JP6782463B2 - コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの分別・定量方法 - Google Patents

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの分別・定量方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの分別・定量方法に関する。
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンは、コアタンパク質とコンドロイチン硫酸糖鎖とが結合しているハイブリッド分子である。一方、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンは、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンから遊離するコンドロイチン硫酸糖鎖である。これらはいずれも、生理活性を有する物質であることから、医薬品や機能性食品中のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別・定量することは、医薬品や機能性食品に期待される効果を予測・判定するために有用である。
コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの従来から知られている定量方法は、分画操作と、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンに結合するコンドロイチン硫酸糖鎖及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンのコンドロイチン硫酸糖鎖を定量する操作との二つの操作から構成される。
上記分画操作には、クロマトグラフィー、超遠心法、免疫化学的方法などが知られている。クロマトグラフィーを用いる場合には、分子量の違いや酸性度の違いを利用するゲル濾過クロマトグラフィーや陰イオン交換クロマトグラフィーが知られている。超遠心法は、比重の差を利用して超遠心分離機によりコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分離し、これらのコンドロイチン硫酸糖鎖量を測定するものである。免疫化学的方法は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコアタンパク質に対する抗体をラテックスに結合させ、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンと凝集反応させた後に、ラテックスを遠心又はフィルタにより取り除き、抗体に結合した画分と結合しない画分とを定量する方法である。しかしながら、これらの方法はいずれも、簡便性や経済性等の面で問題があった。
本発明は、従来技術のような煩雑な分画操作を必要とせず、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを簡便に、また効率的に分別し定量することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、溶媒に対するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの溶解性とコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの溶解性との違いを利用して、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別し、分別して得られたコンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンをそれぞれコンドロイチナーゼにより不飽和二糖に分解し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来のそれぞれの不飽和二糖を分離し定量することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は以下を提供する。
〔1〕 コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別し定量するための方法であって、
(1)溶媒に対するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの溶解性とコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの溶解性との違いを利用して、被検試料中に存在しうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別する工程と、
(2)分別して得られうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを、それぞれコンドロイチナーゼにより不飽和二糖に分解し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来のそれぞれの不飽和二糖を分離し定量する工程と
を含む、方法。
〔2〕 工程(1)における溶媒が水混和性有機溶媒である、上記〔1〕に記載の方法。
〔3〕 水混和性有機溶媒が、メタノール、エタノール、アセトニトリル、1,4−ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、上記〔2〕に記載の方法。
〔4〕 水混和性有機溶媒が、メタノールである、上記〔2〕に記載の方法。
〔5〕 工程(1)が、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及び/又はコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを含みうる被検試料の水溶液を調製し、水混和性有機溶媒の添加により沈殿を生じさせることを含む、上記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕 工程(2)における分離・定量が、液体クロマトグラフィーにより行われる、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕 工程(2)における分離・定量が、高速液体クロマトグラフィーにより行われる、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、煩雑な分離操作を必要とせずに、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを簡便に、また効率的に分別し定量することが可能となる。
コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを含む水溶液(試料水溶液)について、最終濃度50重量%、55重量%及び60重量%のエタノールで沈殿処理を行い、遠心分離した後の上清と沈殿(ペレット)の様子を示す図である。 試料水溶液をエタノール処理(最終濃度55重量%)して得られた上清及び沈殿(ペレット)それぞれの画分に含まれる不飽和二糖について、HPLC分析した結果を示すチャートである。沈殿では、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンに相当するピークが検出された。一方、上清では、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンに相当するピークは検出されなかった。 試料水溶液をエタノール処理(最終濃度60重量%)して得られた上清及び沈殿(ペレット)それぞれの画分に含まれる不飽和二糖について、HPLC分析した結果を示すチャートである。沈殿及び上清の両方において、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンに相当するピークが検出された。
本発明は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別し定量するための方法であって、
(1)溶媒に対するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの溶解性とコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの溶解性との違いを利用して、被検試料中に存在しうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別する工程と、
(2)分別して得られうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンをそれぞれコンドロイチナーゼにより不飽和二糖に分解し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来のそれぞれの不飽和二糖を分離し定量する工程と
を含む、方法を提供する。
本発明の分別・定量方法の被検試料としては、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンのいずれか一方又はその両方を含むかもしれない試料であれば、いかなる試料でも対象とすることができる。そのような被検試料としては、例えば、医薬品、食品(機能性食品等の特定の用途を意図した食品も含む)、及び、血液、血清、血漿、尿等の体液、並びに、それらの希釈物などが挙げられる。本発明の分別・定量方法は、被検試料中に、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとの両方が含まれていれば、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの分別・定量方法に相当するし、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのみが含まれていれば、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの分別・定量方法に相当するし、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンのみが含まれていれば、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの分別・定量方法に相当する。
上記工程(1)を行う際には、代表的には、被検試料を例えば10〜100mg/mL程度含む水溶液を調製する。被検試料が液体の場合には、液体に含まれうるタンパク質を、過塩素酸やトリクロロ酢酸等の試薬を用いて取り除き、その上清を10〜100mg/mLの被検試料濃度範囲になるように希釈又は濃縮して水溶液を調製するのが好ましい。調製した被検試料の水溶液に対して、例えば水混和性有機溶媒を60〜80重量%程度の最終濃度になるように加え、生じた沈殿を遠心分離又はフィルターにより分画する。必要に応じて、沈殿を取り除き、上清に対して、水混和性有機溶媒を更に加え、生じた沈殿を遠心分離又はフィルターにより分画する。ここで、一回目の水混和性有機溶媒と二回目の水混和性有機溶媒は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、沈殿処理及び分画は、必要に応じた回数行うことができ、例えば、1回、2回、3回以上行われる。この沈殿処理及び分画の操作が、上記工程(1)における、溶媒に対するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの溶解性とコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの溶解性との違いを利用することに相当する。具体的には、例えばエタノールを水混和性有機溶媒として使用すると、最終濃度55重量%では、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンは沈殿を生じないのに対し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンは沈殿を生じる。その結果、最終濃度55重量%でエタノール処理を行うことにより、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを沈殿中に簡便に、また効率的に回収することが可能となる。
被検試料の水溶液に対する水混和性有機溶媒の使用量は、本発明の目的を達成することができる限り特段制限されないが、被検試料中に含まれうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを効率よく分別して定量するためには、被検試料の水溶液中の水混和性有機溶媒の最終濃度を、30〜55重量%程度とするのが好ましく、また、被検試料中に含まれうるコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを効率よく分別して定量するためには、被検試料の水溶液中の水混和性有機溶媒の最終濃度を、60〜80重量%程度とするのが好ましい。
本発明で使用される「水混和性有機溶媒」としては、本発明の目的を達成することができる水と混和可能な有機溶媒である限り特段限定されないが、水と任意の割合で混和可能な有機溶媒が好ましい。水との混和性の高さから、水混和性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、1,4−ジオキサン及びそれらの混合物などが好ましく、中でも、エタノールが特に好ましい。
沈殿操作において沈殿を生じさせる温度は、特段制限されるものではないが、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの沈殿効率の点から、0〜25℃程度で行うことが好ましく、4℃程度で行うことが特に好ましい。沈殿を完結させるために要する時間は、通常、15〜30分程度である。
上記工程(2)では、コンドロイチン硫酸糖鎖の特異的分解酵素であるコンドロイチナーゼを使用して、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコンドロイチン硫酸糖鎖及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸糖鎖から構成されている)をそれぞれ、不飽和二糖に分解して、当該不飽和二糖を定量する(以下、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来の不飽和二糖及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来の不飽和二糖をあわせて、単に「不飽和二糖」とも記載する。)。ここで、コンドロイチナーゼとしては、コンドロイチン硫酸糖鎖に対する特異性及び性質が担保された分解酵素であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、コンドロイチナーゼABC、コンドロイチナーゼACII、コンドロイチナーゼACI及びこれら2種以上を含む混合物が挙げられる。使用するコンドロイチナーゼの量は、本発明の目的を達成することができる限り特に限定されるものではないが、例えば0.1〜10ユニット/mL程度、好ましくは1〜2ユニット/mL程度が用いられる。
不飽和二糖を分離し定量する方法は、コンドロイチナーゼにより分解されて得られた不飽和二糖を分離し定量することができる方法であれば特段制限なく使用することができるが、例えば、液体クロマトグラフィー、特に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた定量や、紫外吸光度(例えば、230〜240nmでの吸光度)の増加量を用いた定量などを使用することができる。
分離・定量で採用する具体的な条件は、コンドロイチナーゼにより分解されて得られうる不飽和二糖を分離し定量することができるものであれば特段限定されるものではないが、逆相イオン対クロマグラフィーを採用することが好ましい。逆相イオン対クロマトグラフィーは、例えば、負に帯電した試料と溶離液中の正に帯電したイオン対分子との公知の組み合わせによるものを使用することができ、固定相としては、例えば、イオン対分子に親和性を持つアルキル鎖を細孔表面に有するシリカ系樹脂が充填された逆相型カラムを用いることができる。充填剤は、C22を有する逆相樹脂が好ましく、そのような樹脂としては、例えば、Docosyl C22(センシュー科学)を用いることができる。溶離液としては、不飽和二糖が分離できるものであれば、種類、濃度、pH等に特段の制限はないが、例えば、テトラブチルアンモニウムと塩化ナトリウムとを含む有機溶媒−水の溶液を用いることができる。溶離液に使用する有機溶媒は、所望の溶離能が得られるものであれば特段制限されるものではないが、水と自由に混ざり合うことが可能な有機溶媒が好ましく、特にメタノール、アセトニトリルなどが好ましい。有機溶媒は、共存する塩化ナトリウムが沈殿しない濃度の範囲で用いることが好ましい。溶離液としては、特に好ましくは、1.2mMテトラブチルアンモニウムと10mM塩化ナトリウムとを含む12%のメタノール溶液が用いられる。ここで、例えば、テトラブチルアンモニウムの濃度を高くすることで、不飽和二糖の溶出時間を遅らせることが可能であり、ピークの分離と分析時間を適切に調整することができる。
不飽和二糖を検出する手段は、コンドロイチナーゼにより分解されて得られた不飽和二糖を検出可能な手段であれば特段制限なく使用することが可能であるが、一般的には、紫外吸収検出器が用いられる。
上記工程(2)を実施する装置としては、例えば、溶離液である移動相供給部と、液体クロマトグラフ部分と、分離カラムの下流部に設けられた紫外吸収検出器とを備える装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例の態様のみに制限されるものではない。
[実施例1]
被検試料としては、コンドロイチン硫酸糖鎖量が公知のサケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(日本薬品(株)製)及びサケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン(日本薬品(株)製)を使用した。コンドロイチン硫酸糖鎖換算で濃度100mg/dL(1mg/mL)に調製した、サケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、サケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの各バルク水溶液を調製した。
上記バルク水溶液を用いて、サケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとサケ鼻軟骨由来コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとをそれぞれ10mg含む混合物(合計20mg/4mL)の水溶液を調製した。
調製した試料水溶液に対して、最終濃度50重量%になるようにエタノールを加えて、沈殿を生成させ、遠心分離した(図1:最終濃度50重量%)。沈殿を取り除き、最終濃度55重量%になるように更にエタノールを加えて、沈殿を生成させ、遠心分離した(図1:最終濃度55重量%)。沈殿を取り除き、最終濃度60重量%になるように更にエタノールを加えて、沈殿を生成させ、遠心分離した(図1:最終濃度60重量%)。
図1は、試料水溶液に、上述のように、最終濃度50重量%、55重量%又は60重量%となるようにエタノールを加えて処理を行った結果を示している。
エタノール最終濃度55重量%又は60重量%で得られた上清又は沈殿(ペレット)に、0.2Mトリス−酢酸緩衝液(pH8.0)及び0.1ユニットのコンドロイチナーゼABCを加えた。この溶液を37℃で3時間反応させて、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコンドロイチン硫酸糖鎖及び/又はコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを不飽和二糖に分解し、その後、分解酵素を失活させるために100℃で3分間加熱した。
Docosyl C22(センシュー科学)を分離カラムとして用い、1.2mMテトラブチルアンモニウムと10mM塩化ナトリウムを含む12%メタノール溶液で溶離するHPLCにより、不飽和二糖を溶離した。検出には、UV検出器(波長:232nm)を用いた。
図2には、試料水溶液をエタノール処理(最終濃度55重量%)して得られた上清及び沈殿(ペレット)について、上述のように、不飽和二糖の分離・検出を行った結果を示す。
沈殿においては、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来の不飽和二糖に相当するピークが検出された一方、上清においては、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来の不飽和二糖に相当するピークは検出されなかった。
図3には、試料水溶液をエタノール処理(最終濃度60重量%)して得られた上清及び沈殿(ペレット)について、上述のように、不飽和二糖の分離・検出を行った結果を示す。
沈殿及び上清の両方において、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来の不飽和二糖に相当するピークが検出された。
図2の結果から、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来の不飽和二糖に相当するピークは、最終濃度55重量%でのエタノール処理後の上清について検出されなかったことから、最終濃度55重量%でのエタノール処理によりコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは沈殿中に完全に移行したことが分かる。一方、図3の結果から、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来の不飽和二糖に相当するピークは、最終濃度60重量%でのエタノール処理後の上清及び沈殿について検出されたことから、最終濃度60重量%でのエタノール処理後、コンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンは、上清及び沈殿の両方に存在していたことが分かる。
そして、図2,3の結果と図1の結果から、試料水溶液を、最終濃度55重量%でエタノール処理すると、処理後の上清中にコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは存在せず、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンは全て沈殿すること、次に、更にエタノールを加えて、最終濃度60重量%でエタノール処理すると、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンが沈殿してくることが分かる。このようにして、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの両方を含む試料水溶液を、エタノール最終濃度55重量%で処理した場合の沈殿中には、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのみが含まれることになることから、被検試料中に含まれるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを定量することができる。また、エタノール濃度を最終濃度60重量%よりも更に高めていけば、上清中のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを沈殿中に完全に移行することも可能であり、被検試料中に含まれるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを定量することができる。
したがって、本発明の方法によれば、被検試料中に含まれるコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとを効率よく、また簡便に分別し、定量することが可能となる。

Claims (7)

  1. コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別し定量するための方法であって、
    (1)溶媒に対するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの溶解性とコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンの溶解性との違いを利用して、被検試料中に存在しうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンとを分別する工程と、
    (2)分別して得られうるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを、それぞれコンドロイチナーゼにより不飽和二糖に分解し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン由来及びコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカン由来のそれぞれの不飽和二糖を分離し定量する工程と
    を含む、方法。
  2. 工程(1)における溶媒が水混和性有機溶媒である、請求項1に記載の方法。
  3. 水混和性有機溶媒が、メタノール、エタノール、アセトニトリル、1,4−ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項2に記載の方法。
  4. 水混和性有機溶媒が、タノールである、請求項2に記載の方法。
  5. 工程(1)が、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及び/又はコンドロイチン硫酸グリコサミノグリカンを含みうる被検試料の水溶液を調製し、水混和性有機溶媒の添加により沈殿を生じさせることを含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(2)における分離・定量が、液体クロマトグラフィーにより行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(2)における分離・定量が、高速液体クロマトグラフィーにより行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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