JP6767249B2 - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、粘度指数向上剤及び粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物に関する。
近年、CO排出量低減及び石油資源保護等の実現のために、自動車の省燃費化がより一層要求されている。省燃費化の一つとして、エンジン油の低粘度化による粘性抵抗の低減が挙げられる。しかし、低粘度化すると液漏れや焼付きといった問題が生じてくる。また、寒冷地では低温始動性が求められる。この問題に対しては、米国SAEのエンジン油用粘度規格(SAE J300)に定められており、0W−20グレードにおいては、高温高せん断下での150℃HTHS粘度(ASTM D4683又はD5481)がMin.2.6に規定されている。また、同グレードは、寒冷地での始動性保証のために−40℃下の低温粘度が60,000mPa・s以下及び降伏応力無きこと(ASTM D4684)が規定されている。省燃費化については、上記規格を満たした上で、80℃又は100℃の実効温度域でのHTHS粘度がより低いエンジン油が求められ、従来から各種の粘度指数向上剤が提案されている。そのような粘度指数向上剤としては、メタクリル酸エステル共重合体(特許文献1〜4)、オレフィン共重合体(特許文献5)、櫛型共重合体(特許文献6〜8)等が知られている。
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、エンジン油組成物に添加した場合に80℃HTHS粘度の低減に未だ十分でなく、剪断による粘度低減を受けやすく、また、低温での粘度が上昇するという問題があった。
特許第2732187号公報 特許第2754343号公報 特許第3831203号公報 特許第3999307号公報 特開2005−200454号公報 特許第3474918号公報 特表2008−546894号公報 特表2010−532805号公報
本発明の目的は、潤滑油組成物の剪断安定性に優れ、潤滑油組成物の実効温度域でのHTHS粘度が低く、潤滑油組成物の粘度指数が高い粘度指数向上剤を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で示される単量体(a)及び下記一般式(3)で表される単量体(e)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(共)重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが1.6以下である粘度指数向上剤である。
Figure 0006767249
Figure 0006767249
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基であって、Aは炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基、mは1〜10の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい;Rはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単量体とする炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基;pは0又は1の数;Mnは1,000以上]
[R は水素原子又はメチル基;−X −は−O−又は−NH−で表される基;R は炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基;R は炭素数1〜8の直鎖アルキル基;rは1の整数である。]
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、剪断安定性に優れ、実効温度域でのHTHS粘度が低く、潤滑油組成物の粘度指数に優れるという効果を奏する。
本発明の粘度指数向上剤は、一般式(1)で示される単量体(a)を必須構成単量体とする共重合体(A)を含有する粘度指数向上剤であって、共重合体(A)の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.6以下である粘度指数向上剤と、その粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物である。
一般式(1)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(1)における−X−は、−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基である。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基である。
炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
mは1〜10の整数であり、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましくは1〜4の整数、更に好ましくは1〜2の整数である。
mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
−X−のうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、−O−及び−O(AO)−で表される基であり、更に好ましくは−O−及び−O(CHCHO)−で表される基である。
pは0又は1の数である。
一般式(1)におけるRは、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単量体とする炭化水素重合体(以下、「炭化水素重合体」と略記する)から水素原子を1つ除いた残基である。
炭化水素重合体としては、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンに加え、以下の(1)〜(3)を構成単量体とする重合体が挙げられる。炭化水素重合体は、ブロック重合体でもランダム重合体であってもよい。炭化水素重合体が、二重結合を有する場合には、水素添加により、二重結合の一部又は全部を水素化したものであってもよい。
(1)脂肪族不飽和炭化水素[炭素数2〜36のオレフィン(例えばエチレン、プロピレン、2,3−ブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、トリアコセン及びヘキサトリアコセン等)及び炭素数2〜36のジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)等]
(2)脂環式不飽和炭化水素[例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等]
(3)芳香族基含有不飽和炭化水素(例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等)等が挙げられる。
炭化水素重合体の合計構成単量体数に基づき、HTHS粘度と粘度指数と剪断安定性の観点から好ましくはイソブチレンと1,2−ブチレンとの合計比率が30モル%以上であり、更に好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上、最も好ましくは60モル%以上である。
炭化水素重合体の合計構成単位数に基づき、イソブチレンと1,2−ブチレンとの合計比率は、炭化水素重合体を13C−核磁気共鳴スペクトルにより分析し、下記数式(1)を用いて計算し決定することができる。13C−核磁気共鳴スペクトルにおいて、イソブチレンのメチル基に由来するピークが30−32ppmの積分値(積分値A)、1,2−ブチレンの分岐メチレン基(−CH−CH(CHCH)−)に由来するピークが26−27ppmの積分値(積分値B)に現れる。上記ピークの積分値と、炭化水素重合体の全炭素のピークに関する積分値(積分値C)から求めることができる。
Figure 0006767249
一般式(1)で示される単量体(a)は、炭化水素重合体の片末端に水酸基を導入した片末端水酸基含有(共)重合体(Y)と、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。なお、「(メタ)アクリル」は、メタクリル又はアクリルを意味する。
片末端水酸基含有(共)重合体(Y)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物(Y1);不飽和炭化水素(x)をイオン重合触媒(ナトリウム触媒等)存在下に重合して得られた(共)重合体に、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等)を付加して得られたもの等。
ヒドロホウ素化物(Y2);末端二重結合を有する(x)の(共)重合体のヒドロホウ素化反応物(例えばUS4,316,973号に記載のもの)等。
無水マレイン酸−エン−アミノアルコール付加物(Y3);末端二重結合を有する(x)の(共)重合体と無水マレイン酸とのエン反応で得られた反応物を、アミノアルコールでイミド化して得られたもの等。
ヒドロホルミル−水素化物(Y4);末端二重結合を有する(x)の(共)重合体をヒドロホルミル化し、次いで水素化反応して得られたもの(例えば特開昭63−175096号に記載のもの)等。
(Y)のうち好ましいのは、(Y1)、(Y2)及び(Y3)であり、更に好ましいのは、(Y1)である。
単量体(a)の数平均分子量(以下Mnと略記する)は、1,000以上であり、剪断安定性及びHTHS粘度の観点から好ましくは1,000〜25,000であり、更に好ましくは2,000〜20,000、特に好ましくは2,000〜15,000、最も好ましいのは2,500〜10,000である。
なお、単量体(a)のMn及び後述する(共)重合体(A)のMn及び重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。
<単量体(a)のMn、(A)のMwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(A)の結晶化温度は、潤滑油組成物の低温粘度の観点から好ましくは−40℃以下であり、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃以下、最も好ましくは−60℃以下である。
なお、(共)重合体(A)の結晶化温度は、示差走査熱量計「ユニックス(登録商標)DSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用して測定することができ、(A)5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−80℃まで冷却したときに観測される結晶化温度である。
(共)重合体(A)のMw/Mnは、1.6以下であり、(共)重合体が同じMwかつ同じSP値である場合、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、好ましくは1.5以下であり、更に好ましくは1.4以下であり、更に好ましくは1.3以下である。
本発明における(共)重合体(A)は、単量体(a)に加え、下記一般式(2)で示される単量体(b)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)、炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)及び一般式(3)で表される単量体(e)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含有してなる構成単量体とする共重合体であることが、実効温度でのHTHS粘度の観点から好ましい。
Figure 0006767249
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基;R及びRはそれぞれ独立に炭素数8〜24の直鎖アルキル基;qは0〜20の整数であり、qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
一般式(2)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(2)における−X−は、−O−又は−NH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−O−で表される基である。
一般式(2)におけるRは、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
一般式(2)におけるqは0〜20の整数であり、粘度指数向上効果の観点から、好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数である。
qが2以上の場合はR同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
一般式(2)におけるR及びRは、それぞれ独立に、炭素数8〜24の直鎖アルキル基である。具体的には、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基及びn−テトラコシル基等が挙げられる。
炭素数8〜24の直鎖アルキル基のうち、粘度指数の観点から更に好ましいのは炭素数8〜20の直鎖アルキル基、更に好ましいのは炭素数8〜16の直鎖アルキル基である。
単量体(b)の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−オクチルデシル、エチレングリコールモノ−2−オクチルペンタデシルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルオクタデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘプタデシルイコシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルドコシル、(メタ)アクリル酸2−エイコシルドコシル及び(メタ)アクリル酸2−エイコシルテトラコシル等が挙げられる。
単量体(b)のうち、粘度指数の観点から好ましいのは、炭素数18〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数18〜32の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、特に好ましいのは炭素数18〜28の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル及び(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
(c)のうち好ましいのは、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸ブチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸ブチルである。
炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)としては、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−イコシル、(メタ)アクリル酸n−テトラコシル、(メタ)アクリル酸n−トリアコンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキサトリアコンチル等が挙げられる。
(d)のうち好ましいのは、炭素数12〜32の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数12〜28の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは炭素数12〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
Figure 0006767249
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基;Rは炭素数1〜8の直鎖アルキル基;rは1〜20の整数であり、rが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
一般式(3)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(3)における−X−は、−O−又は−NH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−O−で表される基である。
一般式(3)におけるRは、炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基である。炭素
数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基としては、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
一般式(3)におけるrは1〜20の整数であり、粘度指数向上効果及び低温粘度の観点から、好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜2の整数である。
rが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
一般式(3)におけるRは、炭素数1〜8の直鎖アルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル、n−ブチル基、n−ヘプチル基、n−ヘキシル基、n−ペンチル基及びn−オクチル基が挙げられる。
炭素数1〜8の直鎖アルキル基のうち、粘度指数の観点から好ましいのは、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、特更に好ましいのは炭素数1〜5の直鎖アルキル基、特に好ましいのは炭素数1〜4の直鎖アルキル基、最も好ましいのは炭素数2〜4の直鎖アルキル基である。
単量体(e)の具体例としては、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシヘプチル(メタ)アクリレート、メトキシヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシペンチル(メタ)アクリレート、メトキシオクチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシヘプチル(メタ)アクリレート、エトキシヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシペンチル(メタ)アクリレート、エトキシオクチル(メタ)アクリレート、プロキシメチル(メタ)アクリレート、プロキシエチル(メタ)アクリレート、プロキシプロピル(メタ)アクリレート、プロキシブチル(メタ)アクリレート、プロキシヘプチル(メタ)アクリレート、プロキシヘキシル(メタ)アクリレート、プロキシペンチル(メタ)アクリレート、プロキシオクチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘプチル(メタ)アクリレート、ブトキシヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシペンチル(メタ)アクリレート、ブトキシオクチル(メタ)アクリレート、及び炭素数1〜8のアルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド)を2〜20モル付加したものと(メタ)アクリル酸との(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
単量体(e)のうち、粘度指数の観点から好ましいのは、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートである。
本発明における(共)重合体(A)は、単量体(a)〜(e)に加え、更に窒素原子含有単量体((a)、(b)及び(e)を除く)(f)、水酸基含有単量体(g)及びリン原子含有単量体(h)からなる群から選ばれる1種以上を構成単量体とする共重合体であることが、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましい。
窒素原子含有単量体((a)、(b)及び(e)を除く)(f)としては、以下の単量体(f1)〜(f4)が挙げられる。
アミド基含有単量体(f1):
(メタ)アクリルアミド、モノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−(N’−モノアルキルアミノアルキル)(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−(N’−メチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’−エチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’−イソプロピルアミノ−n−ブチル)(メタ)アクリルアミド及びN−(N’−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル)(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−(N’,N’−ジアルキルアミノアルキル)(メタ)アクリルアミド[アミノアルキル基の窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びN−(N’,N’−ジ−n−ブチルアミノブチル)(メタ)アクリルアミド等];N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオン酸アミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等が挙げられる。
ニトロ基含有単量体(f2):
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1〜3級アミノ基含有単量体(f3):
1級アミノ基含有単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族系単量体[N−(N’,N’−ジフェニルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。
ニトリル基含有単量体(f4):
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(f)のうち好ましいのは、(f1)及び(f3)であり、更に好ましいのは、N−(N’,N’−ジフェニルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
水酸基含有単量体(g):
水酸基含有芳香族単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はビス−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ビス(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等;
ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、ポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンポリオールのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(Mn:100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn:130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(Mn:110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(Mn:150〜230)ソルビタン等]等;が挙げられる。
リン原子含有単量体(h)としては、以下の単量体(h1)〜(h2)が挙げられる。
リン酸エステル基含有単量体(h1):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイロキシ」は、アクリロイロキシ又はメタクリロイロキシを意味する。
ホスホノ基含有単量体(h2):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイロキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
(h)のうち好ましいのは(h1)であり、更に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェートである。
(A)は、単量体(a)〜(h)に加え、更に不飽和基を2つ以上有する単量体(i)を構成単量体とする共重合体であることが、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましい。
不飽和基を2つ以上有する単量体(i)としては、例えば、ジビニルベンゼン、炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン、リモネン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、国際公開WO01/009242号公報に記載の、Mnが500以上の不飽和カルボン酸とグリコールとのエステル及び不飽和アルコールとカルボン酸のエステルなどが挙げられる。
(A)は、単量体(a)〜(i)に加え、以下の単量体(j)〜(p)を構成単量体としてもよい。
脂肪族炭化水素系単量体(j):
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)等が挙げられる。
脂環式炭化水素系単量体(k):
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン及びピネン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系単量体(l):
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、インデン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類(m):
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体(n):
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン元素含有単量体(o):
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のエステル(p):
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(a)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜40重量%、最も好ましいのは10〜30重量%である。
(A)を構成する(b)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜40重量%であり、更に好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1〜25重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜80重量%であり、更に好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは30〜65重量%である。
(A)を構成する(d)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜40重量%であり、更に好ましくは1〜35重量%、特に好ましくは2〜30重量%である。
(A)を構成する(e)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜80重量%であり、更に好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜35重量%、最も好ましいのは10〜30重量%である。
(A)を構成する(f)〜(h)それぞれの割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜15重量%であり、更に好ましくは1〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(A)を構成する(i)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜200ppmであり、更に好ましくは0.05〜50ppm、特に好ましくは0.1〜20ppmである。
(A)を構成する(j)〜(p)それぞれの割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%であり、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
(共)重合体(A)は、潤滑油への溶解性の観点から、特定の溶解度パラメーター(以下SP値と略記する)を有するものが好ましい。(A)のSP値は、7.3〜9.5(cal/cm1/2であり、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物への溶解性の観点から、好ましくは8.5〜9.5(cal/cm1/2、更に好ましくは8.8〜9.4(cal/cm1/2、特に好ましくは8.9〜9.3(cal/cm1/2である。
(A)のSP値は、(A)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより7.3〜9.5(cal/cm1/2にすることができる。
なお、本発明におけるSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(A)のSP値と基油のSP値の差の絶対値は、実効温度域でのHTHS粘度及び低温粘度の観点から、好ましくは0.5〜1.6(cal/cm1/2であり、更に好ましくは0.6〜1.4(cal/cm1/2、特に好ましくは0.7〜1.1(cal/cm1/2である。
(A)のMwは、実効温度域でのHTHS粘度及び低温粘度の観点から、好ましくは5,000〜2,000,000であり、更に好ましい範囲は、潤滑油組成物の用途によって異なり、表1に記載の範囲である。
Figure 0006767249
* :オートマチックトランスミッション油
** :ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** :マニュアルトランスミッション油
(A)は、公知の原子移動ラジカル重合(ATRP)法によって得ることができ、たとえばWO05/087819号に記載されている。具体的には前記の単量体を溶剤及び/又は基油中で原子移動ラジカル重合開始剤、還元剤、少なくとも一つの酸化状態で不活性状態にある遷移金属触媒と配位化合物を形成することができるリガンドの存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
本発明により使用することができる原子移動ラジカル重合開始剤は、重合条件下でラジカルにより伝達可能である原子又は原子基を1つ以上有する全ての化合物であってよい。ラジカルにより伝達可能である原子又は原子基は、好ましくはハロゲンであり、更に好ましくはCl、Br及びIである。伝達可能である原子又は原子基が3つ以上の場合、星型ポリマーを得ることができる。
原子移動ラジカル重合開始剤の具体例として、プロピル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモイソブチレート、メチル−2−ブロモイソブチレート、エチレンビス(2−ブロモイソブチレート)、1,1,1−トリス(2−ブロモイソブチルオキシメチル)エタン等が挙げられる。
開始剤は一般に10-5モル/L〜3モル/Lの範囲、有利には10-4モル/L〜10-2モル/Lの範囲及び特に有利には5・10-4モル/L〜5・10-3モル/Lの範囲の濃度で使用するが、これにより限定すべきではない。
重合を実施するために、還元剤と、少なくとも1つの酸化状態で不活性状態にある遷移金属触媒とを使用する。その際、該還元剤は該酸化状態で不活性状態の遷移金属触媒を、より低い活性な酸化状態へ還元することができ、より低い活性な酸化状態の遷移金属触媒と重合法に関与することがない該還元剤の酸化生成物を形成する。活性な酸化状態の遷移金属触媒は、原子移動ラジカル重合開始剤と反応して、ラジカルとハロゲン化物アニオンが配位した不活性状態の遷移金属触媒を生成する。生じたラジカルは、単量体と反応(成長反応)、ラジカル同士で反応(停止反応)、ハロゲン化物アニオンと反応(不活性化反応)する可能性がある。ハロゲンで終端されたポリマーのドーマント種は、還元剤で再生された活性な酸化状態の遷移金属触媒との反応で再活性化が可能である。
この場合、有利な遷移金属としては、Cu、Fe、Co、Cr、Ne、Sm、Mn、Mo、Ag、Zn、Pd、Pt、Re、Rh、Ir、In、Yd及びRuが挙げられ、これらの金属は単独で、ならびに混合物として使用することができる。これらの金属は重合のレドックスサイクルを触媒することが想定され、その際、たとえばレドックス対であるCu/Cu2+又はFe2+/Fe3+が効果的である。相応して、金属化合物をハロゲン化物、たとえば塩化物もしくは臭化物として、又はアルコキシドとして反応混合物に添加する。有利な金属化合物には、CuBr、CuCl、CuO、CrCl、Fe及びFeBrであり、特に有利な金属化合物は、CuBrである。
触媒として使用される遷移金属触媒の金属含量が、(共)重合体(A)を構成する構成単量体の合計重量に対して500ppm未満であり、好ましくは200ppm未満であり、更に好ましくは100ppm未満である。
還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、有機スズ(II)化合物、亜硫酸ナトリウム、低酸化状態の硫黄化合物、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドラジン水和物、アセチルアセトネート、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、テトラヒドロフラン、ジヒドロアントラセン、シラン、2,3−ジメチルブタジエン、アミン、ホルムアミジンスルフィン酸、ボラン化合物、アルデヒド、並びにFe2+、Cr3+、Al3+、Ti3+及びTi4+から選択される金属を含む無機塩よりなる群から選択される無機化合物又は有機化合物であり、好ましくは2−エチルヘキサン酸スズ等の有機スズ(II)化合物である。
重合は、遷移金属触媒1種以上と配位化合物を形成することができるリガンドの存在下に実施する。これらのリガンドは、特に遷移金属化合物の溶解度の向上に役立つ。リガンドのもう1つの重要な機能は、安定した有機金属化合物の形成を回避することである。このことは特に重要である。というのは、これらの安定した化合物は選択された反応条件において重合しないからである。さらにリガンドは伝達可能な原子基の引き抜きを容易にすることが想定される。
これらのリガンドは公知のものが使用でき、かつたとえばWO97/18247号、WO98/40415号に記載されている。
有利なリガンドには、特にトリフェニルホスファン、2,2−ビピリジン、アルキル−2,2−ビピリジン、たとえば4,4−ジ−(5−ノニル)−2,2−ビピリジン、4,4−ジ−(5−ヘプチル)−2,2−ビピリジン、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)、トリス(2−ピリジルメチル)アミン(TPMA)、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン及び/又はテトラメチルエチレンジアミンであるが、このことにより限定すべきではない。リガンドは単独で、又は混合物として使用することができる。
これらのリガンドは反応系中で金属化合物と配位化合物を形成することができるか、又はまず配位化合物として製造し、かつ引き続き反応混合物に添加することができる。
リガンド対遷移金属の比は、リガンドの配座の数及び遷移金属の配位数に依存する。一般にモル比は100:1〜0.1:1の範囲、有利には6:1〜0.1:1、及び特に有利には3:1〜0.5:1であるが、このことにより限定すべきではない。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体、ブロック共重合体又は星型共重合のいずれでもよい。
本発明の粘度指数向上剤は、(A)と、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(B)を併用してもよい。
(B)としては、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体等が挙げられる。
(B)の具体例としては、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
(A)と(B)を併用する場合の(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて、低温粘度の観点から好ましくは0.01〜30重量%であり、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる。基油としては、鉱物油(溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)、合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは鉱物油である。
基油の100℃における動粘度(JIS−K2283で測定したもの)は、実効温度でのHTHS粘度の観点から好ましくは1〜15mm/sであり、更に好ましくは2〜5mm/sである。
基油の粘度指数(JIS−K2283で測定したもの)は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましくは110以上である。
基油の曇り点(JIS−K2269で測定したもの)は、好ましくは−5℃以下であり、更に好ましくは−15℃以下である。基油の曇り点がこの範囲内であると潤滑油組成物の低温粘度が良好である。
本発明の潤滑油組成物における粘度指数向上剤の含有率は、基油の重量に基づいて、粘度指数向上剤中の(A)の重量に換算して、好ましくは1〜30重量%である。
潤滑油組成物がエンジン油として使用される場合には、100℃の動粘度が4〜10mm/sの基油に、(A)を2〜10重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がギヤ油として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜10mm/sの基油に、(A)を3〜30重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物が自動変速機油(ATF及びbelt−CVTF等)として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜6mm/sの基油に、(A)を3〜25重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がトラクション油として使用される場合には、100℃の動粘度が1〜5mm/sの基油に、(A)を0.5〜10重量%含有しているものが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
温度調節装置、バキューム撹拌翼、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、末端不飽和基含有ポリブテン(商品名;「日油ポリブテン10N」、日油(株)製、Mn;1,000]280重量部、テトラヒドロフラン−ボロン・テトラヒドロフラン1mol/L溶液[和光純薬(株)製]400重量部、テトラヒドロフラン400重量部を投入し、25℃で4時間ヒドロホウ素化を行った。次いで水50重量部、3N−NaOH水溶液50容量部、30重量%過酸化水素50容量部を投入して酸化した。分液ロートにて上澄み液を回収し、50℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)テトラヒドロフランを2時間かけて除去し、片末端水酸基含有重合体(Y2−1)を得た。
<製造例2>
温度調節装置及び撹拌機を備えたSUS製耐圧反応容器に、末端不飽和基含有ポリブテン(商品名;「日油ポリブテン200N」、日油(株)製、Mn:2,650]530重量部及び無水マレイン酸[和光純薬(株)製]25重量部を投入し、撹拌下220℃に昇温後、同温度で4時間エン反応を行った。次いで25℃まで冷却し、2−アミノエタノール20重量部を投入して、撹拌下130℃に昇温後、同温度で4時間イミド化反応を行った。120〜130℃で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の無水マレイン酸及び2−アミノアルコールを2時間かけて除去し、片末端水酸基含有重合体(Y3−1)を得た。
<実施例1〜4、比較例1>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油A(SP値:8.3(cal/cm1/2、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)500重量部、表2に記載の単量体配合物500重量部、CuBr0.03重量部及びトリス(2−ピリジルメチル)アミン0.04重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度100ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら70℃に昇温した。昇温後、原子移動ラジカル重合開始剤エチレンビス(2−ブロモイソブチレート)0.35g及び還元剤2−エチルヘキサン酸スズ(ネオスタンU−28、日東化成製)1.38重量部を添加し20時間重合反応を行った。130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.03MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A1)〜(A4)、(H1)を含有する粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)を得た。得られた共重合体(A1)〜(A4)、(H1)のSP値を上記の方法で計算し、Mn及びMwを上記の方法で測定した。また、共重合体の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例5〜9、比較例2>
原子移動ラジカル重合開始剤としてエチレンビス(2−ブロモイソブチレート)0.35重量部に替えてメチル−2−ブロモイソブチレート0.19重量部使用した以外、実施例1の方法と同様にして、共重合体(A5)〜(A9)、(H2)を含有する粘度指数向上剤(R5)〜(R9)、(S2)を得た。得られた共重合体(A5)〜(A9)、(H2)のSP値を上記の方法で計算し、Mn及びMwを上記の方法で測定した。また、共重合体の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例10〜12、比較例3>
原子移動ラジカル重合開始剤としてエチレンビス(2−ブロモイソブチレート)0.35重量部に替えて1,1,1−トリス(2−ブロモイソブチルオキシメチル)エタン0.56重量部使用した以外、実施例1の方法と同様にして、共重合体(A10)〜(A12)、(H3)を含有する粘度指数向上剤(R10)〜(R12)、(S3)を得た。得られた共重合体(A10)〜(A12)、(H3)のSP値を上記の方法で計算し、Mn及びMwを上記の方法で測定した。また、共重合体の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<比較例4〜9>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油A(SP値:8.3(cal/cm1/2、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)500g、表2に記載の単量体配合物500重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.50重量部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.50重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度100ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.03MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(H4)〜(H9)を含有する粘度指数向上剤(S4)〜(S9)を得た。得られた共重合体(H4)〜(H9)のSP値を上記の方法で計算し、Mn及びMwを上記の方法で測定した。また、共重合体の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<共重合体の基油溶解性の評価方法>
粘度指数向上剤(R1)〜(R12)、(S1)〜(S9)の外観を目視で観察し、以下の評価基準で基油溶解性を評価した。
[評価基準]
○:外観が均一であり、共重合体の不溶解物がない
×:外観が不均一であり、共重合体の不溶解物が認められる
Figure 0006767249
表2に記載の単量体(a)〜(h)の組成は、以下に記載した通りである。
(Y1−1):水素化ポリブタジエンの片末端水酸基含有重合体(商品名;KrasolHLBH−5000M、Cray Valley製、1,2−ブチレン比率;65モル%、水酸基価;10.4mgKOH/g、Mn:6000)
(Y2−1):製造例1の片末端不飽和基含有ポリブテンのヒドロホウ素化物(Mn:1200)
(Y3−1):製造例2の片末端不飽和基含有ポリブテンの無水マレイン酸−エン−アミノアルコール付加物(Mn:2700)
(a1−1):(Y1−1)のメタクリル酸エステル化物
(a1−2):(Y2−1)のメタクリル酸エステル化物
(a1−3):(Y3−1)のメタクリル酸エステル化物
(b−1):メタクリル酸2−n−デシルテトラデシル
(b−2):メタクリル酸2−n−ドデシルヘキサデシル
(c−1):メタクリル酸メチル
(c−2):メタクリル酸ブチル
(d−1):メタクリル酸n−ドデシル
(d−2):メタクリル酸n−テトラデシル
(d−3):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(e−1):メタクリル酸エトキシエチル
(e−2):メタクリル酸ブトキシエチル
(f−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(g−1):ヒドロキシエチルメタクリレート
(h−1):メタクリロイロキシエチルホスフェート
<実施例13〜24、比較例10〜18>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油A(SP値:8.3(cal/cm1/2、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R1)〜(R12)、(S1)〜(S9)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V12)、(W1)〜(W9)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V12)、(W1)〜(W9)の剪断安定性、HTHS粘度(100℃)、粘度指数を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
<潤滑油組成物の剪断安定性の測定方法及び計算方法>
ASTM D 6278の方法で測定し、ASTM D 6022の方法で計算した。
<潤滑油組成物のHTHS粘度の測定方法>
ASTM D 5481の方法により、100℃で測定した。
<潤滑油組成物の粘度指数の計算方法>
ASTM D 445の方法で40℃と100℃の動粘度を測定し、ASTM D 2270の方法で計算した。
Figure 0006767249
表3の結果から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物(実施例13〜24)は、剪断安定性に優れ、実効温度域でのHTHS粘度が低く、粘度指数が高くて優れることがわかる。一方、比較例10〜18の潤滑油組成物は、剪断安定性、実効温度域でのHTHS粘度、及び粘度指数のうち、少なくとも1つが劣ることがわかる。
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、駆動系潤滑油(MTF、デファレンシャルギヤ油、ATF及びbelt−CVTF等)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)、エンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)及びトラクション油として好適である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示される単量体(a)及び下記一般式(3)で表される単量体(e)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(共)重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが1.6以下である粘度指数向上剤。
    Figure 0006767249
    [Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基であって、Aは炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基、mは1〜10の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい;Rはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単量体とする炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基;pは0又は1の数;Mnは1,000以上]
    Figure 0006767249
    [R は水素原子又はメチル基;−X −は−O−又は−NH−で表される基;R は炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基;R は炭素数1〜8の直鎖アルキル基;rは1の整数である。]
  2. 一般式(1)におけるRが、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単量体とする炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基であって、該炭化水素重合体の合計構成単量体数に基づき、イソブチレンと1,2−ブチレンとの合計比率が30モル%以上である炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基である請求項1に記載の粘度指数向上剤。
  3. (A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて(a)を1〜50重量%含有する(共)重合体である請求項1又は2のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  4. (A)が、(A)の構成単量体として更に下記一般式(2)で示される単量体(b)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)及び炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を含有してなる共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
    Figure 0006767249
    [Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基;R及びRはそれぞれ独立に炭素数8〜24の直鎖アルキル基;qは0〜20の整数であり、qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
  5. (A)が、更に窒素原子含有単量体((a)、(b)及び(e)を除く)(f)、水酸基含有単量体(g)及びリン原子含有単量体(h)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  6. (A)の重量平均分子量が5,000〜2,000,000である請求項1〜5のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物。
  8. 更に、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項7に記載の潤滑油組成物。
  9. 基油の100℃の動粘度が1〜15mm/sであり、かつ基油の粘度指数が110以上である請求項7又は8に記載の潤滑油組成物。
  10. 原子移動ラジカル重合(ATRP)法を用いた請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤の製造方法。
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