JP6783647B2 - 伸縮性配線基板 - Google Patents

伸縮性配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP6783647B2
JP6783647B2 JP2016249831A JP2016249831A JP6783647B2 JP 6783647 B2 JP6783647 B2 JP 6783647B2 JP 2016249831 A JP2016249831 A JP 2016249831A JP 2016249831 A JP2016249831 A JP 2016249831A JP 6783647 B2 JP6783647 B2 JP 6783647B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
overhanging
wiring
elastic
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016249831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018107208A (ja
Inventor
岩瀬 雅之
雅之 岩瀬
敬三 外山
敬三 外山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Mektron KK
Original Assignee
Nippon Mektron KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mektron KK filed Critical Nippon Mektron KK
Priority to JP2016249831A priority Critical patent/JP6783647B2/ja
Publication of JP2018107208A publication Critical patent/JP2018107208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6783647B2 publication Critical patent/JP6783647B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

本発明は、伸縮性配線基板に関する。
近年、ウェアラブルデバイスやメディカルデバイスの市場では生体センサや生体情報モニタに対する関心が高まっている。たとえばスポーツ業界では、競技者の身体能力や技量をより向上させるため、身体動作を高精度に定量化することが試みられている。かかる場合、生体の動きを検知するウェアラブルな生体センサが適用されることがある。また医療業界では、疾病の治療や未病対策のために心電図や心拍数、血圧、体温といったバイタルサイン(生体情報)を検出することが試みられており、かかる場合には生体情報を検知する生体情報モニタを適用することがある。生体センサや生体情報モニタは一般に衣服や装具に設けられ、これらの衣服や装具を身につけることでセンシングやモニタが行われる。
しかしながら、人体が動くことで衣服や装具は身体から僅かにずれるため、衣服や装具に設けられた生体センサや生体情報モニタが生体の対象部位からずれてセンシング精度やモニタ精度が著しく低下するという問題がある。
上記の問題は、生体センサや生体情報モニタを人体に直接に貼り付けることで抑制される。そこで近年、面内方向に伸縮性を有する基材や配線を有する伸縮性(ストレッチャブル)エレクトロニクスと呼ばれる技術が検討され、人体の関節等の動きに追随して伸縮可能な配線基板が提案されている。また、生体センサや生体情報モニタを医療用途等で用いる場合には、感染症の防止の観点から、当該生体センサのうち、少なくとも生体に触れる部分や生体の近くで用いられる部分を使い捨てとすることが望まれている。
この種の伸縮性配線基板として、特許文献1には、伸縮性基材と導電性微粒子及びエラストマーを含む導電パターンとから構成されて基板全体が伸縮性を備える回路基板が記載されている。また特許文献2には、伸縮性基材よりもヤング率の大きい材料からなるアイランドを印刷法により薄膜形成して基材に埋め込んだ伸縮性配線基板が記載されている。アイランドには素子が実装され、アイランド同士は伸縮性の配線で接続されている。これにより、伸縮性基材が伸縮した際に、素子の破壊やアイランドと基材との境界を跨ぐ配線の断線を防止することができるとされている。
特開2014−236103号公報 特開2014−162124号公報
ところで、伸縮性配線基板に外部の機器との間で信号を入出力するための外部端子を設けることを本発明者は検討している。外部端子及び外部端子が取り付けられる非伸縮性基材は、外部の機器と接続されるため、伸縮性基材と異なる硬質の材料によって構成することが好ましい。このような構成において、外部端子を手に持って伸縮性配線基板を着脱すると、伸縮性基材に張力がかかって伸縮性基材上の配線が断線する恐れがある。
しかしながら、上記した特許文献1及び特許文献2は、いずれも基板あるいは配線自身に伸縮性を持たせることによって断線等を防ぐものであり、伸縮性の異なる部材間に形成された伸縮性配線に張力が加わった場合の断線について考慮したものではない。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、伸縮性の異なる二つの基材に亘って形成される伸縮性配線の断線を抑止することが可能な伸縮性配線基板を提供するものである。
本発明の一態様の伸縮性配線基板は、伸縮性を有する第1シート部材と、外部の機器と接続して用いられる外部端子を備えると共に、前記第1シート部材の一方の主面に重ねられ、前記第1シート部材よりも低い伸縮性を有する第2シート部材と、を備える伸縮性配線基板であって、前記伸縮性配線基板は、前記第1シート部材と前記第2シート部材とが平面視で重なっている重なり領域と、前記第1シート部材が前記第2シート部材と平面視で重なっていない伸縮性の非重なり領域と、前記外部端子と連続形成され、かつ前記重なり領域と前記非重なり領域とに亘って形成された配線と、を備え、前記重なり領域は前記非重なり領域の側に向かって張り出す張出領域を有し、少なくとも一本の前記配線が前記張出領域と異なる領域に形成されていることを特徴とする。
本発明の伸縮性配線基板は、伸縮性の異なる二つの基材に亘って形成される伸縮性配線の断線を抑止することが可能な伸縮性配線基板を提供することができる。
本発明の一実施形態の伸縮性配線基板の上面図である。 図1に示した伸縮性配線基板の一部を拡大して示した図である。 図1に示した伸縮性配線基板の製造工程を説明するための図である。 図3に続く、図1に示した伸縮性配線基板の製造工程を説明するための図である。 図4に続く、図1に示した伸縮性配線基板の製造工程を説明するための図である。 図5に続く、図1に示した伸縮性配線基板の製造工程を説明するための図である。 本実施形態の伸縮性配線基板に伸縮シートを設けた構成を示した図である。
以下、本発明の一実施形態の伸縮性配線基板1を説明する。
図1は、本実施形態の伸縮性配線基板1の上面図である。図2は、図1に示した伸縮性配線基板1の一部を拡大して示した図である。各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
なお、本明細書でいう「面」とは、幾何学的に完全な平面であることを要するものではなく、凹凸を有することを許容する。また、本明細書でいう「フィルム」とは、シートや膜状物等、一般的に厚みの薄い形状物を広く含む。即ち、シート、フィルムまたは膜状物等の称呼の違いにより個別の厚みの大小を規定するものではない。
また、本実施形態は、便宜上、以下の説明において図の下方側を下面側、上方側を上面側と呼称する場合がある。ただし、これは構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜的に規定するものであり、重力方向の上下とは必ずしも一致しない。
(伸縮性配線基板)
図1に示すように、伸縮性配線基板1は、伸縮性を有する第1シート部材である伸縮性基材20と、外部の機器と接続して用いられる外部端子13を備えると共に、伸縮性基材20の一方の主面に重ねられ、伸縮性基材20よりも低い伸縮性を有するフィルム基材10と、を備えている。また、伸縮性配線基板1は、伸縮性基材20とフィルム基材10とが平面視で重なっている重なり領域16と、伸縮性基材20がフィルム基材10と平面視で重なっていない伸縮性の非重なり領域26と、を有している。上面視において、本実施形態ではフィルム基材10の略全体が伸縮性基材20と重なっていて、重なり領域16はフィルム基材10と重なっているために符号10に(16)を付して示す。さらに、伸縮性配線基板1は、外部端子13と連続形成され、かつ、重なり領域16と非重なり領域26とに亘って形成された配線30を備えている。重なり領域16は、非重なり領域26の側に向かって張り出す張出領域17、19を有し、少なくとも一本の配線30が張出領域17、19と異なる領域に形成されている。
本実施形態では、伸縮性配線基板1の全体のX方向の長さ(伸縮性配線基板の長さ)をL、伸縮性配線基板1の重なり領域16の張出領域17、19を含む長さ(張出長さ)をA、非重なり領域26の張出間領域18を含まない長さをBとする。また、本実施形態では、伸縮性基材20のY方向の長さ(伸縮性基材の幅)をWとする。
上記構成において、「上面視」とは、伸縮性配線基板1を生体等に貼り付けて使用する場合、生体等に貼り付けられる側から見ることをいう。「主面」とは、薄板の面のうち端面よりもはるかに面積の大きい面を指す。薄板である以上、主面の裏面には同様の面積を有する面が存在し、本実施形態では、この裏面も「主面」とする。また、伸縮性配線基板1では、少なくとも一本の配線30が、張出領域17、19と異なる領域に形成されている。ここで、少なくとも一本の配線30は、本実施形態が断線抑止の対象とする配線であり、断線が許容される配線が張出領域17、19と重なって形成されていてもよい。
また、本実施形態において、張出領域17、19が「非重なり領域26の側に張り出す」とは、重なり領域16の一部が非重なり領域26の側に突出していることをいう。本実施形態では、重なり領域16が2つの張出領域17、19を備えていることから、張出領域17と張出領域19との間に重なり領域16が存在しない張出間領域18が形成される。張出間領域18は、非重なり領域26の一部である。
配線30は、フィルム基材10の外部端子13と連続するように形成されていて、重なり領域16の縁部15と交差する。ここで、「交差する」とは、直交することばかりでなく、配線30が縁部15と斜めに交わることも含む。つまり、「交差する」の文言は、配線30が重なり領域16と被重なり領域26とに亘って形成されることを示すものである。
伸縮性配線基板1に引っ張り応力が加わった際の断線は、伸縮性基材20が生体等の対象に貼り付けられたり、貼り直されたりする際にかかる張力によって発生し、張力は図1に示したX方向に最も強く作用すると考えられる。また、張力は、X方向ばかりでなく、Y方向及びZ軸方向にも生じる。伸縮性配線基板1が±X方向に引っ張られると、伸縮性配線基板1はこの方向に伸張するばかりでなく、面直方向にも撓み変形するからである。さらに、このような張力は、伸縮性の異なる部材の界面において特に強く作用する。このため、本実施形態は、伸縮性配線基板1の配線30のうち、特に重なり領域16と非重なり領域26との境界付近の配線30の断線を抑止することに着目している。
以下、上記した構成の各々について、順に説明する。
(フィルム基材)
フィルム基材10は、可撓性を有する部材であって、伸縮性基材20よりも大きなヤング率を有している。なお、本実施形態では、フィルム基材10は伸縮性基材20よりも伸縮性が低く、実質的に殆ど伸縮しない部材とする。フィルム基材10の材質は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)またはフッ素樹脂等の、低摺動性、耐食性かつ高強度の合成樹脂を用いることができる。このほか、フィルム基材10には、セルロースナノファイバーペーパー等相応の耐久性を備えた紙素材を用いてもよい。
フィルム基材10の厚みは、10μm以上200μm以下とすることができ、望ましくは25μm以上150μm以下であり、より望ましくは50μm以上100μm以下である。また、フィルム基材10の厚みは伸縮性基材20の厚みよりも厚くすることが好ましい。フィルム基材10の厚みを上記範囲とすることで、外部端子13が形成される領域の面内剛性を十分に高めることができるとともに、伸縮性配線基板1の全体の厚みを抑制することができる。
本実施形態の張出領域17及び張出領域19の縁部15は、円弧に沿う曲線を含んでいる。ここで、縁部15は、張出領域17、19を有するフィルム基材10の外周縁の全体を指す。前記したように、本実施形態では、張出領域17を張出領域19と離間して形成することによって張出領域17と張出領域19との間に張出間領域18が形成される。配線30の少なくとも一部は、張出間領域18に配置される。
このような構成によって得られる断線抑止の効果を以下に説明する。
伸縮性配線基板1のX方向の端部を持って張力を加えた場合、張力は伸縮性の低い(剛性の高い)張出領域17及び張出領域19の縁部151、152に強く作用することになる。このことから、本実施形態は、張出領域17、張出領域19に張力を逃し、この間に配線30を配置している。このような構成によれば、張力の作用が相対的に小さい張出間領域18に配線30を配置することができ、伸縮性配線基板1に張力が加わった際の配線30の断線を抑止することができる。
また、本実施形態は、フィルム基材10に張出領域17及び張出領域19を設けたことにより、図中のY方向に張力の強度分布が生じる。このため、本実施形態は、伸縮性配線基板1にかかった張力の各方向の成分を均等に近づけて、配線30の断線に寄与する成分を小さくすることができる。
なお、本実施形態は、上記したように、張出領域17及び張出領域19を設け、この間の張出間領域18に配線30を形成する構成に限定されるものではない。張出領域は、2つ設ける構成に限定されるものでなく、1つまたは3つ以上形成されるものであってもよい。また、張出領域は、伸縮性基材20の両端部に設けられることに限定されるものでなく、中央部分を含んで形成されるものであってもよい。また、この際、配線30は、伸縮性基材20の中央に配置されることに限定されず、張出領域の位置に対応して任意の位置に配置することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、重なり領域16と非重なり領域26とがX方向に並んで配置された構成において、張出領域17の縁部15と張出間領域18の縁部との最大距離d1が、張出領域17の縁部15と配線30との最小距離d2よりも大きくなっている。また、本実施形態では、張出領域19の縁部15と張出間領域18の縁部との最大距離d3が、張出領域19の縁部15と配線30との最小距離d4よりも大きくなっている。
つまり、本実施形態では、縁部15が、張出領域17の縁部151、張出領域19の縁部152及び張出間領域18の縁部181を含んでいる。張出領域17の縁部15と張出間領域18の縁部との距離のうちの最大距離は、張出間領域18の縁部181と張出領域17の縁部151の非重なり領域26の側に向かう突端部分との距離d1である。また、張出領域17の縁部15と配線30との距離のうちの最小距離は、張出領域17の縁部15と、複数の配線30のうち最も張出領域17に近い位置にある配線30との距離d2である。同様に、張出領域19の縁部15と張出間領域18の縁部との距離のうちの最大距離は、張出間領域18の縁部181と張出領域19の縁部152の非重なり領域26の側に向かう突端部分との距離d3である。また、張出領域19の縁部15と配線30との距離のうちの最小距離は、張出領域19の縁部15と、複数の配線30のうち最も張出領域19に近い位置にある配線30との距離d4である。図2に示した例では、d1、d3を例えば5mm以上、25mm以下とすることができる。
上記条件は、張力が強く作用する張出領域17、張出領域19から配線30を充分離し、配線30に張出領域17、19界面に作用する張力の影響が及ばないようにして断線を防ぐ効果を奏する。
さらに、本実施形態は、図1に示すように、張出領域17及び張出領域19の縁部15が、張出間領域18の両側に円弧(円弧を含む円Rを図中に破線で示す)に沿う曲線182、183を含んでいる。このうち、曲線183は、重なり領域16の突端部に形成される曲線である。曲線182は、非重なり領域26の重なり領域16の側に向かう突端部を形成する曲線である。このような構成は、張出領域17、張出領域19の伸縮性基材20の側に張出すカーブ、及び張出間領域18の重なり領域16の側に張出すカーブが、所謂「R」を有することを表している。縁部15の曲率半径の規模は円弧を有する円の半径によって規定され、本実施形態の縁部15の曲率半径は、例えば2mm以上、5mm以下が好ましい。
縁部15には、法線方向に張力が作用する。このため、曲線182、183を設けることにより、本実施形態は、張出領域17、張出領域19の縁部15にかかる張力の断線に係る成分を少なくすることができる。
(伸縮性基材)
伸縮性基材20は、フィルム基材10よりも高い伸縮性を有している。伸縮性基材20を構成する好ましい素材としては、ニトリルゴム、ラテックスゴム、ウレタン系エラストマー等のエラストマー材料を挙げることができるが、これに限定されない。特に、医療用に用いられるウレタン系エラストマーシートを用いることで、人体の皮膚に貼り付けた場合でも高い安全性を得ることができる。
伸縮性基材20の厚みは特に限定されないが、伸縮性配線基板1を適用する対象物(対象面)の伸縮の動きを阻害しないという観点からは、たとえば、厚みは100μm以下であることが好ましい。伸縮性基材20の厚みは、より望ましくは25μm以下であり、更に望ましくは10μm以下である。
伸縮性基材20は、最大伸び率が、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、100%以上であることがさらに好ましく、200%以上であることが特に好ましい。上述する素材からなる伸縮性基材20であれば、たとえば、最大伸び率300%以上を発揮することが可能である。ここで伸縮性基材20の最大伸び率とは、面内方向の一方向に弾性変形可能な伸び率の最大値のことをいう。
なお、本明細書において伸び率とは、外力が付加されていない場合の寸法(伸び率0%寸法)に対し、力が加えられることで面内方向の一方向に伸びた割合を意味する。たとえば伸び率50%であれば伸び率0%寸法の1.5倍の伸び率であり、伸び率100%であれば伸び率0%寸法の2倍の伸び率である。
(配線)
外部端子13は、複数の端子部によって構成されている。本実施形態では、端子部は複数の配線30と1対1に対応して直接接続されている。端子部と配線30との接合は、例えば、ラミネート接続や加圧プレスによって行われる。
配線30の厚み寸法及び幅寸法は、配線30の無負荷時の伸縮性基材20の伸張時の抵抗変化のほか、伸縮性配線基板1の全体の厚み寸法及び幅寸法の制約に基づいて決定することができる。伸縮性基材20の伸張時の寸法変化に追従させて良好な伸縮性を確保するという観点からは、配線30の幅寸法は、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。各配線30の厚み寸法は、25μm以下とすることができ、望ましくは10μm以上15μm以下である。
本実施形態では、配線30が主に張力がかかるX方向に延伸している。このため、伸縮性基材20が伸びて伸縮性基材20上の配線30に僅かな亀裂が入った場合、この亀裂が直ちに断線につながりやすい。このため、本実施形態では、X方向に延伸する配線30を断線抑止の保護対象とし、張出領域17、19の間に配置している。伸縮性配線基板1は、配線30以外の配線を備えるものであってもよく、この配線は、その用途等に応じて張出領域17、19と重なるように配置されるものであってもよい。
(製造プロセス)
次に、上記した伸縮性配線基板1の製造プロセスを簡単に説明する。図3から図6は、伸縮性配線基板1の製造プロセスを説明するための図であって、図1中の矢線C−Cに沿う伸縮性配線基板1の断面図である。なお、図3から図6は、伸縮性配線基板1の製造プロセスを説明するための模式図であって、その寸法形状や縦横比を正確に表したものではない。
本実施形態では、先ず、図3(a)に示す伸縮性基材20を用意する。図3(a)に示した伸縮性基材20は、樹脂フィルムや紙製のセパレータ20a上に貼付されている。図3(a)に示した伸縮性基材20上には、伸縮性を有する配線30が形成される。本実施形態の配線30は、両端部に中央部に比べて厚い部分となる電極31、32が形成される。電極31は、後述するように外部端子13と接続される端子となり、電極32は、後述するように伸縮性配線基板1に電気信号を入力する電極と接続される。
配線30は、導電材料を含んで構成されており導電性を有する。配線30を構成する導電材料としては、銀、金、白金、カーボン、銅、アルミニウム、コバルトもしくはニッケル、またはこれらの合金等の導電性の良好な材料を選択することができる。導電材料の形状は特に限定されないが、顆粒または粉体等の粒子状とすることができる。粒子形状は特に限定されず、球状、針状、フレーク状、ナノワイヤ状等とすることができる。
配線30は、さらに樹脂バインダを含むことが好ましい。すなわち、本実施形態の配線30は、樹脂材料に導電性粒子が分散して配合された導電性材料で形成されている。配線30が樹脂バインダを含むことにより、伸縮性基材20の伸縮によって配線30が破断することが抑制される。樹脂バインダとしては、たとえばウレタン樹脂バインダ等の熱可塑性のエラストマー材料を挙げることができるが、これに限定されない。樹脂バインダとしては、塗膜化された状態における配線30の弾性率が伸縮性基材20の弾性率に比して同等か、またはより小さくなるように低ヤング率のものを選定することが望ましい。エラストマー材料は一種類で用いてもよく、または複数種類のエラストマー材料を混合して用いてもよい。
配線30の形成方法は特に限定されないが、たとえば印刷法により形成することができる。すなわち、本実施形態の配線30は、伸縮性を有する導電性ペーストを印刷塗布して形成された印刷パターンである。このような印刷パターンは、導電性ペーストの塗布後、導電性ペーストを所定の時間加熱されて乾燥、固化する工程を経て形成される。
具体的な印刷法は特に限定されないが、たとえば、スクリーン印刷方法、インクジェット印刷方法、グラビア印刷方法、オフセット印刷方法等を例示することができる。このうち、微細解像性や厚膜安定性の観点から、スクリーン印刷が好適に用いられる。
また、印刷法で配線30を形成する場合、上述した導電性粒子及び樹脂バインダならびに有機溶剤を含む導電性ペーストを調製して印刷法に供するとよい。配線30に、銀等の金属粒子を主成分とする伸縮性の導電性ペーストを用いることによって、たとえば50%以上70%以下程度の伸び率を実現することができ、伸長特性に優れた配線の形成が可能となる。
図3(a)、図3(b)に示した工程と平行して、本実施形態では、図3(c)に示したように、フィルム基材10を準備する。図3(c)に示したフィルム基材10には、易接着層10aが形成されている。易接着層10aは、伸縮性基材20と同一の材料を塗布して形成された薄膜である。図3(d)に示すように、易接着層10aの塗布面には、図1、図2に示した複数の外部端子13が形成される。外部端子13の各々は、カーボンペースト等の耐摩耗性かつ導電性の被膜を積層して作成することができる。カーボンペーストの積層は、例えば、印刷法によって行うことができる。印刷法では、各外部端子13のパターンに合わせて導電性部材を含むカーボンペーストをフィルム基材10に塗布した後、所定の温度、時間で乾燥または硬化させ、固化する。カーボンペーストは非金属性のカーボンを導電性粒子として用いるためイオンマイグレーションの抑制や耐摩耗性の向上が期待できる。
次に、本実施形態では、図4(e)に示すように、伸縮性カバー40を用意する。図4(e)に示した伸縮性カバー40は、樹脂フィルムや紙製のセパレータ40aに貼付されている。セパレータ40aに貼付された状態の伸縮性カバー40には、図4(f)のように、開口部45が開口される。開口部45は、配線30の電極32が、例えば生体等の外部と電気的なコンタクトをとるために形成される開口部である。伸縮性カバー40及びセパレータ40aは、図(b)に示した状態の伸縮性基材20と位置合わせされた後、図4(g)に示したように、ラミネート処理によって貼り合わされる。なお、本実施形態のラミネート処理は、伸縮性カバー40と伸縮性基材20とを加熱及び加圧、圧着することによって融着する処理を指す。
図5(h)は、ラミネート処理後の伸縮性基材20と伸縮性カバー40とを示す図である。伸縮性カバー40は、ラミネート処理されたことによって軟化すると共に配線30に密着し、配線30と電極32との段差に沿って段差を生じている。図5(h)に示した伸縮性カバー40からセパレータ40aを剥離すると、図5(i)の状態の伸縮性基材20及び伸縮性カバー40が得られる。
次に、本実施形態は、図5(i)に示した状態の伸縮性基材20及び伸縮性カバー40に対し、図3(a)に示した外部端子13が形成されたフィルム基材10を、図5(j)のように位置合わせする。そして、伸縮性カバー40上から外部端子13及びフィルム基材10を伸縮性基材20に対してラミネート処理をする。ラミネート処理により、図6(k)のように、フィルム基材10の下面で電極31の導電性ペースト等及び伸縮性基材20及び易接着層10aが伸縮性基材20とフィルム基材10との間に入り込む。伸縮性配線基板1の使用時、伸縮性基材20からセパレータ20aを剥離すると、伸縮性配線基板1は、図6(l)に示す状態になる。
以上の処理によって形成された本実施形態の伸縮性配線基板1は、フィルム基材10に張出領域17及び張出領域19を形成したので、伸縮性配線基板1の着脱において張力が加わった場合にも、配線30の断線が起こり難い。
ところで、配線30の断線は、例えば、フィルム基材10及び伸縮性基材20にかけて伸縮性配線基板1の伸縮を調整する伸縮シート(伸縮補材)をラミネート処理によって貼り合せることで抑止することができる。しかし、本実施形態の伸縮性配線基板1に使用される各シートは、樹脂フィルムや紙製のセパレータに貼付されているために一度にラミネート処理することができず、シート毎にラミネート処理することが必要になる。ラミネート処理は、伸縮性配線基板1の製造工程において比較的時間を有する処理であって、この処理が製造のスループットの低下を招く可能性がある。
しかし、本実施形態は、以上説明したように、伸縮シート(伸縮補材)のラミネート処理を行うことなく配線30の断線を抑止することができる。このような本実施形態は、配線30の断線抑止と伸縮性配線基板1の製造プロセスのスループット向上を両立することができるものといえる。ただし、さらなる張力の緩和が必要である場合、以上説明した本実施形態の伸縮性配線基板1に、さらに伸縮シート(伸縮補材)を貼付する工程を追加してもよい。
図7は、図6に示した伸縮性配線基板1に、伸縮シート46を設けた状態を示す図である。
以上説明した伸縮性配線基板1は、生体センサシートとして好適に利用することができる。特に、このような生体センサシートは、伸縮性基材20が伸縮性を有するために生体に取り付けた場合にも生体が感じる煩わしさや苦痛を少なくすることができる。また、生体センサシートの配線30を印刷等によって形成した伸縮性配線とすることによって生体センサシートが取り付けられた生体の動作が配線によって妨げられることがない。このため、生体センサシートは、生体にストレスを与えることが少なく、生体の日常的な状態の情報を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、伸縮性配線基板1には、人体の表面に伸縮性配線基板1を貼り付けるための貼付層(図示せず)を設けてもよい。貼付層は、伸縮性配線基板1の用途により、伸縮性配線基板1の上面側に設けてもよく、または下面側に設けてもよい。貼付層はゲル剤や粘着剤により作成することができる。
本発明の伸縮性配線基板1の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。特に、フィルム基材10の張出領域19、17は、フィルム基材10と一体的に形成されるものに限定されず、別部材としてフィルム基材10から突出するように設けられるものであってもよい。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)伸縮性を有する第1シート部材と、外部の機器と接続して用いられる外部端子を備えると共に、前記第1シート部材の一方の主面に重ねられ、前記第1シート部材よりも低い伸縮性を有する第2シート部材と、を備える伸縮性配線基板であって、前記伸縮性配線基板は、前記第1シート部材と前記第2シート部材とが平面視で重なっている重なり領域と、前記第1シート部材が前記第2シート部材と平面視で重なっていない伸縮性の非重なり領域と、前記外部端子と連続形成され、かつ前記重なり領域と前記非重なり領域とに亘って形成された配線と、を備え、前記重なり領域は前記非重なり領域の側に向かって張り出す張出領域を有し、少なくとも一本の前記配線が前記張出領域と異なる領域に形成されていることを特徴とする伸縮性配線基板。
(2)前記張出領域の縁部は、円弧に沿う曲線を含む、(1)の伸縮性配線基板。
(3)前記張出領域は、第1張出領域及び前記第1張出領域と離間して形成される第2張出領域を有し、前記少なくとも一本の前記配線は、前記第1張出領域と前記第2張出領域の間の張出間領域に配置される、(1)または(2)の伸縮性配線基板。
(4)前記第1張出領域及び前記第2張出領域の縁部は、前記張出間領域の両端に円弧に沿う曲線を含む、(3)の伸縮性配線基板。
(5)前記第1張出領域の縁部と前記張出間領域の縁部との最大距離は前記第1張出領域の縁部と前記配線との最小距離よりも大きい、または、前記第2張出領域の縁部と前記張出間領域の縁部との最大距離は前記第2張出領域の縁部と前記配線との最小距離よりも大きい、(3)または(4)の伸縮性配線基板。
1・・・伸縮性配線基板
10・・・フィルム基材
10a・・・易接着層
13・・・外部端子
15,151,152,181・・・縁部
16・・・重なり領域
17、19・・・張出領域
18・・・張出間領域
20・・・伸縮性基材
20a,40a・・・セパレータ
26・・・非重なり領域
30・・・配線
31、32・・・電極
40・・・伸縮性カバー
45・・・開口部
70・・・生体電極
182,183・・・曲線

Claims (2)

  1. 伸縮性を有するエラストマー材料の第1シート部材と、
    外部の機器と接続して用いられる外部端子を備えると共に、前記第1シート部材の一方の主面に重ねられ、前記第1シート部材よりも低い伸縮性を有する第2シート部材と、を備える伸縮性配線基板であって、
    前記伸縮性配線基板は、
    前記第1シート部材と前記第2シート部材とが平面視で重なっている重なり領域と、
    前記第1シート部材が前記第2シート部材と平面視で重なっていない伸縮性の非重なり領域と、
    前記外部端子と連続形成され、かつ前記重なり領域と前記非重なり領域とに亘って形成された配線と、を備え、
    前記重なり領域は前記非重なり領域の側に向かって張り出す張出領域を有し、少なくとも一本の前記配線が前記張出領域と異なる領域に形成されていて、
    前記張出領域は、第1張出領域及び前記第1張出領域と離間して形成される第2張出領域を有し、前記少なくとも一本の前記配線は、前記第1張出領域と前記第2張出領域の間の張出間領域に配置され、
    前記第1張出領域及び前記第2張出領域の縁部は、前記重なり領域の突端部に前記張出間領域の側に向かって形成される円弧に沿う曲線を含む、伸縮性配線基板。
  2. 前記第1張出領域の縁部と前記張出間領域の縁部との最大距離は前記第1張出領域の縁部と前記配線との最小距離よりも大きい、または、前記第2張出領域の縁部と前記張出間領域の縁部との最大距離は前記第2張出領域の縁部と前記配線との最小距離よりも大きい、請求項1に記載の伸縮性配線基板。
JP2016249831A 2016-12-22 2016-12-22 伸縮性配線基板 Active JP6783647B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249831A JP6783647B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 伸縮性配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249831A JP6783647B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 伸縮性配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018107208A JP2018107208A (ja) 2018-07-05
JP6783647B2 true JP6783647B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=62787558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016249831A Active JP6783647B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 伸縮性配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6783647B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210087476A (ko) * 2018-10-31 2021-07-12 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 배선 기판 및 배선 기판의 제조 방법
JP6977894B2 (ja) 2018-12-27 2021-12-08 株式会社村田製作所 伸縮性配線基板

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01157588A (ja) * 1987-12-15 1989-06-20 Fuji Photo Film Co Ltd フレキシブルプリント基板
JPH06152077A (ja) * 1992-11-13 1994-05-31 Sony Corp フレキシブル回路基板
JPH0818174A (ja) * 1994-07-04 1996-01-19 Canon Inc フレキシブルプリント基板
JP2005191162A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Hitachi Ltd リジットフレキシブル配線基板、及びそれを使用した電子機器
JP4407471B2 (ja) * 2004-10-29 2010-02-03 パナソニック株式会社 フレキシブル配線基板とそれを用いた電子機器およびその製造方法
JP2007121921A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Sony Corp 光通信モジュール及び光通信装置
JP2007165490A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Nitto Denko Corp 補強板付き配線回路基板
JP2008090112A (ja) * 2006-10-04 2008-04-17 Seiko Epson Corp フレキシブル基板及びこれを備えた電気光学装置、並びに電子機器
JP2012089710A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Toshiba Corp 電子機器およびフレキシブルプリント配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018107208A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6793510B2 (ja) 伸縮性配線基板及び伸縮性配線基板の製造方法
JP6506653B2 (ja) 伸縮性配線基板
JP6488189B2 (ja) 伸縮性配線基板
JP6676373B2 (ja) 伸縮性配線基板および伸縮性配線基板の製造方法
US9961766B2 (en) Stretchable circuit board and method for manufacturing stretchable circuit board
JP6982959B2 (ja) 伸縮基板モジュール、伸縮性配線基板及びそれらの製造方法
US11264145B2 (en) Extensible electroconductive wiring material, and extensible electroconductive wiring module having same
JP6836362B2 (ja) 伸縮性配線基板の製造方法及び伸縮性配線基板
JP6972523B2 (ja) 電子機器
US10076025B2 (en) Stretchable circuit board and method for manufacturing the same
JP2016145725A (ja) 導電性伸縮基板および歪センサ
US10595402B2 (en) Stretchable circuit board and stretchable circuit board manufacturing method
JP6783647B2 (ja) 伸縮性配線基板
CN111493817B (zh) 具延展性的柔性感测装置
JP6691474B2 (ja) 伸縮性配線基板及び伸縮性基板の製造方法
WO2018051717A1 (ja) 電極シート
JP6779523B2 (ja) フレキシブルデバイス
JP2017022173A (ja) 伸縮性導電基板及び伸縮性導電積層体
JP7451832B1 (ja) 伸縮性配線基板、及び、粘着材
US11006882B2 (en) Medical sensor
WO2024004590A1 (ja) 伸縮性デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6783647

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250