以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、太陽光発電システム100の第1構成例を示すブロック図である。太陽光発電システム100は、たとえば単相三線の通電路Pを介して商用電力系統CS及び電力負荷系統LSと電気的に接続される電力制御システムである。この太陽光発電システム100では、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとによる系統連系運転が可能である。また、太陽光発電システム100では、発電した電力を直流から交流に変換し、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流(出力)して、該電力を電力会社に売電することも可能となっている。なお、以下では、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流されて売電される電力を逆潮流電力と呼び、逆潮流電力及びその電力値をWCで表す。また、商用電力系統CSから買電されて通電路Pに出力される電力を受電電力と呼ぶ。
通電路Pは第1通電路Pa及び第2通電路Pbを含んで構成されている。第1通電路Paは太陽光発電システム100のパワーコンディショナ3に接続されている。なお、以下では、パワーコンディショナ3をPCS(Power Conditioning System)3と呼ぶ。
第2通電路Pbは商用電力系統CSに接続されている。この第2通電路Pbには、電力量計Mが設けられている。電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて電力が流れる方向、その電力量及び電力値を検知する電力検知器であり、その検知結果を示す検知信号をPCS3に出力する。たとえば、電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて太陽光発電システム100から商用電力系統CSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSに売電していることと逆潮流電力の電力量及び電力値とを検知する。また、電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて商用電力系統CSから太陽光発電システム100及び/又は電力負荷系統LSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSから買電していることと受電電力の電力量及び電力値とを検知する。
また、第1通電路Pa及び第2通電路Pb間には、電力負荷系統LSが接続されている。この電力負荷系統LSは、たとえば家庭内の電化製品、工場の設備装置などの負荷機器であり、第1通電路Pa及び/又は第2通電路Pbから供給される電力を消費する。なお、以下では、電力負荷系統LSに供給されて消費される電力を消費電力と呼び、消費電力及びその電力値をWLで表す。
次に、太陽電池ストリング1は、直列接続された複数の太陽電池モジュールを含む発電装置であり、太陽光を受けて発電し、発電した直流電力をPCS3に出力する。以下では、太陽電池ストリング1からPCS3に出力される電力を発電電力と呼び、発電電力及びその電力値をWgで表す。なお、太陽光発電システム100に設けられる太陽電池ストリング1の数は、図1の例示に限定されず、複数であってもよい。たとえば、互いに並列接続される複数の太陽電池ストリング1がPCS3(後述するDC/DCコンバータ31)に接続されていてもよい。この場合、各太陽電池ストリング1は、太陽電池ストリング1に逆電流が流れることを防止する逆流防止装置を介してPCS3に接続されていてもよい。また、太陽電池ストリング1は、1の太陽電池モジュールを含む構成であってもよい。
蓄電装置2は、繰り返し充放電可能な充放電機能を有する。たとえば蓄電装置2は、PCS3から供給される直流電力を充電でき、その蓄電量waに応じた直流電力をPCS3に放電することもできる。以下では、充電の際にPCS3から蓄電装置2に供給される電力を充電電力と呼び、放電の際に蓄電装置2からPCS3に出力される電力を放電電力と呼ぶ。また、放電電力及びその電力値をWdで表す。なお、蓄電装置2の構成は特に限定しない。たとえば、蓄電装置2はリチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、及び鉛電池などの二次電池を含んでいてもよい。或いは、蓄電装置2は電気二重層キャパシタなどを含んでいてもよい。また、蓄電装置2の数は、図1の例示に限定されず、複数であってもよい。
この蓄電装置2は、入出力電力検知部21を有している。入出力電力検知部21は、蓄電装置2の充放電動作(充電、放電、充放電停止)及びその状態を検知する。たとえば、入出力電力検知部21は、蓄電装置2の充電動作及び充電電力の電力値、放電動作及び放電電力Wdの電力値、充放電動作の停止などを検知する。これらの検知結果は、状態通知信号により蓄電装置2からPCS3に出力される。なお、蓄電装置2の充放電動作及びその状態の検知方法は、特に限定されない。たとえば、入出力電力検知部21は、蓄電装置2に対して入出力する電流の変化から検知してもよい。この場合、入出力電力検知部21は、第3通電路Pc及び蓄電装置2間にて電流が流れる方向に基づいて蓄電装置2の充放電動作を検知する。そして、入出力電力検知部21は、該電流の値の変化及び蓄電装置2の公称電圧などを用いて充電電力又は放電電力Wdの電力値を検知できる。
PCS3は、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとの間に設けられる電力制御装置である。PCS3は、通常時には、たとえばMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御により、発電電力Wgが最大となるように太陽電池ストリング1の動作電圧(動作点)を制御する。但し、PCS3は、太陽電池ストリング1での発電量を制限する必要がある場合、太陽電池ストリング1の動作電圧を最大出力動作電圧からずれた値に設定して、その発電電力Wgを調整する。このほか、PCS3は、蓄電装置2の充放電機能を制御することもできる。たとえばPCS3は、蓄電装置2に充電電力を供給して充電させたり、蓄電装置2を放電させて放電電力Wdの供給を受けたりする。
このPCS3は、DC/DCコンバータ31と、双方向インバータ32と、双方向DC/DCコンバータ33と、平滑コンデンサ34と、通信部35と、記憶部36と、制御部37と、を有する。DC/DCコンバータ31、双方向インバータ32、及び双方向DC/DCコンバータ33はバスラインBLを介して相互に接続されている。
DC/DCコンバータ31は、太陽電池ストリング1及びバスラインBL間に設けられ、太陽電池ストリング1の発電電力Wgを所定の電圧値の直流電力に変換してバスラインBLに出力する。また、DC/DCコンバータ31は太陽電池ストリング1に逆電流が流れることを防止する逆流防止装置としても機能している。なお、複数の太陽電池ストリング1がPCS3に接続される場合、各太陽電池ストリング1は、図2Aのように並列接続された複数の逆流防止装置11を含む接続箱12を介してPCS3のDC/DCコンバータ31に接続されていてもよい。或いは、図2Bのように、PCS3が互いに並列接続された複数のDC/DCコンバータ31を備え、各太陽電池ストリング1は各DC/DCコンバータ31にそれぞれ接続されていてもよい。
双方向インバータ32は、制御部37により制御される電力変換部であり、バスラインBL及び第1通電路Pa間に設けられている。双方向インバータ32は、PWM(Pulse Width Modulation)制御又はPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御などによって、図1に示すような双方向の電力変換を行うことができる。たとえば、双方向インバータ32は、第1通電路Paから入力される交流電力を直流電力にAC/DC変換してバスラインBLに出力することができる。また、双方向インバータ32は、バスラインBLから入力される直流電力(発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdのうちの少なくとも一方)を商用電力系統CS及び電力負荷系統LSの電力規格に応じた交流周波数の交流電力にDC/AC変換して第1通電路Paに出力することができる。なお、以下では、双方向インバータ32が第1通電路Paから入力される電力を電力変換してバスラインBLに出力することを順変換方向aの電力変換と呼ぶ。さらに、順変換方向aの電力変換を順変換と呼び、順変換する電力の電力変換量を順変換量と呼ぶ。また、双方向インバータ32がバスラインBLから入力される電力を電力変換して第1通電路Paに出力することを逆変換方向bの電力変換と呼ぶ。さらに、逆変換方向bの電力変換を逆変換と呼び、逆変換する電力の電力変換量を逆変換量と呼ぶ。
双方向DC/DCコンバータ33は、制御部37により制御される充放電電力変換部であり、バスラインBL及び蓄電装置2間に設けられている。双方向DC/DCコンバータ33は、バスラインBLから入力される直流電力を蓄電装置2に適した直流の充電電力にDC/DC変換して蓄電装置2に出力することができる。また、双方向DC/DCコンバータ33は、蓄電装置2の放電電力Wdを双方向インバータ32の仕様に応じた電力にDC/DC変換してバスラインBLに出力することもできる。なお、以下では、双方向DC/DCコンバータ33がバスラインBLから入力される電力を電力変換して蓄電装置2に出力することを充電方向Aの電力変換と呼ぶ。さらに、充電方向Aの電力変換を充電変換と呼び、充電変換する電力の電力変換量を充電変換量と呼ぶ。また、双方向DC/DCコンバータ33が蓄電装置2の放電電力Wdを電力変換してバスラインBLに出力することを放電方向Bの電力変換と呼ぶ。さらに、放電方向Bの電力変換を放電変換と呼び、放電変換する電力の電力変換量を放電変換量と呼ぶ。
平滑コンデンサ34は、バスラインBLに接続され、バスラインBLを流れる電力のバス電圧値の変動を除去又は軽減する。
通信部35は、コントローラ4と無線通信又は有線通信する通信インターフェースである。
記憶部36は、電力を供給しなくても格納された情報を非一時的に保持する記憶媒体である。記憶部36は、PCS3の各構成要素(特に制御部37)で用いられる制御情報及びプログラムなどを格納している。たとえば、記憶部36は、後述する上限設定値WSの設定情報などを格納している。この上限設定値WSは、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流できる逆潮流電力WCの上限を示す設定値である。上限設定値WSは、たとえば、太陽光発電システム100を構築する際、又は太陽光発電システム10の稼働期間中において電力供給事業者から指定される値に設定される。また、上限設定値WSはユーザ入力に応じて任意のタイミングで適宜設定することが可能であってもよい。
制御部37は、記憶部36に格納された制御情報及びプログラムなどを用いて、PCS3の各構成要素を制御する。制御部37は機能的要素として電力監視部371、蓄電監視部372、変換制御部373、タイマ374、及び電力判定部375を有している。
電力監視部371は第2通電路Pbを流れる電力(逆潮流電力WC、受電電力)を監視する。たとえば電力監視部371は、電力量計Mから出力される検知信号に基づいて第2通電路Pbにおいて電力が流れる方向、その電力量及び電力値などを検知する。
蓄電監視部372は蓄電装置2の状態を監視する。たとえば、蓄電監視部372は蓄電装置2から出力される状態通知信号に基づいて蓄電装置2の状態を検知する。なお、この蓄電装置2の状態は、蓄電容量wr、蓄電量wa、充放電動作の状態(たとえば、充電動作及び充電電力の電力値、放電動作及び放電電力Wdの電力値、充放電動作の停止)などを含む。
変換制御部373は、双方向インバータ32及び双方向DC/DCコンバータ33を制御し、特にこれらの電力変換方向及び電力変換動作などを制御する。また、変換制御部373は、蓄電装置2の充放電機能を制御する充放電制御部としても機能する。たとえば、変換制御部373は、太陽光発電システム100の状態(売電、買電、電力の自家消費、及びこれらの電力値など)、蓄電装置2の状態、及びユーザ入力などに基づいて、双方向インバータ32及び双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作を検知するとともに、該電力変換動作の制御を行う。なお、電力変換動作の制御は、電力変換方向の切り替え、電力変換量の調節、及び電力変換停止などを含む。変換制御部373は、これらの電力変換動作を制御することによって、蓄電装置2の充放電機能を制御する。
タイマ374は、計時部であり、現在時刻を計時したり所定の時点から現時点までの経過時間を計時したりする。
電力判定部375は、電力量計Mの検知結果及び蓄電装置2の状態などに基づく様々な判定を行う。たとえば、電力判定部375は、電力量計Mの検知結果に基づいて、逆潮流電力WCが所定の閾値(上限設定値WSなど)に達するか否かを判定したり、PCS3から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されているか否かを判定したりする。
次に、コントローラ4について説明する。コントローラ4は、表示部41と、入力部42と、通信部43と、制御部44と、を備えている。表示部41はディスプレイ(不図示)に太陽光発電システム100に関する情報などを表示する。入力部42は、ユーザ入力を受け付け、該ユーザ入力に応じた入力信号を制御部44に出力する。通信部43は、PCS3と無線通信又は有線通信する通信インターフェースである。通信部43は、たとえば、入力部42が受け付けたユーザ入力に関する情報などをPCS3に送信する。制御部44は、情報を非一時的に保持するメモリ(不図示)に格納された制御情報及びプログラムなどを用いて、コントローラ4の各構成要素を制御する。
次に、太陽光発電システム100の電力制御方法について説明する。図3は、第1実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。なお、図3において、売電の場合、双方向インバータ32は逆変換方向bに設定される。これは、後述する他の図(たとえば図7、図9、及び図11)でも同様である。
まず、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電されているか否かが判定される(S101)。売電されていると判定されない場合(S101でNO)、処理は後述するS140に進む。売電されていると判定される場合(S101でYES)、双方向DC/DCコンバータ33が充電方向Aに設定されているか否かが判定される(S110)。充電方向Aに設定されていると判定されない場合(S110でNO)、処理は後述するS120に進む。
充電方向Aに設定されていると判定される場合(S110でYES)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S111)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S111でYES)、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させる(S112)。そのため、発電電力Wgのうち、蓄電装置2に供給される充電電力は多くなり、第1通電路Paに出力される電力は少なくなる。そして、処理はS101に戻る。
逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S111でNO)、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量が0であるか否かが判定される(S113)。充電変換量が0であると判定される場合(S113でYES)、双方向DC/DCコンバータ33は放電方向Bに設定される(S114)。そのため、蓄電装置2は放電動作を開始して放電電力Wdを出力する。この放電電力Wdは、バスラインBLに出力され、発電電力Wgとともに双方向インバータ32で逆変換されて第1通電路Paに出力される。そして、処理はS101に戻る。
また、充電変換量が0であると判定されない場合(S113でNO)、逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を低減する(S115)。そのため、発電電力Wgのうち、蓄電装置2に供給される充電電力は少なくなり、第1通電路Paに出力される電力は多くなる。そして、処理はS101に戻る。
次に、S110がNOの場合(売電の際に充電方向Aに設定されていると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33が放電方向Bに設定されているか否かが判定される(S120)。放電方向Bに設定されていると判定されない場合(S120でNO)、処理は後述するS130に進む。
放電方向Bに設定されていると判定される場合(S120でYES)、蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される(S122)。wa≦wyであると判定される場合(S122でYES)、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作は停止される(S123)。そのため、蓄電装置2は充電動作も放電動作もしなくなる。そして、処理はS101に戻る。なお、下限値wyは、蓄電装置2の蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)であることを示す値である。下限値wyは、0以上蓄電容量wr未満の範囲内(0≦wy<wr)で設定されるが、0<wy<wrで設定されることがより好ましい。蓄電装置2の蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作を行うと、蓄電装置2の充放電機能が劣化し易い。従って、このような場合に蓄電装置2が放電しないようにすれば、充放電機能の劣化を抑制又は防止できる。
また、wa≦wyであると判定されない場合(S122でNO)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S124)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S124でYES)、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を低減する(S125)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは減少する。そして、処理はS101に戻る。
また、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S124でNO)、逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を増加させる(S126)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは増加する。そして、処理はS101に戻る。
次に、S120がNOの場合(売電の際に放電方向Bに設定されていると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33は電力変換動作を停止している。この場合、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S130)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S130でNO)、処理は後述するS140に進む。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S130でYES)、双方向DC/DCコンバータ33が充電方向Aに設定される(S131)。そのため、蓄電装置2は充電動作を開始して双方向DC/DCコンバータ33から供給される充電電力を充電する。すなわち、発電電力Wgの充電が開始される。そして、処理はS101に戻る。
次に、S101でNOの場合(売電されていると判定されない場合)、及び、S130でNOの場合(逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合)、蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される(S140)。wa≦wyであると判定される場合(S140でYES)、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作は停止される(S141)。そのため、蓄電装置2は充電動作も放電動作もしなくなり、処理はS101に戻る。
また、wa≦wyであると判定されない場合(S140でNO)、双方向DC/DCコンバータ33は放電方向Bに設定される(S144)。そのため、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されて発電電力Wgとともに第1通電路Paに出力される。そして、処理はS101に戻る。
次に、上述の電力制御処理に基づく太陽光発電システム100の電力制御例を説明する。図4は、第1実施形態における1日の電力利用状況の一例を示すグラフである。なお、図4において日の出は6:00頃であり、日没は18:00頃である。また、図4では、電力制御の内容を理解し易くするため、電力負荷系統LSでの消費電力WLが一定の場合を例示している。また、時間帯0:00〜11:00において、蓄電装置2の蓄電量waは前日の放電によって下限値wy以下となっているため、蓄電装置2は放電していない。これらは、後述する他の電力制御例を説明する図(たとえば図8、図10、及び図12)でも同様である。
まず、時間帯0:00〜6:00及び18:00〜24:00では太陽光発電ができない。そのため、太陽光発電システム100は電力負荷系統LSの消費電力WLに応じた受電電力を商用電力系統CSから買電して自家消費している。
太陽光発電は時間帯6:00〜18:00で可能となっている。ただし、時間帯6:00〜8:00及び17:00〜18:00では、太陽光の強さが比較的に低いため、消費電力WLを越える発電電力Wgは得られていない。そのため、発電電力Wgは電力負荷系統LSで自家消費され、その不足分に相当する電力値(WL−Wg)の受電電力が商用電力系統CSから買電されている。時間帯8:00〜9:00及び16:00〜17:00では、消費電力WLとほぼ同じ電力値の発電電力Wgは得られているが、発電電力Wgは電力負荷系統LSでほぼ自家消費される。そのため、太陽光発電システム100は買電も売電もしていない。
時間帯9:00〜16:00では、消費電力WLを越える発電電力Wgが得られている。そのため、発電電力Wgの一部(消費電力WLと同じ電力値の電力)は電力負荷系統LSで自家消費され、残りの一部(Wg−WL)は逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに逆潮流(売電)される。但し、時間帯11:00〜14:00では、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達している。従って、残りの一部の電力(Wg−WL)のうち、上限設定値WSと同じ電力値の逆潮流電力WCが商用電力系統CSに売電される。さらに、発電電力Wgの電力値から上限設定値WS及び電力負荷系統LSの消費電力WLの和を差し引いた電力値{Wg−(WS+WL)}の電力が蓄電装置2に充電される。
次に、時間帯14:00〜16:00では、上述の残りの一部(Wg−WL)の電力値は上限設定値WS未満となる。従って、逆潮流電力WCが上限設定値WSを越えない程度の放電電力Wdが蓄電装置2からPCS3を介して第1通電路Paに出力される。すなわち、上限設定値WSと発電電力Wgのうちの残りの一部(Wg−WL)との差に相当する電力値{WS−(Wg−WL)}の放電電力Wdが出力される。そして、発電電力Wgに放電電力Wdを加えた電力のうち、消費電力WLに相当する電力は電力負荷系統LSで自家消費され、その残りの電力は逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに売電される。
なお、図4の時間帯14:00〜15:00では逆潮流電力WCは上限設定値WSと同じ電力値になっているが、時間帯15:00〜16:00では逆潮流電力WCは上限設定値WSよりも少なくなっている。また、時間帯16:00〜24:00では、放電電力Wdは第1通電路Paに出力されていない。これらの理由は、時刻16:00頃に蓄電装置2の蓄電量waが下限値Wy以下となり、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されなくなったためである。
以上、本実施形態によれば、電力制御装置3は、発電装置1の発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdの少なくとも一方を電力変換して商用電力系統CSに接続された通電路Pに出力する電力変換部32と、通電路Pから商用電力系統CSに逆潮流される逆潮流電力WCを検知する電力検知器Mの検知結果に基づいて、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達するか否かを判定する電力判定部375と、蓄電装置2の充放電を制御する充放電制御部373と、を備える。逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると判定される場合、充放電制御部373は発電電力Wgの少なくとも一部を蓄電装置2に充電する。
また、その電力制御方法は、発電装置1の発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdの少なくとも一方が電力変換されて、商用電力系統CSに接続された通電路Pに出力されるステップと、通電路Pから商用電力系統CSに逆潮流される逆潮流電力WCの電力値が検知されるステップと、検知されるステップでの検知結果に基づいて逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達するか否かが判定されるステップと、蓄電装置2の充放電が制御されるステップと、を備える。充放電が制御されるステップは、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると判定される場合に発電電力Wgの少なくとも一部が蓄電装置2に充電されるステップを含む。
また、電力制御システム100は、発電装置1の発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdの少なくとも一方を電力変換して商用電力系統CSに接続された通電路Pに出力する電力制御装置3と、通電路Pから商用電力系統CSに逆潮流される逆潮流電力WCを検知する電力検知器Mと、を備える。逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達する場合、電力制御装置3は発電電力Wgの少なくとも一部を蓄電装置2に充電する。
これらの構成によれば、発電電力Wgのピーク出力期間などに逆潮流電力WCの電力値が増大して、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると、発電電力Wgの少なくとも一部が蓄電装置2に充電される。そのため、発電電力Wgを無駄にすることなく、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSを越えないようすることができる。たとえば、ピーク出力期間の発電電力Wgが上限設定値WSを越えるような発電能力の大きな発電装置1を用いて発電する場合を考える。この場合であっても、上限設定値WSを越える分の電力を蓄電装置2に充電することにより、そのピーク出力期間の逆潮流電力WCが上限設定値を越えないようにできる。従って、比較的に発電能力の大きな発電装置1を電力制御システム100に設けることができるので、ピーク出力期間以外の期間であっても、上限設定値WSにより近い電力値の逆潮流電力WCを商用電力系統CSに逆潮流することができる。よって、商用電力系統CSの送電設備及び変電設備の稼働率を上げることができる。特に、ピーク出力期間以外の期間における稼働率をあげることができる。さらに、発電電力Wgのピーク出力期間における送電設備及び変電設備の稼働率が許容閾値を越えないようできるため、商用電力系統CSに接続可能な発電設備の数を増やすこともできる。
また、発電電力Wgのピーク出力期間において逆潮流電力WCが商用電力系統CSの電力需要に対して過剰になることを防止できる。従って、電力制御システム100が商用電力系統CSから解列されることを抑制又は防止でき、電力制御システム100は商用電力系統CSとの系統連系運転を安定して行うことができる。
また、本実施形態によれば、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると判定される場合、充放電制御部373は、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSを越えないように、発電電力Wgの少なくとも一部を蓄電装置2に充電する。
この構成によれば、逆潮流電力WCの電力値を上限設定値WSと同じ値又は上限設定値WSに近づけることができる。従って、商用電力系統CSに逆潮流電力WCを効率よく売電することができる。
また、本実施形態によれば、電力制御装置3は、逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると判定されない場合、充放電制御部373は蓄電装置2を放電する。
この構成によれば、発電電力Wgのピーク出力期間に蓄電装置2に充電した充電電力がピーク出力以外の期間において放電されて通電路Pに出力される。従って、発電電力Wgをピークシフトして無駄なく利用することができる。
以上では太陽光発電システム100の構成及びその電力制御処理を図1の第1構成例に基づいて説明したが、太陽光発電システム100の構成は図1の例示に限定されない。図5は、太陽光発電システム100の第1構成例の変形例を示すブロック図である。図5では、太陽電池ストリング1はDC/ACコンバータ13を介して第1通電路Paの一端に接続されている。このDC/ACコンバータ13は、太陽電池ストリング1の発電電力Wgを商用電力系統CS及び電力負荷系統LSの電力規格に応じた交流周波数の交流電力にDC/AC変換して第1通電路Paに出力する。また、DC/ACコンバータ13は、太陽電池ストリング1に逆電流が流れることを防止する逆流防止装置としても機能している。このDC/ACコンバータ13は、PCS3により制御されてもよいし、PCS3とは異なる他のPCS(不図示)により制御されてもよい。蓄電装置2はPCS3に接続される。PCS3は蓄電装置2の充放電機能を制御する。
また、図1及び図5では発電装置として太陽電池ストリング1を用いているが、発電装置はこれらの例示に限定されない。太陽光以外の再生可能エネルギーを利用した発電(風力、水力、地熱、バイオマス、太陽熱など自然エネルギー発電、廃棄物発電など)を行う発電装置が用いられていてもよい。たとえば図6A及び図6Bのように、発電装置に風力発電装置1を用いる風力発電システム100であってもよい。なお、図6Aの場合、PCS3は、風力発電装置1が接続されるAD/DCコンバータ38を有する。図6Bの場合、風力発電装置1は第1通電路Paに接続され、PCS3は蓄電装置2の充放電機能を制御する。また、図6Bにおいて、風力発電装置1はPCS3又は他のPCS(不図示)により制御されるAC/ACコンバータ(不図示)を介して第1通電路Paに接続されてもよい。
なお、図5及び図6Bのように発電装置が第1通電路Paに接続されて発電電力Wgが第1通電路Paに出力される構成であっても、図4と同様の電力制御は可能である。たとえば、上述の電力制御処理(図3参照)のうち、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換方向を切り替えて設定する処理(図3のS114、S123、S131、S141、及びS144など)において、双方向インバータ32の電力変換方向も切り替えて設定すればよい。このことは、後述する図7〜図12のような他の電力制御処理及び他の電力制御にも同様に適用できる。
また、図5及び図6Bにおいて、PCS3は、双方向インバータ32及び双方向DC/DCコンバータ33に代えて、変換制御部373により制御される双方向DC/ACコンバータ(不図示)を有していてもよい。このような構成であっても、双方向DC/DCコンバータ33と同様に双方向DC/ACコンバータ(不図示)の電力変換動作を制御すれば、図4と同様の電力制御は可能である。このことは、後述する図7〜図12のような他の電力制御処理及び他の電力制御にも同様に適用できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、複数の上限設定値WS1〜WS7が1日の時間帯毎に設定されている。これ以外は、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
第2実施形態の太陽光発電システム100では、上限設定値WSは、1日の時間帯毎に設定された複数の上限設定値WS1〜WS7を含んでいる(後述する図8参照)。なお、各上限設定値WS1〜WS7の設定方法はこの例示に限定されない。たとえば、各上限設定値WS1〜WS7は、1日の時間帯だけでなく、所定期間毎(たとえば、曜日毎、週毎、月毎など)に設定されてもよい。
図7は、第2実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。S101にてYESの場合(太陽光発電システム100から商用電力系統CSに売電されていると判定される場合)、現在時刻が計時され(S202)、該現在時刻を含む時間帯に対応する上限設定値WSが決定される(S203)。以降の処理では、S203で決定された上限設定値WSに基づく双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作を制御することにより、蓄電装置2の充放電制御が行われる。なお、S110以降の処理は第1実施形態(図3参照)と同様である。そのため、これらの説明は割愛する。
次に、上述の電力制御処理に基づく太陽光発電システム100の電力制御例を説明する。図8は、第2実施形態における1日の電力利用状況の一例を示すグラフである。なお、図8では、時間帯0:00〜9:00及び16:00〜24:00では上限設定値WS1が対応付けられて設定されている。時間帯9:00〜10:00では上限設定値WS2が対応付けられて設定されている。時間帯10:00〜11:00では上限設定値WS3が対応付けられて設定されている。時間帯11:00〜12:00では上限設定値WS4が対応付けられて設定されている。時間帯12:00〜14:00では上限設定値WS5が対応付けられて設定されている。時間帯14:00〜15:00では上限設定値WS6が対応付けられて設定されている。時間帯15:00〜16:00では上限設定値WS7が対応付けられて設定されている。
図8において時間帯9:00〜16:00では、消費電力WLを越える発電電力Wgが得られている。そのため、発電電力Wgの一部(消費電力WLと同じ電力値の電力)は電力負荷系統LSで自家消費され、残りの一部(Wg−WL)は逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに逆潮流(売電)される。但し、時間帯11:00〜14:00では、逆潮流電力WCが現在時刻に対応する上限設定値WS4、WS5に達している。従って、時間帯11:00〜12:00では、残りの一部の電力(Wg−WL)のうち、上限設定値WS4と同じ電力値の逆潮流電力WCが商用電力系統CSに売電され、電力値{Wg−(WS4+WL)}の電力が蓄電装置2に充電される。また、時間帯12:00〜14:00では、上限設定値WS5と同じ電力値の逆潮流電力WCが商用電力系統CSに売電され、電力値{Wg−(WS5+WL)}の電力が蓄電装置2に充電される。
次に、時間帯14:00〜16:00では、上述の残りの一部(Wg−WL)の電力値は上限設定値WS6、WS7未満となる。また、時刻16:00以降では、消費電力WLを越える発電電力Wgは得られていない。従って、逆潮流電力WCが上限設定値WSを越えない程度の放電電力Wdが蓄電装置2からPCS3を介して第1通電路Paに出力される。そして、発電電力Wgに放電電力Wdを加えた電力のうち、消費電力WLに相当する電力は自家消費され、その残りの電力は逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに売電される。
なお、図8の時間帯14:00〜17:00では逆潮流電力WCはそれぞれ上限設定値WS6、WS7、WS1とそれぞれ同じ電力値になっているが、時間帯17:00〜18:00では逆潮流電力WCは上限設定値WS1よりも少なくなっている。また、時間帯18:00〜24:00では、放電電力Wdは蓄電装置2から出力されていない。これらの理由は、時刻18:00頃に蓄電装置2の蓄電量waが下限値Wy以下となり、放電電力Wdが出力されなくなったためである。
以上、本実施形態によれば、上限設定値WSは複数であって、各上限設定値WS1〜WS7が所定期間毎に設定される。
この構成によれば、上限設定値WS1〜WS7を所定期間毎(たとえば所定の時間帯毎、曜日毎、週毎など)に設定できる。従って、環境条件などによって変動する発電装置1の実際の発電量、及び商用電力系統CSの実際の稼働状況などに応じて、より詳細な電力制御を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdは、電力負荷系統LSに供給されて自家消費されるが、商用電力系統CSには売電されない。これ以外は、第1実施形態と同様である。以下では、第1及び第2実施形態と異なる構成について説明する。また、第1及び第2実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図9は、第3実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。まず、S101がYESの場合(太陽光発電システム100から商用電力系統CSに売電されていると判定される場合)、S110にて双方向DC/DCコンバータ33が充電方向Aに設定されているか否かが判定される。
S110がYESの場合(売電の際に双方向DC/DCコンバータ33が充電方向Aに設定されていると判定される場合)、S111にて逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される。S111がNOの場合(逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合)、S113にて双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量が0であるか否かが判定される。S113がYESの場合(充電変換量が0であると判定される場合)、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作は停止される(S314)。そのため、蓄電装置2は充電動作も放電動作もしなくなる。そして、処理はS101に戻る。
また、S110がNOの場合(売電の際に充電方向Aに設定されていると判定されない場合)、S120にて双方向DC/DCコンバータ33が放電方向Bに設定されているか否かが判定される。S120がYESの場合(売電の際に放電方向Bに設定されていると判定される場合)、S122にて蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される。S122がNOの場合(wa≦wyであると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量が0であるか否かが判定される(S324)。放電変換量が0であると判定される場合(S324でYES)、放電電力Wdの出力を停止すべく、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作は停止される(S315)。そして、処理はS101に戻る。また、放電変換量が0であると判定されない場合(S324でNO)、放電電力Wdの出力を抑制して逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を低減する(S326)。そして、処理はS101に戻る。
また、S120がNOの場合(売電の際に充電方向Bに設定されていると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33は電力変換動作を停止している。この場合、S130にて逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される。S130がNOの場合(売電の際に逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作が停止状態のまま、処理はS101に戻る。
また、S101がNOの場合(売電されていると判定されない場合)、S140にて蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される。S140がNOの場合(wa≦wyであると判定されない場合)、双方向DC/DCコンバータ33が放電方向Bに設定されているか否かが判定される(S342)。売電でない際に放電方向Bに設定されていると判定される場合(S342でYES)、放電電力Wdの出力を増加させて逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を増加させる(S343)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは増加する。そして、処理はS101に戻る。一方、売電でない際に放電方向Bに設定されていると判定されない場合(S342でNO)、双方向DC/DCコンバータ33は放電方向Bに設定される(S344)。そして、処理はS101に戻る。
なお、図9において上述の処理以外は、第1実施形態(図3参照)と同様である。そのため、それらの説明は割愛する。
次に、上述の電力制御処理に基づく太陽光発電システム100の電力制御例を説明する。図10は、第3実施形態における1日の電力利用状況の一例を示すグラフである。図10において、時間帯11:00〜14:00では、発電電力Wgのうち、電力値{Wg−(WS+WL)}の電力が蓄電装置2に充電される。
時間帯14:00〜16:00では、太陽光発電システム100は逆潮流電力WCを売電しているが、逆潮流電力WCの電力値(Wg−WL)は上限設定値WS未満である。また、時刻16:00〜17:00では、太陽光発電システム100は売電も買電もしていない。そのため、一旦は放電電力Wdが第1通電路Paに出力されるが、直ぐに売電状態となって、放電電力Wdの出力は0になって停止される。従って、実際には、時刻16:00〜17:00では、蓄電装置2は放電動作をほとんどせず、放電電力Wdは第1通電路Paにほとんど出力されない。そのため、時刻14:00〜17:00では、蓄電装置2は充電動作も放電動作もしないといえる。
時刻17:00を過ぎると、発電電力Wgは消費電力WLよりも少なくなり、売電状態ではなくなるため、蓄電装置2は放電動作を開始する。従って、時間帯17:00〜20:00では、消費電力WLを越えない程度の放電電力Wdが蓄電装置2からPCS3を介して第1通電路Paに出力される。すなわち、時間帯17:00〜18:00では、消費電力WLと発電電力Wgとの差(WL−Wg)に応じた電力値の放電電力Wdが出力されて自家消費される。また、太陽光発電ができない時間帯18:00〜20:00では、消費電力WLと同じ電力値の放電電力Wdが出力されて自家消費される。
なお、図10の時間帯20:00〜24:00では、放電電力Wdは出力されていない。この理由は、時刻20:00頃に蓄電装置2の蓄電量waが下限値Wy以下となり、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されなくなったためである。
以上、本実施形態によれば、電力制御装置3において、電力判定部375は、通電路Pから商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されているか否かを電力検知器Mの検知結果に基づいてさらに判定し、逆潮流電力WCが逆潮流されていると判断され且つ逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WSに達すると判定されない場合、充放電制御部373は蓄電装置2の充放電を停止し、逆潮流電力WCが逆潮流されていると判定されない場合、充放電制御部373は蓄電装置2を放電する。
この構成によれば、逆潮流電力WCが商用電力系統CSに逆潮流されない場合(たとえば買電、電力の自家消費などの場合)、蓄電装置2は充電した電力を放電し、その放電電力Wdは通電路Pに出力される。従って、商用電力系統CSから買電する受電電力を低減又は0にして、商用電力系統CSからの買電を抑制又は防止することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdが電力負荷系統LSに供給されて自家消費される。さらに、蓄電装置2は逆潮流電力WCが設定電力値WXを越えない程度の放電電力Wdを出力する。これら以外は、第3実施形態と同様である。以下では、第1〜第3実施形態と異なる構成について説明する。また、第1〜第3実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図11は、第4実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。まず、S110がNOの場合(売電の際に充電方向Aに設定されていると判定されない場合)、S120にて双方向DC/DCコンバータ33が放電方向Bに設定されているか否かが判定される。S120がYESの場合(売電の際に放電方向Bに設定されていると判定される場合)、逆潮流電力WC(=Wg+Wd−WL)が放電電力Wd以下であるか否かが判定される(S421)。WC≦Wdであると判定されない場合(S421でNO)、発電電力Wgは電力系統負荷LSの消費電力WL以下であると判断される。この場合、処理はS123に進んで、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作が停止される。そして、処理はS101に戻る。
WC≦Wdであると判定される場合(S421でYES)、S122にて蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される。S122がNOの場合(wa≦wyであると判定されない場合)、逆潮流電力WCが設定電力値WXに達するか否かが判定される(S424)。この設定電力値WXは、蓄電装置2が放電している期間において商用電力系統CSに売電する電力値の上限を設定するための値であり、上限設定値WS未満の値(すなわち0<WX<WS)に設定される。この設定電力値WXの設定情報は記憶部36に格納されている。
逆潮流電力WCが設定電力値WXに達すると判定される場合(S424でYES)、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量が0であるか否かが判定される(S425)。放電変換量が0であると判定される場合(S425でYES)、放電電力Wdの出力を停止すべく、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換動作は停止される(S426)。そして、処理はS101に戻る。また、放電変換量が0であると判定されない場合(S425でNO)、放電電力Wdの出力を抑制して逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を低減する(S427)。そして、処理はS101に戻る。
また、逆潮流電力WCが設定電力値WXに達すると判定されない場合(S424でNO)、放電電力Wdの出力を増加させて逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の放電変換量を増加させる(S428)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは増加する。そして、処理はS101に戻る。
なお、上述の電力制御処理において、図11のS421の処理では、逆潮流電力WCが放電電力Wd以下であるか否かを判定することにより、発電電力Wgが消費電力WL以下であるか否かを判断しているが、発電電力Wgが消費電力WL以下であるか否かを直接に判定してもよい。この場合、発電電力Wgの電力値を検知する電力検知ユニットが、たとえば、太陽電池ストリング1に内蔵、又は太陽電池ストリング1及びPCS3間の通電路に設けられていればよい。
また、図11において上述の処理以外は、第3実施形態(図9参照)と同様である。そのため、それらの説明は割愛する。
次に、上述の電力制御処理に基づく太陽光発電システム100の電力制御例を説明する。図12は、第4実施形態における1日の電力利用状況の一例を示すグラフである。図12において、時間帯11:00〜14:00では、発電電力Wgのうち、電力値{Wg−(WS+WL)}の電力が蓄電装置2に充電される。また、時間帯14:00〜16:00では、太陽光発電システム100は逆潮流電力WCを売電しているが、逆潮流電力WCの電力値(Wg−WL)は上限設定値WS未満である。そのため、時刻14:00〜16:00では、蓄電装置2は充電動作も放電動作もしない。
時刻16:00を過ぎると、発電電力Wgは消費電力WLとほぼ同じ電力値となり、売電状態ではなくなるため、蓄電装置2は放電動作を開始する。時間帯16:00〜19:00では、逆潮流電力WCが設定電力値WXを越えない程度の放電電力Wdが蓄電装置2からPCS3を介して第1通電路Paに出力される。すなわち、消費電力WLと発電電力Wgとの差(WL−Wg)と設定電力値WXとの和{(WL−Wg)+WX}に応じた電力値の放電電力Wdが出力される。
従って、時間帯17:00〜18:00では、設定電力値WXと同じ電力値の放電電力Wdが第1通電路Paに出力される、設定電力値WXと同じ電力値の電力が逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに売電される。時間帯18:00〜19:00では、電力値{(WL−Wg)+WX}の放電電力Wdが第1通電路Paに出力される。そして、発電電力Wgに放電電力Wdを加えた電力のうち、電力値(WL−Wg)の電力が自家消費され、設定電力値WXと同じ電力値の電力が逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに売電される。また、太陽光発電ができない時間帯18:00〜19:00では、放電電力Wdのうち、消費電力WLと同じ電力値の電力が自家消費され、設定電力値WX未満の電力値の電力が逆潮流電力WCとして商用電力系統CSに売電される。
なお、図12の時間帯18:00〜19:00では逆潮流電力WCは設定電力値WXよりも少なくなっている。また、時間帯19:00〜24:00では放電電力Wdは蓄電装置2から出力されていない。これらの理由は、時刻19:00頃に蓄電装置2の蓄電量waが下限値Wy以下となり、放電電力Wdが出力されなくなったためである。
以上、本実施形態によれば、電力制御装置3において、電力判定部375は、通電路Pから商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されているか否かと、充放電制御部373が蓄電装置2を放電している際に逆潮流電力WCの電力値が放電電力Wd以下であるか否かと、充放電制御部373が蓄電装置2を放電している際に逆潮流電力WCの電力値が上限設定値WS未満の設定電力値WXに達するか否かと、を電力検知器Mの検知結果に基づいてさらに判定し、充放電制御部373が蓄電装置2を放電している際に逆潮流電力WCが商用電力系統CSに逆潮流され且つ逆潮流電力WCが放電電力Wd以下であると判断される場合、充放電制御部373は、逆潮流電力WCの電力値が設定電力値WXを越えないように、蓄電装置2を放電する。
この構成によれば、商用電力系統CSからの買電を抑制又は防止できるとともに、設定電力値WX未満の放電電力Wdを商用電力系統CSに売電することもできる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、双方向インバータ32の電力変換動作により蓄電装置2の充放電が制御される。以下では、第1〜第4実施形態と異なる構成について説明する。また、第1〜第4実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図13は、太陽光発電システム100の第2構成例を示すブロック図である。この太陽光発電システム100では、太陽電池ストリング1は、逆流防止装置11を介して第3通電路Pcの一端に接続されている。この逆流防止装置11は、たとえばダイオードなどの整流素子を含む回路などで構成され、太陽電池ストリング1に逆電流が流れることを防止する。なお、逆流防止装置11に代えて、DC/DCコンバータ31が設けられていてもよい。
また、第3通電路Pcの一端には、蓄電装置2も接続されている。さらに、蓄電装置2の入出力端は逆流防止装置11の出力端と並列に接続されている。そのため、太陽電池ストリング1の発電は、その動作点電圧が蓄電装置2の入出力電圧と同じ電圧値になるように制御される。なお、太陽光発電システム100に設けられる太陽電池ストリング1の数は、図13の例示に限定されず、複数であってもよい。たとえば、互いに並列接続される複数の太陽電池ストリング1が第3通電路Pcを介してPCS3に接続されていてもよい。また、複数の太陽電池ストリング1は、図2A又は図2Bと同様の接続方法により第3通電路Pcを介してPCS3に接続されていてもよい。この場合、各太陽電池ストリング1は個別に逆流防止装置11を介してPCS3に接続されていてもよい。
PCS3は、第3通電路Pcの他端に接続されている。このPCS3は、図13に示すように、双方向インバータ32と、通信部35と、記憶部36と、制御部37と、を有する。双方向インバータ32は、双方向インバータ32は第3通電路Pcの他端と第1通電路Paとの間に接続されている。双方向インバータ32は、逆変換動作を行う場合、第3通電路Pcから入力される直流電力を交流電力に変換して第1通電路Paに出力する。この直流電力は、発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdのうちの少なくとも一方を含んでいる。
なお、以上では図13に基づいて太陽光発電システム100の第2構成例を説明したが、太陽光発電システム100の構成は図13の例示に限定されない。図14は、太陽光発電システムの第2構成例の変形例を示すブロック図である。図14に示すように、蓄電装置2及び第3通電路Pc間に双方向DC/DCコンバータ33を設けてもよい。こうすれば、双方向DC/DCコンバータ33の電力変換を制御することにより、蓄電装置2の充放電機能を制御することができる。
また、図13及び図14では発電装置として太陽電池ストリング1を用いているが、発電装置はこれらの例示に限定されない。太陽光以外の再生可能エネルギーを利用した発電(風力、水力、地熱、バイオマス、太陽熱など自然エネルギー発電、廃棄物発電など)を行う発電装置が用いられていてもよい。たとえば、発電装置に風力発電装置1を用いる風力発電システム100であってもよい。この場合、風力発電装置1はAD/DCコンバータを介してPCS3に接続される。
次に、太陽光発電システム100の電力制御方法について説明する。図15は、第5実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。なお、図15において、売電の場合、双方向インバータ32は逆変換方向bに設定される。これは、後述する他の図(たとえば図16及び図17)でも同様である。
まず、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電されているか否かが判定される(S501)。売電されていると判定されない場合(S501でNO)、処理は後述するS540に進む。売電されていると判定される場合(S501でYES)、充電電力が蓄電装置2に入力されているか否かが判定される(S510)。充電電力が入力されていると判定されない場合(S510でNO)、処理は後述するS520に進む。
充電電力が入力されていると判定される場合(S510でYES)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S511)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S511でYES)、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を低減する(S512)。そのため、発電電力Wgのうち、蓄電装置2に供給される充電電力は多くなり、第1通電路Paに出力される電力は少なくなる。そして、処理はS501に戻る。
逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S511でNO)、逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を増加させる(S515)。そのため、発電電力Wgのうち、蓄電装置2に供給される充電電力は少なくなり、第1通電路Paに出力される電力は多くなる。そして、処理はS501に戻る。
次に、S510がNOの場合(売電の際に充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定されない場合)、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されているか否かが判定される(S520)。放電電力Wdが出力されていると判定されない場合(S520でNO)、処理は後述するS530に進む。放電電力Wdが出力されていると判定される場合(S520でYES)、蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される(S522)。なお、下限値wyは、蓄電装置2の蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)であることを示す値である。下限値wyは、0以上蓄電容量wr未満の範囲内(0≦wy<wr)で設定されるが、0<wy<wrで設定されることがより好ましい。蓄電装置2の蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作を行うと、蓄電装置2の充放電機能が劣化し易い。従って、このような場合に蓄電装置2が放電しないようにすれば、充放電機能の劣化を抑制又は防止できる。
wa≦wyであると判定される場合(S522でYES)、蓄電装置2が充電動作をせず且つ蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように、双方向インバータ32の逆変換動作が制御される。すなわち、双方向インバータ32の電力変換動作を制御することにより、蓄電装置2の充放電動作をほぼ停止させる。具体的には、双方向インバータ32の逆変換量を低減し(S523)、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されているか否かを再び判定する(S524)。放電電力Wdが出力されていると判定される場合(S524でYES)、処理はS523に戻る。放電電力Wdが出力されていると判定されない場合(S524でNO)、充電電力が蓄電装置2に入力されているか否かを判定する(S525)。充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定される場合(S525でYES)、双方向インバータ32の逆変換量を増加させ(S526)、処理はS523に戻る。充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定されない場合(S525でNO)、蓄電装置2はほぼ充放電動作をしていない状態となる。そして、処理はS501に戻る。
また、wa≦wyであると判定されない場合(S522でNO)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S527)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S527でYES)、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を低減する(S528)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは減少する。そして、処理はS501に戻る。
また、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S527でNO)、逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を増加させる(S529)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは増加する。そして、処理はS501に戻る。
次に、S520がNOの場合(売電の際に放電電力Wdが蓄電装置2から出力されていると判定されない場合)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S530)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合(S530でNO)、処理は後述するS540に進む。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S530でYES)、蓄電装置2が充電動作を開始するまで、双方向インバータ32の逆変換量を低減する。すなわち、双方向インバータ32の逆変換量を低減し(S531)、充電電力が蓄電装置2に入力されているか否かを判定する(S532)。充電電力が入力されていると判定されない場合(S532でNO)、処理はS531に戻る。充電電力が入力されていると判定される場合(S532でYES)、処理はS501に戻る。
次に、S501でNOの場合(売電されていると判定されない場合)、及び、S530でNOの場合(売電の際に逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合)、蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される(S540)。wa≦wyであると判定される場合(S540でYES)、蓄電装置2が充電動作をせず且つ蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように、双方向インバータ32の逆変換動作が制御される。すなわち、双方向インバータ32の電力変換動作を制御することにより、蓄電装置2の充放電動作をほぼ停止させる。具体的には、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されているか否かを判定する(S541)。放電電力Wdが出力されていると判定される場合(S541でYES)、双方向インバータ32の逆変換量を低減し(S542)、処理はS541に戻る。放電電力Wdが出力されていると判定されない場合(S541でNO)、充電電力が蓄電装置2に入力されているか否かを判定する(S543)。充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定される場合(S543でYES)、双方向インバータ32の逆変換量を増加させ(S544)、処理はS541に戻る。充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定されない場合(S543でNO)、蓄電装置2はほぼ充放電動作をしていない状態となる。そして、処理はS501に戻る。
また、wa≦wyであると判定されない場合(S540でNO)、蓄電装置2が放電動作を開始するまで、双方向インバータ32の逆変換量を低減する。すなわち、双方向インバータ32の逆変換量を増加させ(S545)、放電電力Wdが蓄電装置2から出力されているか否かを判定する(S546)。放電電力Wdが出力されていると判定されない場合(S546でNO)、処理はS545に戻る。放電電力Wdが出力されていると判定される場合(S545でYES)、処理はS501に戻る。
以上の電力制御処理によれば、図4と同様の電力制御を行うことができる。なお、図15の電力制御処理では、上限設定値WSは、1の値に設定されているが、たとえば第2実施形態(図8参照)のように所定期間毎(たとえば、1日の時間帯毎、曜日毎、週毎、月毎など)に設定される複数の上限設定値を含んでいてもよい。この場合、上述の電力制御処理は、S501及びS510間に、現在時刻が計時される処理(図7のS202参照)と、該現在時刻を含む時間帯に対応する上限設定値WSが決定される処理(図7のS203参照)とを有していればよい。こうすれば、環境条件などによって変動する太陽電池ストリング1の実際の発電量、及び商用電力系統CSの実際の稼働状況などに応じて、より詳細な電力制御を行うことができる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdは、電力負荷系統LSに供給されて自家消費されるが、商用電力系統CSには売電されない。これ以外は、第5実施形態と同様である。以下では、第1〜第5実施形態と異なる構成について説明する。また、第1〜第5実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図16は、第6実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。まず、S501がYESの場合(太陽光発電システム100から商用電力系統CSに売電されていると判定される場合)、S510にて充電電力が蓄電装置2に入力されているか否かが判定される。
S510がNOの場合(売電の際に充電電力が入力されていると判定されない場合)、S520にて放電電力Wdが蓄電装置2から出力されているか否かが判定される。S520がYESの場合(売電の際に放電電力Wdが出力されていると判定される場合)、S523〜S526の処理が行われる。これらの処理によって、双方向インバータ32の逆変換動作は、蓄電装置2が充電動作をせず且つ蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように制御される。そして、処理はS501に戻る。
また、S520がNOの場合(売電の際に放電電力Wdが出力されていると判定されない場合)、S530にて逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される。S530がNOの場合(逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定されない場合)、S524に進む。そして、上述のようにS523〜S526の処理が行われる。これらの処理によって、双方向インバータ32の逆変換動作は、蓄電装置2が充電動作もしないし、蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように制御される。そして、処理はS501に戻る。
また、S530がYESの場合(売電の際に逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合)、S531及びS532の処理が行われる。これらの処理によって、蓄電装置2が充電動作を開始するまで、双方向インバータ32の逆変換量を低減する。そして、処理はS501に戻る。
また、S501でNOの場合(売電されていると判定されない場合)、S540にて蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される。S540がYESの場合(wa≦wyであると判定される場合)、S541〜S544の処理が行われる。これらの処理によって、双方向インバータ32の逆変換動作は、蓄電装置2が充電動作もしないし、蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように制御される。そして、処理はS501に戻る。
また、S540がNOの場合(wa≦wyであると判定されない場合)、S545及びS546の処理が行われる。これらの処理によって、蓄電装置2が放電動作を開始するまで、双方向インバータ32の逆変換量を低減する。そして、処理はS501に戻る。
なお、図16において上述の処理以外は、第5実施形態(図15参照)と同様である。そのため、それらの説明は割愛する。
以上の電力制御処理によれば、図10と同様の電力制御を行うことができる。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態では、発電電力Wg及び蓄電装置2の放電電力Wdが電力負荷系統LSに供給されて自家消費される。さらに、蓄電装置2は逆潮流電力WCが設定電力値WXを越えない程度の放電電力Wdを出力する。これら以外は、第6実施形態と同様である。以下では、第1〜第6実施形態と異なる構成について説明する。また、第1〜第6実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図17は、第7実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。S510がNOの場合(売電の際に充電電力が蓄電装置2に入力されていると判定されない場合)、S520にて双方向DC/DCコンバータ33が放電方向Bに設定されているか否かが判定される。S520がYESの場合(売電の際に放電方向Bに設定されていると判定される場合)、逆潮流電力WC(=Wg+Wd−WL)が放電電力Wd以下であるか否かが判定される(S721)。なお、S721の処理では、発電電力Wgは電力系統負荷LSの消費電力WL以下であるか否かを判断している。
WC≦Wdであると判定される場合(S721でYES)、S522にて蓄電装置2の蓄電量waが下限値wy以下であるか否かが判定される。S522がNOの場合(wa≦wyであると判定されない場合)、逆潮流電力WCが設定電力値WXに達するか否かが判定される(S727)。この設定電力値WXは、蓄電装置2が放電している期間において商用電力系統CSに売電する電力値の上限を設定するための値であり、上限設定値WS未満の値(すなわち0<WX<WS)に設定される。この設定電力値WXの設定情報は記憶部36に格納されている。
逆潮流電力WCが設定電力値WXに達すると判定される場合(S727でYES)、放電電力Wdの出力を抑制して逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を低減する(S728)。そして、処理はS501に戻る。また、逆潮流電力WCが設定電力値WXに達すると判定されない場合(S727でNO)、放電電力Wdの出力を増加させて逆潮流電力WCを増加させるべく、双方向インバータ32の逆変換量を増加させる(S729)。そのため、蓄電装置2から第1通電路Paに出力される放電電力Wdは増加する。そして、処理はS501に戻る。
一方、S522がYESの場合(wa≦wyであると判定される場合)、又は、S721がNOの場合(WC≦Wdであると判定されない場合)、S523〜S526の処理が行われる。これらの処理によって、双方向インバータ32の逆変換動作は、蓄電装置2が充電動作をせず且つ蓄電量waが少ない状態(たとえば0[W]に近い状態)で放電動作もしないように制御される。そして、処理はS501に戻る。
なお、上述の電力制御処理において、図17のS721の処理では、逆潮流電力WCが放電電力Wd以下であるか否かを判定することにより、発電電力Wgが消費電力WL以下であるか否かを判断しているが、発電電力Wgが消費電力WL以下であるか否かを直接に判定してもよい。この場合、発電電力Wgの電力値を検知する電力検知ユニットが、たとえば、太陽電池ストリング1に内蔵、又は太陽電池ストリング1及びPCS3間の通電路に設けられていればよい。
また、図17において上述の処理以外は、第6実施形態(図16参照)と同様である。そのため、それらの説明は割愛する。
以上の電力制御処理によれば、図12と同様の電力制御を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の第1〜第4実施形態で例示される太陽光発電システム100の第1構成例での電力制御方法はそれぞれ異なっているが、これらの電力制御方法のうちのいずれかが採用されてもよいし、これらの電力制御方法のうちの2つ以上がユーザ入力などによって切り替え可能に採用されてもよい。上述の第5〜第7実施形態で例示される太陽光発電システム100の第2構成例での電力制御方法も同様である。
また、上述の第1〜第7実施形態では、PCS3は双方向インバータ32を有しているが、本発明はこの例示に限定されない。商用電力系統CSからの受電電力を蓄電装置2に充電しない場合、PCS3は、双方向インバータ32に代えて、逆変換方向bに電力変換するインバータ(電力変換部)を備えていてもよい。
また、上述の第1〜第7実施形態では、商用電力系統CSのような交流電力源が太陽光発電システム100に接続されているが、本発明はこの例示に限定されない。商用電力系統CSに代えて、直流電力源が太陽光発電システム100に接続されてもよい。この場合、PCS3は双方向インバータ32に代えてDC/DCコンバータ又は双方向DC/DCコンバータを有する構成にできる。
また、上述の第1〜第7実施形態において、制御部37の機能的な構成要素371〜375のうちの少なくとも一部又は全部は、物理的な構成要素(たとえば電気回路、素子、装置など)で実現されていてもよい。