JP6772805B2 - 偏心車、時計用ムーブメントおよび機械式時計 - Google Patents
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Description
この機構によれば、回転錘に連動して偏心車が回動することで、爪レバーの押し爪および引き爪が、伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。そして、この進退運動に連動して伝え車が回転し、これに連動して角穴車が回転し、ゼンマイが巻き上げられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の一番伝え車(偏心車)の偏心軸部材は、二番受で受けられる下案内軸部と、三番受で受けられる上案内軸部と、下案内軸部および上案内軸部の間に設けられ、爪レバーが回動自在に取り付けられる偏心軸部とを備えている。下案内軸部および上案内軸部は同軸上に設けられ、偏心軸部の偏心軸は、下案内軸部および上案内軸部の回転軸から所定距離だけ離間している。これにより、偏心車が回動すると、偏心軸部は、偏心車の回転軸を中心にして公転する。これにより、偏心軸部に取り付けられた爪レバーは、伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。
このような偏心軸部材を備える偏心車では、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を低減したいという要望がある。
爪レバーの進退運動のストロークは、第1回転軸部および第2回転軸部の回転軸と偏心軸部の偏心軸との距離の2倍の長さとなる。
例えば、特許文献1の偏心軸部材のように、平面視において第1回転軸部および第2回転軸部の全体を偏心軸部と重ねる場合は、偏心軸から、第1回転軸部および第2回転軸部のうち平面視において距離が最も遠い位置までの長さを最長距離とした場合、偏心軸部の半径を前記最長距離以上に設定する必要がある。
これに対して、本発明によれば、偏心軸部の半径を前記最長距離未満とすることができ、例えば、強度を確保できる最小寸法に設定できる。これにより、偏心軸部と爪レバーの孔の内周面との接触面積を小さくでき、偏心軸部と爪レバーとの摩擦を小さくできる。
すなわち、本発明では、平面視において第1回転軸部の少なくとも一部は偏心軸部と重なっていない。このため、第1回転軸部を爪レバーの孔に挿入した場合、平面視において偏心軸部の一部は爪レバーの孔と重なっていない。
このため、偏心軸部材を軸方向に沿って第1受部材側にさらに移動させた場合は、偏心軸部材が爪レバーに当たり、偏心軸部を爪レバーの孔に挿通させることができない。
しかしながら、本発明によれば、第1回転軸部および移動規制部が爪レバーの孔を通過した後、連結部が爪レバーの孔を通過する場合に、平面視において偏心軸部が爪レバーの孔と重なるように、偏心軸部材を軸方向と直交する方向に移動できる。これにより、偏心軸部材を軸方向にさらに移動させることで、偏心軸部を爪レバーの孔に挿通させ、かつ、第1回転軸部を第1軸受で軸支させることができ、偏心軸部材を組み込むことができる。
このように、本発明によれば、第1回転軸部を第1軸受で軸支させる工程と、偏心軸部に爪レバーを取り付ける工程とを、一度に行うことができる。このため、各工程を別々に行う場合と比べて、ムーブメントの組み立て工程を簡略化できる。
従って、例えば、偏心軸部材を、傾きを調整しながら爪レバーの孔に挿通させる場合と比べて、偏心軸部材の組み込み工程を簡略化できる。
そして、連結部の偏心軸部側の端が、爪レバーの孔に挿入された時点で、第2側面が爪レバーの孔の内周面に当たり、平面視において偏心軸部が爪レバーの孔と重なる。この状態でさらに偏心軸部材に第1受部材に向かう方向の力が加えられると、偏心軸部が爪レバーの孔に挿通し、かつ、第1回転軸部が第1軸受で軸支される。
これによれば、偏心軸部材を爪レバーの孔に挿入するだけで、位置合わせなどをすることなく偏心軸部材を組み込むことができるため、偏心軸部材の組み込み工程をより簡略化できる。
本発明によれば、ゼンマイの巻上げをより円滑に行うことができる。
[時計の構成]
図1は、機械式時計である時計1を示す平面図である。
時計1は、円筒状の外装ケース11を備え、外装ケース11の内周側に、円盤状の文字板12が配置されている。外装ケース11の二つの開口のうち、時計表面側の開口は、カバーガラス13で塞がれており、裏面側の開口は図示しない裏蓋で塞がれている。
各指針21〜23は、文字板12の表面側に配置され、ムーブメント2は、文字板12の裏面側に配置されている。各指針21〜23は、ムーブメント2が備える回転軸361,712,722に取り付けられ、ムーブメント2により駆動される。分針22、時針23は、文字板12の平面中心に設けられた回転軸712,722に取り付けられ、小秒針21は、文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられた回転軸361に取り付けられている。
外装ケース11の側面には、リューズ14が設けられている。リューズ14が操作されることにより、操作に応じた入力を行うことができる。
図2は、時計1のムーブメント2(時計用ムーブメント)を裏蓋側から見た平面図である。図2における図面上側は、3時方向側であり、図面下側は、9時方向側であり、図面右側は、12時方向側であり、図面左側は、6時方向側である。なお、図2において、輪列受けや、回転錘51(図4参照)、ベアリング52(図4参照)などについては、図示を省略している。
ムーブメント2は、基本輪列30と、小秒車36と、アンクル37と、テンプ38と、手動巻上機構40と、自動巻上機構50とを備えている。
基本輪列30は、地板61の裏蓋側に設けられた、香箱車31、二番車32、三番車33、四番車34、ガンギ車35を備えている。
香箱車31は、平面視において文字板12の平面中心に対して1時方向側に設けられた香箱真311と、香箱歯車312と、香箱蓋313と、香箱歯車312および香箱蓋313で囲まれた空間に収納された図示しないゼンマイとを備えている。ゼンマイは、後述する手動巻上機構40または自動巻上機構50によって香箱真311が回転されることで巻き上げられる。香箱歯車312は、巻き上げられたゼンマイが巻き戻されると、香箱真311を軸にして回転する。
二番車32は、平面視において回転軸323が文字板12の平面中心に対して10時方向側に設けられている。二番車32は、香箱歯車312に噛み合う二番カナ321と、二番歯車322とを備え、香箱歯車312に連動して回転する。回転軸323と二番カナ321とは一体で形成されている。時計1では、指針22(分針)が取り付けられる分車を別途備えているため、二番車32は、文字板12の平面中心からずれた位置に設けられている。
三番車33は、平面視において回転軸333が文字板12の平面中心に対して10時方向側に設けられている。また、三番車33の回転軸333は、二番車32の回転軸323に対して、文字板12の平面中心側に位置している。三番車33は、二番歯車322に噛み合う三番カナ331と、三番歯車332とを備え、二番車32に連動して回転する。回転軸333と三番カナ331とは一体で形成されている。
四番車34は、平面視において回転軸343が文字板12の平面中心に設けられている。四番車34は、三番歯車332に噛み合う四番カナ341と、四番歯車342とを備え、三番車33に連動して回転する。回転軸343と四番カナ341とは一体で形成されている。
分車は、前記回転軸712、分歯車、回転軸712と一体で形成された分カナを備える。分歯車は、三番カナ331に噛み合い、分車は、三番車33に連動して回転する。日の裏車の歯車は、分カナに噛み合い、日の裏車は、分車に連動して回転する。筒車は、前記回転軸722、および、回転軸722と一体で形成された筒歯車を備える。筒歯車は、日の裏車のカナに噛み合い、筒車は、日の裏車に連動して回転する。
なお、分車の回転軸712には、分針22が取り付けられ、筒車の回転軸722には、時針23が取り付けられる。
ガンギ車35は、平面視において文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられた回転軸351と、第1ガンギカナ352と、第2ガンギカナ353と、ガンギ歯車354とを備えている。回転軸351と第1ガンギカナ352とは一体で形成されている。
第1ガンギカナ352は、四番歯車342と噛み合い、ガンギ車35は、四番車34に連動して回転する。
アンクル37は、ガンギ歯車354に噛み合う2つの爪石を備え、テンプ38の回転往復運動に応じて、ガンギ歯車354を送り、ガンギ車35の回転速度を制御する。これにより、香箱車31、二番車32、三番車33、四番車34、小秒車36の回転速度が制御される。
小秒車36は、平面視において文字板12の平面中心に対して6時方向側に設けられ、小秒針21が取り付けられる回転軸361を備える。小秒車36の回転軸361は、ガンギ車35の回転軸351に対して、文字板12の平面中心側とは反対側に位置している。
また、小秒車36は、第2ガンギカナ353に噛み合う小秒歯車362を備え、ガンギ車35に連動して回転する。
手動巻上機構40は、巻真41、きち車42、図示しないつづみ車、丸穴車44、角穴伝え車45,46,47、角穴車48を備えている。
つづみ車には、回転中心を通る四角い穴が設けられており、この穴に巻真41が挿通している。これにより、つづみ車は、巻真41と一体で回転する。
きち車42には、回転中心を通る円形の穴が設けられており、この穴に巻真41が回転可能に挿通している。巻真41が、ムーブメント2の中心方向に押し込まれた状態(0段位置)にある場合、きち車42は、つづみ車と噛み合い、つづみ車に連動して回転する。
このような手動巻上機構40によれば、ユーザーが巻真41の先端に取り付けられたリューズ14を回転させることで、ゼンマイを巻き上げることができる。
図3は、ムーブメント2の要部の平面図である。図4は、ムーブメント2の要部の断面図である。図4における図面上側は、裏蓋側であり、図面下側は、文字板12側である。
図2〜図4に示すように、自動巻上機構50は、回転錘51(図4参照)、ベアリング52(図3、図4参照)、偏心車53、爪レバー54、伝え車55を備える。
回転錘51は、平面視において、ベアリング52の回動軸を中心とする半円形状を有している。回転錘51はベアリング52の外輪521に取り付けられおり、外輪521は、回転錘51と一体で回動する。
偏心車53は、偏心軸部材80と、偏心軸部材80に取り付けられた偏心歯車90とを備えている。偏心歯車90は、ベアリング52の外輪521の外周に設けられた回転錘カナ522と噛み合い、偏心車53は、回転錘51に連動して回動する。なお、偏心軸部材80の詳細は後述する。
爪レバー54は、偏心車53の回動に連動して、伝え車55に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動する。なお、爪レバー54の材料としては、炭素工具鋼(例えば、SK−5,SK−4)などを例示できる。
このような自動巻上機構50によれば、例えば、ユーザーが腕に時計1を装着した状態で腕を振り、回転錘51を回動させることで、ゼンマイを巻き上げることができる。
図5は、図4の部分拡大図である。図5に示すように、ムーブメント2は、文字板12から裏蓋側に向かって、地板61と、巻真受62(第1受部材)と、巻上受63と、輪列受64(第2受部材)とを備えている。そして、巻上受63の裏蓋側には、爪レバー54が設けられている。
巻真受62には穴が形成され、この穴に穴石71(第1軸受)が設けられている。また、輪列受64には穴が形成され、この穴に穴石74(第2軸受)が設けられている。また、巻上受63には、偏心軸部材80が挿通される孔631が設けられている。
偏心軸部材80は、巻真受62と輪列受64との間に、巻上受63の孔631および爪レバー54の穴石73の孔731を挿通して設けられ、穴石71,74で軸支される。本実施形態では、孔731の直径は、約0.55mmであり、深さ寸法(高さ寸法)は、約0.25mmである。
図6は、偏心軸部材80を、軸方向に直交する方向から見た側面図である。図7は、偏心軸部材80を、裏蓋側から見た斜視図である。図8は、偏心軸部材80を、文字板12側から見た斜視図である。
図6〜図8に示すように、偏心軸部材80は、文字板12側から順に、第1回転軸部81、第1移動規制部82、連結部83、偏心軸部84、歯車支持部85、第2移動規制部86(図7参照)、第2回転軸部87を備える。ここで、各部81〜87は一体で形成されている。なお、図6中の二点鎖線B1は、第1回転軸部81と第1移動規制部82との境界線を示し、図6中の二点鎖線B2は、連結部83と偏心軸部84との境界線を示す。偏心軸部材80は、例えば、柱状の軸部材を回転させながら切削加工することで形成できる。
第1移動規制部82は、第1回転軸部81よりも直径が大きい円柱形状を有し、第1回転軸部81の回転軸L1と同軸上に設けられている。第1移動規制部82は、偏心軸部材80が文字板12側に移動すると穴石71に当たり、偏心軸部材80がそれ以上文字板12側に移動することを規制する。第1移動規制部82の直径は、穴石73の孔731の直径以下であり、本実施形態では、約0.45mmである。また、第1移動規制部82の軸方向の長さは、約0.16mmである。
偏心軸部84は、穴石73の孔731に挿通され、かつ、巻上受63の孔631に挿通される。偏心軸部84の直径は、孔731で軸支可能な大きさに設定され、本実施形態では、約0.55mmである。なお、偏心車53が回転した際に、偏心軸部84が巻上受63と干渉しないで孔631内を移動できるように、孔631の直径は、偏心軸部84の回転軌跡の直径よりも大きく設定されている。また、本実施形態では、偏心軸部84の軸方向の寸法は、約0.65mmである。
さらに、連結部83は、偏心軸部84の外周面に連続した側面833(第2側面)と、側面833の文字板12側の端縁E3(第2端縁)から、第1移動規制部82の裏蓋側の端部の外周縁における端点E4(第2端点)まで伸びる傾斜面834(第2傾斜面)とを備える。端縁E3は、偏心軸L2を中心とする円弧であり、平面視において、端縁E3の円周方向の中間点は、偏心軸L2から回転軸L1に向かう直線上に位置している。端点E4は、第1移動規制部82の前記外周縁において、偏心軸L2から最も離れた点である。
なお、本実施形態では、傾斜面832,834は、外側に膨らんだ曲面である。
次に、偏心軸部材80の組み込み方法について説明する。図9は、偏心軸部材80の組み込み方法を説明する遷移図である。
偏心軸部材80は、巻真受62および爪レバー54が配置された状態で組み込まれる。
まず、図9の状態1に示すように、爪レバー54の穴石73の孔731に対して、裏蓋側から、偏心軸部材80の第1回転軸部81および第1移動規制部82を挿通させる。
この状態から、偏心軸部材80に文字板12側に向かう方向の力が加えられると、状態3に示すように、傾斜面832が穴石73に当たっているため、偏心軸部材80は、傾斜面832に沿った方向に移動する。すなわち、偏心軸部材80は、軸方向に沿った方向だけではなく、穴石73の径方向にも移動する。軸方向の移動距離と前記径方向の移動距離との比は、傾斜面832の角度で決定される。また、傾斜面834の角度は、傾斜面832,834が同時に穴石73に当たることがない角度に設定されているため、偏心軸部材80の移動が妨げられることがない。
また、偏心軸部材80では、第1移動規制部82、連結部83および偏心軸部84を合わせた軸方向の寸法H4は、距離H3以上である。
従って、この状態から偏心軸部材80に文字板12側に向かう方向の力が加えられると、状態4に示すように、偏心軸部84を孔731に挿通させることができ、状態5に示すように、第1回転軸部81を穴石71の孔に挿入させることができる。そして、状態6に示すように、第1移動規制部82が穴石71に当たるところまで偏心軸部材80は移動する。このようにして、偏心軸部材80は組み込まれる。
平面視において、第1回転軸部81の一部および第2回転軸部87の一部は、偏心軸部84と重なっていないため、第1回転軸部81および第2回転軸部87の全体が偏心軸部84と重なっている場合と比べて、偏心軸部84の直径を小さくできる。これにより、偏心軸部84と穴石73の孔731の内周面との接触面積を小さくでき、偏心軸部84と爪レバー54との摩擦を小さくできる。これにより、ゼンマイの巻上げをより円滑に行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
この変形例の偏心軸部材80Aを、図10に示す。偏心軸部材80Aの連結部83Aでは、側面831および傾斜面832が、軸方向と直交する面835で連結され、側面833および傾斜面834が、軸方向と直交する面836で連結されている。偏心軸部材80Aでは、面835,836を含み、軸方向の寸法が穴石73の孔731の深さ寸法と同じとなる領域における前記最大寸法は、孔731の直径よりも大きい。
このため、連結部83Aは、軸方向が穴石73の径方向と直交する状態で、孔731を通過することができない。しかしながら、偏心軸部材80Aの傾きを調整することで、孔731に連結部83Aを通過させることができる。
まず、図11の状態1に示すように、偏心軸部材80Aを、傾斜面832,834と穴石73の径方向との角度が大きくなる方向に所定角度傾けた状態で、穴石73の径方向と直交する方向に移動させ、第1回転軸部81、第1移動規制部82および連結部83Aを穴石73の孔731に挿通させる。
この場合、連結部83Aが孔731を通過している途中で、面835が穴石73に当たる。面835が穴石73に当たったら、状態2に示すように、偏心軸部材80Aを、穴石73の径方向に移動させ、傾斜面834を穴石73の内周面に当てる。
そして、状態3に示すように、偏心軸部84が穴石73に当たると、状態4,5に示すように、偏心軸部材80Aの傾きを戻すことで、連結部83Aの偏心軸部84側の端が穴石73の孔に挿入され、平面視において偏心軸部84が穴石73の孔と重なる。そして、偏心軸部材80Aを、穴石73の径方向と直交する方向にさらに移動させることで、状態6に示すように、偏心軸部84を穴石73の孔に挿通させることができる。
また、傾斜面832は、側面831の端縁E1から、偏心軸部84の文字板12側の端部の外周縁における端点E2まで伸びているが、本発明はこれに限定されない。例えば、傾斜面832は、端縁E1から、偏心軸部84の前記外周縁における端点E2を含む円弧まで伸びる形状であってもよい。また、傾斜面834は、側面833の端縁E3から、第1移動規制部82の裏蓋側の端部の外周縁における端点E4まで伸びているが、本発明はこれに限定されない。例えば、傾斜面834は、端縁E3から、第1移動規制部82の前記外周縁における端点E4を含む円弧まで伸びる形状であってもよい。
また、傾斜面832,834の代わりに、軸方向の面と、軸方向に直交する面とが交互に連続した段差状の面を適用してもよい。
また、前記実施形態では、第2回転軸部87は、輪列受64で軸支されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、輪列受64以外の受部材で軸支されていてもよい。
Claims (6)
- 機械式時計におけるゼンマイの自動巻上機構に用いられ、角穴車を回転させる伝え車に係合する爪レバーが取り付けられ、回転錘に連動して回動することで前記爪レバーを前記伝え車に近づく方向および遠ざかる方向に進退運動させる偏心車であって、
偏心軸部材と、前記偏心軸部材に取り付けられ、前記回転錘に連動して回動する偏心歯車と、を備え、
前記偏心軸部材は、
軸方向の一方の端に設けられた第1回転軸部、および、軸方向の他方の端に設けられ、前記第1回転軸部と同軸上の第2回転軸部と、
前記第1回転軸部および前記第2回転軸部の回転軸に対して偏心し、前記爪レバーに設けられた孔に挿通される偏心軸部と、
前記偏心軸部および前記第2回転軸部の間に設けられ、前記偏心歯車が取り付けられる歯車支持部と、を備え、
軸方向から見た平面視において、前記第1回転軸部の少なくとも一部および前記第2回転軸部の少なくとも一部は、前記偏心軸部と重なっていない
ことを特徴とする偏心車。 - 請求項1に記載の偏心車において、
前記偏心軸部材は、
前記第1回転軸部と同軸上に前記第1回転軸部に連続して設けられ、前記第1回転軸部よりも直径が大きい移動規制部と、
前記移動規制部と前記偏心軸部とを連結する連結部と、を備え、
前記第1回転軸部および前記移動規制部における軸方向と直交する方向の寸法は、前記爪レバーの孔の直径以下であり、
前記連結部は、前記爪レバーの孔を通過する場合に、前記平面視において前記偏心軸部が前記爪レバーの孔と重なるように、前記爪レバーの孔内を移動できる形状および寸法を有する
ことを特徴とする偏心車。 - 請求項2に記載の偏心車において、
前記連結部において、前記爪レバーの孔の深さ寸法と同じ軸方向の寸法を有する任意の領域は、常に、前記平面視にて、軸方向と直交する方向の最大寸法が、前記爪レバーの孔の直径以下である
ことを特徴とする偏心車。 - 請求項3に記載の偏心車において、
前記連結部は、
前記移動規制部の外周面に連続した第1側面と、
前記第1側面の前記第2回転軸部側の第1端縁から、前記偏心軸部の前記第1回転軸部側の端部の外周縁における第1端点まで伸びる第1傾斜面と、
前記偏心軸部の外周面に連続した第2側面と、
前記第2側面の前記第1回転軸部側の第2端縁から、前記移動規制部の前記第2回転軸部側の端部の外周縁における第2端点まで伸びる第2傾斜面と、を備え、
前記平面視において、前記第1端縁の中間点は、前記回転軸から偏心軸に向かう直線上に位置し、
前記第1端点は、前記偏心軸部の前記外周縁において、前記回転軸から最も離れた点であり、
前記平面視において、前記第2端縁の中間点は、前記偏心軸から前記回転軸に向かう直線上に位置し、
前記第2端点は、前記移動規制部の前記外周縁において、前記偏心軸から最も離れた点であり、
前記第2側面の軸方向の寸法は、前記爪レバーの孔の深さ寸法以上である
ことを特徴とする偏心車。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の偏心車と、
前記回転錘と、
前記爪レバーと、
前記伝え車と、
前記角穴車と、
香箱車と、を備える
ことを特徴とする時計用ムーブメント。 - 請求項5に記載の時計用ムーブメントを備える
ことを特徴とする機械式時計。
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