JP6762621B2 - 接合具、接合構造、および接合方法 - Google Patents

接合具、接合構造、および接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、接合具、接合構造、および接合方法に関する。更に詳しくは、柱材と横架材を組み合わせる軸組工法において、従来の接合具を使用した接合構造よりも、被接合部材間を高い強度で接合することができる接合具、接合構造、および接合方法に関する。
従来から、木造建築において、柱材と、梁、桁等の横架部材を接合するために、金属プレート等の各種の接合具が使用されている。このような接合具としては、例えば、下記非特許文献1に示す、いわゆる羽子板ボルトが提案されている。
図17に示す羽子板ボルト9は、ボルト91を介して相互に引き寄せあうことが可能な接合具であり、本体92に設けられた孔にコーチスクリュー93を通し、コーチスクリュー93を柱材94あるいは横架部材95に螺挿することで、柱材94と横架部材95の組み合わせからなる軸組(接合構造)が外れないように固定するものである。
ウィキペディア 羽子板ボルト インターネット<URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E5%AD%90%E6%9D%BF%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88>
ところで、近年、日本では比較的大きな地震が頻発しており、前述の羽子板ボルト9程度の簡易な接合具では、強い横揺れの際に接合具が破損する、あるいは、ボルト91やコーチスクリュー93が周囲の柔組織ごと剥脱する、といった事例が見受けられる。
一方、平成28年度の国内戸建住宅・工法別シェアでは、「木造軸組工法等」の割合が70.9%であると共に、「2×4工法」割合が11.0%である。すなわち、両工法を合わせた木造住宅の割合は81.9%にも達しており、特殊な事情が無い限り、今後も多くの木造住宅が建造されることが予想される。
今後も地震活動が活発化するおそれが指摘されている現況下においては、木造を含む軸組工法において、耐震性を向上させた新たな接合具や接合構造の早急な開発が望まれていた。
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、柱材と横架材を組み合わせる軸組工法において、従来の接合具を使用した接合構造よりも、被接合部材間を高い強度で接合することができる接合具、接合構造、および接合方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明の接合具は、所定の剛性材料で形成され、底板部および底板部から立ち上げて形成された所要数の側板部を有し、底板部の対向方向に側板部で囲まれた開口部が形成されると共に、底板部および側板部の外面に接合部材が接合可能な接合部を有する、中空構造の本体と、所定の剛性材料で形成され、本体の内部に収容可能で、収容状態において外部に露出する外面に接合部材が接合可能な接合部を有し、底板部または側板部、あるいは、その両方に当接して固定可能な支持体とを備える。
ここで、本発明の接合具は、本体が、所定の剛性材料で形成された底板部と側板部を有することにより、中空構造の箱型(開口部を有する有底箱型)となり、圧縮力、剪断力、引っ張り力等(以下、「外力」という)による変形が起きにくくすることができる。また、本体が有する接合部としては、例えば、ボルトとナットのような締着具(以下、例示の際には単に「締着具」という)等を介して、底板部あるいは側板部の外面に接合部材を接合することができる。
「所定の剛性材料」としては、例えば、ステンレススチール等の金属材料が挙げられるが、これに限定するものではなく、合成樹脂や炭素繊維、セラミックス等の材料であってもよいし、これらを組み合わせた複合材料であってもよい。
「側板部」は、接合する接合部材の数や接合方向に応じて数や形状を適宜設定可能であり、例えば、三面、四面、またはそれ以上の複数面から構成されるものが挙げられるが、これに限定するものではなく、円筒形や楕円筒形等の形状であってもよい。また、「底板部」は、例えば、側板部の形状に合わせて、三角形、四角形、またはそれ以上の多角形、円筒形や楕円筒形等の形状で構成される。
「接合部材」としては、接合具の上方または下方に配置される柱材、あるいは、柱材に対して交差方向に配置される梁、桁等の横架材が挙げられ、更には、接合具の一部にパネル材等を接合することもできる。また、接合部材としては、例えば、丸太や角材等の木材が挙げられるが、これに限定するものではなく、金属材、合成樹脂材、竹材、石質材等の素材によるもの、または、これらを組み合わせた複合材料であってもよい。
そして、本発明の接合具は、支持体を備えることにより、本体への収容状態で外部に露出する外面が、開口部(底板の対向方向)への蓋板となり、これにより、本体の開口部が形成された位置にも接合部を設けることができる。この接合部(例えば前述の接続具等)を介して、外面の接合部に接合部材を接合することができ、支持体が本体の内部に収容された収容状態において、接合具の全ての外面(底板部の外面、側板部の外面および、支持体における外面)に接合部材を接合可能な構造にすることができる。
更に、支持体は、底板部または側板部、あるいは、その両方に当接して固定することができる。この固定の態様としては、例えば、蓋板部の裏面に設けられて本体内に挿入可能な支持部によって、底板部または側板部、あるいは、その両方に当接支持される態様であってもよいし、本体の開口部口縁に形成された切欠部に支持体周縁が嵌着して支持される構造、あるいは、前述の構造の組み合わせ等であってもよい。
本体と支持体を組み合わせた立体構造である本発明の接合具は、従来のプレート状の接合具等と比較すると、本体と支持体が一体となって強度が向上している。このため、例えば、柱材と横架材等の2以上の接合部材の間に配設された状態で、地震等による外力が加わったとしても、接合具は容易に変形あるいは破損することがなく、引き続き接合部材間を高い強度で接合することができる。
更に、本発明の接合具は、内部に中空領域を有する構造であるため、中実構造の接合具と比較して重量が軽減されている。このため、本発明の接合具は、接合具が上端に配設された柱材において、生じる長期応力および短期応力を軽減することができる。
特に短期応力に関しては、一般的に、建築物は、上部の重量が重いほど短期応力の影響が大きく、具体的には、地震時の揺れ(短期応力)が大きくなって破損が起こりやすい傾向があるが、本発明の接合具は、充分な剛性を有しつつも軽量化されているため、配設された柱材において、地震等の外力で生じる水平方向等の様々な方向への応力を軽減することができる。
更にまた、本発明の接合具は、本体と支持体が分離できるため、施工時において、本体に接合部材を接合させた後に、接合部材を接合させた支持体を取り付けることができ、工程を分けて作業できるため、作業性が良い。
また、支持体が、蓋板部、および、蓋板部の裏面に設けられた、本体内に挿入可能な支持部を有し、支持部は、本体内への収容状態で本体の内面で当接支持される形状である場合は、挿入された支持部が本体の内面に当接支持されることによって、接合具の変形抑制力を向上させることができる。なお、「本体の内面」は、本体を構成する底板部または側板部のいずれか一方の内面であってもよいし、両方の内面であってもよい。
例えば、蓋板の外面が上方向を向くように配設した場合、接合部材から加わる鉛直荷重による蓋板の変形を抑制することができる。加えて、この配設態様において、支持部は、水平荷重に対する補強材にもなり、本体、特に側板の変形を抑制することができる。つまり、支持部は、接合具全体の変形抑制力を向上させることができる。
また、接合部が、板厚方向に貫通した接続具挿通孔により構成されている場合は、接続具挿通孔に接続具を挿通することができ、この接続具を以て、接合部材と接合具とを接合することができる。なお、「接続具挿通孔」は、内面に加工が無い孔であってもよいし、雌ネジが螺刻された孔等であってもよい。
そして、本発明の接続具の外面を構成する各板に接続具挿通孔が形成されていることよって、締着具等の接続具を挿通することができ、この接続具を以て、各板の外面に接合部材を接合することができる。なお、接合部材の接合は、底板部等の各板の全てに対して行ってもよいし、底板部等の各板の外面の中から選択された外面に対して行ってもよい。
例えば、本発明の接合具の使用態様としては、底板部の外面に建物の基礎部から起立した柱材を接合し、側板部の外面に横架材を接合し、かつ、支持体の外面へ上方向に配置される他の柱材を接合する態様が挙げられる。一方、他の使用態様として、底板部の外面と支持体の外面に各々柱材を接合した態様、底板部の外面に柱材を接合し、かつ、側板部の外面に横架材を接合した態様、または、複数の側板部を有する場合に、少なくとも2つの側板部の外面の各々に横架材を接合した態様、のように、用途に応じて、接合部材を接合する部分を選択することができる。
つまり、本発明の接合具は、汎用性が向上しており、一つの形態で様々な用途や施工方法に対応することができ、利便性が良い。
また、本体に、前記支持体を固定する固定具を挿通可能な固定具挿通孔が形成されている場合は、固定具挿通孔に固定具を挿通することができ、この固定具を以て、本体に取り付けた支持体の離脱を抑制することができる。
本体から支持体が離脱しないことで、例えば、地震等による外力が加わったとしても、本発明の接合具を使用した接合構造が破損することを抑制することができる。また、例えば、本体の開口部が側方または下方を向いた態様で使用したとしても、支持体が外れないようにすることができる。つまり、本発明の接合具は、汎用性が更に向上しており、一つの形態で様々な用途や施工方法に対応することができ、利便性が良い。
上記の目的を達成するために本発明の接合構造は、所定の剛性材料で形成され、底板部および底板部から立ち上げて形成された所要数の側板部を含み、底板部の対向方向に側板部で囲まれた開口部が形成されると共に、底板部および側板部から選択された外面に接合部材が接合可能な接合部を含む、中空構造の本体、および、所定の剛性材料で形成され、本体の内部に収容可能で、収容状態において外部に露出する外面に接合部材が接合可能な接合部を含み、底板部または側板部、あるいは、その両方に当接して固定可能な支持体、を有する接合具と、本体の接合部または支持体の接合部から選択された2以上の接合部を介して接合された、複数の接合部材とを備える。
ここで、本発明の接合構造は、接合具の本体が、所定の剛性材料で形成された底板部と側板部を有することにより、中空構造の箱型となり、外力による変形が起きにくくすることができる。また、本体は、接合部を介して、底板部あるいは側板部の外面に接合部材を接合することができる。
そして、本発明の接合構造は、接合具が支持体を有することにより、本体への収容状態で外部に露出する外面が、開口部(底板の対向方向)への蓋板となり、これにより、本体の開口部が形成された位置にも接合部を設けることができる。この接合部(例えば前述の接続具等)を介して、支持体外面の接合部に接合部材を接合することができ、支持体が本体の内部に収容された収容状態において、接合具の全ての外面(底板部の外面、側板部の外面および、支持体における外面)に接合部材を接合可能な構造にすることができる。
更に、支持体は、底板部または側板部、あるいは、その両方に当接して固定することができる。なお、この固定の態様については、前述の通り、本体内に挿入可能な支持部によって当接支持される態様等が挙げられる。
本体と支持体を組み合わせた立体構造である接合具は、従来のプレート状の接合具等と比較すると、本体と支持体が一体となって強度が向上している。このため、例えば、柱材と横架材等の2以上の接合部材の間に配設された状態で、地震等による外力が加わったとしても、接合具は容易に変形あるいは破損することがなく、引き続き接合部材間を高い強度で接合することができる。
更に、本発明の接合構造は、接合具が内部に中空領域を有する構造であるため、中実構造の接合具と比較して重量が軽減されている。このため、本発明の接合構造は、接合具が上端に配設された柱材において、生じる長期応力および短期応力を軽減することができる。つまり、接合具が充分な剛性を有しつつも軽量化がなされているため、配設された柱材において、地震等の外力で生じる水平方向等の様々な方向への応力を軽減することができる。
更にまた、本発明の接合構造は、接合具の本体と支持体が分離できるため、施工時において、本体に接合部材を接合させた後に、接合部材を接合させた支持体を取り付けることができ、工程を分けて作業できるため、作業性が良い。
そして、本発明の接合構造は、複数の接合部材が、接合具の底板部の外面、側板部の外面、または支持体の外面の中から選択された2以上の外面に接合されることにより、建物における柱梁等のフレームを構成することができる。
「接合部」としては、例えば、接合具と接合部材との間において、いずれか一方に軸部に雄ネジが形成されたネジ部材が設けられ、かつ、他方にネジ部材を螺着可能なネジ孔が設けられた態様が挙げられるが、これに限定するものではなく、各種の公知の接続具を適用することができる。なお、前述の用語「所定の剛性材料」、「側板部、「底板部」および「接合部材」については、先に行った接合具での説明と同じ意味であり、説明を省略する。
また、接合具が、接合部材によって掩蔽されている場合は、接合構造の見た目が良くなり、かつ、耐火性能を向上させることができる。
例えば、本発明の接合構造が、接合具が金属製で接合部材が木材であると共に、室内空間に露出する態様にした場合、接合具が接合部材で掩蔽されることによって、本発明の接合構造は木材のみで組まれたかのような外観となり、設置空間内に、木材の醸し出す落ち着きや癒し、あるいは、優美な外観を提供することができる。
ところで、接合構造が金属製の接合具と木材の接合部材からなり、接合具が外面に露出した態様である場合、火災の際に、室内が高温雰囲気下であっても直接炎が当たらなければ、接合部材は表面から徐々に炭化して即時に崩落しないが、接合具は短時間で高温となる。高温となった接合具は、当接する接合部材の接合面およびその近傍を炭化させ、炭化した接合具近傍の接合面は、接合構造全体の荷重を支えきれなくなる。この結果、接合部材の燃焼による全体損壊よりも早く、接合具近傍の損壊が起き、建物の崩落に繋がる傾向があった。
しかしながら、本発明の接合構造によれば、接合具が接合部材によって掩蔽されていることによって、火災時においても接合具が高温となることを抑制し、接合部材の燃焼による損壊よりも早く接合具近傍部分が損壊することを抑制することができる。
「接合具が接合部材によって掩蔽される」とは、接合部材によって接合具が外観に現れない設計であり、例えば、接合具のサイズを接合部材の接合面よりも小さく設定してもよいし、接合部材同士を接合する面を適宜形状に切欠し、切欠部の縁面を密着させて、接合部に接合具につながる開口が形成されないようにして、この切欠等で接合具が隠れるように設定してもよい。
また、接合部材が、木製の柱材または横架材である場合は、建物に本発明の接合構造による木造軸組工法を適用することができる。そして、例えば、本発明の接合構造が、室内空間に露出する態様にした場合、設置空間内に、木材の醸し出す落ち着きや癒し、あるいは、優美な外観を提供することができる。
また、接合部が、板厚方向に貫通した接続具挿通孔が形成され、接続具挿通孔に挿通された接続具を以て、接合部材と接合具とが接合される構造である場合は、接続具挿通孔に挿通した接続具によって、底板部等の外面に接合部材を接合することができる。なお、前述の用語「接続具挿通孔」、「接続具」については、先に行った接合具での説明と同じ意味であり、説明を省略する。また、接合部材の接合は、底板部等の全てに対して行ってもよいし、底板部等の外面の中から選択された2以上の外面に対して行ってもよい。
例えば、本発明の接合構造の態様としては、底板部の外面に建物の基礎部から起立した柱材を接合し、側板部の外面に横架材を接合し、かつ、支持体の外面へ上方向に配置される他の柱材を接合する態様が挙げられる。一方、他の使用態様として、底板部と支持体の外面に各々柱材を接合した態様、底板部の外面に柱材を接合し、かつ、側板部の外面に横架材を接合した態様、または、複数の側板部を有する場合に、少なくとも2つの側板部の外面の各々に横架材を接合した態様、のように、用途に応じて、接合部材を接合する部分を選択することができる。
つまり、本発明の接合構造は、用途や施工方法に応じて接合部材を選択的に接合することができる構造であって、汎用性が向上しており、利便性が良い。
また、接続具が、軸部に雄ネジが形成されたネジ部材であり、接合部材が、接合具との接合面にネジ部材を螺着するネジ孔が形成されていると共に、ネジ孔の口縁には、本体あるいは支持体の外面と同程度以上の強度の剛性材料で形成された所定幅の周縁部が、接合面から突出した態様で設けられている場合は、設けられた周縁部によって、接合面における初期剛性が向上すると共に、接続部材の軸方向と交差する方向へ応力が生じた際に、接合部材の接合面の変形を抑制することができる。
例えば、接合部材として木材を使用する場合の課題として、木材が一般的に圧縮に弱く、所定の剛性を有する接合具との接合面(木口面等であり、比較的軟らかい)において剪断力(接続具の軸方向と交差する方向へ応力)が生じた場合、圧縮応力で接合具が接合部材の接合面を変形させることがあり、初期剛性を上げることが難しかった。
しかしながら、前述の構成の周縁部が設けられた本発明の接合構造によれば、接合具の外面には周縁部が当接することになり、これによって、接合部材に剪断力が加わった際にも、硬質な接合具の外面が、軟質な木口面に食い込むこと無く、応力を周縁部で受けるため、当該箇所の剛性が向上し、接合面の変形を抑制することができる。
加えて、本発明の接合構造の接合部がネジ部材とネジ孔によるものである場合、前述した周縁部による剛性向上および接合面の変形抑制によって、より高い引き抜き強度が得られる。
「軸部に雄ネジが形成されたネジ部材」としては、例えば、ボルトやネジが挙げられるが、これに限定するものではなく、寸切りボルト等であってもよい。
「接合面から突出した態様」としては、例えば、接合部材の接合面(木口面等)から0.5mm突出した態様が挙げられるが、これに限定するものではなく、0.1mm〜1mm程度突き出す態様であってもよい。なお、0.1mm未満であると、接合面の変形抑制効果が現れにくいので、好ましくない。また、1mmを超えると、接合具の外面と離れすぎて、周縁部近傍で応力集中が起きるおそれがあるため、好ましくない。
「本体あるいは支持体と同程度以上の強度の剛性材料で形成」とは、例えば、周縁部の構成材に本体あるいは支持体と同一の構成材を使用することが挙げられるが、これに限定するものではなく、周縁部の構成材として本体あるいは支持体よりも硬質な構成材を採用してもよい。なお、周縁部の構成材として本体あるいは支持体よりも若干軟質な(剛性が低い)構成材を採用することを除外するものではないが、前述した接合面の変形抑制効果を鑑みると、好ましくない。
上記の目的を達成するために本発明の接合方法は、所定の剛性材料で形成された底板部と側板部を有し、底板部の対向方向に側板部で囲まれた開口部が形成された中空構造の本体、および、所定の剛性材料で形成され、本体に取り付け可能であると共に、本体への取り付け状態で底板部の対向方向に配置される蓋板部を含む構造の支持体を有する接合具に対し、接合部を介して、底板部の外面、側板部の外面または蓋板部の外面の中から選択された2以上の外面へ複数の接合部材を接合して行うものである。
ここで、本発明の接合方法は、接合具の本体が、所定の剛性材料で形成された底板部と側板部を有することにより、中空構造の箱型となり、外力による変形が起きにくくすることができる。また、本体は、接合部を介して、底板部あるいは側板部の外面に接合部材を接合することができる。
そして、本発明の接合方法は、接合具が支持体を有することにより、本体への取り付け状態で外部に露出する外面が、開口部(底板の対向方向)への蓋板となり、これにより、本体の開口部が形成された位置にも接合部を設けることができる。この接合部(例えば前述の接続具等)を介して、支持体外面の接合部に接合部材を接合することができ、支持体を本体に取り付けた状態において、接合具の全ての外面(底板部の外面、側板部の外面および、支持体における外面)に接合部材を接合可能な構造にすることができる。
更に、支持体は、本体に取り付けることができ、この取り付けの態様については、前述の通り、本体内に挿入可能な支持部によって当接支持される態様等が挙げられる。
本体と支持体を組み合わせた立体構造である接合具は、従来のプレート状の接合具等と比較すると、本体と支持体が一体となって強度が向上している。このため、本発明の接合方法によれば、例えば、柱材と横架材等の2以上の接合部材の間に配設された状態で、地震等による外力が加わったとしても、接合具は容易に変形あるいは破損することがなく、引き続き接合部材間を高い強度で接合することができる。
更に、本発明の接合構造は、接合具が内部に中空領域を有する構造であるため、中実構造の接合具と比較して重量が軽減されている。このため、本発明の接合方法によれば、接合具が上端に配設された柱材において、生じる長期応力および短期応力を軽減することができる。つまり、接合具が充分な剛性を有しつつも軽量化がなされているため、配設された柱材において、地震等の外力で生じる水平方向等の様々な方向への応力を軽減することができる。
更にまた、本発明の接合方法によれば、接合具の本体と支持体が分離できるため、施工時において、本体に接合部材を接合させた後に、接合部材を接合させた支持体を取り付けることができ、工程を分けて作業できるため、作業性が良い。
そして、本発明の接合方法によれば、複数の接合部材が、接合具の底板部の外面、側板部の外面または支持体(蓋板部)の外面の中から選択された2以上の外面に接合されることにより、建物における柱梁等のフレームを構成することができる。
なお、前述の用語「所定の剛性材料」、「側板部」、「底板部」「接合部材」、および「接合部」については、先に行った接合具および接合構造での説明と同じ意味で使用しており、説明を省略する。
本発明によれば、柱材と横架材を組み合わせる軸組工法において、従来の接合具を使用した接合構造よりも、被接合部材間を高い強度で接合することができる接合具、接合構造、および接合方法を提供することができる。
本発明に係る接合具の一実施の形態を示し、(a)は上方から見た斜視図、(b)は分解斜視説明図である。 図1に示す接合具の本体であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。 図2に示す本体であり、(a)は平面図、(b)は図2(b)におけるA−A断面図である。 図2に示す本体であり、(a)は図2(b)におけるB−B断面図、(b)は図2(b)におけるC−C断面図である。 図1に示す接合具の支持体であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。 図1に示す接合具における本体と支持体の固定構造を示すと共に、接合具と接合部材との取り付け態様を示す正面視説明図である。 本発明の接合構造を示す斜視図であり、(a)は6面全てに接合部材が接合された態様、(b)は3つの側面と上下面の合計5面に接合部材が接合された態様、(c)は2つの側面と下面の合計3面に接合部材が接合された態様である。 図7(a)に示す接合構造であり、(a)は上方から見た分解斜視説明図、(b)は下方から見た分解斜視説明図である。 図7(a)に示す接合部材を接合面側から見た斜視図である。 図9に示す接合部材の構造を示す断面視説明図である。 図6に示す蓋板部と接合部材の接合箇所の一部拡大説明図である。 図9に示す接合部材の接合面側の加工手順を示す説明図である。 接合部材の接合面の形成手順を示すフローチャートである。 本発明の変形例を示し、(a)は接合具の側板部の配置が平面視三角形である態様(変形例1)であり、(b)は接合具の側板部の配置が平面視五角形である態様(変形例2)である。 本発明の変形例を示し、接合具の側板部の配置が平面視円形である態様(変形例3)である。 本発明の変形例を示し、接合部材の接合面の他の態様(変形例4)である。 非特許文献1記載の従来技術を示しており、(a)は羽子板ボルトの斜視図、(b)は羽子板ボルトの使用状態説明図である。
図1ないし図16を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、以下の説明は、〔接合構造〕、〔接合具〕、〔接合部材〕、〔接合方法〕、〔接合部材の接合面の加工方法〕の順序により行う。また、各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする必要な範囲内で付しており、同一符号が付される複数の同等物についてはその一部にのみ符号を付す場合がある。
〔接合構造〕
図6乃至図8に示すように、接合構造1は、接合具2と接合部材3により構成されている。接合具2と接合部材3については、以下詳述する。
〔接合具〕
図1(a)を参照する。接合具2は、立方体であって角部が面取りされた形状であり、本体21と、支持体23を備える。接合具2は、ステンレススチール製であるが、前述の通り他の剛性材料であってもよく、その場合「剛性材料」は難変形性を有すると共に、耐候性を有する材料であることが好ましい。
図1乃至図4、図6を参照し、本体21について説明する。本体21は、底板部211と、底板部211の周縁から立設した4面の側板部212a、212b、212c、212d(以下、まとめて説明する際には「212a〜d」という)とにより構成され、そして、底板部211の対抗方向が開口した(当該部分を以下「開口部215」という)中空構造である。
なお、底板部211および側板部212a〜dは、面取りされた角部を除き、外面が平坦に構成されている。
側板部212a〜dの開口部215に沿った領域には、上部面取り部分216a、216b、216c、216d(以下、まとめて説明する際には「216a〜d」という)が形成されている。より詳しくは、側板部212aには上部面取り部分216aが、側板部212bには上部面取り部分216bが、側板部212cには上部面取り部分216cが、側板部212dには上部面取り部分216dが、それぞれ形成されている。
側板部212a〜dの底板部211に沿った辺部には、下部面取り部分217a、217b、217c、217d(以下、まとめて説明する際には「217a〜d」という)が形成されている。より詳しくは、側板部212aには下部面取り部分217aが、側板部212bには下部面取り部分217bが、側板部212cには下部面取り部分217cが、側板部212dには下部面取り部分217dが、それぞれ形成されている。
上部面取り部分216a〜dの幅方向略中央と下部面取り部分217a〜dの幅方向略中央には、後述する固定具5を取り付け可能な固定具用ネジ孔218(前述の「固定具挿通孔」に相当)が各々1つ(合計8つ)形成されている(図2参照)。なお、固定具5は、本体21から支持体23が離脱しないように固定する部材であり、本実施形態ではイモネジを採用している(図6参照)が、これに限定するものではなく、支持体23を離脱不能に固定可能であれば、各種の止めネジ等の部材であってもよい。
固定具用ネジ孔218は、孔壁に雌ネジが螺刻された孔であり、側板部212a〜dの外面から内面まで貫通し、後述するリブ214a等に重複する位置に穿設されている(特に図2(a)、図3(a)参照)。また、固定具用ネジ孔218の各々は、上部面取り部分216a〜dあるいは下部面取り部分217a〜dと直交する方向に穿設されており、上部面取り部分216a〜dの設けられた孔の方向は、本体21の中心に向かって下り傾斜しており、下部面取り部分217a〜dの設けられた孔の方向は、本体21の中心に向かって上り傾斜している(特に図4(a)参照)。
なお、固定具用ネジ孔218は、接合具2と接合部材3の接合に使用するほか、例えば、接合構造1において対角位置にある他の接合具2との間で、必要に応じて、垂直ブレースのような補強材等の接続部分を取り付けることも可能であり、接合構造1の補強等のために使用することができる。
側板部212aと側板部212bが接合する角部、側板部212bと側板部212cが接合する角部、側板部212cと側板部212dが接合する角部、および、側板部212dと側板部212aが接合する角部、には縦方向の面取り部分(符号省略)が、それぞれ形成されている。
各縦方向の面取り部分の高さ方向略中央には、本体21の内外方向に貫通すると共に、孔壁に雌ネジが螺刻された、予備孔219が穿設されている。なお、予備孔219は、接合具2と接合部材3の接合に直接的に使用するものではないが、例えば、接合構造1において対角位置にある他の接合具2との間で、必要に応じて、水平ブレースのような補強材等の接続部分を取り付け可能な孔であり、接合構造1の補強等のために使用することができる。また、長尺なイモネジ等を、その先端が支持部232に当たるまで螺挿することで、後述する支持体23の支持部232を斜め方向から支持することも可能である。
底板部211および側板部212a〜dには、板厚方向に貫通した接続具挿通孔213が形成されている。接続具挿通孔213は、底板部211等において、各角方向寄りに1つずつ(合計4箇所)形成されている。そして、各接続具挿通孔213は、内面に加工が無い孔であって、後述する接続ボルトの軸部よりも僅かに径大な孔径に形成され、挿通した軸部との間でガタつきが出ないようにしてある。
本体21の内部空間には、側板部212a〜dの各々の内面から底板部211上面の一部に沿ってリブ214a、214b、214c、214d(以下、まとめて説明する際には「214a〜d」等という)が形成されている。すなわち、本体21の内部空間に形成されたリブは、側板部毎に1条(合計4条)形成されている。
更に詳しくは、リブ214aは、側板部214aの内面の高さ方向(開口部215から底板部211上面)に亘って形成された略L字状である。また、リブ214aにおいて、本体21の内部空間中央側に面した端面は、鉛直方向に垂下し、途中から底板部211の中央方向へ下り傾斜した形状である。なお、リブ214b〜dについては、同様の構成であるため、個別の説明は省略する。
図1、図4および図6を参照し、支持体23について説明する。支持体23は、蓋板部231と、蓋板部231の内面に設けられ、本体21の内部空間(中空領域)に挿入可能な大きさの支持部232を有する。
蓋板部231は、外面が平坦であり、本体21の開口部215(すなわち、底板部211の対向方向)を閉塞可能な大きさ、かつ、底板部211および側板部212a〜dよりも僅かに厚い厚さ(底板部等の厚さの1.5〜1.6倍程度)に形成されている。
蓋板部231は、平面視で概略正方形であり、各辺の略中央部分に、蓋板部の中心方向に窪んだ形状の第1切欠部233が形成され、各第1切欠部233が、本体21の開口部215に形成されたリブ214a〜dの上端と係合可能に構成されている。
蓋板部231には、板厚方向に貫通した接続具挿通孔234が形成されている。接続具挿通孔234は、蓋板部231において、中央から各角方向寄りに1つずつ(合計4箇所)形成されている。また、接続具挿通孔234は、各孔の軸心方向と支持部232が重ならないように配設されている。
各接続具挿通孔213は、内面に加工が無い孔であって、後述する接続ボルトの軸部よりも僅かに径大な孔径に形成され、挿通した軸部との間でガタつきが出ないようにしてある。
支持部232は、隣接する片部が軸心部分で直交する、略十字柱形状である。支持部232は、先端面235が底板部211の上面に当接する長さであると共に、各側端面(側端面236)がリブ214a〜dの端面と当接する幅に設けられている。
支持部232は、各片部において、軸方向に傾斜して形成された、第2切欠部237と第3切欠部238を有している。
第2切欠部237は、蓋板部231との固着箇所近傍に形成されている。支持部232の中心軸方向へ切り欠かれた形状で、第2切欠部の一番深い隅部分が略直角に形成されている。
第3切欠部238は、支持部232の軸方向先部に形成されており、側端面236から先端面235方向へ傾斜している。つまり、第3切欠部は、本体21内に支持部232が挿入した状態において、リブ214a〜dの下方にある傾斜した端面(換言すると、本体21の内面)に当接支持される形状に設けられている。
本実施の形態では、前述の「接続具」として、長手方向に雄ネジが螺刻された軸部41を有し、六角のネジ頭を有する接続ボルト4を使用している。
〔接合部材〕
接合部材3は、無垢材の磨き丸太である柱材31a、31b(以下、まとめて説明する際には「31a〜b」という)と横架材32a、32b、32c、32d(以下、まとめて説明する際には「32a〜d」という)により構成され、接合具2と組み合わせることで、建物に木造軸組工法を適用することができる。接合部材3は、両方の端面(すなわち木口面)が接合面35を構成し、接合具2との接合箇所となる。接合面35については以下で詳述する。
また、柱材31a〜bと横架材32a〜dは、無垢材の磨き丸太であり、乾燥による割れ防止のため、木口面から所定の深さ、および長さの背割り33が形成されている。
なお、図6、図7(a)、図8においては、接合具2の全ての面に接合部材3が接合された態様であるが、前述の通り、接合部材3は、接合具2の底板部211の外面、側板部212a〜dの外面または蓋板部231の外面の中から、施工者等が所望し選択する2〜5つの外面に接合することができる。
これによって、所望する接合構造で柱梁等を構成することができ、構成例としては、例えば、図7(b)に示すように、接合具2の3つの側面と上下面の合計5面に接合部材3が接合された態様、または、図7(c)に示すように、接合具2の2つの側面と下面の3面に接合部材3が接合された態様が挙げられる。
より詳しくは、図7(b)では、側板部212aに横架材32aが、側板部212bに横架材32bが、側板部212cに横架材32cが、蓋板部231に柱材31aが、底板部211に柱材31bが、各々接合されている。また、図7(c)では、側板部212bに横架材32bが、側板部212cに横架材32cが、底板部211に柱材31bが、各々接合されている。
柱材31a〜bと横架材32a〜dは、木口面近傍の周面から、接合面となる木口面に向かって所定角度でカットしたカット面34が形成されている。本実施の形態では、カット面34は、接合面が正方形になるように四方向から、合計4面が形成されている。なお、各カット面34は、幅方向略中央に、傾斜に沿ってカット面34の全長に亘る、1条の切欠溝341が形成されている(図9参照)。
カット面34が形成されていることにより、柱材31a〜bあるいは横架材32a〜dを接合具2に接合した際に、柱材31a〜bおよび横架材32a〜dの隣接するカット面34が略相対し、先端側が密着することで、組み継ぎ工法のように接合面近傍を見えなくする(すなわち、接合部材3によって接合具2を掩蔽する)ことができる。
切欠溝341は、事前に、または、接合具2と接合した後に形成され、柱材31a〜bあるいは横架材32a〜dの接合によって隠れる接合具2の固定具用ネジ孔218および予備孔219の孔口が利用できる(すなわち、固定具5を螺挿できる)位置、深さであり、かつ、柱材31a等の美観を損ねないように極力狭い幅(固定具5よりも僅かに幅広)に形成されている(特に図6、図8および図9参照)。
なお、接合具2が接合部材3によって外観に現れないようにするため、接合部材3は、その木口の直径が接合具2の縦横の寸法の1.2〜2倍程度であることが好ましい。なお、1.2倍未満であると、接合部材3で接合具2が掩蔽されにくくなるため、好ましくない。また、2倍を超えると、接合部材3の接合面全体に対して、接合具2と接合部材3との接合面の面積比の差が大きくなって剪断力等の外力に対抗しきれなくなり、接合強度が低下するおそれがあるためである。
図6、図8および図9を参照して、接合面35について説明する。なお、図9では、横架材32aの接合面35を示しているが、柱材31a〜bと横架材32a〜dの両端面に構成された接合面は、概ね共通する構成であるため、個別の説明を省略する。横架材32aは自然物であるため、太さ等の多少の大小はあるが、後述する接続ボルト4を螺挿する接続具用ネジ孔36等の配置は同じである。
接合面35は、正面視で概略正方形であり、各辺の略中央に、切欠溝341の端部が現れている。また、図9で接合面35の上辺から接合面35中央に掛けて、鉛直方向に背割り33の端部が現れている。
接合面35には、横架材32aの軸方向に沿った接続具用ネジ孔36が形成されている。接続具用ネジ孔36は、接合面35において、各角方向寄りに1つずつ(合計4箇所)形成されている。そして、各接続具用ネジ孔36の配置は、接合具2の側板部212aに形成された各接続具挿通孔213と重複し連通するようになっている(特に図6、図9を参照)。
接続具用ネジ孔36は、接合面35に穿設された固定孔351に嵌挿した長ナット361で構成されている。そして、長ナット361は、その基端が接合面35から約0.5mm突出した態様で取り付けられ、突出した長ナット361の端面が前述の「所定幅の周縁部」を構成している(以後、接合面35に現れた長ナット361の端面を「周縁部362」という)。なお、長ナット361はステンレススチール製であり、本体を構成するステンレススチールと同程度の強度の剛性材料である。
更に、接続具用ネジ孔36は、周縁部362と反対側に、周面に雄ネジが螺刻された長軸部363が連設されている。長軸部363は、固定孔351の奥まで挿入され、かつ、長軸部363の外面と固定孔351の内面との間を接着剤Pで固着してある。固定孔351は、少なくとも長軸部363が挿通される領域における内面を、木繊維を切断しない程度の押圧力を以て螺旋状に窪ませて形成した、窪み部352を有している。
〔接合方法〕
図6乃至図8を参照して、接合構造1の作用および接合方法について説明する。
(1)接合具2の本体21の底板部211と4面の側板部212a〜dに対し、接合部材3(具体的には、底板部211には柱材31aを、横架材32a〜dには側板部212a〜dを)の接合面35を当接させる。
(2)接続ボルト4および接続具用ネジ孔36からなる接続構造部を介して、接合具2と接合部材3を接合する。具体的には、本体21内に接続ボルト4を入れ、軸部41を接続具挿通孔213に挿通させて軸部41を本体21外に出す。
(3)そして、本体21外に出した軸部41を、接合部材3の接合面35の接続具用ネジ孔36に螺着し、本体21の底板部211等の外面と、接合部材3の接合面35が当接するまで接続ボルト4を締める。このとき、接合面35の周縁部362が、底板部211等の外面に当たって止まる。
(4)このようにして、本体2の底板部211および側板部212a〜dの全ての外面と、接合部材3の柱材31aおよび横架材32a〜dとを接合する。
(5)次に、同様の方法で、支持体23の蓋板部231の外面に接合部材3(具体的には柱材31b)を接合する。そして、接合部材3を接合した支持体23は、支持部232を本体21の開口部215から本体21の内部空間の奥まで挿入させる。
(6)挿入した支持部232は、本体21内において、先端面235および側端面236が当接支持される。更に詳しくは、本体21内において、底板部211上面に支持部232の先端面235が当接すると共に、本体21内のリブ214a〜dの端面に、支持部232の側端面236および第3切欠部238が当接する。
(7)更に、支持部232を本体21内の奥まで挿入すると、開口部215口縁のリブ214a〜dの各上端と、蓋板部231周縁の各第1切欠部233とが嵌合する。
(8)本体21と支持体23を取り付けた後、本体21の固定具用ネジ孔218の各々に固定具5を螺挿し、奥まで締める。これにより、各固定具5の先部が、支持部232の第2切欠部237あるいは第3切欠部238に当接し、支持体23は本体21から離脱しないように固定される。加えて、固定具5で押さえたことにより、本体21と支持部232との間でガタつきが出ないようにしてある。
〔接合部材の接合面の加工方法〕
接合部材の接合面の加工方法は、「固定孔の形成工程S1」および「接合部の形成工程S2」を備える。そして、固定孔の形成工程S1には「収容部形成工程」を含まれるため、以下「固定孔の形成工程S1/収容部形成工程」と記載する。各工程について、主に図10〜図13を参照して、以下詳述する。
(固定孔の形成工程S1/収容部形成工程)
固定孔の形成工程S1/収容部形成工程は、固定孔351を形成するための、基礎孔部形成ステップS1−1と、窪み部形成ステップS1−2からなる(図13参照)。
<基礎孔部形成ステップS1−1>
基礎孔部形成ステップS1−1では、接合部材3の接合面35に、所定深さの基礎孔部353を木材の繊維方向D1と略同じ方向で形成する。そして、基礎孔部353は、接合面35寄りとなる部分に、孔径を拡張した収容部354を形成する(図12(a)、図13参照)。
基礎孔部353および収容部354は、ドリル刃61を備えたハンマードリル6によって穿設する。ドリル刃61は、長軸方向に挿通孔(図示省略)を有する筒状の大径ドリル刃612と小径ドリル錐611の組み合わせによるものである。そして、ドリル刃61は、大径ドリル刃612の挿通孔に小径ドリル錐611を挿通させ、大径ドリル刃612を小径ドリル錐611の基端側(ハンマードリル6側)に固定される。
なお、大径ドリル刃612と小径ドリル錐611は着脱可能であり、最初に小径ドリル錐611のみで基礎孔部353を形成し、次いで、大径ドリル刃612を取り付けて収容部354を形成する使用方法、あるいは、大径ドリル刃612と小径ドリル錐611を一体に固定した状態で、基礎孔部353と収容部354を同時に形成する使用方法、のいずれかの方法を選択することができる。
<窪み部形成ステップS1−2>
図13に示す窪み部形成ステップS1−2では、基礎孔部353に固定孔形成具7を順回転させながら押し込み、固定孔形成具7を逆回転させて抜き取ることで、基礎孔部353の内面を螺旋状に窪ませた窪み部352を形成する。窪み部352の形成は、固定孔形成具7を取り付けたハンマードリル6によって行う(図12(b)参照)。固定孔形成具7の抜き取り後、固定孔351内を金属製のロールブラシ(図示省略)等で清掃し、更にエアガン(図示省略)等により固定孔351内に圧縮空気を吹き込んで、木屑を除去する。
前述の固定孔形成具7は、図12(b)に示すように、軸部71と、軸部71の周面に所定ピッチで形成された螺旋状の突条部72とを備える。そして、突条部72は、断面形状が山型であると共に、先端が非尖鋭形状で稜線方向に円滑に形成されている。なお、「非尖鋭形状」として、先端を平らにして面取りを行っているが、例えば、先端を丸めたものであってもよい。
固定孔形成具7の使用により、基礎孔部無しでラグスクリューを木材に螺挿する場合と異なり、接合部材3の繊維を切断しない程度の押圧力を以て、基礎孔部353の内面に螺旋状に窪んだ窪み部352を有する、固定孔351を形成することができる。そして、突条部72の先端が非尖鋭かつ円滑な形状に形成されているので、前述の木組織への食い込みの際に、木繊維に沿って突条部72の先端が滑り、木繊維の切断が起こりにくくなる。
固定孔形成具7は、軸部71の長さが380mmであり、突条部72のピッチが11mmで、山側が直径22mm、谷側が直径16mmであるが、この寸法に限定するものではなく、接合部材や接合具の大きさに応じて適宜変更することができる。なお、突条部72のピッチは10mm〜12mmの範囲内であることが好ましい。
また、軸部は、山側(突条部)の直径と谷側の直径の比が、12:9〜10:7の範囲内であることが好ましく、11:8であることがより好ましい。この理由としては、山側の直径と谷側の直径の差が大きくなると、基礎孔部内面に対する突条部の食い込みが大きくなって木繊維を切断してしまうため好ましくなく、他方、差が小さいとアンカー効果が低下するため好ましくないためである。
前述の固定孔の形成工程S1/収容部形成工程によれば、固定孔351を接合面35に形成することができ、加えて、固定孔351の基礎孔部353が、木材の繊維方向D1に沿うように形成されたことで、加工後に最も高い引っ張り強度が得られるようになる。
更に、固定孔351は、基礎孔部353と、木繊維方向と交差する方向に形成された窪み部352とが連通し、窪み部352に入り込んだ接着剤が硬化することで、後述するアンカー効果が生じる。
加えて、窪み部352は、前述の押圧力を以て形成されたことにより、固定孔351周辺の木組織に亀裂が生じないか、生じにくくなっている。更にまた、木組織が圧縮されて密になり、窪み部352の強度を向上させている。
なお、本実施形態では、前述のドリル刃61を備えたハンマードリル6を使用しているが、これに限定するものではなく、例えば、段付きドリル刃等の他の公知機材を使用し、基礎孔部と収容部の形成ステップを同時に行う等、基礎孔部353および収容部354を形成可能であれば、他の機材の使用あるいはステップを採用してもよい。また、固定孔形成具2を押し込む機材についても同様である。
(接合部の形成工程S2)
接合部の形成工程S2は、接着剤注入ステップS2−1、長軸部挿入ステップS2−2、および接着剤硬化ステップS2−3からなる(図13参照)。なお、図13では、接着剤注入ステップS2−1、長軸部挿入ステップS2−2のフローで記載しているが、各ステップはいずれが先であってもよく、各ステップの順番を入れ替えてもよい。
<接着剤注入ステップS2−1>
図13で示す接着剤注入ステップS2−1は、固定孔10に所定量の接着剤Pを注入して行われ、これにより、後述する長軸部363を固定孔351に固着するための前準備が整う。接着剤Pの注入は、固定孔351の孔奥に至る長さのノズル81を有するコーキングガン8等を使用して行い、固定孔351の孔奥に注入することが好ましい(図12(c)参照)。
接着剤Pは、エポキシ樹脂を主剤として硬化剤と混合するもの(木材に浸透し浸透部を硬化させる効果がある)を使用するが、他の公知の接着剤を使用してもよい。そして「所定量」は、固定孔351の大きさの場合、注入する接着剤Pの量は100cc程度であることが好ましい。発明者の知見によれば、この量であれば、挿入した長軸部363と固定孔351との隙間に充分に行き渡り、かつ、固定孔351の口から多量に漏れ出ることはない。
<長軸部挿入ステップS2−2>
図13に示す長軸部挿入ステップS2−2は、長軸部363を固定孔351に挿入して行われ、これにより、長ナット361と長軸部363を接合部材3に固定するための前準備が整う。なお、当然に、長軸部363は固定孔351よりも径小であり、長軸部363の挿入により、長軸部363と固定孔351内面の間に、接着剤Pを充填する隙間が生じる(図10、図11参照)。
接続具用ネジ孔36は長ナット361により構成され、長ナット361の先部には長軸部363が螺着して連設されている。長ナット361の先部側にはナット(符号省略)が螺着され、ダブルナット法により各ナットが緩まないように締結されている。
連設した長ナット361と長軸部363は、以下の手順で挿着する。また、下記手順による作業によれば、回転による遠心力で、長軸部363のネジ凹凸部分や窪み部352に接着剤Pが満遍なく充填される。
(1)長ナット361をインパクトレンチ等に取り付け、高速回転させながら、30〜60秒程かけてゆっくりと押し込み、長ナット361の基端が接合面35から10mm程出た位置で一度止め、
(2)高さ調整板(図示省略)を使用して、長ナット361の基端が接合面35から0.5mm突出した位置になるまで、長ナット361を押し込む。
このとき、突出した長ナット361の端面が、周縁部362を構成する。なお、高さ調整版は、0.5mmの厚み(つまり、所望する突出高さと同じ厚み)で、所要数の孔が設けてあり、各孔は長ナット361よりもやや径大な直径に形成されたものである。
<接着剤硬化ステップS2−3>
図13に示す接着剤硬化ステップS2−3は、固定孔351の内面と、長軸部363および長ナット361の外面との間に充填された接着剤Pが、所定時間経過後に硬化すること(養生)により行われる。
これにより、固定孔10に長軸部363および長ナット361が固着され、特に、螺旋状の窪み部352に入り込んで硬化した接着剤Pが、固定孔351周辺の木組織に対するアンカー効果を発揮することができる。加えて、長軸部363の周面に形成されたネジの凹凸が、硬化した接着剤Pとの間でアンカー効果を発揮し、引き抜き強度が更に向上する(図10、図11参照)。そして、嵌挿した長ナット361によって、接合面35に、接続具用ネジ孔36が設けられると共に、接続具用ネジ孔36の周囲に周縁部362を設けることができる。
このように、接合部の形成工程S2によれば、各ステップにより、接続具用ネジ孔3を有する接合面35を形成することができる。
前述の通り、一般的に木材の木口面は圧縮に弱く、生じた圧縮応力で接合金物が木口面を変形させることがあり、初期剛性を上げることが難しかった。しかしながら、接合部材3は、接合面35よりも僅かに高く突出した前述の周縁部362を有することで、接合具2と接合部材2の接合箇所において、接合具2の各外面に当接する部分が、接合面35ではなく、周縁部362になる。
これによって、図11に示すような、木材の長軸方向と交差する方向D2への外力(剪断力)が加わった際に、硬質な接合具2の外面が、軟質な木口面W1に食い込むこと無く、応力を接合具2の表面で受けるため、当該箇所の剛性が向上し、接合面35の変形が抑制されて、より高い引き抜き強度が得られる。
前述の長軸部363では、周面の長手方向に亘って雄ネジが形成された態様であるが、長軸部から放射状に突起を多数設けた態様、あるいは、長軸部に窪みを多数設けたような、各種態様等であって、長軸部の周面に凹凸が形成されるものであればよく、また、長軸部の表面の周面に凹凸が無い円滑な形状を除外するものではない。また、前述の長ナット361は、ダブルナット法により緩まないように締結されているが、例えば、ネジ孔に緩み止め用の樹脂を付した長ナットや、基端側がフランジ状に更に拡径したナット等、長軸部363と長ナット361の連結が外れないものであればよい。
以上の構成を有することにより、接合構造1は以下の優れた効果を奏する。すなわち、接合構造1は、接合具2の本体21を構成する底板部と側板部が剛性を有すると共に、内部に中空領域を有する有底箱状であることから、接合部材3を介して伝わる外力による変形を抑制することができる。更に、本体21に支持体23を取り付けることで、全面に板体が配置された立体構造の接合具2となり、従来のプレート状の接合具等と比較すると、底板部211、側板部212a〜dおよび蓋板部231が一体となって、剛性が向上している。
加えて、支持体23が本体21内に挿入可能な支持部232を有し、挿入状態の支持部232が、本体23内のリブ214a〜dに当接支持される構造であるため、当接後のリブ214a〜dと支持部232が、本体21内において十字状の支柱構造物となり、側板部212a〜dを板面と交差方向から支えると共に、底板部211と蓋板部231の間を支えることができる。
また、支持体23の外面が上方向を向くように配設した場合、接合部材3から加わる鉛直荷重による支持体23の変形を抑制することができる。加えて、この配設態様において、支持部232は、水平荷重に対する補強材にもなり、本体23、特に側板部212a〜dの変形を抑制することができる。つまり、支持部232は、接合具2全体の変形抑制力を向上させることができる。
この結果、接合構造1は、柱材31a〜bと横架材32a〜dの2以上の接合部材3の間に接合具2が配設された状態で、地震等による外力が加わったとしても、接合具2は容易に変形あるいは破損せず、引き続き接合部材3の間を高い強度で接合することができる。
そして、接合構造1は、接合具2が本体21と支持体23とに分離できるため、施工時において、本体21と接合部材3の接合作業の後に、接合部材3を接合させた支持体23を本体21に取り付けることができ、工程を分けて作業できるため、作業性が良い。
更に、接合具2が内部に中空領域を有する構造であるため、中実構造の接合具と比較して重量が軽減されている。このため、接合構造1は、接合具2が中間または上端に配設された柱材31a等において、生じる長期応力および短期応力を軽減することができる。つまり、接合具2は充分な剛性を有しつつも軽量化がなされているため、配設された柱材31a等において、地震等の外力で生じる水平方向等の様々な方向への応力を軽減することができる。
更にまた、接合構造1は、複数の接合部材3が、接合具2の底板部211の外面、側板部212a〜dの外面または蓋板部231の外面の中から選択された2以上の外面に接合されることにより、建物における柱梁等のフレームを構成することができる。
また、接合構造1は、接続構造部が、接続ボルト4と、底板部211、側板部212a〜dに形成された接続具挿通孔213および蓋板部231に形成された接続具挿通孔234からなる簡素な構造であるため、生産性が良く、また、設置時においても作業性が良い。そして、用途や施工方法に応じて、接合部材3の取り付け位置を選択的に接合することができる構造であるため、汎用性が高く、利便性が良い。
そして、接合構造1は、本体21に形成された固定具用ネジ孔218と、固定具用ネジ孔218に螺着する固定具5によって、本体21に取り付けた支持体23の離脱を抑制され、そして、本体21と支持部232との間に生じるガタつきも抑制することができる。このような固定構造を有することによって、地震等による外力が加わった際の破損抑制効果が期待でき、加えて、本体23の開口部215の向きを選ばずに使用できることから、一つの形態で様々な用途や施工方法に対応可能で汎用性が高く、利便性が良い。
更に、接合構造1は、接合部材3が無垢材の磨き丸太であり、接合構造1による木造軸組工法を建物に適用することができる。そして、接合構造1は、接合具2が、無垢材の磨き丸太である接合部材3によって掩蔽されているため、接合構造1が室内空間に露出する態様であっても、接合具2が外観に現れず、丸太のみで組まれたかのような外観となり、設置空間内に、木材の醸し出す落ち着きや癒し、あるいは、優美な外観を提供することができる。
更にまた、接合構造1は、接合具2が無垢材の磨き丸太である接合部材3で掩蔽されていることによって、火災時においても接合具2が高温となることを抑制し、接合部材3の燃焼による損壊よりも早く接合具2の近傍部分が損壊することを抑制することができ、すなわち、従来の接合金具による木造軸組工法と比較して、耐火性能が向上している。
加えて、接合構造1は、接合部材3の接合面35に周縁部362が設けられていることによって、剪断力等の接続部材3の軸方向と交差する方向へ応力が生じた際に、接合具2の外面には周縁部362が当接して応力を受けることになり、接合面35における初期剛性が向上すると共に、接合面35の変形を抑制することができる。
〔変形例〕
図14と図15を参照して、接合構造1の構成部材の変形例1〜4について説明する。
なお、変形例1〜3で示す接合具2a〜cは、側板部の構成を除いて、前述の接合具2とほぼ同じであるため、重複する構成および作用効果の説明は省略する。また、変形例4で示す接合面35aについても、接合面35と重複する構成および作用効果の説明は省略する。
(変形例1)
図14(a)に示す接合具2aは、前述の接合具2の変形例であり、側板部(符号省略)が3面で構成され、底板部(符号省略)および蓋板部(符号省略)が略正三角形である態様である。接合具2aは、上下方向に柱材31a、31bを接合できると共に、側方に横架材32a、32b、32cを接合することができる。
(変形例2)
図14(b)に示す接合具2bは、前述の接合具2の変形例であり、側板部(符号省略)が5面で構成され、底板部(符号省略)および蓋板部(符号省略)が略正五角形である態様である。接合具2bは、上下方向に柱材31a、31bを接合できると共に、側方に横架材32a、32b、32c、32d、32eを接合することができる。
接合具2aと接合具2bは、ともに木造軸組工法として建物における柱梁等のフレームを構成することができるが、接合構造が室内空間に露出する態様である場合、例えば、接合具2aまたは接合具2bを用いた接合構造を室内中央等の目に付きやすいところに位配置することで、通常の柱梁等とは一風異なり、かつ、優美な外観を提供することができる。
(変形例3)
図15に示す接合具2cは、前述の接合具2の変形例であり、円筒形の側板部(符号省略)で構成され、底板部(符号省略)および蓋板部(符号省略)が略円形である態様である。接合具2cは、上下方向に柱材31a、31bを接合できると共に、側方に横架材32a、32b、32c、32dを接合することができる。なお、接合具2cは、側板部が円筒形であるため、側板部に形成する接続具挿通孔213の配置や間隔、数を比較的自由に設定することができ、設計の自由度が高い。
(変形例4)
図16に示す接合面35aは、前述の接合面35の変形例である。接合面35aでは、横架材32aの軸方向に沿った接続軸37が複数設けられている。接続軸37は、周面の長手方向に亘って雄ネジが螺刻されており、接合面35aにおいて、中央から各角方向寄りに1つずつ(合計4箇所)形成されている。そして、各接続軸37の配置は、接合具2の側板部212aに形成された各接続具挿通孔213と重複し挿通可能にしてある。
接続軸37は、接合面35aに穿設された固定孔351aに挿入され、周面と固定孔351aの内面との間を接着剤Pで固着された、寸切りボルトで構成されている。なお、固定孔351aの内面には、前述した窪み部352が形成されている。
接合面35aによれば、接続軸37が単なる寸切りボルトであるため、安価で簡易な構造の接合面を構成することができる。また、接合面35aを有する接合部材3を使用した接合構造1では、接合具2に設けられた接続具挿通孔213、234に接合軸37を通し、接合具2の内面側からナット42を取り付けて締めるだけで接合できる簡易な構造にすることができる。
本明細書および特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書および特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
1 接合構造
2 接合具
21 本体
211 底板部
212a、212b、212c、212d 側板部
213 接続具挿通孔
214a、214b、214c、214d リブ
215 開口部
216a、216b、216c、216d 上部面取り部分
217a、217b、217c、217d 下部面取り部分
218 固定具用ネジ孔
219 予備孔
23 支持体
231 蓋板部
232 支持部
233 第1切欠部
234 接続具挿通孔
235 先端面
236 側端面
237 第2切欠部
238 第3切欠部
3 接合部材
31a、31b 柱材
32a、32b、32c、32d、32e 横架材
33 背割り
34 カット面
341 切欠溝
35、35a 接合面
351、351a 固定孔
352 窪み部
353 基礎孔部
354 収容部
36 接続具用ネジ孔
361 長ナット
362 周縁部
363 長軸部
37 接続軸
4 接続ボルト
41 軸部
42 ナット
5 固定具
6 ハンマードリル
61 ドリル刃
611 小径ドリル錐
612 大径ドリル刃
7 固定孔形成具
71 軸部
72 突条部
8 コーキングガン
81 ノズル
D1 木材の繊維方向
D2 木材の長軸方向と交差する方向
P 接着剤
S1 固定孔の形成工程
S1−1 基礎孔部形成ステップ
S1−2 窪み部形成ステップ
S2 接合部の形成工程
S2−1 接着剤注入ステップ
S2−2 長軸部挿入ステップ
S2−3 接着剤硬化ステップ
9 羽子板ボルト
91 ボルト
92 本体
93 コーチスクリュー
94 柱材
95 横架部材

Claims (8)

  1. 所定の剛性材料で形成され、底板部、および、該底板部から一体的に立設した所要数の側板部を有し、前記底板部の対向方向に前記側板部で囲まれた開口部が形成されると共に、前記底板部および前記側板部の外面に接合部材接合可能な接合部が設けられ、前記側板部には、その外面から中心方向へ下り傾斜し、固定具を挿通可能に貫通した固定具挿通孔が形成された、有底箱型で中空構造の本体と、
    所定の剛性材料で形成され、前記本体の開口部を閉塞可能であると共に、外面に接合部材を接合可能な接合部が設けられた蓋板部、および、該蓋板部の前記外面の裏となる部分に設けられて前記本体内に収容可能であると共に、同本体内への収容状態で同本体の内面に当接して支持される形状であり、前記固定具挿通孔を介して挿入された固定具の先部が当接可能な傾斜面が形成された支持部、を有する支持体と、を備え
    該支持部が前記本体内に収容された収容状態において、前記固定具挿通孔に挿入する固定具の先部が前記傾斜面に当接することで、同本体から前記支持体が離脱することを抑制可能な構造である
    接合具。
  2. 前記接合部が、板厚方向に貫通した接続具挿通孔により構成されている
    請求項1に記載の接合具。
  3. 所定の剛性材料で形成され、底板部、および、該底板部から一体的に立設した所要数の側板部を含み、前記底板部の対向方向に前記側板部で囲まれた開口部が形成されると共に、前記底板部および前記側板部の外面に接合部材を接合可能な接合部が設けられ、前記側板部には、その外面から中心方向へ下り傾斜し、固定具を挿通可能に貫通した固定具挿通孔が形成された、有底箱型で中空構造の本体、および、所定の剛性材料で形成され、前記本体の開口部を閉塞可能であると共に、外面に接合部材を接合可能な接合部が設けられた蓋板部、および、該蓋板部の前記外面の裏となる部分に設けられて前記本体内に収容可能であると共に、同本体内への収容状態で同本体の内面に当接して支持される形状であり、前記固定具挿通孔を介して挿入された固定具の先部が当接可能な傾斜面が形成された支持部を含む支持体、を有し、該支持部が前記本体内に収容された収容状態において、前記固定具挿通孔に挿入する固定具の先部が前記傾斜面に当接することで、同本体から前記支持体が離脱することを抑制可能な構造である接合具と、
    前記本体の接合部または前記支持体の接合部から選択された2以上の接合部を介して接合された、複数の接合部材と、
    を備える
    接合構造。
  4. 前記接合具が、前記接合部材によって掩蔽されている
    請求項3に記載の接合構造。
  5. 前記接合部材が、木製の柱材または横架材である
    請求項3または請求項4に記載の接合構造。
  6. 前記接合部が、板厚方向に貫通した接続具挿通孔が形成され、該接続具挿通孔に挿通された接続具を以て、前記接合部材と前記接合具とが接合される構造である
    請求項3、請求項4または請求項5に記載の接合構造。
  7. 前記接続具が、軸部に雄ネジが形成されたネジ部材であり、
    前記接合部材が、前記接合具との接合面に前記ネジ部材を螺着するネジ孔が形成されていると共に、該ネジ孔の口縁には、前記本体あるいは前記支持体の外面と同程度以上の強度の剛性材料で形成された所定幅の周縁部が、前記接合面から突出した態様で設けられている
    請求項6に記載の接合構造。
  8. 所定の剛性材料で形成され、底板部、および、該底板部から一体的に立設した所要数の側板部を有し、前記底板部の対向方向に前記側板部で囲まれた開口部が形成されると共に、前記底板部および前記側板部の外面に接合部材を接合可能な接合部が設けられ、前記側板部には、その外面から中心方向へ下り傾斜し、固定具を挿通可能に貫通した固定具挿通孔が形成された、有底箱型で中空構造の本体と、所定の剛性材料で形成され、前記本体の開口部を閉塞可能であると共に、外面に接合部材を接合可能な接合部が設けられた蓋板部、および、該蓋板部の前記外面の裏となる部分に設けられて前記本体内に収容可能であると共に、同本体内への収容状態で同本体の内面に当接して支持される形状であり、前記固定具挿通孔を介して挿入された固定具の先部が当接可能な傾斜面が形成された支持部、を有する支持体と、を備え、該支持部が前記本体内に収容された収容状態において、前記固定具挿通孔に挿入する固定具の先部が前記傾斜面に当接することで、同本体から前記支持体が離脱することを抑制可能な構造である接合具を使用し、
    前記接合具の各接合部の中から選択された2以上の接合部を介して、同接合具の外面へ複数の接合部材を接合して行う
    接合方法。
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