JP6797111B2 - イヌpd−l1と結合するpd−l1抗体 - Google Patents

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関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月30日に出願された米国仮出願第62/057,541号および2015年6月8日に出願された米国仮出願第62/172,511号の利益を主張するものであり、これらの内容はいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、特異的性質を有する抗イヌPD−L1抗体に関する。本発明はまた、イヌPD−L1に対する特異的配列および高い結合アフィニティーを持つイヌPD−L1に対するイヌ化抗体に関する。本発明はさらに、これらの抗体に結合するイヌPD−L1のエピトープに関し、並びにこれらのエピトープと結合する抗イヌPD−L1抗体に関する。本発明はさらに、がんの処置を包含するイヌの処置における本発明の抗体の使用に関する。
活性化されたT細胞およびB細胞上で主に発現する免疫抑制性受容体であるプログラム細胞死受容体1(Programmed Cell Death Receptor 1)は、プログラム死受容体1(Programmed Death Receptor 1、PD−1)とも呼ばれ、CD28および細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質−4(cytotoxic T−lymphocyte associated protein−4、CTLA−4)に関連する免疫グロブリンスーパーファミリーの一員である。PD−1および同様のファミリーメンバーは、そのリガンドと結合する細胞外Ig可変型(V型)ドメインおよびシグナル伝達分子と結合する細胞質側末端を含有するI型膜貫通糖タンパク質である。PD−1の細胞質側末端は、2つのチロシンベースのシグナル伝達モチーフであるITIM(免疫受容体チロシンベース抑制モチーフ、immunoreceptor tyrosine−based inhibition motif)およびITSM(免疫受容体チロシンベーススイッチモチーフ、immunoreceptor tyrosine−based switch motif)を含有する。
PD−1は、プログラム死リガンド1(Programmed Death Ligand 1、PD−L1)とも呼ばれるプログラム細胞死リガンド1(Programmed Cell Death Ligand 1)および/またはプログラム死リガンド2(Programmed Death Ligand 2、PD−L2)とも呼ばれるプログラム細胞死リガンド2(Programmed Cell Death Ligand 2)に結合したとき、T細胞応答を減弱する。これらのリガンドのいずれかのPD−1への結合は、抗原受容体シグナル伝達を負に調節する。PD−L1のPD−1への結合の遮断は、腫瘍特異的CD8T細胞免疫を増強し、同時に免疫系による腫瘍細胞のクリアランスを助ける。マウスPD−1の3次元構造並びにマウスPD−1とヒトPD−L1との共結晶構造が報告されている[Zhang et al.,Immunity 20:337−347(2004);Lin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:3011−3016(2008)]。
PD−L1およびPD−L2は、既知のシグナル伝達モチーフを有さない短い細胞質領域を伴う細胞外領域内にIgV様ドメインおよびIgC様ドメインの両方を含有するI型膜貫通リガンドである。PD−L1およびPD−L2はいずれも非造血組織並びに様々な腫瘍型を包含する種々の細胞型において恒常的に発現しているかまたは誘導され得る。PD−L1は、B細胞、T細胞、骨髄細胞および樹状細胞(DC)上だけでなく、末梢細胞、例えば微小血管内皮細胞など、および非リンパ器官、例えば心臓または肺においても発現する。対照的に、PD−L2は、マクロファージおよびDC上でのみ見出される。PD−1リガンドの発現パターンは、PD−1が末梢の耐性維持において役割を果たし、さらに末梢における自己反応性のT細胞応答およびB細胞応答を調節するのに役立ち得ることを示唆する。
いずれにせよ、今やPD−1およびPD−L1がおそらく免疫回避を仲介することによって少なくともある種のヒトのがんにおいて決定的な役割を果たすことは大いに明らかである。それに応じて、PD−L1は多数のマウスおよびヒトの腫瘍上で発現することが示されており、PD−L1陰性腫瘍細胞株の大半においてIFN−γにより誘導可能である[Iwai et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:12293−12297(2002);Strome et al.,Cancer Res.,63:6501−6505(2003)]。そのうえ、リンパ球が浸潤している腫瘍上のPD−1の発現および/または腫瘍細胞上のPD−L1の発現が、多数の原発ヒト腫瘍の生検において確認されている。かかる腫瘍組織としては、肺、肝臓、卵巣、子宮頸部、皮膚、結腸、神経膠腫、膀胱、***、腎臓、食道、胃、口腔扁平細胞、尿路上皮細胞および膵臓のがん、並びに頭頸部の腫瘍が挙げられる[Brown et al.,J.Immunol.170:1257−1266(2003);Dong et al.,Nat.Med.8:793−800(2002);Wintterle et al.,Cancer Res.63:7462−7467(2003);Strome et al.,Cancer Res.,63:6501−6505(2003);Thompson et al.,Cancer Res.66:3381−5(2006);Thompson et al.,Clin.Cancer Res.13:1757−1761(2007);Nomi et al.,Clin.Cancer Res.13:2151−2157.(2007)]。より際立ったことに、腫瘍細胞上のPDリガンドの発現は、複数の腫瘍型にわたってヒトがん患者の予後不良と相関している[Okazaki and Honjo,Int.Immunol.19:813−824(2007)中に概説されている]。
さらには、Nomiら[Clin.Cancer Res.13:2151−2157(2007)]は、侵攻性膵臓がんのマウスモデルにおいて、PD−1またはPD−L1に対する抗体を投与することを通じて、PD−L1のPD−1への結合遮断の治療有効性を実証した。これらの抗体は、腫瘍内への腫瘍反応性CD8T細胞の浸潤を効果的に促進し、IFN−γ、グランザイムBおよびパーフォリンといった抗腫瘍エフェクターのアップレギュレーションをもたらした。同様に、PD−L1およびPD−1の結合を遮断する抗体の使用は、マウス扁平細胞癌モデルにおける腫瘍増殖を顕著に阻害した[Tsushima et al.,Oral Oncol.42:268−274(2006)]。
他の研究において、マウスマスト細胞腫株のPD−L1でのトランスフェクションは、腫瘍特異的CTLクローンと共培養したときの腫瘍細胞の溶解の減少を導いた。抗PD−L1モノクローナル抗体を加えると、溶解は回復した[Iwai et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:12293−12297(2002)]。インビボでPD1/PD−L1相互作用を遮断することは、マウス腫瘍モデルにおける養子T細胞移入治療の有効性を向上させることが示された[Strome et al.,Cancer Res.63:6501−6505(2003)]。がん処置におけるPD−1およびPD−L1の役割についてのさらなる証拠は、PD−L1を発現する骨髄腫細胞が野生型動物においてのみ増殖し(腫瘍増殖および付随する動物死をもたらした)、PD−1欠損マウスにおいては増殖しなかったという、PD−1ノックアウトマウスを使用して実施された実験から得られる[Iwai Y.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:12293−12297(2002)]。より近年に、ヒトPD−1に対するヒト化マウスモノクローナル抗体はヒトのがん治療において最初の成功を示している[例えばUS8,354,509B2、US8,008,449B2およびUS7,595,048B2を参照されたい]。
抗PD−L1抗体は、慢性ウイルス感染においても有用であり得る。急性ウイルス感染の後に生成されるメモリーCD8T細胞は高度に機能的であり、防御免疫の重要な構成要素となる。対照的に、慢性感染はしばしば様々な程度のウイルス特異的T細胞応答の機能的障害(枯渇)を特徴とし、この欠陥は宿主が生き残っている病原体を除去することができないことの主な理由である。感染の初期段階の間に機能的エフェクターT細胞が最初に生成されるが、これらは慢性感染の過程の間に徐々に機能を失う。Barberら[Nature 439:682−687(2006)]は、LCMVの実験室株に感染したマウスは血液および他の組織中に高レベルのウイルスをもたらす慢性感染に罹患したことを示した。これらのマウスは最初は頑強なT細胞応答を生じたが、T細胞が枯渇するとやがて感染に屈した。Barberらは、慢性感染マウスにおけるエフェクターT細胞の数および機能の低下は、PD−1とPD−L1との間の相互作用を遮断する抗体を注射することにより元に戻すことができることを見出した。
イヌの抗体(免疫グロブリンGまたはIgGとも呼ばれる)は、約150Kdの大きな4量体タンパク質である。各IgGタンパク質は、それぞれ約25Kdの2つの同一の軽鎖およびそれぞれ約50Kdの2つの同一の重鎖から構成される。イヌIgGには4つの既知のIgG重鎖サブクラスがあり、それらはIgGA、IgGB、IgGCおよびIgGDと呼ばれる。軽鎖には2つのタイプ;カッパ鎖およびラムダ鎖がある。カッパ軽鎖またはラムダ軽鎖の各々は、1つの可変ドメイン(VL)および1つの定常ドメイン(CL)から構成される。2つの重鎖の各々は、1つの可変ドメイン(VH)、ならびにCH−1、CH−2およびCH−3と呼ばれる3つの定常ドメインからなる。CH−1ドメインは、「ヒンジ」あるいは「ヒンジ領域」と呼ばれるアミノ酸配列を通じてCH−2ドメインにつながっている。ヒトにおいて、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4と呼ばれる4つのサブクラスのうちの1つに存する。IgGのサブクラスは大きくはヒンジ領域の配列により決定されるが、この配列はIgGの4つのサブクラスの中で異なっている。2つの重鎖はジスルフィド結合により互いに連結されていて、各重鎖はまたジスルフィド結合を介して軽鎖の1つとも連結されている。
酵素パパインでのIgG抗体の消化はヒンジ領域において抗体分子を破壊し、3つの断片の形成をもたらす。これらの断片のうちの2つは同一であり、各々は重鎖のVHドメインおよびCH1ドメインと結び付いた軽鎖からなる。これらの断片は「Fab」断片といわれ、抗体の抗原結合部位を含有する。パパインでの消化により生じる第三の断片は「Fc」といわれ、ジスルフィド結合により結び付いた2つの重鎖の残部を含有する。Fcは、それゆえに、2つの重鎖の各々のCH2ドメインおよびCH3ドメインからなるダイマーを含有する。Fabは抗体がその同族エピトープに結合することを可能にするのに対し、Fcは抗体が免疫エフェクター機能、例えば抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)および補体依存性細胞傷害活性(CDC)などを仲介することを可能にする。
IgG抗体はそれらのFc部分とFcγ受容体として知られるタンパク質のファミリーとの結合を介してエフェクター機能、例えばADCCおよびADCPなどを仲介する一方、CDCは、Fcと補体第一成分であるC1qとの結合を介して仲介されることが当該技術分野で周知である。異なるIgGサブクラスはこれらエフェクター機能を仲介する能力が異なることもまた当該技術分野で周知である。例えば、ヒトIgG1は強いADCCおよびCDCを発揮するが、IgG4はADCCおよびCDCを弱く発揮するか全く発揮しない。加えて、どのIgGサブクラスがエフェクター機能を発揮するまたは欠くのかを確認する方法も当該技術分野で周知である。
治療目的のためのモノクローナル抗体の使用に依拠するアプローチは、所望の治療応答を達成するために目的にかなった抗体または抗体断片の設計を必要とする。例えば、がんのためのいくつかの治療アプローチはエフェクター機能が増強された治療抗体を必要とするが、他のアプローチではエフェクター機能が顕著に低減されるまたは完全に除去されることを必要とする。エフェクター機能の増強または除去は、Fcγ受容体と補体第一成分との結合を増強または低減させるような抗体のFc部分への1または複数のアミノ酸変異(置換)の導入によって達成され得る。従来技術の中には、エフェクター機能を調整するために抗体分子内に導入され得るアミノ酸置換を記述している多数の報告がある。例えば、Shieldsら[J. of Biol.Chem.,276(9):6591−6604(2001)]は、アスパラギンからアラニンへの置換(N297A)が糖化されていない抗体をもたらし、いくつかのFcγ受容体への抗体の結合を顕著に低減させることを開示した。加えて、Shieldsらは、アスパラギン酸からアラニンへの置換(D265A)もまたFcγ受容体への抗体の結合を顕著に低減させることを開示した。N297A置換およびD265A置換の各々はまた、CDCを顕著に減じることも示された。抗体のエフェクター機能を低減または除去するための可能性のある置換を同定した同様の報告は他にもある[例えば、Sazinsky et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,105:20167−20172(2008)、Alegre et al.,Transplantation,57:1537−1543(1994)、Hutchins et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.92:11980−11984(1994)、McEarchem et al.,Blood,109:1185−1192(2007)]。
本明細書におけるあらゆる参考文献の引用は、かかる参考文献が本出願に対する「従来技術」として利用可能であるという自認として解釈されるべきではない。
US8,354,509B2 US8,008,449B2 US7,595,048B2
Zhang et al.,Immunity 20:337−347(2004) Lin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:3011−3016(2008) Iwai et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:12293−12297(2002) Strome et al.,Cancer Res.,63:6501−6505(2003) Brown et al.,J.Immunol.170:1257−1266(2003) Dong et al.,Nat.Med.8:793−800(2002) Wintterle et al.,Cancer Res.63:7462−7467(2003) Thompson et al.,Cancer Res.66:3381−5(2006) Thompson et al.,Clin.Cancer Res.13:1757−1761(2007) Nomi et al.,Clin.Cancer Res.13:2151−2157(2007) Okazaki and Honjo,Int.Immunol.19:813−824(2007) Tsushima et al.,Oral Oncol.42:268−274(2006) Barber et al.,Nature 439:682−687(2006) Shields et al.,J. of Biol.Chem.,276(9):6591−6604(2001) Sazinsky et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,105:20167−20172(2008) Alegre et al.,Transplantation,57:1537−1543(1994) Hutchins et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.92:11980−11984(1994) McEarchem et al.,Blood,109:1185−1192(2007)
本発明は、イヌのプログラム死リガンド1(イヌPD−L1)と特異性を有して結合する抗体およびその抗原結合断片(単離された抗体および単離されたその抗原結合断片を包含する)を提供する。特定の実施形態において、抗体およびその断片は哺乳動物の抗体である。より特定の実施形態において、哺乳動物の抗体は、マウスの(すなわちマウス)抗体である。本発明の関連する態様において、単離された抗体はイヌ化抗体である。具体的な実施形態において、イヌ化抗体は、イヌ化された哺乳動物(例えばマウス)の抗イヌPD−L1抗体である。本発明の抗体およびその抗原結合断片は、イヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のイヌプログラム死受容体1(PD−1)への結合を遮断することができる。本発明はさらに、イヌにおける疾患の処置、例えばがんの処置におけるかかる抗体またはその抗原結合断片の使用を提供する。
特定の実施形態において、イヌPD−L1と特異性を有して結合する抗体またはその抗原結合断片は、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR):CDR light 1(CDRL1)、CDR light 2(CDRL2)およびCDR light 3(CDRL3);ならびに3つの重鎖CDR:CDR heavy 1(CDRH1)、CDR heavy 2(CDRH2)およびCDR heavy 3(CDRH3)を含む。
ある実施形態において、CDRH1は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRH1は、配列番号13の保存的改変バリアントを含む。さらに他の実施形態において、CDRH1は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号13のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。なお他の実施形態において、CDRH1は、配列番号19のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、CDRH1は、配列番号19の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRH1は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号19のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
ある実施形態において、CDRH2は、配列番号14のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRH2は、配列番号14の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRH2は、カノニカル構造クラス3Bを含む配列番号14のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。さらに他の実施形態において、CDRH2は、配列番号20のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態において、CDRH2は、配列番号20の保存的改変バリアントを含む。さらに他の実施形態において、CDRH2は、カノニカル構造クラス3Bを含む配列番号20のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
ある実施形態において、CDRH3は、配列番号15のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRH3は、配列番号15の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRH3は、カノニカル構造クラス10を含む配列番号15のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。さらに他の実施形態において、CDRH3は、配列番号21のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態において、CDRH3は、配列番号21の保存的改変バリアントを含む。さらに他の実施形態において、CDRH3は、カノニカル構造クラス8を含む配列番号21のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
ある実施形態において、CDRL1は、配列番号16のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRL1は、配列番号16の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRL1は、カノニカル構造クラス2を含む配列番号16のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。さらに他の実施形態において、CDRL1のアミノ酸配列は、配列番号22を含む。なお他の実施形態において、CDRL1は、配列番号22の保存的改変バリアントを含む。さらに他の実施形態において、CDRL1は、カノニカル構造クラス3を含む配列番号22のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
ある実施形態において、CDRL2は、配列番号17のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRL2は、配列番号17の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRL2は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号17のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。さらに他の実施形態において、CDRL2のアミノ酸配列は、配列番号23を含む。なお他の実施形態において、CDRL2は、配列番号23の保存的改変バリアントを含む。さらに他の実施形態において、CDRL2は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号23のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
ある実施形態において、CDRL3は、配列番号18のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、CDRL3は、配列番号18の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRL3は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号18のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。さらに他の実施形態において、CDRL3のアミノ酸配列は、配列番号24を含む。なお他の実施形態において、CDRL3は、配列番号24の保存的改変バリアントを含む。なお他の実施形態において、CDRL3は、カノニカル構造クラス1を含む配列番号24のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含む。
本発明はさらに、所与の抗体における、本発明のCDR(またはそのバリアント)のうちの2以上の組み合わせを、例えば配列番号15のアミノ酸配列を含むCDRH3および配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL3の組み合わせを提供する。
具体的な実施形態において、イヌPD−L1と結合する抗体およびその抗原結合断片は、配列番号13、配列番号13の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号13のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRH1;配列番号14、配列番号14の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス3Bを含む配列番号14のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRH2;配列番号15、配列番号15の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス10を含む配列番号15のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含むCDRH3;配列番号16、配列番号16の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス2を含む配列番号16のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号17、配列番号17の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号17のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および、配列番号18、配列番号18の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号18のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
関連する実施形態において、イヌPD−L1と結合する抗体およびその抗原結合断片は、配列番号19、配列番号19の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号19のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRH1;配列番号20、配列番号20の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス3Bを含む配列番号20のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRH2;配列番号21、配列番号21の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス8を含む配列番号21のバリアント(例えば機能保存的バリアント)を含むCDRH3;配列番号22、配列番号22の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス3を含む配列番号22のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号23、配列番号23の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号23のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL2;および、配列番号24、配列番号24の保存的改変バリアント、またはカノニカル構造クラス1を含む配列番号24のバリアント(例えば機能保存的バリアント)のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
したがって、本発明の特定の態様において、本発明はさらに、イヌ化された抗イヌPD−L1抗体を提供する。ある実施形態において、イヌ化された抗イヌPD−L1抗体は、イヌ化された哺乳動物の(例えばマウスの)抗イヌPD−L1抗体である。具体的な実施形態において、イヌ化された抗イヌPD−L1抗体(例えばイヌ化された哺乳動物抗イヌPD−L1抗体、例えばイヌ化されたマウス抗イヌPD−L1抗体など)は、1または複数のエフェクター機能を増大、減少または除去するように遺伝子改変されたcFcを含む。このタイプの特定の実施形態において、遺伝子改変されたcFcは、1または複数のエフェクター機能を減少または除去する。他の特定の実施形態において、遺伝子改変されたcFcは、1または複数のエフェクター機能を増大させる。
ある実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、遺伝子改変されたイヌIgGB Fc領域である。別のかかる実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、遺伝子改変されたイヌIgGC Fc領域である。特定の実施形態において、エフェクター機能は、増大、減少または除去される抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)である。別の他の実施形態において、エフェクター機能は、増大、減少または除去される補体依存性細胞傷害活性(CDC)である。さらなる別の実施形態において、cFc領域はADCCおよびCDCの両方を増大、減少または除去するように遺伝子改変されている。
本発明はさらに、遺伝子改変されたcFc領域を含むイヌのフレームおよび/または完全長の重鎖を提供する。したがって、本発明は、本発明の遺伝子改変されたcFc領域および本発明のCDRを含む抗体の完全長重鎖を提供する。かかる完全長重鎖はまた、完全な抗体を形成させるために対応するイヌ軽鎖(カッパ鎖またはラムダ鎖)と組み合わせることができる。このタイプの特定の実施形態において、結果として得られる抗体はイヌPD−L1に結合する。
ある実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、次のアミノ酸残基:P4、D31、N63、G64、T65、A93またはP95のうちの1から7個が指し示された位置で別のアミノ酸残基に置き換えられた配列番号66(または配列番号68)のアミノ酸配列を含む。P4、D31、N63、G64、T65、A93および/またはP95を置換するアミノ酸は、下の表1中に収載されているように、その他の19個の標準的な天然起源のアミノ酸のうちの1つから個々に選択される。本発明はさらに、かかる遺伝子改変されたcFc領域のアミノ酸配列と90%、95%、98%または99%同一であるアミノ酸を含み、配列番号66(または配列番号68)のアミノ酸配列を含む遺伝子改変されたcFc領域の少なくとも50%、75%、90%、95%またはそれより多くのADCCおよび/またはCDCの増強、減少または除去を保持した遺伝子改変されたcFc領域のバリアントを提供するものであり、ここで次のアミノ酸残基:すなわちP4、D31、N63、G64、T65、A93またはP95のうちの1または複数が置き換えられた。
他の実施形態において、次のアミノ酸残基:P4、D31、N63、G64、T65、A93またはP95のうちの2から5個が、示された位置で別のアミノ酸残基により置き換えられている。このタイプの特定の実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、次の置換:P4A、D31A、N63A、A93GおよびP95Aを有する配列番号66または配列番号68のアミノ酸配列を含む。関連する実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、次の置換:P4A、D31A、N63AおよびP95Aを有する配列番号66または配列番号68のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、D31およびN63での置換を有する配列番号66または配列番号68のアミノ酸配列を含む。このタイプの特定の実施形態において、31位のアスパラギン酸残基はグルタミン酸残基、アスパラギン残基またはアラニン残基で置き換えられ、63位のアスパラギン残基はグルタミン残基、ヒスチジン残基またはアラニン残基で置き換えられる。このタイプのより特定の実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、次の置換:D31AおよびN63Aを有する配列番号66または配列番号68のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、それらがコードするアミノ酸配列に対応したヌクレオチド変化を含む配列番号65または配列番号67のヌクレオチド配列によりコードされる。
別の実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域は、A93に置換を有する配列番号66または配列番号68のアミノ酸配列を含む。このタイプの特定の実施形態において、置換はA93Gである。関連する実施形態において、置換はA93Sである。2014年7月30日に出願され、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国仮出願第62/030,812号中に記載されているように、A93Gの置換は補体C1qの結合亢進を導き、このことはCDC活性向上を示す。
関連する実施形態において、遺伝子改変されたcFc領域はさらに、配列番号45のアミノ酸配列を含むヒンジ領域を含む。他の実施形態において、遺伝子改変されたFc領域はさらに、配列番号46のアミノ酸配列を含むヒンジ領域を含む。なお他の実施形態において、遺伝子改変されたFc領域はさらに、配列番号47のアミノ酸配列を含むヒンジ領域を含む。さらに他の実施形態において、遺伝子改変されたFc領域はさらに、配列番号48のアミノ酸配列を含む遺伝子改変されたヒンジ領域を含む。
代替的実施形態において、本発明は、イヌIgGD抗体からの遺伝子改変されたヒンジ領域、イヌIgGA抗体からのヒンジ領域、イヌIgGB抗体からのヒンジ領域またはイヌIgGC抗体からのヒンジ領域を有するイヌIgGD Fc領域を提供する。さらには、本発明は、イヌIgGD抗体からの遺伝子改変されたヒンジ領域、イヌIgGA抗体からのヒンジ領域、イヌIgGB抗体からのヒンジ領域またはイヌIgGC抗体からのヒンジ領域を有する本発明のイヌIgGD Fc領域を含む、抗体の完全長重鎖を提供する。かかる完全長重鎖はまた、完全な抗体を形成させるために対応するイヌ軽鎖(カッパ鎖またはラムダ鎖)と組み合わせることができる。
したがって、本発明は、イヌIgGD抗体からの遺伝子改変されたヒンジ領域をさらに含むイヌIgGD Fc領域を提供する。このタイプの特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域および遺伝子改変されたヒンジ領域は、配列番号6のアミノ酸配列または配列番号6のアミノ酸と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含み、これは10位にプロリン残基(P10)を含む。より特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域および遺伝子改変されたヒンジ領域は、配列番号5のヌクレオチド配列によりコードされる。他の実施形態において、イヌIgGD Fc領域は、イヌIgGA抗体からのヒンジ領域をさらに含む。このタイプの特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域は、配列番号8のアミノ酸配列または配列番号8のアミノ酸と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含む。より特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域は、配列番号7のヌクレオチド配列によりコードされる。なお他の実施形態において、イヌIgGD Fc領域は、イヌIgGB抗体からのヒンジ領域をさらに含む。このタイプの特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域は、配列番号10のアミノ酸配列または配列番号10のアミノ酸と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含む。より特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域は、配列番号9のヌクレオチド配列によりコードされる。さらに他の実施形態において、イヌIgGD Fc領域は、イヌIgGC抗体からのヒンジ領域をさらに含む。このタイプの特定の実施形態において、イヌIgGD cFc領域およびヒンジ領域は、配列番号12のアミノ酸配列または配列番号12のアミノ酸と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含む。より特定の実施形態において、イヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域は、配列番号11のヌクレオチド配列によりコードされる。本発明はさらに、これらのイヌIgGD Fc領域およびヒンジ領域を含むイヌ化抗体を提供する。特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、イヌのプログラム死受容体1(イヌPD−1)と特異性を有して結合する。
本発明は、それゆえ、イヌPD−L1への特異性を有するおよび/または高い結合アフィニティーを持つイヌ化抗イヌPD−L1抗体を提供する。特定の実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体はまた、イヌPD−L1のイヌPD−1への結合を遮断する能力を持つ。イヌPD−L1と特異的に結合するかかるイヌ化抗体またはその抗原結合断片は、本発明のイヌIgG重鎖およびイヌのカッパ軽鎖またはラムダ軽鎖を含むことができる。特定の実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体は、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体である。本発明はまた、疾患、例えばがんおよび/または感染に起因する疾患などの処置における、かかるイヌ化抗体の使用に関する。
特定の実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体は、本発明の遺伝子改変されたcFc領域を含む。代替的実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体は、イヌIgGD抗体からの遺伝子改変されたヒンジ領域、イヌIgGA抗体からのヒンジ領域、イヌIgGB抗体からのヒンジ領域またはイヌIgGC抗体からのヒンジ領域を有するイヌIgGD Fc領域を含む。本発明はさらに、マウス抗イヌPD−L1抗体から得られるCDR、すなわち3つの軽鎖CDR:CDR light 1(CDRL1)、CDR light 2(CDRL2)およびCDR light 3(CDRL3)ならびに3つの重鎖CDR、CDR heavy 1(CDRH1)、CDR heavy 2(CDRH2)およびCDR heavy 3(CDRH3)と組み合わせた本発明のイヌのフレームを含む、かかるイヌ化抗イヌPD−L1抗体を提供する。
特定の実施形態において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体は、マウス抗イヌPD−L1抗体から得られるCDRと組み合わせた、本発明のIgGBもしくはIgGCの遺伝子改変されたcFc領域、またはあるいはイヌIgGD抗体からの遺伝子改変されたヒンジ領域、イヌIgGA抗体からのヒンジ領域、イヌIgGB抗体からのヒンジ領域もしくはイヌIgGC抗体からのヒンジ領域を伴うイヌIgGD Fc領域、を含む。さらには、本発明は、本明細書中に詳述されている特異的CDRを有するイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体を提供するのみならず、それらのCDRの保存的改変バリアント、並びに同一のカノニカル構造を含む(例えば共有する)バリアントを含むイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体をさらに提供する。
したがって、特定の実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体は相補性決定領域(CDR)をさらに含み、このCDRはそれぞれ重鎖のCDR1、CDR2およびCDR3に関してカノニカル構造:H1−1、H2−3BおよびH3−10を持つ。よりいっそう特定の実施形態において、対応する軽鎖のCDRは、それぞれ軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3に関してカノニカル構造:L1−2、L2−1およびL3−1を持つ。他の実施形態において、イヌ化抗イヌPD−L1抗体は相補性決定領域(CDR)をさらに含み、このCDRはそれぞれ重鎖のCDR1、CDR2およびCDR3に関してカノニカル構造:H1−1、H2−3BおよびH3−8を持つ。このタイプのよりいっそう特定の実施形態において、対応する軽鎖のCDRは、それぞれ軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3に関してカノニカル構造:L1−3、L2−1およびL3−1を持つ。
より特定の実施形態において、本発明のイヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号13または配列番号19のアミノ酸配列を有する1または複数の重鎖相補性決定領域1(VH CDR1)を含む。別の実施形態において、重鎖相補性決定領域2(VH CDR2)は、配列番号14または配列番号20のアミノ酸配列を含む。なお別の実施形態において、重鎖相補性決定領域3(VH CDR3)は、配列番号15または配列番号21のアミノ酸配列を含む。このタイプの特定の実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号13または配列番号19のアミノ酸配列を含むVH CDR1および配列番号14または配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR2の両方を含む。
別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号13または配列番号19のアミノ酸配列を含むVH CDR1および配列番号15または配列番号21のアミノ酸配列を含むVH CDR3の両方を含む。さらに別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号14または配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR2および配列番号15または配列番号21のアミノ酸配列を含むVH CDR3の両方を含む。なお別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号13または配列番号19のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号14または配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR2および配列番号15または配列番号21のアミノ酸配列を含むVH CDR3を含む。
特定の実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片はまた、配列番号16または配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(VL CDR1)を含む。関連する実施形態において、軽鎖相補性決定領域2(VL CDR2)は、配列番号17または配列番号23のアミノ酸配列を含む。なお別の実施形態において、軽鎖相補性決定領域3(VL CDR3)は、配列番号18または配列番号24のアミノ酸配列を含む。このタイプの特定の実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号16または配列番号22のアミノ酸配列を含むVL CDR1および配列番号17または配列番号23のアミノ酸配列を含むVL CDR2の両方を含む。
別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号16または配列番号22のアミノ酸配列を含むVL CDR1および配列番号18または配列番号24のアミノ酸配列を含むVL CDR3の両方を含む。さらに別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号17または配列番号23のアミノ酸配列を含むVL CDR2および配列番号18または配列番号24のアミノ酸配列を含むVL CDR3の両方を含む。なお別のかかる実施形態において、イヌ化抗体または抗原結合断片は、配列番号16または配列番号22のアミノ酸配列を含むVL CDR1、配列番号17または配列番号23のアミノ酸配列を含むVL CDR2および配列番号18または配列番号24のアミノ酸配列を含むVL CDR3を含む。
本発明はさらに、配列番号26のアミノ酸配列もしくは配列番号26のアミノ酸配列と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列、および配列番号28のアミノ酸配列もしくは配列番号28のアミノ酸配列と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含むイヌ化抗体、またはこれらのイヌ化抗体の抗原結合断片を提供する。本発明はまた、配列番号30のアミノ酸配列もしくは配列番号30のアミノ酸配列と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列、および配列番号32のアミノ酸配列もしくは配列番号32のアミノ酸配列と90%、95%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含むイヌ化抗体、またはこれらのイヌ化抗体の抗原結合断片を提供する。
特定の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にP、A、GまたはSを、(ii)269位にA、GまたはSを、(iii)301位にA、GまたはSを、(iv)302位にG、PまたはAを、(v)303位にT、A、GまたはSを、(vi)331位にA、GまたはSを、および(vii)333位にP、A、GまたはSを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にP、A、GまたはSを、(ii)267位にA、GまたはSを、(iii)299位にA、GまたはSを、(iv)300位にG、PまたはAを、(v)301位にT、A、GまたはSを、(vi)329位にA、GまたはSを、および(vii)331位にP、A、GまたはSを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にP、A、GまたはSを、(ii)265位にA、GまたはSを、(iii)297位にA、GまたはSを、(iv)298位にG、PまたはAを、(v)299位にT、A、GまたはSを、(vi)327位にA、GまたはSを、および(vii)329位にP、A、GまたはSを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
なお他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にP、A、GまたはSを、(ii)269位にAを、(iii)301位にAを、(iv)302位にG、PまたはAを、(v)303位にT、A、GまたはSを、(vi)331位にA、GまたはSを、および(vii)333位にP、A、GまたはSを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にP、A、GまたはSを、(ii)267位にAを、(iii)299位にAを、(iv)300位にG、PまたはAを、(v)301位にT、A、GまたはSを、(vi)329位にA、GまたはSを、および(vii)331位にP、A、GまたはSを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にP、A、GまたはSを、(ii)265位にAを、(iii)297位にAを、(iv)298位にG、PまたはAを、(v)299位にT、A、GまたはSを、(vi)327位にA、GまたはSを、および(vii)329位にP、A、GまたはSを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
なお他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にAを、(ii)269位にAを、(iii)301位にAを、(iv)302位にPを、(v)303位にAを、(vi)331位にGを、および(vii)333位にAを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にAを、(ii)267位にAを、(iii)299位にAを、(iv)300位にPを、(v)301位にAを、(vi)329位にGを、および(vii)331位にAを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にAを、(ii)265位にAを、(iii)297位にAを、(iv)298位にPを、(v)299位にAを、(vi)327位にGを、および(vii)329位にAを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にPを、(ii)269位にA、GまたはSを、(iii)301位にA、GまたはSを、(iv)302位にGを、(v)303位にTを、(vi)331位にAを、および(vii)333位にPを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にPを、(ii)267位にA、GまたはSを、(iii)299位にA、GまたはSを、(iv)300位にGを、(v)301位にTを、(vi)329位にAを、および(vii)331位にPを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にPを、(ii)265位にA、GまたはSを、(iii)297位にA、GまたはSを、(iv)298位にGを、(v)299位にTを、(vi)327位にAを、および(vii)329位にPを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
なお他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にPを、(ii)269位にAを、(iii)301位にAを、(iv)302位にGを、(v)303位にTを、(vi)331位にAを、および(vii)333位にPを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にPを、(ii)267位にAを、(iii)299位にAを、(iv)300位にGを、(v)301位にTを、(vi)329位にAを、および(vii)331位にPを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にPを、(ii)265位にAを、(iii)297位にAを、(iv)298位にGを、(v)299位にTを、(vi)327位にAを、および(vii)329位にPを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にP、A、GまたはSを、(ii)269位にA、GまたはSを、(iii)301位にA、GまたはSを、(iv)302位にGを、(v)303位にTを、(vi)331位にA、GまたはSを、および(vii)333位にP、A、GまたはSを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他のかかる実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にP、A、GまたはSを、(ii)267位にA、GまたはSを、(iii)299位にA、GまたはSを、(iv)300位にGを、(v)301位にTを、(vi)329位にA、GまたはSを、および(vii)331位にP、A、GまたはSを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にP、A、GまたはSを、(ii)265位にA、GまたはSを、(iii)297位にA、GまたはSを、(iv)298位にGを、(v)299位にTを、(vi)327位にA、GまたはSを、および(vii)329位にP、A、GまたはSを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
なお他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にP、A、GまたはSを、(ii)269位にAを、(iii)301位にAを、(iv)302位にGを、(v)303位にTを、(vi)331位にA、GまたはSを、および(vii)333位にP、A、GまたはSを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にP、A、GまたはSを、(ii)267位にAを、(iii)299位にAを、(iv)300位にGを、(v)301位にTを、(vi)329位にA、GまたはSを、および(vii)331位にP、A、GまたはSを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他のかかる実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にP、A、GまたはSを、(ii)265位にAを、(iii)297位にAを、(iv)298位にGを、(v)299位にTを、(vi)327位にA、GまたはSを、および(vii)329位にP、A、GまたはSを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。
なお他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にAを、(ii)269位にAを、(iii)301位にAを、(iv)302位にGを、(v)303位にTを、(vi)331位にGを、および(vii)333位にAを含む、配列番号26(または配列番号26と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にAを、(ii)267位にAを、(iii)299位にAを、(iv)300位にGを、(v)301位にTを、(vi)329位にGを、および(vii)331位にAを含む、配列番号28もしくは30(または配列番号28もしくは30と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。他のかかる実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にAを、(ii)265位にAを、(iii)297位にAを、(iv)298位にGを、(v)299位にTを、(vi)327位にGを、および(vii)329位にAを含む、配列番号32(または配列番号32と90%、95%、98%もしくは99%同一)のアミノ酸配列を含む。加えて、本発明は、配列番号38または配列番号44のアミノ酸配列を含むイヌ軽鎖をさらに含むイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。
したがって、本発明はさらに、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。別の他の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
さらに別の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。なお別の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
本発明はさらに、配列番号26のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。別の他の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号30のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
本発明はさらに、配列番号26のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含むイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。別の他の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号30のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。関連する実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
本発明はさらに、本発明のイヌ化抗体のCDR、cFc領域、ヒンジ領域を有するcFc領域ならびに重鎖および軽鎖を包含する本発明のアミノ酸配列のいずれかをコードする核酸を提供する。本発明はさらに、本発明の1または複数の核酸を含む発現ベクターを提供する。本発明はさらに、本発明の1または複数の発現ベクターを含む宿主細胞、ならびにかかる宿主細胞を用いて本発明のイヌ化抗体のCDR、および/またはcFc領域、および/またはヒンジ領域を有するcFc領域、および/または重鎖、および/または軽鎖を発現させる方法を提供する。本発明はまた、かかるベクターの不存在下で本発明のイヌ化抗体のCDR、および/またはcFc領域、および/またはヒンジ領域を有するcFc領域、および/または重鎖、および/または軽鎖を発現するように遺伝子操作された宿主細胞を提供する。特定の実施形態において、本発明のこれらの核酸、発現ベクター、ポリペプチドまたは宿主細胞は、抗体を作製する方法において有用である。
特定の実施形態において、抗体は、組換え型抗体またはその組換え型抗原結合断片である。関連する実施形態において、可変重鎖ドメインおよび可変軽鎖ドメインは、一本鎖抗体を形成させるために可撓性リンカーによりつながれている。
ある実施形態において、本発明は、イヌPD−L1と特異性を有して結合する抗体またはその抗原結合断片(例えば単離された抗体または単離されたその抗原結合断片)を提供するものであって、イヌPD−L1に結合する際にこの抗体またはその抗原結合断片は配列番号82のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基に結合する。関連する実施形態において、イヌPD−L1と特異性を有して結合する抗体またはその抗原結合断片はまた、配列番号83のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基に結合する。なお他の実施形態において、イヌPD−L1と特異性を有して結合する抗体またはその抗原結合断片はまた、配列番号82のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基におよび配列番号83のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基に結合する。特定の実施形態において、これらの抗体および/またはその抗原結合断片は、イヌPD−L1のイヌPD−1への結合を遮断する。関連する実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。このタイプの特定の実施形態において、抗体は、モノクローナルなマウス抗イヌPD−L1抗体である。より特定の実施形態において、モノクローナル抗体は、イヌ化抗体である。なおより特定の実施形態において、モノクローナル抗体は、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体である。
ある実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号82のうちの2から5個のアミノ酸残基に結合する。他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号82のうちの6から12個のアミノ酸残基に結合する。さらに他の実施形態において、単離された抗体またはその抗原結合断片は、配列番号82のうちの13から20個のアミノ酸残基に結合する。関連する実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号83のうちの2から5個のアミノ酸残基に結合する。他の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号83のうちの6から11個のアミノ酸残基に結合する。
なお他の実施形態において、イヌPD−L1との結合について本発明の1または複数の抗イヌPD−L1抗体と交差競合(cross−compete)するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片が提供される。特定の実施形態において、交差競合抗体およびその抗原結合断片はイヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のイヌPD−1への結合を遮断する。より特定の実施形態において、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、イヌPD−L1との結合について4F9(または4F9の6個のCDRを有する抗体)と交差競合する。他のより特定の実施形態において、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、イヌPD−L1との結合について5F12(または5F12の6個のCDRを有する抗体)と交差競合する。さらに他の実施形態において、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、イヌPD−L1との結合について4F9および5F12の両方と交差競合する。
特定の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体はマウス抗体である。他の実施形態において、モノクローナル抗体はイヌ化抗体である。より特定の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体はイヌ化マウス抗体である。
そのうえ、本発明は、本明細書中に提供される対応するカノニカル構造を持つ本発明のCDRもしくはCDRのバリアントを含み、および/またはPD−L1の配列番号82および/または83のアミノ酸配列に結合する、イヌPD−L1に対する抗体(例えばイヌ化抗体)を提供する。このタイプの特定の実施形態において、イヌ化抗体−イヌPD−L1結合の解離定数(Kd)は、1×10−5から1×10−12Mである。より特定の実施形態において、イヌPD−L1に対するイヌ化抗体は、本明細書中に提供される対応するカノニカル構造を持ち、かつPD−L1の配列番号82および/または83のアミノ酸配列に結合する本発明のCDRのバリアントを含む。本発明は、それゆえ、イヌPD−L1と特異性を有して結合するイヌ化抗体およびその抗原結合断片を包含するものであって、イヌPD−L1に結合する際、この抗体はPD−L1の配列番号82および/または83のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基に結合する。このタイプの特定の実施形態において、抗体およびその抗原結合断片は、イヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のイヌPD−1への結合を遮断する。したがって、特定の実施形態において、イヌPD−L1に結合する際、イヌ化抗体(1または複数のバリアントCDR、例えば、限定されるものではないが例えば保存的改変バリアントおよび/または規定されたカノニカル構造クラスを含むバリアントなどのバリアントを有する抗体を包含する)は、PD−L1のエピトープ、例えば配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列内の少なくとも1のアミノ酸残基に結合する。
本発明はさらに、1×10−12Mより低い(例えば1×10−13Mまたはなお低い)解離定数(Kd)を有してイヌPD−L1に結合するイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。他の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−5Mから1×10−12Mの解離定数を有してイヌPD−L1に結合する。より特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−7Mから1×10−11Mの解離定数を有してイヌPD−L1に結合する。なおより特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−8Mから1×10−11Mの解離定数を有してイヌPD−L1に結合する。さらにより特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−8Mから1×10−10Mの解離定数を有してイヌPD−L1に結合する。
本発明はまた、1×10−1−1より大きい結合速度定数(on rate、kon)を有してイヌPD−L1に結合するイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。他の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−1−1から1×10−1−1の結合速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。より特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−1−1から1×10−1−1の結合速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。なおより特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−1−1から1×10−1−1の結合速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。さらにより特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−1−1から1×10−1−1の結合速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。
本発明はまた、1×10−7−1より遅い解離速度定数(off rate、koff)を有してイヌPD−L1に結合するイヌ化抗体またはその抗原結合断片を提供する。特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−3−1から1×10−8−1の解離速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。より特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−4−1から1×10−7−1の解離速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。なおより特定の実施形態において、イヌ化抗体またはその抗原結合断片は、1×10−5−1から1×10−7−1の解離速度定数を有してイヌPD−L1に結合する。
関連する実施形態において、抗体(例えばイヌ化抗体)またはその抗原結合断片は、腫瘍または病原体に対する抗原特異的なメモリー応答を刺激する。特定の実施形態において、抗体(例えばイヌ化抗体)またはその抗原結合断片は、インビボで抗体応答を刺激する。他の特定の実施形態において、抗体(例えばイヌ化抗体)またはその抗原結合断片は、動物対象において免疫応答を刺激する。より具体的な実施形態において、動物対象はイヌである。関連する実施形態において、動物対象はネコである。
したがって、本発明の抗体(例えばイヌ化抗体)のいずれかは、1、2、3、4、5または全てのこれらの特性、すなわちイヌPD−L1との前記解離定数、イヌPD−L1との結合の前記結合速度定数、イヌ化抗体−イヌPD−L1結合複合体から解離するための前記解離速度定数、腫瘍もしくは病原体に対する抗原特異的なメモリー応答を刺激すること、インビボで抗体応答を刺激すること、および/または動物対象において免疫応答を刺激することを呈すことができる。
より特定の実施形態において、本発明の抗体および/またはその抗原結合断片は、イヌPD−L1と結合し、またイヌPD−L1のPD−1への結合を遮断する。よりいっそう特定の実施形態において、本発明のイヌ化抗体およびその抗原結合断片は、イヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のPD−1への結合を遮断する。
上で示したように、ある一定の前記抗体(およびその抗原結合断片)を包含する本発明の抗体(およびその抗原結合断片)は、モノクローナル抗体(およびその抗原結合断片)、哺乳動物抗体(およびその抗原結合断片)、例えばマウスの(マウス)抗体(およびその抗原結合断片)、イヌ化マウス抗体(およびその抗原結合断片)を包含するイヌ化抗体(およびその抗原結合断片)であることができる。ある実施形態において、抗体(およびその抗原結合断片)は単離されている。
特定の実施形態において、抗体は、組換え型抗体またはその抗原結合断片である。関連する実施形態において、可変重鎖ドメインおよび可変軽鎖ドメインは、一本鎖抗体を形成させるために可撓性リンカーによりつながれている。
特定の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、Fab断片である。他の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、Fab’断片である。他の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、(Fab’)断片である。なお他の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、ダイアボディである。特定の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、ドメイン抗体である。特定の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、ラクダ化単一ドメイン抗体である。
特定の実施形態において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体または抗原結合断片は、処置される動物対象(例えばイヌまたはネコ)の免疫応答を向上させる。
本発明はさらに、本発明の抗体およびその部分(CDRを包含する)のいずれか1をコードする核酸(単離された核酸を包含する)を提供する。ある実施形態において、本発明は、本発明のイヌ化抗体またはその部分の軽鎖のいずれか1をコードする核酸(単離された核酸を包含する)を提供する。同様に、本発明は、本発明のイヌ化抗体またはその部分の重鎖のいずれか1をコードする核酸(単離された核酸を包含する)を提供する。本発明はさらに、本発明の1または複数の核酸(単離された核酸を包含する)を含む発現ベクターを提供する。したがって、本発明は、本発明のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその部分をコードする核酸を提供する。関連する実施形態において、かかる抗体または抗原結合断片は、イヌおよび/またはネコ対象においてがんを処置するための薬剤の調製のために用いることができる。あるいは、またはこれと共に、本発明は、診断的使用のための本発明の抗体または抗体断片のいずれかの使用を提供する。さらに付加的な実施形態において、本明細書中に開示されるイヌ化抗体または抗原結合断片のいずれかを含むキットが提供される。具体的な実施形態において、本発明のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体または抗原結合断片のいずれかをコードする単離された核酸を含む発現ベクターが提供される。本発明はさらに、本発明の1または複数の発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。特定の実施形態において、本発明のこれらの核酸、発現ベクターまたはポリペプチドは、抗体を作製する方法において有用である。
本発明はさらに、配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列を含む80個以下のアミノ酸残基からなる抗原性ペプチド(単離された抗原性ペプチドを包含する)を提供する。関連する実施形態において、抗原性ペプチド(単離されたペプチドを包含する)は、配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列を含む60個以下のアミノ酸残基からなる。関連する実施形態において、抗原性ペプチド(単離されたペプチドを包含する)は、配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列を含む11から45個のアミノ酸残基からなる。さらに他の実施形態において、抗原性ペプチドは、配列番号83のアミノ酸配列からの5から20個のアミノ酸残基からなる。なお他の実施形態において、抗原性ペプチドは、配列番号83のアミノ酸配列からの5から11個のアミノ酸残基からなる。
本発明はさらに、配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列と80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列を含む80個以下のアミノ酸残基からなり、本発明の単離された哺乳動物抗体またはその抗原結合断片に結合する抗原性ペプチド(単離されたペプチドを包含する)を提供する。関連する実施形態において、抗原性ペプチド(単離された抗原性ペプチドを包含するもの)は、配列番号82および/または配列番号83のアミノ酸配列と80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列を含む60個以下のアミノ酸残基からなり、単離された哺乳動物抗体またはその抗原結合断片に結合する。他の実施形態において、ペプチドは、配列番号82のアミノ酸配列と80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列からの5から20個のアミノ酸残基からなり、単離された哺乳動物抗体またはその抗原結合断片に結合する。他の実施形態において、ペプチドは、配列番号83のアミノ酸配列と80%、85%、90%、95%または100%同一であるアミノ酸配列からの5から11個のアミノ酸残基からなり、単離された哺乳動物抗体またはその抗原結合断片に結合する。特定の実施形態において、哺乳動物抗体は4E9である。他の実施形態において、哺乳動物抗体は5F12である。
本発明はさらに、前記抗原性ペプチドのいずれかを含む融合タンパク質を提供する。特定の実施形態において、融合タンパク質は、かかる抗原性ペプチドおよび非イヌ哺乳動物IgG抗体のFc領域を含む。より特定の実施形態において、融合タンパク質は、非イヌ哺乳動物IgG抗体のFc領域を含む。ある実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はマウスIgGである。代替的実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はヒトIgGである。他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はウマIgGである。なお他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はブタIgGである。さらに他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はウシIgGである。
特定の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はIgG1である。他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はIgG2aである。なお他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はIgG3である。さらに他の実施形態において、非イヌ哺乳動物IgG抗体はIgG4である。
他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびマルトース結合タンパク質を含む。さらに他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびベータ−ガラクトシダーゼを含む。なお他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼを含む。さらに他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびチオレドキシンを含む。なお他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびGro ELを含む。さらに他の実施形態において、融合タンパク質は、前記抗原性ペプチドのいずれかおよびNusAを含む。
本発明はさらに、本発明の抗原性ペプチドおよび対応する融合タンパク質をコードする核酸(単離された核酸を包含する)を提供する。本発明はまた、これらの核酸を含む発現ベクター、および本発明の1または複数の発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
加えて、本発明は、本発明の抗イヌPD−L1抗体もしくはその抗原結合断片、イヌPD−L1からの抗原性ペプチド(単離された抗原性ペプチドを包含する)、本発明のイヌPD−L1からの抗原性ペプチドを含む融合タンパク質、本発明の抗原性断片および/もしくは融合タンパク質をコードする核酸(単離された核酸を包含する)、かかる核酸を含む発現ベクターまたはそれらの任意の組み合わせ、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を包含する。
特定の実施形態において、かかる医薬組成物は、抗イヌPD−1抗体またはその抗原結合断片をさらに含む。より特定の実施形態において、抗イヌPD−1抗体は、イヌ化マウス抗イヌPD−1抗体またはイヌ化マウス抗イヌPD−1抗体の抗原結合断片である。関連する実施形態において、かかる医薬組成物は、抗イヌCTLA−4抗体またはその抗原結合断片をさらに含む。特定の実施形態において、抗イヌCTLA−4抗体は、イヌ化マウス抗イヌCTLA−4抗体またはイヌ化マウス抗イヌCTLA−4抗体の抗原結合断片である。
したがって、本発明は、抗イヌPD−L1抗体、抗イヌPD−1抗体、抗イヌCTLA−4抗体、抗イヌPD−L1抗体の抗原結合断片、抗イヌPD−1抗体の抗原結合断片または抗イヌCTLA−4抗体の抗原結合断片のうちの1、2、3またはそれより多くを含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、かかる抗イヌタンパク質(すなわち、抗イヌPD−L1、PD−1またはCTLA−4)抗体またはその抗原結合断片は、マウス抗イヌタンパク質抗体である。他のかかる抗イヌタンパク質抗体またはその抗原結合断片は、イヌ化抗イヌタンパク質抗体である。より特定の実施形態において、抗イヌタンパク質抗体またはその抗原結合断片は、イヌ化マウス抗イヌタンパク質抗体である。
加えて、本発明は、その必要がある対象に治療的有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、免疫細胞の活性を向上させる方法を提供する。ある実施形態において、方法は、がんの処置のために用いられる。他の実施形態において、方法は、感染または感染性疾患の処置において用いられる。なお他の実施形態において、本発明のイヌ化抗体またはその抗原結合断片は、ワクチンアジュバントとして用いられる。特定の実施形態において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物は、イヌ化マウス抗イヌPD−1抗体もしくはその抗原結合断片および/またはイヌ化マウス抗イヌCTLA−4抗体もしくはその抗原結合断片の前、後またはこれと同時に投与することができる。
本発明のこれらおよび他の態様は、次の図面の簡単な説明および発明の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されるであろう。
図1は、イヌPD−L1に対する2つのマウス抗イヌPD−L1 mAbの反応性についてのELISA結果を、対数のmAb(nM)に対するOD 650/490の関数として示す。4F9および5F12と命名されたmAbはいずれもイヌPD−L1への強い用量依存的結合を実証している。 図2は、マウス抗イヌPD−L1 mAbでのリガンド遮断を示す。4F9および5F12と命名された2つのmAbを、CHO細胞上に発現したPD−1へのPDL−1の結合を阻害する能力について試験した。mAbはいずれもPDL−1のPD−1への結合を遮断したが、mAb 4F9は5F12よりも強い阻害剤である。
略語
本発明の詳細な説明および実施例の全体にわたって、次の略語が用いられる:
ADCC 抗体依存性細胞傷害活性
CDC 補体依存性細胞傷害活性(cyotoxicity)
CDR ヒト抗体に関してKabatナンバリングシステムを用いて規定される、免疫グロブリン可変領域内の相補性決定領域
CHO チャイニーズハムスター卵巣
EC50 50%の有効性または結合をもたらす濃度
ELISA 酵素結合免疫吸着アッセイ
FR 抗体フレームワーク領域:CDR領域を除外した免疫グロブリン可変領域
HRP 西洋ワサビペルオキシダーゼ
IFN インターフェロン
IC50 50%阻害をもたらす濃度
IgG 免疫グロブリンG
Kabat Elvin A. Kabatが先駆けとなったヒト抗体に関する免疫グロブリンアラインメントおよびナンバリングシステム[Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)]
mAb モノクローナル抗体(MabまたはMAbも)
MES 2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸
MOA 作用メカニズム
NHS 正常ヒト血清
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PK 薬物動態学的
SEB スタフィロコッカス(Staphylococcus)エンテロトキシンB
TT 破傷風トキソイド
V領域 異なる抗体間で配列が変わるヒトIgG鎖のセグメント。軽鎖においてKabat残基109まで、重鎖においてKabat残基113まで広がっている。
VH 免疫グロブリン重鎖可変領域
VK 免疫グロブリンカッパ軽鎖可変領域
定義
本発明がより容易に理解され得るように、ある種の技術用語および科学用語を下に具体的に定義する。本書類のどこかで具体的に定義されないかぎり、本明細書中で用いられる全ての他の技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通例的に理解される意味を持つ。
添付の特許請求の範囲を包含する本書類中で用いられる言葉の単数形、例えば「a」、「an」および「the」などは、その内容が明らかに他を指示しないかぎり、それらの対応する複数形の言及を包含する。
細胞または受容体に適用される「活性化」とは、その内容によりまたは明示的に他を指し示さないかぎり、細胞または受容体のリガンドでの活性化または処置をいう。「リガンド」は、天然および合成のリガンド、例えばサイトカイン、サイトカインバリアント、アナログ、変異タンパク質および抗体に由来する結合性の化合物を包含する。「リガンド」はまた、低分子、例えばサイトカインのペプチド模倣物および抗体のペプチド模倣物を包含する。「活性化」とは、内的メカニズムにより、同様に外部因子または環境因子により調節される細胞の活性化をいうことができる。
分子の「活性」は、リガンドまたは受容体への分子の結合、触媒活性;遺伝子発現または細胞シグナル伝達、分化もしくは成熟を刺激する能力;抗原活性、他の分子の活性の調整などを記述し得るものであり、またこれらをいい得る。分子の「活性」はまた、細胞−細胞間相互作用、例えば付着を調整もしくは維持する活性、または細胞の構造、例えば細胞膜もしくは細胞骨格を維持する活性をもいい得る。「活性」はまた、特異的活性、例えば、[触媒活性]/[mg タンパク質]または[免疫学的活性]/[mg タンパク質]、生物学的区画内での濃度などを意味することもできる。「活性」とは、自然免疫系または獲得免疫系の構成成分の調整をいい得る。
動物、例えばイヌの実験対象、細胞、組織、器官または生物学的液体に適用される「投与」および「処置」とは、動物、例えばイヌ対象、細胞、組織、器官または生物学的液体への外来性の医薬、治療薬、診断薬または組成物の接触をいう。細胞の処置は、細胞への試薬の接触、並びに液体への試薬の接触を包含し、ここで液体は細胞と接触している。「処置する」または「処置すること」は、治療薬、例えば本発明の抗体または抗原結合断片を含有する組成物などを、内的または外的に、この治療薬が治療的活性を持つ1もしくは複数の疾患の症候を持つまたは疾患を持つ疑いがある獣医学対象(例えばイヌまたはネコ)に投与することを意味する。したがって、「投与」および「処置」はまた、試薬、診断、結合性化合物または別の細胞による、例えば細胞のインビトロおよびエクスビボの処置を包含する。
典型的に、治療薬は、何らか臨床的に測定可能な程度にかかる症候(複数可)の退行を誘導するかまたは進行を阻害することにより、処置された対象または集団において1または複数の疾患の症候を緩和するおよび/または寛解させるのに有効な量で投与される。任意の特定の疾患の症候を緩和するのに有効な治療薬の量(「治療的有効量」ともいう)は、例えば対象(例えばイヌ)の疾患の状態、年齢および体重、ならびに対象において所望の応答を誘導する医薬組成物の能力などの因子に応じて変わり得る。疾患の症候が緩和されたかまたは寛解されたかは、その症候の重症度または進行状態を評価するために獣医(veteranarian)または他の熟練した医療提供者により典型的に用いられる任意の臨床的測定により評価することができる。本発明の実施形態(例えば処置方法または製造物品)はあらゆる対象において標的の疾患の症候(複数可)を緩和するのに有効でないかもしれないが、当該技術分野で公知の任意の統計検定、例えばStudentのt検定、chi検定、MannおよびWhitneyによるU検定、Kruskal−Wallis検定(H検定)、Jonckheere−Terpstra検定およびWilcoxon検定などにより決定されるように、統計的に有意な数の対象において標的の疾患の症候(複数可)を緩和するであろう。
用語「免疫応答」とは、例えばリンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球、および上記細胞または肝臓により生産される可溶性高分子(抗体、サイトカインおよび補体を包含する)の作用であって、がん性細胞、病原体に感染した細胞もしくは組織または侵入している病原体への選択的ダメージ、破壊または哺乳動物の身体(例えばイヌの身体)からの除去をもたらす作用をいう。
用語「対象」は、任意の生物、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物(例えばイヌ、ネコまたはヒト)および最も好ましくはイヌを包含する。
本明細書中で用いられる用語「イヌ」は、特に指示がないかぎり、全てのイエイヌ、カニス・ルプス・ファミリアリス(Canis lupus familiaris)またはカニス・ファミリアリス(Canis familiaris)を包含する。
本明細書中で用いられる用語「ネコ」とは、ネコ科の任意のメンバーをいう。この科のメンバーは、野生、動物園および家庭にいるメンバー、例えばネコ亜科の任意のメンバーなど、例えばネコ、ライオン、トラ、ピューマ、ジャガー、ヒョウ、ユキヒョウ、クロヒョウ、北アメリカクーガー(North American mountain lion)、チーター、オオヤマネコ、ボブキャット、カラカルまたはそれらの任意の交雑種を包含する。ネコはまた、イエネコ、純血種および/または雑種のペットのネコ、ショーキャット、実験動物のネコ、クローンネコ、およびヤマネコまたはノネコを包含する。
イヌPD−1は、配列番号50のアミノ酸配列を含むことが見出されている[2013年12月20日に出願された米国仮出願第61/918,946号、その内容はここにその全体が本明細書中に組み込まれる]。具体的な実施形態において、イヌPD−1は、配列番号49のヌクレオチド配列を含む核酸によりコードされる。
イヌPD−L1は、配列番号56のアミノ酸配列を含むことが見出されている[上記の2013年12月20日に出願された米国仮出願第61/918,946号]。具体的な実施形態において、イヌPD−1は、配列番号55を含むヌクレオチド配列によりコードされる。
本明細書中で用いられる、例えば抗体のアミノ酸配列における別のアミノ酸残基での「アミノ酸残基の置換」は、別のアミノ酸残基で「アミノ酸残基を置き換えること」と等価であり、アミノ酸配列における特定位置の特定のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残基により置き換えられている(または置換される)ことを表す。例えば、1つのかかる置換(置き換え)は、IgGBまたはIgGCアミノ酸配列のFc領域のP4Aとして表され、この場合、IgGBのFc領域またはIgGCのFc領域のアミノ酸配列のアミノ酸4位におけるプロリン残基がアラニン残基により置換されている(置き換えられている)。
したがって、かかる置換、すなわち例えば組換えDNA技術によりアミノ酸配列中の特定位置で意図的にアラニンをセリンで置き換えることを具体的に設計することができる。あるいは、抗体の特定のアミノ酸残基またはアミノ酸残基の一続きを、より天然の選抜プロセスを通じて1または複数のアミノ酸残基によって置き換えることができ、これは、例えば細胞により生産される抗体がその抗原上の所与の領域、例えばエピトープまたはその部分を含有する領域に結合する能力に基づく、および/またはそれが置き換えようとしているCDRと同一のカノニカル構造を保持した特定のCDRを含む抗体の能力に基づくものである。かかる置換/置き換えは、「バリアント」CDRおよび/またはバリアント抗体を導くことができる。
配列同一性とは、2つのポリペプチドのアミノ酸がこれら2つの配列を最適に並べたときに等価の位置で同じである程度をいう。本明細書中で用いられるように、両配列のアミノ酸残基が同一であるときに、1のアミノ酸配列は第二のアミノ酸配列と100%「同一」である。したがって、2つのアミノ酸配列の50%が同一であるときに、アミノ酸配列は第二のアミノ酸配列と50%「同一」である。配列比較は、所与のタンパク質、例えば比較されるタンパク質またはポリペプチドの部分に含まれるアミノ酸残基の近接するブロックに対して実施される。特定の実施形態において、2つのアミノ酸配列間の対応関係を異なるように変え得る選択された欠損または挿入が考慮される。
配列類似性は、同一の残基および同一でない生化学的に関連するアミノ酸を包含する。類似した特性を共有し、交換可能であり得る生化学的に関連するアミノ酸は、下に論じられる。
次の参考文献は、配列解析のためにしばしば用いられるBLASTアルゴリズムに関する:BLAST ALGORITHMS:Altschul,S.F.,et al.,J.Mol.Biol.215:403−410(1990);Gish,W.,et al.,Nature Genet.3:266−272(1993);Madden,T.L.,et al.,Meth.Enzymol.266:131−141(1996);Altschul,S.F.,et al.,Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997);Zhang,J.,et al.,Genome Res.7:649−656(1997);Wootton,J.C.,et al.,Comput.Chem.17:149−163(1993);Hancock,J.M.et al.,Comput.Appl.Biosci.10:67−70(1994);ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.,et al.,“A model of evolutionary change in proteins.” in Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,suppl.3. M.O.Dayhoff(ed.),pp.345−352,(1978);Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Schwartz,R.M.,et al.,“Matrices for detecting distant relationships.” in Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,suppl.3.”(1978),M.O.Dayhoff(ed.),pp.353−358(1978),Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Altschul,S.F.,J.Mol.Biol.219:555−565(1991);States,D.J.,et al.,Methods 3:66−70(1991);Henikoff,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919(1992);Altschul,S.F.,et al.,J.Mol.Evol.36:290−300(1993);ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268(1990);Karlin,S.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877(1993);Dembo,A.,et al.,Ann.Prob. 22:2022−2039(1994);およびAltschul,S.F. “Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.” in Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai,ed.),pp.1−14,Plenum,New York(1997)。
イヌ化抗イヌ抗原抗体
本明細書中で用いられる抗体は、それがイヌ抗原、例えばイヌPD−L1のアミノ酸配列のその部分を含むポリペプチドに結合するが、イヌ抗原、例えばイヌPD−L1の配列のその部分を欠いた他のイヌタンパク質に結合しない場合に、所与の抗原配列(この場合、イヌ抗原、例えばイヌPD−L1のアミノ酸配列の部分)を含むポリペプチドに特異的に結合するといわれる。例えば、イヌPD−L1を含むポリペプチドに特異的に結合する抗体は、FLAG(登録商標)タグを付加した形態のイヌPD−L1に結合し得るが、他のFLAG(登録商標)タグを付加したイヌタンパク質に特異性を有して結合しない。抗体または抗体の抗原結合部位に由来する結合性化合物は、そのイヌ抗原またはそのバリアントもしくは変異タンパク質へのアフィニティーが試験された任意の他のイヌ抗原へのアフィニティーよりも少なくとも10倍大きい、より好ましくは少なくとも20倍大きい、およびよりいっそう好ましくは少なくとも100倍大きいとき、そのイヌ抗原またはそのバリアントもしくは変異タンパク質に「特異性を有して」結合する。
本明細書中で用いられる用語「抗体」とは、所望の生物学的活性を呈する任意の形態の抗体をいう。それゆえに、これは最も広い意味で用いられ、具体的には、限定されるものではないが、モノクローナル抗体(完全長のモノクローナル抗体を包含する)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、イヌ化抗体、完全イヌ抗体、キメラ抗体およびラクダ化単一ドメイン抗体に及ぶ。「親抗体」は、意図される使用のための抗体の改変に先立って、例えばイヌ治療抗体としての使用のための抗体のラクダ化などに先立って、免疫系の抗原への曝露により得られる抗体である。
本明細書中で用いられる「抗体断片」または「抗原結合断片」とは、特に指示がないかぎり、抗体の抗原結合断片、すなわち完全長の抗体が結合する抗原に特異的に結合する能力を保持した抗体断片、例えば1または複数のCDR領域を保持した断片をいう。抗原結合断片の例としては、限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片;ダイアボディ;リニア抗体(linear antibody);一本鎖抗体分子、例えばsc−Fv;抗体断片から形成されるナノボディおよび多重特異性抗体が挙げられる。
「Fab断片」は、1つの軽鎖ならびに1つの重鎖のC1領域および可変領域から構成される。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。「Fab断片」は、抗体のパパイン切断産物であることができる。
「結晶性フラグメント」(「Fc」)領域は、抗体のC2ドメインおよびC3ドメインを含む2つの重鎖断片(すなわち2つの同一のポリペプチド)を含有する。2つの重鎖断片は、2以上のジスルフィド結合により、およびC3ドメインの疎水性相互作用により結び付いている。本発明において、4つのイヌIgG Fc断片の各々に対するアミノ酸配列は、Tangら[Vet.Immunol.Immunopathol.80:259−270(2001)]により決定された、CH1ドメインおよびCH2ドメインの同定された境界に基づくものである。
「Fab’断片」は、2つのFab’断片の2つの重鎖間に鎖間ジスルフィド結合が形成されることでF(ab’)分子を形成することができるように、1つの軽鎖、ならびにVドメインおよびC1ドメインおよびまたC1ドメインとC2ドメインの間の領域を含有する1つの重鎖の部分または断片を含有する。
「F(ab’)断片」は、2つの重鎖間に鎖間ジスルフィド結合が形成されるように、2つの軽鎖およびC1ドメインとC2ドメインの間の定常領域の部分を含有する2つの重鎖を含有する。F(ab’)断片は、それゆえに、2つの重鎖間のジスルフィド結合により結び付けられた2つのFab’断片から構成される。「F(ab’)断片」は、抗体のペプシン切断産物であることができる。
「Fv領域」は、重鎖および軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠いている。
用語「一本鎖Fv」または「scFv」抗体とは、抗体のVドメインおよびVドメインを含む抗体断片であって、一本のポリペプチド鎖内に存在するドメインを含む抗体断片をいう。一般に、Fvポリペプチドは、scFvが抗原結合のために所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーをVドメインとVドメインの間にさらに含む[Pluckthun,THE PHARMACOLOGY OF MONOCLONAL ANTIBODIES,vol.113 Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994);WO88/01649;ならびにU.S.4,946,778およびU.S.5,260,203を参照されたい]。
本明細書中で用いられる用語「カノニカル構造」とは、それらが存するフレームワーク内にある抗体の重鎖および軽鎖の各々の高可変領域に取り入れることができる局所立体構造をいう。各高可変領域に対して少数のカノニカル構造(一般に、例えば1または2などの単純整数により表される)があり、これは対応する高可変領域のアミノ酸配列から(具体的には、対応するイヌ化マウス抗イヌPD−L1可変ドメインについて下に与えられるように、そのフレームワークのアミノ酸配列との関連の中で)高い精度で予測することができる。これらのカノニカル構造は、所与のCDRのアミノ酸配列の改変がその抗原結合相手に結合する能力の保持をもたらすか喪失をもたらすかに関して決定的であることができる[Chothia and Lesk,Canonical Structures for the hypervariable regions of immunoglobulins,J.Mol.Biol.196:901−917(1987);Chothia et al.,Conformation of immunoglobulin hypervaribale regions,Nature,34:877−883(1989);およびAl−Lazikani et al.,Standard Conformations for the canonical structures of immunoglobulins,J.Mol.Biol.273:927−948(1997)を参照されたい]。
「ドメイン抗体」は、重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域のみを含有する免疫学的な機能的免疫グロブリン断片である。いくつかの例において、2以上のV領域がペプチドリンカーと共有結合することで、二価のドメイン抗体が生み出される。二価ドメイン抗体の2つのV領域は、同じまたは異なった抗原を標的とし得る。
「二価抗体」は、2つの抗原結合部位を含む。いくつかの例において、2つの結合部位は同じ抗原特異性を持つ。一方、二価抗体は二重特異性であってもよい(下を参照されたい)。
ある実施形態において、本明細書中のモノクローナル抗体はまた、ラクダ化された単一ドメイン抗体を包含する[例えば、Muyldermans et al.,Trends Biochem.Sci.26:230(2001);Reichmann et al.,J.Immunol.Methods 231:25(1999);WO94/04678;WO94/25591;U.S.6,005,079を参照されたい]。1の実施形態において、本発明は、単一ドメイン抗体が形成されるような改変を有する2つのVドメインを含む単一ドメイン抗体を提供する。
本明細書中で用いられる用語「ダイアボディ」とは、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片であって、断片は、同じポリペプチド鎖内(V−VまたはV−V)に軽鎖可変ドメイン(V)につなげられた重鎖可変ドメイン(V)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは別の鎖の相補ドメインと対にされて、2つの抗原結合部位が生み出される[EP0404097B1;WO93/11161;およびHolliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)を参照されたい]。操作された抗体バリアントの総説については、一般的に、[Holliger and Hudson Nat.Biotechnol.23:1126−1136(2005)]を参照されたい。
典型的に、本発明の抗体または抗原結合断片は、その活性をモルベースで表すと、(親抗体と比べた場合に)イヌPD−L1結合活性の少なくとも10%を保持している。好ましくは、本発明の抗体または抗原結合断片は、親抗体のイヌ抗原(例えばPD−L1)結合アフィニティーの少なくとも20%、50%、70%、80%、90%、95%または100%またはそれ以上を保持している。本発明のイヌ化抗体または抗原結合断片は、その生物学的活性を実質的に変えない保存的または非保存的なアミノ酸置換を包含することができる(抗体の「保存的バリアント」または「機能保存バリアント」と呼ばれる)ことも意図される。
「単離された抗体」とは精製状態をいい、かかる状況においてその分子が他の生物学的分子、例えば核酸、タンパク質、脂質、炭水化物または例えば細胞デブリおよび増殖培地などの他の物質を実質的に含まないことを意味する。一般に、用語「単離された」は、本明細書中に記載されている結合性化合物の実験的または治療的な使用を実質的に妨げる量で存在しないかぎり、かかる物質の完全な不存在または水、バッファーもしくは塩の不存在をいうことは意図されない。
本明細書中で用いられる「キメラ抗体」は、第一の抗体からの可変ドメインおよび第二の抗体からの定常ドメインを持つ抗体であって、ここで第一の抗体および第二の抗体は異なる種からのものである[U.S.4,816,567;およびMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855(1984)]。典型的に、結果として得られるキメラ抗体が親(例えばげっ歯類)抗体よりもイヌ対象において有害な免疫応答を誘導する可能性がより低くなるよう、可変ドメインは例えばげっ歯類などの実験動物からの抗体(「親抗体」)から得られ、定常ドメイン配列は動物対象の抗体、例えばイヌの抗体から得られる。
本明細書中で用いられる用語「イヌ化抗体」とは、イヌ抗体および非イヌ(例えばマウス)抗体の両方からの配列を含有する形態の抗体をいう。一般的に、イヌ化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここで高可変ループの全てまたは実質的に全ては(例えば、下に例示される6つのマウス抗イヌPD−L1 CDRを含む)非イヌ免疫グロブリンのそれに相当し、およびイヌのフレームの全てまたは実質的に全てを含む。
用語「完全イヌ抗体」とは、イヌ免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体をいう。完全イヌ抗体は、マウス内、マウス細胞内、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマ内で生産された場合、マウスの糖鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」とは、マウス免疫グロブリン配列のみを含む抗体をいう。あるいは、完全イヌ抗体は、ラット内、ラット細胞内、またはラット細胞に由来するハイブリドーマ内で生産された場合、ラットの糖鎖を含有し得る。同様に、「ラット抗体」とは、ラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体をいう。
各軽鎖/重鎖のペアの可変領域は、抗体結合部位を形成する。それゆえに、一般的に、インタクトな抗体は2つの結合部位を持つ。二機能性抗体または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は一般的に同一である。
典型的に、重鎖および軽鎖の両方の可変ドメインは、比較的保存されているフレームワーク領域(FR)内に位置する相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの高可変領域を含む。CDRは通常フレームワーク領域に隣接しており、特異的なエピトープへの結合を可能にする。一般的に、N末端からC末端までに、軽鎖および重鎖の可変ドメインはいずれも、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。ヒト抗体についての各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest,Kabat,et al.;National Institutes of Health,Bethesda,Md.;5th ed.;NIH Publ.No.91−3242(1991);Kabat,Adv.Prot.Chem.32:1−75(1978);Kabat,et al.,J.Biol.Chem.252:6609−6616(1977);Chothia,et al.,J.Mol.Biol.196:901−917(1987)またはChothia,et al.,Nature 342:878−883(1989)]の定義に従う。
本明細書中で用いられる用語「高可変領域」とは、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基をいう。高可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」(すなわち軽鎖可変ドメインにおけるCDRL1、CDRL2およびCDRL3、ならびに重鎖可変ドメインにおけるCDRH1、CDRH2およびCDRH3)からのアミノ酸残基を含む[配列によりヒト抗体のCDR領域を規定しているKabat et al. Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい;また構造により抗体のCDR領域を規定しているChothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987)も参照されたい]。本明細書中で用いられる用語「フレームワーク」または「FR」残基とは、本明細書中でCDR残基として規定される高可変領域残基以外の可変ドメイン残基をいう。
本明細書中で用いられる用語「イヌフレーム」とは、本明細書中でCDR残基として規定される高可変領域残基以外のイヌ抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をいう。両方の鎖において、天然のイヌCDRのアミノ酸配列は、対応する外来CDR(例えば、マウス抗体からのもの)で置き換えられている。場合により、イヌ抗体の重鎖および/または軽鎖は、下に例示されるように、イヌ抗体内で外来CDRの立体構造を保存するためおよび/またはFc機能を改変するため、いくつかの外来の非CDR残基を含有してもよい。
本明細書中で用いられる「抗イヌPD−L1抗体」とは、(例えば哺乳動物、例えばマウスまたはウサギなどにおいて)イヌPD−L1に対して産生された、イヌPD−L1に特異的に結合する抗体をいう。「イヌPD−L1に特異的に結合する」または「配列番号56のアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合する」抗体は、他の抗原と比べてイヌPD−L1への優先的な結合を呈する、例えばイヌPD−L1に「特異性を有して」結合する抗体である。結合は、完全な結合特異性を必要としない。抗イヌPD−L1抗体は、その結合が試料中のイヌPD−L1の存在を決定する場合またはイヌ試料中で他の分子の活性を過度に妨げることなく、例えば診断との関連での偽陽性または治療との関連での副作用などの望まれない結果を生じることなくイヌPD−L1の活性を変える能力がある場合、イヌPD−L1に「特異的」であると考えられる。抗イヌPD−L1抗体に必要な特異性の程度は、抗体の意図される使用に依存し得るものであり、何にしても意図された目的のための使用へのその適合性により規定される。意図された方法の抗体または抗体の抗原結合部位に由来する結合性化合物は、その抗原またはそのバリアントもしくは変異タンパク質に、任意の他の抗原とのアフィニティーよりも少なくとも2倍大きい、好ましくは少なくとも10倍大きい、より好ましくは少なくとも20倍大きい、および最も好ましくは少なくとも100倍大きいアフィニティーを有して結合する。
したがって、本発明は、イヌPD−L1と(例えば特異性を有して)結合するイヌ化抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片(単離された形態のものを包含する)、およびかかる抗体またはその断片の使用を提供する。具体的な実施形態において、イヌPD−L1への結合、およびイヌPD−L1のその受容体例えばイヌPD−1への結合の遮断、の両方を示したマウス抗イヌPD−L1抗体からのマウス抗イヌPD−L1 CDRが提供される。本明細書中に例示されているように、これらのCDRを本発明の改変イヌフレーム内に挿入することで、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体を作製することができる。
より詳細には、本発明の「イヌ化マウス抗PD−L1抗体」とは、マウス抗イヌPD−L1抗体からの3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRをイヌフレームまたは改変イヌフレームと共に含む抗体をいう。改変イヌフレームは、例えば抗体エフェクター機能を増大、低減もしくは除去するように、イヌ抗原、例えばイヌPD−L1へのその結合を向上させるように、および/またはイヌ抗原、例えばイヌPD−L1のその天然の結合相手(例えば抗原がイヌPD−L1である場合はイヌPD−1)への結合を遮断するその能力を向上させるように、イヌ化抗体の有効性をさらに最適化する、本明細書中に例示されているような1または複数のアミノ酸変化を含む。
「相同性」とは、最適に並べられたときの2つのポリヌクレオチド配列間または2つのポリペプチド配列間の配列類似性をいう。2つの比較される配列の両方における位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットにより占められているとき、例えば2つのDNA分子の各々における位置がアデニンにより占められている場合、その分子はその位置において相同である。相同性のパーセントは、2つの配列が共有する相同的位置の数を比較される位置の総数で除算したものの100倍である。例えば、配列が最適に並べられたときに2つの配列中の10個の位置のうちの6個がマッチしているまたは相同であるなら、2つの配列は60%相同である。一般に、比較は、2つの配列が最大パーセント相同性を付与するように配列されたときに行われる。
「単離された核酸分子」は、天然においてその中に単離ポリヌクレオチドが見出されるポリヌクレオチドの全てもしくは部分を伴わない、または天然において連結されていないポリヌクレオチドに連結されている、ゲノムのDNAもしくはRNA、mRNA、cDNAもしくは合成起源のものまたはそれらのいくつかの組み合わせを意味する。本開示の目的のため、特定のヌクレオチド配列「を含む核酸分子」はインタクトな染色体を包含しないことが理解されるべきである。指定された核酸配列を「含む」単離された核酸分子は、指定された配列に加えて、10個まで、もしくはなお20個まで、もしくはそれより多くの他のタンパク質もしくはその部分もしくは断片に対するコーディング配列を包含してもよく、または列挙された核酸配列のコーディング領域の発現を制御する作動可能に連結された調節配列を包含してもよく、および/またはベクター配列を包含してもよい。
フレーズ「制御配列」とは、特定の宿主生物内での作動可能に連結されたコーディング配列の発現に必要なDNA配列をいう。原核生物に適した制御配列は、例えば、プロモーター、場合によりオペレーター配列、およびリボソーム結合部位を包含する。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを用いることが知られている。
核酸は、別の核酸配列との機能的関係に置かれたときに「作動可能に連結」されている。例えば、プレ配列もしくは分泌リーダーのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するタンパク質前駆体として発現する場合ポリペプチドのDNAに作動可能に連結されており;プロモーターもしくはエンハンサーは、それが配列の転写に影響する場合コーディング配列に作動可能に連結されており;またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を促すように配置されている場合コーディング配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結された」は、連結されているDNA配列が近接していること、及び分泌リーダーの場合は近接していて読み取り期(reading phase)にあることを意味する。一方、エンハンサーは近接している必要はない。連結は、好都合な制限部位におけるライゲーションにより達成される。かかる部位が存在しない場合、合成のオリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが慣用的実務に従って用いられる。
本明細書中で用いられる表現「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」は、交換可能に用いられ、全てのかかる名称は後代を包含する。それゆえに、言葉「形質転換体」および「形質転換細胞」は、初代の対象細胞および継代回数に関係なくそれに由来する培養物を包含する。意図的なまたは偶然の変異のために、全ての後代が正確に同一のDNAの中身を持つわけではないことも理解される。元の形質転換細胞の中からスクリーニングされた同じ機能または生物学的活性を持つ変異後代が包含される。別個の名称が意図される場合は、文脈から明らかであろう。
本明細書中で用いられる「生殖系列配列」とは、再構成されていない免疫グロブリンDNA配列の配列をいう。再構成されていない免疫グロブリン配列の任意の好適な供給源が用いられ得る。ヒト生殖系列配列は、例えばthe National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases of the United States National Institutes of Healthのウェブサイト上のJOINSOLVER(登録商標)生殖系列データベースから入手し得る。マウス生殖系列配列は、例えばGiudicelliら[Nucleic Acids Res.33:D256−D261(2005)]中に記載されているように入手し得る。
イヌ化抗体の特性
イヌにおいては、A、B、CおよびDと呼ばれる4つのIgG重鎖がある。これらの重鎖はイヌIgGの4つの異なるサブクラスを表し、IgGA、IgGB、IgGCおよびIgGDと呼ばれる。これら4つの重鎖のDNA配列およびアミノ酸配列は、Tangら[Vet.Immunol.Immunopathol.80:259−270(2001)]により最初に同定された。これらの重鎖に対するアミノ酸配列およびDNA配列は、GenBankデータベースからも入手可能である。例えば、IgGA重鎖のアミノ酸配列のアクセッション番号はAAL35301.1であり、IgGBのアクセッション番号はAAL35302.1であり、IgGCのアクセッション番号はAAL35303.1であり、IgGDのアクセッション番号は(AAL35304.1)である。イヌ抗体はまた2つのタイプの軽鎖、カッパおよびラムダを含有する。これらの軽鎖のDNA配列およびアミノ酸配列は、GenBankデータベースから入手することができる。例えば、カッパ軽鎖のアミノ酸配列のアクセッション番号はABY 57289.1であり、ラムダ軽鎖のアクセッション番号はABY 55569.1である。本発明において、4つのイヌIgG Fc断片の各々に対するアミノ酸配列は、上のTangらにより決定された、CH1ドメインおよびCH2ドメインの同定された境界に基づくものである。
治療的モノクローナル抗体の開発は、所望の抗体を作成するために複雑な一連の活性の協調を必然的に伴う複雑なプロセスである。これらは、抗体特異性の最適化、アフィニティー、機能的活性、操作された細胞株における発現レベル、長期安定性、エフェクター機能の除去または増強、ならびに商業的に実行可能な製造方法および精製方法の開発を包含する。本発明の目的を考慮すると、免疫系の細胞を活性化する能力は別にして、イヌPD−L1に対するイヌ化またはイヌのモノクローナル抗体は、最適には、3つの付加的な特質:
1.エフェクター機能、例えば抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)および補体依存性細胞傷害活性(CDC)などの欠如
2.インビボでの比較的長い半減期;および
3.工業的な標準技術、例えばプロテインAクロマトグラフィーに基づくものなどを用いて大規模で容易に精製されること
を持つ。
天然起源のイヌIgGサブクラスはいずれもこれら全ての判断基準を満たさない。例えば、IgGBはプロテインAを用いて精製することができるが、高レベルのADCC活性を持つ。IgGCもまた、相当なADCC活性を持つ。他方、IgGAはプロテインAに弱く結合するが、望ましくないADCC活性を発揮する。さらには、IgGDはADCC活性を発揮しないが、IgGCもIgGDもいずれもプロテインAカラム上で精製することができない。加えて、IgGCはイヌFcRn受容体に結合しないことから、血清半減期が短い。本発明は、イヌ抗原、例えばイヌPD−L1、に特異的な改変イヌIgG抗体を提供することによりこの困難を克服するものであり;かかる抗体はエフェクター機能、例えばADCCおよびCDCなどを欠いており、比較的長い半減期を発揮し、工業的な標準的プロテインAクロマトグラフィーを用いて容易に精製することができる。
今までに、ADCCおよびCDCエフェクター機能の両方を欠き、加えてプロテインAクロマトグラフィーにより精製することができる遺伝子改変イヌIgGは以前に記載されていなかった。本明細書中に開示されるように、例えばN297AまたはD265AのようなヒトおよびマウスのIgGのそれと類似したイヌIgGの位置における単一の置換は、対応するイヌ抗体においてADCCおよびCDCエフェクター機能の両方を完全には除去しない。例えば、ヒトまたはマウスの抗体における置換N297およびD265の各々はFcγ受容体およびC1qへの結合の抑止をもたらすが、いずれの置換も単独ではイヌ抗体のC1qへの結合を完全には抑止しなかった。代わりに、下にさらに開示されるように、IgGBまたはIgGCサブクラスのイヌ抗体においてADCCおよびCDCの両方を除去するためには、アスパラギンからアラニンへの置換およびアスパラギン酸からアラニンへの置換の両方を組み合わせた二重置換をイヌ抗体のFc内に作ることが必要であることが判明した。さらには、全く意外なことに、ヒト抗体においてエフェクター機能を低減させることが示されていた1つの置換は、実際には、対応するイヌIgGのFcγRおよびC1qへの結合の向上をもたらした。
エフェクター機能を欠いたイヌIgGBおよびIgGCのバリアントを作成するために、改変イヌIgGB重鎖または改変イヌIgGC重鎖を作成することができる。これらのイヌ結晶性フラグメント領域(cFc)の両方の中に存在する合計7個のアミノ酸残基が、かかる可能性のある置換のために同定された。これらの7個のアミノ酸残基は、イヌIgGBのFcに関する配列番号66のアミノ酸配列;およびイヌIgGCのFcに関する配列番号68のアミノ酸配列の両方について:P4、D31、N63、G64、T65、A93およびP95である。したがって、配列番号2のアミノ酸配列は、配列番号66のアミノ酸配列においてそれぞれプロリン(P)、アスパラギン酸(D)、アスパラギン(N)、グリシン(G)、スレオニン(T)、アラニン(A)およびプロリン(P)である4位、31位、63位、64位、65位、93位および95位のアミノ酸残基を、7個全ての位置について「X」(または3文字表記では「Xaa」)として持つことにより配列番号66のそれと異なっており、これら7個のアミノ酸位置が20個の天然アミノ酸(下の表1のカラム1中のリストを参照されたい)のうちのいずれかであることができることを意味する。同様に、配列番号4のアミノ酸配列は、4位、31位、63位、64位、65位、93位および95位のアミノ酸残基が、7個全ての位置について「X」(または3文字表記では「Xaa」)として載っていることにより配列番号68のそれと異なっており、これら7個のアミノ酸位置が20個の天然アミノ酸のうちのいずれかであることができることを意味する。配列番号2のアミノ酸配列は配列番号1のヌクレオチド配列によりコードされ、配列番号4のアミノ酸配列は配列番号3のヌクレオチド配列によりコードされる。
1の実施形態において、cFcは、次の置換P4(A、GまたはS)、D31(A、GまたはS)、N63(A、GまたはS)、G64(AまたはP)、T65(A、GまたはS)、A93(GまたはS)およびP95(A、GまたはS)を有する配列番号66のアミノ酸配列を含み;ここでP4(A、GまたはS)は4位のプロリン残基がアラニン残基、グリシン残基またはセリン残基のいずれかにより置き換えられることを意味し、同様にG64(PまたはA)は64位のグリシン残基がプロリン残基またはアラニン残基のいずれかにより置き換えられることを意味する、などである。特定の実施形態において、cFcは、次の置換:P4A、D31A、N63A、G64P、T65A、A93GおよびP95Aを有する配列番号66のアミノ酸配列を含む。
関連する実施形態において、cFcは、次のアミノ酸残基:A4、A31、A63、G64、T65、G93およびA95を有する、Xaaと名付けられた7個のアミノ酸を含有する配列番号4のアミノ酸配列を、すなわち、次の5個のアミノ酸残基変化:P4A、D31A、N63A、A93GおよびP95Aを有し、7個のうち残りの2個のアミノ酸残基であるG64およびT65は配列番号68のアミノ酸配列から保持されている配列番号68のアミノ酸配列を含む。
配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32のアミノ酸配列は全て、7個のアミノ酸位置において「X」(または3文字表記では「Xaa」)を含有し、これら7個のアミノ酸位置が下の表1のカラム1中に載っている20個の天然アミノ酸のうちのいずれかであることができることを意味する。注目すべきことに、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32は、それぞれの配列内に配列番号2のアミノ酸配列または配列番号4のアミノ酸配列のいずれかを含む。アミノ酸配列のこれら7個の位置のうちの1または複数におけるアミノ酸残基の具体例は、上および下に叙述されており、それゆえ、配列番号2、配列番号4、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32の個々のアミノ酸配列の種類の中に、並びにこれらの配列を含むイヌ化抗体の中に包含される。
下に与えられた表10は、本明細書中に開示されているように置き換えることができる、cIgGB Fc(配列番号66および配列番号2)およびcIgGC Fc(配列番号68および配列番号4)の7個のアミノ酸位置と、これらのcFcアミノ酸配列、すなわち配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32を含む完全長のイヌ重鎖のそれとの相互関係を具体的に示す。したがって、完全長配列IgGBまたはIgGCにおける実際の位置は、下の表10の使用を通じてそれが含むcFcのそれと容易に整合することができる。
特定の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)242位にP、A、GまたはSを、(ii)269位にD、A、GまたはSを、(iii)301位にN、A、GまたはSを、(iv)302位にG、PまたはAを、(v)303位にT、A、GまたはSを、(vi)331位にA、GまたはSを、および(vii)333位にP、A、GまたはSを含む、配列番号26のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)240位にP、A、GまたはSを、(ii)267位にD、A、GまたはSを、(iii)299位にN、A、GまたはSを、(iv)300位にG、PまたはAを、(v)301位にT、A、GまたはSを、(vi)329位にA、GまたはSを、および(vii)331位にP、A、GまたはSを含む、配列番号28または30のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、抗体の重鎖は、(i)238位にP、A、GまたはSを、(ii)265位にD、A、GまたはSを、(iii)297位にN、A、GまたはSを、(iv)298位にG、PまたはAを、(v)299位にT、A、GまたはSを、(vi)327位にA、GまたはSを、および(vii)329位にP、A、GまたはSを含む、配列番号31のアミノ酸配列を含む。
本発明はまた、天然のIgGDヒンジ領域の代わりにIgGA、IgGBまたはIgGCのいずれかからのヒンジ領域を含む改変イヌIgGDを提供する。あるいは、IgGDヒンジ領域は、表5中に示されているようにセリン残基をプロリン残基で置き換えることにより遺伝子改変することができる。かかる改変は、fabアーム交換を欠いたイヌIgGDを導くことができる。改変イヌIgGDは、組換えDNA技術の標準的方法[例えば、Maniatis et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(1982)]を用いて構築することができる。これらのバリアントを構築するため、イヌIgGDのアミノ酸配列をコードする核酸は、改変IgGDをコードするように改変することができる。改変された核酸配列は次いでタンパク質発現用の発現プラスミド内にクローニングされる。置換ヒンジ領域を有するイヌIgGD Fcをコードする核酸は、配列番号8、10および12のアミノ酸配列をコードする配列番号7、9および11のヌクレオチド配列により例示される。改変IgGDヒンジ領域を有するイヌIgGD Fcをコードする核酸は、配列番号6のアミノ酸配列をコードする配列番号5のヌクレオチド配列を含む。
本発明はさらに、イヌ化抗体を作製するために対応する軽鎖と調和することができる完全長のイヌ重鎖を提供する。したがって、本発明はさらに、イヌ化マウス抗イヌ抗原抗体(単離されたイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体を包含する)およびイヌにおける疾患の処置、例えば、がんの処置における抗体またはその抗原結合断片の使用方法を提供する。
さらには、本発明は、イヌPD−L1に結合し、イヌPD−1のイヌPD−L1への結合を遮断するイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体または抗原結合断片を提供する。ある実施形態において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体は、本明細書中に記載されている改変イヌIgGB Fc、改変イヌIgGC Fcまたはfabアーム交換を欠いた改変イヌIgGDを含む。
イヌ抗原、例えばイヌPD−L1と結合する抗体またはその抗原結合断片は、1、2、3、4、5または6個の、本明細書中に記載されているマウス抗イヌ抗体の相補性決定領域(CDR)を含む。1、2、3、4、5または6個のCDRは、下に提供されているもののCDR配列から独立して選択され得る。さらなる実施形態において、イヌPD−L1と結合する抗体またはその抗原結合断片は、マウス軽鎖CDR−1、CDR−2および/またはCDR−3を含むイヌ抗体カッパ軽鎖ならびにマウス重鎖CDR−1、CDR−2および/またはCDR−3を含むイヌ抗体重鎖IgGを含む。したがって、本発明はさらに、イヌ化抗体を作製するために例として対応する軽鎖と調和することができる完全長のイヌ重鎖を提供する[マウス抗イヌPD−L1、例えば4F9および5F12の2セットのCDRの配列が提供されている下の表2を参照されたい]。
他の実施形態において、本発明は、PD−L1と特異性を有して結合し、配列番号16、17、18、22、23および/または24のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を含む1から6個の異なるCDRを含むイヌ抗体カッパ軽鎖ならびに配列番号13、14、15、19、20および/または21のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を含む1から6個の異なるCDRを含むイヌ抗体重鎖IgGを持ちながらも、所望の結合特性および機能的特性をなお呈する抗体またはその抗原結合断片を提供する。別の他の実施形態において、本発明の抗体または抗原結合断片は、IgG重鎖配列と0、1、2、3、4または5個の保存的または非保存的なアミノ酸置換を有する1または複数の上述のCDRアミノ酸配列を持つカッパ軽鎖との組み合わせを含み、所望の結合特性および機能的特性をなお呈するイヌフレームを含む。
「保存的改変バリアント」または「保存的置換」とは、タンパク質の生物学的活性を変えることなくたびたび変化させることができるような、タンパク質におけるアミノ酸の、類似した特性(例えば電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格立体構造および剛性など)を持つ他のアミノ酸での置換をいう。一般的に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は生物学的活性を実質的に変えないことをこの技術分野の当業者は認識している[例えば、Watson et al.,Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.;1987)を参照されたい]。加えて、構造的または機能的に類似したアミノ酸の置換は、生物学的活性を壊す可能性がより低い。例示的な保存的置換を直下の表I中に表す。
表1
例示的な保存的アミノ酸置換
Figure 0006797111
本発明の抗体の機能保存的バリアントもまた、本発明により意図される。本明細書中で用いられる「機能保存的バリアント」とは、1または複数のアミノ酸残基が所望の特性、例えば抗原アフィニティーおよび/または特異性などを変えることなく変化している抗体または断片をいう。かかるバリアントとしては、限定されるものではないが、類似した特性を持つアミノ酸でのアミノ酸の置き換え、例えば上の表Iの保存的アミノ酸置換などが挙げられる。
核酸
本発明はさらに、本明細書中に開示されているイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体およびその抗原結合断片の免疫グロブリン鎖をコードする核酸を含む(下の実施例を参照されたい)。
本発明中にまた包含されるのは、BLASTアルゴリズムにより比較が実施されたときに、本明細書中に提供されているCDRおよび/またはイヌcFcおよび/または抗体のアミノ酸配列と少なくとも約70%同一である、好ましくは少なくとも約80%同一である、より好ましくは少なくとも約90%同一である、および最も好ましくは少なくとも約95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)同一であるアミノ酸を含む免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸であり、ここでアルゴリズムのパラメーターはそれぞれの参照配列の全長に対してそれぞれの配列との間で最大マッチを付与するように選択される。本発明はさらに、BLASTアルゴリズムで比較が実施されたときに、参照アミノ酸配列のいずれかと少なくとも約70%類似している、好ましくは 少なくとも約80%類似している、より好ましくは少なくとも約90%類似している、および最も好ましくは少なくとも約95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)類似しているアミノ酸配列を含む免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸を提供するものであり、ここでアルゴリズムのパラメーターはそれぞれの参照配列の全長に対してそれぞれの配列との間で最大マッチを付与するように選択される。
本発明はまた、本発明の核酸(単離された核酸を包含する)を含む発現ベクターを提供し、ここで核酸は、宿主細胞がベクターでトランスフェクトされたときに宿主細胞により認識される制御配列に作動可能に連結している。また提供されるのは、本発明の発現ベクターを含む宿主細胞、ならびに、抗体または抗原結合断片をコードする発現ベクターを内部に持つ宿主細胞を培養培地中で培養すること、および宿主細胞または培養培地から抗原またはその抗原結合断片を単離することを含む、本明細書中に開示されている抗体またはその抗原結合断片を生産する方法である。
イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体は、例えば、当該分野で公知の方法により組換え的に生産することができる。本明細書中に開示されている抗体または断片の発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は当該技術分野で周知であり、American Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な多くの不死化細胞株を包含する。これらとしては、なかでも、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、Hela細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えばHep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK−293細胞および多数の他の細胞株が挙げられる。哺乳動物宿主細胞としては、ヒト、マウス、ラット、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマおよびハムスターの細胞が挙げられる。とりわけ好ましい細胞株は、いずれの細胞株が高い発現レベルを持つかを決定することを通じて選択される。用いられ得る他の細胞株は、昆虫細胞株、例えばSf9細胞など、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞である。重鎖またはその抗原結合部分もしくは断片、軽鎖および/またはその抗原結合断片をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞内に導入されたとき、宿主細胞内で抗体を発現させるのにまたはより好ましくは宿主細胞が増殖した培養培地内に抗体を分泌させるのに十分な時間、宿主細胞を培養することにより、抗体が生産される。
抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて培養培地から回収することができる。さらに、産生細胞株からの本発明の抗体(またはそれに由来する他の部分)の発現は、多数の公知の技術を用いて増強することができる。例えば、グルタミン合成酵素遺伝子発現系(GS系)は、ある条件下で発現を増強させるために通例的なアプローチである。GS系は、欧州特許第0216846号、第0256055号および第0323997号ならびに欧州特許出願第89303964.4号との関連で全体的にまたは部分的に論じられている。
一般的に、特定の細胞株または遺伝子導入動物において生産される糖タンパク質は、その細胞株または遺伝子導入動物において生産される糖タンパク質に特徴的なグリコシル化パターンを持つ。それゆえ、抗体の特定のグリコシル化パターンは、抗体を生産するために用いられる特定の細胞株または遺伝子導入動物に依存するであろう。しかしながら、本明細書中に提供される核酸分子によりコードされるまたは本明細書中に提供されるアミノ酸配列を含む全ての抗体は、抗体が持ち得るグリコシル化パターンと無関係に本発明を構成する。同様に、特定の実施形態において、非フコシル化N−グリカンのみを含むグリコシル化パターンを有する抗体は有利であり得るが、その理由は、これらの抗体はインビトロおよびインビボの両方においてそれらのフコシル化対応物よりも強力な有効性を典型的に呈することが示されているためである[例えば、Shinkawa et al.,J. Biol.Chem.278:3466−3473(2003);米国特許第6,946,292号および第7,214,775号を参照されたい]。
本発明はさらに、本明細書中に開示されているイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体の抗体断片を包含する。抗体断片はF(ab)断片を包含し、これは例えばペプシンによるIgGの酵素的切断によって生産され得る。Fab断片は、例えばジチオスレイトールまたはメルカプトエチルアミンでのF(ab)の還元により生産され得る。Fab断片は、ジスルフィド架橋によりV−CH1鎖に付加されたV−C鎖である。F(ab)断片は、今度は2つのジスルフィド架橋により付加された2つのFab断片である。F(ab)分子のFab部分は、その間にジスルフィド架橋が位置するF領域の部分を包含する。F断片は、V領域またはV領域である。
1の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、重鎖定常領域、例えばイヌ定常領域、例えばIgGA、IgGB、IgGCおよびIgGDイヌ重鎖定常領域など、またはそのバリアントを含む。別の実施形態において、抗体または抗原結合断片は、軽鎖定常領域、例えばイヌ軽鎖定常領域、例えばラムダまたはカッパ イヌ軽鎖領域など、またはそのバリアントを含む。限定されない例として、イヌ重鎖定常領域はIgGBからのものであることができ、イヌ軽鎖定常領域はカッパからのものであることができる。
抗体エンジニアリング
本発明のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体は、下に詳述されているように、例えば抗体の特性を改良するため、親の(すなわちイヌの)モノクローナル抗体のイヌフレーム内に改変を包含するように操作することができる。
交差遮断(cross−blocking)抗体およびエピトープ結合
4F9および/または5F12と交差競合する交差遮断抗体およびその抗原結合断片は、イヌ化交差遮断抗体およびその抗原結合断片を包含するものであって、本発明の一部である。加えて、本発明の抗イヌPD−L1抗体または断片のいずれかと同じエピトープに結合する抗体およびその抗原結合断片もまた、本発明の一部を形成する。交差遮断抗体および抗原結合断片は、標準的な結合アッセイ(例えば、BIACore(登録商標)、ELISAまたはフローサイトメトリー)において4F9および/または5F12と交差競合するそれらの能力に基づいて同定することができる。例えば、組換えイヌPD−L1タンパク質をプレート上に固定化し、抗体のうちの1つを蛍光標識し、競合して標識抗体の結合を外す非標識抗体の能力を調べる標準的なELISAアッセイを用いることができる。加えて、またはあるいは、BIAcore(登録商標)解析を用いてその抗体の交差競合する能力を評価することもできる。試験抗体の、例えば4F9および/または5F12のイヌPD−L1への結合を阻害する能力は、試験抗体がイヌPD−L1への結合について4F9および/または5F12と競合することができ、それゆえに、いくつかの場合において4F9および/または5F12と同じイヌPD−L1上のエピトープに結合し得ることを実証するものである。より特定の実施形態において、4F9および/または5F12と交差競合し、また4F9および/または5F12と同じイヌPD−L1上のエピトープに結合する交差遮断抗体およびその抗原結合断片も本発明の一部である。
ペプチドおよび融合タンパク質ワクチン
抗イヌPD−L1 mAbにより認識されるエピトープ(またはその部分)を含むペプチドおよびかかるペプチドを含む融合タンパク質は、PD−L1のPD−1への結合を遮断してT細胞活性化および免疫応答の亢進をもたらす抗体を誘導するためのワクチンとして用いられ得る。かかるワクチンは、疾患、例えばがんなどのための治療ワクチンとして、または他のワクチンへの免疫応答のエンハンサーとして作用させるのに有用であり得る。これらのペプチドをワクチンとして用いるため、1または複数のこれらのペプチドは、これらのペプチドの免疫原性を増強してペプチド特異的抗体を誘導するために化学的にまたは組換えDNA技術を通じてキャリアタンパク質にカップリングされ得る。ペプチドをキャリアタンパク質にカップリングする技術は、当業者に公知である。ペプチド(および対応する融合タンパク質)ワクチンは、例えば筋肉内(IM)、皮下(S/C)、経口、噴霧または卵内経路により、動物にワクチン接種するために用いられ得る(下も参照されたい)。かかるワクチンは、細菌、ウイルス、酵母またはバキュロウイルスのウイルス系から発現されたサブユニットタンパク質として用いられ得る。あるいはかかるペプチド(または融合タンパク質)ワクチンは、当業者に公知の方法により実行することができる、かかるペプチドまたは融合タンパク質を発現する種々のウイルスベクターまたは細菌ベクターの投与の後に送達され得る。ペプチドまたは融合タンパク質ワクチンは、1〜1000μgの用量で投与され得るものであり、アジュバントおよび許容される薬学的担体を含有してもよい。
医薬組成物および投与
イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片の医薬組成物または滅菌組成物を調製するため、これを薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することができる[例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S.Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参照されたい]。
治療薬および診断薬の製剤は、許容される担体、賦形剤または安定剤と混合し、例えば凍結乾燥粉末、スラリー、水溶液または懸濁液の形態で調製され得る[例えば、Hardman,et al.(2001) Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw−Hill,New York,NY;Gennaro(2000) Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,NY;Avis,et al.(eds.)(1993) Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990) Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990) Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000) Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,NYを参照されたい]。1の実施形態において、本発明の抗PD−L1抗体は、酢酸ナトリウム溶液 pH5〜6中で適切な濃度に希釈され、浸透圧のためにNaClまたはショ糖が加えられる。安定性を高めるために、付加的な剤、例えばポリソルベート20またはポリソルベート80などを加えてもよい。
単独でまたは別の剤と組み合わせて投与される抗体組成物の毒性および治療的有効性は、例えばLD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法により決定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比は治療指数(LD50/ED50)である。特定の態様において、高い治療指数を呈する抗体が望ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物試験から得られる結果は、イヌにおける使用のための投薬量の範囲の策定において用いることができる。かかる化合物の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんどまたは全くないED50を包含する循環濃度の範囲内にある。投薬量は、使用される剤形および投与経路に応じて、この範囲内で変わり得る。
投与様式は変えることができる。好適な投与経路としては、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口;筋肉内、皮下、皮内、髄内、髄腔内、直接的脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼球内、吸入、吹送、局所、皮膚、経皮または動脈内が挙げられる。特定の実施形態において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片は、侵襲的経路、例えば注射などにより投与することができる。本発明のさらなる実施形態において、マウス抗イヌPD−L1抗体もしくはその抗原結合断片、またはそれらの医薬組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、腫瘍内に、または吸入、エアロゾル送達により投与される。非侵襲的経路(例えば経口;例えば、丸剤、カプセルまたは錠剤中)による投与もまた本発明の範囲内である。
本明細書中に開示されている医薬組成物はまた、注入によっても投与され得る。医薬組成物を投与する周知のインプラントおよびモジュール形態の例としては:制御された速度で薬物を投薬するための移植可能なマイクロインフュージョンポンプを開示している米国特許第4,487,603号;精密な注入速度で薬物を送達するための薬物注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号;連続的薬剤送達のための可変流量の移植可能な注入装置を開示している米国特許第4,447,224号;マルチチャンバー区画を持つ浸透ドラッグデリバリーシステムを開示している米国特許第4,439,196号が挙げられる。多くの他のかかるインプラント、送達システムおよびモジュールが当業者に周知である。
あるいは、例えば免疫病理学により特徴付けられる関節炎を起こした関節または病原体が誘発した病変の中に、抗体、しばしばデポー剤または持続放出製剤中の抗体を直接注射することによって、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体を全身性様式よりもむしろ局所に投与してもよい。そのうえ、標的化ドラッグデリバリーシステム中にある抗体、例えば免疫病理学により特徴付けられる関節炎を起こした関節または病原体が誘発した病変を標的とする組織特異的抗体でコーティングされたリポソーム中にある抗体を投与してもよい。リポソームは冒された組織を標的とし、選択的に取り込まれる。
投与レジメンは、治療抗体の血清または組織での代謝回転速度、症候のレベル、治療抗体の免疫原性および生物学的マトリックス内にある標的細胞のアクセス性といったいくつかの因子に依存する。好ましくは、投与レジメンは、標的の疾患状態の改善をもたらし、同時に望まれない副作用を最小化するのに十分な治療抗体を送達する。したがって、送達される生物製剤の量は、具体的な治療抗体および処置される症状の重症度に部分的に依存する。治療抗体の適切な用量選択におけるガイダンスが利用可能である[例えば、Wawrzynczak Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK(1996);Kresina(ed.) Monoclonal Antibodies,Cytokines and Arthritis,Marcel Dekker,New York,NY(1991);Bach(ed.) Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases,Marcel Dekker,New York,NY(1993);Baert,et al. New Engl.J.Med.348:601−608(2003);Milgrom et al. New Engl.J.Med.341:1966−1973(1999);Slamon et al. New Engl.J.Med.344:783−792(2001);Beniaminovitz et al. New Engl.J.Med.342:613−619(2000);Ghosh et al. New Engl.J.Med.348:24−32(2003);Lipsky et al. New Engl.J.Med.343:1594−1602(2000)を参照されたい]。
適切な用量の決定は、獣医(veteranarian)により、例えば当該分野において処置に影響することが知られているまたは疑われているパラメーターまたは因子を用いて行われる。一般に、用量は、最適用量よりいくらか少ない量で開始し、その後に少ない増加量で、何らかのネガティブな副作用と比較して所望のまたは最適な効果が達成されるまで増やしていく。重要な診断的測定値としては、例えば炎症の症候のそれ、または生産される炎症性サイトカインのレベルが挙げられる。
本明細書中に開示されている抗体またはその抗原結合断片は、連続注入により、または、例えば毎日、1週間に1〜7回、毎週、隔週、毎月、隔月、四半期ごと、半年ごと、毎年などに投与される用量により与えられ得る。用量は、例えば静脈内、皮下、局所、経口、経鼻、直腸内、筋肉内、脳内、脊髄内に、または吸入により与えられ得る。週の合計用量は、一般に少なくとも0.05μg/kg体重、より一般には少なくとも0.2μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、10μg/kg、100μg/kg、0.25mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、5.0mg/ml、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kgまたはそれより多い[例えば、Yang,et al. New Engl.J.Med.349:427−434(2003);Herold,et al. New Engl.J.Med.346:1692−1698(2002);Liu,et al. J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451−456(1999);Portielji,et al. Cancer Immunol.Immunother.52:133−144(2003)を参照されたい]。用量はまた、対象の血清中のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体の予め決められた標的濃度、例えば0.1、0.3、1、3、10、30、100、300μg/mlまたはそれより高い濃度を達成するように与えられ得る。他の実施形態において、本発明のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体は、皮下または静脈内に、毎週、隔週、「4週間ごと」、毎月、隔月または四半期ごとに、10、20、50、80、100、200、500、1000または2500mg/対象で投与される。
本明細書中で用いられる「阻害する」または「処置する」または「処置」は、障害に関連した症候の進展の延期および/またはかかる障害の症候の重症度の低減を包含する。この用語はさらに、現在する制御されないまたは望まれない症候を寛解させること、付加的な症候を防ぐこと、およびかかる症候の根底にある原因を寛解させるまたは防ぐことを包含する。それゆえに、この用語は、障害、疾患もしくは症候を有する、またはかかる障害、疾患もしくは症候を患う可能性がある脊椎動物対象に対して有益な結果が授与されたことを表す。
本明細書中で用いられる用語「治療的有効量」、「治療的有効用量」および「有効量」とは、単独でまたは付加的な治療薬と組み合わせて細胞、組織または対象に投与されたときに、1または複数の疾患もしくは症状の症候またはかかる疾患もしくは症状の進行に測定可能な改善を引き起こすのに有効な本発明のイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片の量をいう。治療的有効用量はさらに、症候の少なくとも部分的な寛解、例えば関連のある医学的症状の処置、治癒、予防もしくは寛解、またはかかる症状の処置、治癒、予防もしくは寛解の速度の向上をもたらすのに十分な結合性化合物の量をいう。単独で投与される個々の活性成分に適用されるとき、治療的有効用量とは、その成分単独をいう。組み合わせに適用されるとき、治療的有効用量とは、組み合わせ、逐次的または同時のいずれで投与されたものであっても治療効果をもたらす活性成分の合わせた量をいう。治療有効量は、診断的な測定値またはパラメーターに、少なくとも10%;通常は少なくとも20%;好ましくは少なくとも約30%;より好ましくは少なくとも40%、および最も好ましくは少なくとも50%の改善をもたらす。有効量はまた、主観的測定値が疾患の重症度を評価するために用いられる場合、主観的測定値の改善をもたらすこともできる。
他の組み合わせ治療
先に記載したように、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片は、1または複数の他の治療薬(例えば化学療法薬など)と共に投与され得る。抗体は、治療薬と連結されていてもよく(免疫複合体として)、または治療薬と別に投与することもできる。後者(別投与)の場合、抗体は、治療薬の前、後もしくは同時に投与することができ、または他の公知の治療と共に投与することができる。
特定の組み合わせ治療において、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片は、イヌ化マウス抗イヌPD−1抗体もしくはその抗原結合断片[例えば、2013年12月20日に出願された米国仮出願シリアル番号第61/918,946号、および2014年7月30日に出願された米国仮出願シリアル番号第62/030,812号、2014年12月16日に出願された仮出願シリアル番号第62/092,496号、PCT/EP2014/078655(WO2015091911)およびPCT EP2014/078653(WO2015/091910)中に開示されたもの。これらの文献の内容は全て参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる]および/またはイヌ化マウス抗イヌ細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質−4(CTLA−4)抗体もしくはその抗原結合断片と共に投与され得る。したがって、これら3つのイヌ化マウス抗イヌタンパク質(すなわち抗イヌPD−L1、PD−1またはCTLA−4)抗体またはその抗原結合断片の任意の組み合わせを共に投与することができる。例えば、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片は、イヌ化マウス抗イヌPD−1抗体もしくはその抗原結合断片および/またはイヌ化マウスCTLA−4抗体もしくはその抗原結合断片の前、後または同時に投与することができる。加えて、イヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片とイヌ化マウス抗イヌPD−1抗体もしくはその抗原結合断片および/またはイヌ化マウスCTLA−4抗体もしくはその抗原結合断片との組み合わせはまた、他の公知の治療と共に、すなわち前、後または同時に投与することができる。
キット
さらに提供されるのは、1または複数の構成成分を含むキットであって、これは、限定されるものではないが、本明細書中に論じられているPD−L1と特異的に結合する抗体または抗原結合断片(例えばイヌ化マウス抗イヌPD−L1抗体またはその抗原結合断片)を1または複数の付加的な構成成分を伴って包含するものであり、この付加的な構成成分には、限定されるものではないが本明細書中に論じられているイヌ化マウス抗イヌPD−1抗体もしくはその抗原結合断片、および/またはイヌ化マウス抗イヌCTLA−4抗体もしくはその抗原結合断片、薬学的に許容される担体および/または化学療法薬を包含するものである。代替的実施形態において、キットは、上で論じられているように、抗イヌPD−L1 mAbにより認識されるエピトープもしくはその部分(またはエピトープもしくはその部分を含む融合タンパク質)を含む1または複数のペプチドを含むことができる。結合性組成物および/または化学療法薬もしくはエピトープもしくはその部分を含むペプチド(またはエピトープもしくはその部分を含む融合タンパク質)は、医薬組成物中で、純粋な組成物としてまたは薬学的に許容される担体と組み合わせて製剤化することができる。
1の実施形態において、キットは、本発明の結合性組成物、例えばイヌ化マウス抗イヌPD−L1(もしくはその抗原結合断片)もしくはその医薬組成物を1つの容器内に(例えば滅菌ガラスまたはプラスチックのバイアル内に)、および/またはその医薬組成物および/または化学療法薬を別の容器内に(例えば滅菌ガラスまたはプラスチックのバイアル内に)、および/またはイヌ化マウス抗イヌPD−1(もしくはその抗原結合断片)および/またはイヌ化マウス抗イヌCTLA−4(もしくはその抗原結合断片)もしくはその医薬組成物を1または複数の他の容器内に(例えば滅菌ガラスまたはプラスチックのバイアル内に)包含する。
キットが対象への非経口投与のための医薬組成物を包含する場合、そのキットはまたかかる投与を実施するためのデバイスを包含することができる。例えば、キットは、上で論じられている1または複数の皮下注射針および他の注射デバイスを包含することができる。キットはまた、キット中の医薬組成物および剤形に関する情報を包含する添付文書を包含することもできる。一般に、かかる情報は、ペットの飼い主および獣医(veteranarian)が同封された医薬組成物および剤形を効果的かつ安全に用いることを助ける。例えば、本発明の組み合わせに関する次の情報が挿入物に供給され得る:薬物動態、薬力学、臨床試験、有効性パラメーター、適応症および用法、禁忌、警告、注意、有害反応、過量、適量および投与、供給法、適した保存条件、参考文献、製造者/販売業者情報および特許情報。
便宜上、本明細書中に開示されている抗体または特異的結合剤は、キットで、すなわち、診断または検出アッセイを実施するための説明書を伴った予め決められた量の試薬のパッケージ化された組み合わせで提供することができる。抗体が酵素で標識されている場合、キットは酵素が必要とする基質および補因子(例えば検出可能な発色団または蛍光団を提供する基質前駆体)を包含するであろう。加えて、他の添加物、例えば安定剤、バッファー(例えばブロッキングバッファーまたは溶解バッファー)などが包含され得る。様々な試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬溶液濃度を与えるために幅広く変えられ得る。詳細には、試薬は、溶解すると適切な濃度の試薬溶液を提供する賦形剤を包含する乾燥粉末、通常は凍結乾燥されたものとして提供され得る。
[実施例]
実施例1
イヌPD−1およびPD−L1
イヌPD−1およびPD−L1の配列
2013年12月20日に出願された米国仮出願第61/918,946号および2014年7月30日に出願された第62/030,812号は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれ、配列番号49のイヌPD−1(cPD−1)に対する完全長ヌクレオチド配列[配列番号69はシグナル配列を包含する];配列番号50の対応する翻訳されたアミノ酸配列[配列番号70はシグナル配列を包含する];イヌPD−1の細胞外ドメイン(ECD)をコードするヌクレオチド配列、配列番号51;イヌPD−1のECDのアミノ酸配列、配列番号52;イヌPD−1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1 Fc遺伝子のFc部のヌクレオチド配列、配列番号53;ならびにイヌPD−1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1 Fc遺伝子のFc部のアミノ酸配列、配列番号54[配列番号81はシグナル配列を包含する]を提供する。
2013年12月20日に出願された米国仮出願第61/918,946号および2014年7月30日に出願された第62/030,812号は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれ、配列番号55のイヌPD−1(cPD−1)に対する完全長ヌクレオチド配列[配列番号71はシグナル配列を包含する];配列番号56の対応する翻訳されたアミノ酸配列[配列番号72はシグナル配列を包含する];イヌPD−L1の細胞外ドメイン(ECD)をコードするヌクレオチド配列、配列番号57;イヌPD−L1のECDのアミノ酸配列、配列番号58;イヌPD−L1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1 Fc遺伝子のFc部のヌクレオチド配列、配列番号59;ならびにPD−L1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1 Fc遺伝子のFc部のアミノ酸配列、配列番号60をさらに提供する。
イヌPD−1の同定およびクローニング
完全長イヌPD−1(cPD−1)をコードする核酸を、NCBI遺伝子バンクデータベースの検索を通じて同定した(アクセッション番号 XM_543338.4)。推定イヌPD−1タンパク質に相当する翻訳されたアミノ酸配列(アクセッション番号 XP_543338.3)を、遺伝子バンク(NCBI)タンパク質データベースの検索および同定されたアミノ酸配列とマウス、ネコおよびヒトのPD−1アミノ酸配列とのアラインメントを通じてさらに同定した。CHO細胞のためにコドン最適化された完全長イヌPD−1遺伝子に相当するDNA配列を合成し、p96793と名付けたプラスミド中にクローニングした。予測イヌPD−1のDNA配列およびタンパク質配列と既知のPD−1 DNA配列およびタンパク質配列との比較は、イヌPD−1の細胞外ドメイン(ECD)をコードするDNA配列およびイヌPD−1のECDのアミノ酸配列の同定を導いた。
GTリンカーおよび8個のヒスチジン残基に加えてイヌPD−1のECDをコードするDNA配列を合成し、LPD2726と名付けたプラスミド中にクローニングした。イヌPD−1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1 Fc遺伝子のFc部に相当する核酸配列を化学合成し、LPD2727と名付けたプラスミド中にクローニングした。イヌPD−1 ECDおよびヒトIgG1 FcのFc部は、配列番号81のアミノ酸配列(シグナル配列を包含するもの)を含む。
イヌPD−L1の同定およびクローニング
完全長のイヌPD−L1をコードする核酸を、NCBI遺伝子バンクデータベースの検索を通じて同定した(アクセッション番号 XM_541302.4)。推定イヌPD−L1タンパク質に相当する翻訳されたアミノ酸配列(アクセッション番号 XP−541302.4)を、遺伝子バンク(NCBI)タンパク質データベースの検索および同定された配列と既知のPD−L1マウスおよびヒト配列とのアラインメントにより同定した。
イヌPD−L1をコードするDNAと既知のPD−L1配列との比較は、イヌPD−L1のECDドメインに相当するDNA配列(CHO細胞のためにコドン最適化されたもの)を同定した。イヌPD−L1のECDの予測アミノ酸配列は配列番号58である。PD−L1 ECD+GTリンカーおよび8個のヒスチジン残基をコードするDNAを合成し、LPD2695と名付けたプラスミド中にクローニングした。
イヌPD−L1 ECDのアミノ酸配列+GTリンカーおよびヒトIgG1 FcのFc部をコードするDNA配列を化学合成し、LPD2697と名付けたプラスミド中にクローニングした。イヌPD−L1 ECD+GTリンカーおよびヒトIgG1のFc部は、配列番号60のアミノ酸配列を含む。
PD−1およびPD−L1タンパク質の発現
PD−1ECD−HIS、PD−1ECD−Fc、PD−L1 ECD−HISおよびPD−L1ECD−Fcタンパク質をコードする発現プラスミドをHEK293細胞内にトランスフェクトし、Fc融合タンパク質に対してプロテインAを、またはHISタグ付加タンパク質に対してニッケル(Ni2+)カラムクロマトグラフィーを用いて、トランスフェクト細胞の上清からタンパク質を精製した。精製されたタンパク質を、下に詳述されているELISAまたは結合アッセイのために用いた。発現したタンパク質をSDS−PAGEゲルにより分析した。
完全長イヌPD−1 DNA配列:シグナル配列は下線および太字
ヌクレオチド配列 配列番号49はシグナル配列を伴わない。
atggggagccggcgggggccctggccgctcgtctgggccgtgctgcagctgggctggtggccaggatggctcctagactcccctgacaggccctggagcccgctcaccttctccccggcgcagctcacggtgcaggagggagagaacgccacgttcacctgcagcctggccgacatccccgacagcttcgtgctcaactggtaccgcctgagcccccgcaaccagacggacaagctggccgccttccaggaggaccgcatcgagccgggccgggacaggcgcttccgcgtcatgcggctgcccaacgggcgggacttccacatgagcatcgtcgctgcgcgcctcaacgacagcggcatctacctgtgcggggccatctacctgccccccaacacacagatcaacgagagtccccgcgcagagctctccgtgacggagagaaccctggagccccccacacagagccccagccccccacccagactcagcggccagttgcaggggctggtcatcggcgtcacgagcgtgctggtgggtgtcctgctactgctgctgctgacctgggtcctggccgctgtcttccccagggccacccgaggtgcctgtgtgtgcgggagcgaggacgagcctctgaaggagggccccgatgcagcgcccgtcttcaccctggactacggggagctggacttccagtggcgagagaagacgccggagcccccggcgccctgtgccccggagcagaccgagtatgccaccatcgtcttcccgggcaggccggcgtccccgggccgcagggcctcggccagcagcctgcagggagcccagcctccgagccccgaggacggacccggcctgtggcccctctga
完全長イヌPD−1 アミノ酸配列:シグナル配列は下線および太字
アミノ酸配列 配列番号50はシグナル配列を伴わない。
MGSRRGPWPLVWAVLQLGWWPGWLLDSPDRPWSPLTFSPAQLTVQEGENATFTCSLADIPDSFVLNWYRLSPRNQTDKLAAFQEDRIEPGRDRRFRVMRLPNGRDFHMSIVAARLNDSGIYLCGAIYLPPNTQINESPRAELSVTERTLEPPTQSPSPPPRLSGQLQGLVIGVTSVLVGVLLLLLLTWVLAAVFPRATRGACVCGSEDEPLKEGPDAAPVFTLDYGELDFQWREKTPEPPAPCAPEQTEYATIVFPGRPASPGRRASASSLQGAQPPSPEDGPGLWPL
イヌPD−1細胞外ドメイン DNA配列:配列番号51(CHO細胞内での発現のためにコドン最適化されている)
ctggattcccccgacagaccctggagccctctcaccttctcccctgcccagctgaccgtccaggaaggcgagaatgccaccttcacctgcagcctcgccgacatccccgacagcttcgtgctgaactggtacagactgagccccaggaaccagaccgacaagctggccgctttccaggaggacaggatcgaacccggcagggacaggaggtttagggtcatgaggctgcccaacggcagggacttccacatgtccatcgtggccgccagactgaacgactccggcatctacctgtgcggcgctatctacctgccccccaacacccagatcaacgagagccccagggccgaactgagcgtgacagagagaaccctggaacctcccacccagagcccttcccctcctcctagactgagcggacagctgcagggcctggtg
イヌPD−1細胞外ドメイン:配列番号52
LDSPDRPWSPLTFSPAQLTVQEGENATFTCSLADIPDSFVLNWYRLSPRNQTDKLAAFQEDRIEPGRDRRFRVMRLPNGRDFHMSIVAARLNDSGIYLCGAIYLPPNTQINESPRAELSVTERTLEPPTQSPSPPPRLSGQLQGLV
イヌPD−1細胞外ドメイン−ヒトIgG1 Fc DNA配列:配列番号53(HEK−293細胞内での発現のためにコドン最適化されている)
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イヌPD−1細胞外ドメイン−ヒトIgG1 Fc融合タンパク質:シグナル配列は下線および太字:アミノ酸配列番号54はシグナル配列を伴わない。
MNFLLSWVHWSLALLLYLHHAKWSQALDSPDRPWSPLTFSPAQLTVQEGENATFTCSLADIPDSFVLNWYRLSPRNQTDKLAAFQEDRIEPGRDRRFRVMRLPNGRDFHMSIVAARLNDSGIYLCGAIYLPPNTQINESPRAELSVTERTLEPPTQSPSPPPRLSGQLQGLVGTDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
完全長イヌPD−L1 DNA配列:シグナル配列は下線および太字
ヌクレオチド配列 配列番号55はシグナル配列を伴わない。
atgagaatgtttagtgtctttacattcatggcctactgccatttgctaaaagcatttacgatcacagtttctaaggacctgtatgtggtagagtatggtggcaatgtgacaatggaatgcaaattcccggtggaaaaacagttaaacttgtttgcactaatcgtctactgggaaatggaggataaaaaaattatacaatttgtgaatggaaaggaagacctgaaagttcagcacagcagctacagccagagggctcagctattgaaggaccagctcttcttggggaaggctgcgcttcagatcacagatgtgagattgcaggatgcaggggtttactgctgcttgatcggctatggcggtgctgactacaagcggattactttgaaagttcatgccccgtaccgcaacatcagccaaagaatttctgtggatcctgtcacctctgaacatgaactaatgtgtcaggctgagggttaccctgaggctgaagtcatctggacaagcagtgaccaccgagtcctgagtggcaaaaccaccatcactaattccaatagggaagagaagcttttcaatgtgaccagcacgctgaacatcaatgcaacagctaatgagattttctactgcacttttcaaagatcaggtcctgaggaaaacaatactgccgagttggtcatcccagaacgactgcccgttccagcaagtgagaggactcatttcatgattctgggacctttcctgttgcttcttggtgtagtcctggcagtcactttctgtctaaaaaaacatgggagaatgatggatgtggaaaaatgttgcacccgagataggaactcaaagaaacgaaatgatatacaatttgaagagacataa
完全長イヌPD−L1:シグナル配列は下線および太字
アミノ酸配列 配列番号56はシグナル配列を伴わない。
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イヌPD−L1細胞外ドメイン DNA配列:配列番号57(CHO細胞内での発現のためにコドン最適化されている)
tttaccatcaccgtgtccaaggacctgtacgtggtcgagtacggcggcaatgtgaccatggagtgcaagttccccgtggagaagcagctgaacctgttcgccctcatcgtgtactgggagatggaggacaagaagatcatccagttcgtgaacggcaaggaggacctgaaggtgcagcactccagctactcccagagagcccagctgctgaaggaccagctgttcctgggcaaggccgccctgcagatcaccgacgtgagactgcaggacgccggcgtgtattgctgcctgatcggctacggaggcgccgactacaagaggatcaccctgaaggtgcatgcaccctacaggaacatcagccagaggatcagcgtcgatcccgtgaccagcgagcacgagctgatgtgccaagccgagggctatcccgaggccgaagtgatctggaccagcagcgaccacagggtcctgagcggcaagaccaccatcaccaacagcaacagggaggagaagctgttcaacgtgaccagcaccctcaacatcaacgccaccgccaacgagatcttctactgcaccttccagaggagcggccccgaagagaacaacaccgccgagctggtgatccccgagagactgcctgtgcctgccagcgagaggacccac
イヌPD−L1細胞外ドメインタンパク質:配列番号58
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イヌPD−L1細胞外ドメイン−ヒトIgG1 Fc DNA配列:配列番号59(HEK−293細胞内での発現のためにコドン最適化されている)
tttaccatcaccgtgtccaaggacctgtacgtggtcgagtacggcggcaatgtgaccatggagtgcaagttccccgtggagaagcagctgaacctgttcgccctcatcgtgtactgggagatggaggacaagaagatcatccagttcgtgaacggcaaggaggacctgaaggtgcagcactccagctactcccagagagcccagctgctgaaggaccagctgttcctgggcaaggccgccctgcagatcaccgacgtgagactgcaggacgccggcgtgtattgctgcctgatcggctacggaggcgccgactacaagaggatcaccctgaaggtgcatgcaccctacaggaacatcagccagaggatcagcgtcgatcccgtgaccagcgagcacgagctgatgtgccaagccgagggctatcccgaggccgaagtgatctggaccagcagcgaccacagggtcctgagcggcaagaccaccatcaccaacagcaacagggaggagaagctgttcaacgtgaccagcaccctcaacatcaacgccaccgccaacgagatcttctactgcaccttccagaggagcggccccgaagagaacaacaccgccgagctggtgatccccgagagactgcctgtgcctgccagcgagaggacccacggtaccgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggatgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgcctcccgtgctggactccgacggctccttcttcctctacagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggtaaatga
イヌPD−L1細胞外ドメイン−ヒトIgG1 Fc 融合タンパク質:配列番号60
FTITVSKDLYVVEYGGNVTMECKFPVEKQLNLFALIVYWEMEDKKIIQFVNGKEDLKVQHSSYSQRAQLLKDQLFLGKAALQITDVRLQDAGVYCCLIGYGGADYKRITLKVHAPYRNISQRISVDPVTSEHELMCQAEGYPEAEVIWTSSDHRVLSGKTTITNSNREEKLFNVTSTLNINATANEIFYCTFQRSGPEENNTAELVIPERLPVPASERTHGTDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
実施例2
マウス抗イヌPD−L1抗体
抗イヌPD−L1モノクローナル抗体の作成
計3匹のBalb/cマウスに17日の期間にわたって複数回の免疫(毎回10μgを使用)を行った。免疫した抗原はイヌPD−L1 ECD−Fc融合タンパク質であった。免疫の後、血清を各マウスから採取し、イヌPD−L1 ECD−HISタグ付加タンパク質との反応性を試験した。血清抗PD−L1 ECD−HIS力価が最も高かったマウスの脾臓細胞を、骨髄腫P3X63Ag8.653細胞株と融合した。融合の約2週間後、推定ハイブリドーマ細胞からの上清を、PD−L1 ECD−HISタグ付加タンパク質へのそれらの反応性についてELISAにより試験した。ELISAにおいて強陽性シグナルを生じたハイブリドーマを限界希釈によりサブクローニングし、イヌPD−L1 ECD−HISタグ付加タンパク質への反応性を再度試験した。
モノクローナル抗体のイヌPD−L1に対する反応性の確認
ハイブリドーマにより分泌された抗体の、イヌPD−L1のECDへの反応性をELISAにより確認した。ハイブリドーマ細胞を、10〜30日間、CELLineバイオリアクタ(Integra−biosciences)を用いて培養した。最初に細胞を、4mMのL−グルタミンおよび10%のGibcoからのUltra Low IgGウシ胎仔血清(FBS)を補充したDMEM中で維持した。ハイブリドーマ細胞を、FBS濃度を20%まで増加させた15mLの同培地中で約2×10細胞/mLの細胞密度で、CELLineバイオリアクタ細胞チャンバー内に接種した。外部チャンバーを1Lの栄養培地(4mM L−グルタミンおよび2%標準的FBSを有するDMEM)で満たした。細胞チャンバー内のハイブリドーマ細胞を3〜7日かけて約2.5×10細胞/mLまで増やした。次いで、10mLの細胞懸濁液を細胞チャンバーから回収し、新たな培地で置き換えて細胞を再度増やし、その後に回収した。この手法を、各ハイブリドーマのクローンから適当量のmAbを得るために必要なだけ繰り返した。回収した細胞懸濁液を遠心分離し、上清を0.2ミクロンろ過膜を通してろ過した。抗体精製のため、各クローンの上清を、自然流下によってProtein G Sepharose 4 Fastフロー5mLカラム(GE Healthcare)を用いて精製した。Tris−EDTA(TE)バッファー pH8.0での洗浄後、結合した抗体を0.1Mグリシンバッファー、pH2.7を用いて希釈し、その後に1M Tris、pH8.0を用いてpH中和を行った。Centriprep YM−10,10kDa NMWL遠心ろ過ユニット(Millipore)を用いて抗体を濃縮し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)にバッファー交換した。抗体濃度を分光光度法を用いて定量した。
精製された抗イヌPD−L1 mAbは、次のようにELISAによってイヌPD−L1−hFc融合タンパク質との反応性を試験した:イヌPD−L1−hFc融合タンパク質をコーティングバッファー(炭酸塩/重炭酸塩 pH9.0)中で10μg/mLに希釈し、96ウェル平底ELISAプレート(NUNC)内に100μl/ウェルで分注する。プレートを4℃で一晩インキュベートする。プレートを次いで0.05% Tween−20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBST)で3回洗浄する。次に、200μlのブロッキングバッファー(PBST中5%のスキムミルク)を各ウェルに加え、プレートを37℃で60分間インキュベートする。プレートを次いでPBSTで3回洗浄する。次に、ブロッキングバッファー中で希釈された100μlの試験mAbを適切な列の最初のウェルに加える。試験mAbを次いで、適切なプレート位置に2倍希釈する。37℃で60分間のプレートのインキュベーション後、プレートをPBSTで3回洗浄する。次に、100μl/ウェルの西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗マウスIgG(KPL)の1:2,000希釈物をプレートに加え、次いで37℃で60分間インキュベートする。次いでプレートをPBSTで3回洗浄し、100μl/ウェルの3,3’,5,5’ テトラメチルベンジジン(TMB)基質(KPLより)をプレートに加える。37℃で5〜20分間、呈色反応を展開させた後、650nmでの吸光度を測定する。
イヌPD−1タンパク質を発現するCHO細胞
完全長イヌPD−1遺伝子をプラスミドp96793内にクローニングした。このプラスミドにおいて、PD−1タンパク質の発現はhCMVプロモーターにより駆動される。CHO DXB11細胞(dhfr−)を、10%ウシ胎仔血清を補充したMEM−アルファ(Gibco)中で維持した。プラスミドp96793でのCHO細胞のトランスフェクションは、リポフェクトアミン(Invitrogen)を用いたリポソームを介した遺伝子送達によって、約6×10細胞を含有する75cmフラスコ中で行った。48時間後、細胞を、10% FBSおよび400μg/mL ハイグロマイシンBを補充したヌクレオシドを含まないMEM−アルファ培地(選択培地)へと植え継いだ。限界希釈クローニングを、dhfr+、ハイグロマイシン抵抗性細胞のプールに対して実施した。イヌPD−1の発現について、免疫蛍光アッセイによりクローンを評価した。簡潔には、細胞単層を96ウェルプレート中で、80%アセトンで固定した。固定、乾燥させた細胞単層を次いでポリクローナルヤギ抗ヒトPD−1抗体(R&D Systems)と共に1時間インキュベートした。プレートをPBSで洗浄し、次いでフルオレセイン標識ウサギ抗ヤギIgG抗体(KPL)と共に1時間インキュベートした。プレートをPBSで洗浄した。蛍光を呈したクローンを増やし、細胞ストックを樹立した。
マウス抗PD−L1mAbによるリガンド遮断
イヌPD−1を発現するCHO細胞株を基にした細胞ベースのELISA(CELISA)アッセイを用いて、イヌPD−L1とその受容体のイヌPD−1の間の相互作用を遮断する(例えば結合を遮断する)マウス抗イヌPD−L1抗体の能力を実証した。リガンド遮断は、イヌPD−L1/hFcタンパク質と共にこのアッセイを用いて次のように確認した:
1.96ウェルプレート内にcPD−1 CHO細胞を播種し、95〜100%コンフルエントまで細胞を増殖させる。
CHO細胞を播くための一般的ガイドライン
−3日目:1×10c/ウェル(1×10c/mL)
−2日目:2×10c/ウェル(2×10c/mL)
−1日目:4×10c/ウェル(4×10c/mL)
2.CHO培地中で抗cPDL1 mAbを3倍希釈する、30μg/mLから開始、100μL/ウェル。100μL/ウェルのCHO培地中にcPD−L1−hFcを4μg/mlになるように加え、希釈プレート中で37℃、5% COで振とうしながら60分間、共インキュベートする。
3.細胞で覆われたプレートから細胞培養培地を吸引し、プレートを3×PBS+0.05% Tween20および1×CHO培地で洗浄する。
4.希釈プレートからの共インキュベートしたcPD−L1 mAb/PD−L1 Fcを、細胞で覆われたプレートに加える。100uL/ウェル。37℃、5% COで振とうしながら60分間インキュベートする。
5.プレートを6×PBS+0.05% Tween 20で(手動洗浄プロトコールを用いて)洗浄する。
6.100ul/ウェルのCHO培地中に抗ヒトFc−HRP(Calbiochem)(1:2500)を加え、37℃/5% COで30〜60分間インキュベートする。
7.プレートを5×PBS+0.05% Tween20で(手動洗浄プロトコールを用いて)洗浄する。
8.100μl/ウェルのTMBマイクロウェル(mircowell)基質を加える。室温で10分間インキュベートする。Pierceからの1ステップ基質を用いる。
9.100μl/ウェルの1.5Mリン酸で停止する。
10.ELISAリーダー上でA450−A620を測定する。
マウス抗イヌPD−L1 mAb可変領域に相当するDNA配列のクローニングおよび同定:
マウスVH鎖およびVL鎖のDNA配列ならびにそれらのCDRをコードするDNA配列を、標準的な分子生物学的方法を用いて、各ハイブリドーマからのmRNAの分離後に同定する。本明細書中に例示されている2つの抗体の軽鎖および重鎖の可変領域の配列は、下の表12中に与えられる。これらのハイブリドーマからのCDRの予測アミノ酸配列の配列番号は下の表2に収載される:
表2
CDRのアミノ酸配列
Figure 0006797111
実施例3
イヌ化およびイヌ化抗体の性質決定
イヌ化抗体を生産するため、イヌIgGの重鎖および軽鎖をコードするDNA配列を同定することが必要であった。イヌ重鎖のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、NCBI遺伝子データベースおよびタンパク質データベースから入手することができる。イヌIgGには4つの既知のIgGサブクラス:IgGA、IgGB、IgGCおよびIgGD、ならびに2つのタイプの軽鎖:カッパおよびラムダがある。表7は、改変されていないイヌFc断片のアミノ酸およびヌクレオチドの配列番号を収載している。
何らかの具体的アプローチに拘束されることなく、様々な内容のイヌおよびマウスの配列を有する抗PD−L1モノクローナル抗体のバリアントを生産するプロセスは、一般的な次のスキームを伴った:
i)マウスmAbのVH鎖およびVL鎖のヌクレオチド配列を決定する;
ii)マウスmAbのH鎖CDRおよびL鎖CDRを同定する;
iii)イヌIgGの好適なH鎖およびL鎖を同定する;
iv)イヌIgG H鎖およびL鎖のヌクレオチド配列を決定する;
v)内因性のイヌH鎖CDRおよびL鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を、それぞれのマウスCDRをコードするヌクレオチド配列で置き換える。また、いくつかのイヌフレームワーク残基をマウスフレームワーク領域から選択される残基で置き換えてもよい;
vi)ステップ(v)からのヌクレオチドを合成し、好適な発現プラスミド内に挿入し;適切な細胞、例えばHEK293細胞内にプラスミドをトランスフェクトする;
vii)HEK293上清からの発現抗体を精製する;そして
viii)イヌPD−L1への結合について精製抗体を試験する。
実施例4
遺伝子改変イヌIgG
エフェクター機能を欠いたイヌIgGのバリアントを作成するため、多数の変異イヌIgGB重鎖を作成した[2014年7月30日に出願され、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国仮出願第62/030,812号を参照されたい]。これらのバリアントは、重鎖アミノ酸配列のFc部分中に、次の単一のまたは組み合わせた置換のうちの1つを包含し得る:P4A、D31A、N63A、G64P、T65A、A93GおよびP95A。バリアント重鎖(すなわちかかるアミノ酸置換を含有するもの)を発現プラスミド内にクローニングし、軽鎖をコードする遺伝子を含有するプラスミドと共にHEK293細胞にトランスフェクトした。HEK293細胞から発現され精製されたインタクトな抗体を、それらが免疫エフェクター機能を仲介する可能性を評価するため、FcγRIおよびC1qへの結合について調べた。表3は、遺伝子改変されたイヌ化重鎖、イヌ化重鎖;およびこれらの重鎖における遺伝子改変体をコードするプラスミドの例を収載している。バリアント重鎖を、遺伝子改変されたmAbにおけるエフェクター機能の評価のために用いた。全ての重鎖は、マウス抗イヌPD−1抗体からのCDRで構成されていた[上の米国仮出願第62/030,812号を参照されたい]。
表3
Figure 0006797111
表4
ヒンジ配列を有する改変cFcまたは野生型Fc
Figure 0006797111
置換は、配列番号2および4のアミノ酸配列のP4、D31、N63、G64、T65、A93およびP95におけるもの;またはそれらのアミノ酸をコードするヌクレオチド配列 配列番号1および3のヌクレオチドにおけるものである。下の表5中に示されるIgGDのヒンジ領域における単一アミノ酸置換。
表5
ヒンジ領域配列
Figure 0006797111
太字および下線はセリンからプロリンへの単一アミノ酸置換。
表6
イヌPD−1/PD−L1配列
Figure 0006797111
表7
野生型cFc配列
Figure 0006797111
表8
CDRアミノ酸配列
Figure 0006797111
表9
個々の置換イヌ化重鎖
Figure 0006797111
可能性のある特定置換はP4、D31、N63、G64,T65、A93およびP95におけるものである。
表10
アミノ酸残基位置の相関
Figure 0006797111
野生型cFcおよび置換cFcのアミノ酸残基位置と対応する置換イヌ重鎖のそれとの相関。最初の列は配列番号を;残りの列は対応するアミノ酸位置を収載している。2つの野生型アミノ酸配列(配列番号66および68)について、天然アミノ酸残基の1文字表記も与えられている。
表11
個々の置換されていないイヌ化重鎖および軽鎖
Figure 0006797111
表12
重鎖および軽鎖の可変領域
Figure 0006797111
改変Fc
cIgGB Fc[配列番号2]
LGGXSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVXLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFXXXYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKXLXSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
cIgGB Fc[配列番号1]
ctgggcggcnnnagcgtgtttatttttccgccgaaaccgaaagataccctgctgattgcgcgcaccccggaagtgacctgcgtggtggtgnnnctggatccggaagatccggaagtgcagattagctggtttgtggatggcaaacagatgcagaccgcgaaaacccagccgcgcgaagaacagtttnnnnnnnnntatcgcgtggtgagcgtgctgccgattggccatcaggattggctgaaaggcaaacagtttacctgcaaagtgaacaacaaannnctgnnnagcccgattgaacgcaccattagcaaagcgcgcggccaggcgcatcagccgagcgtgtatgtgctgccgccgagccgcgaagaactgagcaaaaacaccgtgagcctgacctgcctgattaaagatttttttccgccggatattgatgtggaatggcagagcaacggccagcaggaaccggaaagcaaatatcgcaccaccccgccgcagctggatgaagatggcagctattttctgtatagcaaactgagcgtggataaaagccgctggcagcgcggcgatacctttatttgcgcggtgatgcatgaagcgctgcataaccattatacccaggaaagcctgagccatagcccgggcaaa
cIgGC Fc[配列番号4]
LGGXSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVXLDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSXXXYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKXLXSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
cIgGC Fc[配列番号3]
ctgggcggcnnnagcgtgtttatttttccgccgaaaccgaaagatattctggtgaccgcgcgcaccccgaccgtgacctgcgtggtggtgnnnctggatccggaaaacccggaagtgcagattagctggtttgtggatagcaaacaggtgcagaccgcgaacacccagccgcgcgaagaacagagcnnnnnnnnntatcgcgtggtgagcgtgctgccgattggccatcaggattggctgagcggcaaacagtttaaatgcaaagtgaacaacaaannnctgnnnagcccgattgaagaaattattagcaaaaccccgggccaggcgcatcagccgaacgtgtatgtgctgccgccgagccgcgatgaaatgagcaaaaacaccgtgaccctgacctgcctggtgaaagatttttttccgccggaaattgatgtggaatggcagagcaacggccagcaggaaccggaaagcaaatatcgcatgaccccgccgcagctggatgaagatggcagctattttctgtatagcaaactgagcgtggataaaagccgctggcagcgcggcgatacctttatttgcgcggtgatgcatgaagcgctgcataaccattatacccagattagcctgagccatagcccgggcaaa
cIgGD Fc(DヒンジのS−−>P)fabアーム交換[配列番号6]
PKESTCKCIPPCPVPESLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGD Fc(DヒンジのS−−>P)fabアーム交換[配列番号5]
ccgaaagaaagcacctgcaaatgcattccgccgtgcccggtgccggaaagcctgggcggcccgagcgtgtttatttttccgccgaaaccgaaagatattctgcgcattacccgcaccccggaaattacctgcgtggtgctggatctgggccgcgaagatccggaagtgcagattagctggtttgtggatggcaaagaagtgcataccgcgaaaacccagccgcgcgaacagcagtttaacagcacctatcgcgtggtgagcgtgctgccgattgaacatcaggattggctgaccggcaaagaatttaaatgccgcgtgaaccatattggcctgccgagcccgattgaacgcaccattagcaaagcgcgcggccaggcgcatcagccgagcgtgtatgtgctgccgccgagcccgaaagaactgagcagcagcgataccgtgaccctgacctgcctgattaaagatttttttccgccggaaattgatgtggaatggcagagcaacggccagccggaaccggaaagcaaatatcataccaccgcgccgcagctggatgaagatggcagctattttctgtatagcaaactgagcgtggataaaagccgctggcagcagggcgatacctttacctgcgcggtgatgcatgaagcgctgcagaaccattataccgatctgagcctgagccatagcccgggcaaa
cIgGD Fc(Aヒンジ)fabアーム交換[配列番号8]
FNECRCTDTPPCPVPEPLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGD Fc(Aヒンジ)fabアーム交換[配列番号7]
tttaacgaatgccgctgcaccgataccccgccgtgcccggtgccggaaccgctgggcggcccgagcgtgtttatttttccgccgaaaccgaaagatattctgcgcattacccgcaccccggaaattacctgcgtggtgctggatctgggccgcgaagatccggaagtgcagattagctggtttgtggatggcaaagaagtgcataccgcgaaaacccagccgcgcgaacagcagtttaacagcacctatcgcgtggtgagcgtgctgccgattgaacatcaggattggctgaccggcaaagaatttaaatgccgcgtgaaccatattggcctgccgagcccgattgaacgcaccattagcaaagcgcgcggccaggcgcatcagccgagcgtgtatgtgctgccgccgagcccgaaagaactgagcagcagcgataccgtgaccctgacctgcctgattaaagatttttttccgccggaaattgatgtggaatggcagagcaacggccagccggaaccggaaagcaaatatcataccaccgcgccgcagctggatgaagatggcagctattttctgtatagcaaactgagcgtggataaaagccgctggcagcagggcgatacctttacctgcgcggtgatgcatgaagcgctgcagaac
cattataccgatctgagcctgagccatagcccgggcaaa
cIgGD Fc(Bヒンジ)fabアーム交換[配列番号10]
PKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGD Fc(Bヒンジ)fabアーム交換[配列番号9]
ccgaaacgcgaaaacggccgcgtgccgcgcccgccggattgcccgaaatgcccggcgccggaaatgctgggcggcccgagcgtgtttatttttccgccgaaaccgaaagatattctgcgcattacccgcaccccggaaattacctgcgtggtgctggatctgggccgcgaagatccggaagtgcagattagctggtttgtggatggcaaagaagtgcataccgcgaaaacccagccgcgcgaacagcagtttaacagcacctatcgcgtggtgagcgtgctgccgattgaacatcaggattggctgaccggcaaagaatttaaatgccgcgtgaaccatattggcctgccgagcccgattgaacgcaccattagcaaagcgcgcggccaggcgcatcagccgagcgtgtatgtgctgccgccgagcccgaaagaactgagcagcagcgataccgtgaccctgacctgcctgattaaagatttttttccgccggaaattgatgtggaatggcagagcaacggccagccggaaccggaaagcaaatatcataccaccgcgccgcagctggatgaagatggcagctattttctgtatagcaaactgagcgtggataaaagccgctggcagcagggcgatacctttacctgcgcggtgatgcatgaagcgctgcagaaccattataccgatctgagcctgagccatagcccgggcaaa
cIgGD Fc(Cヒンジ)fabアーム交換[配列番号12]
AKECECKCNCNNCPCPGCGLLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGD Fc(Cヒンジ)fabアーム交換[配列番号11]
gccaaggagtgcgagtgcaagtgcaactgcaacaactgcccctgccccggctgcggcctgctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgagatcacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagcccagagagcagcagttcaacagcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcggcctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgaccctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcccgagcccgagagcaagtaccacaccaccgccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgacaccttcacctgcgccgtgatgcacgaggccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
野生型Fc
cIgGA Fc[配列番号62]
LGGPSVLIFPPKPKDILRITRTPEVTCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQSREQQFNGTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIDLPSPIERTISKARGRAHKPSVYVLPPSPKELSSSDTVSITCLIKDFYPPDIDVEWQSNGQQEPERKHRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDPFTCAVMHETLQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGA Fc[配列番号61]
ctgggcggccccagcgtgctgatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgaggtgacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagagcagagagcagcagttcaacggcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcgacctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggcagagcccacaagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgagcatcacctgcctgatcaaggacttctacccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagaaagcacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgaccccttcacctgcgccgtgatgcacgagaccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
cIgGD Fc[配列番号64]
LGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
cIgGD Fc[配列番号63]
ctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgagatcacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagcccagagagcagcagttcaacagcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcggcctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgaccctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcccgagcccgagagcaagtaccacaccaccgccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgacaccttcacctgcgccgtgatgcacgaggccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
cIgGB Fc[配列番号66]
LGGPSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVDLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFNGTYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKALPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
cIgGB Fc[配列番号65]
ctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacaccctgctgatcgccagaacccccgaggtgacctgcgtggtggtggacctggaccccgaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaagcagatgcagaccgccaagacccagcccagagaggagcagttcaacggcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgaagggcaagcagttcacctgcaaggtgaacaacaaggccctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagcagagaggagctgagcaagaacaccgtgagcctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaaccacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccaggagagcctgagccacagccccggcaag
cIgGC Fc[配列番号68]
LGGPSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVDLDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSNGTYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKALPSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
cIgGC Fc[配列番号67]
ctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctggtgaccgccagaacccccaccgtgacctgcgtggtggtggacctggaccccgagaaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacagcaagcaggtgcagaccgccaacacccagcccagagaggagcagagcaacggcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgagcggcaagcagttcaagtgcaaggtgaacaacaaggccctgcccagccccatcgaggagatcatcagcaagacccccggccaggcccaccagcccaacgtgtacgtgctgccccccagcagagacgagatgagcaagaacaccgtgaccctgacctgcctggtgaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagatcagcctgagccacagccccggcaag
個々の置換重鎖
4F9−VH3 cIgGB[配列番号26]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASGFTFSYAMSWVRQAPGKGLQWMGTISDGGSYTHYPDNLMGRFTFSLDTAKNTAYLQLNSLRAEDTAVYYCARESYDGYYVANWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGXSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVXLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFXXXYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKXLXSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
4F9−VH3 cIgGB DNA[配列番号25]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcggcttcaccttcagctacgccatgagctgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatgggcaccatcagcgacggcggcagctacacccactaccccgacaacctgatgggcagattcaccttcagcctggacaccgccaagaacaccgcctacctgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcgccagagagagctacgacggctactacgtggccaactggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggcccaccccgccagcaagaccaaggtggacaagcccgtgcccaagagagagaacggcagagtgcccagaccccccgactgccccaagtgccccgcccccgagatgctgggcggcnnnagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacaccctgctgatcgccagaacccccgaggtgacctgcgtggtggtgnnnctggaccccgaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaagcagatgcagaccgccaagacccagcccagagaggagcagttcnnnnnnnnntacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgaagggcaagcagttcacctgcaaggtgaacaacaagnnnctgnnnagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagcagagaggagctgagcaagaacaccgtgagcctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaaccacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccaggagagcctgagccacagccccggcaag
4F9−VH3 cIgGC[配列番号28]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASGFTFSYAMSWVRQAPGKGLQWMGTISDGGSYTHYPDNLMGRFTFSLDTAKNTAYLQLNSLRAEDTAVYYCARESYDGYYVANWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSQSGSTVALACLVSGYIPEPVTVSWNSVSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPATNTKVDKPVAKECECKCNCNNCPCPGCGLLGGXSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVXLDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSXXXYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKXLXSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
4F9−VH3 cIgGC DNA[配列番号27]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcggcttcaccttcagctacgccatgagctgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatgggcaccatcagcgacggcggcagctacacccactaccccgacaacctgatgggcagattcaccttcagcctggacaccgccaagaacaccgcctacctgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcgccagagagagctacgacggctactacgtggccaactggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagccagagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacatccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcgtgagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggcccaccccgccaccaacaccaaggtggacaagcccgtggccaaggagtgcgagtgcaagtgcaactgcaacaactgcccctgccccggctgcggcctgctgggcggcnnnagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctggtgaccgccagaacccccaccgtgacctgcgtggtggtgnnnctggaccccgagaaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacagcaagcaggtgcagaccgccaacacccagcccagagaggagcagagcnnnnnnnnntacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgagcggcaagcagttcaagtgcaaggtgaacaacaagnnnctgnnnagccccatcgaggagatcatcagcaagacccccggccaggcccaccagcccaacgtgtacgtgctgccccccagcagagacgagatgagcaagaacaccgtgaccctgacctgcctggtgaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagatcagcctgagccacagccccggcaag
5F12−VH3 CIgGB[配列番号30]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASFTFDYYMNWVRQAPGKGLQWIGRWIFPGSGATYYNERFMGKATISADTAKNTAYMQLNSLRAEDTAVYYCLRSDWDVGDFWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPASKTKVDKPVPKRENGRVPRPPDCPKCPAPEMLGGXSVFIFPPKPKDTLLIARTPEVTCVVVXLDPEDPEVQISWFVDGKQMQTAKTQPREEQFXXXYRVVSVLPIGHQDWLKGKQFTCKVNNKXLXSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSREELSKNTVSLTCLIKDFFPPDIDVEWQSNGQQEPESKYRTTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQESLSHSPGK
5F12−VH3 CIgGB DNA[配列番号29]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcttcaccttcgactactacatgaactgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatcggcagatggatcttccccggcagcggcgccacctactacaacgagagattcatgggcaaggccaccatcagcgccgacaccgccaagaacaccgcctacatgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcctgagaagcgactgggacgtgggcgacttctggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggcccaccccgccagcaagaccaaggtggacaagcccgtgcccaagagagagaacggcagagtgcccagaccccccgactgccccaagtgccccgcccccgagatgctgggcggcnnnagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacaccctgctgatcgccagaacccccgaggtgacctgcgtggtggtgnnnctggaccccgaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaagcagatgcagaccgccaagacccagcccagagaggagcagttcnnnnnnnnntacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgaagggcaagcagttcacctgcaaggtgaacaacaagnnnctgnnnagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagcagagaggagctgagcaagaacaccgtgagcctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaaccacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccaggagagcctgagccacagccccggcaag
5F12−VH3−cIgGC Fc[配列番号32]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASFTFDYYMNWVRQAPGKGLQWIGRWIFPGSGATYYNERFMGKATISADTAKNTAYMQLNSLRAEDTAVYYCLRSDWDVGDFWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSQSGSTVALACLVSGYIPEPVTVSWNSVSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVAHPATNTKVDKPVAKECECKCNCNNCPCPGCGLLGGXSVFIFPPKPKDILVTARTPTVTCVVVXLDPENPEVQISWFVDSKQVQTANTQPREEQSXXXYRVVSVLPIGHQDWLSGKQFKCKVNNKXLXSPIEEIISKTPGQAHQPNVYVLPPSRDEMSKNTVTLTCLVKDFFPPEIDVEWQSNGQQEPESKYRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQRGDTFICAVMHEALHNHYTQISLSHSPGK
5F12−VH3−cIgGC Fc DNA[配列番号31]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcttcaccttcgactactacatgaactgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatcggcagatggatcttccccggcagcggcgccacctactacaacgagagattcatgggcaaggccaccatcagcgccgacaccgccaagaacaccgcctacatgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcctgagaagcgactgggacgtgggcgacttctggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagccagagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacatccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcgtgagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggcccaccccgccaccaacaccaaggtggacaagcccgtggccaaggagtgcgagtgcaagtgcaactgcaacaactgcccctgccccggctgcggcctgctgggcggcnnnagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctggtgaccgccagaacccccaccgtgacctgcgtggtggtgnnnctggaccccgagaaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacagcaagcaggtgcagaccgccaacacccagcccagagaggagcagagcnnnnnnnnntacagagtggtgagcgtgctgcccatcggccaccaggactggctgagcggcaagcagttcaagtgcaaggtgaacaacaagnnnctgnnnagccccatcgaggagatcatcagcaagacccccggccaggcccaccagcccaacgtgtacgtgctgccccccagcagagacgagatgagcaagaacaccgtgaccctgacctgcctggtgaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagcaagtacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagagaggcgacaccttcatctgcgccgtgatgcacgaggccctgcacaaccactacacccagatcagcctgagccacagccccggcaag
個々の置換されていないイヌ化重鎖および軽鎖
4F9−VH3−cIgGA Fc[配列番号34]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASGFTFSYAMSWVRQAPGKGLQWMGTISDGGSYTHYPDNLMGRFTFSLDTAKNTAYLQLNSLRAEDTAVYYCARESYDGYYVANWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLHSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVVHPASNTKVDKPVFNECRCTDTPPCPVPEPLGGPSVLIFPPKPKDILRITRTPEVTCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQSREQQFNGTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIDLPSPIERTISKARGRAHKPSVYVLPPSPKELSSSDTVSITCLIKDFYPPDIDVEWQSNGQQEPERKHRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDPFTCAVMHETLQNHYTDLSLSHSPGK
4F9−VH3−cIgGA Fc[配列番号33]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcggcttcaccttcagctacgccatgagctgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatgggcaccatcagcgacggcggcagctacacccactaccccgacaacctgatgggcagattcaccttcagcctggacaccgccaagaacaccgcctacctgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcgccagagagagctacgacggctactacgtggccaactggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgcacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggtgcaccccgccagcaacaccaaggtggacaagcccgtgttcaacgagtgcagatgcaccgacacccccccctgccccgtgcccgagcccctgggcggccccagcgtgctgatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgaggtgacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagagcagagagcagcagttcaacggcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcgacctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggcagagcccacaagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgagcatcacctgcctgatcaaggacttctacccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagaaagcacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgaccccttcacctgcgccgtgatgcacgagaccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
4F9−VH3 cIgGD Fc[配列番号36]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASGFTFSYAMSWVRQAPGKGLQWMGTISDGGSYTHYPDNLMGRFTFSLDTAKNTAYLQLNSLRAEDTAVYYCARESYDGYYVANWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSTVTVPSSRWPSETFTCNVVHPASNTKVDKPVPKESTCKCISPCPVPESLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
4F9−VH3 cIgGD Fc[配列番号35]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcggcttcaccttcagctacgccatgagctgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatgggcaccatcagcgacggcggcagctacacccactaccccgacaacctgatgggcagattcaccttcagcctggacaccgccaagaacaccgcctacctgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcgccagagagagctacgacggctactacgtggccaactggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcaccgtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggtgcaccccgccagcaacaccaaggtggacaagcccgtgcccaaggagagcacctgcaagtgcatcagcccctgccccgtgcccgagagcctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgagatcacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagcccagagagcagcagttcaacagcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcggcctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgaccctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcccgagcccgagagcaagtaccacaccaccgccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgacaccttcacctgcgccgtgatgcacgaggccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
4F9−VL3−cL−カッパ[配列番号38]
DIVMTQTPLSLSVSPGEPASMSCRASQSISNNLHWYRQKPGQSPQVLVKYASQSISGVPDRFIGSGSGTDFTLRISRVEADDLGVYYCQQSNSWPQTFGQGTKLELKRNDAQPAVYLFQPSPDQLHTGSASVVCLLNSFYPKDINVKWKVDGVIQDTGIQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTMSSTEYLSHELYSCEITHKSLPSTLIKSFQRSECQRVD
4F9−VL3−cL−カッパ[配列番号37]
gacatcgtgatgacccagacccccctgagcctgagcgtgagccccggcgagcccgccagcatgagctgcagagccagccagagcatcagcaacaacctgcactggtacagacagaagcccggccagagcccccaggtgctggtgaagtacgccagccagagcatcagcggcgtgcccgacagattcatcggcagcggcagcggcaccgacttcaccctgagaatcagcagagtggaggccgacgacctgggcgtgtactactgccagcagagcaacagctggccccagaccttcggccagggcaccaagctggagctgaagagaaacgacgcccagcccgccgtgtacctgttccagcccagccccgaccagctgcacaccggcagcgccagcgtggtgtgcctgctgaacagcttctaccccaaggacatcaacgtgaagtggaaggtggacggcgtgatccaggacaccggcatccaggagagcgtgaccgagcaggacagcaaggacagcacctacagcctgagcagcaccctgaccatgagcagcaccgagtacctgagccacgagctgtacagctgcgagatcacccacaagagcctgcccagcaccctgatcaagagcttccagagaagcgagtgccagagagtggac
5F12−VH3−cIgGA Fc[配列番号40]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASFTFDYYMNWVRQAPGKGLQWIGRWIFPGSGATYYNERFMGKATISADTAKNTAYMQLNSLRAEDTAVYYCLRSDWDVGDFWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLHSLSSMVTVPSSRWPSETFTCNVVHPASNTKVDKPVFNECRCTDTPPCPVPEPLGGPSVLIFPPKPKDILRITRTPEVTCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQSREQQFNGTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIDLPSPIERTISKARGRAHKPSVYVLPPSPKELSSSDTVSITCLIKDFYPPDIDVEWQSNGQQEPERKHRMTPPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDPFTCAVMHETLQNHYTDLSLSHSPGK
5F12−VH3−cIgGA Fc[配列番号39]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcttcaccttcgactactacatgaactgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatcggcagatggatcttccccggcagcggcgccacctactacaacgagagattcatgggcaaggccaccatcagcgccgacaccgccaagaacaccgcctacatgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcctgagaagcgactgggacgtgggcgacttctggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgcacagcctgagcagcatggtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggtgcaccccgccagcaacaccaaggtggacaagcccgtgttcaacgagtgcagatgcaccgacacccccccctgccccgtgcccgagcccctgggcggccccagcgtgctgatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgaggtgacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagagcagagagcagcagttcaacggcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcgacctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggcagagcccacaagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgagcatcacctgcctgatcaaggacttctacccccccgacatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcaggagcccgagagaaagcacagaatgacccccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgaccccttcacctgcgccgtgatgcacgagaccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
5F12−VH3−cIgGD Fc[配列番号42]
EVQLVQSGGDLVKPGGSVRLSCVASFTFDYYMNWVRQAPGKGLQWIGRWIFPGSGATYYNERFMGKATISADTAKNTAYMQLNSLRAEDTAVYYCLRSDWDVGDFWGQGTLVTVSSASTTAPSVFPLAPSCGSTSGSTVALACLVSGYFPEPVTVSWNSGSLTSGVHTFPSVLQSSGLYSLSSTVTVPSSRWPSETFTCNVVHPASNTKVDKPVPKESTCKCISPCPVPESLGGPSVFIFPPKPKDILRITRTPEITCVVLDLGREDPEVQISWFVDGKEVHTAKTQPREQQFNSTYRVVSVLPIEHQDWLTGKEFKCRVNHIGLPSPIERTISKARGQAHQPSVYVLPPSPKELSSSDTVTLTCLIKDFFPPEIDVEWQSNGQPEPESKYHTTAPQLDEDGSYFLYSKLSVDKSRWQQGDTFTCAVMHEALQNHYTDLSLSHSPGK
5F12−VH3−cIgGD Fc[配列番号41]
gaggtgcagctggtgcagagcggcggcgacctggtgaagcccggcggcagcgtgagactgagctgcgtggccagcttcaccttcgactactacatgaactgggtgagacaggcccccggcaagggcctgcagtggatcggcagatggatcttccccggcagcggcgccacctactacaacgagagattcatgggcaaggccaccatcagcgccgacaccgccaagaacaccgcctacatgcagctgaacagcctgagagccgaggacaccgccgtgtactactgcctgagaagcgactgggacgtgggcgacttctggggccagggcaccctggtgaccgtgagcagcgccagcaccaccgcccccagcgtgttccccctggcccccagctgcggcagcaccagcggcagcaccgtggccctggcctgcctggtgagcggctacttccccgagcccgtgaccgtgagctggaacagcggcagcctgaccagcggcgtgcacaccttccccagcgtgctgcagagcagcggcctgtacagcctgagcagcaccgtgaccgtgcccagcagcagatggcccagcgagaccttcacctgcaacgtggtgcaccccgccagcaacaccaaggtggacaagcccgtgcccaaggagagcacctgcaagtgcatcagcccctgccccgtgcccgagagcctgggcggccccagcgtgttcatcttcccccccaagcccaaggacatcctgagaatcaccagaacccccgagatcacctgcgtggtgctggacctgggcagagaggaccccgaggtgcagatcagctggttcgtggacggcaaggaggtgcacaccgccaagacccagcccagagagcagcagttcaacagcacctacagagtggtgagcgtgctgcccatcgagcaccaggactggctgaccggcaaggagttcaagtgcagagtgaaccacatcggcctgcccagccccatcgagagaaccatcagcaaggccagaggccaggcccaccagcccagcgtgtacgtgctgccccccagccccaaggagctgagcagcagcgacaccgtgaccctgacctgcctgatcaaggacttcttcccccccgagatcgacgtggagtggcagagcaacggccagcccgagcccgagagcaagtaccacaccaccgccccccagctggacgaggacggcagctacttcctgtacagcaagctgagcgtggacaagagcagatggcagcagggcgacaccttcacctgcgccgtgatgcacgaggccctgcagaaccactacaccgacctgagcctgagccacagccccggcaag
5F12−VL3−cLカッパ[配列番号44]
DIVMTQTPLSLSVSLGEPASISCRSSRSLLHTNGITYLSWYRQKPGQIPQLLIYQMSNLASGVPDRFSGSGSGTDFTLRISRVEADDAGVYYCAQTLGLPRTFGQGTKVEIKRNDAQPAVYLFQPSPDQLHTGSASVVCLLNSFYPKDINVKWKVDGVIQDTGIQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTMSSTEYLSHELYSCEITHKSLPSTLIKSFQRSECQRVD
5F12−VL3−cLカッパ[配列番号43]
gacatcgtgatgacccagacccccctgagcctgagcgtgagcctgggcgagcccgccagcatcagctgcagaagcagcagaagcctgctgcacaccaacggcatcacctacctgagctggtacagacagaagcccggccagatcccccagctgctgatctaccagatgagcaacctggccagcggcgtgcccgacagattcagcggcagcggcagcggcaccgacttcaccctgagaatcagcagagtggaggccgacgacgccggcgtgtactactgcgcccagaccctgggcctgcccagaaccttcggccagggcaccaaggtggagatcaagagaaacgacgcccagcccgccgtgtacctgttccagcccagccccgaccagctgcacaccggcagcgccagcgtggtgtgcctgctgaacagcttctaccccaaggacatcaacgtgaagtggaaggtggacggcgtgatccaggacaccggcatccaggagagcgtgaccgagcaggacagcaaggacagcacctacagcctgagcagcaccctgaccatgagcagcaccgagtacctgagccacgagctgtacagctgcgagatcacccacaagagcctgcccagcaccctgatcaagagcttccagagaagcgagtgccagagagtggac
マウス抗イヌPDL−1:4F9の可変領域
重鎖:DNA配列[配列番号73]
gaagtgcagctggtggagtctgggggaggcttagtgaagcctggagggtccctgaaactctcctgtgcagcctctggattcactttcagtagctatgccatgtcttgggttcgccagactccggacaagagactggagtgggtcgcaaccattagtgatggtggaagttacacccactaccccgacaatttaatgggccgattcaccatctccagagacaatgccaagaacaacctgtacctgcaaatgagccatctgaagtctgacgacacagccatgtattactgtgcacgagagagctatgatggttactacgtggctaactggggccaagggactctggtcactgtctcagca
重鎖:アミノ酸配列[配列番号74]
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSSYAMSWVRQTPDKRLEWVATISDGGSYTHYPDNLMGRFTISRDNAKNNLYLQMSHLKSDDTAMYYCARESYDGYYVANWGQGTLVTVSA
軽鎖:DNA配列[配列番号75]
gatattgtgctaactcagtctccagccaccctgtctgtgaatccaggagatagcgtcagtctttcctgcagggccagccaaagtattagcaacaacctacactggtatcaacaaaaatcacatgagtctccaaggcttctcatcaagtatgcttcccagtccatctctgggatcccctccaggttcagtggcagtggatcagggacagatttcactctcagtatcaacagtgtggagactgaagattttggaatgtatttctgtcaacagagtaacagctggcctcagacgttcggtggaggcaccaagctggaaatcaaa
軽鎖:アミノ酸配列[配列番号76]
DIVLTQSPATLSVNPGDSVSLSCRASQSISNNLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVETEDFGMYFCQQSNSWPQTFGGGTKLEIK
マウス抗イヌPDL−1:抗PDL−1 5F12の可変領域
重鎖:DNA配列[配列番号77]
caggtccagctacagcagtctggacctgagctggtgaagcctggggcttcagtgaagatatcctgcaaggcttctggctacaccttcactgactactatatgaattgggtgaaacagaggcctggacagggacttgagtggattggatggatttttcccggaagtggtgctacttactacaatgagaggttcatgggcaaggccacacttactgtggataaatcttccaacacagcctacatgttgttcagtagcctgacctctgaggactctgcggtctatttctgtttaagatctgactgggacgtcggggacttctggggccaaggcaccactctcacagtctcctca
重鎖:アミノ酸配列[配列番号78]
QVQLQQSGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYYMNWVKQRPGQGLEWIGWIFPGSGATYYNERFMGKATLTVDKSSNTAYMLFSSLTSEDSAVYFCLRSDWDVGDFWGQGTTLTVSS
軽鎖:DNA配列[配列番号79]
gatattgtgatgacgcaggctgcattctccaatccagtcactcttggaacatcagcttccatctcctgcaggtctagtaggagtctcctacatactaatggcatcacttatttgtcttggtttctgcagaagccaggccagtctcctcagctcctgatttatcagatgtccaaccttgcctcaggagtcccagacaggttcagtagcagtgggtcaggaactgatttcacactgagaatcagtagagtggaggctgaggatgtgggtatttattactgtgctcaaactctaggacttcctcggacgttcggtggaggcaccaagctggaaatcaaa
軽鎖:アミノ酸配列[配列番号80]
DIVMTQAAFSNPVTLGTSASISCRSSRSLLHTNGITYLSWFLQKPGQSPQLLIYQMSNLASGVPDRFSSSGSGTDFTLRISRVEAEDVGIYYCAQTLGLPRTFGGGTKLEIK
実施例5
抗イヌPD−L1抗体のエピトープマッピング
抗体とそれらの同族タンパク質抗原との相互作用は、抗体の特定アミノ酸(パラトープ)と標的抗原の特定アミノ酸(エピトープ)の結合を通じて仲介される。エピトープは、免疫グロブリンによる特異的反応を引き起こす抗原性決定基である。エピトープは、抗原の表面上のアミノ酸のグループからなる。目的タンパク質は、異なる抗体により認識されるいくつかのエピトープを含有し得る。抗体により認識されるエピトープは、線状エピトープまたは立体構造エピトープとして分類される。線状エピトープはタンパク質中のアミノ酸の一続きの連続配列により形成されるが、立体構造エピトープは一次アミノ酸配列中では不連続である(例えば遠く離れている)が、3次元タンパク質フォールディングの際には集合するアミノ酸から構成される。
エピトープマッピングとは、それらの標的抗原上の抗体により認識されるアミノ酸配列(すなわちエピトープ)を同定するプロセスをいう。標的抗原上のモノクローナル抗体(mAb)により認識されるエピトープの同定には、重要な用途がある。例えば、これは、新たな治療薬、診断薬およびワクチンの開発を助けることができる。エピトープマッピングはまた、最適化治療mAbの選択を助け、それらの作用メカニズムの解明を援助することができる。PD−L1上のエピトープ情報はまた、固有のがんエピトープを解明し、ワクチンの予防効果または病原性作用を明らかにすることができる。エピトープ同定はまた、同定されたペプチドエピトープのキャリアタンパク質または他の免疫刺激剤との化学的または遺伝子的カップリングに基づくサブユニットワクチンの開発を導くことができる。
エピトープマッピングはポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を用いて行うことができ、エピトープの考えられる特質(すなわち線状対立体構造)に応じてエピトープ同定のためのいくつかの方法が使用される。線状エピトープのマッピングはより単純で、比較的実施が容易である。この目的のため、線状エピトープマッピングのための商業的サービスはしばしばペプチドスキャニングを使用する。この場合、標的タンパク質の短いペプチド配列の重なり合うセットを化学合成し、目的抗体に結合するそれらの能力を試験する。この戦略は迅速でハイスループットであり、比較的実施が高価でない。他方、不連続エピトープのマッピングは技術的により挑戦的であり、より専門的な技術、例えばモノクローナル抗体とその標的タンパク質とのX線共結晶、水素−重水素(H/D)交換、酵素消化と併せた質量分析など、並びに当業者に公知のいくつかの他の方法を必要とする。
質量分析を用いたPD−L1エピトープのマッピング:
化学的架橋および質量分析検出に基づく方法を使用して、抗イヌPD−L1 mAbにより認識されるエピトープを同定した[CovalX(登録商標) Instrument Incorporated]。イヌPD−L1のエピトープマッピングへのこの技術の適用は、表13中に収載されている示されたmAbにより認識されるエピトープの同定をもたらした。mAb 4F9を使用したイヌPD−L1のエピトープマッピングの結果は、このmAbが配列番号82により表されるアミノ酸配列および配列番号83により表されるアミノ酸配列から構成されるイヌPD−L1の細胞外ドメイン内に位置するエピトープを認識することを示す[表13を参照されたい]。さらには、mAb 5F12を使用したエピトープマッピング実験の結果は、このmAbが配列番号82により表されるアミノ酸配列から構成されるイヌPD−L1の細胞外ドメイン内に位置するエピトープを認識することを示す。注目すべきことに、本明細書中で同定されたイヌPD−L1上のエピトープの位置は、対応するヒトPD−L1について近年報告された位置と合理的に一致しており[Hao et al.,J.Mol.Recognit.28:269−276(2015)]、これは上で与えられた決定へのさらなる信頼を与えるものである。
表13
抗イヌPD−L1 MABにより認識されるPD−L1エピトープ
Figure 0006797111
本明細書中で引用されている全ての参考文献は、各々の個別の刊行物、データベースエントリー(例えばGenbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許が参照により組み込まれると具体的かつ個別に指示されていた場合と同程度に、参照により組み込まれる。参照による組み込みについてのこの記述は、出願人により、米国連邦規則法典第37巻第1.57条第(b)項第(1)号(37 C.F.R. §1.57(b)(1))に従って、その各々がかかる引用が参照による組み込みについての専用の記述に直接隣接していなくとも米国連邦規則法典第37巻第1.57条第(b)項第(2)号(37 C.F.R. §1.57(b)(2))に従って明確に同定されているあらゆる個別の刊行物、データベースエントリー(例えばGenbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許と関連付けることが意図されたものである。明細書の中に参照による組み込みについての専用の記述を含めることは、もしあったとしても、参照による組み込みについてのこの一般的な記述を何ら弱めるものではない。本明細書中の参考文献の引用は、参考文献が関連する従来技術であるという自認とは意図されず、これらの刊行物または文書の内容および日付に関して何らの自認を構成するものではない。
本発明は、本明細書中に記載されている具体的な実施形態により範囲を限定されるものではない。実際に、本明細書中に記載されているものに加えて、本発明の様々な改変が、前述の記載および添付の図から当業者に明らかになるであろう。かかる改変は添付の特許請求の範囲の中に含むことが意図される。
前述の書面の明細書は、当業者に本発明を実施させることができるのに十分であると考えられる。本明細書中に示されて記載されているものに加えて、本発明の様々な改変が前述の記載から当業者に明らかになり、これらは添付の特許請求の範囲の中に入る。

Claims (16)

  1. 3つの軽鎖相補性決定領域(CDR):CDR light 1(CDRL1)、CDR light 2(CDRL2)およびCDR light 3(CDRL3);ならびに3つの重鎖CDR:CDR heavy 1(CDRH1)、CDR heavy 2(CDRH2)およびCDR heavy 3(CDRH3)である6つのCDRのセットを含む、イヌのプログラム死リガンド1(イヌPD−L1)と特異性を有して結合する単離された抗体またはその抗原結合断片であって:ここで、6つのCDRのセットは、以下の群から選択され;
    (i)
    CDRH1は、配列番号13のアミノ酸配列を含み;
    CDRH2は、配列番号14のアミノ酸配列を含み;
    CDRH3は、配列番号15のアミノ酸配列を含み;
    CDRL1は、配列番号16のアミノ酸配列を含み;
    CDRL2は、配列番号17のアミノ酸配列を含み;
    CDRL3は、配列番号18のアミノ酸配列を含む;及び
    (ii)
    CDRH1は、配列番号19のアミノ酸配列を含み;
    CDRH2は、配列番号20のアミノ酸配列を含み;
    CDRH3は、配列番号21のアミノ酸配列を含み;
    CDRL1は、配列番号22のアミノ酸配列を含み;
    CDRL2は、配列番号23のアミノ酸配列を含み;
    CDRL3は、配列番号24のアミノ酸配列を含む;
    そして
    前記抗体およびその抗原結合断片は、イヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のイヌプログラム死1(PD−1)への結合を遮断する、前記抗体またはその抗原結合断片。
  2. 抗体がイヌ化抗体である、請求項1の単離された抗体。
  3. 配列番号66および配列番号68よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含むイヌ結晶性フラグメント領域(cFc領域)を含む、請求項2のイヌ化抗体またはその抗原結合断片であって;ここで、1から7個のアミノ酸残基が、P4、D31、N63、G64、T65、A93およびP95よりなる群から選択される指示された位置で置換されている前記イヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  4. 置換される1から7個のアミノ酸残基の置換が、P4A、D31A、N63A、G64A、T65A、A93GおよびP95Aよりなる群から選択される、請求項3のイヌ化抗体。
  5. 2つのアミノ酸置換D31A及びN63Aを含み、そして、P4、G64、T65、A93及びP95のアミノ酸配列は維持される、請求項4のイヌ化抗体。
  6. 配列番号62および配列番号64よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含むイヌ結晶性フラグメント領域を含む、請求項2のイヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  7. 配列番号45、配列番号46、配列番号47および配列番号48よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含むヒンジ領域を含む、請求項6のイヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  8. (i)配列番号26であって、242位のアミノ酸がプロリンであり、269位のアミノ酸がアラニンであり、301位のアミノ酸がアラニンであり、302位のアミノ酸がグリシンであり、303位のアミノ酸がスレオニンであり、331位のアミノ酸がアラニンであり、そして333位のアミノ酸がプロリンである、
    (ii)配列番号28であって、240位のアミノ酸がプロリンであり、267位のアミノ酸がアラニンであり、299位のアミノ酸がアラニンであり、300位のアミノ酸がグリシンであり、301位のアミノ酸がスレオニンであり、329位のアミノ酸がアラニンであり、そして331位のアミノ酸がプロリンである、
    (iii)配列番号30であって、240位のアミノ酸がプロリンであり、267位のアミノ酸がアラニンであり、299位のアミノ酸がアラニンであり、300位のアミノ酸がグリシンであり、301位のアミノ酸がスレオニンであり、329位のアミノ酸がアラニンであり、そして331位のアミノ酸がプロリンである、および、
    (iv)配列番号32であって、238位のアミノ酸がプロリンであり、265位のアミノ酸がアラニンであり、297位のアミノ酸がアラニンであり、298位のアミノ酸がグリシンであり、299位のアミノ酸がスレオニンであり、327位のアミノ酸がアラニンであり、そして329位のアミノ酸がプロリンである、
    よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む請求項5のイヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  9. 配列番号34、配列番号36、配列番号40および配列番号42よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項7のイヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  10. 配列番号38および配列番号44よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含むイヌ軽鎖をさらに含む、請求項2、3、4、5、6、7、8または9のイヌ化抗体またはその抗原結合断片。
  11. イヌPD−L1に結合する際に前記抗体が配列番号82または配列番号83のアミノ酸配列内の少なくとも1個のアミノ酸に結合し;前記抗体およびその抗原結合断片がイヌPD−L1と結合し、イヌPD−L1のイヌPD−1への結合を遮断する、請求項2、3、4、5、6、7、8、9または10の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の抗体の軽鎖をコードする、単離された核酸。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の抗体の重鎖をコードする、単離された核酸。
  14. 配列番号13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23および24よりなる群から選択される1または複数のアミノ酸配列をコードする、請求項12または13の単離された核酸。
  15. 請求項12、13または14の核酸を含む、発現ベクター。
  16. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の抗体、請求項12、13または14の核酸、請求項15の発現ベクターまたはそれらの任意の組み合わせ、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
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