以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るレセプタクルコネクタ1およびこれに対して上方から嵌合されるプラグコネクタ2の斜視図であり、コネクタ嵌合前の状態を示している。図2は、図1のレセプタクルコネクタ1およびプラグコネクタ2を上下反転させて示した斜視図であり、プラグコネクタ2を下方から嵌合させるようにした姿勢で示した斜視図である。
本実施形態におけるレセプタクルコネクタ1及び該レセプタクルコネクタ1の相手コネクタたるプラグコネクタ2は、それぞれ異なる回路基板B1,B2(図1,2にて二点鎖線で図示)の実装面上に配される回路基板用電気コネクタであり、各回路基板B1,B2の面に対して直角な方向(図1での上下方向(Z軸方向))を挿抜方向とするコネクタ組立体を構成している。レセプタクルコネクタ1については、プラグコネクタ2に対するコネクタ嵌合方向が図1での上方(Z1方向)であり、コネクタ抜出方向が図1での下方(Z2方向)となる。また、プラグコネクタ2については、レセプタクルコネクタ1に対するコネクタ嵌合方向が図1での下方(Z2方向)であり、コネクタ抜出方向が図1での上方(Z1方向)となる。なお、本実施形態ではプラグコネクタ2を相手コネクタとして説明するが、プラグコネクタ2からするとレセプタクルコネクタ1が相手コネクタとなる。
レセプタクルコネクタ1は、図1に見られるように、略直方体外形をなすレセプタクル側ハウジング10と、該レセプタクル側ハウジング10の長手方向を端子配列方向(X軸方向)として該レセプタクル側ハウジング10によって二列に配列保持される複数のレセプタクル端子20と、上記長手方向に沿って延び上記レセプタクル側ハウジング10に保持されるロック部材としてのロック金具30と、レセプタクル側ハウジング10の周壁を覆うようにして該レセプタクル側ハウジング10に取り付けられたシェル部材40とを有している。該レセプタクルコネクタ1は、図1で示される姿勢で、回路基板B1上に配置実装される。
レセプタクル側ハウジング10は、例えば樹脂等の電気絶縁材で作られており、回路基板B1の実装面と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。該レセプタクル側ハウジング10は、上記実装面に対して平行な底壁11(図2参照)と、図1にて、該底壁11から上方(Z1方向)へ向けて起立するとともに端子配列方向に延びる凸状の突壁12と、上記底壁11から上方へ向けて起立するとともに上記突壁12を囲む枠状の周壁13とを有している。該周壁13は、上記端子配列方向(X軸方向)に延びる一対の側壁14と、該端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向(Y軸方向)に延び上記一対の側壁14の端部同士を連結する一対の端壁15とを有している。上記突壁12と周壁13との間で上方へ向け開口する環状空間は、プラグコネクタ2の嵌合部としての周壁53を受け入れるための受入部16として形成されている。
レセプタクル側ハウジング10は、レセプタクル端子20、ロック金具30及びシェル部材40を保持する形態をなしているが、その形態の理解のために、レセプタクル側ハウジング10のさらなる説明に先立ち、まず、レセプタクル端子20、ロック金具30及びシェル部材40について説明する。
複数のレセプタクル端子20は、レセプタクル信号端子20Sとレセプタクル電源端子20Pとを有している。図1,2に見られるように、二列の端子列は、等間隔に配列された複数のレセプタクル信号端子20Sと、該レセプタクル信号端子20Sと同列をなすように該レセプタクル信号端子20Sの配列範囲の両側に一つずつ配されたレセプタクル電源端子20Pとから成っている。
レセプタクル信号端子20Sおよびレセプタクル電源端子20Pは、図1,2に見られるように、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に屈曲して作られている。レセプタクル信号端子20Sは、コネクタ幅方向に延びる基部21S(図2参照)と、該基部21Sの一端で直角に屈曲されて上方へ向けて延びる接触腕部22S(図1参照)と、基部21Sの他端から逆U字状に延びる被保持部23S(図1参照)と、該被保持部23Sからコネクタ幅方向外方(図2にて、手前側の列のレセプタクル信号端子20SについてはY2方向、奥側の列のレセプタクル信号端子20SについてはY1方向)へ向けて延びる接続部24S(図2参照)とを有している。該レセプタクル信号端子20Sは、基部21S及び被保持部23Sがそれぞれレセプタクル側ハウジング10の底壁11及び側壁14で一体モールド成形により保持されている。
接触腕部22Sは、レセプタクル側ハウジング10の突壁12に形成された後述する縦溝部12DS内に収容されており、該接触腕部22Sの板厚方向、換言するとコネクタ幅方向で弾性変形可能となっている。該接触腕部22Sの上端には、プラグコネクタ2に設けられた相手端子としてのプラグ信号端子60Sとの接触のための接触部22ASがコネクタ幅方向外方へ向けて突出して形成されており、受入部16内に位置している。逆U字状(図1参照)をなす被保持部23Sは、二つの脚部のうちコネクタ幅方向内方に位置する内脚部23ASの板面が側壁14の内面から露呈しており、該板面の上部に、上記プラグ信号端子60Sと係止するための一つのロック部23BSが突出形成されている。また、接続部24Sは、被保持部23Sの二つの脚部のうちコネクタ幅方向外方に位置する外脚部(図1,2では隠れており、示されていない)の下端(図2では上端)からコネクタ幅方向外方へ向けてレセプタクル側ハウジング10の外に延出しており、回路基板の対応回路部(図示せず)に半田接続されるようになっている。
レセプタクル電源端子20Pは、レセプタクル信号端子20Sと基本的な構成が同じであり、端子配列方向に見て該レセプタクル信号端子20Sと同形状をなしている。図1,2に見られるように、レセプタクル電源端子20Pにおいて、レセプタクル信号端子20Sと対応する部分には、「S」に代えて「P」とした符号を付して示している。該レセプタクル電源端子20Pは、レセプタクル信号端子20Sよりも端子幅方向(端子配列方向)での寸法が大きい点、そして、ロック部23BPを二つ有している点でレセプタクル信号端子20Sと異なっている。該ロック部23BPは、レセプタクル信号端子20Sのロック部23BSと同じ形状であり、また、該ロック部23BSと同じ高さ位置で端子幅方向に二つ配列されている。
次に、図3をも参照しながらロック金具30の構成について説明する。図3は、図1のレセプタクルコネクタ1のロック金具30を、図1のレセプタクルコネクタにて保持されている姿勢で示した斜視図である。ロック金具30は、端子配列方向(X軸方向)に延びており、後述するように、図3での右上方(X1方向)へ向けたロック解除操作を受けることにより右上方向に移動するようになっている。本実施形態では、図3での右上方(X1方向)、すなわちロック解除の際のロック金具30の移動方向前方を「前方」といい、図3での左下方(X2方向)を「後方」という。
ロック金具30は、前後方向(端子配列方向)に延びる棒状の金属部材の切削加工により作られている。ロック金具30は、該ロック金具30の前半部にて、前端寄り位置で両側の側面(Y軸方向に対して直角な面)から四角形状に没した前方大凹部31Aと、該前方大凹部31Aよりも後方位置で両側の側面からL字形状に没した前方小凹部32Aとが形成されている。一方、該ロック金具30の後半部には、後端寄り位置で両側の側面から四角形状に没した後方大凹部31Bと、該後方大凹部31Bよりも前方位置で両側の側面からL字形状に没した後方小凹部32Bとが形成されている。前方大凹部31Aおよび後方大凹部31B(区別する必要がない場合には「大凹部31A,31B」と総称する)は互いに同形状をなしており、前後方向での後述のロック突部33A,33Bの位置を除き、上方へ開放されている。また、前方小凹部32Aおよび後方小凹部32B(区別する必要がない場合には「小凹部32A,32B」と総称する)は互いに同形状をなしており、前後方向での後述の被支持部34A,34Bの位置を除き、上方へ開放されている。小凹部32A,32Bは、前後方向そして上下方向で大凹部31A,31Bよりも小さく形成されている。
また、ロック金具30は、大凹部31A,31Bを形成する縁部のうち前縁部31A−1,31B−1(上下方向に延びる縁部)の上部から後方へ向けて突出して大凹部31A,31B内に位置するロック突部33A,33B(前方ロック突部33A、後方ロック突部33B)を有している。ロック突部33A,33Bのそれぞれは、上縁が後方へ向かうにつれて下方に傾斜する斜縁を有しているとともに、下縁が上下方向に対してほぼ直角な方向(前後方向)に延びていて鉤状に形成されており、プラグコネクタ2に設けられた相手ロック金具としての被ロック金具70と係止可能となっている(図5(A),(B)参照)。
また、ロック金具30は、小凹部32A,32Bを形成する縁部のうち上縁部をなす横部34A−1,34B−1と前縁部をなす縦部34A−2,34B−2とから成る逆L字状の被支持部34A,34B(前方被支持部34A、後方被支持部34B)を有している。該被支持部34A,34Bは、レセプタクル側ハウジング10の対応部(後述の前方支持部12A−1および後方支持部12C−2)に対して下方へ向けて係止してレセプタクル側ハウジング10からのロック金具30の下方への脱落を防止するための部分である。
被支持部34A,34Bの横部34A−1,34B−1は、レセプタクル側ハウジング10の後述のロック位置側規制部12A−3,12C−3に当接して、後方へ向けたロック金具30の移動の規制を受けるロック位置側被規制部としての機能をも有している(図4および図5(A),(B)をも参照)。また、被支持部34A,34Bの縦部34A−2,34B−2は、レセプタクル側ハウジング10の後述のロック解除位置側規制部12B−2,12C−4に当接して、前方へ向けたロック金具30の移動の規制を受けるロック解除位置側被規制部としての機能をも有している(図6(A),(B)をも参照)。
また、ロック金具30は、さらに、後端位置で上方へ向けて延びる被付勢部35および前端位置で上方へ向けて延びるロック解除操作部36とを有している。被付勢部35は、後述のシェル部材40の付勢部45と当接して、該付勢部45からの後方へ向けた付勢力(ばね力)を受けるようになっている。ロック解除操作部36は、ロック突部33A,33Bや被付勢部35よりも前方、すなわちロック解除位置側に位置しており、後述するように、ロック解除操作時に前方へ向けたロック解除操作力を受けるようになっている。
図1および図2に示すようにシェル部材40は、金属板を所定の形状に打ち抜いた後、板厚方向に屈曲して作られている。図1に見られるように、シェル部材40は、レセプタクル側ハウジング10の両端壁15及び端子配列方向での側壁14の端部の上面を覆う上板部41と、コネクタ幅方向での該上板部41の両端縁で下方へ向けて直角に屈曲され端子配列方向に延びて側壁14を覆うとともにレセプタクル側ハウジング10に保持される側板部42と、端子配列方向での該側板部42の両端縁で上記コネクタ幅方向内方へ向けて屈曲され両端壁15の端壁面(端子配列方向に対して直角な面)を覆う内端板部43(図2参照)と、コネクタ幅方向での上板部41の両端寄り位置にて上板部41の側端縁(コネクタ幅方向に延びる側縁)で下方へ向けて直角に屈曲されて延び内端板部43の外面を覆う外端板部44と、内端板部43から延び外端板部44よりも後方に位置する付勢部45とを有している。該シェル部材40は、シールド部材としての機能をも有している。
上板部41は、端壁15の上面を覆う端部分41Aと二つの側壁14の端部を覆う側方部分41Bとで上方から見て略U字状をなしている。上記端部分41Aの端子配列方向内側の側縁(コネクタ幅方向に延びる側縁)からは下方へ屈曲されて端壁15の下部まで延びる二つの端取付片46が形成されている。また、側方部分41Bの内側のコネクタ幅方向内側の側縁(端子配列方向に延びる側縁)からは、下方へ屈曲されて側壁14の上端寄り位置まで延びる接触片47が形成されている。
側板部42は、端子配列方向での端子配列範囲外にて、下縁部が切り欠かれていてレセプタクル側ハウジング10の対応部(後述の取付部14B)への圧入取付のための取付溝部42Aが形成されているとともに、該取付溝部42Aの両外側には回路基板B1の対応回路部へ半田接続により固定される固定脚部42Bが形成されている。
二つの内端板部43は、コネクタ幅方向内方へ向けて同方向での中間位置、具体的には後述する端壁15の端壁溝部17B,17Cの側縁(上下方向に延びる縁部)にまで延びており、先端(内端)同士が間隔をもって位置している。付勢部45は、それぞれの内端板部43の内端からコネクタ幅方向外方へ向けて折り返されてからさらにコネクタ幅方向内方へ向けて折り返された二つの弾性片45A,45Bにより形成されている。弾性片45A,45Bは、その先端部(内端縁)の上部に、上下方向で互いに異なる位置で、それぞれコネクタ幅方向内方へ向けて互いに近づくように延びる先端片45A−1,45B−1(図5(A),図6(A)をも参照)を有している。該弾性片45Aの先端片45A−1は、他方の弾性片45Bの内端縁に対向し、弾性片45Bの先端片45B−1は、上記先端片45A−1の下方位置で、他方の弾性片45Aの内端縁に対向するように延びている。また、該先端片45A−1,45B−1の下方には、ロック金具30の後端部を収容するための収容部45Cが形成されている。
レセプタクル側ハウジング10の説明に戻る。レセプタクル側ハウジング10の底壁11は、図2に見られるように、コネクタ幅方向(Y軸方向)での中央寄り位置で後述するロック金具収容溝部17の底溝部17Aに隣接して上下方向に貫通する底孔部11Bと、コネクタ幅方向で該底孔部11Bに隣接し該底壁11の底面(図2での上面)から没するとともにコネクタ幅方向外方へ開放された底凹部11Cとが、コネクタ幅方向での中心を通り端子配列方向(X軸方向)に延びる中心線に対して対称をなし、それぞれ対応するレセプタクル端子20と同位置に、端子配列方向で等間隔をもって複数配列形成されている。複数の底孔部11Bは、レセプタクル信号端子20Sに対応して位置する信号端子用底孔部11BSと、レセプタクル電源端子20Pに対応して位置する電源端子用底孔部11BPとを有している。複数の底凹部11Cは、レセプタクル信号端子20Sに対応して位置する信号端子用底凹部11CSと、レセプタクル電源端子20Pに対応して位置する電源端子用底凹部11CPとを有している。電源端子用底孔部11BPおよび電源端子用底凹部11CPは、それぞれ信号端子用底孔部11BSおよび信号端子用底凹部11CSよりも幅寸法(端子配列方向での寸法)が大きくなっている。底孔部11Bはレセプタクル端子20の基部21の一部を収容し、底凹部11Cはレセプタクル端子20の接続部24を収容するようになっている。
突壁12は、図1に見られるように、端子配列方向でのレセプタクル端子20に対応する位置で突壁12の両方の側面12Eから没して上下方向に貫通して延びる縦溝部12Dが、端子配列方向で複数配列形成されている。複数の縦溝部12Dは、レセプタクル信号端子20Sに対応して位置する信号端子用縦溝部12DSと、レセプタクル電源端子20Pに対応して位置する電源端子用縦溝部12DPとを有しており、該電源端子用縦溝部12DPは信号端子用縦溝部12DSよりも幅寸法が大きくなっている。
側壁14は、端子配列範囲の両外側での該側壁14の内面(受入部16を形成する壁面)の上部に該内面から没入する側方凹部14Aが形成されている。該側方凹部14Aは、シェル部材40の接触片47を収容している。また、側壁14は、端子配列範囲の両外側に、シェル部材40の取付溝部42Aへ圧入される取付部14Bが該側壁14の下部の外側面から突出して形成されている。
端壁15は、後述するロック金具収容溝部17の端壁溝部17B,17Cのコネクタ幅方向での両側位置に、該端壁15の内面(受入部16を形成する壁面)から没入するとともに上下方向に延びる端凹部15Aが形成されている。端凹部15Aは、シェル部材40の端取付片46を収容するようになっている。
また、レセプタクル側ハウジング10は、ロック金具30を収容するための収容部としてのロック金具収容溝部17が、コネクタ幅方向での中央位置で、該コネクタ幅方向に対して直角に拡がるスリット状をなし、端子配列方向でのレセプタクル側ハウジング10の全域にわたって延びて形成されている。図4に見られるように、ロック金具収容溝部17は、端子配列方向で対称(図4にて左右対称)の形状をなしている。
図4は、図1のレセプタクルコネクタ1のコネクタ幅方向に対して直角な面での断面図であり、コネクタ幅方向におけるロック金具30の位置での断面を示している。この図4では右方が前方となり、左方が後方となる。ロック金具収容溝部17は、ロック金具30の各部を収容するための溝部あるいは孔部が連通して形成されている。
ロック金具収容溝部17は、図4に見られるように、ロック金具30の下部を収容するための底溝部17A(図2参照)と、ロック金具の前端側部分の一部を収容するための前方端壁溝部17Bと、ロック金具の後端側部分の一部を収容するための後方端壁溝部17Cと、ロック金具30の前後方向中間部を収容するための突壁溝部17Dとを有している。
図2に見られるように、底溝部17Aは、底壁11に沿って端子配列方向での全域にわたって同方向に貫通して延びている。また、該底溝部17Aは、端子配列方向での受入部16に対応する範囲、すなわち突壁12と端壁15との間の範囲にて上下方向に貫通して、受入部16と連通している。図4に見られるように、前方端壁溝部17Bは、端子配列方向での前方(図4にて右端側)に位置する端壁15で、また、後方端壁溝部17Cは、端子配列方向での後方(図4にて左端側)に位置する端壁15で、上下方向に延びるとともに各端壁15の壁厚方向(端子配列方向)に貫通して形成されている。前方端壁溝部17Bそして後方端壁溝部17Cの上側内壁面(上下方向に対して直角な面)は、それぞれロック金具30の上縁に当接して上方へ向けた該ロック金具30の移動を規制する規制面17B−1,17C−1として機能する。
突壁溝部17Dは、突壁12の下部を前後方向に貫通するととともに、底溝部17Aと連通している。該突壁溝部17Dは、突壁12の前端寄り位置で該突壁12を上下方向に貫通する前方突壁孔部17D−1と、突壁12の後端寄り位置で該突壁12を上下方向に貫通する後方突壁孔部17D−2とを有している。図4に見られるように、前方突壁孔部17D−1および後方突壁孔部17D−2は、断面形状がT字状をなしており、前方突壁孔部17D−1がロック金具30の前方被支持部34Aを収容し、後方突壁孔部17D−2がロック金具30の後方被支持部34Bを収容している。
図4に見られるように、突壁12には、端子配列方向での中央位置で前方突壁孔部17D−1と後方突壁孔部17D−2との間に位置する中央島状部12Aと、前方突壁孔部17D−1の前方に位置する前方島状部12Bと、後方突壁孔部17D−2の後方に位置する後方島状部12Cとが形成されている。
中央島状部12Aは、下部にて前方そして後方へそれぞれ突出する前方支持部12A−1、後方ロック解除位置側規制部12A−2を有している。また、前方島状部12Bは、上部で前方へ向けて延びる上壁部12B−1と、下部で後方へ向けて突出する前方ロック解除位置側規制部12B−2とを有しており、断面形状が全体としてクランク状をなしている。また、後方島状部12Cは、上部で後方へ向けて延びる上壁部12C−1と、下部で前方へ向けて突出する後方支持部12C−2とを有しており、断面形状が全体として前方島状部12Bの断面形状を左右反転させたクランク状をなしている。中央島状部12A、前方島状部12Bそして後方島状部12Cの上側内壁面(上下方向に対して直角な面)は、それぞれロック金具30の上縁に当接して上方へ向けた該ロック金具30の移動を規制する規制面12A−4,12B−3,12C−4として機能する。
前方突壁孔部17D−1は、端子配列方向で互いに近づいて突出する前方支持部12A−1および前方ロック解除位置側規制部12B−2によって下部が狭められており、全体としてT字状をなしている。また、後方突壁孔部17D−2は、端子配列方向で互いに近づいて突出する後方支持部12C−2および後方ロック解除位置側規制部12A−2によって下部が狭められており、全体としてT字状をなしている。
図4に見られるように、本実施形態では、前方支持部12A−1がロック金具30の前方被支持部34Aに係止し、後方支持部12C−2がロック金具30の後方被支持部34Bに係止することにより、レセプタクル側ハウジング10からのロック金具30の下方への脱落を阻止するための支持部として機能する。
中央島状部12Aの上部の前端部は、ロック金具30の前方被支持部34Aの横部34A−1と当接して、端子配列方向でのロック金具30の後方への移動を規制する前方ロック位置規制部12A−3として機能する。後方島状部12Cの上部の前端部は、ロック金具30の被支持部34Bの横部34B−1と当接して、端子配列方向でのロック金具30の後方への移動を規制する後方ロック位置規制部12C−3として機能する。
以上の構成のレセプタクルコネクタ1は次の要領で組み立てられる。まず、レセプタクル側ハウジング10と二列に配列した複数のレセプタクル端子20(レセプタクル信号端子20Sおよびレセプタクル電源端子20P)とを一体モールド成形することにより、レセプタクル側ハウジング10でレセプタクル端子20を配列保持する。この結果、レセプタクル端子20の基部21の一部が底壁11によって保持され、レセプタクル端子20の被保持部23が側壁14により保持される。また、接触腕部22は、突壁12の縦溝部12D内に弾性変位可能に収容され、接続部24は、底壁11の底凹部11C内で露呈して位置する。
次に、シェル部材40をレセプタクル側ハウジング10に上方から取り付ける。このとき、シェル部材40の側板部42の取付溝部42A内にレセプタクル側ハウジング10の側壁14の取付部14Bが圧入される。また、側壁14の側方凹部14A内に接触片47が収容されるとともに、端壁15の端凹部15Aに端取付片46が収容される。
本実施形態では、付勢部45がシェル部材40の一部として形成されているので、付勢部をシェル部材とは別個の部材とする場合に比べて、部品点数を少なくでき、製造コストを抑制できる。また、コネクタを製造する際に、レセプタクル側ハウジング10へのシェル部材40の取付けによって付勢部45も同時に取り付けられることとなるので、付勢部をレセプタクル側ハウジング10に取り付ける工程を省略でき、コネクタの製造が簡単となる。ただし、付勢部をシェル部材と一体として形成することは必須ではなく、コネクタの製造コストの抑制や製造工程の簡単化の必要性が低い場合には、付勢部をシェル部材とは別個の付勢部材として設けることとしてもよい。
また、次のように、ロック金具30をレセプタクル側ハウジング10の下方からロック金具収容溝部17内へ収容させる。このとき、ロック金具30の被支持部34A,34Bがそれぞれ端子配列方向でレセプタクル側ハウジング10の突壁孔部12D−1,12D−2と同位置となるようにして、ロック金具30をレセプタクル側ハウジング10の下方に位置させる。そして、ロック金具30を上方に移動させて、被支持部34A,34Bをそれぞれ突壁孔部17D−1,17D−2に進入させる。
ロック金具30の収容時、ロック金具30がロック金具収容溝部17内を上方へ向けて移動する過程にて、被付勢部35が、付勢部45の先端片45A−1,45B−1を前方へ向けて押圧して弾性片45A,45Bを前方へ弾性変形させる。そして、ロック金具30の被支持部34A,34Bの横部34A−1,34B−1それぞれが、前方支持部12A−1および後方支持部12C−2よりも上方にもたらされると、弾性片45A,45Bの復元力により被付勢部35が後方へ押し戻される。この結果、ロック金具30がロック位置にもたらされる。このとき、ロック金具30の被支持部34A,34Bの横部34A−1,34B−1がそれぞれレセプタクル側ハウジング10のロック位置側規制部12A−3,12C−3に前方から当接することにより、後方へ向けたロック金具30の移動が規制され、該ロック金具が確実にロック位置に維持される。
また、上記ロック位置にて被支持部34A,34Bの横部34A−1,34B−1のそれぞれが前方支持部12A−1及び後方支持部12C−2の直上にもたらされる。したがって、図4に見られるように、各横部34A−1,34B−1が前方支持部12A−1および後方支持部12C−2に対して下方へ向けて係止可能に支持されて、レセプタクル側ハウジング10からのロック金具30の脱落が阻止される。また、ロック金具30のロック突部33A,33Bが、それぞれレセプタクル側ハウジング10の前方の端壁そして突壁12から後方へ突出し、受入部16内に位置する。このようにして、ロック金具30及びシェル部材40がレセプタクル側ハウジング10に取り付けられることにより、レセプタクルコネクタ1が完成する。
このように、ロック金具30は、シェル部材40の付勢部45からの後方へ向けた付勢力を受けることにより、プラグコネクタ2の抜出を阻止可能な「ロック位置」(図4および図5(A),(B)に示される位置)に位置する。また、ロック金具30は、後述するようにロック解除操作時に、上記付勢力に抗する前方へ向けたロック解除操作力を受けることにより、プラグコネクタ2の抜出を許容可能な「ロック解除位置」(図6(A),(B)に示される位置)にもたらされる。このように、ロック金具30は、ロック位置とロック解除位置との間を、前後方向(端子配列方向)で移動可能となっている。
本実施形態では、図4に見られるように、レセプタクル側ハウジング10のロック金具収容溝部17が左右対称な形状をなしているので、ロック金具30を、図4で示される姿勢を左右反転させた姿勢としても、ロック金具収容溝部17へ収容することが可能である。この場合、ロック解除位置規制部12B−2,12A−2が支持部として機能し、支持部12A−1,12C−2がロック解除位置規制部として機能することとなる。
次に、図1、図2、図5、図6にもとづいて、プラグコネクタ2の構成を説明する。プラグコネクタ2は、略直方体外形をなすプラグ側ハウジング50と、該プラグ側ハウジング50の長手方向を端子配列方向として該プラグ側ハウジング50によって二列に配列保持される複数の相手端子としてのプラグ端子60と、上記プラグ側ハウジング50の後述の端壁55で保持される二つの被ロック金具70とを有している。該プラグコネクタ2は、プラグ側ハウジング50で上記複数のプラグ端子60及び被ロック金具70を保持するように一体モールド成形することにより作られる。該プラグコネクタ2は、図2に示される姿勢で回路基板B2上に配置実装され、図1に示されるように上下反転させた姿勢でレセプタクルコネクタ1に嵌合接続される。
上記プラグ側ハウジング50は、例えば樹脂等の電気絶縁材で作られており、回路基板の実装面と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。該プラグ側ハウジング50は、上記実装面に対して平行な底壁51(図1参照)と、図2に見られるように、該底壁51から上方へ向けて起立する枠状の嵌合部としての周壁53とを有している。該周壁53は、上記端子配列方向(X軸方向)に延びる一対の側壁54と、該端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向(Y軸方向)に延び上記一対の側壁54の端部同士を連結する一対の端壁55とを有している。該周壁53に囲まれて図2での上方(Z2方向)へ開口する空間は、レセプタクルコネクタ1の突壁12を受け入れるための受入部56として形成されている。また、端壁55は、コネクタ幅方向(Y軸方向)での中央位置にて端子配列方向(X軸方向)そして上下方向(Z軸方向)に貫通する端溝部55Aが形成されている。図2に見られるように、該端溝部55Aは、コネクタ幅方向で対向する内側壁面同士の下部が端子配列方向内側位置(受入部56側の位置)で連結されている。
上記プラグ側ハウジング50は、プラグ端子60及び被ロック金具70を保持する形態をなしているが、その形態の理解のために、プラグ側ハウジング50のさらなる説明に先立ち、まず、プラグ端子60及び被ロック金具70について説明する。
プラグ端子60は、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に屈曲して作られている。図1,2に見られるように、該プラグ端子60は、プラグ側ハウジング50の各側壁54に一体モールド成形されて保持されており、該側壁54の長手方向を端子配列方向として等間隔をなして配列されている。本実施形態では、複数のプラグ端子60は、レセプタクル信号端子20Sおよびレセプタクル電源端子20Pのそれぞれに対応するように配列されたプラグ信号端子60Sおよびプラグ電源端子60Pを有している。つまり、プラグ信号端子60Sの配列範囲の両外側にプラグ電源端子60Pが一つずつ配されている。
プラグ信号端子60Sは、プラグ側ハウジング50の底壁51とほぼ同じ高さ位置でコネクタ幅方向外方へ延出する直状の接続部61Sと、該接続部61Sに連続して図2での上方(図1での下方)へ向けて屈曲されるとともに逆U字状(図1ではU字状)に延びて上記側壁54に埋没保持される被保持部62Sとを有している。
逆U字状をなす被保持部62Sは、コネクタ幅方向での内側に位置する脚部がレセプタクルコネクタ1のレセプタクル端子20との接触のための接触脚部62ASとして形成され、外側に位置する脚部が上記レセプタクル端子20とのロックのためのロック脚部62BSとして形成されている。接触脚部62ASは、上記側壁54の内側面(受入部56を形成する面)に沿って延びていて、該接触脚部62ASの板面が該側壁54の内側面と同一面を形成するようにして受入部56へ向けて露呈している。一方、ロック脚部62Bは、上記側壁54の外側面に沿って延びていて、該ロック脚部62BSの板面が該側壁54の外側面と同一面を形成するようにして露呈している。該ロック脚部62BSの露呈した板面には、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル信号端子20Sのロック部23ASと係止するためのロック段部62B−1Sが形成されている。
プラグ電源端子60Pは、プラグ信号端子60Sと基本的な構成が同じであり、端子配列方向に見て該プラグ信号端子60Sと同形状をなしている。図1,2に見られるように、プラグ電源端子60Pにおいて、プラグ信号端子60Sと対応する部分には、「S」に代えて「P」とした符号を付して示している。該プラグ電源端子60Pは、プラグ信号端子60Sよりも端子幅方向(端子配列方向)での寸法が大きい点でプラグ信号端子60Sと異なっている。ロック段部62B−1Pは、プラグ信号端子60Sのロック段部62B−1Sと同じ高さに形成されている。
被ロック金具70は、図1および図2に見られるように、コネクタ幅方向で端溝部55Aの両側に一つずつ配されおり、端壁55に一体モールド成形により保持されている。これらの被ロック金具70は、コネクタ幅方向で互いに対称な形状をなしており、金属板部材を板厚方向に屈曲して形成されている。各被ロック金具70は、図2に見られるように、プラグ側ハウジング50の底面に沿って延びる基部71(図1参照)と、基部71のコネクタ幅方向内方の端部から上方(図1では下方)へ起立する一つの起立部72と、該起立部72の上部からコネクタ幅方向内方へ向けて、すなわち端溝部55Aへ向けて突出する突部70Aと、基部71のコネクタ幅方向外方の端部から上方へ起立してコネクタ幅方向で起立部72と対面する側板部76とを有している。被ロック金具70は、基部71、起立部72および側板部76によって、端子配列方向に見て、略U字形状をなしている。
基部71は、端子配列方向そしてコネクタ幅方向で外方へ向けて延びる接続部71Aを有している。該接続部71Aは、図1および図2に見られるように、プラグ側ハウジング50外に延出しており、回路基板B2の実装面の対応回路部(図示せず)に半田接続されるようになっている。また、本実施形態では、図1に見られるように、基部71の底面(図1にて上面)がその全域にわたってプラグ側ハウジング50の底面から露呈しているので、該基部71における上記接続部71A以外の部分も実装面の対応部に半田接続することが可能である。
突部70Aは、被ロック金具70がプラグ側ハウジング50の端壁55に保持された状態において、端溝部55Aの内壁面55A−1(コネクタ幅方向に対して直角な面)から突出して端溝部55A内に位置している。該突部70Aの端子配列方向での内側に位置する端部は内側被ロック部73として形成され、また、該突部70Aの端子配列方向での外側に位置する端部は外側被ロック部74として形成されている。
また、側板部76は、プラグ側ハウジング50の端壁55の側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)から板面が露呈しており、端壁55の側面を保護している。また、側板部76は、コネクタ嵌合状態にて、端壁55の側面から露呈する板面で、レセプタクルコネクタ1のシェル部材40の接触片47と接触して電気的に導通するようになっている。
図5(A)に見られるように、本実施形態では、前方(図5(A)にて右方)に位置する被ロック金具70の外側被ロック部74がロック金具30の前方ロック突部33Aと係止し、後方(図5(A)にて左方)に位置する被ロック金具70の内側被ロック部73がロック金具30の後方ロック突部33Bと係止するようになっている。したがって、本実施形態では、前方に位置する被ロック金具70の内側被ロック部73および後方に位置する被ロック金具70の外側被ロック部74は使用されない。なお、既述したように、ロック金具30は、図4で示される姿勢を左右反転させた姿勢で設けることが可能であり、その場合には、前方に位置する被ロック金具70の内側被ロック部73および後方に位置する被ロック金具70の外側被ロック部74が被ロック部として使用されることとなる。
次に、図1、図2、図5、及び図6にもとづいて、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ2とのコネクタ嵌合動作について説明する。まず、レセプタクルコネクタ1およびプラグコネクタ2をそれぞれ対応する回路基板B1,B2に半田接続により取り付ける。次に、図1に見られるように、レセプタクルコネクタ1を受入部16が上方へ向いた姿勢とするとともに、該レセプタクルコネクタ1の上方で、プラグコネクタ2を受入部56(図2参照)が下方へ向いた姿勢とする。
次に、図1の姿勢を維持したままプラグコネクタ2を降下させて、レセプタクルコネクタ1の突壁12をプラグコネクタ2の受入部56内へ下方から進入させるとともに、プラグコネクタ2の周壁53をレセプタクルコネクタ1の受入部16内へ上方から進入させる。この結果、プラグコネクタ2のプラグ端子60の接触脚部62Aが、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル端子20の接触部22Aに接圧をもって接触する。また、プラグコネクタ2の被ロック金具70の側板部76が、それぞれ対応するレセプタクルコネクタ1のシェル部材40の接触片47と接圧をもって接触する。
また、コネクタ嵌合過程において、プラグコネクタ2に設けられた二つの被ロック金具70の被ロック部74,73が、それぞれロック位置にあるロック金具30のロック突部33A,33Bの上縁(傾斜縁)に当接し、該ロック突部33A,33Bを端子配列方向で前方(図5(A),(B)での右方)へ向けた押圧力をもって押圧する。ロック突部33A,33Bが上記押圧力を受けると、ロック金具30が前方へ移動してロック解除位置にもたらされる(図6(A),(B)参照)。このとき、ロック金具30の移動は、該ロック金具30の被付勢部35に押圧された付勢部45の弾性変形(圧縮)によって許容される。
上述したように、ロック金具30がロック解除位置にもたらされることにより、プラグコネクタ2のさらなる降下が許容される。そして、図5(A)に見られるように、前方(図6(A)にて右方)の被ロック金具70の外側被ロック部74そして後方(図5(A)にて左方)の被ロック金具70の内側被ロック部73が、ロック金具30のロック突部33A,33Bよりも下方位置に達すると、該ロック突部33A,33Bが上述の押圧力から開放される。この結果、付勢部45が弾性変形量を減ずるように後方へ復元され、当初のロック位置に復帰する。ロック位置に戻ったロック突部33A,33Bは、図5(A)に示されるように、それぞれ対応する被ロック部74,73の上方に位置することとなり、該被ロック部74,73に対してコネクタ抜出方向(上方)へ係止可能に位置してロック状態となる。このように、端子20,60同士が互いに接続され、接触片47と側板部76とが互いに接続され、ロック金具30,70同士がロックされることにより、コネクタ嵌合動作が完了する。
次に、図6(A),(B)にもとづいて、コネクタ抜出動作について説明する。レセプタクルコネクタ1とのコネクタ嵌合状態にあるプラグコネクタ2を抜出する際には、図6(B)に示されるように、レセプタクルコネクタ1のロック金具30のロック解除操作部36とシェル部材40の外端板部44との間に治具Pを上方から挿入してロック解除操作を行う。該治具Pは、前後方向を板厚方向とする板状部分を有しており、その板厚寸法はロック解除操作部36と外端板部44との間隔よりも大きくなっている。したがって、該治具Pが上方から挿入されると、ロック解除操作部36が前方へ向けた該治具Pからの押圧力をロック解除操作力として受けると、シェル部材40の付勢部45の弾性片45A,45Bがロック金具30の被付勢部35に押圧されて前方に弾性変形する。このようにして、ロック金具30は、シェル部材40からの後方へ向けた付勢力に抗して前方へ移動し、ロック解除位置にもたらされる。このとき、ロック金具30の被支持部34A,34Bの縦部34A−2,34B−2がそれぞれレセプタクル側ハウジング10のロック解除位置側規制部12B−3,12A−2に後方から当接することにより、前方へ向けたロック金具30の移動が規制され、該ロック金具が確実にロック解除位置に維持される。
ロック金具30がロック解除位置へもたらされると、図6(A),(B)に見られるように、ロック突部33A,33Bとプラグコネクタ2の被ロック金具70の被ロック部74,73との係止可能なロック状態が解除される。そして、プラグコネクタ2をコネクタ抜出方向(上方)へもち上げることにより、該プラグコネクタ2が難なく抜出され、コネクタ抜出動作が完了する。
本実施形態では、ロック金具30は、ロック解除操作部36が付勢部45よりも前方(ロック解除位置側)に位置しているので、ロック解除操作の際、ロック金具30は、付勢部45からの付勢力(後方へ向かう力)と該付勢力に抗するロック解除操作力(前方へ向かう力)とによって、前後方向で引張力を受けることとなるので、前後方向に対して直角な方向(上下方向およびコネクタ幅方向)での撓み変形は生じにくくなる。この結果、ロック金具30をロック解除位置へ円滑に移動させて、ロック突部33A,33Bとプラグコネクタ2の被ロック部74,73との係止状態を確実に解除できる。また、上記ロック金具30の撓み変形による該ロック金具30自体の破損を防止できる。さらに、撓み変形を防止するために端子配列方向に対して直角な方向で上記ロック金具30の寸法を大きくして該ロック金具30自体の強度を確保する必要がなくなるので、コネクタの大型化を回避できる。
本実施形態では、治具を用いて上述のロック解除操作を行うこととしたが、治具を用いることは必須ではなく、例えば、ロック解除操作部36を指で摘んで前方へ引く等、指でロック解除操作を行うこととしてもよい。
本実施形態では、ロック部材として、金属部材であるロック金具30を用いることとしたが、これに代えて、例えば、ロック部材を樹脂等の材料を成形して作ることも可能である。