JP6780563B2 - 硫化レニウムの回収方法 - Google Patents

硫化レニウムの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、非鉄金属製錬工程で回収されるレニウムとヒ素とを含む硫化物から純度の高い硫化レニウムを回収する方法に関するものである。
レニウムは特殊合金の添加元素や触媒などに利用される希少金属であり、天然には主としてモリブデンの原料となる輝水鉛鉱(Molybdenite、MoS)の中に含まれている。モリブデンの製錬工程では、モリブデンに可溶性を付与するために輝水鉛鉱の酸化焙焼が行われる。この酸化焙焼の際、輝水鉛鉱に含まれるレニウムは、揮発性酸化物Reとして輝水鉛鉱から分離され、スクラバー等の洗浄工程で回収された後、精製される。
また、輝水鉛鉱は例えば黄銅鉱(Chalcopyrite、CuFeS)などの銅鉱物と共存することが知られているが、これら輝水鉛鉱と黄銅鉱とは浮遊選鉱などの一般的な方法では分離するのは困難である。そのため、浮遊選鉱の後段に位置する溶鉱炉などの炉を用いて乾式製錬により黄銅鉱から銅を得る場合は、輝水鉛鉱も同時に炉に装入されてしまう。その結果、炉から排出される主に亜硫酸ガスからなる排ガスには揮発したレニウムが混入する。
この排ガスには、上記レニウムのほか、銅鉱石に含まれるヒ素やカドミウム、亜鉛などの不純物が混入しており、固体状または液体状の微粒子(フュームとも称される)の形で浮遊している。排ガス中の亜硫酸ガスを硫酸の原料として使うために、排ガスに硫酸製造工程の前処理としてスクラバー等による洗浄処理を施して上記不純物を分離する。分離された不純物には有用なレニウムが含まれているので、多くの種類の元素からレニウムだけを選択的に回収することも求められる。
レニウムを選択的に回収する方法の一つとして、特許文献1には亜硫酸ガスを含んだ排ガスの洗浄工程から排出される排水を硫化処理し、得られたレニウムとヒ素とを少なくとも含む硫化物に対して酸化浸出を行い、得られた浸出液をアルカリで中和することで不純物のヒ素を安定な形態で分離除去してヒ素品位の低い硫化レニウムを得る方法が開示されている。
具体的には、非鉄金属製錬工場の熔錬工程から排出される亜硫酸ガスを含んだ排ガスを洗浄工程において水洗し、この洗浄工程から排出される、レニウム、ヒ素、カドミウムなどの様々な不純物元素を含んだ洗浄排液を硫化処理してこれら不純物元素を硫化澱物として回収する。そして、この硫化澱物に対して下記に示す浸出工程、中和浄液工程、及びレニウム回収工程で処理を行ってレニウムを硫化レニウムとして回収するものである。
(浸出工程)
浸出工程では、硫化澱物に対して硫酸を主成分とする液体を加えてレパルプ(溶きほぐす)する。レパルプにより得たスラリーに高温の空気を吹き込んで酸化浸出を行う。これによりレニウムとその他の様々な元素の一部を含んだpHがおよそ0の浸出液が得られる。同時に、この酸化浸出では浸出されなかった元素が濃縮された浸出残渣が得られる。浸出残渣は、澱物処理工程に送られて残渣と廃液とに分けられ、残渣は熔錬工程に繰り返され、廃液は排水処理工程で処理される。
(中和浄液工程)
中和浄液工程では、上記浸出液に中和剤として例えば苛性ソーダを添加することにより、pHがおよそ7となるまで中和処理する。これを濾過することにより、レニウムが濃縮された中和濾液と、レニウム以外の元素を含む中和澱物が得られる。この中和澱物は熔錬工程に繰り返される。
(レニウム回収工程)
レニウム回収工程では、上記中和濾液に硫酸を添加してpHをほぼ0に調整すると共に、水硫化ナトリウムを添加する。これら中和濾液のpH調整、及び水硫化ソーダの添加からなる硫化処理と称する一連の処理により、中和濾液中のレニウムが硫化レニウムとして析出する。この硫化レニウムを含むスラリーを固液分離して硫化レニウムを回収する。スラリーから硫化レニウムが除かれた後の溶液は廃液として排水処理工程で処理される。
また、特許文献2には、上記と同様の浸出工程、中和洗浄工程、及びレニウム回収工程からなる一連の処理によりヒ素品位の低い硫化レニウムを製造する方法において、該硫化レニウム中のカドミウム品位も同時に低く抑える方法が開示されている。この方法は具体的には、上記中和浄液工程において、苛性ソーダの添加後にカルシウム系中和剤を添加し、より高いpHで中和するものである。
国際公開第2013/129130号 特開2015−212401号公報
上記特許文献1及び2の方法によりヒ素品位の低い硫化レニウムを回収することができるものの、いずれの方法においても、上記レニウム回収工程において回収される硫化レニウムは含水率が70〜85%と高いため、硫化レニウムを触媒材料や合金材料として用いるには更に乾燥処理が必要であった。この乾燥処理は一般的に時間がかかるうえ、エネルギー消費量が多くなることが問題になることがあった。また、乾燥炉で硫化レニウムがロスして歩留りの低下が問題になることがあった。
本発明は、上記した従来の硫化レニウムの回収方法が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、硫化澱物などのレニウムを含む処理対象物質に対して浸出工程、中和洗浄工程、及びレニウム回収工程からなる一連の処理を施して硫化レニウムを回収するに際して、含水率を低下させた状態で硫化レニウムを回収することが可能な硫化レニウムの回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは、上記した浸出工程、中和浄液工程、及びレニウム回収工程からなる一連の処理により得た硫化レニウムを含むスラリーの性質を調べたところ、極端に小さな粒子が混ざっていることが分かった。それがために、最終的な硫化レニウム粉末の形態ではかさ比重が比較的大きいにもかかわらず固液分離が非効率になっているものと考え、硫化レニウム粒子を粗大化させる方法について鋭意研究をすすめたところ、少ない手間で硫化レニウムを粗大化できる方法があることを見出し、更にこの方法により上記レニウム回収工程で回収した硫化レニウムの含水率を低減できることを確認し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の硫化レニウムの回収方法は、レニウム及びヒ素を少なくとも含む原料を酸化浸出して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液にアルカリを添加してヒ素を含有する中和沈殿物とレニウムを含有する中和ろ液とを得る中和浄液工程と、前記中和ろ液から硫化レニウムを回収するレニウム回収工程とを含む硫化レニウムの回収方法であって、前記レニウム回収工程では、前記中和ろ液に硫化レニウムの種晶と硫化剤とを添加することを特徴としている。
本発明によれば、硫化レニウム生成の際に種晶の表面を起点として粒子の成長が促進されるため、硫化レニウム粉末の平均粒子径を増大することができる。これにより、硫化レニウム粉末を含むスラリーを固液分離して得た硫化レニウムケーキの含水率を低下することができ、触媒材料や合金材料など各種用途のために行われる乾燥処理を効率よく行うことができる。
本発明の一具体例の硫化レニウムの回収方法を示す工程フロー図である。 図1の工程フローのうち、レニウム回収工程をより詳しく表した工程フロー図である。 本発明の実施例で採用したレニウム回収工程のフロー図である。 本発明の実施例で得た硫化レニウムスラリーのろ過前の粒度分布を示したグラフである。 本発明の比較例で採用したレニウム回収工程のフロー図である。 本発明の比較例で得た硫化レニウムスラリーのろ過前の粒度分布を示したグラフである。
以下、本発明の硫化レニウムの回収方法の一具体例について説明する。この本発明の一具体例の硫化レニウムの回収方法は、非鉄金属製錬工場の熔練炉からの排ガスを水洗した時に排出される洗浄排水に対して硫化処理を施すことによって生成される硫化澱物に代表される、レニウム及びヒ素を含む物質を処理対象物としており、この処理対象物を酸化浸出して浸出液を得る浸出工程と、得られた浸出液をアルカリで中和してヒ素を含有する中和殿物を析出させ、この中和殿物を除去してレニウムを含有する中和濾液を得る中和浄液工程と、得られた中和濾液を硫化処理して該中和濾液に含まれるレニウムを硫化レニウムとして回収するレニウム回収工程とからなる。以下、これら工程の各々について、図1の工程フロー図を参照しながら具体的に説明する。
(浸出工程)
浸出工程1では、回収対象元素であるレニウムのほか、ヒ素などの不純物を含む上記の硫化澱物などの処理対象物に対して硫酸を主成分とする水溶液を加えてレパルプする。このレパルプにより生成されるスラリーに高温の空気又は空気及び水蒸気を吹き込んで酸化浸出を行う。酸化浸出後は必要に応じて固液分離を行うことで、上記処理対象物に含まれるほとんどのレニウム及びその他の様々な元素の一部を含んだpHがおよそ0の浸出液と、上記酸化浸出1では浸出されなかった元素が濃縮された浸出残渣とが得られる。浸出液は後述する中和浄液工程2に送られ、浸出残渣は澱物処理工程4に送られる。この澱物処理工程4では固液分離が行われ、浸出残渣は脱水残渣と廃液とに分けられる。脱水残渣は熔錬工程に繰り返され、廃液は排水処理工程で処理される。
(中和浄液工程)
中和浄液工程2では、上記の浸出液に中和剤として例えば苛性ソーダを添加することにより、pHがおよそ7(たとえば6〜8)となるまで中和処理する。この中和処理後はフィルタープレスなどの固液分離を行うことでレニウムが濃縮された中和濾液と、実質的にレニウム以外の元素からなる中和澱物とが得られる。この中和澱物は回収された後、上記の澱物処理工程4の残渣の場合と同様に熔錬工程に繰り返される。尚、上記の中和浄液工程2では、中和反応時に反応液に鉄化合物とともに空気を吹き込んでもよく、これにより砒素を砒酸鉄として確実に中和澱物にすることができる。また、上記浸出液に消石灰を添加してもよく、これによりカドミウムをカルシウムと共沈させて確実に中和澱物にすることができる。
(レニウム回収工程)
レニウム回収工程3は、上記中和浄液工程2で得られた中和濾液に硫酸と水硫化ナトリウムを加えて硫化処理を行う工程である。図2を参照しながらより詳しく説明すると、先ず第1の硫化処理工程31において、中和濾液を第1の反応槽に受け入れた後、硫酸を添加してpH0程度に調整すると共に水硫化ナトリウムを添加して1回目の硫化処理を行う。次に第1の固液分離工程32において、上記の第1の硫化処理で析出した硫化レニウムを含む懸濁液(スラリー)を第1の静置槽に送液して静置する。この静置によりスラリーからは上澄み液が分離するので、この上澄み液を取り除いた後、底部に堆積した硫化レニウムを高濃度のスラリーとして抜き出し、第2の反応槽に送液する。
この硫化レニウムは、2回目の硫化処理において種晶としての役割を担う。すなわち、第2の硫化処理工程33では、1回目の硫化処理で生成した硫化レニウムを種晶として第2の反応槽に受け入れた後、1回目の硫化処理で処理した中和濾液とは別の中和濾液を中和浄液工程2から受け入れて、1回目の硫化処理と同様に硫酸添加によるpH調整と水硫化ソーダ添加を行って2回目の硫化処理を行う。次に第2の固液分離工程34において、第2の反応漕で生成した硫化レニウムを含むスラリーを第2の静置槽に送液して1回目の硫化処理と同様に静置し、静置後は上澄み液を除いた高濃度スラリーをろ過器等の固液分離手段で処理して硫化レニウムを回収する。
上記の2回の静置の際は、いずれも静置時間を2時間以上とすることが好ましい。静置時間が2時間より短いと固液分離が不十分となり、取り除いた上澄み液に硫化レニウムが混入し、そのまま排水処理工程に送液されてロスにつながるため好ましくない。また、2回目の硫化処理では、第2の反応槽に受け入れた中和ろ液あたりの種晶が多いほど粒径の粗大化の効果が大きいので、第1の静置槽から第2の反応槽に種晶用として送液する硫化レニウムのスラリーはスラリー濃度が高ければ高いほど好ましい。
この場合の硫化レニウムの好適なスラリー濃度は、対象となるスラリーをサンプリングして30分間静置した後に目視にて確認できる沈殿部分の占める割合である沈殿物体積割合(以下、SV30と称する)で評価することができる。上記の1回目の硫化処理では、SV30が80%以上となるように静置することが望ましい。この場合、硫化レニウムスラリーは通常2時間静置すれば沈殿部分が全体の44体積%以上を占めるので、該沈澱部分以外の上澄み液部分の80体積%以上を取り除くことで、取り除いた後のSV30を容易に80%以上にすることができる。
第2の静置槽からろ過器等の固液分離手段に送る高濃度スラリーも、スラリー濃度をSV30にして80%以上としておくと、ろ過等の固液分離に要する時間を効果的に短縮することができる。
上記の硫化レニウムの回収方法では1回目の硫化処理と2回目の硫化処理を別々の反応槽を用いて行ったが、これに限定されるものではなく、2回目の硫化処理を1回目の硫化処理を行った第1の反応槽を使用してもよい。これにより、第2の反応槽及びこれに付帯する配管類や反応用撹拌機が不要となる。また、2回目の硫化処理の際の静置に、第1の静置槽を用いてもよい。この場合も第2の静置槽及びこれに付帯する配管類のほか、静置時間や上澄みの除去量を制御する機構が不要となる。一方、第1及び第2の静置槽を別個に用いることにより、1回目の硫化処理後及び2回目の硫化処理後の静置を2つの静置槽のいずれを用いてもよいので、工程のスケジューリングに自由度が増し、レニウム回収工程全体の待ち時間を少なくすることができる。
あるいは、第1の静置槽に撹拌設備を設けることで第2の反応槽としての機能を持たせ、2回目の硫化処理をこの第1の静置槽で行ってもよい。これにより、種晶の移送が不要となるので、送液を考慮してスラリーの流動性を確保する必要がなくなり、よって上澄み液部分の全量の90%〜100%程度を取り除いてもよいので、2回目の硫化処理の反応効率を高めることができる。
また、第1及び第2反応槽には中和濾液及び硫酸を直接投入するのではなく、図2に示すように、第1及び第2のpH調整工程として、それぞれ第1及び第2のpH調整槽でpHを所定の値に調整してから第1及び第2反応槽に移送してもよい。尚、このように2個のpH調整槽を設ける代わりに、1個のpH調整槽を第1及び第2反応槽で共用してもよい。なお、上記の硫化レニウム回収方法の一具体例では第1及び第2の硫化処理をバッチ式で処理するものであったが、これに限定されるものではなく、少なくとも一方の硫化処理を連続式で処理してもよい。
このように本発明の一具体例のレニウムの回収方法によれば、製品として回収する硫化レニウムの粒子径を粗大化させることで、そのケーキの含水率を容易に低下させることができる。特に、この方法によれば、硫化レニウムの含水率を安定的に低く抑えることが可能になる上、硫化レニウムをドライベースで1kg回収するのに要するろ過時間を短くすることができるため、処理能力を高めることができる。また、粒子径を粗大化することで、その付着水が減るだけでなく、付着水に溶解した不純物も低減できるので、乾燥後の純度を高めることができると考えられる。更に粒子径が大きくなれば、乾燥炉での飛散ロスを低減することができる。
銅製錬工場で発生した亜硫酸ガスを含む排ガスを水洗処理する洗浄塔からの洗浄排液に対して水硫化ソーダを用いて硫化処理し、レニウムを含む硫化澱物を回収した。この硫化澱物に対して、図1の工程フローに沿って処理し、硫化レニウムを回収した。具体的には、先ず硫化澱物に濃度150g/Lの硫酸水溶液を加えてレパルプし、得られたスラリーの温度が70℃になるように空気と共に蒸気を吹き込み、酸化浸出を行った。これによりpHがおよそ0の浸出液を得た(浸出工程1)。この浸出液を25℃でpHが6.8になるように、20質量%の苛性ソーダ水溶液を添加することにより中和処理を進めて中和澱物を析出させた。この中和澱物を濾紙を敷いたヌッチェを用いて除去し、中和濾液を得た(中和浄液工程2)。
上記の中和浄液工程で得た中和ろ液を図3に示す反応槽10に移送し、硫酸及び水硫化ソーダを添加して1回目の硫化処理を行った。次に、生成した硫化レニウムを含むスラリーを静置槽11に移送し、そこで3時間静置した。3時間経過後、沈澱部分を除く上澄み液部分のうちの85体積%を抜き取った。このようにして硫化レニウムを含むスラリーの濃度が高められたスラリーが残り、このスラリーを静置槽11から抜き出して反応槽10へ繰り返し、上記の1回目と同様の条件で2回目の硫化処理を行った。この2回の硫化処理によって生成した硫化レニウムを含むスラリーの粒度分布を図4に示す。なお、図4及び後述する図6に示す粒度分布は、レーザー回折法を用いて測定して得た各粒径の粒子の頻度を体積%で表したグラフ、及びその粒径の範囲を3つに分けたときのそれぞれの存在割合を示した表である。この図4のグラフの結果から求めた体積基準の平均径(中位径D50)は1.0μmであった。
次に、2回目の硫化処理により生成した硫化レニウムを含むスラリーを静置槽11に移送し、そこで3時間静置した。3時間経過後、沈澱部分を除く上澄み液部分のうちの80体積%を抜き取った。このようにして硫化レニウムを含むスラリーの濃度が高められたスラリーが残り、このスラリーをろ過器に導入してろ過し、試料1の硫化レニウムケーキを回収した。ロットがそれぞれ異なる硫化澱物に対して上記と同様の処理を行い、試料2〜10の硫化レニウムケーキを回収した。これら試料1〜10の硫化レニウムケーキの含水率を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0006780563
比較のため、図5に示すように2回目の硫化処理を行わずに1回目の硫化処理のみを行ったこと以外は上記と同様にして処理を行い、ロットのそれぞれ異なる硫化澱物から試料11〜27の硫化レニウムケーキを回収した。それらの含水率を下記表2に示す。また、試料11のケーキを静置して回収する前のスラリーの粒度分布を図6に示す。この図6のグラフの結果から求めた体積基準の平均径(中位径D50)は0.7μmであった。
Figure 0006780563
上記の表1及び表2を比べて分かるように、一部例外はあるものの試料1〜10は試料11〜27に比べておおむね含水率が低くなっており、常に75%以下になっている。これは、試料1〜10では種晶を用いて硫化処理することで粒子を粗大化できたことによるものと考えられる。
1 浸出工程
2 中和浄液工程
3 レニウム回収工程
10 反応槽
11 静置槽
31 第1硫化処理工程
32 第1固液分離工程
33 第2硫化処理工程
34 第2固液分離工程
35 第1pH調整工程
36 第2pH調整工程

Claims (5)

  1. レニウム及びヒ素を少なくとも含む原料を酸化浸出して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液にアルカリを添加してヒ素を含有する中和沈殿物とレニウムを含有する中和ろ液とを得る中和浄液工程と、前記中和ろ液から硫化レニウムを回収するレニウム回収工程とを含む硫化レニウムの回収方法であって、前記レニウム回収工程では、前記中和ろ液に硫化レニウムの種晶と硫化剤とを添加することを特徴とする硫化レニウムの回収方法。
  2. 前記レニウム回収工程は、中和ろ液に硫酸及び水硫化ナトリウムを添加して前記種晶としての硫化レニウムを含む第1の懸濁液を生成する工程と、前記第1の懸濁液から水分を取り除いて濃縮スラリーを得る工程と、該中和ろ液とは異なる中和ろ液に硫酸及び水硫化ナトリウムと共に前記濃縮スラリーとを添加して製品としての硫化レニウムを含む第2の懸濁液を生成する工程と、前記第2の懸濁液を固液分離して製品としての硫化レニウムを回収する工程とからなることを特徴とする、請求項1に記載の硫化レニウムの回収方法。
  3. 前記濃縮スラリーのスラリー濃度がSV30において80%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の硫化レニウムの回収方法。
  4. 前記濃縮スラリーを得る工程が前記第1の懸濁液を静置した後に上澄みを取り除くことである、請求項2又は3に記載の硫化レニウムの回収方法。
  5. 前記レニウム及びヒ素を少なくとも含む原料が、非鉄金属製錬工場から発生する亜硫酸ガスを含む排ガスを水洗する洗浄工程から排出される洗浄排液から回収したものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫化レニウムの製造方法。


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