JP6766472B2 - 積層光学フィルム、及び偏光板 - Google Patents
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Description
しかし、溶液流延法で作製されたTACフィルムは、光学異方性は小さいが、生産性に劣る、フィルム内に残留する溶剤が揮発し、液晶表示装置内の電子回路や他の部品に悪影響を与えるなどの問題があった。また、TACフィルムは寸法安定性、耐湿熱性に劣るために、収縮に伴う応力の発生、偏光子の機能劣化を及ぼし、この偏光板を用いた液晶表示装置の画質に影響を与えることが問題となっていた。
該ポリカーボネート樹脂が、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂であり、
積層光学フィルムの総厚みが30μm以下であり、かつ、JISK7128−2に準拠して測定した引裂強度が4.0kg/cm以上であり、
積層光学フィルムの総厚みに対する前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層の厚みの割合が、30%以上95%以下であることを特徴とする積層光学フィルムを提案する。
また、本発明が提案する積層光学フィルムは、中間層と表裏層の少なくとも3層を有し、前記中間層は、前記アクリル系樹脂を主成分とする層であり、前記表裏層は、前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層とすることもできる。
この柔軟性改質剤の好ましい例として、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が100℃以上のハードセグメント(HS)と、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が20℃以下のソフトセグメント(SS)と、を有するアクリル系ブロック共重合体を挙げることができる。
この際、上記メラミン樹脂系架橋剤としては、イミノ基型及び/またはメチロール基型のメラミン系樹脂を含有するものを挙げることができる。
この際、前記接着剤層は、例えば水系接着剤からなるものを挙げることができる。
さらに本発明は、上記偏光板を有する液晶表示装置を提案する。
本発明の実施形態の一例に係る積層光学フィルムは、ポリカーボネート樹脂を主成分とする層(以下「A層」と称することがある)、および、固有複屈折率が負の樹脂を主成分とする層(以下「B層」と称することがある)を、それぞれ1層以上有する積層光学フィルムであって、該ポリカーボネート樹脂が、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂であることを特徴とする積層光学フィルム(「本積層光学フィルム1」と称する)である。
本積層光学フィルム1の積層フィルムのうち少なくとも1層は、ポリカーボネート樹脂(以下、「本積層光学フィルム1のポリカーボネート樹脂」と称す場合がある。)を主成分とする層である。ここで主成分とは、フィルム中の成分として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含むことをいう。また、本積層光学フィルム1のポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂は、寸法安定性、耐湿熱性に優れ、また、原料設計により、機械的強度や光学特性を高めることも可能であり、ポリカーボネート樹脂を主成分とすることにより、高性能な積層フィルムを得ることができる。
なお、これらの他の構造単位は、ポリカーボネート樹脂中に1種のみが含まれていてもよく2種以上が含まれていてもよい。
固有複屈折は、0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましい。固有複屈折率はゼロに近いほど、フィルムの光学異方性は小さくなるため好ましいが、本積層光学フィルム1では、後述する積層光学フィルムの形態をとるため、ポリカーボネート樹脂の固有複屈折率がゼロより大きくても、光学異方性の非常に小さな積層光学フィルムを製造することができる。
前述した構造式を含有することで、このような光学特性を達成できる。なお、これまでの汎用のポリカーボネート樹脂の固有複屈折率は0.1〜0.2程度である。
ポリカーボネート樹脂の固有複屈折の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
前述した構造式を含有することで、このような光学特性を達成できる。なお、これまでの汎用ポリカーボネート樹脂の光弾性係数は、80×10−12Pa−1程度である。
ポリカーボネート樹脂の光弾性係数の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
本積層光学フィルム1のうち少なくとも1層は、固有複屈折率が負の樹脂を主成分とする層である。ここで主成分とは、フィルム中の成分として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含むことをいう。また、B層の主成分である固有複屈折率が負の樹脂は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
負の固有複屈折をもつ樹脂とは、該樹脂からなるフィルムを延伸させたときに、延伸した方向と垂直方向の屈折率が高くなるもののことをいう。固有複屈折は、負であれば特に限定されないが、−0.0001以下が好ましく、−0.001以下がより好ましい。固有複屈折の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
一方で、より高い耐熱性が必要な場合は、本積層光学フィルム1で使用される固有複屈折率が負の樹脂のガラス転移温度が120℃以上とすることが好ましい。
軟質樹脂としては、特に規定されないが、ガラス転移温度が100℃以上の重合体ブロック(以下、ブロック(i))と、ガラス転移温度が30℃以下である重合体ブロック(以下、ブロック(ii))との共重合体であることが、柔軟性と耐熱性を両立する観点から好ましい。
本積層光学フィルム1のフィルムのA層、B層あるいは両方の層には、紫外線吸収剤が含まれていてもよい。紫外線吸収剤が含まれていると、フィルムの耐候性を向上でき、また液晶や偏光膜の紫外線劣化を防ぐことができる。本積層光学フィルム1に用いる紫外線吸収剤としては、公知のもの、例えば各種市販のものを特に制限なく使用できる。
本発明の第2の実施形態の一例に係る積層フィルム(「本積層光学フィルム2」と称する)は、上記本積層光学フィルム1における、固有複屈折率が負の樹脂を主成分とする層(B層)が、柔軟性改質剤として、特にアクリル系ブロック共重合体(A)を含有することを特徴とする積層フィルムである。
アクリル系ブロック共重合体(A)は、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が100℃以上のハードセグメント(HS)と、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が20℃以下のソフトセグメント(SS)と、を有する共重合体である。以下、ハードセグメントを単に「HS」、ソフトセグメントを単に「SS」と略記することがある。
他の重合体ブロックとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、イソブテン、1,3−ブタジエン、イソプレン、オクテン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの単量体単位から重合される重合体ブロック及び共重合体ブロック;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサンからなる重合体ブロックなどを挙げることができる。また、上記重合体ブロックには、1,3−ブタジエン、イソプレンなどのジエン系単量体を含む単量体単位から重合された重合体ブロックの水素添加物も含まれる。
HSの立体規則性については、特に制限されるものではないが、シンジオタクチック構造であるほどガラス転移温度が高くなり耐熱性が向上するため好ましい。具体的には、アクリル系ブロック共重合体(A)のハードセグメントの核磁気共鳴測定(1H−NMR)により同定されるトリアッド分率のmm、mr及びrrのうち、rr構造のモル比率がmm、mrのモル比率と比べて高いものが好適に用いることができる。
本積層光学フィルム2においては、分子量分布を狭くできることからアニオン重合で重合されたアクリル系ブロック共重合体(A)を好適に用いることができる。
上記組成物中の該アクリル系ブロック共重合体(A)の含有量は、用いるアクリル系ブロック共重合体(A)の各セグメントの組成比と所望の特性を考慮して適宜決定すればよい。具体的には、5〜100質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、15〜50質量%が特に好ましい。
本積層光学フィルム2のうちB層はさらに、以下に記載するアクリル系重合体(B)を有することが、力学強度、透明性や耐熱性および経済性の観点から好ましい。
該アクリル系重合体(B)は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)以外のアクリル系重合体であって、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とするアクリル系重合体である。
本発明の第3の実施形態の一例に係るフィルム(「本積層光学フィルム3」と称する)は、上記本積層光学フィルム1又は本積層光学フィルム2(これらを「基材フィルム」と称する)の少なくとも片面に、ウレタン系樹脂とメラミン樹脂系架橋剤を含有する水系ウレタン系樹脂組成物よりなるコート層を形成してなる構成を備えたフィルムである。
また、メラミン樹脂系架橋剤は、メチルエーテル化型、イミノ基型、メチロール基型、及び、メチロール/イミノ基型など架橋反応に関与する構造を種々選択することによって、その架橋反応性を制御することが容易であるので、ポットライフと反応性を制御しやすいという利点もある。
次に、本積層光学フィルム3におけるウレタン系樹脂とメラミン樹脂系架橋剤を含有する水系ウレタン系樹脂組成物(以下、「ウレタン系コーティング組成物」と称す場合がある。)よりなるコート層(以下、「ウレタンコート層」と称す場合がある。)について説明する。
本積層光学フィルム3においては、前述の基材フィルムの少なくとも片面に、ウレタン系樹脂とメラミン樹脂系架橋剤を含有する水系のウレタン系コーティング組成物を用いてウレタンコート層を形成することを必須の要件とする。
ウレタンコート層は、基材フィルムの一方の表面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。基材フィルムの両面にウレタンコート層を設けることにより、基材フィルムの取り扱い性を効果的に改善できる。
本積層光学フィルム3で用いるウレタン系樹脂としては、例えば、(3−1)1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分(以下「成分(3−1)」と称す場合がある。)と(3−2)多価イソシアネート成分(以下「成分(3−2)」と称す場合がある。)とを反応させて得られるウレタン系樹脂;又は、上記成分(3−1)及び成分(3−2)をイソシアネート基過剰の条件下で、反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒中でウレタン化反応させてイソシアネート基含有プレポリマーとし、次いで、該プレポリマーを中和し、鎖延長剤を用いて鎖延長し、水を加えて分散体とすることによって製造されるウレタン系樹脂;などが挙げられる。これらのウレタン系樹脂には酸構造(酸残基)を含有させてもよい。
ポリオール化合物として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び、2,2−ジメチルプロパンジオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、例えば、上記(3−1−1)のポリオール化合物のアルキレンオキシド付加物;アルキレンオキシドと環状エーテル(例えばテトラヒドロフランなど)との開環(共)重合体;グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリオクタメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び、エチレングリコール−プロピレングリコールなどのグリコール類;などが挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、例えば、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸又はその無水物と、上記(3−1−1)で挙げたエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、及び、ネオペンチルグリコールなどのポリオール化合物とを、水酸基過剰の条件で重縮合させて得られたものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、エチレングリコール−アジピン酸縮合物、ブタンジオール−アジピン縮合物、ヘキサメチレングリコール−アジピン酸縮合物、エチレングリコール−プロピレングリコール−アジピン酸縮合物、或いはグリコールを開始剤としてラクトンを開環重合させたポリラクトンジオールなどが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとして、例えば、エーテル基含有ポリオール(例えば、前記(3−1−2)のポリエーテルポリオールやジエチレングリコール等)又は、これと他のグリコールとの混合物を上記(3−1−3)で例示したようなジカルボン酸又はその無水物に加えてアルキレンオキシドを反応させてなるものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール−アジピン酸縮合物などが挙げられる。
ポリカーカーボネートポリオールとしては、例えば、一般式HO−R−(O−C(O)−O−R)n−OH(ただし、式中、Rは炭素数1〜12の飽和脂肪酸ポリオール残基を示す。また、nは分子の繰り返し単位の数を示し、通常5〜50の整数である。)で示される化合物などが挙げられる。これらは、飽和脂肪族ポリオールと置換カーボネート(例えば、炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートなど)とを、水酸基が過剰となる条件で反応させるエステル交換法;前記飽和脂肪族ポリオールとホスゲンとを反応させるか、又は必要に応じて、その後さらに飽和脂肪族ポリオールを反応させる方法;などにより得ることができる。
メラミン樹脂系架橋剤としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、及び、ヘキサメチロールメラミン等のメチロールメラミン;メチロールメラミンとアルコールとのアルキルエーテル化物;メチロールメラミンの縮合物とのアルコールのエーテル化物等を挙げることができる。ここで、アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、及び、2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられる。
ウレタンコート層を形成するウレタンコーティング組成物は、上記の水系ウレタン系樹脂及びメラミン樹脂系架橋剤以外に、必要に応じて、本積層光学フィルム3の目的を損なわない範囲で他の成分を含有していてもよい。
ウレタン系コーティング組成物は、硬化触媒を含有していてもよく、硬化触媒を含むことにより、得られるウレタンコート層の硬化性を高めることができる。
また、硬化触媒としては、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸;該スルホン酸とアミンとの中和塩;リン酸エステル化合物とアミンとの中和塩等の1種又は2種以上を使用することができる。
ウレタン系コーティング組成物は、塩基性物質を含有していてもよい。ウレタン系コーティング組成物中のウレタン系樹脂が酸構造を含む場合、酸構造の一部又は全部は、塩基性物質により中和されていることが好ましい。特に酸構造含有ウレタン系樹脂の酸構造のうちの20%以上が塩基性物質により中和されていることがより好ましく、50%以上が塩基性物質により中和されているのが特に好ましい。酸構造のうちの20%以上が塩基性物質により中和されることにより、基材フィルムにウレタンコート層を形成して得られる本積層光学フィルム3のフィルムが高温下に曝された熱履歴を有しても、光学材料としての特性を維持しつつ、他の光学フィルム、特に偏光子に積層して使用されるときに、積層されたフィルムとの密着性をより一層確実に維持することができる。なお、酸構造含有ウレタン系樹脂の残りの酸構造は中和されていなくてもよく、又は塩基性物質により中和されていてもよい。また、塩基性物質として不揮発性塩基と揮発性塩基のどちらを使用してもかまわない。
不揮発性塩基としては、ウレタン系コーティング組成物を基材フィルムの表面に塗布した後に乾燥させる際の処理条件下、例えば80℃で1時間放置した場合において実質的に不揮発性である無機塩基及び有機塩基を挙げることができる。実質的に不揮発性である無機塩基及び有機塩基としては、前記処理後に不揮発性塩基の減少分が80%以下であるものを挙げることができる。
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機塩基;
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン水酸化カリウム、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトシキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、シクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンペンタミン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−プロパンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルエタノールアミン、アミノヘキシルエタノールアミン、アミノエチルプロパノールアミン、アミノプロピルプロパノールアミン、アミノヘキシルプロパノールアミン、5−アミノピラゾール、1−メチル−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−5−アミノピラゾール、1−ベンジル−5−アミノピラゾール、1,3−ジメチル−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−3−メチル−5−アミノピラゾール、1−ベンジル−3−メチル−5−アミノピラゾール、1−メチル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、1−メチル−4−アシノ−5−アミノピラゾール、1−イソプロピル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、3−メチル−4−クロロ−5−アミノピラゾール、及び、1−ベンジル−4−クロロ−5−アミノピラゾールなどの一級アミン;
N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシカルボン酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、グリコリック酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物;
トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ[(2−ヒドロキシ)−1−プロピル]アミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、及び、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどの三級アミン;
イミダゾリン、2−メチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン化合物;
揮発性塩基としては、例えば、アンモニア、揮発性第一級〜第三級アミン等を挙げることができる。
ウレタン系コーティング組成物は、ポリビニルアルコールを含有していてもよく、ポリビニルアルコールを含むことで室温におけるウレタンコート層表面のタック性改良や、水系接着剤との密着性増加などの機能が期待できる。
なお、ここでウレタン系コーティング組成物中の全固形分とは、ウレタン系コーティング組成物中の溶剤以外の成分の合計に該当する。
ウレタン系コーティング組成物は、三重結合の二つの隣接炭素原子にいずれも水酸基及びメチル基が置換されたアセチレングリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物である非イオン系界面活性剤を含有していてもよい。このような非イオン系界面活性剤を含むことにより、未硬化状態のウレタン系コーティング組成物の発泡を抑制しつつ濡れ性を改善できるので、基材フィルムに塗布した際のはじきムラの発生を防止できる。
R3−C(CH3)(OR1)−C≡C−C(CH3)(OR2)−R4 …(i)(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、−(CH2)m−Hを表す。mは0以上の整数を表し、0〜400が好ましく、0又は20〜100であることがより好ましく、40〜70であることが特に好ましい。R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、及び、ヘキシル基などが挙げられ、イソプロピル基が好ましい。)
かかる非イオン系界面活性剤としては、例えば、日信化学工業社製のサーフィノール104シリーズ、サーフィノール400シリーズなどを用いることができる。
ウレタン系コーティング組成物は、微粒子を含んでいてもよく、微粒子を含むことにより、形成されるウレタンコート層の表面に凹凸を形成し、これにより、巻回の際にウレタンコート層が他の層と接触する面積が小さくなり、その分だけウレタンコート層の表面の滑り性を向上させて、本積層光学フィルム3のフィルムを巻回する際のシワの発生を抑制できる。
ウレタン系コーティング組成物は、本積層光学フィルム3の効果を著しく損なわない限り、例えば、上記の非イオン系界面活性剤以外の界面活性剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを含有していてもよい。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ウレタン系コーティング組成物は、通常、ウレタン系樹脂とメラミン樹脂系架橋剤を必須成分とし、必要に応じて用いられる上記の任意成分を含む分散液として調製される。
ウレタン系コーティング組成物の調製に用いる溶剤(分散媒)としては、水及び/又は水溶性の溶剤、好ましくは水、特に好ましくはイオン交換水が挙げられる。
ウレタンコーティング組成物は、水、好ましくはイオン交換水を用いて前述のウレタン系樹脂、好ましくは水系ウレタン系樹脂、及びメラミン樹脂系架橋剤、必要に応じて用いられるその他の成分を溶解ないし分散させることにより調製される。
ウレタンコート層は、基材フィルムの少なくとも片面に、上述のウレタン系コーティング組成物を塗布し、形成された塗膜を乾燥固化(硬化)させることにより形成される。
ウレタンコート層の膜厚は、本積層光学フィルム3及びこれを用いた本積層光学フィルム3の偏光板の薄膜化と基材フィルムの歪み(硬化収縮)防止や位相差への影響の観点から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。また、接着強度の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。上記範囲であれば、基材層と後述の水系接着剤の双方に対して良好な接着性を得ることができる。
本積層光学フィルム3の用途には特に制限はないが、透明性、寸法安定性、耐湿熱性に優れることから、特に、偏光板の偏光膜の保護フィルムとして好適に用いることができる。
接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール系やウレタン化合物等の水系接着剤、アクリル系化合物やエポキシ系化合物、オキサゾリン化合物等の活性エネルギー線硬化系接着剤が挙げられる。中でも、偏光膜であるポリビニルアルコール(PVA)との接着性や、廃棄物等における環境安全性等の観点より、ポリビニルアルコール系等の水系接着剤が好ましい。
すなわち、本積層光学フィルム3を用いた偏光板は、第1の保護フィルム/接着剤層/偏光膜/接着剤層/第2の保護フィルムの層構成となり、本積層光学フィルム3は、これらのうち少なくとも一方の保護フィルムとして用いられる。
本積層光学フィルム3は、透明性、寸法安定性、及び、耐湿熱性に優れ、偏光膜に対して密着性よく接着させることができることから、このような本積層光学フィルム3を用いた偏光板は、偏光膜の保護効果、機能維持性に優れ、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の液晶表示装置の偏光板として高品質な表示画面を実現することができる。
本積層光学フィルム1,2,3は、上述したポリカーボネート樹脂を主成分とする層(A層)、および、固有複屈折率が負の樹脂を主成分とする層(B層)を、それぞれ1層以上有することを必須とする。
以下、本積層光学フィルム1,2,3の物性等について具体的に説明する。
本積層光学フィルム1,2,3のそれぞれの層の数については特に限定されないが、製造の容易さや設備の汎用性の観点から、(B層)/(A層)のような2層構成や、(B層)/(A層)/(B層)、(A層)/(B層)/(A層)といった3層構成が好ましい。ここで、カール抑制の観点から、(B層)/(A層)/(B層),(A層)/(B層)/(A層)といった3層構成がより好ましい。
偏光子との接着性を良好にすることに重点をおくのであれば、(B層)/(A層)/(B層)の3層構成が好ましい。一方、フィルムの機械強度を良好にするためには、(A層)/(B層)/(A層)の3層構成が好ましい。
本積層光学フィルム1,2,3の膜厚は、この積層光学フィルムを用いた偏光板の薄膜化の観点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。後述する機械強度が高いため、このように薄膜のフィルムにすることができる。一方、ハンドリング性や強度の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
本積層光学フィルム1,2,3において、積層光学フィルムの総厚みに対する前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層(A層)の厚みの割合は、20%以上95%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上90%以下、特に好ましくは50%を超え80%以下である。
ここで、A層の厚み割合が20%以上であれば、本積層光学フィルム1,2,3の機械強度や柔軟性、靱性、耐熱性が良好なものとなる。また、A層の厚みが95%以下であれば、本積層光学フィルム1,2,3の光学歪みを、十分小さくすることができる。なお、A層が複数配される場合は、各層の合計厚みの意味である。
本積層光学フィルム1,2,3の面内位相差(RO)及び厚み位相差(Rth)は、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が特に好ましい。面内位相差(RO)及び厚み位相差(Rth)が10nm以下である場合、光学異方性が小さいため光学フィルムとして適する。本積層光学フィルム1,2,3の構成にすることで、このような光学異方性の非常に小さなフィルムを達成できる。
なお、面内位相差(RO)及び厚み位相差(Rth)の下限については特に定めないが、好ましくは−10nm以上、さらに好ましくは−5nm以上、特に好ましくは−3nm以上である。
面内位相差(RO)及び厚み位相差(Rth)の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
本積層光学フィルム1,2,3の光弾性係数は、10×10−12Pa−1以下が好ましく、8×10−12Pa−1以下がより好ましく、5×10−12Pa−1以下が特に好ましい。光弾性係数が10×10−12Pa−1より大きいと、応力による位相差の変化が大きくなり、偏光子保護フィルムとして適さない。
なお、本積層光学フィルム1,2,3は、応力がかかったときに(A)層で発生する位相差を(B)層で発生する位相差が打ち消すため、(A)層単層の光弾性係数より、本積層光学フィルム1,2,3の光弾性係数を小さくすることができる。
本積層光学フィルム1,2,3の全光線透過率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましい。また、ヘイズは1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.3%以下がさらに好ましい。
本積層光学フィルム1,2,3のJIS K7128−2に準拠して測定した引裂き強度が4.0kg/cm以上である。4.5kg/cm以上であることがより好ましく、5.0kg/cm以上であることがさらに好ましい。本積層光学フィルム1,2,3の積層構成にすることで、このような機械強度に優れたフィルムにすることができる。
引裂き強度の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
本積層光学フィルム1,2,3のJIS K7161の方法により測定される引張伸びは、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは100%以上である。引張伸びが20%未満である場合、フィルムが破断しやすいためハンドリング性が悪くなる。引張伸びの上限値については特に制限がないが、通常200%以下である。本積層光学フィルム1,2,3の積層構成にすることで、このような柔軟性や靱性に優れたフィルムにすることができる。
引張伸びの測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
本積層光学フィルム1,2,3は、耐熱性の観点から、100℃100時間での加熱収縮率が、0.5%以下であることが好ましく、0.4%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。本積層光学フィルム1,2,3の積層構成にすることで、このような耐熱性の高いフィルムにすることができる。加熱収縮率の測定方法は、後述の実施例の項に記載されるとおりである。
本積層光学フィルム1,2,3の製造方法は、特に限定されず、ポリカーボネート樹脂を主成分とする層(A層)、および、固有複屈折率が負の樹脂を主成分とする層(B層)を接着剤を用いて貼り合せる方法や、一方の層のフィルムに溶融状態の他方の層を押出により積層する押出ラミネート法、同時に溶融させて積層する共押出法が挙げられる。生産性の観点から、共押出法が最も好ましい。
ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂を共押出する場合、Tダイの溶融温度は180℃〜260℃である。この際、Tダイ中の両樹脂の口金温度の差を30℃以下、好ましくは20℃以下、更に好ましくは10℃以下に調整することが好ましい。口金温度の差を30℃以下にすることにより、共押出時の溶融粘度は同程度となり、積層フィルムの厚みぶれの影響が少なくなる。
本積層光学フィルム1,2,3の用途には特に制限はないが、光学異方性が非常に小さく、また引裂強度等の機械的強度にも優れることから、特に、偏光板の偏光膜の保護フィルムとして好適に用いることができる。
接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール系やウレタン化合物等の水系接着剤、アクリル系化合物やエポキシ系化合物、オキサゾリン化合物等の活性エネルギー線硬化系接着剤が挙げられる。
本積層光学フィルム1,2,3は、光学特性や、引裂強度等の機械的強度に優れ、偏光膜に対して密着性よく接着させることができ、偏光板を液晶から剥す際のハンドリング性にも優れることから、このような本積層光学フィルム1,2,3を用いた本発明の偏光板は、偏光膜の保護効果、機能維持性に優れ、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の液晶表示装置の偏光板として高品質な表示画面を実現することができ、また、液晶表示装置製造時の作業性にも優れる。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルム、又はこれらの積層体を包含するものである。
また、「X以上又はX≦」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下又はY≧」(Yは任意の数字)と記載した場場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−2について説明する。なお、実施例1−1及び実施例1−2は、本発明の参考例である。
以下において、実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−2に対して、種々の物性等の測定及び評価を次のようにして行った。
樹脂約8gを、幅11cm、長さ11cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度200℃で、予熱1分〜3分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスにて圧力20MPaで3分間加圧冷却してシートを作製した。このシートから幅5mm、長さ20mmにサンプルを切り出した。
複屈折Δn*(ω)=Δn0×cos(ωt+δB)
ひずみ光学比O*(ω)=Δn*(ω)/ε*(ω)
E’(ω)=E’R(ω)+E’G(ω)
O’(ω)=CR×E’R(ω)+CG×E’G(ω)
E”(ω)=E”(ω)=E”R(ω)+E”G(ω)
O”(ω)=CR×E”R(ω)+CG×E”G(ω)
これより、固有複屈折(Δn0)を、
Δn0=5/3×O’(ω=∞)=5/3×CR×E’R(ω=∞)
として、求めた。
(測定の原理、測定方法については、高分子論文集Vol.53,No.10,p602−613(1996)を参照。)
前述した固有複屈折測定用のサンプルを用いて、JIS K7142に準じて、ナトリウムD線(589nm)を光源として、(株)アタゴ製アッベ屈折計を用いて測定した。
実施例および比較例で得られたフィルムについて、JIS K7105に準じてヘーズメーター(日本電色工業(株)社製、商品名:NDH−5000)を用いて、全光線透過率およびヘイズを測定した。
実施例および比較例で得られたフィルムについて、反射率分光法による膜厚測定装置(フィルメトリクス社製、商品名:F20)を用いて、非破壊で各層の膜厚を測定した。
実施例および比較例で得られたフィルムを12cm×12cmに切り出し、図1のように格子線(10cm×10cm)を記入した。このフィルムを、100℃のオーブン内に吊るして、100時間放置した。オーブンに入れる前のMD方向の格子長さ(a)と、オーブンから出したあとのMD方向の格子長さ(b)より、下記の式を用いて収縮率を計算した。
収縮率(%)=100×((a)−(b))÷(a)
○:収縮率が0.5%以下
×:収縮率が0.5%より大きい
実施例および比較例で得られたフィルムについて、位相差測定装置(王子計測社製、商品名:KOBRA−WR)を用いて測定した。なお、Rthは、入射角度0°のときと、40°のときの位相差より算出した。測定結果から、以下のように評価した。
◎:RO、Rthの絶対値が3nm以下
○:RO、Rthの絶対値が3nmより大きく10nm以下
×:RO、Rthの絶対値が10nmより大きい
実施例および比較例で得られたフィルムおよび、前述した固有複屈折測定用のサンプルについて、遅相軸方向を位相差測定装置(王子計測社製、商品名:KOBRA−WR)にて確認し、遅相軸方向を長辺として、15mm×60mmの試験片を切り出した。このサンプルに、0〜400gfの荷重をかけながら、各荷重における面内位相差(RO)を、位相差測定装置(王子計測社製、商品名:KOBRA−WR)を用いて測定し、荷重(gf/幅15mm)をx軸、位相差(nm)をy軸にプロットしたときの傾きから、以下の式により光弾性係数を計算した。
光弾性係数(Pa−1)=傾き×1.5×10−8÷9.8
実施例および比較例で得られたフィルムからMDに幅6mmで切り出し、評価用サンプルとした。JIS K7161に準じて、評価用サンプルを試験速度200mm/分で引張試験を行い、その時の引張伸びを測定した。
◎:伸びが60%以上
○:伸びが20%以上60%未満
×:伸びが20%未満
実施例および比較例で得られたフィルムについて、JIS K7128−2に準じて、評価用サンプルのMDの引裂強度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:引裂強度が4.5kg/cm以上
○:引裂強度が4.0kg/cm以上4.5kg/cm未満
×:引裂強度が4.0kg/cm未満
以下に、実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−2で用いた構成材料を示す。
特開2008−024919号公報に準じた方法により得られた、ジヒドロキシ化合物であるイソソルビドに由来する構造単位とトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位の重量比率がイソソルビド/トリシクロデカンジメタノール=66/34で、ガラス転移温度(Tg)が130℃であるポリカーボネート共重合体を使用した。この共重合体の固有複屈折は0.03、平均屈折率は1.51、光弾性係数は10×10−12Pa−1であった。
住化スタイロンポリカーボネート株式会社製カリバー301−15を使用した。この樹脂のガラス転移温度(Tg)は148℃、固有複屈折は0.106、平均屈折率は1.585、光弾性係数は80×10−12Pa−1であった。
住友化学株式会社製、スミペックスMGSSを使用した。この樹脂のガラス転移温度(Tg)は108℃、固有複屈折は−0.004、平均屈折率は1.492、光弾性係数は2×10−12Pa−1であった。
株式会社クラレ製、クラリティLA4285(メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチルトリブロック共重合体、共重合比は、重量換算で50/50)を使用した。この改質剤のガラス転移温度(Tg)(ブロック(i))は115℃、平均屈折率は1.478であった。
(A)層用の材料として上記ポリカーボネート樹脂(PC−1)、(B)層用の材料として上記アクリル系樹脂(PMMA)を、それぞれ、φ65mm単軸押出機、φ40mm2軸押出機に投入し、それぞれ220〜240℃、および、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mm、リップギャップ0.7mmのマルチ口金(設定温度240℃)から共押出したのち、20℃に温調されたキャストロールにて巻き取り、(B)層/(A)層/(B)層の構成の積層光学フィルムを作製した。各層の膜厚は、3.5μm/8μm/3.5μmであった。
各層の膜厚を表1のように変更した以外は、実施例1−1と同様の方法で、積層光学フィルムを作製した。
(A)層用の材料として上記ポリカーボネート樹脂(PC−1)、(B)層用の材料として上記アクリル系樹脂(PMMA)を、それぞれ、φ40mm2軸押出機、φ65mm単軸押出機に投入し、それぞれ220〜240℃、および、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mm、リップギャップ0.7mmのマルチ口金(設定温度240℃)から共押出したのち、20℃に温調されたキャストロールにて巻き取り、(A)層/(B)層/(A)層の構成の積層光学フィルムを作製した。各層の膜厚は、4μm/7μm/4μmであった。
(B)層用の材料として、上記アクリル系樹脂(PMMA)80質量部/上記柔軟性改質剤20質量部のドライブレンド品を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法で、積層光学フィルムを作製した。
(A)層用の材料として、上記アクリル系樹脂(PMMA)をφ65mm単軸押出機に投入し、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mm、リップギャップ0.7mmの単層口金から押出したのち、20℃に温調されたキャストロールにて巻き取り、(B)層からなる、膜厚15μmの単層光学フィルムを作製した。
(B)層用の材料として、上記ポリカーボネート樹脂(PC−1)を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法で、積層光学フィルムを作製した。
一方、比較例1−1は、単層フィルムのため、機械強度が低くなっている。また、比較例1−2は、汎用のポリカーボネート樹脂を使用しているため、積層フィルムにしても光学異方性の大きなフィルムとなっている。
次に、実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−2について説明する。
実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−2に対して、種々の物性等の測定及び評価を次のようにして行った。
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムからガラス転移温度(Tg)(℃)を求めた。なお、Tgの値は、少数第一位を四捨五入して記載した。
実施例および比較例で得られたフィルムについて、JIS K7105に準じてヘーズメーター(日本電色工業(株)社製、商品名:NDH−5000)を用いて、全光線透過率およびヘイズを測定した。また、下記の基準で判定した結果も記載した。
◎:全光線透過率が92%以上
○:全光線透過率が90%以上、92%未満
△:全光線透過率が85%以上、90%未満
×:全光線透過率が85%未満
◎:ヘイズが0.3%以下
○:ヘイズが0.3%を超え、1.0%以下
×:ヘイズが1.0%を超える
実施例および比較例で得られたフィルムからMDおよびTDに幅6mmで切り出し、評価用サンプルとした。JIS K7161に準じて、評価用サンプルを試験速度200mm/分で引張試験を行い、その時の引張伸びを測定した。また、下記の基準で判定した結果も記載した。
◎:伸びがMD、TDともに60%以上
○:伸びがMD、TDともに20%以上、60%未満
×:伸びがMD、TDのいずれかが20%未満
実施例および比較例で得られたフィルムについて、JIS K7128−2に準じて、評価用サンプルのMDおよびTDの引裂強度を測定した。また、下記の基準で判定した結果も記載した。
◎:引裂強度がMD、TDともに6.0kg/cm以上
○:引裂強度がMD、TDのいずれかが6.0kg/cm以上
×:引裂強度がMD、TDともに6.0kg/cm未満
実施例および比較例で得られたフィルムについて、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、商品名:KOBRA−WR)を用いて測定した。また、下記の基準で判定した結果も記載した。なお、Rthは、入射角度0°の時と、40°のときの位相差より算出した。
◎:RO、Rthの絶対値がともに3nm以下
○:RO、Rthの絶対値がいずれか3nmを超え、10nm以下
×:RO、Rthの絶対値がともに10nmより大きい
上記(1)〜(5)の各評価判定で全ての項目が○以上で優れるものを○、1つ以上の項目で×があり劣るものを×とした。
実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−2で用いた主な原料を下記する。
(A−1);アクリル系ブロック共重合体((株)クラレ製、商品名:クラリティLA4285、密度:1.11g/cm3、メタクリル酸メチル重合体ブロック−アクリル酸ブチル重合体ブロック−メタクリル酸メチル重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル=50/50質量%、立体規則性(トリアッド分率):mm(3モル%)、mr(29モル%)、rr(68モル%)、Tg:115℃(HS)、−40℃(SS)、MFR(温度:230℃、荷重:21.2N):31g/10min、分子量(Mw):8×104、Mw/Mn=1.14、平均屈折率:1.4783)
(B−1);アクリル系重合体(住友化学(株)製、商品名:スミペックス MGSS、密度:1.19g/cm3、メタクリル酸メチル=100質量%、立体規則性(トリアッド分率):mm(11モル%)、mr(40モル%)、rr(49モル%)、Tg:108℃、MFR(温度:230℃、荷重:37.3N):10g/10min、平均屈折率:1.4913)
(C−1);特開2008−024919号公報に準じた方法により得られた、ジヒドロキシ化合物であるイソソルビドに由来する単量体単位とトリシクロデカンジメタノールに由来する単量体単位のモル比率がイソソルビド/トリシクロデカンジメタノール=70/30モル%であるポリカーボネート共重合体。密度:1.36g/cm3、Tg:130℃、MFR(温度:230℃、荷重:37.3N):9.6g/10min、平均屈折率:1.5102、光弾性係数:12×10−12Pa−1
(O−1);ホスファイト系酸化防止剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブPEP−36)
表2に示すように、両表面層(I)用として、アクリル系ブロック共重合体(A−1)20質量部とアクリル系重合体(B−1)80質量部および添加剤として酸化防止剤(O−1)0.15質量部の割合で混合した組成物、また、中間層(II)用として、ポリカーボネート系樹脂(C−1)100質量部をそれぞれベント機能とフィルター機能を有する別々の同方向二軸押出機に供給し、樹脂温度220〜255℃で溶融混練し、層(I)/層(II)/層(I)の積層構成となるように、255℃の3層マルチマニホールドダイにて共押出成形した後、エッジピンニング装置を有する50℃の鏡面ロールでキャスト冷却し、総厚みが15.0μm、各層厚みが層(I)/層(II)/層(I)=2.5μm/10.0μm/2.5μmである積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムは外観が良好であり、また平面性にも優れていた。光弾性係数は、5×10−12Pa−1、100℃、100時間での加熱収縮率(MD)は、0.5%以下であった。また、表面層(I)および中間層(II)の平均屈折率は、各々、1.4890と1.5102であった。該積層フィルムを用いて評価した結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2−1において両表面層(I)用として、アクリル系ブロック共重合体(A−1)30質量部とアクリル系重合体(B−1)70質量部に変更した以外は同様にして総厚みが15.0μm、各層厚みが層(I)/層(II)/層(I)=2.5μm/10.0μm/2.5μmである積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムは外観が良好であり、また平面性にも優れていた。光弾性係数は、5×10−12Pa−1、100℃、100時間での加熱収縮率(MD)は、0.5%以下であった。該積層フィルムを用いて評価した結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2−1において両表面層(I)用として、三菱レイヨン(株)製、商品名メタブレンW−377(粒子状のゴムの外部にグラフト層を持ったコアシェルタイプの衝撃強度改質剤、以下、P−1と略記することがある)20質量部とアクリル系樹脂(B−1)80質量部に変更した以外は同様にして総厚みが15.0μm、各層厚みが層(I)/層(II)/層(I)=2.5μm/10.0μm/2.5μmである積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムは、ヘーズが高いものであった。該積層フィルムを用いて評価した結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2−1において両表面層(I)用として、アクリル系重合体(B−1)100質量部に変更した以外は同様にして総厚みが15.0μm、各層厚みが層(I)/層(II)/層(I)=2.5μm/10.0μm/2.5μmである積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムは、透明性に優れているものの、脆いものであった。該積層フィルムを用いて評価した結果を表2に示す。
実施例2−1において中間層(II)用として、ポリカーボネート系樹脂(C−1)100質量部および添加剤として紫外線吸収剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブLA−31)1.4質量部と紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製、商品名:チヌビン1577ED)7.7質量部の割合で混合した組成物に変更した以外は同様にして総厚みが15.0μm、各層厚みが層(I)/層(II)/層(I)=2.5μm/10.0μm/2.5μmである積層フィルムを得た。
該積層フィルムの波長380nmの光線透過率は4.2%であった。さらに、該積層フィルムから100mm角の試験片(n=3)を切り出し、温度60℃、湿度90%RH環境下に500時間曝露した後の光線透過率を測定した。分光スペクトルは、曝露前後でほとんど変化が無く、波長380nmの光線透過率は4.3%であった。
また、温度60℃、湿度90%RH環境下に500時間曝露した前後の寸法変化率(MD)を測定した。0.1%未満であった。
実施例2−1において得られた積層フィルムの片面に引取工程内で自己粘着性を有するマスキングフィルム(東レフィルム加工(株)製、商品名:トレテック7332、厚み:30μm)を外側になるようにニップロールで微粘着させ、6インチABS製コアを用い、ロール状に巻回し、幅1000mm、1000m巻きの巻層体を得た。
次に、参考例3−1〜3−2、実施例3−1〜3−2及び比較例3−1〜3−2について説明する。
参考例3−1〜3−2、実施例3−1〜3−2及び比較例3−1〜3−2においては、種々の物性等の測定及び評価は次のようにして行った。
PVA樹脂(日本合成(株)製、ゴーセネックスZ−200)10重量%の水溶液100gに対し、架橋剤(日本合成(株)製、SPM−02)0.3重量部を混合して水系接着剤を作製した。作製したコーティングフィルムのウレタンコート層を接着面側として、ウレタンコート層に水系接着剤を#24のバーコーターにより塗布し、二軸延伸PVAフィルム(日本合成(株)製、商品名:ボブロン、厚み:40μm)を貼り合わせて100℃、300秒で加熱、乾燥することにより評価用サンプルを作製した。このサンプルを幅20mmで切断した後、万能引張試験器(インテスコ社製、型式:200X)を用いて、テストスピード50mm/分によりT型剥離を実施した。その時の最大剥離強度(N/20mm幅)を測定した。また、最大剥離強度(N/20mm幅)をコート層の塗布厚み(μm)で除算することにより求めた塗布厚み換算の最大剥離強度を下記基準に基づき評価した。
○:塗布厚み換算の最大剥離強度が2N/20mm幅以上
×:塗布厚み換算の最大剥離強度が2N/20mm幅未満
作製したコーティングフィルムのコート面を指触し、下記基準で評価した。
○:タックが無い
×:タックがある
作製したコーティング組成物をテフロン(登録商標)シートに塗布し、100℃で60秒乾燥させることにより評価サンプルを作製した。このサンプルを動的粘弾性測定装置「DVE−V4」(レオロジー社製)を用いることにより動的粘弾性測定を実施し、周波数10Hz、昇温速度3℃/分で引張法により測定した150℃での弾性率から、下記基準により判定した。
○:150℃における弾性率が1.0MPa以上
×:150℃における弾性率が1.0MPa未満
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂としては、住友化学株式会社製のPMMA樹脂「スミペックスMGSS」を用いた。
特開2008−024919号公報に準じた方法で製造した、ジヒドロキシ化合物であるイソソルビドに由来する構造単位とトリシクロデカンジメタノールに由来する構造単位のモル比率がイソソルビド/トリシクロデカンジメタノール=6/4で、ガラス転移温度が126℃である脂環式構造含有樹脂(ポリカーボネート樹脂)を用いた。
(1)基材A
上記のアクリル樹脂をφ65mm単軸押出機に投入し、220〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mmでリップギャップ0.7mmの口金(設定温度240℃)から押出した後、65℃に温調されたキャストロールにて巻き取ることにより、厚み60μmのフィルムを作製した。このフィルムを、コロナ処理装置を用いて積算照射量1000W/m2でコロナ処理した後にMD方向を長手として100mm×200mmに切断することにより、それぞれ、アクリル樹脂フィルム(以下、基材Aと略記)を作製した。
中間層の材料として上記ポリカーボネート樹脂100質量部、表裏層用の材料として上記アクリル系樹脂(PMMA)80質量部とアクリル系ブロック共重合体(クラリティLA4285、メタクリル酸メチル重合体ブロック−アクリル酸ブチル重合体ブロック−メタクリル酸メチル重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル=50/50質量%、Tg:115℃(HS)、−40℃(SS)、MFR(温度:230℃、荷重:21.2N):31g/10min、分子量(Mw):8×104、Mw/Mn=1.14、平均屈折率:1.4783)20質量部の割合で混合した組成物を、それぞれ、φ65mm単軸押出機、φ40mm2軸押出機に投入し、それぞれ220〜240℃、および、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mmでリップギャップ0.7mmのマルチ口金(設定温度240℃)から共押出した後、20℃に温調されたキャストロールにて巻き取ることにより、ポリカーボネート層/アクリル層/ポリカーボネート層の構成のフィルムを作製した。各層の膜厚は、3.5μm/8μm/3.5μmであった。このフィルムを、コロナ処理装置を用いて積算照射量1000W/m2でコロナ処理した後にMD方向を長手として100mm×200mmに切断することにより、積層フィルム(基材Bと略記)を作成した。
中間層の材料として上記ポリカーボネート樹脂、表裏層用の材料として上記アクリル系樹脂(PMMA)を、それぞれ、φ65mm単軸押出機、φ40mm2軸押出機に投入し、それぞれ220〜240℃、および、180℃〜240℃のバレル設定温度にて溶融混練し、幅1350mmでリップギャップ0.7mmのマルチ口金(設定温度240℃)から共押出した後、20℃に温調されたキャストロールにて巻き取ることにより、ポリカーボネート層/アクリル層/ポリカーボネート層の構成のフィルムを作製した。各層の膜厚は、3.5μm/8μm/3.5μmであった。このフィルムを、コロナ処理装置を用いて積算照射量1000W/m2でコロナ処理した後にMD方向を長手として100mm×200mmに切断することにより、積層フィルム(基材Cと略記)を作成した。
水系ポリウレタン系樹脂「レザミンD−6031」(大日精化工業(株)製、固形分(ウレタン系樹脂)30重量%)100重量部に、架橋剤としてメチロール/イミノ基型メラミンホルムアルデヒド樹脂「サイメル701」(オルネクスジャパン(株)製)を6重量部配合し、更に添加剤としてポリビニルアルコール水溶液「マルタイト150」(大成化薬工業(株)製、固形分(ポリビニルアルコール)15重量%)を固形分換算で3重量%となるように配合し、希釈溶媒としてイオン交換水を用いて固形分量20重量%となるように配合した後に混合することによりウレタンコーティング組成物を作製した。このコーティング組成物をバーコーター#8を用いて前記基材Aにコーティングした後、100℃で1分乾燥させることにより基材A上に、表1に示す膜厚のウレタンコート層を形成してなる本発明のコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
前記参考例3−2において、水系ウレタン系樹脂を水系ポリウレタン系樹脂「ユーコート UA−368」(三洋化成(株)製、固形分(ウレタン系樹脂)50重量%)に変更し、メラミン樹脂架橋剤の配合量を20重量部に変更した以外は同様の手法によりコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
前記実施例3−2において、基材Aの代りに基材Bを用いた以外は同様の手法によりコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
前記実施例3−4において、基材Aの代りに基材Cを用いた以外は同様の手法によりコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
前記参考例3−2において、架橋剤をオキサゾリン系架橋剤「エポクロスWS−500」(日本触媒(株)製)20重量部に変更した以外は同様の手法によりコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
前記参考例3−2において、架橋剤をオキサゾリン系架橋剤「エポクロスWS−500」(日本触媒(株)製)40重量部に変更した以外は同様の手法によりコーティングフィルムを作製した。このコーティングフィルムについて各種評価を実施した。
一方、メラミン樹脂系の架橋剤を用いた参考例3−1、3−2では、接着性と架橋性に優れた特性を示した。積層フィルムを基材とした実施例3−1、3−2においてもその効果が発現されている。
Claims (13)
- 中間層と表裏層の少なくとも3層を有し、前記中間層は、前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層であり、前記表裏層は、前記アクリル系樹脂を主成分とする層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層光学フィルム。
- 中間層と表裏層の少なくとも3層を有し、前記中間層は、前記アクリル系樹脂を主成分とする層であり、前記表裏層は、前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層光学フィルム。
- 積層光学フィルムの総厚みが20μm以下であり、かつ、JIS K7128−2に準拠して測定した引裂強度が5.0kg/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の積層光学フィルム。
- 積層光学フィルムの総厚みに対する、前記ポリカーボネート樹脂を主成分とする層の厚みの割合が、50%を超え80%以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の積層光学フィルム。
- 前記アクリル系樹脂を主成分とする層は、柔軟性改質剤を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の積層光学フィルム。
- 前記柔軟性改質剤が、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が100℃以上のハードセグメント(HS)と、少なくともメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルに由来する単量体単位のうち一種を含みガラス転移温度が20℃以下のソフトセグメント(SS)と、を有するアクリル系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項7に記載の積層光学フィルム。
- 前記積層光学フィルムの少なくとも片面に、ウレタン系樹脂とメラミン樹脂系架橋剤を含有する水系ウレタン系樹脂組成物よりなるコート層を備えた請求項1〜8の何れかに記載の積層光学フィルム。
- 前記メラミン樹脂系架橋剤が、イミノ基型及び/またはメチロール基型のメラミン系樹脂を含有するものであることを特徴とする、請求項9に記載の積層光学フィルム。
- 請求項9又は10に記載の積層光学フィルムの前記コート層に、接着剤層を介して偏光膜を接着してなる構成を備えた偏光板。
- 前記接着剤層は、水系接着剤からなることを特徴とする請求項11に記載の偏光板。
- 請求項11又は12に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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