JP6776597B2 - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置に関する。
これまでトランスファー成形に用いる封止用エポキシ樹脂組成物について様々な開発が行われてきた。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。同文献によれば、タブレット状に成形した封止用エポキシ樹脂組成物の流動性を高めることにより、トランスファー成形性を向上させることができる、と記載されている。
特開平5−152363号公報
しかしながら、近年、半導体パッケージの製造プロセスの生産性を効率化する観点から、使用される金型の大面積化がますます進んできている。
こうした開発環境を踏まえ、本発明者が検討した結果、上記文献に記載の封止用エポキシ樹脂組成物を金型のキャビティ内に充填したとき、金型全体にまで充填されない未充填領域が発生することが見出された。また、金型成形後、金型の型開きを行い、得られた成形体を金型から取り出したとき、当該成形体の一部が金型の内側に貼りついて残存してしまうことが見出された。
すなわち、上記文献に記載の封止用エポキシ樹脂組成物において、金型成形時における充填性、および金型貼り付きの点で改善の余地を有していた。
本発明者は、まず、大面積化した金型の内部における充填性について検討した結果、溶融した熱硬化性樹脂組成物においては、その溶融状態を長く維持することにより、広がる前に固まることを抑制できるので、大型化した金型中における充填性を高められることが判明した。
しかしながら、熱硬化性樹脂組成物が固まるまでの時間が長すぎると、固まった成形体の一部が金型の内側に貼り付いて残存してしまうことが分かった。
これに対して、熱硬化性樹脂組成物の硬化特性を適切に調整し、溶融状態の時間を長くするとともに、固まるまでの時間を短くすることにより、大型化した金型中における充填性の向上と金型貼り付き防止の両立が実現できることが見出された。
ここで、さらに検討したところ、キュラストメーターを用いて、175℃にて当該熱硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、最大硬化トルク値をTとし、Tの10%のトルク値をT10とし、Tの80%のトルク値をT80とし、Tの90%のトルク値をT90としたとき、測定開始からT10に達する時間Aを、熱硬化性樹脂組成物における金型内への充填中の溶融状態の時間を評価する指標として利用でき、T80に達してからT90に達する時間Cを、熱硬化性樹脂組成物が固まる時間を評価する指標として利用できることが判明した。
こうした知見に基づいて、鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂組成物における時間Aを所定以上とし、時間Cを所定時間以下とすることにより、大型化した金型中における充填性を向上しつつ、金型貼り付きを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
パターン化された金属層と、前記金属層を埋設する絶縁層とを備える樹脂封止基板中の前記絶縁層の形成に用いる、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
キュラストメーターを用いて、175℃にて当該熱硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、最大硬化トルク値をTとし、Tの10%のトルク値をT10とし、Tの80%のトルク値をT80とし、Tの90%のトルク値をT90としたとき、
測定開始からT10に達する時間Aが、55秒以上100秒以下であり、
10に達してからT80に達する時間Bが、45秒以上150秒以下であり、
80に達してからT90に達する時間Cが、40秒以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、樹脂封止基板が提供される。
また、本発明によれば、
上記樹脂封止基板と、
前記樹脂封止基板に搭載された電子部品と、を備える、電子装置が提供される。
本発明によれば、金型成形時における充填性に優れており、金型貼り付きを抑制することができる、熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止基板および電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る電子装置の製造工程の一例を示す工程断面図である。 本実施形態に係る樹脂封止基板の構成を示す上面図である。 安息角(φ)、崩壊角(θ)の測定方法を示した概略図である。 顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を得る方法を示す一例の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、樹脂封止基板(Molded Substrate)の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物である。本実施形態において、キュラストメーターを用いて、175℃にて当該熱硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、最大硬化トルク値をTとし、Tの10%のトルク値をT10とし、Tの80%のトルク値をT80とし、Tの90%のトルク値をT90としたとき、測定開始からT10に達する時間Aを、55秒以上100秒以下とし、T10に達してからT80に達する時間Bを、45秒以上150秒以下とし、T80に達してからT90に達する時間Cを、40秒以下とすることができる。
本発明者は、大面積化した金型の内部における充填性について検討した結果、熱硬化性樹脂組成物の溶融状態を長く維持することにより、広がる前に固まることを抑制できるので、大型化した金型中における充填性を高められることが判明した。そして、キュラストメーターの測定開始からT10に達する時間Aを、熱硬化性樹脂組成物における金型内への充填中の溶融状態の時間を評価する指標として利用できることが見出された。
しかしながら、上記時間Aを長くした結果、熱硬化性樹脂組成物が固まるまでの時間までも長くなると、得られた成形体の一部が金型の内側に貼り付いて残存してしまうことが分かった。そして、T80に達してからT90に達する時間Cを、熱硬化性樹脂組成物が固まる時間を評価する指標として利用できることが見出された。
このような上記時間Aおよび時間Cに基づいて検討したところ、熱硬化性樹脂組成物の硬化特性を適切に調整することにより、溶融状態の時間を長くするとともに、固まるまでの時間を短くすることが可能になり、これにより、大型化した金型中における充填性の向上と金型貼り付き防止の両立が実現できることが見出された。
また、上記の時間Aと時間Cとの間である時間Bは、溶融状態から固化状態の変遷状態の時間を評価として利用できることが見出され、所定の範囲内とすることにより、変遷状態の時間を最適化することができるので、金型充填性の向上と金型貼り付き防止のバランスを図ることができることが判明した。
こうした知見に基づいて、鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂組成物における時間Aを55秒以上100秒以下とし、時間Bを45秒以上150秒以下とし、および時間Cを40秒以下とすることにより、大型化した金型中における充填性を向上しつつ、金型貼り付きを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物によれば、大面積化した金型成形時において、金型充填性を向上させることができるとともに、当該熱硬化性樹脂組成物の成形体の金型貼り付きを抑制することができる。
以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の成分について説明する。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有することができる。
上記熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂を含有してもよい。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を使用することが可能である。
このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリヒドロキシフェノニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、ヒドロキシナフタレンおよび/またはジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られる2官能ないし4官能のナフタレン2量体型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂;N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン類;グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、半導体パッケージの低線膨張化および高弾性率化の観点から、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いてもよい。これにより、半導体装置の耐リフロー性を向上させることができ、半導体パッケージの反りを抑制することができる。
本実施形態において、上記熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。このため、充填性や成形安定性の向上を図ることができる。また、上記熱硬化性樹脂の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。これにより、半導体装置の耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂の含有量をこのような範囲に制御することによって、樹脂封止基板の反りを抑制することができる。
(硬化剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含有してもよい。
上記硬化剤は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と反応する化合物であれば特に限定されない。
上記硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、硬化剤としては、耐湿性、信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、シリコン変性フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等が例示される。この中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性や、金型成形時の作業性の観点から、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂を用いることができる。
本実施形態において、硬化剤の含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、1.0質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましく、3.0質量%以上であることがとくに好ましい。これにより、成形時において、優れた流動性を実現し、充填性や成形性の向上を図ることができる。一方で、上記硬化剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、9質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、半導体装置の耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
(無機充填材)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含有することができる。
上記無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、特に溶融球状シリカが好ましい。また、シリカの粒子形状は、限りなく真球状であることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記無機充填材の平均粒径d50の上限値は、金型充填性の観点から、例えば、5μm以下であり、好ましくは4.5μm以下であり、さらに好ましくは4μm以下である。これにより、大面積化した金型内における充填性を向上させることができる。また、上記無機充填材の平均粒径d50の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上とすることができる。
本実施形態において、無機充填材の平均粒径d50は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
本実施形態において、無機充填材の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の低吸湿性および低熱膨張性を向上させ、半導体装置の耐湿信頼性や耐リフロー性をより効果的に向上させることができる。また、上記無機充填材の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、95質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。また、無機充填材の含有量を上記範囲内とすることにより、樹脂封止基板の反りを抑制することができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シリコーンオイルを含有することができる。
上記シリコーンオイルは、例えば、分子中にポリエーテル基を有している化合物が用いられる。このようなシリコーンオイルとしては、下記一般式(1)で表されるシリコーンオイルを用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0006776597
(ただし、上記一般式(1)において、R1は炭素数1ないし12のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選択される有機基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2は炭素数1ないし9のアルキレン基を示す。R3は水素原子又は炭素数1ないし9のアルキル基である。Aは、炭素、窒素、酸素、硫黄、水素から選択される原子から構成される基である。R4は炭素数1ないし12のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選択される有機基、又は炭素、窒素、酸素、硫黄、水素から選択される原子から構成される基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、平均値であるl、m、n、a、及びbについては以下の関係にある。
l≧0、m≧0、n≧1、l+m+n≧5、
0.02≦n/(l+m+n)≦0.8、
a≧0、b≧0、a+b≧1)
上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルにおけるポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)は、上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルの重合度(l+m+n)に対し、0.02以上、0.8以下の範囲にあることが好ましい。ポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)の割合が上記範囲内であると、シリコーンオイルと樹脂成分との相溶性が適正な状態となることで界面活性作用を呈し、樹脂成分の均一化の効果が得られることとなる。また、ポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)の割合が上記範囲内であると、過剰のポリエーテル基の存在による樹脂組成物の吸湿量の増大を抑制でき、それに伴う半田耐熱性の低下を抑制することができる。
本実施形態のシリコーンオイルは、特に平均重合度に制約は無く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填材との親和性を付与するために、メチル基、フェニル基の他にC、O、N、S原子などを含む有機基を有していても構わない。
例えば、上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルは、分子中に、ポリエーテル基以外にも炭素、窒素、酸素、硫黄、水素原子から選択される原子から構成される種々の基を有してもよい。これらの基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、エポキシ樹脂や硬化剤との反応性を有する官能基や、アリール基等が挙げられる。
本実施形態において、シリコーンオイルの含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、0.05質量%以上であり、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の界面にシリコーンオイルがブリードすることができ、当該界面の濡れ性を最適にすることができる。また、シリコーンオイルの含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。これにより、シリコーンオイルのブリード量を適切に制御できるので、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の成形性の低下を抑制することができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂を含有してもよい。
これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、半導体装置の耐熱性や耐湿性を向上させることができる。
上記シアネート樹脂は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことが特に好ましい。
上記シアネート樹脂の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の低線膨張化や高弾性率化を図ることができる。一方で、上記シアネート樹脂の含有量の上限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
(硬化促進剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤は、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤との硬化反応を促進させるものであれば特に限定されない。
上記硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、前記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性を向上させる観点からはリン原子含有化合物を含むことがより好ましい。また、成形性と硬化性のバランスを向上させる観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有するものを含むことがより好ましい。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機ホスフィンとしては、例えばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジ メチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ ン等の第3ホスフィンが挙げられる。
より好ましいものとしては、熱硬化性樹脂組成物が溶融した後の急激な増粘が少ない潜伏性を有する硬化促進剤が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、着色剤、離型剤、低応力剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を含有してもよい。
上記カップリング剤としては、例えばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランカップリング剤、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。上記レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。上記離型剤としては、天然ワックス、モンタン酸エステル等の合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等が挙げられる。上記低応力剤としては、シリコーンゴム等が挙げられる。イオン捕捉剤としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、顆粒状であってもよく、またはシート状であってもよい。金型充填性の観点から、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を用いてもよく、生産性の観点から、シート状の熱硬化性樹脂組成物を用いてもよい。
本実施形態において、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に、溶融混練された熱硬化性樹脂組成物を供給し、その熱硬化性樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(以下、「遠心製粉法」とも言う。);熱硬化性樹脂組成物の各原料成分をミキサーで予備混合後、ロール、ニーダー又は押出機等の混練機により加熱混練後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(以下、「粉砕篩分法」とも言う。);熱硬化性樹脂組成物の各原料成分をミキサーで予備混合後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。
また、シート状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、調製したワニス状の熱硬化性樹脂組成物を基材フィルム上に塗布・乾燥してシート状に形成し、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。これにより、樹脂シートを作製することができる。また、塗布の方法としては、コンマコーターやダイコーターのような塗工機を用いた塗工による方法、ステンシル印刷やグラビア印刷のような印刷による方法等が挙げられる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物の調製方法の一例としては、例えば、非反応性の揮発性成分を除く各原料成分を混練して得られた樹脂組成物を有機溶剤等に溶解又は分散する方法がある。また、樹脂シートは、熱硬化性樹脂組成物を押し出してシート状に形成してもよい。なお、樹脂シートの表面を保護しフィルムで覆ってもよい。上記樹脂シートは、枚葉状でも巻き取り可能なロール状でもよい。
次に、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の物性について説明する。
本実施形態において、キュラストメーターを用いて、175℃にて、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、最大硬化トルク値をTとし、Tの10%のトルク値をT10とし、Tの80%のトルク値をT80とし、Tの90%のトルク値をT90とし、測定開始からT10に達する時間Aとし、T10に達してからT80に達する時間Bとし、T80に達してからT90に達する時間Cとする。
本実施形態において、上記時間Aの下限値は、例えば、55秒以上であり、好ましくは58秒以上であり、より好ましくは60秒以上である。これにより、大型化した金型成形時において、金型に未充填領域が生じることを抑制することができる。また、上記時間Aの上限値は、例えば、100秒以下であり、好ましくは99秒以下であり、より好ましくは98秒以下である。これにより、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の生産性を向上させることができる。
本実施形態において、上記時間Bの下限値は、例えば、45秒以上であり、好ましくは60秒以上であり、より好ましくは75秒以上である。これにより、大型化した金型成形時において、金型に未充填領域が生じることを抑制することができる。また、上記時間Bの上限値は、例えば、150秒以下であり、好ましくは140秒以下であり、より好ましくは130秒以下である。これにより、金型成形時における金型貼り付きを抑制することができる。このように上記時間Bを上記範囲内とすることにより、金型成形時における充填性の向上と、金型貼り付きの抑制のバランスを図ることができる。
本実施形態において、上記時間Cの上限値は、例えば、40秒以下であり、好ましくは38秒以下であり、より好ましくは35秒以下である。これにより、金型成形時における金型貼り付きを抑制することができる。また、上記時間Cの下限値は、特に限定されないが、例えば、5秒以上としてもよく、10秒以上としてもよく、20秒以上としてもよい。これにより、本実施形態における熱硬化性樹脂組成物の硬化物の製造安定性を向上させることができる。
また、上記時間A、時間B、時間Cの合計時間の下限値は、例えば、150秒以上であり、好ましくは160秒以上であり、より好ましくは170秒以上である。これにより、大型化した金型成形時において、金型に未充填領域が生じることを抑制することができる。また、上記時間A、時間B、時間Cの合計時間の上限値は、例えば、300秒以下であり、好ましくは290秒以下であり、より好ましくは280秒以下である。これにより、金型成形時における金型貼り付きを抑制することができる。このように上記時間Bを上記範囲内とすることにより、金型成形時における充填性の向上と、金型貼り付きの抑制のバランスを図ることができる。
以上のように、本発明者が検討した結果、熱硬化性樹脂組成物が低粘度の溶融状態を維持する長さを評価できる時間Aと、金型中に広がった後に熱硬化性樹脂組成物が固まるまでの長さを評価できる時間Cと、また時間Aと時間Cとの間の熱硬化性樹脂組成物の変遷状態を評価できる時間Bを適切に制御することにより、金型成形時における充填性に優れており、金型貼り付きを抑制することができる、熱硬化性樹脂組成物を実現できることが見出された。具体的には、時間Aを長くし、時間Cを短くし、かつ、これらの間の時間Bのバランスを同時に調整することにより、金型成形時における充填性の向上と金型貼り付きの抑制を両立することができる。
本実施形態では、たとえば、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、熱硬化性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記時間Aから時間Cを制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、潜伏性の硬化促進剤の種類・量を調整すること、硬化剤の含有量を適切に調整すること等が、上記時間Aから時間Cを所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物において、175℃におけるゲルタイムの下限値は、例えば、50秒以上であり、好ましくは53秒以上であり、より好ましくは55秒以上である。これにより、大面積化した金型への充填性を向上させることができる。また、上記175℃におけるゲルタイムの上限値は、特に限定されないが、例えば、120秒以下でもよく、100秒以下でもよく、80秒以下でもよい。これにより、生産性を向上させることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)の下限値は、例えば、145℃以上であり、好ましくは150℃以上であり、より好ましく155℃以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解を抑制することができる。また、樹脂封止基板の反りを抑制することができる。一方、上記ガラス転移温度(Tg)の上限値は、特に限定されないが、例えば、250℃以下としてもよい。
また、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物における崩壊角の上限値は、35°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましく、25°以下であることがさらに好ましい。これにより、振動フィーダー等の搬送手段を用いて顆粒状の熱硬化性樹脂組成物が搬送される際、固着や目詰まり等を起こしにくく安定して搬送することができる。このため、大面積化した金型への充填性を向上させることができる。一方、上記崩壊角は、低いほど固着や目詰まり等を起こし難くなるため、その下限値については特に限定されるものではないが、例えば、1°以上、或いは10°以上とすることができる。
本実施形態において、崩壊角の測定方法としては、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を、漏斗の孔から一定面積の水平板の上に一定形状となるまで落下堆積させ、円錐状の顆粒体を形成させる。次いで、水平板と同じ台座上にある一定の重さの分銅を落下させることにより、該顆粒体に一定の衝撃を与え、一部顆粒状の樹脂組成物が自然流動し水平板から脱落した後、残った円錐状の顆粒体について、底面外周の点から円錐の頂点までの仰角として、崩壊角を求めることができる。尚、衝撃を与える前の顆粒体における仰角を安息角といい、安息角と崩壊角との差を差角という。差角は、振動フィーダー等の搬送装置からの振動等による顆粒状の樹脂組成物の崩れ易さを表す指標となるものであり、差角が大きいほど崩れ易いこととなるため、例えば、10°以上であることが好ましく、15°以上であることがより好ましい。崩壊角、安息角の測定装置としては、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)が挙げられる。
また、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物における平均粒径の上限値は、例えば、1.0mm以下であり、好ましくは0.7mm以下であり、さらに好ましくは0.6mm以下である。これにより、大面積化した金型への充填性を向上させることができる。また、上記平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上であり、0.3mmを越えてもよく、0.4mm以上としてもよい。これにより、製造安定性に優れた顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を実現することができる。
(電子装置)
本実施形態の電子装置100について説明する。図1は、本実施形態の電子装置100の構成を示す断面図である。
本実施形態の電子装置100は、樹脂封止基板110と、樹脂封止基板110上に搭載された電子部品(半導体素子140)と、を備える半導体装置とすることができる。本実施形態において、樹脂封止基板110は、上記の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備えるものである。
樹脂封止基板110(例えば、MIS基板(Molded Interconnect Substrate))は、絶縁層112と金属層130とを少なくとも備えることができる。絶縁層112は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されるものである。これにより、製造安定性に優れ、基板反りが抑制された樹脂封止基板110を得ることができる。絶縁層112は、ガラスクロスなどの繊維基材を含有しない構成としてもよい。これにより、樹脂封止基板110は、コアレス樹脂基板とすることができる。また、コアレス樹脂基板は、絶縁層内に内蔵された半導体チップを有していてもよい。この半導体素子は、金属層(例えば、ビア配線)を介して電気的に接続することができる。
樹脂封止基板110において、ポストである金属層130は、ビア配線120を介して、樹脂封止基板110の上面114と下面とを電気的に接続する。ビア配線120やビア配線120は、例えば、銅などの金属で構成されていてもよい。
また、樹脂封止基板110の上面114は、研磨面で構成されていてもよい。また、樹脂封止基板110の上面114と金属層130の上面とは同一平面を構成してもよい。なお、樹脂封止基板110の上面114および下面には、不図示のソルダーレジスト層が形成されていてもよい。
上記半導体素子140は、樹脂封止基板110上に接着層160を介して固定されていてもよい。半導体素子140は、樹脂封止基板110とワイヤボンディング150を介して電気的に接続してもよいが、フリップチップ接続により電気的に接続されていてもよい。また、半導体素子140は、一般的な封止用熱硬化性樹脂組成物の硬化物(封止材層170)で覆われるように封止されている。
上記半導体素子140としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられる。半導体素子140を備える半導体パッケージの構造としては、例えば、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、MAPタイプのBGA等が挙げられる。又、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・ノンリーデッド・パッケージ(QFN)、embedded WLP(eWLP)、Fan In WLPおよびFan Out WLP等のウエハ・レベルパッケージ(WLP)、スモールアウトライン・ノンリーデッド・パッケージ(SON)、リードフレーム・BGA(LF−BGA)等が挙げられる。
続いて、電子装置200の製造方法について、樹脂封止基板250の製造工程を踏まえて説明する。図2は、電子装置200の製造工程の工程断面図である。
本実施形態において、樹脂封止基板250の製造方法は、次の工程1〜3を含むことができる。
工程1は、支持基材210上に、パターン化された金属層230を形成する金属層形成工程を含む。
工程2は、金属層230を埋設する絶縁層234を形成する絶縁層形成工程を含む。
工程3は、絶縁層234の表面(上面226)を研磨することにより、金属層230を露出させる研磨工程を含む。
これらの上記工程1〜3を繰り返すことにより、1層以上の絶縁層で構成された層間絶縁層中に層間接続配線を形成することができる。
上記絶縁層は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成することができる。
以下、各工程について説明する。
まず、図2(a)に示すように、支持基材210を準備する。支持基材210上にはキャリア箔212が形成されていてもよい。支持基材210としては、平坦性、剛直性および耐熱性等の特性を有する下地基板であれば特に限定されないが、例えば、金属板を用いることができる。金属板としては、例えば、銅板、アルミニウム板、鉄板、鋼鉄(スチール)板、ニッケル板、銅合金板、42合金板、ステンレス板等が挙げられる。鋼鉄(スチール)板は、SPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の冷間圧延鋼板の態様であってもよい。また、金属板は、フレーム形状に加工された枚葉のものであってもよく、フープ状の連続形状のものであってもよい。本実施形態に用いられる支持基材210は、平面上に複数の半導体素子が配置できる程度に、大面積を有していることが好ましい。上面視における支持基材210の平面形状としては、特に限定されないが、例えば、矩形形状でも円形形状でもよいが、生産性の観点から矩形形状であってもよい。
続いて、パターン化された金属層220を形成した後、この金属層220上にビア配線222を形成することができる。
パターン化方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法を用いることができる。具体的な一例としては、まず、支持基材210上に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を形成する。形成方法としては、例えば、コーターやスピンナー等を使用して感光性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜を乾燥させる方法や、感光性樹脂組成物からなる樹脂シートを熱圧着等によりラミネートする方法などにより、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を形成する。続いて、当該感光性樹脂膜に所定のパターンを有する開口部を形成する。開口部の形成方法としては、例えば、露光現像法やレーザー加工法等を用いることができる。続いて、この開口部を金属膜で埋設する。埋設方法としては、例えば、無電解めっき法やめっき法等が挙げられる。金属膜の材料としては、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田等が挙げられるが、銅を用いてもよい。続いて、上記感光性樹脂膜を除去する。除去方法としては、例えば、剥離液を用いて感光性樹脂膜を剥離する方法、アッシング処理、アッシング処理を行った後に下地に付着している感光性樹脂膜の残渣を剥離液により除去する方法等が挙げられる。中でも、生産効率を向上させる観点から、剥離液を用いて感光性樹脂膜を剥離する方法を採用することが好ましい。剥離液の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸を含む有機スルホン酸系剥離液、モノエタノールアミン等の有機アミンを含む有機アミン系剥離液、水に対して有機アルカリやフッ素系化合物等を混合した水系レジスト剥離液等が挙げられる。なお、化学的機械研磨(CMP)装置を用いて金属層を研磨する手法を行ってもよい。
以上により、パターン化した金属層が得られる。このような金属層としては、配線回路、ビア配線、導電ポストなどが挙げられる。
続いて、図2(b)に示すように、金属層220およびビア配線222を埋め込むように、絶縁層224を形成する。絶縁層224としては、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成されている。つまり、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物により、金属層220およびビア配線222を封止することができる。
絶縁層224の形成方法には、例えば、封止材料として、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物、またはシート状の熱硬化性樹脂組成物を用い、成形方法として、圧縮成形を使用することができる。
ここで、本実施形態において、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を用いた圧縮成形について概要を説明する。
まず、圧縮成形金型の下型キャビティの底面に、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を均一になるように蒔く。例えば、振動フィーダー等の搬送手段を用いて、粒状の熱硬化性樹脂組成物を搬送し、下型キャビティの底面に配置してもよい。
続いて、金属層220やビア配線222が形成された支持基材210を、クランプや吸着のような固定手段により、圧縮成形金型の上型に固定する。続いて、減圧下、金型の上型と下型の間隔を狭めることにより、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物は、下型キャビティ内で所定温度に加熱され、溶融状態となる。続いて、金型の上型と下型を結合させることにより、溶融状態の熱硬化性樹脂組成物を上型に固定された、金属層220やビア配線222に対して押し当てる。その後、金型の上型と下型を結合させた状態を保持しながら、所定時間をかけて熱硬化性樹脂組成物を硬化させる。これにより、支持基材210上の金属層220およびビア配線222を封止した絶縁層224を形成することができる。
本実施形態においては、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物に代えて、シート状の熱硬化性樹脂組成物を使用した場合でも、上記のような圧縮成形を利用することができる。
ここで、圧縮成形を行う場合には、金型内を減圧下にしながら封止を行うことが好ましく、真空条件下であるとさらに好ましい。これにより、充填部分を残すことなく、金属層220やビア配線222等のパターン化された金属層を、熱硬化性樹脂組成物の硬化物(絶縁層224)で埋設することができる。
圧縮成形における成形温度は、例えば、100℃以上200℃以下としてもよく、120℃以上180℃以下としてもよい。成形圧力は、例えば、0.5MPa以上12MPa以下としてもよく、1MPa以上10MPa以下としてもよい。成形時間は、例えば、30秒以上15分以下としてもよく、1分以上10分以下としてもよい。本実施形態において、成形温度、圧力、時間を上記範囲とすることで、溶融状態の封止材が充填されない部分が発生することを防止することができる。
また、得られた熱硬化性樹脂組成物の硬化物(絶縁層224)に対して、封止後、ポストキュアを実施してもよい。ポストキュア温度は、例えば、150℃以上200℃以下としてもよく、165℃以上185℃以下としてもよい。ポストキュア時間は、例えば、1時間以上5時間以下としてもよく、2時間以上4時間以下としてもよい。
続いて、図2(c)に示すように、グラインドやケミカルエッチングなどの方法により、絶縁層224の表面(上面226)を研磨することにより、パターン化した金属層(ビア配線222)の表面を露出させる。このとき、上面226には研磨面が形成されることになる。また、グラインド方法としては、例えば、化学的機械研磨(CMP)を用いることができる。
続いて、図2(d)に示すように、金属層220と同様にして、パターン化した金属層230を絶縁層224の上面226上に形成する。続いて、図2(e)に示すように、絶縁層224と同様にして、金属層230を埋設する絶縁層234を形成する。続いて、図2(f)に示すように、上記の研磨方法により、絶縁層234の上面236を研磨することより、上面236に研磨面を形成するとともに、金属層230の上面を露出させることができる。以上のような工程を繰り返した後、支持基材210およびキャリア箔212を剥離することにより、図2(g)に示すような、ビア配線232、金属層240、絶縁層244がさらに形成された樹脂封止基板250が得られる。また、樹脂封止基板250の上面246には研磨面が形成されていてもよい。
本実施形態において、上述の工程1〜3を繰り返すことにより、樹脂封止基板250の配線層を1層または2層以上とすることが可能になる。樹脂封止基板250の層間絶縁層は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成されている。このため、樹脂封止基板250の反りを抑制することができる。また、製造安定性に優れた樹脂封止基板250とすることができる。
ここで、図2(h)に示す樹脂封止基板250は、一つの半導体素子260のみならず、複数の半導体素子260を平面内に配置することができる。すなわち、樹脂封止基板250は、大面積の金型を用いた金型成形により得られた構造を有することができる。
複数の半導体素子(電子部品)を平面内搭載できる搭載エリアを有する場合の一例を、図3に示す。図3は、本実施形態に係る樹脂封止基板300の構成の一例を示す上面図である。図3に示すように、樹脂封止基板300は、平面内に複数の半導体素子搭載エリア310,320が形成されていてもよい。
それぞれの半導体素子搭載エリア310,320に、半導体素子(電子部品)が互いに離間して搭載されることになる。
図2(h)に戻り、樹脂封止基板250上に半導体素子260を搭載する。これにより、電子装置200が得られる。電子装置200中の半導体素子260は、半田バンプ280を介してフリップチップ接続により樹脂封止基板250と電気的に接続できる。樹脂封止基板250上の半導体素子260は、一般的な封止用熱硬化性樹脂により封止されており、封止材層270で覆われている。
本実施形態において、図3に示すように、複数の半導体素子が搭載された樹脂封止基板300は、これらを一括封止した後、個片化されることになる。これにより、図2(f)に示すような、個片化された電子装置200を得ることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
実施例、比較例について、次のように熱硬化性樹脂組成物を調製した。まず、表1に示す配合に従い、各成分をミキサーで混合し混合物を得た。次いで、この混合物に対し、表1に示す配合に従い無機充填材を添加した後、ミキサーを用いて混合した。次いで、得られた混合物を、70〜100℃でロール混練した。
(顆粒品の顆粒状の熱硬化性樹脂組成物の作製)
図5(a)に示す円筒状外周部602の素材として、孔径2.5mmの小孔を有している鉄製の打ち抜き金網を使用した。直径20cmの回転子601の外周上に円筒状に加工した高さ25mm、厚さ1.5mmの打ち抜き金網を取り付け、円筒状外周部602を形成した。回転子601を3000RPMで回転させ、円筒状外周部602を励磁コイルで115℃に加熱した。回転子601の回転数と、円筒状外周部602の温度が定常状態になった後、脱気装置により脱気しつつ二軸押出機609により、表1に示す各成分を溶融混練して得られた溶融物を、回転子601の上方より2重管式円筒体605を通して2kg/hrの割合で回転子601の内側に供給して、回転子601を回転させて得られる遠心力によって円筒状外周部602の複数の小孔を通過させることで、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を得た。円筒状外周部602の小孔を通過し吐出された顆粒状の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、回転子601の周囲に設置した外槽608で捕集される。また、回転子601は、モーター610と接続されており、任意の回転数で回転させることができる。回転子601の外周上に設置した複数の小孔を有する円筒状外周部602は、図5(b)に示す磁性材料603を備える。円筒状外周部602は、その近傍に備えられた励磁コイル604に、交流電源発生装置606により発生させた交流電源を通電させることによって発生する交番磁束の通過に伴う、渦電流損やヒステリシス損により加熱される。なお、衝突面外周には、冷却ジャケット607を設けて、衝突面を冷却する。ここで、図5(b)に回転子601及び回転子の円筒状外周部602を加熱するための励磁コイル604の断面図を示し、図5(c)に溶融混練された熱硬化性樹脂組成物を、回転子601に供給する2重管式円筒体605の断面図を示す。
表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000HK)
熱硬化性樹脂2:トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、1032H−60)
熱硬化性樹脂3:トリス(ヒドロキシフェニル)メタンと4,4'−ビフェノールとの混合物(三菱化学社製、YL6677)
(硬化剤)
硬化剤1:トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂(エアウォーターケミカル社製、HE910−20)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記式で表される硬化促進剤(テトラフェニルホスホニウムビス(ナフタレン−2,3−ジオキシ)フェニルシリケート)
Figure 0006776597
硬化促進剤2:下記式(16)で表される硬化促進剤(テトラフェニルフォスフォニウム 2.3−ジヒドロキシナフタレート)
Figure 0006776597
(無機充填材)
無機充填材1:溶融球状シリカ(龍森社製、MUF−46V)
(シリコーンオイル)
シリコーンオイル1:下記式(5)で表されるシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製、FZ−3730)
Figure 0006776597
Figure 0006776597
上記表1中における実施例および比較例の熱硬化性樹脂組成物について、下記の評価を行った。
(キュラスト)
キュラストメーター((株)オリエンテック製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、金型温度175℃にてエポキシ樹脂組成物の硬化トルク値を経時的に測定し、300秒後までの最大硬化トルク値Tに対して、10%、80%、90%のトルク値(硬化率)に達する時間をそれぞれT10、T80、T90とする。これらの時間から前述の定義にしたがって時間A、時間B、時間Cを計算した。
(ゲルタイム)
175℃に制御された熱板上に、得られた熱硬化性樹脂組成物を載せ、スパチュラで約1回/秒のストロークで練る。樹脂組成物が熱により溶解してから硬化するまでの時間を測定し、ゲルタイムとした。ゲルタイムは、数値が小さい方が、硬化の速いことを示す。
(ガラス転移温度(Tg))
トランスファー成型機を用いて金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で樹脂組成物を注入成形し、15mm×4mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を175℃、4時間で後硬化した後、熱機械分析装置(セイコー電子工業(株)製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行った。この結果からガラス転移温度を算出した。ガラス転移温度の単位は℃である。
(崩壊角)
安息角、崩壊角、差角:図4(a)に示したとおり、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製、型式―PT−E)に備え付けた直径80mmの円板状である水平板505の中心に向けて、漏斗501を用いて垂直方向から、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物502を投入し、水平板505上に円錐状の顆粒体504を形成させた。顆粒状の熱硬化性樹脂組成物の投入は円錐が一定形状を保つまで行い、分度器を用いて図4(a)のように仰角(φ)を求め安息角とした。次に、図4(b)に示すように、水平板505と同じ台座506上にある109gの分銅503を高さ160mmのところから三回落下させ、衝撃によって一部の顆粒状の熱硬化性樹脂組成物が崩壊して脱落した後、分度器を用いて図4(b)のように、顆粒体507の仰角(θ)を求め崩壊角を測定した。
(金型貼り付き)
圧縮成形機(TOWA株式会社製)を用いて、金型温度175℃、クランプ圧力9.6MPa、注入(圧縮)時間20秒、硬化時間120秒で、MapBGA(BT基板、PKG外寸:234mm×71mm×0.2mm、チップマウント無し)を、離型フィルムを使用して成形した。成形後の金型開放の際に成型品と離型フィルムが貼りつかなかった場合は○、それ以外は×とした。
なお、得られた板状のMap成形品の一面は、図3に示すように、複数のチップ搭載領域を確保できる面積を有していた。
(充填性)
上記金型貼り付きの評価の後、金型からパッケージを取りだし、パッケージの表面を目視観察した。パッケージの表面に未充填と思われる凹凸が見受けられる場合は×、表面成形異常がない場合は○と判断した。
実施例で得られた顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を用い、図2に示す手順に従って圧縮成形を利用することにより、層間を接続する配線を有する樹脂封止基板が得られた。実施例の熱硬化性樹脂組成物は、金型貼りつきが無く、充填性が良く、樹脂封止基板の製造安定性に優れていることが分かった。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
100 電子装置
110 樹脂封止基板
112 絶縁層
114 上面
120 ビア配線
130 金属層
140 半導体素子
150 ワイヤボンディング
160 接着層
170 封止材層
200 電子装置
210 支持基材
212 キャリア箔
220 金属層
222 ビア配線
224 絶縁層
226 上面
230 金属層
234 絶縁層
236 上面
250 樹脂封止基板
260 半導体素子
270 封止材層
280 半田バンプ
300 樹脂封止基板
310,320 半導体素子搭載エリア
501 漏斗
502 顆粒状の熱硬化性樹脂組成物
503 分銅
504 顆粒体
505 水平板
506 台座
507 顆粒体
601 回転子
602 円筒状外周部
603 磁性材料
604 励磁コイル
605 2重管式円筒体
606 交流電源発生装置
607 冷却ジャケット
608 外槽
609 二軸押出機
610 モーター

Claims (14)

  1. パターン化された金属層と、前記金属層を埋設する絶縁層とを備える樹脂封止基板中の前記絶縁層の形成に用いる、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
    キュラストメーターを用いて、175℃にて当該熱硬化性樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定した際の、最大硬化トルク値をTとし、Tの10%のトルク値をT10とし、Tの80%のトルク値をT80とし、Tの90%のトルク値をT90としたとき、
    測定開始からT10に達する時間Aが、55秒以上100秒以下であり、
    T10に達してからT80に達する時間Bが、45秒以上150秒以下であり、
    T80に達してからT90に達する時間Cが、40秒以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    上記時間A、時間B、時間Cの合計時間が、150秒以上300秒以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    175℃におけるゲルタイムが、50秒以上120秒以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が、145℃以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    顆粒状またはシート状である、熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該顆粒状の熱硬化性樹脂組成物における崩壊角が、35°以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項5または6に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該顆粒状の熱硬化性樹脂組成物における平均粒径が、1.0mm以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    無機充填材を含み、
    前記無機充填材の含有量が、当該熱硬化性樹脂組成物全体に対して70質量%以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記無機充填材の平均粒径が5μm以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記樹脂封止基板が、コアレス樹脂基板である、熱硬化性樹脂組成物。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、樹脂封止基板。
  12. 請求項11に記載の樹脂封止基板であって、
    パターン化された金属層と、
    前記金属層を埋設する絶縁層と、を備え、
    前記絶縁層が熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される、樹脂封止基板。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の樹脂封止基板であって、
    当該樹脂封止基板の上面において、前記絶縁層の上面と前記金属層の上面とが同一平面を形成するように構成される、樹脂封止基板。
  14. 請求項1113のいずれか一項に記載の樹脂封止基板と、
    前記樹脂封止基板に搭載された電子部品と、を備える、電子装置。
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