JP6756165B2 - Ni基耐熱合金溶接金属 - Google Patents
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Description
このような要求を満たす材料として、例えば,UNS N06617に規定のNi基耐熱合金が知られている。また、特許文献1〜5には、AlおよびTiを含有した種々のNi基耐熱合金が開示されている。
例えば、Ni基耐熱合金を溶接構造物として使用する場合、市販のNi基耐熱合金用溶接材料(例えば、AWS規格 A5.14−2005 ER NiCrCoMo−1)を用いれば、クリープ強度に優れた溶接金属が得られる。
さらに、例えば、特許文献6および7には、AlおよびTiに加え、Moを含有するとともに、その他の合金元素量を適切な範囲に調整した溶接金属が開示されている。これらの溶接金属は、クリープ強度に加え、応力緩和割れなどの溶接欠陥を抑制し得る。このように、上述のNi基耐熱合金の性能を活用し得る溶接金属が種々提案されている。
(a) 使用中の溶接金属の靭性低下はAlおよびTi量の増加とともに大きくなる。
(b) 溶接金属中にはAlおよびTiを含むきわめて微細な析出物が多量に析出している。
(c) 溶接金属中のS、Sn、Pb、及びZnの不純物の含有量が増大すると、靭性低下はより顕著となり、衝撃試験後の破面には柱状晶境界が混在するようになる。
さらに、使用中には同時に不純物として含有されるS、Sn、Pb、及びZnなどが柱状晶境界に偏析し、柱状晶境界の脆化を招く。そのため、S、Sn、Pb、及びZnの含有量が増加すると、この脆化が重畳するため、溶接金属の靭性低下がより顕著になることも考えられた。
さらに、その効果を安定して得るため、合金元素量、ならびにS、Sn、Pb、及びZnの不純物量を調整することが有効であることも併せて明らかにした。
本発明は、以上の検討を重ねることにより完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
Co:8%〜15%、
Cr:18%〜24%、
Mo:6%〜12%、
Al:0.4%〜1.2%、
Ti:0.01%〜0.6%
を含み、残部がNiおよび意図的に含有させたものではない成分である不純物からなり、
かつ、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量が0.01%〜0.8%であり、
20℃でのフルサイズシャルピー吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とするNi基耐熱合金溶接金属。
C:0.03%〜0.18%、
Si:0.5%以下、
Mn:1.5%以下、
P:0.01%以下、
N:0.02%以下、
O:0.03%以下
を含み、残部がNiおよび意図的に含有させたものではない成分である不純物からなり、
かつ、前記不純物としてのS、Sn、PbおよびZnが下記式(1)を満足することを特徴とする(1)に記載のNi基耐熱合金溶接金属。
式(1) [%S]+0.5×{[%Sn]+[%Pb]+[%Zn]}≦0.0050%
(式(1)中、[%S]、[%Sn]、[%Pb]、及び[%Zn]は、前記不純物としてのS、Sn、Pb、及びZnの含有量(質量%)を表す。)
Nb:0%〜0.5%
Fe:0%〜5%
Cu:0%〜4%
B:0%〜0.005%
Ca:0%〜0.02%
Mg:0%〜0.02%
REM:0%〜0.06%
なお、本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、特に断りの無い限り、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。ただし、「超」および「未満」等の断りがある場合は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の少なくとも一方として含まないことを意味する。
なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
Co(コバルト)は、長時間使用時の組織安定性を確保し、クリープ強度の確保に寄与する元素である。その効果を得るために、Coは8%以上含有する必要がある。しかしながら、Coを過剰に含有した場合、AlおよびTiを含有する金属間化合物相の析出駆動力に影響を与え、その析出を促進し、溶接金属の靭性の低下を招く。そのため、Co含有量の上限を15%以下とする。Co含有量の望ましい範囲は8.5%〜14.5%、さらに望ましい範囲は9%〜14%である.
Cr(クロム)は、耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。この効果を得るためには、Crを18%以上含有させる必要がある。しかし、Crの含有量が過剰になって24%超となると、炭化物を多量に生成させるとともに、AlおよびTiを含有する金属間化合物相の析出駆動力に影響を与え、その析出を促進し、溶接金属の靭性を低下させる。このため、Crの含有量は18%〜24%とする。Cr含有量の望ましい上限は23.5%以下であり、さらに望ましい上限は23%以下である。また、Cr含有量の望ましい下限は18.5%以上であり、さらに望ましい下限は19%以上である。
Mo(モリブデン)は、マトリックスに固溶してクリープ強度および引張強さの向上に寄与する元素である。その効果を十分に発揮させるためには、Moを6%以上含有させる必要がある。しかしながら、Moを過剰に含有した場合、AlおよびTiを含有する金属間化合物相の析出駆動力に影響を与え、その析出を促進し、靭性の低下を招く。そのため、上限を12%以下とする。Mo含有量の望ましい範囲は6.5%〜11.5%、さらに望ましい範囲は7%〜11%である。
Al(アルミニウム)は、Niと結合して金属間化合物相として粒内に微細に析出し,クリープ強度の確保に大きく貢献する。この効果を十分に得るためには、Alを0.4%以上含有させる必要がある。一方で、Alを過剰に含有すると金属間化合物相の過剰な析出を招き、靭性を低下させる。そのため、Al含有量の上限は1.2%以下とする。Al含有量の望ましい上限は1.1%以下であり、さらに望ましい上限は1.0%以下である。また、Al含有量の望ましい下限は0.5%以上であり、さらに望ましい下限は0.6%以上である。
なお、ここでのAl含有量とは、溶接金属に含まれるAlの総量を意味する。すなわち、マトリックスに固溶しているAlの量と、析出物として存在しているAlの量との合計を意味する。
Ti(チタン)は、Alと同様、Niと結合して金属間化合物相として粒内に微細に析出し,クリープ強度の確保に大きく貢献する。この効果を得るには、Ti含有量は0.01%以上含有する必要がある。一方で、Tiを過剰に含有すると金属間化合物相の過剰な析出を招き、靭性を低下させる。そのため、Ti含有量の上限は0.6%以下とする。Ti含有量の望ましい上限は0.5%以下であり、さらに望ましい上限は0.4%以下である。また、Ti含有量の望ましい下限は0.08%以上であり、さらに望ましい下限は0.1%以上である。
なお、ここでのTi含有量とは、溶接金属に含まれるTiの総量を意味する。すなわち、マトリックスに固溶しているTiの量と、析出物として存在しているTiの量との合計を意味する。
ここで、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量について説明する。
溶接金属に含有されるAlおよびTiは、溶接、及びその後の使用過程で、金属間化合物相として析出する。この金属間化合物相の析出物は、クリープ強度に寄与する。しかしながら、金属間化合物相として析出するAlおよびTiの量が過剰になると、溶接金属の靭性が低下する。これを抑制するには、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量を0.8%以下とする必要がある。電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量の上限は、望ましくは0.75%以下であり、さらに望ましくは0.7%以下である。なお、溶接金属の靭性の観点からは、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量の下限は、低く抑えることが望ましいが、極度に低減するためには、溶接方法および使用条件の制約を招く。そのため、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量は0.01%以上とする。電解抽出残渣として分析されるAlとTiの合計量が少なくとも0.01%であれば、上記の効果を少なからず得ることができる。電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量の下限は、望ましくは0.02%以上であり、さらに望ましくは0.03%以上である。
Ni基耐熱合金溶接金属から、所定の大きさの試験材を採取する。1質量%酒石酸−1質量%硫酸アンモニウム−水溶液を電解液として用いた定電流電解法によって、電流密度20mA/cm2〜25mA/cm2で試験材を溶解する。抽出した残渣を20質量%の酒石酸を含む20体積%塩酸溶液に浸漬し、60℃で加湿処理した後、フィルターで残渣とろ液を分離し、ろ液を10質量%酒石酸水溶液を用いて定容とする。得られたろ液をICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析を行い、金属間化合物相としてのAlおよびTiの質量を測定する。その質量を試験材の溶解量で除して、金属間化合物相として存在しているAlおよびTiの合計量を求める。すなわち、上記で求めたAlおよびTiの合計量は、電解抽出残渣として分析されるAlおよびTiの合計量である。なお、溶液とはすべて水溶液を意味する。
式(1) [%S]+0.5×{[%Sn]+[%Pb]+[%Zn]}≦0.0050%
(式(1)中、[%S]、[%Sn]、[%Pb]、及び[%Zn]は、不純物としてのS、Sn、Pb、及びZnの含有量(質量%)を表す。)
以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C(炭素)は、使用時の組織安定性を高めるのに有効な元素である。この効果を十分得るために、Cは0.03%以上含有することがよい。しかしながら、Cを過剰に含有する場合には、使用中に炭化物を多量に析出させ、靭性を低下させる原因となる。そのため、Cの含有量の上限は0.18%以下とすることがよい。C含有量の望ましい上限は0.16%以下であり、さらに望ましい上限は0.14%以下である。また、C含有量の望ましい下限は0.05%以上であり、さらに望ましい下限は0.07%以上である。
Si(ケイ素)は、耐水蒸気酸化性および耐食性の確保に寄与する。一方で、溶接時の凝固割れ感受性を増大させるとともに、靭性にも少なからず悪影響を及ぼすため、Si含有量の上限は0.5%以下とすることがよい。Si含有量の上限は、0.4%以下とするのが望ましく、0.3%以下とするのがさらに望ましい。Si含有量の下限は特に設けないが、望ましくは0.01%以上である。Siを少なくとも0.01%含んでいれば、上記の効果が得られやすい。さらに望ましいSi含有量の下限は、0.02%以上である。
Mn(マンガン)は、組織安定性を高め、クリープ強度の確保に寄与する。しかしながら、Mnを過剰に含有する場合には延性低下を招くため、Mnの含有量の上限は1.5%以下とすることがよい。Mnの含有量の上限は1.3%以下とするのが望ましく、1.0%以下とするのがさらに望ましい。Mn含有量の下限は特に設けないが、望ましくは0.01%以上である。Mnを少なくとも0.01%含んでいれば、上記の効果が得られやすい。さらに望ましいMn含有量の下限は、0.02%以上である。
P(リン)は、不純物として溶接金属に含まれ、溶接時の凝固割れ感受性を著しく増大させるとともに、クリープ延性の低下を招く元素である。そのため、Pの含有量の上限は0.01%以下とすることがよい。Pの含有量の上限は0.008%以下とするのが望ましく、0.006%以下とするのがさらに望ましい。Pの含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の望ましい下限は0.0005%以上、さらに望ましい下限は0.0008%以上である。
N(窒素)は、使用時の組織安定性を高めるのに有効な元素である。しかしながら、Nを過剰に含有する場合、使用中に多量の窒化物の析出を招き、靭生および延性を低下させる。そのため、Nの含有量は0.02%以下とすることがよい。Nの含有量の上限は0.015%以下とするのが望ましく、0.01%以下とするのがさらに望ましい。N含有量の下限は特に設けないが、望ましくは0.0005%以上である。少なくともNを0.0005%含んでいれば、上記の効果が得られやすい。さらに望ましいN含有量の下限は、0.001%以上である。
O(酸素)は、不純物として含有される。しかしながら、O(酸素)が多量に含まれる場合には、延性を低下させる。そのため、O(酸素)の含有量の上限は0.03%以下とすることがよい。Oの含有量の上限は0.028%以下とするのが望ましく、0.025%以下とするのがさらに望ましい。O(酸素)の含有量は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招くとともに、溶接方法に制約を及ぼす。そのため、O(酸素)含有量の望ましい下限は0.0005%以上であり、さらに望ましい下限は、0.001%以上である。
これら元素は不純物として溶接金属中に含まれ、使用中に柱状晶境界に偏析して脆化を招き、靭性を低下させる。そこで、溶接金属の靭性低下をより効果的に軽減するために、本発明者らは種々実験した。その結果、S,Sn,PbおよびZnは粒界偏析しやすく、特に、Sは粒界偏析エネルギーが大きいため、Sn,PbおよびZnに比べて、靭性低下の影響が2倍もあることを知見した。そして、式(1) [%S]+0.5×{[%Sn]+[%Pb]+[%Zn]}を0.0050%以下とすることで、溶接金属の靭性低下をより効果的に低減することが望ましいことが明らかとなった。
式(1)の値の上限は、より望ましくは0.0040%以下、さらに望ましくは0.0030%以下である。なお、これら不純物(S、Sn、Pb、及びZn)は可能な限り低減することが望ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、式(1)で求められる値の望ましい下限は0.0001%以上、さらに望ましい下限は0.0002%以上である。
Nb(ニオブ)は、使用中に微細な炭窒化物として粒内に析出し、クリープ強度の向上にも寄与するので、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると、多量に析出し、靭性を低下させる。そのため、Nbを含有する場合、Nbの含有量の上限は0.5%以下とする。Nbの含有量の望ましい上限は0.45%以下、さらに望ましい上限は0.4%以下である。なお、Nbを含有する場合の望ましい下限は0.01%以上、さらに望ましい下限は0.03%以上である。
Fe(鉄)は、Ni基耐熱合金に微量でも含有されると、熱間での変形能を改善する効果を有するので、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、Feが過剰に含有された場合、合金の熱膨張係数が大きくなるとともに、耐水蒸気酸化性も劣化する。そのため、Feを含有する場合、Feの含有量の上限は5%以下とする。Fe含有量の上限は4.5%以下が望ましく、4%以下がさらに望ましい。なお、Feを含有させて、上記の効果を得る場合は、Feの含有量を0.01%以上とすることが望ましく、0.02%以上とすることがより望ましい。
Cu(銅)は組織安定性を高め、クリープ強度の向上に寄与するため、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、Cuは過剰に含有すると、延性の低下を招く。そのため、Cuを含有する場合、Cu含有量の上限は4%以下とする。Cu含有量の上限は、望ましくは、3.8%以下、さらに望ましくは、3.5%以下である。なお、Cuを含有する場合のCu含有量の望ましい下限は0.01%以上、さらに望ましい下限は0.03%以上である。
B(ホウ素)は炭化物を微細に分散させることにより、クリープ強度を向上させるとともに、粒界を強化して靭性の向上にも寄与する元素である。しかしながら、Bは過剰に含有すると、溶接中の凝固割れ感受性を高める。そのため、Bを含有する場合、B含有量の上限は0.005%以下とする。B含有量の上限は、望ましくは、0.003%以下、さらに望ましくは、0.002%以下である。なお、Bを含有する場合のB含有量の望ましい下限は0.0003%以上、さらに望ましい下限は0.0005%以上である。
Ca(カルシウム)は、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、Caの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Caを含有する場合、Ca含有量の上限は0.02%以下とする。Ca含有量の上限は、望ましくは0.015%以下、更に望ましくは0.01%以下である。なお、Caを含有する場合の望ましい下限は0.0005%以上、さらに望ましい下限は0.001%以上である。
Mg(マグネシウム)は、Caと同様、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、Mgの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、Mgを含有する場合、Mg含有量の上限は0.02%以下とする。Mg含有量の上限は、望ましくは0.015%以下、更に望ましくは0.01%以下である。なお、Mgを含有する場合の望ましい下限は0.0005%以上、さらに望ましい下限は0.001%以上である。
REM(希土類元素)は、CaおよびMgと同様、熱間変形能を改善する効果を有するため、必要に応じて含有してもよい。しかしながら、REMの過剰の含有は酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間変形能を劣化させる。そのため、REMを含有する場合、REM含有量の上限は、0.06%以下とする。REM含有量の上限は、望ましくは0.04%以下、更に望ましくは0.03%以下である。なお、REMを含有する場合の望ましい下限は0.0005%以上、さらに望ましい下限は0.001%以上である。
その後、作製したカットフィラーを用いて、シールドガスをArとした手動ティグ溶接により、開先内に積層溶接を行って溶接継手を作製した。溶接継手は、各カットフィラーについて4体ずつ作製した。なお、溶接に際しては、入熱を9kJ/cm〜15kJ/cmとした。また、母材とカットフィラーは同組成であるため、表1の化学成分は溶接金属の化学組成と同義である。
得られた溶接継手のうち、3体の使用を模擬して、700℃で保持時間を500時間、1000時間、及び3000時間と変化させて時効熱処理を行った。時効熱処理した溶接継手に加え、溶接したままの溶接継手の溶接金属から、8mm角、長さ40mmの試験材を採取し、上述の実施形態で説明した方法によって、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量を測定した。
残った1体の溶接継手から、溶接金属にノッチを加工した2mmVノッチ フルサイズシャルピー衝撃試験片を3本採取し、JIS Z3111(2005)に準拠して、20℃で衝撃試験を実施した。
そして、3本の試験片の吸収エネルギーの個値がすべて27J以上のものを「合格」とした。合格の中でも、3本の試験片の吸収エネルギーの平均値が40Jを超えるものを「良」、40J以下であるものを「可」とした。そして、3本の試験片のうち、1本でも吸収エネルギーが27J未満であったものを「不合格」とした。
表2に、上記各試験の結果を併せて示す。
これに対して、代符E−4およびF−4は、溶接金属中のAlおよびTiの少なくとも一方の量、並びに残渣として分析されるAlとTiとの合計量が、本発明の範囲を超えている。そのため、試験片のうちの少なくとも一つのシャルピー吸収エネルギーが27Jを下回り、目標とする靭性を満足しないことがわかる。
以上述べたように、本発明で規定する範囲を満足する溶接金属は、使用を模擬した時効熱処理後においても、目標とする靭性を有することがわかる。
Claims (3)
- 質量%で、
Co:8%〜15%、
Cr:18%〜24%、
Mo:6%〜12%、
Al:0.4%〜1.2%、
Ti:0.01%〜0.6%
を含み、残部がNiおよび意図的に含有させたものではない成分である不純物からなり、
かつ、電解抽出残渣として分析されるAlとTiとの合計量が0.01%〜0.8%であり、
20℃でのフルサイズシャルピー吸収エネルギーが27J以上であることを特徴とするNi基耐熱合金溶接金属。 - Niの一部に代えて、さらに、質量%で、
C:0.03%〜0.18%、
Si:0.5%以下、
Mn:1.5%以下、
P:0.01%以下、
N:0.02%以下、
O:0.03%以下
を含み、残部がNiおよび意図的に含有させたものではない成分である不純物からなり、
かつ、前記不純物としてのS、Sn、PbおよびZnが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載のNi基耐熱合金溶接金属。
式(1) [%S]+0.5×{[%Sn]+[%Pb]+[%Zn]}≦0.0050%
(式(1)中、[%S]、[%Sn]、[%Pb]、及び[%Zn]は、前記不純物としてのS、Sn、Pb、及びZnの含有量(質量%)を表す。) - Niの一部に代えて、さらに、質量%で、下記の1種または2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項2に記載のNi基耐熱合金溶接金属。
Nb:0%〜0.5%
Fe:0%〜5%
Cu:0%〜4%
B:0%〜0.005%
Ca:0%〜0.02%
Mg:0%〜0.02%
REM:0%〜0.06%
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