JP6792676B1 - X線管 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブ部へのX線の入射を抑制する。【解決手段】X線管10は、電子銃部110と、X線を発生するターゲットTと、真空筐体部100とを備える。真空筐体部100は、ターゲットTを支持するヘッド部101と、絶縁材料からなり、ヘッド部101に連結されるバルブ部102と、を有する。電子銃部110は、出射する電子を集束させる筒形状を呈する第2グリッド電極124を有し、第2グリッド電極124の少なくとも一部がヘッド部101内に位置するようにバルブ部102に支持されている。第2グリッド電極124は、ターゲットTにおけるX線発生位置Pから見たときに、X線発生位置Pからバルブ部102への視線を遮っている。【選択図】図2

Description

本発明は、X線管に関する。
特許文献1には、X線を発生させるX線管が記載されている。このX線管は、電子を出射する電子銃部と、電子の入射によってX線を発生するターゲットと、これらを収容する絶縁材料からなるバルブ部(ガラス製気密容器)を備えている。電子銃部は、バルブ部によって保持されている。
特開2007−66694号公報
ここで、上述したようなX線管においては、ターゲットで発生したX線が、X線管外に放出されるだけでなく、X線管内の真空領域側にも放出され、バルブ部に入射する。その際、絶縁体であるバルブ部にX線が入射すると、バルブ部が帯電することによって耐電圧能が低下し、放電が生じることがある。
そこで、本発明は、バルブ部へのX線の入射を抑制可能なX線管を提供することを目的とする。
本発明に係るX線管は、電子を出射する電子銃部と、電子の入射によってX線を発生するターゲットと、電子銃部及びターゲットを収容する真空筐体部とを備えるX線管であって、真空筐体部は、ターゲットを支持する金属筐体部と、絶縁材料からなり、金属筐体部に連結されるバルブ部と、を有し、電子銃部は、出射する電子を集束させる筒形状を呈する集束電極部を電子の出射側の端部に有し、集束電極部の少なくとも一部が金属筐体部内に位置するようにバルブ部に支持され、集束電極部は、ターゲットにおけるX線発生位置から見たときに、X線発生位置からバルブ部への視線を遮っている。
このX線管では、少なくとも一部が金属筐体部内に位置する集束電極部によって、ターゲットにおけるX線発生位置からバルブ部への視線が遮られている。これにより、ターゲットのX線発生位置から真空筐体部内の真空領域にX線が放出されたとしても、X線発生位置からバルブ部へ向かうX線は集束電極部によって遮られる。このように、X線管は、バルブ部へのX線の入射を抑制できる。
X線管において、集束電極部は、外側に向けて突出する凸部を有していてもよい。これにより、集束電極部は、凸部によって、X線発生位置からバルブ部への視線を効率よく遮ることができる。すなわち、集束電極部は、凸部によって、X線発生位置からバルブ部へ向かうX線を効率よく遮ることができる。
X線管において、凸部は、集束電極部の外周面においてターゲット側の端部に設けられていてもよい。この場合、凸部は、X線発生位置により近い位置においてX線を遮ることができる。すなわち、凸部は、X線発生位置からX線が大きく広がる前にX線を遮ることができる。これにより、X線管は、凸部の突出高さを抑制しつつ、バルブ部へのX線の入射を抑制できる。
X線管において、凸部の角部は、湾曲するように丸められていてもよい。この場合、集束電極部は、凸部の角部に電界が集中することを抑制し、凸部の角部を起点として放電が発生することを抑制できる。
X線管において、集束電極部の外周面は、ターゲットに向うに従って大径となるテーパ形状を呈していてもよい。これにより、集束電極部は、ターゲット側の端部が滑らかに大径となるため、外周面における局所的な電界の集中を抑制しつつ、大径となる部分によってX線発生位置からバルブ部への視線を効率よく遮ることができる。すなわち、集束電極部は、大径となる部分によって、X線発生位置からバルブ部へ向かうX線を効率よく遮ることができる。
X線管において、集束電極部の外周面と集束電極部におけるターゲット側の端面との角部は、湾曲するように丸められていてもよい。この場合、集束電極部は、集束電極部の外周面と集束電極部におけるターゲット側の端面との角部に電界が集中することを抑制し、この角部を起点として放電が発生することを抑制できる。
本発明によれば、バルブ部へのX線の入射を抑制できる。
図1は、実施形態に係るX線発生装置を示す縦断面図である。 図2は、図1のX線管を縦方向に切った端面図である。 図3は、第1変形例に係るX線管を縦方向に切った端面図である。 図4は、第1変形例に係るX線管の第2グリッド電極の変形例であり、第2グリッド電極を縦方向に切った端面図である。 図5は、第2変形例に係るX線管を縦方向に切った端面図である。 図6は、第3変形例に係るX線管を縦方向に切った端面図である。 図7は、第4変形例に係るX線管を縦方向に切った端面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2に示されるように、X線発生装置1は、例えば、被検体の内部構造を観察するX線非破壊検査に用いられる微小焦点X線源である。X線発生装置1は、X線管10、装置筐体部20、及び電源部30を備える。
X線管10は、真空筐体部100、電子銃部110、及びターゲットTを備えている。電子銃部110は、出射軸MXに沿って電子ビームM(電子)を出射する。X線管10は、電子銃部110からの電子ビームMがターゲットTに入射することにより発生し、且つ当該ターゲットT自身を透過したX線XRを、X線出射窓104から出射する透過型のX線管である。X線管10は、真空の内部空間Rを有する真空筐体部100を備えた真空封止型のX線管である。なお、以下では、説明の便宜上、電子銃部110に対してターゲットTが設けられている側を「前側」とし、その反対側を「後ろ側」とする。
真空筐体部100は、電子銃部110、及びターゲットTを収容する。真空筐体部100は、X線管10の管軸AXに沿って延在する略円柱状の外形を呈する。なお、本実施形態においては、管軸AXは、出射軸MXと同軸となっている。管軸AXと出射軸MXとが同軸であるため、以下では、これらをまとめて軸Lとも称する。真空筐体部100は、金属材料(例えば、ステンレス、銅、銅合金、鉄合金等)により形成されたヘッド部(金属筐体部)101と、絶縁材料(例えば、ガラス、セラミック等)により形成されたバルブ部102とを備える。ヘッド部101は、バルブ部102の前側に配置されている。ヘッド部101とバルブ部102とは、コバール等の金属材料からなるバルブフランジ103によって互いに連結されている。
バルブ部102は、X線管10の管軸AXに沿って延在する円筒形状を呈している。バルブ部102の後ろ側の端部には、前側に向かって折り返されるように管軸AXに沿って延在して形成された円筒形状の凹部102wが設けられている。すなわち、バルブ部102は、外筒102aと、外筒102a内に配置される内筒102bと、外筒102aの後ろ側の端部と内筒102bの後ろ側の端部とを連結する筒連結部102cとを有している。外筒102a及び内筒102bは、軸Lに沿って延在している。
内筒102bの前側の端部の開口部には、当該開口部を封止するようにステム部105が設けられている。ステム部105は、バルブフランジ106、ステムフランジ107、及びステム108を備えている。ステム108は、絶縁材料(例えば、ガラス、セラミック等)からなり、円形の板状を呈している。ステムフランジ107は、導電材料(例えばコバール等)からなり、円筒形状を呈している。ステムフランジ107の内側には、ステム108が固定されている。バルブフランジ106は、導電材料(例えばコバール等)からなり、略円筒形状を呈している。ステムフランジ107は、バルブフランジ106内に嵌め込まれて固定されている。バルブフランジ106は、バルブ部102における内筒102bの前側の端部に連結される。
ステム108には、ステムピンSが設けられている。ステムピンSは、真空筐体部100の内部領域と外部領域とにわたってステム108を貫通した状態で延在している。ステムピンSは、電子銃部110の各構成要素(ヒーター121等)に電気的に接続されて、電子銃部110の各構成要素に対して給電等を行う。
ステム部105は、内部空間Rの所定位置で電子銃部110を保持する。すなわち、電子銃部110は、ステム部105を介してバルブ部102に支持される。つまり、凹部102wによって、ヘッド部101と電子銃部110との沿面距離を延ばして耐電圧特性を向上させると共に、内部空間R内において電子銃部110をターゲットTに近づけて配置することで、電子ビームMを微小焦点化させやすくしている。
ヘッド部101は、金属材料により形成され、電位的にX線管10のアノードに相当する。ヘッド部101は、両端に開口を備え、軸Lに沿って延在する略円筒形状を呈する。ヘッド部101は、後ろ側の開口において、軸Lに沿って延在するバルブ部102と連通する(図2参照)。
ヘッド部101の前側面には、ヘッド部101の前側の開口101aを覆うようにX線出射窓104が固定されている。X線出射窓104は、例えば、円形の板状を呈する。X線出射窓104は、例えば、ベリリウム、アルミニウム、ダイヤモンド等のX線透過性の高い材料で形成されている。
ターゲットTは、X線出射窓104の内部空間R側の面に設けられている。すなわち、ターゲットTは、ヘッド部101によって支持されている。本実施形態において、ターゲットTは、X線出射窓104の内部空間R側の面に成膜されている。ターゲットTは、電子ビームM(電子)の入射によりX線を発生する。ターゲットTとしては、例えば、タングステン、モリブデン、銅等が用いられる。
電子銃部110は、ターゲットTに向けて電子を出射する。電子銃部110は、ヒーター121、カソード122、第1グリッド電極123、第2グリッド電極(集束電極部)124、及び電子銃筐体部125を備えている。
ヒーター121は、通電によって発熱するフィラメントにより形成されている。カソード122は、ヒーター121によって加熱されることによって電子を放出する電子放出源となる。第1グリッド電極123は、カソード122から放出される電子の量を制御する。
第2グリッド電極124は、第1グリッド電極123を通過した電子をターゲットTに向けて集束させる。第2グリッド電極124は、電子ビームMを構成する電子を引き出すための電界を形成する引き出し電極としても機能する。第1グリッド電極123は、カソード122と第2グリッド電極124との間に配置されている。電子銃筐体部125は、導電材料(例えばステンレス等)からなり、円筒形状を呈している。電子銃筐体部125は、ヒーター121、カソード122、及び第1グリッド電極123を収容する。電子銃筐体部125の前側の端部は、第2グリッド電極124に連結されており、第2グリッド電極124に対する給電経路にもなっている。電子銃筐体部125の後ろ側の端部は、ステム部105に連結されている。
装置筐体部20は、筒部材(収容部)21と、電源部30の一部である電源ケース33とを備える。筒部材21は、金属により形成されている。筒部材21は、その両端に開口を有する円筒形状を呈し、内部空間21cを有する。筒部材21は、その一端側の開口21aにX線管10のバルブ部102が挿入されている。これにより、筒部材21は、X線管10の少なくとも一部を収容する。より具体的には、筒部材21は、本実施形態においてはバルブ部102の全体を収容している。
筒部材21の開口21aは、X線発生装置1のヘッド部101によって封止されている。筒部材21の内部空間21cには、液状の電気絶縁性物質である絶縁油22が封入されている。
電源部30は、X線管10に電力を供給する機能を有する。電源部30は、モールドされた固体の絶縁材料、例えば絶縁樹脂であるエポキシ樹脂からなる絶縁ブロック31と、絶縁ブロック31中にモールドされた昇圧部32と、それらを収容し矩形箱状を呈する電源ケース33とを有する。昇圧部32は、X線発生装置1の外部から導入した導入電圧を昇圧して生成した昇圧電圧を、各種条件に基づき、必要に応じて調整することによって高圧電圧を発生させる。絶縁ブロック31は、昇圧部32を絶縁材料(例えばエポキシ樹脂等)により封止する。電源部30(電源ケース33)には、筒部材21の他端側が固定されている。これにより、筒部材21の他端側の開口21bが封止され、絶縁油22が筒部材21の内部空間21cに封入される。
また、X線発生装置1は、昇圧部32とX線管10とを電気的に接続する給電部40を備えている。給電部40は、電源部30からX線管10へ電力(高圧電圧)を供給する。より詳細には、給電部40の一方の端部は、昇圧部32に接続される。給電部40の他方の端部は、X線管10のバルブ部102の凹部102wに挿入され、ステム部105において真空の内部空間Rから突出するステムピンSと電気的に接続されている。給電部40は、電力を供給するための複数本の配線を有している。
なお、本実施形態においては、一例として、ターゲットT(アノード)を接地電位とし、電源部30からは−100kVの高圧電圧が給電部40を介してX線管10(電子銃部110)に供給される。なお、実際には、電子銃部110の各電極には−100kVの高圧電圧を各電極の機能に合わせて調整した電圧が印可されるが、以降は説明を平易にするために、電子銃部110への印可電圧を−100kVと仮定して記載する。
次に、電子銃部110が備える第2グリッド電極124の詳細について説明する。図2に示されるように、第2グリッド電極124は、電子銃部110から出射する電子を集束させる。第2グリッド電極124は、筒形状を呈し、電子銃部110のターゲットT側(電子の出射側)の端部に設けられている。ここで、電子銃部110は、第2グリッド電極124の少なくとも一部がヘッド部101内に位置するようにステム部105を介してバルブ部102によって支持されている。すなわち、電子銃部110の先端部(ターゲットT側(電子の出射側)の端部)がヘッド部101内に差し込まれている。
ここで、ターゲットTは、X線発生位置PにおいてX線を発生させる。X線発生位置Pとは、ターゲットTにおいて電子銃部110から出射された電子ビームM(電子)が入射し、X線を発生(放出)させる位置である。X線発生位置Pで発生したX線はX線発生位置Pを中心とした全方位に放出されるため、ターゲットTを透過してX線出射窓104から出射する以外にも、内部空間R側にも放出される。
内部空間R側に放出されたX線が絶縁体であるバルブ部102に入射すると、バルブ部102が帯電して放電することがある。このため、第2グリッド電極124は、電子を集束させる機能に加え、内部空間R側に放出されたX線がバルブ部102に入射することを抑制する機能を有している。
具体的には、第2グリッド電極124は、ターゲットTにおけるX線発生位置Pから見たときに、X線発生位置Pからバルブ部102への視線を遮っている。ここでの視線を遮ることとは、第2グリッド電極124が存在することによって、X線発生位置Pからバルブ部102を直接視認する(見通す)ことができないことであり、換言すれば、X線発生位置Pとバルブ部102とを結ぶ直線が第2グリッド電極124によって遮られるということである。
ここで、筒形状の第2グリッド電極124の内側(カソード122から放出される電子が通過する空間)を通ってX線発生位置Pからバルブ部102へ向かう視線は、第1グリッド電極123及び電子銃筐体部125等によって遮られている。ここでは、第2グリッド電極124は、筒形状の第2グリッド電極124の外側(第2グリッド電極124と真空筐体部100との間の空間)を通ってX線発生位置Pからバルブ部102を直接視認できないように、X線発生位置Pからバルブ部102への視線を遮っている。より詳細には、第2グリッド電極124は、ヘッド部101の内周面と第2グリッド電極124の外周面との隙間を通ってX線発生位置Pからバルブ部102を直接視認できないように、X線発生位置Pからバルブ部102への視線を遮っている。
より詳細には、第2グリッド電極124は、筒形状を呈する筒部124a、及び凸部124bを有している。筒部124aは、軸Lに沿って延在している。本実施形態において、筒部124aは、軸Lに沿って直線状に延在する円筒形状を呈している。凸部124bは、筒部124aの外周面に設けられている。凸部124bは、筒部124aの外周面から外側(ヘッド部101の内周面側)に向けて突出している。すなわち、第2グリッド電極124は、外側に向けて突出する凸部124bを有している。凸部124bは、筒部124aの外周面においてターゲットT側の端部に設けられている。
なお、凸部124bは、筒部124aの外周面において周方向の全域にわたって延在している。すなわち、凸部124bは、内側に筒部124aが通された環状を呈している。凸部124bにおける外周側の角部は、湾曲するように丸められている。より詳細には、環状の凸部124bの外周側(筒部124aから突出している側)において、前側の角部K1は、湾曲するように角が丸められている。同様に、環状の凸部124bの外周側(筒部124aから突出している側)において、後ろ側の角部K2は、湾曲するように角が丸められている。角部K1における湾曲のR形状(曲率)と、角部K2における湾曲のR形状(曲率)とは、互いに異なっていてもよく、互いに同じであってもよい。凸部124bは、断面の形状が半円形状となっていてもよい。
第2グリッド電極124は、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かう視線を遮っている。具体的には、例えば、矢印A1で示されるように、X線発生位置Pからバルブ部102(外筒102a)へ向かう視線が凸部124bによって遮られている。なお、例えば、矢印A2及びA3で示される視線は、X線発生位置Pからヘッド部101へ向かっており、第2グリッド電極124によって遮られていないが、ヘッド部101は金属材料からなるため、X線が入射しても帯電するようなことはない。
第2グリッド電極124は、例えば、X線を遮蔽可能な金属材料からなる。第2グリッド電極124の材料としては、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、ステンレス等が用いられてもよい。また、電子銃部110は高温となる。このため、第2グリッド電極124は、X線を遮蔽可能な金属材料のうち、例えば、予め定められた温度(例えば、1000度)以上の融点を有する高融点金属材料によって構成されていてもよい。高融点金属材料としては、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、等が用いられてもよい。
なお、図2では、第2グリッド電極124の内周面の形状として、一例として、軸L方向に沿って直線的に延在する円筒形状の場合が示されている。しかしながら、第2グリッド電極124の内周面の形状は、種々の形状が採用され得る。
以上のように、X線管10では、第2グリッド電極124によって、ターゲットTにおけるX線発生位置Pからバルブ部102への視線が遮られている。これにより、ターゲットTのX線発生位置Pから真空筐体部100の内部空間R(真空領域)にX線が放出されたとしても、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線は第2グリッド電極124によって遮られる。すなわち、X線発生位置Pからバルブ部102へ直線的に進行するX線(X線発生位置Pからバルブ部102へ直接入射するX線)が第2グリッド電極124によって遮られる。従って、バルブ部102にX線が入射することによってバルブ部102が帯電することが抑制される。このように、X線管10は、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。
さらに、第2グリッド電極124の先端部(ターゲットT側(電子の出射側)の端部)がヘッド部101内に位置するように配置されているため、第2グリッド電極124の全体がバルブ部102内に位置するように配置した場合と比べ、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を効率よく遮ることができる。仮に、第2グリッド電極124の全体がバルブ部102内に位置するように配置した場合、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線は、第2グリッド電極124の先端部近傍であっても、既に大きく広がっている。そのため、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を第2グリッド電極124で遮るには、第2グリッド電極124をバルブ部102の内壁近傍まで連続的に延在させる必要がある。その場合、第2グリッド電極124と真空筐体部100とが近接するために、両者の間の耐電圧能が低下し、放電が発生しやすくなる。また、第2グリッド電極124の重量が大きく増加するため、電子銃部110の耐震性も低下する。対して、第2グリッド電極124の先端部(ターゲットT側(電子の出射側)の端部)がヘッド部101内に位置するように配置することで、X線発生位置PからX線が大きく広がる前にX線を遮ることができる。そのため、第2グリッド電極124においてX線の遮蔽を行う部分(例えば凸部124b)が大きくなることを抑制し、電子銃部110における耐電圧能及び耐震性の低下を抑制できる。
第2グリッド電極124は、筒部124aから外側に向けて突出する凸部124bを有している。これにより、第2グリッド電極124は、凸部124bによって、X線発生位置Pからバルブ部102への視線を効率よく遮ることができる。すなわち、第2グリッド電極124は、凸部124bによって、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を効率よく遮ることができる。この場合、第2グリッド電極124は、第2グリッド電極124全体の大きさが大きくなることを抑制しつつ、凸部124bを用いてバルブ部102へ向かう視線を効率よく遮ることができる。
また、第2グリッド電極124は、凸部124b以外の部分が絞り込まれた形状となる。すなわち、第2グリッド電極124は、筒部124aのうち凸部124bが設けられていない部分が、凸部124bが設けられている部分に対して絞り込まれた形状(外径が小さい形状)となっている。これにより、第2グリッド電極124は、凸部124b以外の部分(筒部124aの外周面が露出している部分)において、ヘッド部101の内面と第2グリッド電極124の外周面との距離を離すことができる。このため、第2グリッド電極124は、ヘッド部101の内面と第2グリッド電極124の外周面との間での放電の発生を抑制できる。
また、第2グリッド電極124は、凸部124b以外の部分が絞り込まれているため、第2グリッド電極124全体の大きさを小さくすることができ、第2グリッド電極124自体の重量の増加を抑制し、電子銃部110における耐震性の低下も抑制することができる。
凸部124bは、筒部124aの外周面における前側(ターゲットT側)の端部に設けられている。この場合、凸部124bは、X線発生位置Pにより近い位置においてX線を遮ることができる。すなわち、凸部124bは、X線発生位置PからX線が大きく広がる前にX線を遮ることができる。これにより、X線管10は、凸部124bの突出高さを抑制しつつ、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。
なお、第2グリッド電極124の形状は、上述した形状に限定されない。例えば、第2グリッド電極124が備える凸部124bの角部K1及び角部K2は、湾曲するように丸められていなくてもよい。凸部124bは、筒部124aの外周面においてターゲットT側の端部に設けられていなくてもよい。すなわち、凸部124bは、例えば、筒部124aの外周面においてターゲットT側の端部から後ろ側にずれた位置に設けられていてもよい。
(X線管の第1変形例)
次に、上記実施形態におけるX線管10の第1変形例について説明する。以下では、実施形態におけるX線管10との相違点を中心に説明し、共通の構成については説明を省略する。以下で説明する他の変形例においても、相違点のみを中心に説明する。図3に示されるように、X線管10Aは、実施形態におけるX線管10の第2グリッド電極124に代えて、第2グリッド電極124とは形状の異なる第2グリッド電極(集束電極部)126を備えている。
第2グリッド電極126は、筒形状を呈している。本実施形態において、第2グリッド電極126は、軸Lに沿って延在する円筒形状を呈している。第2グリッド電極126の外周面F1は、ターゲットTに向うに従って大径となるテーパ形状を呈している。本変形例においては、第2グリッド電極126の外周面F1は、一例として、ターゲットTに向うに従って一定の割合で徐々に(滑らかに)大径となるテーパ形状を呈している。第2グリッド電極126は、ターゲットT側に向うに従って(前側に向うに従って)筒の肉厚が厚くなっている。
なお、図3では、第2グリッド電極126の内周面の形状として、一例として、軸L方向に沿って直線的に延在する円筒形状の場合が示されている。しかしながら、第2グリッド電極126の内周面の形状は、種々の形状が採用され得る。
第2グリッド電極126の外周面F1と、第2グリッド電極126のターゲットT側(前側)の端面F2との角部K3は、湾曲するように丸められている。よって第2グリッド電極126は、ターゲットTに向うに従って、所定の位置まではテーパ形状によって大径化した後、角部K3における湾曲に伴って小径化され、端面F2へとつながっている。また、端面F2はターゲットTと対向するような平面部となっている。つまり、第2グリッド電極126の最先端部の端面F2がターゲットTと対向するような平面部となっているため、X線発生位置Pにより近い位置においてX線を遮ることができる。すなわち、X線発生位置PからX線が大きく広がる前にX線を遮ることができるため、テーパ形状の径が大きくなることを抑制することができる。よって電子銃部110における耐電圧能及び耐震性の低下を抑制できる。また、第2グリッド電極126は、ターゲットT側に向うに従って(前側に向うに従って)筒の肉厚が厚くなっているため、ターゲットT側(前側)において十分なX線遮蔽能を持たせるとともに、後ろ側での不要な重量増を抑制することができる。
以上のように、このX線管10Aの第2グリッド電極126は、ターゲットT側の端部が大径となり、大径となる部分によってX線発生位置Pからバルブ部102への視線を効率よく遮ることができる。すなわち、第2グリッド電極126は、大径となる部分によって、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を効率よく遮ることができる。このように、第2グリッド電極126は、第2グリッド電極126全体の大きさが大きくなることを抑制しつつ、バルブ部102へ向かうX線を効率よく遮ることができる。従って、X線管10Aは、実施形態におけるX線管10と同様に、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。
また、第2グリッド電極126は、ターゲットTから離間するに従って絞り込まれた形状となる。すなわち、第2グリッド電極126の外周面F1の外径が、ターゲットTから離間するに従って小径となっている。これにより、第2グリッド電極126は、大径の部分以外の部分において、ヘッド部101の内面と第2グリッド電極126の外周面F1との距離を離すことができる。このため、第2グリッド電極126は、ヘッド部101の内面と第2グリッド電極126の外周面F1との間での放電の発生を抑制できる。
また、第2グリッド電極126の外周面F1が滑らかなテーパ形状となっており、第2グリッド電極126の外周面F1には内側(内周側)に向けて入り込むような形状の部位(凹部)が形成されていない。このため、外周面F1における局所的な電界の集中を抑制し、放電を抑制することができることに加え、第2グリッド電極126の外周面F1にゴミ等が付着することを抑制できる。例えば、このゴミ等としては、第2グリッド電極126を形成するときの削りかすなどが挙げられる。このように、X線管10Aは、第2グリッド電極126の外周面F1にゴミ等が付着することを抑制できるため、このゴミ等を起点として放電が発生することを抑制できる。
第2グリッド電極126の角部K3は、湾曲するように丸められている。この場合、第2グリッド電極126は、角部K3に電界が集中することを抑制し、この角部K3を起点として放電が発生することを抑制できる。
なお、第2グリッド電極126の形状は、上述した形状に限定されない。例えば、第2グリッド電極126の角部K3は、湾曲するように丸められていなくてもよい。
(第2グリッド電極の変形例)
次に、上記第1変形例におけるX線管10Aの第2グリッド電極126の変形例について説明する。図4に示されるように、第2グリッド電極(集束電極部)126Aは、上記第1変形例における第2グリッド電極126に対して、内周面F3の形状が主に異なっている。
第2グリッド電極126Aは、後ろ側(電子銃筐体部125側)の端部に後壁部Bを備えている。後壁部Bには、カソード122から放出された電子が通過する出射孔Baが設けられている。後壁部Bよりも前側において、第2グリッド電極126Aの内周面F3の形状は、ターゲットT側に向うに従って大径となる略テーパ形状を呈している。より詳細には、第2グリッド電極126Aの内周面F3は、後壁部B側からターゲットT側の端部に向って順に、第1筒状部N1、第1テーパ筒状部N2、連結部N3、第2筒状部N4、第2テーパ筒状部N5、及び第3筒状部N6を含んで構成されている。
第1筒状部N1は、軸Lに沿って延在すると共に、出射孔Baよりも大径の円筒形状を呈している。第1筒状部N1の内径は一定となっている。第1テーパ筒状部N2は、軸Lに沿って延在すると共に、ターゲットT側に向うに従って徐々に大径となるテーパ形状を呈している。第1テーパ筒状部N2の後ろ側の端部は、第1筒状部N1の前側の端部に連結されている。第2筒状部N4は、軸Lに沿って延在すると共に、円筒状形状を呈している。第2筒状部N4の内径は、第1テーパ筒状部N2の前側の内径よりも大径となっている。第2筒状部N4の内径は、一定となっている。連結部N3は、第1テーパ筒状部N2の前側の端部と第2筒状部N4の後ろ側の端部とを連結する環状を呈している。
第2テーパ筒状部N5は、軸Lに沿って延在すると共に、ターゲットT側に向うに従って徐々に大径となるテーパ形状を呈している。第2テーパ筒状部N5の後ろ側の端部は、第2筒状部N4の前側の端部に連結されている。第3筒状部N6は、軸Lに沿って延在すると共に、円筒形状を呈している。第3筒状部N6の内径は、第2テーパ筒状部N5の前側の内径と同じとなっている。第3筒状部N6の後ろ側の端部は、第2テーパ筒状部N5の前側の端部に連結されている。
一例として、第1筒状部N1における軸L方向の長さは、第1テーパ筒状部N2における軸L方向の長さよりも短い。一例として、第1テーパ筒状部N2における軸L方向の長さは、第2筒状部N4における軸L方向の長さよりも短い。一例として、第2筒状部N4における軸L方向の長さは、第2テーパ筒状部N5における軸L方向の長さよりも短い。一例として、第3筒状部N6における軸L方向の長さは、第1筒状部N1における軸L方向の長さよりも長く、第1テーパ筒状部N2における軸L方向の長さよりも短い。
第2グリッド電極126Aの内周面F3(第3筒状部N6)と、第2グリッド電極126AのターゲットT側(前側)の端面F2との角部K4は、湾曲するように丸められている。本変形例においては、一例として、角部K3における湾曲のR形状(曲率)は、角部K4における湾曲のR形状(曲率)よりも緩やか(曲率が小さい)となっている。
以上のように、第2グリッド電極126Aは、第1変形例における第2グリッド電極126と同様に、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。さらに、第2グリッド電極126Aは、外周面F1と端面F2とをつなぐ角部K3における湾曲のR形状(曲率)を緩やかにすることで、外表面を滑らかな形状としつつ、内周面F3の形状を上述した形状とすることにより、耐電圧能の低下を抑制することと、カソード122から放出された電子を適切に集束させることとを両立させることができる。
なお、第2グリッド電極126Aの形状は、上述した形状に限定されない。例えば、第2グリッド電極126の角部K3及びK4は、湾曲するように丸められていなくてもよい。また、第2グリッド電極126Aの内周面F3の形状は、上述した形状に限定されない。
(X線管の第2変形例)
次に、上記実施形態におけるX線管10の第2変形例について説明する。図5に示されるように、X線管10Bは、反射型のX線管である。X線管10Bは、電子銃部110の前側の位置においてターゲットTを支持するターゲット支持体109を備えている。ターゲットTは、ターゲット支持体109におけるターゲット形成面109a上に成膜されている。ターゲット形成面109aは、ターゲット形成面109aの法線方向と、軸L方向とが交差するようにターゲット支持体109の外面に設けられている。
X線管10Bのヘッド部(金属筐体部)101Bは、電子銃部110の前側の正面位置とは異なる位置に開口101aを有している。ヘッド部101Bは、上記実施形態におけるX線管10のヘッド部101と同様に、金属材料により形成され、電位的にX線管10Bのアノードに相当する。ヘッド部101Bの開口101aは、X線出射窓104によって覆われている。X線管10Bは、電子銃部110からの電子ビームMがターゲットTに入射することにより発生したX線を、X線出射窓104から出射する。
第2グリッド電極124は、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かう視線を遮っている。具体的には、矢印A1で示されるように、X線発生位置Pからバルブ部102(外筒102a)へ向かう視線が凸部124bによって遮られている。なお、矢印A2及びA3で示される視線は、X線発生位置Pからヘッド部101Bへ向かっており、第2グリッド電極124によって遮られていない。
このように、X線管10Bは、反射型のX線管である。この場合であっても、X線管10Bは、実施形態におけるX線管10と同様に、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を第2グリッド電極124によって遮ることができ、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。
(X線管の第3変形例)
次に、上記実施形態におけるX線管10の第3変形例について説明する。図6に示されるように、本変形例に係るX線管10Cは、上記第2変形例に係るX線管10Cと同様に、反射型のX線管である。但し、本変形例に係るX線管10Cは、ターゲットTを支持するターゲット支持体109が、保持バルブ部142によって保持されている。
より詳細には、真空筐体部100Cは、バルブ部102、筐体部(金属筐体部)141、及び保持バルブ部142を備えている。筐体部141は、金属材料(例えば、ステンレス、銅、銅合金、鉄合金等)により形成されている。筐体部141は、円筒形状を呈し、軸Lに沿って延在するように配置されている。筐体部141には、開口部141aが設けられている。開口部141aは、X線出射窓104によって覆われている。筐体部141の後ろ側の端部は、バルブフランジ103によってバルブ部102の前側の端部に連結されている。
保持バルブ部142は、絶縁材料(例えば、ガラス、セラミック等)により形成されている。保持バルブ部142は、円筒形状を呈し、管軸AX(軸L)に沿って延在するように配置されている。保持バルブ部142の後ろ側の端部は、コバール等の金属材料からなる接続部143によって筐体部141の前側の端部に連結されている。
ターゲットTを支持するターゲット支持体109は、筐体部141及び保持バルブ部142内に配置されている。ターゲット支持体109は、保持バルブ部142の前側の端部に連結され、保持バルブ部142との連結部から電子銃部110側に向って延びている。保持バルブ部142は、コバール等の金属材料からなる接続部144によってターゲット支持体109に連結されている。このように、筐体部141は、保持バルブ部142を介してターゲットT(ターゲット支持体109)を支持する。X線管10Cは、電子銃部110からの電子ビームMがターゲットTに入射することにより発生したX線を、X線出射窓104から出射する。
ここで、本変形例のX線管10Cでは、電子銃部110が絶縁体(バルブ部102)で支持されると共に、ターゲットT(ターゲット支持体109)も絶縁体(保持バルブ部142)で支持されている。これにより、電子銃部110側とターゲットT側とのそれぞれに電圧を印加できる。すなわち、例えば、X線管10CがX線の照射に100kvの電圧を必要とする場合、筐体部141を接地電位とし、電子銃部110側に−50kVの電圧を印加し、ターゲットT側に50kVの電圧を印加する。これにより、必要とされる100kVの電位差を、ターゲットTと電子銃部110との間で得ることができる。このように、必要な電圧を分圧してターゲットT側と電子銃部110側とに印加することにより、それぞれの部位に印加する電圧値自体を下げることができ、それぞれの部位に要求される耐電圧能を下げることができる。
本変形例におけるX線管10Cにおいても、第2グリッド電極124によって、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かう視線を遮ることができる。このため、X線管10Cは、実施形態におけるX線管10と同様に、X線発生位置Pからバルブ部102へ向かうX線を第2グリッド電極124によって遮ることができ、バルブ部102へのX線の入射を抑制できる。
(X線管の第4変形例)
次に、上記実施形態におけるX線管10の第4変形例について説明する。図7に示されるように、X線管10Dは、上記実施形態のX線管10とは異なり、バルブ部102Dが円筒形状を呈している。すなわち、バルブ部102Dは、上記実施形態のX線管10とは異なり、後ろ側の端部が折り返されておらず、直線状に延在する円筒形状を呈している。X線管10Dは、真空筐体部100D、電子銃部110、及びターゲットTを備えている。
真空筐体部100Dは、電子銃部110C、及びターゲットTを収容する。真空筐体部100Dは、ヘッド部101と、絶縁材料(例えば、ガラス、セラミック等)により形成されたバルブ部102Dとを備える。ヘッド部101とバルブ部102Dとは、コバール等からなるバルブフランジ103によって互いに連結されている。
バルブ部102Dは、管軸AX(軸L)に沿って延在する円筒形状に形成されている。バルブ部102Dの後ろ側の端部の開口には、当該開口を封止するようにステム部105Dが設けられている。バルブ部102Dの前側の端部の開口は、ヘッド部101によって封止されている。
ステム部105Dは、内部空間Rの所定位置で電子銃部110を保持する。すなわち、電子銃部110は、ステム部105Dを介してバルブ部102Dに支持される。ステム部105Dは、バルブフランジ106D、ステムフランジ107、及びステム108を備えている。バルブフランジ106Dは、導電材料(例えばコバール等)からなり、円筒形状を呈している。ステムフランジ107は、バルブフランジ106D内に嵌め込まれて固定されている。バルブフランジ106Dは、バルブ部102Dの後ろ側の端部に連結される。
本変形例におけるX線管10Dにおいても、第2グリッド電極124によって、X線発生位置Pからバルブ部102Dへ向かう視線を遮ることができる。このため、X線管10Dは、実施形態におけるX線管10と同様に、X線発生位置Pからバルブ部102Dへ向かうX線を第2グリッド電極124によって遮ることができ、バルブ部102DへのX線の入射を抑制できる。
以上、本発明の種々の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上記の種々の実施形態及び種々の変形例の少なくとも一部が任意に組み合わせられてもよい。
例えば、図7に示される第4変形例におけるX線管10Dは、図5に示されるX線管10Bのように、反射型のX線管とされてもよい。また、図7に示される第4変形例におけるX線管10Dは、図6に示されるX線管10Cのように、絶縁材料からなる保持バルブによってターゲットTが設けられたターゲット支持体を保持する構成とされてもよい。
第2グリッド電極は、第2グリッド電極124のように凸部124bを備えること、及び第2グリッド電極126のようにテーパ形状となっていること、以外の構成によって、X線発生位置からバルブ部への視線を遮っていてもよい。例えば、第2グリッド電極は、実施形態における第2グリッド電極124のように凸部124bによって一部分の肉厚が厚くされるのではなく、全体的に肉厚が厚くされていてもよい。
10,10A,10B,10C,10D…X線管、100,100C,100D…真空筐体部、101,101B…ヘッド部(金属筐体部)、102,102D…バルブ部、110…電子銃部、124,126,126A…第2グリッド電極(集束電極部)、124b…凸部、141…筐体部(金属筐体部)、F1…外周面、F2…端面、K1〜K4…角部、T…ターゲット、XR…X線。

Claims (4)

  1. 電子を出射する電子銃部と、前記電子の入射によってX線を発生するターゲットと、前記電子銃部及び前記ターゲットを収容する真空筐体部とを備えるX線管であって、
    前記真空筐体部は、
    前記ターゲットを支持する金属筐体部と、
    絶縁材料からなり、前記金属筐体部に連結されるバルブ部と、
    を有し、
    前記電子銃部は、出射する前記電子を集束させる筒形状を呈する集束電極部を前記電子の出射側の端部に有し、前記集束電極部の少なくとも一部が前記金属筐体部内に位置するように前記バルブ部に支持され、
    前記集束電極部は、外側に向けて突出する凸部を有し、前記ターゲットにおけるX線発生位置から見たときに、前記X線発生位置から前記バルブ部への視線を遮っており、
    前記凸部の角部は、湾曲するように丸められている、X線管。
  2. 前記凸部は、前記集束電極部の外周面において前記ターゲット側の端部に設けられている、請求項に記載のX線管。
  3. 電子を出射する電子銃部と、前記電子の入射によってX線を発生するターゲットと、前記電子銃部及び前記ターゲットを収容する真空筐体部とを備えるX線管であって、
    前記真空筐体部は、
    前記ターゲットを支持する金属筐体部と、
    絶縁材料からなり、前記金属筐体部に連結されるバルブ部と、
    を有し、
    前記電子銃部は、出射する前記電子を集束させる筒形状を呈する集束電極部を前記電子の出射側の端部に有し、前記集束電極部の少なくとも一部が前記金属筐体部内に位置するように前記バルブ部に支持され、
    前記集束電極部は、前記ターゲットにおけるX線発生位置から見たときに、前記X線発生位置から前記バルブ部への視線を遮っており、
    前記集束電極部の外周面は、前記ターゲットに向うに従って大径となるテーパ形状を呈している、X線管。
  4. 前記集束電極部の外周面と前記集束電極部における前記ターゲット側の端面との角部は、湾曲するように丸められている、請求項に記載のX線管。
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