JP6772055B2 - 非空気圧タイヤ及びその製造方法 - Google Patents

非空気圧タイヤ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6772055B2
JP6772055B2 JP2016253105A JP2016253105A JP6772055B2 JP 6772055 B2 JP6772055 B2 JP 6772055B2 JP 2016253105 A JP2016253105 A JP 2016253105A JP 2016253105 A JP2016253105 A JP 2016253105A JP 6772055 B2 JP6772055 B2 JP 6772055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular portion
reinforced plastic
inner annular
fiber reinforced
outer annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016253105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018103851A (ja
Inventor
晶吾 山下
晶吾 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire Corp filed Critical Toyo Tire Corp
Priority to JP2016253105A priority Critical patent/JP6772055B2/ja
Publication of JP2018103851A publication Critical patent/JP2018103851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6772055B2 publication Critical patent/JP6772055B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する連結部とを備える非空気圧タイヤ(non−pneumatic tire)及びその製造方法に関する。
空気入りタイヤは、荷重の支持機能、接地面からの衝撃吸収能、および動力等の伝達能(加速、停止、方向転換)を有し、このため、多くの車両、特に自転車、オートバイ、自動車、トラックに採用されている。
特に、これらの能力は自動車、その他のモーター車両の発展に大きく貢献した。更に、空気入りタイヤの衝撃吸収能力は、医療機器や電子機器の運搬用カート、その他の用途でも有用である。
従来の非空気圧タイヤとしては、例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等が存在するが、空気入りタイヤの優れた性能を有していない。例えば、ソリッドタイヤおよびクッションタイヤは、接地部分の圧縮によって荷重を支持するが、この種のタイヤは重くて、堅く、空気入りタイヤのような衝撃吸収能力はない。また、非空気圧タイヤでは、弾性を高めてクッション性を改善することも可能であるが、空気入りタイヤが有するような荷重支持能または耐久性が悪くなるという問題がある。
非空気圧タイヤとして、例えば、下記の特許文献1には、車軸に取り付けられる取り付け体と、前記取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞するリング状体と、前記取り付け体と前記リング状体とを変位自在に連結する連結部材と、を備え、前記連結部材は、合成樹脂材料で形成されるとともに、前記連結部材に補強部材が埋設されている非空気圧タイヤが記載されている。
また、下記の特許文献2には、樹脂母材中に繊維が埋め込まれた複合筒体を補強要素として用いた非空気圧タイヤが記載されている。
また、下記の特許文献3には、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備え、内側環状部、外側環状部、及び連結部が補強繊維により補強された樹脂材料で成形されている非空気圧タイヤが記載されている。
特許文献1〜3に記載された非空気圧タイヤは、樹脂材料で成形されており、継続した荷重負荷によるクリープが生じやすい。特に、駐車等によりタイヤの一部に負荷がかかる状況が続くと、その箇所が変形を起こし、元に戻らないことがある。タイヤの変形は、耐久性、乗り心地、燃費性等に影響を及ぼすことが懸念される。しかしながら、特許文献1〜3に記載された非空気圧タイヤは、耐クリープ性について何ら考慮されていない。
特開2016−88375号公報 特表2011−515261号公報 特開2015−120393号公報
そこで、本発明の目的は、耐クリープ性を向上させた非空気圧タイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部は、弾性材料からなる基材部と、前記基材部の中に埋設された繊維強化プラスチックとを備え、
前記内側環状部及び前記外側環状部の前記繊維強化プラスチックの曲げ弾性率が1GPa以上であり、かつ前記連結部の前記繊維強化プラスチックの引張弾性率が50GPa以上であることを特徴とする。
この構成によれば、内側環状部及び外側環状部は、高い曲げ弾性率を有する繊維強化プラスチックによって補強されるため、内側環状部及び外側環状部の形状変化を抑えることができ、一方、連結部は、高い引張弾性率を有する繊維強化プラスチックによって補強されるため、内側環状部と外側環状部の位置関係を保持することができる。その結果、タイヤ全体として耐クリープ性を向上できる。
本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部の前記繊維強化プラスチックは、互いに結合されて一体となっていることが好ましい。
この構成によれば、すべての繊維強化プラスチックが一体となることによって、タイヤ全体としての形状安定性が高まるため、永久変形の抑制に有利である。
また、本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記基材部は熱硬化性ポリウレタンからなることが好ましい。
また、本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記熱硬化性ポリウレタンは10〜100MPaの引張弾性率を有することが好ましい。
これらの構成によれば、耐クリープ性を効果的に向上できる。
また、本発明の非空気圧タイヤの製造方法は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する連結部とを備え、前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部は、弾性材料からなる基材部と、前記基材部の中に埋設された繊維強化プラスチックとを備える非空気圧タイヤの製造方法であって、
前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部をそれぞれ成型するための内側環状キャビティ、外側環状キャビティ、及び連結キャビティを有する金型を用いて、
前記内側環状キャビティ及び前記外側環状キャビティに曲げ弾性率が1GPa以上である前記繊維強化プラスチックをそれぞれ環状に配置する工程と、
前記連結キャビティに引張弾性率が50GPa以上である前記繊維強化プラスチックを配置する工程と、
前記内側環状キャビティ、前記外側環状キャビティ、及び前記連結キャビティに弾性材料の原料液を充填する工程と、
前記弾性材料の原料液を固化させる工程とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、内側環状部及び外側環状部は、高い曲げ弾性率を有する繊維強化プラスチックによって補強されるため、内側環状部及び外側環状部の形状変化を抑えることができ、一方、連結部は、高い引張弾性率を有する繊維強化プラスチックによって補強されるため、内側環状部と外側環状部の位置関係を保持することができる。その結果、タイヤ全体として耐クリープ性を向上できる。
また、本発明に係る非空気圧タイヤの製造方法において、前記弾性材料の原料液を充填する工程より前に、前記内側環状キャビティ及び前記外側環状キャビティに配置する前記繊維強化プラスチックと、前記連結キャビティに配置する前記繊維強化プラスチックとを結合して一体とする工程を含むことが好ましい。
この構成によれば、すべての繊維強化プラスチックが一体となることによって、タイヤ全体としての形状安定性が高まるため、永久変形の抑制に有利である。
本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図 非空気圧タイヤの製造方法の一例を示す正面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図である。ここで、Oは軸芯を、CDはタイヤ周方向を、Hはタイヤ断面高さを、それぞれ示している。
本発明の非空気圧タイヤTは、車両からの荷重を支持する支持構造体SSを有するものである。ただし、非空気圧タイヤTは、支持構造体SSの外側(外周側)や内側(内周側)に、トレッドに相当する部材、補強部材、車軸やリムとの適合用部材などを備えていてもよい。
本実施形態の非空気圧タイヤTは、図1の正面図に示すように、支持構造体SSが、内側環状部1と、その外側に同心円状に設けられる外側環状部2と、内側環状部1と外側環状部2とを連結する複数の連結部3とを備えている。
内側環状部1は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。また、内側環状部1の内周面には、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けるのが好ましい。
内側環状部1の厚みは、連結部3に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜20%が好ましく、2〜10%がより好ましい。
内側環状部1の内径は、非空気圧タイヤTを装着するリムや車軸の寸法などに併せて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、250〜500mmが好ましく、330〜440mmがより好ましい。
内側環状部1のタイヤ幅方向の幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
内側環状部1は、弾性材料からなる基材部11と、基材部11の中に埋設された環状の繊維強化プラスチック12とを備えている。繊維強化プラスチック12は、補強層として機能する。繊維強化プラスチック12のタイヤ幅方向の幅は、内側環状部1のタイヤ幅方向の幅と同じである。
内側環状部1の繊維強化プラスチック12は、曲げ弾性率が1GPa以上である。また、繊維強化プラスチック12は、曲げ弾性率が7GPa以下であることが好ましい。繊維強化プラスチック12の曲げ弾性率が1GPaより小さいと、内側環状部1の耐クリープ性が不十分となる。なお、本発明における曲げ弾性率は、JIS K7171に準じて曲げ試験を行い0.05%〜0.25%ひずみ時の応力差をひずみ差で割った値である。
繊維強化プラスチック12を除いた内側環状部1の引張モジュラスは、連結部3に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、1〜30MPaが好ましく、2〜10MPaがより好ましい。なお、本実施形態における引張モジュラスは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力の値である。
外側環状部2は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。
外側環状部2の厚みは、連結部3からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜20%が好ましく、2〜10%がより好ましい。
外側環状部2の内径は、その用途等に応じて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、420〜750mmが好ましく、480〜680mmがより好ましい。
外側環状部2のタイヤ幅方向の幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
外側環状部2は、弾性材料からなる基材部21と、基材部21の中に埋設された環状の繊維強化プラスチック22とを備えている。繊維強化プラスチック22は、補強層として機能する。繊維強化プラスチック22のタイヤ幅方向の幅は、外側環状部2のタイヤ幅方向の幅と同じである。
外側環状部2の繊維強化プラスチック22は、曲げ弾性が1GPa以上である。また、繊維強化プラスチック22は、曲げ弾性が7GPa以下であることが好ましい。繊維強化プラスチック22の曲げ弾性率が1GPaより小さいと、外側環状部2の耐クリープ性が不十分となる。
繊維強化プラスチック22を除いた外側環状部2の引張モジュラスは、連結部3に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、1〜30MPaが好ましく、2〜10MPaがより好ましい。
連結部3は、内側環状部1と外側環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を置いて、タイヤ周方向CDに各々が独立するように複数設けられる。連結部3は、ユニフォミティを向上させる観点から、タイヤ周方向CDに規則的に設けることが好ましい。
タイヤ全体の連結部3の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、10〜80個が好ましく、40〜60個がより好ましい。図1には、連結部3を40個設けた例を示す。
個々の連結部3の形状としては、板状体、柱状体などが挙げられるが、本実施形態では板状体の例を示す。これらの連結部3は、正面視において、タイヤ径方向又はタイヤ径方向から傾斜した方向に延びている。本発明では、正面視において、連結部3の延設方向が、タイヤ径方向±30°以内が好ましく、タイヤ径方向±15°以内がより好ましい。図1では、連結部3が、タイヤ径方向に延設されている例を示す。
連結部3のタイヤ周方向CDの厚みは、内側環状部1及び外側環状部2からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜30%が好ましく、1〜20%がより好ましい。
連結部3のタイヤ幅方向の幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
連結部3は、弾性材料からなる基材部31と、基材部31の中に埋設された繊維強化プラスチック32とを備えている。繊維強化プラスチック32は、補強層として機能する。繊維強化プラスチック32のタイヤ幅方向の幅は、連結部3のタイヤ幅方向の幅と同じである。
本実施形態では、複数の連結部3のうち4個の連結部3にのみ繊維強化プラスチック32が埋設されているが、これに限定されない。3個以上の連結部3に繊維強化プラスチック32を埋設することが好ましく、すべての連結部3に繊維強化プラスチック32を埋設してもよい。また、複数の繊維強化プラスチック32は、バランスを考慮すると、タイヤ周方向CDに等間隔に設けられるのが好ましい。
連結部3の繊維強化プラスチック32は、引張弾性率が50GPa以上である。また、繊維強化プラスチック32は、引張弾性率が300GPa以下であることが好ましい。繊維強化プラスチック32の引張弾性率が50GPaより小さいと、連結部3の耐クリープ性が不十分となる。なお、本発明における引張弾性率は、JIS K7312に準じて引張試験を行い5%〜10%ひずみ時の応力差をひずみ差で割った値である。
繊維強化プラスチック32を除いた連結部3の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、1〜30MPaが好ましく、2〜10MPaがより好ましい。
非空気圧タイヤTは、繊維強化プラスチック11,21,31を除いて全体としては弾性材料で一体成形される。本発明における弾性材料とは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下のものを指す。本発明の弾性材料としては、十分な耐久性を得ながら、適度な剛性を付与する観点から、好ましくは引張弾性率が10〜100MPaであり、より好ましくは20〜80MPaである。母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
上記の弾性材料のうち、成形・加工性やコストの観点から、好ましくは、ポリウレタン樹脂が用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用してもよく、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたものも使用可能である。
繊維強化プラスチック12,22,32としては、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどが例示される。なお、炭素繊維強化プラスチックからなる補強層は、炭素繊維(カーボンファイバー)のクロス(織物)に熱硬化性樹脂を含浸させたシート状の中間部材を使用することで、容易に形成できる。
次に、本発明に係る非空気圧タイヤTを製造する方法について説明する。非空気圧タイヤTの製造方法は、内側環状部1、外側環状部2、及び連結部3をそれぞれ成型するための内側環状キャビティC1、外側環状キャビティC2、及び連結キャビティC3を有する金型9を用いて、内側環状キャビティC1及び外側環状キャビティC2に曲げ弾性率が1GPa以上である繊維強化プラスチック12,22をそれぞれ環状に配置する工程と、連結キャビティC3に引張弾性率が50GPa以上である繊維強化プラスチック32を配置する工程と、内側環状キャビティC1、外側環状キャビティC2、及び連結キャビティC3に弾性材料の原料液を充填する工程と、弾性材料の原料液を固化させる工程とを含む。
図2は、非空気圧タイヤTの製造に用いられる金型9の平面図である。内側環状キャビティC1、外側環状キャビティC2、及び連結キャビティC3は、円筒状の内周側型部材91と、円筒状の外周側型部材92と、円盤状の底面型部材93と、断面扇形状の中子型部材94と、円盤状の上面型部材(図示していない)によって形成される。図2では、内側環状キャビティC1に繊維強化プラスチック12が配置され、外側環状キャビティC2に繊維強化プラスチック22が配置され、連結キャビティC3に繊維強化プラスチック32が配置されている。
上記の工程により、内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられる外側環状部2と、内側環状部1と外側環状部2とを連結する連結部3とを備える非空気圧タイヤTであって、内側環状部1、外側環状部2、及び連結部3は、弾性材料からなる基材部11,21,31と、基材部11,21,31の中に埋設された繊維強化プラスチック12,22,32とを備え、内側環状部1及び外側環状部2の繊維強化プラスチック12,22の曲げ弾性率が1GPa以上であり、かつ連結部3の繊維強化プラスチック32の引張弾性率が50GPa以上である非空気圧タイヤTを製造できる。一体成形された非空気圧タイヤTは、タイヤ幅方向に金型9から脱型される。
また、非空気圧タイヤTの製造方法は、弾性材料の原料液を充填する工程より前に、内側環状キャビティC1及び外側環状キャビティC2に配置する繊維強化プラスチック12,22と、連結キャビティC3に配置する繊維強化プラスチック32とを結合して一体とする工程を含むことが好ましい。具体的には、環状の繊維強化プラスチック12と環状の繊維強化プラスチック22を平板状の繊維強化プラスチック32によって連結して一体化し、一体化した繊維強化プラスチック12,22,32を図2のように金型9に配置することが好ましい。
[他の実施形態]
(1)内側環状部1の繊維強化プラスチック12と外側環状部2の繊維強化プラスチック22は、タイヤ周方向CDに延びる繊維及びタイヤ幅方向に延びる繊維を含むことが好ましい。また、連結部3の繊維強化プラスチック32は、連結部3の延設方向(図1の例ではタイヤ径方向)に延びる繊維及びタイヤ幅方向に延びる繊維を含むことが好ましい。
(2)非空気圧タイヤTは、内側環状部1の外側かつ外側環状部2の内側に同心円状に設けられる中間環状部をさらに備えるようにしてもよい。また、中間環状部が、弾性材料からなる基材部と、基材部の中に埋設された繊維強化プラスチックとを備えるようにしてもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。耐クリープ性の指標として、永久変形率を用いた。作製した模擬タイヤに一定荷重(500N)を22時間かけたときの圧縮量と、除荷後、1時間後の残留歪み量とを測定し、残留歪み量/圧縮量を永久変形率(%)として算出した。永久変形率が小さいほど、耐クリープ性が優れていることを示す。
比較例及び実施例
内側環状部及び外側環状部の繊維強化プラスチックと連結部の繊維強化プラスチックとの組み合わせを表1のように異ならせて、それぞれ比較例1〜3及び実施例1〜9とした。評価結果を表1に示す。
表1の「環状部の繊維強化プラスチック」は、内側環状部及び外側環状部の繊維強化プラスチックの種類であり、「連結部の繊維強化プラスチック」は、連結部の繊維強化プラスチックの種類である。「ガラス1」は、ガラス繊維強化プラスチックを意味し、使用したガラス繊維強化プラスチックは、ガラス繊維を7層積層したものであり、引張弾性率が175GPa、曲げ弾性率が3GPaである。また、「ガラス2」は、「ガラス1」とは別のガラス繊維強化プラスチックを意味し、使用したガラス繊維強化プラスチックは、ガラス繊維を2層積層したものであり、引張弾性率が70GPa、曲げ弾性率が1.5GPaである。「カーボン1」は、炭素繊維強化プラスチックを意味し、使用した炭素繊維強化プラスチックは、カーボン繊維を7層積層したものであり、引張弾性率が230GPa、曲げ弾性率が5GPaである。
また、表1の「繊維強化プラスチックの結合」は、内側環状部、外側環状部、及び連結部の繊維強化プラスチックが互いに結合されているか否かを表している。結合されていれば、「有」とし、結合されていなければ、「無」とする。
Figure 0006772055
表1の結果から以下のことが分かる。実施例1〜9の非空気圧タイヤは、繊維強化プラスチックが埋設されていない比較例1に比べ、耐クリープ性が向上した。なお、内側環状部及び外側環状部のみに繊維強化プラスチックを埋設した比較例2及び比較例3の非空気圧タイヤは、比較例1と略同等の耐クリープ性となった。これにより、内側環状部、外側環状部、及び連結部のすべてに繊維強化プラスチックを埋設することで耐クリープ性が向上することが分かる。
1 内側環状部
2 外側環状部
3 連結部
11 基材部
12 繊維強化プラスチック
21 基材部
22 繊維強化プラスチック
31 基材部
32 繊維強化プラスチック
T 非空気圧タイヤ

Claims (6)

  1. 内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
    前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部は、弾性材料からなる基材部と、前記基材部の中に埋設された繊維強化プラスチックとを備え、
    前記内側環状部及び前記外側環状部の前記繊維強化プラスチックの曲げ弾性率が1GPa以上であり、かつ前記連結部の前記繊維強化プラスチックの引張弾性率が50GPa以上であることを特徴とする非空気圧タイヤ。
  2. 前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部の前記繊維強化プラスチックは、互いに結合されて一体となっていることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
  3. 前記基材部は熱硬化性ポリウレタンからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。
  4. 前記熱硬化性ポリウレタンは10〜100MPaの引張弾性率を有することを特徴とする請求項3に記載の非空気圧タイヤ。
  5. 内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する連結部とを備え、前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部は、弾性材料からなる基材部と、前記基材部の中に埋設された繊維強化プラスチックとを備える非空気圧タイヤの製造方法であって、
    前記内側環状部、前記外側環状部、及び前記連結部をそれぞれ成型するための内側環状キャビティ、外側環状キャビティ、及び連結キャビティを有する金型を用いて、
    前記内側環状キャビティ及び前記外側環状キャビティに曲げ弾性率が1GPa以上である前記繊維強化プラスチックをそれぞれ環状に配置する工程と、
    前記連結キャビティに引張弾性率が50GPa以上である前記繊維強化プラスチックを配置する工程と、
    前記内側環状キャビティ、前記外側環状キャビティ、及び前記連結キャビティに弾性材料の原料液を充填する工程と、
    前記弾性材料の原料液を固化させる工程とを含むことを特徴とする非空気圧タイヤの製造方法。
  6. 前記弾性材料の原料液を充填する工程より前に、前記内側環状キャビティ及び前記外側環状キャビティに配置する前記繊維強化プラスチックと、前記連結キャビティに配置する前記繊維強化プラスチックとを結合して一体とする工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の非空気圧タイヤの製造方法。



JP2016253105A 2016-12-27 2016-12-27 非空気圧タイヤ及びその製造方法 Active JP6772055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016253105A JP6772055B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 非空気圧タイヤ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016253105A JP6772055B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 非空気圧タイヤ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018103851A JP2018103851A (ja) 2018-07-05
JP6772055B2 true JP6772055B2 (ja) 2020-10-21

Family

ID=62786387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016253105A Active JP6772055B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 非空気圧タイヤ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6772055B2 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02182501A (ja) * 1988-07-27 1990-07-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 非空気入りタイヤ
TW400288B (en) * 1996-08-22 2000-08-01 Fukunaga Engineering Co Ltd Solid tire
JP5221306B2 (ja) * 2008-11-28 2013-06-26 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ
US8176957B2 (en) * 2009-07-20 2012-05-15 Resilient Technologies, Llc. Tension-based non-pneumatic tire
JP5394304B2 (ja) * 2010-04-12 2014-01-22 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ及びその製造方法
JP5808048B2 (ja) * 2011-09-28 2015-11-10 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ
CA2915483C (en) * 2013-06-15 2021-11-16 Ronald Thompson Annular ring and non-pneumatic tire
US20150034225A1 (en) * 2013-07-30 2015-02-05 Caterpillar Inc. Reinforced non-pneumatic tire and system for molding reinforced non-pneumatic tire
JP6092046B2 (ja) * 2013-08-22 2017-03-08 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ
JP6619552B2 (ja) * 2014-11-07 2019-12-11 株式会社ブリヂストン 非空気入りタイヤ
JP6351109B2 (ja) * 2014-12-17 2018-07-04 東洋ゴム工業株式会社 非空気圧タイヤ
JP6535498B2 (ja) * 2015-04-07 2019-06-26 Toyo Tire株式会社 非空気圧タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018103851A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4530231B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6099519B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6092046B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5208570B2 (ja) 非空気圧タイヤ、リムホイール、及び車輪
JP4818220B2 (ja) 非空気圧タイヤ及びその製造方法
JP6025315B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6378625B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5530258B2 (ja) 非空気圧タイヤ及びその製造方法
JP6013899B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5461303B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5808048B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6964470B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5972149B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP5921364B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6215082B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP2011183894A (ja) 非空気圧タイヤ
JP2018058541A (ja) 非空気圧タイヤ及びその製造方法
JP6076704B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP2014008952A (ja) 非空気圧タイヤ
JP6535498B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP2017007380A (ja) 非空気圧タイヤ
JP6092045B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6754686B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6025498B2 (ja) 非空気圧タイヤ
JP6351109B2 (ja) 非空気圧タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200916

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6772055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250