センサ32により検出された交差道路R2の左右の状況に含まれる無限遠点(水平線)等から、交差道路R2の左側勾配及び右側勾配を算出する。
画像生成部16は更に、交差道路R2の左側勾配及び右側勾配に基づいて、図20(b)に示すように、左側センサ31及び右側センサ32の左側センサ31の検出領域(表示領域)A1及び右側センサ32の検出領域(表示領域)A2を、交差道路R2上の移動体が検出可能なように補正する。
左側センサ31の左側検出領域A1及び右側センサ32の右側検出領域A2が、左側検出領域A1及び右側検出領域A2よりも広い範囲で検出して、その検出結果の一部を切り出して左側検出領域A1及び右側検出領域A2としている場合には、画像生成部16は、左側検出領域A1及び右側検出領域A2を切り出す位置を補正すればよい。なお、左側検出領域A1及び右側検出領域A2を補正するように左側センサ31及び右側センサ32自体の位置を調整してもよい。
本発明の第1の実施形態の第5の変形例によれば、左側センサ31の検出領域(表示領域)A1及び右側センサ32の検出領域(表示領域)A2を補正することにより、交差道路R2の勾配に応じた検出領域(表示領域)A1,A2を設定することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る運転支援装置は、図21に示すように、自車両20の前方、左側及び右側を含む周囲状況を検出可能な周囲状況センサ3が自車両20の前部に設けられている点が、図2に示した前方センサ30、左側センサ31及び右側センサ32を有する本発明の第1の実施の形態に係る運転支援装置の構成と異なる。
周囲状況センサ3としては、例えばレーザレンジファインダ(LRF)等のレーザレーダ又は広角カメラ等が使用可能である。周囲状況センサ3は、自車両20の前方の状況、左側の状況及び右側の状況を検出するように立体角φFで定義される放射状の検出領域A0を有する。検出領域A0は、例えば、自車両20の前進方向に平行な光軸a0を有し、水平方向において180°程度の範囲を有する。周囲状況センサ3は、自車両20の乗員席よりも前側に設けてあるので、自車両20が交差点に進入する際には、乗員席から乗員が肉眼では視認できていない交差点の左右の状況を先行して検出可能である。
図1に示した境界検出部12は、例えば図22に示すように、周囲状況センサ3により検出された自車両20の前方の状況を用いて、交差点の手前左側の角部に位置する建物等の遮蔽物41のエッジ位置P11を、左側境界点として検出する。境界検出部12は更に、周囲状況センサ3により検出された自車両20の前方の状況を用いて、交差点の手前右側の角部に位置する遮蔽物42のエッジ位置P12を、右側境界点として検出する。
タイミング決定部14は、境界検出部12により検出された左側境界点P11及び右側境界点P12と、姿勢検出部13により検出された自車両20の位置及び姿勢等に基づいて、交差点に進入する際の自車両20の左右検出タイミングを決定する。タイミング決定部14は、例えば図23(a)に示すように、自車両20が現在位置から直進したときに、周囲状況センサ3が左側境界点P11及び右側境界点P12と走行道路R1の進行方向において一致する位置P0を左右検出タイミングとして決定する。
なお、左側境界点P11及び右側境界点P12の位置が走行道路R1の進行方向においてずれているときは、タイミング決定部14は、周囲状況センサ3の位置が左側境界点P11及び右側境界点P12を結ぶ直線上にくる位置や、左側境界点P11及び右側境界点P12を通り道路Rの幅方向に平行な2つの直線のいずれかの上にくる位置等を、左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、図23(a)に示した位置よりも自車両20が前進すると、周囲状況センサ3の位置よりも後方の、交差点の左右の状況が、周囲状況センサ3の検出領域A0に入らなくなってくる。また、周囲状況センサ3の種類や設けた位置によっては、自車両20の車体によるオクルージョン(フロントバンパによるケラレ)が生じる場合がある。
このような場合には、タイミング決定部14は、例えば図23(b)に示すように、自車両20が現在位置から直進したときに、周囲状況センサ3が左側境界点P11及び右側境界点P12と走行道路R1の進行方向において一致する位置P3よりも所定の距離D1だけ手前の位置P0を左右検出タイミングとして決定してもよい。
また、タイミング決定部14は、例えば図24に示すように、周囲状況センサ3と左側境界点P11及び右側境界点P12のそれぞれとがなす角度θが所定の閾値(例えば90°)以上となるときの自車両20の位置P0を、左右検出タイミングとして決定してもよい。
図1に示した画像生成部16は、周囲状況センサ3により検出された自車両20の前方を含む周囲状況と、タイミング決定部14により決定された左右検出タイミングとを用いて、乗員が左右検出タイミングを認識可能なように左右検出タイミングを示す画像を生成する。
画像生成部16は、例えば図25に示すように、周囲状況センサ3により検出された自車両20の前方の状況と、左右検出タイミングP0を示す画像I0を生成する。画像生成部16は更に、自車両20が左右検出タイミングP0に到達した後には、周囲状況センサ3により検出された交差点における左右の状況を含む周囲状況を用いて、図26に示すように、交差点の前方の状況及び左右の状況を含む画像I0を生成する。図26では、交差点の左側の他車両21を枠線M1で囲んで強調表示している。
本発明の第2の実施の形態に係る運転支援装置の他の構成及び運転支援方法は、本発明の第1の実施の形態に係る運転支援装置及び運転支援方法と同様である。
本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施の形態と同様に、自車両20が交差点に進入する際に、交差点の道路形状と、自車両20の位置及び姿勢を用いて、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときの自車両20の左右検出タイミングP0を乗員に教示する。自車両20の左右検出タイミングP0を乗員に教示すれば、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングを乗員に容易に知覚させることができる。
したがって、乗員は、交差点における左右の状況を肉眼で視認できていないうちは表示部6に表示される画像を早期に見逃すことなく確認できる。その後、肉眼で視認可能となった後は表示部6の確認を止め、実風景を視認して交差点における左右の状況を確認することができる。
更に、自車両20の位置及び姿勢を検出し、自車両20の位置及び姿勢を用いて左右検出タイミングを決定することにより、自車両20の位置及び姿勢に応じた左右検出タイミングP0を決定することができる。
更に、左右検出タイミングを示す画像I0を表示すること、又は左右検出タイミングP0に近づくほど断続音を短くするように音声で左右検出タイミングP0を教示することにより、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングを乗員に容易に知覚させることができる。
更に、交差点に近づくまでの走行道路R1の幅員が狭いほど、又は自車両20の速度が高いほど、左右検出タイミングP0を乗員に教示し始める位置を手前に(タイミングを早く)設定することにより、左側センサ31及び右側センサ32により交差点における左右の状況を先行して検出可能となるときのタイミングの教示を、走行道路R1の幅員又は自車両20の速度に応じて適切なタイミングで開始できる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の第1及び第2の実施形態においては、交差点としてT字路を例示したが、交差点は2本以上の道路と道路が交差する部分であればよく、Y字路等の三叉路や、十字路等の四叉路等であってもよい。
また、教示部15は、表示部6に表示したり、スピーカ5で警告音を発したりすることにより左右検出タイミングP0,P1,P2を乗員に教示する場合を例示したが、他の手段で乗員に教示しても構わない。例えば、ステアリングホイールに埋め込んだアクチュエータを振動させる等の触覚的な教示であってもよく、ステアリングホイールに埋め込んだ発光部を発光させること等により、左右検出タイミングP0,P1,P2自体を表示せずに視覚的に教示してもよい。
また、タイミング決定部14は、乗員席から乗員の肉眼では視認できていない交差点における左右の状況を、左側センサ31及び右側センサ32により先行して検出可能となる位置、即ち左側センサ31及び右側センサ32により先行して検出可能となる区間の始期を左右検出タイミング(1次左右検出タイミング)P0,P1,P2として決定したが、更に、乗員席から乗員の肉眼でも視認可能となる位置、即ち左側センサ31及び右側センサ32により先行して検出可能な区間の終期を2次左右検出タイミングとして決定してもよい。
例えば、自車両20の乗員席の位置が、左側境界点及び右側境界点を結ぶ直線上にくるときの位置を2次左右検出タイミングとして決定できる。教示部15が、2次左右検出タイミングも乗員に対して教示することにより、乗員は表示部6の表示が有効な区間が終了したことを容易に知覚し、適切なタイミングで表示部6の確認を止めて、現実の風景に注意を向けることができる。
また、本発明の第1及び第2の実施形態においては、左右両側に遮蔽物がある場合には左側境界点及び右側境界点の両方を検出する場合を例示したが、必ずしも左側境界点及び右側境界点の両方を検出しなくてもよい。即ち、左側境界点及び右側境界点のいずれかを検出して、検出した左側境界点又は右側境界点を用いて、検出された左側境界点側又は右側境界点側が検出可能となるように左右検出タイミングを決定してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。