JP6756494B2 - 信号増幅装置及び半導体検査装置 - Google Patents

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Description

この発明は、検波対象である目的信号の信号強度を増幅させる技術に関する。
特定の周波数の信号を検波する際において、スーパーヘテロダイン方式の検波装置(スペクトラムアナライザー)を用いて信号検波を行う場合がある。このような検波装置は、例えば特許文献1に開示されている。
図4は、一般的な検波装置900の概略構成図である。検波装置900は、混合回路910、局部発振器920、フィルタ回路930、増幅回路940及び検波器950を備えている。
混合回路910は、目的信号(周波数f)及び局部発振器920からの局部発振信号(周波数fLO)を掛け合わせて、和周波信号(周波数f+fLO)及び差周波信号(周波数f−fLO)を生成する。フィルタ回路930は、混合回路910から出力された信号のうち和周波信号を除去する。増幅回路940は、フィルタ回路930から出力された差周波信号(周波数f−fLO)の強度を増幅して、検波器に950に出力する。
このように、検波装置900では、検波したい目的信号の強度が微小である場合に、増幅回路940の増幅率が十分である周波数帯域の信号(差周波信号)に周波数変換され、目的信号が検波器950によって検出される。
特開平6−240369号公報
従来の検波装置900では、混合回路910及び増幅回路940各々による微小信号の増幅が可能されるが、混合回路910に入力する前に、目的信号の信号強度を適切に増幅させる技術は知られていない。
本発明は、検波対象である目的信号の信号強度を増幅させる新たな技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、目的信号の信号強度を増幅する信号増幅装置であって、目的信号を分配する分配部と、2つの信号を掛け合わせるn(nは自然数)個の前段混合回路を有する前段混合部と、局部発振信号を出力する局部発振回路と、前記前段混合部から出力される信号と、前記局部発振信号とを掛け合わせる第1の後段混合回路を有する後段混合部と、前記後段混合部から出力される信号のうち、特定の周波数成分を減衰させるフィルタ部と、を備え、前記前段混合部は、前記分配部によって分配された2つの前記目的信号どうしを掛け合わせる第1の前記前段混合回路を含み、n=1の場合、前記前段混合部は前記第1の前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力し、n>1の場合、前記前段混合部は、第2から第nの前記前段混合回路を含み、前記第k(kは2以上n以下の整数)の前記前段混合回路は、前記第(k−1)の前記前段混合回路から出力される信号と、前記分配部によって分配された1つの前記目的信号どうしを掛け合わせ、前記前段混合部は前記第nの前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力する
また、第の態様は、第の態様に係る信号増幅装置であって、前記前段混合部は、奇数個の前記前段混合回路を有する。
また、第の態様は、第1または第2の態様に係る信号増幅装置であって、前記局部発振信号は、前記目的信号の周波数fよりも小さく、かつ、前記フィルタ回路を通過可能な周波数fLOであり、前記後段混合部は、前記第1の後段混合回路の出力信号と、前記前段混合部の出力信号とを掛け合わせる第2の後段混合回路をさらに有する。
また、第の態様は、第の態様に係る信号増幅装置であって、前記局部発振信号が出力する前記局部発振信号の周波数が固定である。
また、第の態様は、半導体検査装置であって、半導体試料を保持する保持部と、前記半導体試料からテラヘルツ波を発生させる光ビームを前記半導体試料に照射する光ビーム照射部と、前記半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、前記テラヘルツ波検出部から出力される信号を検波する検波装置とを備え、前記検波装置は、目的信号の信号強度を増幅する信号増幅装置と、前記信号増幅装置によって増幅された信号の信号強度を検出する検波器と、を備え、前記信号増幅装置は、目的信号を分配する分配部と、2つの信号を掛け合わせるn(nは自然数)個の前段混合回路を有する前段混合部と、を備え、前記前段混合部は、前記分配部によって分配された2つの前記目的信号どうしを掛け合わせる第1の前記前段混合回路を含み、n=1の場合、前記前段混合部は前記第1の前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力し、n>1の場合、前記前段混合部は、第2から第nの前記前段混合回路を含み、前記第k(kは2以上n以下の整数)の前記前段混合回路は、前記第(k−1)の前記前段混合回路から出力される信号と、前記分配部によって分配された1つの前記目的信号どうしを掛け合わせ、前記前段混合部は前記第nの前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力する
第1の態様に係る信号増幅装置によると、目的信号どうしを前段混合回路で掛け合わせることによって、元の振幅どうしを掛け合わせることができる。これによって、元の目的信号の信号強度を増幅できる。
しかも、前段混合部にて増幅された目的信号を、局部発振信号に応じて所望の周波数に変換できるとともに、不要な成分をフィルタリングで除去できる。これによって、目的信号の検波を好適に行うことができる。
また、直列接続された複数の前段混合回路各々に目的信号を入力することで、目的信号の振幅を、前段混合回路の数量に応じた回数分乗じることができる。このため、理論的に限界なく目的信号を増幅できる。
の態様に係る信号増幅装置によると、前記前段混合部の最後の前段混合回路から出力される信号のうち、差周波成分を定数にできる。これによって、不要な成分を除去できるため、検波を好適に行うことができる。
の態様に係る信号増幅装置によると、第2の後段混合回路によって、第1の後段混合回路の出力信号を局部発振信号の周波数に変換できる。したがって、フィルタ回路に合わせて局部発振信号の周波数を選択することで、目的信号に周波数ノイズが存在しても良好に検波できる。
の態様に係る信号増幅装置によると、局部発振信号の周波数を固定とすることで、局部発振信号の周波数調整が不要となる。これによって、目的信号の検波を簡易にできる。また、局部発振信号の周波数が固定の局部発振器を使用することによって、周波数が可変の電圧制御発振器(VCOまたはVCXO)を使用する場合に比べて、ノイズを大幅に低減できる。
の態様に係る半導体検査装置によると、半導体試料から放射されるテラヘルツ波の信号強度を、検波装置の信号副装置によって増幅することによって、良好に検波できる。
第1実施形態に係る検波装置の概略構成図である。 第2実施形態に係る検波装置の概略構成図である。 第3実施形態に係る半導体検査装置の概略構成図である。 一般的な検波装置の概略構成図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る検波装置1の概略構成図である。検波装置1は、特にテラヘルツ波等の高周波信号を検出するのに好適な構成を備えている。検波装置1は、分配部10,11、前段混合部20、局部発振器30、後段混合部40、バンドパスフィルタ50、増幅回路60、検波器70を備える。
分配部10は、検波対象である目的信号(周波数をfとする。)を、前段混合部20が備えるn個(nは1以上の整数。)の前段混合回路FM1〜FMn各々に分配する。目的信号は、好ましくは電圧信号であるが、電流信号であってもよい。
なお、分配部10は、1本の導線に対して、1本または複数本の分岐導線が電気的に接続された分岐部分としてもよい。導線どうしを接続する手段として、溶接、半田付け、圧着、巻付けのほか、ワニ口クリップ等の接続部材を用いてもよい。分配部10が前段混合回路FM1〜FMn各々に分配する目的信号各々は、略同一の振幅を持つ。なお、目的信号の厳密な分配を実現するため、分配部10を、オペアンプ等を利用した回路で構成してもよい。ただし、分配後の目的信号各々の振幅が同一であることは必須ではない。
前段混合部20の前段混合回路FM1〜FMn各々は、2つの入力信号を掛け合わせることによって混合信号を生成し、出力するミキサーである。前段混合回路FM1〜FMnは、直列接続されている。
1番目に接続された前段混合回路FM1には、分配部10から分配される同一の目的信号が入力される。前段混合回路FM1は、同一の目的信号どうしを掛け合わせて得られた信号を、2番目に接続された前段混合回路FM2に入力する。また、k番目(kは2以上n未満の整数。)に接続された前段混合回路FMkは、(k−1)番目に接続された前段混合回路FM(k−1)から入力される信号と、分配部10から入力される目的信号とを掛け合わせて得られた信号を、(k+1)番目に接続された前段混合回路FM(k+1)に入力する。混合部20は、前段混合回路FM1〜FMnによって、目的信号の振幅を増幅させる増幅機能を備える。
前段混合回路FM1には、振幅、周期及び位相が同一である2つの目的信号が入力される。ここで、混合回路FM1に分配された目的信号をαsin(f)とおくと、前段混合回路FM1が出力する信号は、式(1)で表される。
Figure 0006756494
式(1)が示すように、前段混合回路FM1が出力する信号の振幅(=α/2)は、元の目的信号の振幅(=α)に、目的信号の振幅αを乗した成分(=α)を持つ。このため、αが“2”の平方根(√2)より大きければ、元信号から増幅されたことになる。分配部10及び前段混合部20は、信号増幅装置の最小構成例である。
ここで、理解を容易にするため、以下では、定数である“cos0”及び振幅αの係数(=−1/2)については、省略して考えるものとする。
前段混合回路FM2には、前段混合回路FM1からの信号A1と、目的信号(=α・sin(f))とが入力される。すなわち、前段混合回路FM2が出力する信号A2は、簡単には式(2)で表される。
Figure 0006756494
同様に、前段混合回路FM3が出力する信号は、式(3)で表される。
Figure 0006756494
最後に接続された前段混合回路FMnが出力する信号は、nが偶数である場合は式(4)で、nが奇数である場合は式(5)で表される。
Figure 0006756494
Figure 0006756494
式(4)または式(5)が示すように、前段混合部20は、検波装置1に入力される目的信号の信号強度を、前段混合回路FM1〜FMnの数の分だけ乗じた分増幅することができる。
分配部11は、前段混合部20の最後に接続されている前段混合回路FMnから出力された信号を、後段混合部40の2つの後段混合回路PM1,PM2各々に分配する。分配部11は、分配部10と同様、導線に分岐導線を電気的に接続した分岐部分としてもよい。また、分配部11をオペアンプ等を利用した回路としてもよい。
局部発振器30は、周波数がfLOの局部発振信号(以下、「LO信号」という。)を後段混合部40の第1の後段混合回路PM1に入力する。
後段混合部40が備える後段混合回路PM1,PM2は、2つの信号を掛け合わせることで混合信号を生成し、出力するミキサーである。
後段混合回路PM1は、分配部11から入力される信号(前段混合部20から入力される信号)と、局部発振器30から入力されるLO信号(=βsin(fLO))とを掛け合わせて生成した信号を、後段混合回路PM2に入力する。例えば、前段混合回路FM1〜FMnが奇数個であるとして、式(5)で表されるものとし、LO信号をβsin(fLO)とおくと、後段混合回路PM1が出力する信号は、式(6)で表される。
Figure 0006756494
後段混合回路PM2は、分配部11から入力される信号(前段混合部20から入力される信号)と、後段混合回路PM1から入力される信号を掛け合わせて生成した混合信号をバンドパスフィルタ50に入力する。後段混合回路PM1から入力される信号を式(6)で表されるものとすると、後段混合回路PM2が出力する信号は、式(5)と式(6)とを掛け合わせた式(7)で表される。
Figure 0006756494
式7が示すように、後段混合回路PM2から出力される信号の周波数は、理論上、“2(n+1)f+fLO”と、“2(n+1)f−fLO”と、“fLO”とを含む。
バンドパスフィルタ50は、局部発振器30が出力するLO信号の周波数fLO付近の信号を通し、他の周波数帯の信号を減衰させるフィルタリングを行う。バンドパスフィルタ50は後段混合部40の後段混合回路PM2から入力された信号をフィルタリングして増幅回路60に入力する。
例えば、式(7)で表される信号が、バンドパスフィルタ50に入力されたとする。目的信号の周波数fがLO信号の周波数fLOよりも十分に大きい場合、バンドパスフィルタ50によって、周波数が“2(n+1)f+fLO”を“2(n+1)f−fLO”の成分を減衰させ、周波数fLOの成分の信号(=α2(n+1)βsin(fLO))を特異的に通過させることができる。
増幅回路60は、バンドパスフィルタ50から入力された信号を増幅した増幅信号を生成し、検波器70に出力する。増幅回路60は、周波数特性を持っており、ここでは、周波数fLO付近の信号を増幅させる周波数特性を備えている。
検波器70は、増幅回路60から入力される信号を検出し、当該検出信号を、各種パラメータ(例えば、前段混合部20の混合回路の数等)に応じて補正する。これによって、検波器70は、周波数がfからfLOに変換された目的信号を検波する。
以上のように、検波装置1によれば、前段混合部20によって、目的信号の振幅αに対して、振幅αを直列接続された前段混合回路FM1〜FMnの数量(n個)分だけ乗じることができる。したがって、目的信号の信号強度を増幅することができる。また、前段混合回路の数量に応じて、信号強度を増幅できるため、理論的に増幅率の限界をなくすことができる。
また、前段混合回路FM1〜FMnの数量を奇数個とすることによって、最後の前段混合回路FMnから出力される信号のうち、低周波成分である差周波成分を一定数にできる。これによって、不要な成分を除去できるため、検波を好適に行うことができる。
また、図4が示す従来の検波装置900の場合、目的信号(周波数f)に応じて局部発振器の周波数fLOを調整する必要があった。このため、目的信号が周波数ノイズを有する場合には、フィルタ回路930への入力信号に周波数揺らぎが生じる。この周波数揺らぎは、増幅回路940への入力信号における、目的の微小信号に影響するおそれがある。これに対して、検波装置1では、分配部11及び後段混合部40によって、前段混合部20から出力された信号の周波数成分を、LO信号の周波数fLOに変換できる。すなわち、目的信号の周波数fに依存することなく、LO信号の周波数fLOで検出できる。このため、目的信号の周波数fに応じてLO信号の周波数を調整する作業が不要となり、LO信号の周波数fLOを固定できる。これによって、目的信号の検波を大幅に簡易化できる。
また、従来の検波装置400の場合、局部発振器920には、LO信号の周波数を変更するため、電圧制御発振器(VCOまたはVCXO)が使用される。この場合、電圧制御発振器から発生するノイズは不可避であり、目的の微小信号に影響するおそれがある。これに対して、検波装置1の場合、発振周波数が固定の局部発振器30として、水晶振動子等の低周波発振器を使用できる。これによって、周波数が可変の電圧制御発振器(VCOまたはVCXO)を使用する場合に比べて、ノイズの大幅に低減できる。したがって、微弱な目的信号をより好適に検波できる。
なお、上記実施形態では、前段混合部20が複数の前段混合回路FM1〜FMnを備えている。しかしながら、前段混合部20は、1つの前段混合回路FM1のみを備えていてもよい。この場合において、例えば、80MHzの目的信号が検波装置1に入力されるものとし、局部発振器30に発振周波数fLOが455kHzの水晶発振回路を採用したとする。この場合、前段混合部20の前段混合回路FM1からは160MHzの周波数成分を持つ信号が、分配部11に出力される。そして、後段混合回路PM1からは、周波数成分が160MHz+455kHzと160MHz−455kHzの信号が出力され、後段混合回路PM2に入力される。さらに、後段混合回路PM2からは、周波数成分が320MHz+455kHZ、455kHz及び320MHz−455kHZの信号が出力され、バンドパスフィルタ50に入力される。バンドパスフィルタ50を通過した455kHzの信号は、増幅回路60に入力され、その信号強度が増幅される。そして、増幅された455kHzの信号の信号強度が検波器70によって検出される。
この例の場合、前段混合回路FM1及び後段混合回路PM2によって、元の振幅αに対して振幅αが2回乗じられることで、振幅αを3乗した信号が検波器70に出力されることとなる。検波器70において、その増幅率に応じて増幅回路60から入力された信号を適宜補正することによって、元の目的信号の信号強度を特定できるため、目的信号の検波を適切に行うことができる。
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号またはアルファベットを追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
図2は、第2実施形態に係る検波装置1Aの概略構成図である。検波装置1Aでは、分配部11が省略されている。また、後段混合部40Aは、後段混合回路PM1を備えているが、第2の後段混合回路PM2が省略されている。
後段混合回路PM1は、前段混合部20から入力された信号と、局部発振器30から入力されたLO信号とを掛け合わせることで得た信号を、ローパスフィルタ50Aに入力する。すなわち、ローパスフィルタ50Aには、後段混合回路PM1から周波数成分が(n+1)f+fLOと、(n+1)f−fLOの信号が入力される。ローパスフィルタ50Aは、低周波成分である(n+1)fs−fLOを選択的に通過させ、増幅回路60に入力する。
検波装置1Aにおいても、前段混合部20が備える1つ以上の前段混合回路によって、目的信号の信号強度を増幅することが可能である。このため、目的信号の検波を好適に行うことができる。
ただし、信号強度が微小であって、かつ、高周波(例えば、1MHz以上あるいは10MHz以上)の目的信号を検波する場合、ローパスフィルタ50Aと増幅回路60とを適切に選択する必要がある。また、目的信号に合わせて、局部発振器30が生成するLO信号の周波数fLOを調節する作業が必要となる場合がある。このため、信号強度が微小であり、かつ、高周波である場合には、第1実施形態に係る検波装置1を採用することが好ましい。
<3. 第3実施形態>
図3は、第3実施形態に係る半導体検査装置100の概略構成図である。半導体検査装置100は、所定波長の光ビームを半導体試料S1に照射することで、半導体試料S1から放射されるテラヘルツ波(0.1THz〜30THz)を検出(検波)する。発生したテラヘルツ波の強度を測定することによって、半導体試料S1の特性または欠陥等を検査できる。半導体試料S1としては、例えば、Si、Ge、GaAsなどの半導体で形成されたトランジスタ、集積回路(ICやLSI)、抵抗またはコンデンサ、ワイドギャップ半導体を用いたパワーデバイスなどの電子デバイスである。また、半導体試料S1は、フォトダイオード、CMOSセンサ若しくはCCDセンサなどのイメージセンサ、太陽電池またはLED等、光電効果を利用する電子デバイス(フォトデバイス)でもよい。
半導体検査装置100は、検波装置1と、光ビーム照射部80と、テラヘルツ波検出部82と、ステージ84と、遅延部86とを備える。
光ビーム照射部80は、フェムト秒レーザ801を備える。フェムト秒レーザ801は、例えば、200nm(ナノメートル)以上2.5μm(マイクロメートル)以下の可視光領域を含む紫外から赤外領域の波長のパルス光(パルス光LP1)を出射する。具体例としては、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光のパルス光が、フェムト秒レーザ801から放射される。もちろん、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光波長、紫外波長(200〜380nm)、近赤外(0.7〜2.5μm))のパルス光が出射されるようにしてもよい。
フェムト秒レーザ801から出射されたパルス光LP1は、ビームスプリッタBE1により2つに分割される。分割された一方のパルス光は、検査光LP11(光ビーム)として、半導体試料S1に照射される。検査光LP11の光軸が半導体試料S1の主面(最も広い面)に対して斜めに入射するように、検査光LP11が半導体試料S1に照射される。図3が示す例では、入射角度が45度となるように照射角度が設定されている。ただし、入射角度はこのような角度に限定されるものではなく、0度から90度の範囲内で適宜変更できる。
半導体試料S1のような半導体試料においてテラヘルツ波が発生する原理は、例えば、国際公開2006−093265号に記載されているとおりである。すなわち、フェムト秒パルスレーザーを試料に照射し、光励起キャリアを試料内に生成される。試料中に生成された光励起キャリアは、試料内の電場または拡散によって、加速され、過渡電流を生じさせる。具体的には、半導体表面の表面電場によって光励起キャリアが加速され過渡電流が生じる。この過渡電流により、テラヘルツ波が発生する(過渡電流効果)。
テラヘルツ波検出部82は、テラヘルツ波検出器821を備えている。テラヘルツ波LT1は、放物面鏡などによって適宜集光され、テラヘルツ波検出器821に入射する。テラヘルツ波検出器821は、例えば、光伝導スイッチ(光伝導アンテナ)を有する。光伝導スイッチには、検出光LP12が入射する。検出光LP12は、パルス光LP1がビームスプリッタBE1で分割されることで得られる他方のパルス光である。テラヘルツ波LT1がテラヘルツ波検出器821に入射するときに、検出光LP12がテラヘルツ波検出器821に入射すると、光伝導スイッチにて瞬時的にテラヘルツ波LT1の電界強度(以下、「THz強度」とも表記する。)に応じた電流が発生する。この電界強度に応じた電流信号は、検波装置1に送られ、検波される。
テラヘルツ波検出器821は、検出光LP12の照射に応じて、半導体試料S1で発生したテラヘルツ波LT1の電界強度(テラヘルツ波強度。以下、「THz強度」とも称する。)を検出する。なお、テラヘルツ波検出器821が、光伝導スイッチとは異なる素子で構成されていてもよい。テラヘルツ波を検出する素子としては、例えば、ショットキーバリアダイオードまたは非線形光学結晶が採用可能である。
ステージ84は、半導体試料S1を保持する保持部である。ステージ84は、その表面の保持面に、半導体試料S1が載置される。なお、ステージ84の保持面に吸着用の孔を1つまたは複数設けることによって、ステージ84が半導体試料S1を吸着保持するようにしてもよい。
遅延部86は、遅延ステージ861及び遅延ステージ駆動部863を備えている。
遅延ステージ861は、検出光LP12の光路上に設けられている。遅延ステージ861は、検出光LP12を、その入射方向と平行に、かつ、入射時の光軸からずらして反射する反射ミラー8610備えている。反射ミラー8610で反射した検出光LP12は、その光路上に配されたミラー群を介して、テラヘルツ波検出器821に導かれる。
遅延ステージ駆動部863は、遅延ステージ861を、検出光LP12の光路に沿って直線的に往復移動させる。これによって、検出光LP12の光路長が変化するため、検出光LP12がテラヘルツ波検出器821に到達する時間を遅延させることができる。したがって、テラヘルツ波検出器821が、テラヘルツ波LT1を検出するタイミングを変更することができる。なお、本例で発生するテラヘルツ波LT1は、パルス波である。このため、検出光LP12に遅延を与えることによって、THz強度を異なる位相で検出することができる。なお、遅延部86は、検出光LP12に遅延を与えているが、検査光LP11に遅延を与えるようにしてもよい。
半導体検査装置100では、フェムト秒レーザ801が80MHzの周期でパルス光を出射することで、テラヘルツ強度を示す電流信号が、80MHzの周期で検波装置1に入力されることとなる。検波装置1は、第1実施形態で説明したように、このような高周波信号の検出を好適に行うことが可能である。
なお、検査光LP11の光路上に、テラヘルツ波を発生させる光伝導スイッチ等を配置することで、半導体試料S1にテラヘルツ波を照射することができる。そして、半導体試料S1で反射(または透過した)テラヘルツ波を検出するようにしてもよい。このテラヘルツ波の検波にも、検波装置1を適用できる。また、テラヘルツ波を照射する場合、検査対象物は半導体試料には限定されず、種々の物体を検査することが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1,1A 検波装置
10,11 分配部
20 前段混合部
30 局部発振器
40,40A 後段混合部
50 バンドパスフィルタ(フィルタ部)
50A ローパスフィルタ(フィルタ部)
60 増幅回路
70 検波器
80 光ビーム照射部
801 フェムト秒レーザ
82 テラヘルツ波検出部
821 テラヘルツ波検出器
84 ステージ(保持部)
100 半導体検査装置
FM1〜FMn 前段混合回路
LP11 検査光(光ビーム)
LT1 テラヘルツ波
PM1 第1の後段混合回路
PM2 第2の後段混合回路
LO 局部発振信号の周波数
目的信号の周波数

Claims (5)

  1. 目的信号の信号強度を増幅する信号増幅装置であって、
    目的信号を分配する分配部と、
    2つの信号を掛け合わせるn(nは自然数)個の前段混合回路を有する前段混合部と、
    局部発振信号を出力する局部発振回路と、
    前記前段混合部から出力される信号と、前記局部発振信号とを掛け合わせる第1の後段混合回路を有する後段混合部と、
    前記後段混合部から出力される信号のうち、特定の周波数成分を減衰させるフィルタ部と、
    を備え、
    前記前段混合部は、前記分配部によって分配された2つの前記目的信号どうしを掛け合わせる第1の前記前段混合回路を含み、
    n=1の場合、前記前段混合部は前記第1の前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力し、
    n>1の場合、
    前記前段混合部は、第2から第nの前記前段混合回路を含み、
    前記第k(kは2以上n以下の整数)の前記前段混合回路は、前記第(k−1)の前記前段混合回路から出力される信号と、前記分配部によって分配された1つの前記目的信号どうしを掛け合わせ、
    前記前段混合部は前記第nの前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力する、信号増幅装置。
  2. 請求項1に記載の信号増幅装置であって、
    前記前段混合部は、奇数個の前記前段混合回路を有する、信号増幅装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の信号増幅装置であって、
    前記局部発振信号は、前記目的信号の周波数fよりも小さく、かつ、前記フィルタ回路を通過可能な周波数fLOであり、
    前記後段混合部は、
    前記第1の後段混合回路の出力信号と、前記前段混合部の出力信号とを掛け合わせる第2の後段混合回路をさらに有する、信号増幅装置。
  4. 請求項2に記載の信号増幅装置であって、
    前記局部発振信号が出力する前記局部発振信号の周波数が固定である、信号増幅装置。
  5. 半導体検査装置であって、
    半導体試料を保持する保持部と、
    前記半導体試料からテラヘルツ波を発生させる光ビームを前記半導体試料に照射する光ビーム照射部と、
    前記半導体試料から放射されるテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部から出力される信号を検波する検波装置と、
    を備え
    前記検波装置は、
    目的信号の信号強度を増幅する信号増幅装置と、
    前記信号増幅装置によって増幅された信号の信号強度を検出する検波器と、
    を備え、
    前記信号増幅装置は、
    目的信号を分配する分配部と、
    2つの信号を掛け合わせるn(nは自然数)個の前段混合回路を有する前段混合部と、
    を備え、
    前記前段混合部は、前記分配部によって分配された2つの前記目的信号どうしを掛け合わせる第1の前記前段混合回路を含み、
    n=1の場合、前記前段混合部は前記第1の前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力し、
    n>1の場合、
    前記前段混合部は、第2から第nの前記前段混合回路を含み、
    前記第k(kは2以上n以下の整数)の前記前段混合回路は、前記第(k−1)の前記前段混合回路から出力される信号と、前記分配部によって分配された1つの前記目的信号どうしを掛け合わせ、
    前記前段混合部は前記第nの前記前段混合回路からの信号を前記第1の後段混合回路に出力する、半導体検査装置。
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