JP6782548B2 - 電気化学セル及び電気化学セルの製造方法 - Google Patents

電気化学セル及び電気化学セルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学セル及び電気化学セルの製造方法に関する。
従来、スマートフォン、ウエアブル機器、補聴器などの小型機器の電源として、リチウムイオン二次電池、電気化学キャパシタ等の電気化学セルが広く活用されている。
このような電気化学セルにおいては、電池容量並びに充電電流及び放電電流を大きくする観点から、電気化学セル内で対向している電極同士の面積を大きくすることが必要である。電気化学セルの製造方法としては、一対の帯状の電極を帯状のセパレータを介して対向させてケースに収め、電解液を電極及びセパレータに含浸させる方法が知られている。例えば、帯状の電極及び帯状のセパレータを、巻回した後に筒状又はコイン状のケースに収容したり、扁平状に変形させた後にラミネートフィルムに収容したりしている。
近年、ウエアブル機器の薄型化の要求に対応して、帯状の電極及び帯状のセパレータをつづら折り形状とした構成も検討されている。例えば、特許文献1では、帯状の電極をセパレータ袋体に収容する技術が提案されている。特許文献1では、負極電極の端部に負極集電体が露出している。
特開2005−243455号公報
ところで、リチウムイオン二次電池の充電時においては、正極電極から負極電極に向けてリチウムイオンが移動している状態にある。このとき、正極電極が対向する部分に負極電極の端部から露出した負極集電体(以下「負極集電体露出部」という。)が存在すると、正極電極から移動してきたリチウムイオンが負極集電体露出部に集中する可能性がある。そのため、本来であれば負極活物質に吸収されるリチウムイオンが負極集電体露出部に針状のリチウム金属(以下「リチウムデンドライト」という。)として析出する可能性がある。このリチウムデンドライトは、セパレータを突き抜けて負極電極と正極電極とを短絡させる可能性がある。また、リチウムデンドライトが欠落して負極電極から電気接続が切れることにより、電池容量を低下させる可能性がある。その結果、電池の信頼性を低下させる可能性がある。したがって、従来の電気化学セルにおいては、電池の信頼性を向上する上で改善の余地があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電池の信頼性を向上することができる電気化学セル及び電気化学セルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電気化学セルは、正極電極と、負極集電体が露出した負極集電体露出部を有する負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極電極は、前記セパレータを介して前記負極電極を挟むように折り曲げられるとともに、前記負極集電体露出部と対向する折曲げ部を有し、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間には、イオンを透過させないイオン不透過部が設けられ、前記正極電極は、前記セパレータと一体化した正極構造体とされ、前記正極電極の外形は、前記負極電極の外形よりも小さく、前記正極構造体の外形は、前記負極電極の外形と同じ大きさであることを特徴とする。
この構成によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間に設けられたイオン不透過部によって、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンが遮られるため、イオンが負極集電体露出部に針状の金属として析出することを回避することができる。したがって、正極電極が対向する部分に負極集電体露出部が単に存在している構成(すなわち、イオン不透過部が設けられていない構成)と比較して、電池の信頼性を向上することができる。加えて、正極電極がセパレータと別体にされている場合と比較して、正極電極の位置がずれることを抑制することができるため、正極電極の位置ズレに起因してイオン不透過部の位置がずれることを回避することができる。すなわち、負極集電体露出部と折曲げ部との間の所定位置にイオン不透過部を精度よく配置することができる。そのため、イオン不透過部によって充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる仮に、負極電極の外形が正極電極の外形よりも小さいと、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することになる。この場合、充電時に正極電極から移動してきたイオンがエッジ効果によって負極電極の端部に集中する。そのため、イオンが負極電極の端部に針状の金属として析出し、短絡及び電池容量の低下等によって電池の信頼性を低下させる可能性がある。これに対し、この構成によれば、正極電極の外形が負極電極の外形よりも小さいため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。加えて、正極構造体の外形が負極電極の外形と異なる大きさである場合と比較して、正極構造体と負極電極との位置合わせがし易くなるため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。加えて、正極構造体と負極電極とのつづら折りも容易となる。
上記の電気化学セルにおいて、前記正極電極は、正極集電体と、前記正極集電体を覆う正極活物質層とを備え、前記折曲げ部には、前記正極活物質層が形成されていない正極活物質層非形成部が設けられ、前記イオン不透過部は、前記正極活物質層非形成部の位置において前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に形成された空間であってもよい。
この構成によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間に形成された空間によって、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンが遮られるため、電池の信頼性を簡単な構成で向上することができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記イオン不透過部は、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に配置された樹脂層であってもよい。
この構成によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間に配置された樹脂層によって、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンが遮られるため、電池の信頼性を簡単な構成で向上することができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記樹脂層は、前記折曲げ部と前記セパレータとの間に配置されていてもよい。
この構成によれば、樹脂層がセパレータと負極集電体露出部との間に配置された場合と比較して、樹脂層が正極電極に近い位置に配置されるため、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記負極電極の法線方向における前記樹脂層の長さは、前記負極電極の法線方向における前記折曲げ部の長さと同じ長さであってもよい。
この構成によれば、負極電極の法線方向において折曲げ部全体(すなわち、正極電極のうち負極集電体露出部と対向する部分全体)にわたって樹脂層が配置されるため、樹脂層によって充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記樹脂層は、前記セパレータのうち前記折曲げ部と対向する部分と、前記負極集電体露出部との間に配置されていてもよい。
上記の電気化学セルにおいて、前記負極電極と前記正極構造体とは、互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳まれていてもよい。
特に、正極電極がセパレータに単に覆われた状態でつづら折り形状に折り畳まれている場合には、正極電極の位置がずれる可能性が高くなる。しかし、この構成によれば、正極電極がセパレータと一体化されているため、前記つづら折り形状とした場合であっても、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極の位置ズレに起因してイオン不透過部の位置がずれることを回避し、電池の信頼性をより一層向上することができる。
本発明の一態様に係る電気化学セルの製造方法は、正極電極と、負極集電体が露出した負極集電体露出部を有する負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備えた電気化学セルの製造方法であって、前記セパレータを介して前記負極電極を挟むように前記正極電極を折り曲げて、前記負極集電体露出部と対向する折曲げ部を形成する折曲げ部形成工程を含み、前記折曲げ部形成工程では、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に、イオンを透過させないイオン不透過部を形成し、前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極を、前記セパレータと一体化した正極構造体とする正極構造体形成工程を更に含み、前記正極構造体形成工程の前、前記正極電極の外形を、前記負極電極の外形よりも小さくし、前記正極構造体形成工程では、前記正極構造体の外形を、前記負極電極の外形と同じ大きさにすることを特徴とする。
この方法によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間に形成したイオン不透過部によって、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンが遮られるため、イオンが負極集電体露出部に針状の金属として析出することを回避することができる。したがって、負極電極を挟むように正極電極を単に折り曲げる方法(すなわち、イオン不透過部を形成しない方法)と比較して、電池の信頼性を向上することができる。加えて、正極電極をセパレータと別体にした場合と比較して、正極電極の位置がずれることを抑制することができるため、正極電極の位置ズレに起因してイオン不透過部の位置がずれることを回避することができる。すなわち、負極集電体露出部と折曲げ部との間の所定位置にイオン不透過部を精度よく配置することができる。そのため、イオン不透過部によって充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、正極電極の外形が負極電極の外形よりも小さいため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。加えて、正極構造体の外形を負極電極の外形と異なる大きさとした場合と比較して、正極構造体と負極電極との位置合わせがし易くなるため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。加えて、正極構造体と負極電極とのつづら折りも容易となる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記正極電極は、正極集電体と、前記正極集電体を覆う正極活物質層とを備え、前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極のうち前記折曲げ部となる部分に、前記正極活物質層が形成されていない正極活物質層非形成部を形成し、前記折曲げ部形成工程では、前記正極活物質層非形成部の位置において前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に前記イオン不透過部として空間を形成してもよい。
この方法によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間にイオン不透過部として空間を形成するにあたり、折曲げ部形成工程の前に予め正極電極のうち前記折曲げ部となる部分に正極活物質層被形成部を形成しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記折曲げ部形成工程では、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に、前記イオン不透過部として樹脂層を配置してもよい。
この方法によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間にイオン不透過部として樹脂層を配置することによって、充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンが遮られるため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極のうち前記折曲げ部となる部分に前記樹脂層を設置する樹脂層設置工程を更に含んでいてもよい。
この方法によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間にイオン不透過部として樹脂層を配置するにあたり、折曲げ部形成工程の前に予め正極電極のうち折曲げ部となる部分に樹脂層を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記折曲げ部形成工程の前、前記セパレータのうち前記折曲げ部と対向することとなる部分に前記樹脂層を設置する樹脂層設置工程を更に含んでいてもよい。
この方法によれば、負極集電体露出部と折曲げ部との間にイオン不透過部として樹脂層を配置するにあたり、折曲げ部形成工程の前に予めセパレータのうち折曲げ部と対向することとなる部分に樹脂層を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記樹脂層設置工程では、前記樹脂層の長さを、前記折曲げ部となる部分の長さと同じ長さとしてもよい。
この方法によれば、折曲げ部全体(すなわち、正極電極のうち負極集電体露出部と対向する部分全体)にわたって樹脂層が配置されることになるため、樹脂層によって充電時に正極電極から負極集電体露出部に向けて移動しようとするイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、折曲げ部形成工程において、樹脂層の端縁を起点として正極電極を容易に折り曲げることができるため、作業性を向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記折曲げ部形成工程では、前記負極電極と前記正極構造体とを、互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳んでもよい。
この方法によれば、正極電極がセパレータと一体化されているため、前記つづら折り形状とした場合であっても、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極の位置ズレに起因してイオン不透過部の位置がずれることを回避し、電池の信頼性をより一層向上することができる。
上記の電気化学セルの製造方法において、前記正極構造体形成工程では、前記正極電極を、前記セパレータを構成する樹脂製の第一セパレータと樹脂製の第二セパレータとで挟んで覆った後、前記第一セパレータ及び前記第二セパレータ同士を熱融着してもよい。
この方法によれば、第一セパレータ及び第二セパレータ同士を熱融着して一体形成することによって正極電極の移動が規制されるため、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極の位置ズレに起因してイオン不透過部の位置がずれることを回避し、電池の信頼性をより一層向上することができる。
本発明によれば、電池の信頼性を向上することができる電気化学セル及び電気化学セルの製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る電池の平面図である。 図1のII−II断面図である。 第1実施形態に係る積層体の斜視図である。 第1実施形態に係る正極構造体の斜視図である。 第1実施形態に係る正極構造体の展開状態を示す平面図である。 図2の要部拡大図である。 第1実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。 第1実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。 図8に続く工程図である。 図9に続く工程図である。 第2実施形態に係る積層体の断面を示す、図6に相当する要部拡大図である。 第2実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。 第2実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。 図13に続く工程図である。 第3実施形態に係る積層体の断面を示す、図11に相当する要部拡大図である。 第3実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。 第3実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。 第4実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。 第4実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。 第5実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。 第5実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、電気化学セルの一例として、コイン型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
<第1実施形態>
[電池]
図1に示すように、電池1は、平面視円形をなしている。図2を併せて参照し、電池1は、積層体2と、積層体2に含浸される不図示の電解質溶液と、積層体2を収容する外装体10と、を備えている。
[積層体]
図3に示すように、積層体2は、つづら折り形状に折り畳まれた負極電極3と、負極電極3と互い違いに積層するように負極電極3と交差する方向につづら折り形状に折り畳まれた正極構造体4と、を備えている。
[負極電極]
負極電極3は、帯状をなしている。負極電極3は、後述する正極電極5と同様、複数のくびれ部3aと、複数の張出し部3bと、を備えている。以下、負極電極3の長手方向と直交する方向を「負極電極3の幅方向」という。
図2に示すように、負極電極3は、負極集電体20と、負極集電体20の両面に形成された負極活物質層22と、を備えている。なお、図示はしないが、負極集電体20は帯状をなしている。図3に示すように、負極電極3の一端部には、負極集電体20の延出部21が形成されている。延出部21は、負極集電体20のうち、負極電極3の長手方向において張出し部3bよりも外側に延びている部分である。
図2に示すように、負極電極3は、負極集電体20が露出した負極集電体露出部20aを有している。負極集電体露出部20aは、負極集電体20のうち負極活物質層22で覆われずに外部に露出した部分である。図2において、負極集電体露出部20aは、負極電極3の幅方向の外端部で外部に露出している。
例えば、負極集電体20は、銅、ニッケル及びステンレス等の金属材料で形成されている。負極活物質層22は、負極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。例えば、負極活物質層22は、黒鉛等の炭素材料で形成されている。例えば、導電助剤としては、カーボンブラック類、炭素材料及び金属微粉等が挙げられる。例えば、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料が挙げられる。例えば、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料が挙げられる。
[正極構造体]
図4に示すように、正極構造体4は、正極電極5と、正極電極5を覆うセパレータ6と、を備えている。正極構造体4は、正極電極5とセパレータ6とを一体化したものである。正極構造体4の外形は、負極電極3の外形と実質的に同じ大きさである。
[正極電極]
正極電極5は、帯状をなしている。具体的に、正極電極5は、複数のくびれ部5aと、複数の張出し部5bと、を備えている。以下、正極電極5の長手方向と直交する方向を「正極電極5の幅方向」という。くびれ部5aは、正極電極5の幅方向内側に窪んでいる。図5の平面視で、張出し部5bは、正極電極5の長手方向でくびれ部5aと隣り合う位置に配置されている。張出し部5bは、正極電極5の幅方向でくびれ部5aよりも外側に張り出している。張出し部5bは、円板状をなしている。
図4に示すように、正極構造体4のつづら折り状態において、各張出し部5bは互いに実質的に平行に配置されている。くびれ部5aは、正極電極5の長手方向において各張出し部5bの端縁に連なっている。すなわち、くびれ部5aは、隣り合う2つの張出し部5b同士を直列に接続している。
図3及び図4を併せて参照し、正極電極5の外形は、負極電極3の外形よりも小さい。すなわち、正極電極5におけるくびれ部5a及び張出し部5bの外形は、負極電極3におけるくびれ部3a及び張出し部3bの外形よりも小さい。
図2に示すように、正極電極5は、帯状の正極集電体30と、正極集電体30の両面に形成された正極活物質層32(但し、後述する正極活物質層非形成部32sを除く。)と、を備えている。図4に示すように、正極電極5の一端部には、正極集電体30の延出部31が形成されている。延出部31は、正極集電体30のうち、正極電極5の長手方向において張出し部5bよりも外側に延びている部分である。
図2に示すように、正極電極5は、セパレータ6を介して負極電極3を挟むように折り曲げられている折曲げ部5vを有している。折曲げ部5vは、正極構造体4のつづら折り状態において、折り曲げられている正極電極5のうちくびれ部5a(図4参照)に相当する。折曲げ部5vは、負極集電体露出部20aと対向している。折曲げ部5vは、正極電極5に複数(例えば本実施形態では3つ)配置されている。折曲げ部5vには、正極活物質層32が形成されていない正極活物質層非形成部32sが設けられている。正極活物質層非形成部32sは、正極集電体30のうち正極活物質層32で覆われずに外部に露出した部分に隣接している空間である。
例えば、正極集電体30は、アルミニウム及びステンレス等の金属材料で形成されている。正極活物質層32は、正極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。例えば、正極活物質層32は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等の複合金属酸化物で形成されている。例えば、導電助剤としては、カーボンブラック類、炭素材料及び金属微粉等が挙げられる。例えば、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料が挙げられる。例えば、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料が挙げられる。
[セパレータ]
図4に示すように、セパレータ6は、帯状をなしている。セパレータ6は、上述した正極電極5と同様、複数のくびれ部6aと、複数の張出し部6bと、を備えている。セパレータ6におけるくびれ部6a及び張出し部6bの外形は、負極電極3におけるくびれ部3a及び張出し部3bと実質的に同じ大きさである。
セパレータ6は、リチウムイオン導電性を有する細孔構造の薄膜である。例えば、セパレータ6は、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)等のポリオレフィン並びにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料で形成されている。セパレータ6は、図7に示す一対の第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士が熱融着により一体化されることで形成されている。なお、図4においては、図8に示す一対の第一セパレータ41及び第二セパレータ42を切り出して負極電極3の外形と実質的に同じ大きさとされた状態の第一セパレータ41及び第二セパレータ42を示している。
[イオン不透過部]
図6に示すように、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間には、リチウムイオン(イオン)を透過させないイオン不透過部50が設けられている。イオン不透過部50は、充電時に正極電極5から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンを透過せずに遮る部分である。イオン不透過部50は、3つの折曲げ部5vのそれぞれに配置されている(図2参照)。なお、図6においては、便宜上、折曲げ部5vが実質的に直角に折り曲げられた状態を示している。
イオン不透過部50は、正極活物質層非形成部32sの位置において負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に形成された空間である。すなわち、イオン不透過部50は、折曲げ部5vに位置する正極集電体30とセパレータ6との間に形成された空間である。負極電極3の法線方向において、イオン不透過部50の長さL1は、折曲げ部5vに位置する正極集電体30の長さL2と実質的に同じ長さとなっている。すなわち、負極電極3の法線方向において、イオン不透過部50の長さL1は、負極集電体露出部20aの長さL3(厚み)よりも十分に長くなっている。
負極電極3の法線方向から見て、イオン不透過部50は、負極電極3の幅方向の外端部と重なる部分にも形成されている。すなわち、負極電極3の幅方向において、正極電極5のうち負極電極3の側の正極活物質層32の端縁は、負極集電体露出部20aよりも内側にずれている。これにより、正極電極5が対向する部分に負極電極3の端部が存在しないようになっている。
[外装体]
図1及び図2を併せて参照し、外装体10は、正極缶体11と、負極缶体12と、正極缶体11と負極缶体12との間を電気的に絶縁するガスケット13と、を備えている。
正極缶体11及び負極缶体12は、有底円筒状をなしている。正極缶体11の内径は、負極缶体12の外径よりも大きい。負極缶体12の筒状部が正極缶体11に挿入された状態で、積層体2は、負極缶体12の底面と正極缶体11の底面との間に挟まれている。
ガスケット13は、負極缶体12の筒状部の外周面と正極缶体11の筒状部の内周面との間に配置されている。これにより、積層体2が外装体10に封止されている。図2及び図3を併せて参照し、正極缶体11は、正極集電体30の延出部31と接続されており、正極端子として機能する。一方、負極缶体12は、負極集電体20の延出部21と接続されており、負極端子として機能する。なお、図2においては、延出部31の図示を一部省略している。
[電池の製造方法]
次に、上述した電池1の製造方法の一例について説明する。
図7に示すように、電池1の製造方法は、正極電極5を所定形状に加工する電極加工工程S1と、正極電極5をセパレータ6で覆う電極被覆工程S2と、正極電極5とセパレータ6とを一体化した正極構造体4とする正極構造体形成工程S3と、正極構造体4と負極電極3とをつづら折り形状に折り畳むつづら折り工程S4(折曲げ部形成工程)と、を含む。
まず(すなわち、電極加工工程S1の前)、正極活物質層32及び負極活物質層22を形成するための構成材料を含む塗布液(スラリー)を調整する。以下、正極活物質層32を形成するための構成材料を含む塗布液を「正極用スラリー」、負極活物質層22を形成するための構成材料を含む塗布液を「負極用スラリー」という。正極用スラリーは、上述の正極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。負極用スラリーは、上述の負極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。なお、スラリーの溶媒としては、結着剤及び増粘剤を溶解し、かつ活物質及び導電助剤を分散するものであればよい。
次に、正極集電体30及び負極集電体20を用意する。
そして、正極集電体30の両面に正極用スラリーを塗布する。その後、正極用スラリーを乾燥させる。これにより、正極集電体30の両面に正極活物質層32を形成して正極用シートを得る。そして、正極用シートをスリッター等で上述した帯状に切り出して正極電極5を得る(電極加工工程S1)。
図8に示すように、電極加工工程S1では、正極電極5のうち折曲げ部5vとなる部分(すなわち、正極電極5の展開状態におけるくびれ部5a)に正極活物質層非形成部32sを形成する。具体的に、正極電極5のうち折曲げ部5vの内面(図6に示すつづら折り状態においてセパレータ6と対向する面)となる部分にのみ正極活物質層非形成部32sを形成する。例えば、正極集電体30の長手方向に沿って正極集電体30に正極用スラリーを断続的に塗布することにより正極活物質層非形成部32sを形成する。なお、正極電極5のうち折曲げ部5vの内面となる部分にのみマスクキングして正極集電体30に正極用スラリーを塗布することにより正極活物質層非形成部32sを形成してもよい。
一方、負極集電体20の両面に負極用スラリーを塗布する。その後、負極用スラリーを乾燥させる。これにより、負極集電体20の両面に負極活物質層22を形成して負極用シートを得る。そして、負極用シートをスリッター等で上述した帯状に切り出して負極電極3を得る。この切り出しによって、負極電極3の外周縁に負極集電体露出部20a(図6参照)が存在することになる。
なお、電極加工工程S1では(すなわち、電極被覆工程S2の前)、正極電極5の外形を、負極電極3の外形よりも小さくする。
次に、図8に示すように、正極電極5を、セパレータ6を構成する第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆う(電極被覆工程S2)。以下、正極電極5を第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆ったものを「正極被覆体」という。第一セパレータ41及び第二セパレータ42は、展開状態(図8の平面視)において、正極電極5の長手方向に延びる長方形状をなしている。なお、第一セパレータ41及び第二セパレータ42の外形は、正極電極5におけるくびれ部5a及び張出し部5bを覆い、かつ延出部31を露出させる程度の大きさであればよい。
次に、第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着する(正極構造体形成工程S3)。正極構造体形成工程S3では、正極電極5とセパレータ6とを一体化した正極構造体4とする。
例えば、正極構造体形成工程S3では、正極被覆体を、第一セパレータ41の側又は第二セパレータ42の側からアイロン等を押し当てる。すなわち、正極被覆体を、その厚み方向に圧縮させつつ加熱する。これにより、樹脂製の第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着させるとともに、樹脂製の第一セパレータ41及び第二セパレータ42と正極電極5の結着剤とを熱融着させて図9に示す正極構造体シート4Aを得る。そして、正極構造体シート4Aをスリッター等で上述した帯状に切り出して図5に示す正極構造体4を得る。このとき、展開状態において、正極構造体4の外形を、負極電極3の外形と実質的に同じ大きさにする。
なお、正極構造体形成工程S3では、正極被覆体を第一セパレータ41の側又は第二セパレータ42の側からヒートカッター若しくは超音波カッターで切り出したり、又は正極被覆体にレーザーを照射したりする等の熱による切り出し方法で、図5に示す正極構造体4を直接得ることもできる。上記熱による切り出し方法であれば、正極被覆体の切り出しと同時に第一セパレータ41及び第二セパレータ42の切断部分を熱融着させることができるため、作業の効率化を図る点で好適である。
次に、正極構造体4と負極電極3とを互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳む(つづら折り工程S4)。図10において、正極構造体4の折り曲げ部を符号T1〜T3(一点鎖線)、負極電極3の折り曲げ部を符号U1〜U3(一点鎖線)で示す。
図10に示すように、まず、正極構造体4の長手方向において延出部31とは反対側の張出し部(すなわち、セパレータ6の張出し部6b)と、負極電極3の長手方向において延出部21とは反対側の張出し部3bとを、正極構造体4と負極電極3とが直交するように重ね合わせる。
次に、正極構造体4のくびれ部(すなわち、セパレータ6のくびれ部6a)を、折り曲げ部T1に沿って矢印の方向V1に折り曲げる。次に、負極電極3のくびれ部3aを折り曲げ部U1に沿って矢印の方向V2に折り曲げる。
次に、正極構造体4のくびれ部を折り曲げ部T2に沿って矢印の方向V1とは反対方向(不図示)に折り曲げる。次に、負極電極3のくびれ部3aを折り曲げ部U2に沿って矢印の方向V2とは反対方向(不図示)に折り曲げる。
次に、正極構造体4のくびれ部を、折り曲げ部T3に沿って矢印の方向V1に折り曲げる。次に、負極電極3のくびれ部3aを折り曲げ部U3に沿って矢印の方向V2に折り曲げる。
このように、正極構造体4のくびれ部と、負極電極3のくびれ部3aとを、互い違いに交互に折り曲げていく。このようにつづら折りすることにより、上述した積層体2(図3参照)を得る。
つづら折り工程S4は、セパレータ6を介して負極電極3を挟むように正極電極5を折り曲げて、負極集電体露出部20aと対向する折曲げ部5vを形成する工程であり、特許請求の範囲に記載の「折曲げ部形成工程」に相当する。図6に示すように、つづら折り工程S4では、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に、リチウムイオンを透過させないイオン不透過部50を形成する。具体的に、つづら折り工程S4では、正極活物質層非形成部32sの位置において、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間にイオン不透過部50として空間を形成する。
そして、積層体2に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体2を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池1(図2参照)が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る電池1は、正極電極5と、負極集電体20が露出した負極集電体露出部20aを有する負極電極3と、正極電極5と負極電極3との間に配置されたセパレータ6と、を備え、正極電極5は、セパレータ6を介して負極電極3を挟むように折り曲げられるとともに、負極集電体露出部20aと対向する折曲げ部5vを有し、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間には、リチウムイオンを透過させないイオン不透過部50が設けられている。また、本実施形態に係る電池1の製造方法は、正極電極5と、負極集電体20が露出した負極集電体露出部20aを有する負極電極3と、正極電極5と負極電極3との間に配置されたセパレータ6と、を備えた電子1の製造方法であって、セパレータ6を介して負極電極3を挟むように正極電極5を折り曲げて、負極集電体露出部20aと対向する折曲げ部5vを形成するつづら折り工程S4を含み、つづら折り工程S4では、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に、リチウムイオンを透過させないイオン不透過部50を形成する。
本実施形態によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に設けられたイオン不透過部50によって、充電時に正極電極5から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンが遮られるため、リチウムイオンが負極集電体露出部20aにリチウムデンドライトとして析出することを回避することができる。したがって、正極電極5が対向する部分に負極集電体露出部20aが単に存在している構成(すなわち、イオン不透過部50が設けられていない構成)と比較して、電池1の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態では、正極電極5は、正極集電体30と、正極集電体30を覆う正極活物質層32とを備え、折曲げ部5vには、正極活物質層32が形成されていない正極活物質層非形成部32sが設けられ、イオン不透過部50は、正極活物質層非形成部32sの位置において負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に形成された空間である。
本実施形態によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間に形成された空間によって、充電時に正極電極5から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンが遮られるため、電池1の信頼性を簡単な構成で向上することができる。
また、本実施形態では、正極電極5は、セパレータ6と一体化した正極構造体4とされている。
本実施形態によれば、正極電極5がセパレータ6と別体にされている場合と比較して、正極電極5の位置がずれることを抑制することができるため、正極電極5の位置ズレに起因してイオン不透過部50の位置がずれることを回避することができる。すなわち、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間の所定位置にイオン不透過部50を精度よく配置することができる。そのため、イオン不透過部50によって充電時に正極電極5から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池1の信頼性をより一層向上することができる。
また、本実施形態では、負極電極3と正極構造体4とは、互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳まれている。
特に、正極電極がセパレータに単に覆われた状態でつづら折り形状に折り畳まれている場合には、正極電極の位置がずれる可能性が高くなる。しかし、本実施形態によれば、正極電極5がセパレータ6と一体化されているため、前記つづら折り形状とした場合であっても、正極電極5の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極5の位置ズレに起因してイオン不透過部50の位置がずれることを回避し、電池1の信頼性をより一層向上することができる。
また、本実施形態では、正極電極5の外形は、負極電極3の外形よりも小さくされている。
仮に、負極電極の外形が正極電極の外形よりも小さいと、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することになる。この場合、充電時に正極電極から移動してきたリチウムイオンがエッジ効果によって負極電極の端部に集中する。そのため、リチウムイオンが負極電極の端部にリチウムデンドライトとして析出し、短絡及び電池容量の低下等によって電池の信頼性を低下させる可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、正極電極5の外形が負極電極3の外形よりも小さいため、正極電極5が対向する部分に負極電極3の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池1の信頼性をより一層高めることができる。
また、本実施形態では、正極構造体4の外形は、負極電極3の外形と同じ大きさとされている。
本実施形態によれば、正極構造体の外形が負極電極の外形と異なる大きさである場合と比較して、正極構造体4と負極電極3との位置合わせがし易くなるため、正極電極5が対向する部分に負極電極3の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池1の信頼性をより一層高めることができる。加えて、正極構造体4と負極電極3とのつづら折りも容易となる。
また、本実施形態に係る電池1の製造方法では、つづら折り工程S4の前、正極電極5のうち折曲げ部5vとなる部分に、正極活物質層32が形成されていない正極活物質層非形成部32sを形成し、つづら折り工程S4では、正極活物質層非形成部32sの位置において負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間にイオン不透過部50として空間を形成している。
この方法によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部5vとの間にイオン不透過部50として空間を形成するにあたり、つづら折り工程S4の前に予め正極電極5のうち折曲げ部5vとなる部分に正極活物質層被形成部32sを形成しておくだけで済むため、電池1の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
また、本実施形態に係る電池1の製造方法では、正極構造体形成工程S3において、正極電極5を、セパレータ6を構成する樹脂製の第一セパレータ41と樹脂製の第二セパレータ42とで挟んで覆った後、第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着している。
この方法によれば、第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着して一体形成することによって正極電極5の移動が規制されるため、正極電極5の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極5の位置ズレに起因してイオン不透過部50の位置がずれることを回避し、電池1の信頼性をより一層向上することができる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態に係る積層体の断面を示す、図6に相当する要部拡大図である。
第2実施形態では、イオン不透過部250は、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間に配置された樹脂層251である。折曲げ部205vには、正極活物質層非形成部32s(図6参照)が設けられていない。これらの点で、第2実施形態は第1実施形態と異なる。
以下、第2実施形態に係るイオン不透過部250について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
[イオン不透過部]
図11に示すように、イオン不透過部250は、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間に配置された樹脂層251である。樹脂層251は、折曲げ部205vとセパレータ6との間に配置されている。負極電極3の法線方向において、樹脂層251の長さL21は、折曲げ部205vの長さL22と実質的に同じ長さとなっている。すなわち、負極電極3の法線方向において、樹脂層251の長さL21は、負極集電体露出部20aの長さL3(厚み)よりも十分に長くなっている。なお、図11においては、便宜上、折曲げ部205vが実質的に直角に折り曲げられた状態を示している。
負極電極3の法線方向から見て、イオン不透過部250は、負極電極3の幅方向の外端部と重なる部分にも形成されている。すなわち、負極電極3の幅方向において、正極電極205のうち負極電極3の側の正極活物質層32の露出部(すなわち、樹脂層251で覆われていない部分)は、負極集電体露出部20aよりも内側にずれている。これにより、正極電極205が対向する部分に負極電極3の端部が存在しないようになっている。
樹脂層251は、リチウムイオンを透過しないこと及び電解液中で化学的に安定であることを満足する材料で形成されている。例えば、樹脂層251は、エポキシ樹脂、ポリイミド及びポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料で形成されている。
[電池の製造方法]
図12に示すように、第2実施形態では、電極加工工程S201において、正極電極205のうち折曲げ部205vとなる部分(すなわち、正極電極205の展開状態におけるくびれ部5a)に正極活物質層非形成部32s(図6参照)を形成しない。また、電極加工工程S201の後かつ電極被覆工程S203の前に樹脂層設置工程S202を更に含む。また、つづら折り工程S205では、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間にイオン不透過部250として樹脂層251を配置する。これらの点で、第2実施形態は第1実施形態と異なる。
以下、第2実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
図13に示すように、樹脂層設置工程S202では、正極電極205のうち折曲げ部205vとなる部分(すなわち、正極電極205の展開状態におけるくびれ部5a)に樹脂層251を設置する。具体的に、正極電極205のうち折曲げ部205vの内面(図11に示すつづら折り状態においてセパレータ6と対向する面)となる部分にのみ樹脂層251を設置する。例えば、樹脂層設置工程S202では、正極電極205のうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷することにより樹脂層251を形成する。なお、正極電極205のうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみポリイミドテープ又はPETテープを貼付することにより樹脂層251を形成してもよい。
樹脂層設置工程S202では、樹脂層251の長さL21を、折曲げ部205vとなる部分(すなわち、正極電極205の展開状態におけるくびれ部5a)の長さと実質的に同じ長さとする。次に、電極被覆工程S203において、樹脂層251を設置した正極電極205を、セパレータ6を構成する第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆い、正極被覆体を得る。
次に、正極構造体形成工程S204において、第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着し、樹脂層251を設置した正極電極205とセパレータ6とを一体化して不図示の正極構造体シートを得る。そして、正極構造体シートを上述した帯状に切り出して図14に示す正極構造体204を得る。
次に、つづら折り工程S205において、正極構造体204と負極電極3とを互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳み、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
以上説明したように、本実施形態では、イオン不透過部250は、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間に配置された樹脂層251である。
本実施形態によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間に配置された樹脂層251によって、充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンが遮られるため、電池の信頼性を簡単な構成で向上することができる。
また、本実施形態では、樹脂層251は、折曲げ部205vとセパレータ6との間に配置されている。
本実施形態によれば、樹脂層がセパレータと負極集電体露出部との間に配置された場合と比較して、樹脂層251が正極電極205に近い位置に配置されるため、充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。
また、本実施形態では、負極電極3の法線方向における樹脂層251の長さL21は、負極電極3の法線方向における折曲げ部の長さL22と同じ長さである。
本実施形態によれば、負極電極3の法線方向において折曲げ部205v全体(すなわち、正極電極205のうち負極集電体露出部20aと対向する部分全体)にわたって樹脂層251が配置されるため、樹脂層251によって充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。
また、本実施形態に係る電池の製造方法では、つづら折り工程の前S205、正極電極205のうち折曲げ部205vとなる部分に樹脂層251を設置する樹脂層設置工程S202を更に含む。
この方法によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間にイオン不透過部250として樹脂層251を配置するにあたり、つづら折り工程S205の前に予め正極電極205のうち折曲げ部205vとなる部分に樹脂層251を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
また、本実施形態に係る電池の製造方法では、樹脂層設置工程S202において、樹脂層251の長さL21を、折曲げ部205vとなる部分の長さと同じ長さとしている。
この方法によれば、折曲げ部205v全体(すなわち、正極電極205のうち負極集電体露出部20aと対向する部分全体)にわたって樹脂層251が配置されることになるため、樹脂層251によって充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、つづら折り形成工程S205において、樹脂層251の端縁(図14に示す二点鎖線部)を起点として正極電極205を容易に折り曲げることができるため、作業性を向上することができる。
<第3実施形態>
図15は、第3実施形態に係る積層体の断面を示す、図11に相当する要部拡大図である。
第3実施形態では、イオン不透過部350は、負極集電体露出部20aと折曲げ部205v(具体的には、正極構造体304の折曲げ部)との間に配置された樹脂層351である。この点で、第3実施形態は第2実施形態と異なる。
以下、第3実施形態に係るイオン不透過部350について説明する。なお、第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
[イオン不透過部]
図15に示すように、イオン不透過部350は、負極集電体露出部20aと正極構造体304の折曲げ部(すなわち、セパレータ6の折曲げ部)との間に配置された樹脂層351である。すなわち、正極構造体304の内部には、樹脂層251(図11参照)は配置されていない。樹脂層351は、セパレータ6のうち折曲げ部205vと対向する部分と、負極集電体露出部20aとの間に配置されている。負極電極3の法線方向において、樹脂層351の長さL31は、正極構造体304の折曲げ部(すなわち、セパレータ6の折曲げ部)の長さL32と実質的に同じ長さとなっている。すなわち、負極電極3の法線方向において、樹脂層351の長さL31は、負極集電体露出部20aの長さL3(厚み)よりも十分に長くなっている。なお、図15においては、便宜上、正極構造体304の折曲げ部が実質的に直角に折り曲げられた状態を示している。
負極電極3の法線方向から見て、イオン不透過部350は、負極電極3の幅方向の外端部と重なる部分にも形成されている。すなわち、負極電極3の幅方向において、正極構造体304のうち負極電極3の側のセパレータ6の露出部(すなわち、樹脂層351で覆われていない部分)は、負極集電体露出部20aよりも内側にずれている。これにより、正極電極205が対向する部分に負極電極3の端部が存在しないようになっている。
[電池の製造方法]
図16に示すように、第3実施形態では、電極加工工程S301の後かつ電極被覆工程S303の前ではなく、正極構造体形成工程S303の後であってつづら折り工程S305の前に樹脂層設置工程S304を更に含む。この点で、第3実施形態は第2実施形態と異なる。
以下、第3実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
図17に示すように、樹脂層設置工程S304では、セパレータ6のうち折曲げ部205vと対向することとなる部分(すなわち、正極構造体304の展開状態におけるセパレータ6のくびれ部6a)に樹脂層351を設置する。具体的に、正極構造体304のうち折曲げ部の内面(図15に示すつづら折り状態において負極集電体露出部20aと対向する面)となる部分にのみ樹脂層351を設置する。例えば、樹脂層設置工程S304では、正極構造体304のうち折曲げ部の内面となる部分にのみエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷することにより樹脂層351を形成する。なお、正極構造体304のうち折曲げ部の内面となる部分にのみポリイミドテープ又はPETテープを貼付することにより樹脂層351を形成してもよい。
樹脂層設置工程S304では、樹脂層351の長さL31を、セパレータ6のうち折曲げ部205vと対向することとなる部分(すなわち、正極構造体304の展開状態におけるセパレータ6のくびれ部6a)の長さと実質的に同じ長さとする。
次に、つづら折り工程S305において、正極構造体304と負極電極3とを互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳み、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る電池の製造方法では、つづら折り工程S305の前、セパレータ6のうち折曲げ部205vと対向することとなる部分に樹脂層351を設置する樹脂層設置工程S304を更に含む。
この方法によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間にイオン不透過部350として樹脂層351を配置するにあたり、つづら折り工程S305の前に予めセパレータ6のうち折曲げ部205vと対向することとなる部分に樹脂層351を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
また、本実施形態に係る電池の製造方法では、樹脂層設置工程S304において、樹脂層351の長さL31を、セパレータ6のうち折曲げ部205vと対向することとなる部分の長さと同じ長さとしている。
この方法によれば、正極構造体304の折曲げ部全体(すなわち、セパレータ6のうち負極集電体露出部20aと対向する部分全体)にわたって樹脂層351が配置されることになるため、樹脂層351によって充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、つづら折り形成工程S305において、樹脂層351の端縁(図17に示す二点鎖線部)を起点として正極構造体304を容易に折り曲げることができるため、作業性を向上することができる。
<第4実施形態>
図18は、第4実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。
図12に示すように、第2実施形態では、電極加工工程S201の後に樹脂層設置工程S202を行っていた。これに対し、第4実施形態では、図18に示すように、電極加工工程S402の前に樹脂層設置工程S401を行う。この点で、第4実施形態は第2実施形態と異なる。
以下、第4実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第4実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
[電池の製造方法]
図19に示すように、樹脂層設置工程S401では、平面視長方形状の正極用シート405Aのうち折曲げ部205v(図11に相当)となる部分(すなわち、図13に示す正極電極205の展開状態におけるくびれ部5a)に樹脂層451を設置する。具体的に、正極用シート405Aのうち折曲げ部205vの内面(図11に示すつづら折り状態においてセパレータ6と対向する面)となる部分にのみ樹脂層451を設置する。例えば、樹脂層設置工程S401では、正極用シート405Aのうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷することにより樹脂層451を形成する。なお、正極シート405Aのうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみポリイミドテープ又はPETテープを貼付することにより樹脂層451を形成してもよい。
樹脂層設置工程S401では、樹脂層451の長さL41を、折曲げ部205vとなる部分(すなわち、正極電極205の展開状態におけるくびれ部5a)の長さと実質的に同じ長さとする。次に、電極加工工程S402において、樹脂層451を設置した正極用シート405Bをスリッター等で上述した帯状に切り出して樹脂層451を設置した正極電極(図13に相当)を得る。
その後、電極被覆工程S403(図13に相当)、正極構造体形成工程S404(図14に相当)、つづら折り工程S405(図10に相当)を経て、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る電池の製造方法では、電極加工工程S402の後ではなく、電極加工工程S402の前に、正極用シート405Aのうち折曲げ部205v(図11に相当)となる部分に樹脂層451を設置する樹脂層設置工程S401を含む。
この方法によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間にイオン不透過部250として樹脂層451を配置するにあたり、電極加工工程S402の前に予め正極シート405Aのうち折曲げ部205vとなる部分に樹脂層451を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
また、本実施形態に係る電池の製造方法では、樹脂層設置工程S401において、樹脂層451の長さL41を、折曲げ部205vとなる部分の長さと同じ長さとしている。
この方法によれば、折曲げ部205v全体(すなわち、正極電極205のうち負極集電体露出部20aと対向する部分全体)にわたって樹脂層451が配置されることになるため、樹脂層451によって充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、つづら折り形成工程S405において、樹脂層451の端縁(図14に示す二点鎖線部に相当)を起点として正極電極205を容易に折り曲げることができるため、作業性を向上することができる。
<第5実施形態>
図20は、第5実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。
図16に示すように、第3実施形態では、正極構造体形成工程S303の後に樹脂層設置工程S304を行っていた。これに対し、第5実施形態では、図20に示すように、正極構造体形成工程S504の前に樹脂層設置工程S503を行う。この点で、第5実施形態は第3実施形態と異なる。
以下、第5実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第5実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点について説明する。
[電池の製造方法]
図21に示すように、樹脂層設置工程S503では、平面視長方形状の正極被覆体504Aのうち折曲げ部205v(図15に相当)と対向することとなる部分(すなわち、図17に示す正極構造体304の展開状態におけるセパレータ6のくびれ部6a)に樹脂層551を設置する。ここで、正極被覆体504Aは、正極活物質層非形成部が形成されていない正極電極205(図15に相当)を図13に示す第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆ったものである。
具体的に、樹脂層設置工程S503では、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vの内面(図15に示すつづら折り状態において負極集電体露出部20aと対向する面)となる部分にのみ樹脂層551を設置する。例えば、樹脂層設置工程S503では、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷することにより樹脂層551を形成する。なお、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vの内面となる部分にのみポリイミドテープ又はPETテープを貼付することにより樹脂層551を形成してもよい。
樹脂層設置工程S503では、樹脂層551の長さL51を、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vと対向することとなる部分(すなわち、正極構造体304の展開状態におけるセパレータ6のくびれ部6a)の長さと実質的に同じ長さとする。次に、正極構造体形成工程S504において、第一セパレータ41及び第二セパレータ42同士を熱融着し、樹脂層551を設置したセパレータ6と正極電極205とを一体化して正極構造体シート504Bを得る。次に、正極構造体シート504Bを上述した帯状に切り出して樹脂層551を設置した正極構造体(図17に相当)を得る。
その後、つづら折り工程S505(図10に相当)を経て、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
以上説明したように、本実施形態に係る電池の製造方法では、正極構造体形成工程S504の後ではなく、正極構造体形成工程S504の前に、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205v(図15に相当)と対向することとなる部分に樹脂層551を設置する樹脂層設置工程S503を行う。
この方法によれば、負極集電体露出部20aと折曲げ部205vとの間にイオン不透過部350として樹脂層551を配置するにあたり、正極構造体形成工程S504の前に予め正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vと対向することとなる部分に樹脂層551を設置しておくだけで済むため、電池の信頼性を簡単な方法で向上することができる。
また、本実施形態に係る電池の製造方法では、樹脂層設置工程S503において、樹脂層551の長さL51を、正極被覆体504Aのうち折曲げ部205vと対向することとなる部分の長さと同じ長さとしている。
この方法によれば、正極構造体304の折曲げ部全体(すなわち、セパレータ6のうち負極集電体露出部20aと対向する部分全体)にわたって樹脂層551が配置されることになるため、樹脂層551によって充電時に正極電極205から負極集電体露出部20aに向けて移動しようとするリチウムイオンがより確実に遮られる。したがって、電池の信頼性をより一層向上することができる。加えて、つづら折り形成工程S505において、樹脂層551の端縁(図17に示す二点鎖線部に相当)を起点として正極構造体304を容易に折り曲げることができるため、作業性を向上することができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、電気化学セルの一例として、二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、電気二重層キャパシタ及び一次電池等に上述した構成を適用してもよい。また、電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池であってもよい。
また、上記実施形態では、正極電極がセパレータで覆われている例を挙げて説明したが、これに限らず、負極電極がセパレータで覆われていてもよい。
また、上記実施形態では、積層体を外装体に封入してコイン型の電池とした例を挙げて説明したが、これに限らず、積層体をラミネートパックに封入し、積層体と電気的に接続したリード線をラミネートパックから外部に突出させた構成であってもよい。
また、上記実施形態では、正極電極及び負極電極が張出し部を4つずつ備えている例を挙げて説明したが、これに限らず、張出し部を5つ以上ずつ備えていてもよい。すなわち、正極電極及び負極電極は、張出し部を複数かつ同数ずつ備えていればよい。
また、上記実施形態では、張出し部の形状を円板状とした例を挙げて説明したが、これに限らず、張出し部の形状を、正方形板状、長方形板状、楕円板状等、任意の形状としてもよい。
また、上記実施形態では、正極電極、負極電極及びセパレータがくびれ部及び張出し部を備えている例を挙げて説明したが、これに限らず、前記くびれ部及び張出し部を備えていなくてもよい。すなわち、正極電極、負極電極及びセパレータが平面視長方形状の帯状をなしていてもよい。
また、上記実施形態では、イオン不透過部が、正極活物質層非形成部の位置において負極集電体露出部と折曲げ部との間に形成された空間、又は負極集電体露出部と折曲げ部との間に配置された樹脂層である例を挙げて説明したが、これに限らず、イオン不透過部が前記空間であることに加え前記樹脂層を備えていてもよい。また、イオン不透過部が、リチウムイオンを透過させない部分である例を挙げて説明したが、これに限らず、ナトリウムイオン及びマグネシウムイオン等の他のイオンを透過させない部分であってもよい。すなわち、イオン不透過部は、イオンを透過させない構成であればよい。
また、上記実施形態では、正極構造体と負極電極とをつづら折りする例を挙げて説明したが、これに限らず、正極構造体と負極電極とを巻回、積層等してもよい。
また、上記実施形態では、電極被覆工程において、正極電極を、第一セパレータ及び第二セパレータとで挟んで覆う例を挙げて説明したが、これに限らず、袋状のセパレータで正極電極を覆ってもよい。
また、上記実施形態では、正極電極の結着剤の材料をポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等とし、セパレータの材料をポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)等のポリオレフィン並びにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等とした例を挙げて説明したが、これらに限らず、正極活物質層とセパレータとを熱融着することが可能な材料であればよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…電池(電気化学セル) 3…負極電極 4,204,304…正極構造体 5,205…正極電極 5v,205v…折曲げ部 6…セパレータ 20…負極集電体 20a…負極集電体露出部 32…正極活物質層 32s…正極活物質層非形成部 41…第一セパレータ 42…第二セパレータ 50,250,350…イオン不透過部 251,351,451,551…樹脂層 L21,L31,L41,L51…樹脂層の長さ L22,L32…折曲げ部の長さ S3,S204,S303,S404,S504…正極構造体形成工程 S4,S205,S305,S405,S505…つづら折り工程(折曲げ部形成工程) S202,S304,S401,S503…樹脂層設置工程

Claims (15)

  1. 正極電極と、
    負極集電体が露出した負極集電体露出部を有する負極電極と、
    前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備え、
    前記正極電極は、前記セパレータを介して前記負極電極を挟むように折り曲げられるとともに、前記負極集電体露出部と対向する折曲げ部を有し、
    前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間には、イオンを透過させないイオン不透過部が設けられ、
    前記正極電極は、前記セパレータと一体化した正極構造体とされ
    前記正極電極の外形は、前記負極電極の外形よりも小さく、
    前記正極構造体の外形は、前記負極電極の外形と同じ大きさであることを特徴とする電気化学セル。
  2. 前記正極電極は、正極集電体と、前記正極集電体を覆う正極活物質層とを備え、
    前記折曲げ部には、前記正極活物質層が形成されていない正極活物質層非形成部が設けられ、
    前記イオン不透過部は、前記正極活物質層非形成部の位置において前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に形成された空間であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記イオン不透過部は、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に配置された樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  4. 前記樹脂層は、前記折曲げ部と前記セパレータとの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電気化学セル。
  5. 前記負極電極の法線方向における前記樹脂層の長さは、前記負極電極の法線方向における前記折曲げ部の長さと同じ長さであることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気化学セル。
  6. 前記樹脂層は、前記セパレータのうち前記折曲げ部と対向する部分と、前記負極集電体露出部との間に配置されていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の電気化学セル。
  7. 前記負極電極と前記正極構造体とは、互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳まれていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電気化学セル。
  8. 正極電極と、負極集電体が露出した負極集電体露出部を有する負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備えた電気化学セルの製造方法であって、
    前記セパレータを介して前記負極電極を挟むように前記正極電極を折り曲げて、前記負極集電体露出部と対向する折曲げ部を形成する折曲げ部形成工程を含み、
    前記折曲げ部形成工程では、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に、イオンを透過させないイオン不透過部を形成し、
    前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極を、前記セパレータと一体化した正極構造体とする正極構造体形成工程を更に含み、
    前記正極構造体形成工程の前、前記正極電極の外形を、前記負極電極の外形よりも小さくし、
    前記正極構造体形成工程では、前記正極構造体の外形を、前記負極電極の外形と同じ大きさにすることを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  9. 前記正極電極は、正極集電体と、前記正極集電体を覆う正極活物質層とを備え、
    前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極のうち前記折曲げ部となる部分に、前記正極活物質層が形成されていない正極活物質層非形成部を形成し、
    前記折曲げ部形成工程では、前記正極活物質層非形成部の位置において前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に前記イオン不透過部として空間を形成することを特徴とする請求項に記載の電気化学セルの製造方法。
  10. 前記折曲げ部形成工程では、前記負極集電体露出部と前記折曲げ部との間に、前記イオン不透過部として樹脂層を配置することを特徴とする請求項に記載の電気化学セルの製造方法。
  11. 前記折曲げ部形成工程の前、前記正極電極のうち前記折曲げ部となる部分に前記樹脂層を設置する樹脂層設置工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の電気化学セルの製造方法。
  12. 前記折曲げ部形成工程の前、前記セパレータのうち前記折曲げ部と対向することとなる部分に前記樹脂層を設置する樹脂層設置工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の電気化学セルの製造方法。
  13. 前記樹脂層設置工程では、前記樹脂層の長さを、前記折曲げ部となる部分の長さと同じ長さとすることを特徴とする請求項11又は12に記載の電気化学セルの製造方法。
  14. 前記折曲げ部形成工程では、前記負極電極と前記正極構造体とを、互い違いに積層するように互いに交差する方向につづら折り形状に折り畳むことを特徴とする請求項から13の何れか一項に記載の電気化学セルの製造方法。
  15. 前記正極構造体形成工程では、前記正極電極を、前記セパレータを構成する樹脂製の第一セパレータと樹脂製の第二セパレータとで挟んで覆った後、前記第一セパレータ及び前記第二セパレータ同士を熱融着することを特徴とする請求項から14の何れか一項に記載の電気化学セルの製造方法。
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