JP6789109B2 - 血液分析方法及び血液検査キット - Google Patents
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Description
血液中に恒常的に存在する標準成分の標準値を用いて希釈倍率を決定する工程と、
血液検体中の分析対象成分の濃度を分析する工程と、
を含む、分析対象成分の濃度を測定する血液分析方法であって、
上記血液検体中の溶血量を測定し、
上記測定した溶血量に応じて上記希釈倍率を補正し、
上記補正した希釈倍率を用いて上記分析対象成分の濃度を分析する、血液分析方法。
(2) 上記血液分析方法が、
血液検体を希釈するための希釈液と、
希釈された血液検体から血漿成分を回収するための分離手段と、
希釈された血液検体から回収された血漿成分を収容するための容器と、
を含む血液検査キットを用いることによって行われる、(1)に記載の血液分析方法。
(3) 上記希釈液が、血液中に存在しない標準成分を含み、上記血液検査キットが、上記の血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の分析対象成分濃度を分析するための血液検査キットである、(2)に記載の血液分析方法。
(4) 上記血液検査キットを用いて、希釈された血液検体から血漿成分を回収し、回収した血漿成分中、恒常的に存在する上記標準成分を用いて、希釈された血液検体の希釈倍率を決定し、血液検体中の分析対象成分の濃度を分析する、(2)又は(3)に記載の血液分析方法。
(5) 上記希釈液が、血液中に存在しない標準成分を含み、上記血液検査キットが、上記の血液中に存在しない標準成分を用いて、希釈された血液検体の希釈倍率を決定し、血液検体中の分析対象成分濃度を分析する、(2)から(4)の何れか一に記載の血液分析方法。
(6) 上記血液中に恒常的に存在する標準成分がナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、総タンパクおよびアルブミンから選択される少なくとも一つの物質である、(1)から(5)の何れか一に記載の血液分析方法。
(7) 血液検体を希釈するための希釈液と、
希釈された血液検体から血漿成分を回収するための分離手段と、
希釈された血液検体から回収された血漿成分を収容するための容器と、
を含む、(1)から(6)の何れか一に記載の血液分析方法において使用するための血液検査キット。
採取された血液検体を希釈液で希釈する工程と、
血液中に恒常的に存在する標準成分の標準値を用いて希釈倍率を決定する工程と、
血液検体中の分析対象成分の濃度を分析する工程と、
を含む、分析対象成分の濃度を測定する血液分析方法であって、
液検体中の溶血量を測定し、
測定した溶血量に応じて希釈倍率を補正し、
補正した希釈倍率を用いて分析対象成分の濃度を分析する、血液分析方法に関するものである。
本発明において、溶血とは、振動又はせん断等の外部エネルギーによって、血球膜の破壊により血球内成分が血漿中へ溶出することである。血球中と血漿中の濃度が異なるために溶出が起こると血漿中の恒常性成分の濃度が変化してしまい、正しい希釈倍率を算出できなくなってしまう。これらを是正する方法を本発明で提供するものである。溶血の度合いは血漿中のヘモグロビン濃度(mg/dL)を算出することで求める事ができる。本発明では、このヘモグロビン濃度(mg/dL)値を溶血度と定義する。
本発明では、血液検体を採取して、血液検体中の対象成分を分析する。本発明の血液分析方法における血液の採取は、対象者自身が行ってもよく、医師等の有資格者が行ってもよい。
上記のように、血漿成分の希釈倍率の高い希釈血漿の希釈後の対象成分について、希釈前の血液の血漿中に存在する対象成分の濃度を正確に分析する必要がある。希釈液中にあらかじめ存在する物質の標準物質としてその濃度変化率から対象成分濃度を求める場合には、濃度の変化の割合が非常に小さくなるために測定誤差が生じやすく、測定の再現性が悪化する弊害がある。従って本発明の血液分析方法は、血液中に恒常的に存在する標準成分を用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析する血液分析方法により行われる。
好ましい態様の一つとして、血液中に恒常的に存在する標準成分とともに、血液中に存在しない標準成分を希釈液中に用いて血液検体中の対象成分の濃度を分析し、血液中に恒常的に存在する標準成分から求めた希釈倍率の補正に使用することもできる。また、血液中に恒常的に存在する標準成分と共に希釈倍率を算出することも可能である。
A : 内部標準成分を含む希釈液の測定吸光度
B : Aから血液検体の成分を希釈した希釈液の吸光度を差し引いた吸光度
C : 恒常性物質としてナトリウムイオン濃度が142mmol/Lである、測定された吸光度
D : 血液検体の成分を希釈した希釈液のナトリウムイオンの吸光度
B’ : 血漿ナトリウムの吸光度から算出した希釈倍率による、希釈血漿中の血液中に存在しない標準成分の吸光度の補正値
X : 血漿希釈倍数
本発明の血液分析方法においては、希釈液を用いて採取した血液検体を希釈する。この血液検体を希釈するための希釈液は、血液中に恒常的に存在する標準成分を含有しない希釈液を用いる態様が好ましい。本明細書において「含有しない」とは、「実質的に含有しない」ことを意味する。ここで、「実質的に含有しない」とは、希釈倍率を求める時に使用する恒常性のある物質をまったく含まないか、あるいは含まれていたとしても、血液検体を希釈した後の希釈液の恒常性のある物質の測定に影響を及ぼさない程度の極微量の濃度で含まれる場合を意味する。血液中に恒常的に存在する標準成分として、ナトリウムイオン又は塩化物イオンを用いる場合には、希釈液としては、ナトリウムイオン又は塩化物イオンを実質的に含有しない希釈液を使用する態様が好ましい。
血液検査として、肝機能、腎機能、メタボリズムなど、特定の臓器、特定の疾患を検査する場合には、臓器や疾患に特有の複数の測定対象成分の情報を入手して、臓器の状態、生活習慣の予測などを行うために、一般的には、複数の測定対象成分の分析が同時に行われる。例えば、肝臓の状態を検査するためには、一般的には、ALT(アラニントランスアミナーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、γ−GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)、ALP(アルカリホスファターゼ)、総ビリルビン、総タンパク、アルブミン等、数種類以上もの物質の血液中の濃度が測定される。このように、複数の対象成分をいつの血液検体から測定するためには、再測定の可能性も考慮して、希釈された血液の量はある程度必要となる。従って、採取した血液を希釈する希釈液は、ある程度の量を確保することが重要である。キットにおける希釈液の量は、血漿の容量の4倍以上(すなわち希釈倍率は、血漿の容量の5倍以上)であることが好ましく、10倍以上がより好ましく、14倍以上が更に好ましい。例えば、採血量を50μLとすると、血液量中の血漿量の比が0.55の場合、血漿の容量は27.5μLと計算でき、希釈液が360μLであれば、希釈倍率は14倍となる。なお、血漿を基準とした場合の希釈倍率から、計算で求めた血漿量をR、希釈液量をSとすると、(R+0.55×S)/Rを求めることにより、血液検体を基準とした希釈倍率が概算できる。血液分析に使用する希釈液の量は、血液検体の容量に対しては2.7倍以上であることが好ましく、6.0倍以上であることがより好ましく、8.2倍以上が更に好ましい。
本発明の血液分析方法のために採取された血液検体は、分析が行われるまで、希釈された状態で長時間経過する可能性がある。その間に、例えば赤血球の溶血が起こると、血球内に存在する物質や酵素などが血漿あるいは血清中に溶出して検査結果に影響を与えたり、溶出したヘモグロビンが有する吸収により、分析対象成分の光学的な吸収などの光情報で分析対象成分量を測定する場合に影響を及ぼす可能性がある。本発明は、溶血時でも補正により精度良く対象物質の測定を可能にするものであるが、誤差の原因を少なくするために、溶血の度合いを極力小さく抑えることが好ましい。そのため、血液検体の希釈物から血漿を分離回収するための分離器具を血液検査キットに含む態様が好ましい。分離器具の好ましい例は、分離膜である。分離膜は、例えば血液検体の希釈液に圧力を加えることによって、血球成分は分離膜で捕獲し、血漿成分を通過させて、血球を分離して血漿成分を回収するように用いることができる。この場合、抗凝固剤を用いることが好ましい。また、測定の精度を確保するために、分離膜を通過した血漿が血球側へ逆流しないことが好ましく、そのためには具体的には、特開2003−270239号公報に記載の、逆流防止手段をキットの構成要素とすることができる。
本発明の血液分析方法は、好ましくは、血液検体を希釈するための希釈液と、希釈された血液検体から血漿成分を回収するための分離手段と、希釈された血液検体から回収された血漿成分を収容するための容器とを含む血液検査キットを用いることによって行うことができる。
血液検査キットは、より好ましくは、血液を採取する採取器具、希釈液が収容された第一の収容器具、希釈された血液検体から血漿を分離回収するための分離器具、分離器具を保持するための保持器具、希釈された血液検体から回収された血漿を収容するための第二の収容器具を含むものである。
血液検査キットは、さらに好ましくは、上記に加えて、収容した血漿を第二の収容器具内に維持するための封止器具を含むものである。
好ましい態様の一つにおいて、血液分析用の血液検査キットは、希釈液、希釈液が収容された第一の収容器具(血液検体の希釈物を収容するための収容器具でもある。)、希釈液で希釈された血液検体から血漿を分離回収するための分離器具、分離器具を保持するための保持器具、回収した血漿を収容するための第二の収容器具、及び収容した血漿を第二の収容器具内に維持するための封止器具を含む。具体的な器具としては、例えば、特許第3597827号公報の図1から図13に記載された器具を使用することができる。特許第3597827号公報の図1を、本願の図1として援用する。
本発明はまた、本明細書の上記[1]及び[2]で説明した構成の血液検査キットを用いた血液分析方法を提供する。血液分析方法は、ヒトに対する医療行為(医師が行う行為)である態様とヒトに対する医療行為ではない態様(例えば、採血者が患者自身であり、かつ分析者が医師以外の者である態様、非ヒト動物に対する態様、等)が含まれる。本発明の血液分析方法は、対象者自身が血液を採取する自己採血で実施してもよいし、医師等の有資格者が注射器を使用して血液を採取する一般採血においても実施してもよい。好ましい態様としては、患者本人が、ランセットなどのナイフ付の器具を用いて指先などを傷つけて皮膚外に滲み出た血液を採取する。
(希釈液の調製)
希釈液−1を以下の組成で調製した。浸透圧は、OSMOATAT OM−6040(アークレイ(株)社製)を用いて測定した値を表示した。浸透圧の単位は、溶液の水1kgが持つ浸透圧で、イオンのミリモル数をあらわす。
HEPES 50mmol/L
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP) 50mmol/L
D−マンニトール 284mmol/L
塩化リチウム 1mmol/L
EDTA−2K 0.8mmol/L
PALP(ピリドキサールリン酸) 0.05mmol/L
チアベンダゾール 0.0001質量%
アミカシン硫酸塩 0.0003質量%
硫酸カナマイシン 0.0005質量%
メロペネム三水和物 0.0005質量%
浸透圧 355mOsm/kg
pH 7.4
上記で調製した希釈液のナトリウム濃度の測定には、β−ガラクトシダーゼがナトリウムで活性化することを利用し、それぞれの希釈液中のナトリウム濃度とβ−ガラクトシダーゼ活性が比例関係にあることを利用した酵素活性法により行った。具体的には、ナトリウムイオンを含まない精製水で上記のように濾過した希釈液−1を5倍希釈した後、3μLを秤量し下記のように調製した第一試薬52μLを加えて、37℃で5分間加温し、下記のように調製した第二試薬を26μL加え、1分間の吸光度の変化をJCA−BM6050型生化学自動分析装置(日本電子(株)社製)を用いて主波長410nm、副波長658nmで吸光度を測定することにより求めた。あらかじめ作成した検量線から、ナトリウムの濃度を測定した。
以下の組成のナトリウム測定試薬を調製した。
第一試薬
HEPES・LiOH(pH8.0) 100mmol/L
D−マンニトール 60mmol/L
N−アセチルシステイン 30mmol/L
硫酸マグネシウム 1.52mmol/L
β−ガラクトシダーゼ 1.1kU/L
TritonX−100 0.05質量%
第二試薬
HEPES・LiOH(pH8.0) 100mmol/L
o−Nitrophenyl−β−D−Galactpyranoside 15mmol/L
ビューレット法を測定原理とする測定を行った。ビウレット試薬:3.0mmol/L硫酸銅 400μL、酒石酸カリウムナトリウム 21.3mmol/L、NaOH 0.75mol/Lを準備し、希釈した血漿と混合した。混合後、37℃で10分間放置して、アルカリ性下で血漿中のタンパクと銅イオンによる540〜560nmの青紫色を呈する錯体が形成されるまで待ち、545nmで吸光度を測定し、標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて血漿希釈混合液中の総タンパク濃度を定量した。
デメカルキット(株式会社リージャー社製)を用いて、上記で調製した希釈液と、希釈倍率が8.8倍となるように採血した血液を計量して混合し、希釈血漿作成時に行う分離作業のシリンダーを素早く押したサンプルと5秒以上かけてゆっくりと押したサンプルを作成し、溶血を強制的に起こした試料と溶血を極力抑えた試料を調製した。このように調製した2つのサンプルを種々の比率で混合することで、5種類の溶血度が異なるサンプルを作成した。この5種類のサンプルに対して、7180形日立自動分析装置で、ヘモグロビン定量試薬を用いて、ヘモグロビン濃度(mg/dL)を定量することで溶血度の測定を行った。このヘモグロビン濃度(mg/dL) を溶血度とした。自動分析装置と測定試薬を用いた評価は添付文書、取扱説明書に沿って実施した。
血液中に存在する標準成分として、総タンパク(TP)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)を用いて、上記のように作製した5種類の溶血度が異なるサンプルに対して、8.8倍の希釈倍率を用いて、希釈していない状態のNa濃度、K濃度、TP濃度を求めた。横軸にヘモグロビンの溶血度、縦軸にそれぞれの濃度をプロットした図を図2及び図3に示した。このように、溶血度に応じてそれぞれの含有濃度値が変動することが分かる。血漿と希釈液の混合液中での標準成分の濃度溶血時に高くなった場合、みかけの希釈倍率は低くなり、逆に標準成分の濃度が低くなった場合、みかけの希釈倍率は高くなる。
1.で調製した5種類の溶血度が異なるサンプルを7180形日立自動分析装置により上述したTP濃度測定試薬を用いてTP濃度を測定し、希釈倍率8.8を用いて、それぞれのサンプルの血漿中のTP濃度を算出した。算出したTP濃度は標準成分と同じ値になるべきであるが、溶血度に応じて血漿中のTP濃度が高い値となった。これは、溶血により血漿中のTP濃度が高まる結果を反映している。従って、溶血のない血漿中のTP濃度値(測定値が算出されない場合は、標準値)と、血漿と希釈液の混合液中でのTP濃度の測定値を用いて、以下の式のように希釈倍率を求める場合には、溶血度に応じて、血漿と希釈液の混合液中のTP濃度測定値(A)が高くなるため、(表1)に示したように見かけの希釈倍率は低くなった。
溶血のない血漿中TP濃度値及びTP濃度測定値(A)の単位は、g/dLである。
(溶血のない血漿中のTP濃度値)−
(ヘモグロビン測定濃度(U))×(希釈倍率)×0.0041
(式11中、0.0041は溶血度とTP量の傾きを表す)
補正TP濃度の単位は、g/dLである。
1.で用いた5つの溶血度が異なるサンプルを用いて、分析対象成分として総コレステロール(TC)を、7180形日立自動分析装置及び総コレステロール(TC)測定試薬を用いて測定した。3.と同様に、溶血補正前の総コレステロール濃度の算出には、測定値に3.で得られた見かけの希釈倍率の値を掛けて算出した。溶血補正後の総コレステロール濃度の算出には、3.で得られた補正後希釈倍率を用いて算出した。算出した結果を表1に示した。溶血補正を行わない場合には、溶血度に応じて測定値が低下してしまい、溶血度が高い場合は誤差が大きく基準範囲下限を下回ってしまうが、溶血度により希釈倍率を補正することによって、溶血度の影響を受けない結果が得られた。図4に、溶血補正有無での、溶血度に対するTC濃度の変化のプロットを示した。補正を行うことで、溶血度にかかわらず、TC濃度が変化しないことが分かる。
1.で用いた5種類の溶血度が異なるサンプルに含まれるナトリウムの測定には、7180形日立自動分析装置を用いて、上記のように調製したナトリウム測定試薬を使用して測定した。3.と同様に、溶血補正前のNa濃度の算出には、Na濃度測定値に、3.で用いた8.8倍の希釈倍率の値を掛けて算出した。算出した値(Na測定値)を表2に示した。算出したNa濃度は標準成分と同じ値になるべきであるが、溶血度に応じて血漿中のNa濃度が低い値となった。これは、溶血により血漿中のNa濃度が低下する結果を反映している。従って、溶血のない血漿中のNa濃度値(測定値が算出されない場合は、標準値)と、血漿と希釈液の混合液中でのNa濃度の測定値を用いて、以下の式のように、希釈倍率を求める場合には、溶血度に応じて、血漿と希釈液の混合液中のNa濃度測定値(B)が低くなるため、表2に示したように見かけの希釈倍率は高くなった。
溶血のない血漿中のNa濃度値及びNa濃度測定値(B)の単位は、mmol/Lである。
(溶血のない血漿中のNa濃度値)+
(ヘモグロビン測定濃度(U))×(希釈倍率)×0.0482
(式14中の0.0482は図3で求めた溶血度とNa量の傾きを表す)
補正Na濃度の単位は、mmol/Lである。
式15: 補正後希釈倍率 = 補正Na濃度/Na濃度測定値(B)
1.で用いた5つの溶血度が異なるサンプルを用いて、分析対象成分としてクレアチニン(CRE)を、7180形日立自動分析装置及びクレアチニン(CRE)測定試薬を用いて測定した。3.と同様に、溶血補正前のCRE濃度の算出には、測定値に5.で得られた見かけの希釈倍率の値を掛けて算出した。溶血補正後のCRE濃度の算出には、5.で得られた補正後希釈倍率を用いて算出した。算出した結果を表2に示した。溶血補正を行わない場合には、溶血度に応じて測定値が上昇してしまい、溶血度が高い場合は誤差が大きく基準範囲上限を上回ってしまうが、溶血度により希釈倍率を補正することによって、溶血度の影響を受けない結果が得られた。図5に、溶血補正有無での、溶血度に対するCRE濃度の変化のプロットを示した。補正を行うことで、溶血度にかかわらず、CRE濃度が変化しないことが分かる。
2 採血容器
3 筒体
4 キャップピストン
5 密閉蓋
6 キャップ
7 パッキン
8 螺子部
9 係止部
10 底部
11 脚部
12 スリット溝
13 希釈液
14 拡径部
15 薄肉部
16 本体部
18 縮径部
19 係止突起部
20 外鍔部
21 濾過膜
22 カバー
26 摘み部
27 心棒部
28 空間
29 下端部
31 段差部
33 上端部
34 頂部
Claims (5)
- 採取された血液検体を希釈液で希釈する工程と、
血液中に恒常的に存在する標準成分の標準値を用いて希釈倍率を決定する工程と、
血液検体中の分析対象成分の濃度を分析する工程と、
を含む、分析対象成分の濃度を測定する血液分析方法であって、
前記血液検体中の溶血量を測定し、
前記測定した溶血量に応じて前記希釈倍率を補正し、
前記補正した希釈倍率を用いて前記分析対象成分の濃度を分析し、
前記血液分析方法が、
血液検体を希釈するための希釈液と、
希釈された血液検体から血漿成分を回収するための分離手段と、
希釈された血液検体から回収された血漿成分を収容するための容器と、
を含む血液検査キットを用いることによって行われ、
前記希釈液が、血液中に存在しない標準成分を含み、前記血液検査キットが、前記の血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の分析対象成分濃度を分析するための血液検査キットである、血液分析方法。 - 前記血液検査キットを用いて、希釈された血液検体から血漿成分を回収し、回収した血漿成分中、恒常的に存在する前記標準成分を用いて、希釈された血液検体の希釈倍率を決定し、血液検体中の分析対象成分の濃度を分析する、請求項1に記載の血液分析方法。
- 前記希釈液が、血液中に存在しない標準成分を含み、前記血液検査キットが、前記の血液中に存在しない標準成分を用いて、希釈された血液検体の希釈倍率を決定し、血液検体中の分析対象成分濃度を分析する、請求項1又は2に記載の血液分析方法。
- 前記血液中に恒常的に存在する標準成分がナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、総タンパクおよびアルブミンから選択される少なくとも一つの物質である、請求項1から3の何れか一項に記載の血液分析方法。
- 血液検体を希釈するための希釈液と、
希釈された血液検体から血漿成分を回収するための分離手段と、
希釈された血液検体から回収された血漿成分を収容するための容器と、
を含む、請求項1から4の何れか一項に記載の血液分析方法において使用するための血液検査キットであって、
前記希釈液が、血液中に存在しない標準成分を含み、
前記の血液中に存在しない標準成分を用いて血液検体中の分析対象成分濃度を分析するための血液検査キットである、
血液検査キット。
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