本発明は、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された発酵エキスまたは菌体外多糖、皮膚および/または粘膜の治療的な処置において使用するための発酵エキスまたは菌体外多糖、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアのための発酵エキスまたは菌体外多糖の使用、ならびに発酵エキスまたは菌体外多糖を含む化粧品組成物または皮膚医薬組成物に関する。驚くべきことに、本発明の発明者らは、前述の発酵エキスまたは菌体外多糖が、皮膚老化を処置し、または防止することを見出した。一実施形態では、コネキシンレベルの増大は、皮膚老化を処置し、または防止する。
定義
本発明の理解を容易にするために、本発明の文脈で使用されるいくつかの用語および表現の意味を挙げる。
本明細書で使用される場合、移行句「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」または「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的であり、または制限がなく、記載されていない追加の要素または方法ステップを除外しない。しかし、本明細書の「含む(comprising)」の各記載において、この用語は、代替実施形態として、句「から本質的になる」および「からなる」を包含することも企図し、ここで「からなる」は、特定されていない任意の要素またはステップを除外し、「から本質的になる」は、考慮される組成物または方法の必須のまたは基本的な、新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない、記載されていない追加の要素またはステップを包含することができる。
本発明の文脈では、用語「生成された」、「分泌された」および「排出された」は、明確な区別なしに使用される。
本発明の文脈では、「皮膚」は、最上層または角質層から、最下層または皮下組織まで、その両方を含み皮膚を含む層であると理解される。これらの層は、中でもケラチノサイト、線維芽細胞、メラニン細胞および/または脂肪細胞などの異なるタイプの細胞から構成される。本発明の文脈では、用語「皮膚」は頭皮を含む。
用語「処置」は、「化粧的非治療的」という但し書きを伴わずに本明細書の文脈で使用される場合、疾患もしくは障害を軽減もしくは排除し、またはこの疾患もしくは障害と関連する1つもしくは複数の症状を低減もしくは排除するために本発明による化合物を投与することを意味する。また、用語「処置」は、疾患または障害の生理的な結果を軽減または排除する能力を含む。
用語「処置」は、「化粧的な非治療的な」という限定を伴う場合、典型的には、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な質、例えば限定されるものではないが、中でもそれらの水分補給(hydration)レベル、弾力、張り、艶、緊張または質感を改善する目的で、化合物を皮膚、粘膜、毛髪および/または爪に適用することを指す。本発明における用語「ケア」は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の質の維持を指す。これらの質は、健康な被験体、ならびに皮膚および/または粘膜の疾患および/または障害、例えば限定されるものではないが、中でも皮膚の潰瘍および病変、乾癬、皮膚炎、座瘡、または酒さを呈している被験体の両方における、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な処置および/またはケアによって改善され、維持される。
本発明で使用される用語「防止」は、疾患、障害、状態または変化の出現または発生を、その出現前に防止し、遅延させ、または妨害する、本発明の化合物の能力を指す。
本発明の文脈では、用語「老化」は、年齢と共に(経年老化(chronoaging))、あるいは太陽(光老化)への、またはたばこの煙、寒冷、高温もしくは風の極度の気候条件、化学的夾雑物(chemical contaminant)もしくは汚染物質(pollutant)などの環境物質への曝露により、皮膚が受ける変化を指し、外部の目に見えるおよび/または触って知覚できるあらゆる変化、例えば限定されるものではないが、皮膚の不連続性の発生、例えば皺、小皺、深い皺、不規則性または粗さ、毛穴のサイズの増大、弾力の喪失、張りの喪失、滑らかさの喪失、変形から回復する能力の喪失、皮膚のたるみ、例えば中でも頬のたるみ、目の下のたるみの出現または二重顎の出現、皮膚色の変化、例えばしみ、発赤、目の下のたるみまたは色素沈着過剰領域、例えば中でも年齢に伴う斑もしくはそばかすの出現、異常な分化、角質増殖(hyperkeratinization)、弾性線維症、角化症、オレンジピールスキン(orange-peel skin)、コラーゲン構造の喪失、および中でも角質層、皮下組織、真皮、上皮、血管系(例えばクモ状静脈または毛細血管拡張症の出現)または皮膚近辺の組織の他の組織学的変化を含む。用語「光老化」は、皮膚の早期老化をもたらし、老化と同じ身体的特徴、例えば限定されるものではないが、弛緩状態、たるみ、色の変化または色素沈着の不規則性、異常なおよび/または過度の角質化を呈する、紫外線放射への皮膚の長期曝露に起因する一連のプロセスをまとめる。
したがって、本発明の第1の態様は、皮膚、粘膜および/または爪の治療的な処置に使用するための、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された発酵エキスに関する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。
本発明の第2の態様は、皮膚、粘膜および/または爪の治療的な処置に使用するための、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された菌体外多糖に関する。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。
一実施形態では、皮膚、粘膜および/または爪の治療的な処置は、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止を指す。一実施形態では、皮膚、粘膜および/または爪の治療的な処置は、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止を指し、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、または菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。
一実施形態では、皮膚および/または粘膜の炎症は、例えば限定されるものではないが、中でも乾癬、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、酒さ、座瘡、過剰増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、外科手術後、インテンスパルス光治療(IPL)による処置後、単色パルス光治療(レーザー)による処置後、化学的剥離剤による処置後、または侵襲性の外部薬剤(aggressive external agent)への過剰曝露後の皮膚炎症、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎、鼻炎、アレルギー性鼻炎によって形成される群から選択される。一実施形態では、コネキシンCx26および/またはCx30レベルの増大は、皮膚および/または粘膜の炎症を処置および/または防止する。
一実施形態では、皮膚、粘膜および/または爪の水分補給の欠如または低下の結果である状態、障害および/または疾患は、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底過角化症、鶏眼または胼胝、光線角化症、非光線角化症、アトピー性皮膚炎、接触性湿疹、脂漏性皮膚炎、乳児の乳痂(cradle cap on babies)、座瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化症、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、クーパーローズ(couperose)、膣内乾燥によって形成される群から選択される。
別の態様では、本発明は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアのための、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された発酵エキスの使用に関する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/または防止、皮膚皺の処置および/または防止、皮膚の張りを改善するためおよび/または皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/または爪の処置および/または防止である。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/または防止、皮膚皺の処置および/または防止、皮膚の張りを改善するためおよび/または皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/または爪の処置および/または防止である。
別の態様では、本発明は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアのための、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された菌体外多糖の使用に関する。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/または防止、皮膚皺の処置および/または防止、皮膚の張りを改善するためおよび/または皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/または爪の処置および/または防止である。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有し、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/または防止、皮膚皺の処置および/または防止、皮膚の張りを改善するためおよび/または皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/または爪の処置および/または防止である。
別の実施形態では、皮膚の治療的な処置、化粧的な非治療的な処置および/またはケアが、皮膚のコネキシンレベルを増大させる。本発明によれば、皮膚のコネキシンレベルの増大は、皮膚ケラチノサイトにおける少なくとも1種のコネキシンの量の増大として理解される。一実施形態では、コネキシンは、コネキシン26、コネキシン30、コネキシン30.3、コネキシン31、コネキシン31.1、コネキシン37、コネキシン43、コネキシン46、またはコネキシン59とも命名されるコネキシン58である。一実施形態では、皮膚の治療的な処置、化粧的な非治療的な処置および/またはケアは、皮膚のコネキシンレベルを増大させ、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、または菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。
別の実施形態では、皮膚の処置および/またはケアは、局所または経皮適用によって行われる。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の株である。前記株は、1977年4月28日の微生物寄託の国際認識に関するブダペスト条約に従って、前記目的について法的に認められている機関としての、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM)/Laboratorium voor Microbiologie−Bacterieverzameling(LMG)(BCCM/LMG)(University Ghent、K.L.Ledeganckstraat 35、B−9000 Ghent、Belgium)において、2014年10月10日に寄託されたものである。
一実施形態では、Halomonas eurihalina種の細菌株から排出された菌体外多糖、または発酵エキスに含有されている菌体外多糖は、単糖であるラムノース、ガラクトース、グルコース、マンノースおよびD−グルコサミンを含有する。任意選択で、菌体外多糖は、フコースおよび/またはグルクロン酸も含有する。典型的には、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。一実施形態では、菌体外多糖は、百分率の合計が100%を超えないという条件で、重量で、0.5%〜45%のラムノース、0.1%〜25%のガラクトース、0.5%〜30%のマンノース、合計で50%〜95%のグルコースおよびD−グルコサミン、ならびに0%〜10%のフコース、ならびに0%〜12%のグルクロン酸の組成を示す。別の実施形態では、菌体外多糖は、百分率の合計が100%を超えないという条件で、重量で、1%〜35%のラムノース、0.5%〜20%のガラクトース、1%〜25%のマンノース、合計で55%〜90%のグルコースおよびD−グルコサミン、ならびに0%〜5%のフコース、ならびに0%〜6%のグルクロン酸の組成を示す。別の実施形態では、菌体外多糖は、百分率の合計が100%を超えないという条件で、重量で、1.5%〜30%のラムノース、1%〜10%のガラクトース、1.5%〜20%のマンノース、合計で65%〜85%のグルコースおよびD−グルコサミン、ならびに0%〜3%のフコース、ならびに0%〜4%のグルクロン酸の組成を示す。一実施形態では、グルコース:D−グルコサミンの比は、90:1〜1:35、85:1〜1:25、または75:1〜1:15である。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の細菌株から排出された菌体外多糖は、クロマトグラフィー分析の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において、クロマトグラフィーカラムPL AQUAGEL−OH 8μm AQUEOUS SECカラムおよび水中0.1M酢酸ナトリウムを溶出液として用いて、保持時間が4〜8.5分、または5〜8分である。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有し、排出された菌体外多糖は、クロマトグラフィー分析の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において、クロマトグラフィーカラムPL AQUAGEL−OH 8μm AQUEOUS SECカラムおよび溶出液としての水中0.1M酢酸ナトリウムおよび流速0.8ml/分を用いて、保持時間が4〜8.5分、または5〜8分である。典型的には、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。PL AQUAGEL−OH 8μm AQUEOUS SECカラムは、中性、アニオン性およびカチオン性の水溶性ポリマーに適用される、化合物のMWに応じて化合物を分離する能力を持つパッケージを備えた水性サイズ排除クロマトグラフィーのためのカラムであり、粒径8μm、細孔径50Åおよび長さ/内径300mm×7.5mmを有する。
別の実施形態では、発酵エキスは、Halomonas eurihalina種の菌株を、従来、前記生成物を合成し、培養培地に分泌するために撹拌し曝気した適切な培養培地中で発酵させた後、単離し、精製することによって得られる。発酵は、15℃〜40℃、典型的には32℃の温度で撹拌し曝気した培地中で行うことができ、この培地は、pH5.5〜9、典型的には約7.0を有するが、pHは必要に応じて発酵中に調整される。発酵継続時間は、12〜120時間、一実施形態では、24〜72時間、他の実施形態では、36〜48時間である。典型的には、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
一実施形態では、発酵エキスの単離および精製の方法は、遠心分離、濾過、限外濾過および透析などの当業者に公知の方法によって行われる。第1のステップでは、遠心分離および濾過ステップは、発酵エキスが見出される上清から、Halomonas eurihalina種の菌株を分離することを対象とする。一実施形態では、上清の限外濾過および透析は、10,000Da超の分子量の分子を保持するポリエーテルスルホン膜を用いて行われ、少なくとも10kDaの分子量を有する発酵エキスが得られる。他の実施形態では、菌体外多糖は、上清から、エタノール、アセトンまたはイソプロパノールの添加による沈殿によって精製される。別の実施形態では、10,000Da超の分子量の分子を保持するポリエーテルスルホン膜を用いる上清の限外濾過および透析、ならびにエタノール、アセトンまたはイソプロパノールの添加による沈殿は、少なくとも10kDaの分子量を有する菌体外多糖を得るために行われる。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株の発酵では、外部からの糖、例えば限定されるものではないが、ガラクトース、グルコース、マンノース、アミグダリン、セロビオース、マルトース、デンプン、グリコーゲン、ラクトース、それらの混合物および/またはこれらの糖の混合物を含有するエキスを含有する培養培地を、炭素供給源として使用することができる。一実施形態では、2〜40g/L、または5〜25g/Lのグルコースの外部からの供給が提供される。
別の実施形態では、培養培地は、酵母エキス、麦芽エキスまたはペプトンなどの追加の窒素または炭素供給源を含むことができ、これら構成成分のそれぞれの濃度は、0.1〜20g/L、または0.5〜10g/Lである。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株の発酵培養のために、ミネラル塩も提供され、ミネラル塩は、Na+、K+、NH4 +、Ca2+、Mg2+、PO4 3−、SO4 2−、Cl−、CO3 2−イオン、またはCu、Mn、FeおよびZnなどの微量元素を提供する塩のなかから選択される。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスに含まれる菌体外多糖は、いかなる化学修飾も媒介することのない、最大7%のサルフェート、または最大5%のサルフェートという天然の硫酸化(sulfatation)を含有する。
別の実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスに含まれる菌体外多糖は、リン酸化、スルホン化、例えばアセチル、ピルボイル、プロピオニル、スクシニル、ラクトイルもしくは3−ヒドロキシブチル基によるアシル化、例えばグリセリルによるエステル化、菌体外多糖の金属複合体の形成および/または7%超の化学的硫酸化剤などの、当業者に公知の化学修飾を含有する。
本発明の別の態様は、化粧品または皮膚医薬として有効な量の、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスまたは菌体外多糖、ならびに少なくとも1種の化粧品としておよび/または皮膚医薬として許容される賦形剤および/または成分を含むという点で特徴付けられる、化粧品組成物または皮膚医薬組成物に関する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、または菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。典型的には、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。前記組成物は、当業者に公知の従来の方法によって調製することができる[「Harry's Cosmeticology」、第7版、(1982年)、Wilkinson J.B.、Moore R.J.編、Longman House、Essex、GB]。
投与される本発明の組成物における、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスの、または菌体外多糖の化粧品または皮膚医薬として有効な量、およびその投与量は、患者の年齢、状態、処置および/またはケアされる状態、障害または疾患の性質または重症度、発酵エキスの、または菌体外多糖の投与の経路および頻度を含む数々の要因に応じて決まる。
「化粧品または皮膚医薬として有効な量」は、非毒性であり、所望の効果をもたらすのに十分な発酵エキスまたは菌体外多糖の量と理解される。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスまたは菌体外多糖は、所望の効果を達成するための化粧品または皮膚医薬としての濃度で使用され、一実施形態では、組成物の総重量に対して、0.0000000001%(重量)〜20%(重量)、0.00000001%(重量)〜10%(重量)、0.000001%(重量)〜5%(重量)または0.0001%(重量)〜5%(重量)で使用される。
別の実施形態では、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖は、化粧品および/または皮膚医薬の送達系および/または徐放系に組み込むこともできる。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、または菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。
用語「送達系」は、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクルまたは添加剤に関する。これらの化粧品担体または皮膚医薬担体は、水、油または界面活性剤などの液体であってよく、これらには、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば限定されるものではないが、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油、ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、エーテルサルフェート、サルフェート、ベタイン、グリコシド、マルトシド、脂肪アルコール、ノノキシノール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、デキストロース、グリセロール、ジギトニンなどが含まれる。当業者には、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖を投与できる異なる送達系において使用することができる希釈剤、アジュバントまたは賦形剤が公知である。
用語「徐放」は、ある期間中この化合物を徐々に放出する、化合物の送達系に関する従来の意味で使用され、一実施形態では、必ずではないが、ある期間にわたり化合物の比較的一定な放出レベルがもたらされる。
送達系または徐放系の例として、発酵エキスのより高い浸透を達成し、かつ/または発酵エキスの薬物動態および薬力学的特性を改善するために添加され得る、リポソーム、混合リポソーム、オレオソーム、ニオソーム、エトソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ナノ構造の脂質支持体、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤の混合ミセル、界面活性剤−リン脂質の混合ミセル、ミリスフェア、ミクロスフェアおよびナノスフェア、リポスフェア、ミリカプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、ならびにマイクロエマルションおよびナノエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、送達系または徐放系は、リポソーム、界面活性剤−リン脂質の混合ミセルおよびマイクロエマルション、ならびに内部逆ミセル構造を有する油中水マイクロエマルションおよびマイクロエマルションを含有するナノカプセルである。
徐放系は、従来技術で公知の方法によって調製することができ、それらを含有する組成物は、例えば、接着パッチ、非接着パッチ、閉塞パッチおよび微小電気パッチを含めた局所投与もしくは経皮投与によって、あるいは全身投与によって、例えば限定されるものではないが、経鼻、直腸もしくは皮下移植もしくは注射、または特定の身体部分への直接移植もしくは注射を含む経口または非経口経路によって投与することができる。一実施形態では、徐放系は、相対的に一定量の本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖を放出するべきである。徐放系に含有されている発酵エキスまたは菌体外多糖の量は、例えば組成物が投与される場所、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖の放出の反応速度および持続期間、ならびに処置および/または防止される状態、障害および/または疾患の性質に応じて決まる。
また、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖を含有する組成物は、例えば限定されるものではないが、中でもタルク、ベントナイト、シリカ、デンプンまたはマルトデキストリンなどの、固体有機ポリマーまたは固体無機支持体上に吸着され得る。
Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスまたは菌体外多糖を含有する組成物は、皮膚に直接接触する布、不織布または医療デバイスに組み込むこともでき、したがって、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖を、布、不織布もしくは医療デバイスへの結合系の生分解によって、またはそれらと身体との摩擦に起因して、身体の水分、皮膚のpHもしくは体温に起因して放出することができる。さらに、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖は、身体に直接接触する衣類の製造に使用される布および不織布に組み込むことができる。一実施形態では、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖を含有する布、不織布および医療デバイスは、皮膚のコネキシンレベルの増大によって改善または防止される状態、障害および/または疾患の処置および/または防止のために使用される。
上記の送達系および/または徐放系が含まれる、布、不織布、衣類、医療デバイスおよびそれらに化合物を固定化するための手段の例は、文献に見出すことができ、従来技術で公知である[Schaab C.K.(1986年)HAPPI 1986年5月;Nelson G.、「Application of microencapsulation in textiles」、(2002年)、Int. J. Pharm.、242巻(1〜2号)、55〜62頁;「Biofunctional Textiles and the Skin」(2006年) Curr. Probl. Dermatol. 33巻、Hipler U.C.およびElsner P.、編S. Karger AG、Basel、Switzerland;Malcolm R.K.ら、「Controlled release of a model antibacterial drug from a novel self-lubricating silicone biomaterial」、(2004年)、J. Cont. Release、97巻(2号)、313〜320頁]。一実施形態では、布、不織布、衣類および医療デバイスは、包帯、ガーゼ、Tシャツ、ソックス、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯剤、ベッドカバー、拭き取り材、接着パッチ、非接着パッチ、閉塞パッチ、微小電気パッチおよび/またはフェイスマスクである。
本発明の発酵エキスまたはエキソポリサッカライドを含有する化粧品組成物または皮膚医薬組成物は、任意選択で所望の投与形態を製剤化するのに必要な、化粧品としておよび/または皮膚医薬として許容される賦形剤を含む、局所または経皮適用の異なるタイプの組成物に使用することができる。
局所または経皮適用の組成物は、任意の固体、液体または半固体製剤に、例えば限定されるものではないが、リーブオン製剤およびリンスオフ製剤を含めた、クリーム、多重エマルション、例えば限定されるものではないが、水中油および/または水中シリコーンエマルション、油中水および/またはシリコーン中水エマルション、水/油/水または水/シリコーン/水タイプのエマルション、および油/水/油またはシリコーン/水/シリコーンタイプのエマルション、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ジェル、クリームジェル、ハイドロアルコール溶液、ハイドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント、美容液(sera)、石けん、シャンプー、コンディショナー、セラム、多糖類膜、軟膏、ムース、ポマード、パウダー、棒状物質、ペンシル、ならびにスプレーまたはエアロゾル(スプレー)に生成され得る。これらの局所または経皮適用製剤は、当業者に公知の技法を使用して、異なるタイプの固体付属品に、例えば限定されるものではないが、中でも包帯、ガーゼ、Tシャツ、ソックス、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯剤、ベッドカバー、拭き取り材、接着パッチ、非接着パッチ、閉塞パッチ、微小電気パッチもしくはフェイスマスクに組み込まれ得、または異なるメーキャップ製品に、例えばメーキャップファンデーション、例えばリキッドファンデーションおよびコンパクトファンデーション、メーキャップ除去ローション、メーキャップ除去乳液、目の下用のコンシーラー、アイシャドウ、リップスティック、リッププロテクター、リップグロス、ならびにパウダーに組み込まれ得る。
本発明の化粧品組成物または皮膚医薬組成物は、本発明の化合物の経皮吸収を増大する剤、例えば限定されるものではないが、中でもジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)、アルコール、尿素、エトキシジグリコール、アセトン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールを含み得る。さらに、本発明の化粧品組成物または皮膚医薬組成物は、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖のより高い浸透を達成するために、イオン導入、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、微小電気パッチ、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療、マイクロインジェクションもしくは圧力を用いる無針注射、例えば酸素圧による注射、またはそれらの任意の組合せを用いることによって、処置される局所領域に適用され得る。適用領域は、処置および/または防止される状態、障害および/または疾患の性質によって決定される。
本発明に記載されている化粧品組成物または皮膚医薬組成物に含有されている、化粧品としてまたは皮膚医薬として許容される賦形剤および/または成分の中には、化粧品組成物または皮膚医薬組成物に一般に使用される追加の成分があり、例えば限定されるものではないが、神経細胞の開口分泌を阻害する薬剤、抗コリン作用剤、筋収縮を阻害する薬剤、老化防止剤、皺取り剤(anti-wrinkle agent)、保湿剤、保湿物質、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、モイスチャー化粧品(moisturizer)、真皮もしくは上皮巨大分子の合成を刺激し、かつ/またはそれらの分解を阻害もしくは防止することができる薬剤、コラーゲン合成刺激剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、AQP−3をモジュレートする薬剤、アクアポリン合成をモジュレートする薬剤、アクアポリンファミリーのタンパク質、ヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、熱ショックタンパク質、熱ショックタンパク質合成刺激剤、ノクターニンの量を低減する薬剤、ノクターニン発現を阻害する薬剤、脂肪分解剤もしくは脂肪分解を刺激する薬剤、静脈強壮剤(venotonic agent)、PGC−1α発現をモジュレートする薬剤、PPARγの活性を阻害する薬剤、脂肪細胞のトリグリセリド含量を低減する薬剤、抗セルライト剤、脂肪細胞分化遅延剤、皮脂生成を減少させる薬剤、抗脂漏剤、艶消し剤(mattifying agent)、抗座瘡剤、制汗剤、抗炎症剤および/もしくは鎮痛剤、抗そう痒剤、鎮静剤、麻酔薬、アセチルコリン受容体凝集の阻害剤、アセチルコリンエステラーゼを阻害する薬剤、皮膚弛緩剤、メラニン合成の刺激剤もしくは阻害剤、ホワイトニング剤もしくは脱色剤、色素沈着促進剤(propigmenting agent)、セルフタンニング剤、NOシンターゼ阻害剤、5α還元酵素阻害剤、リシルおよび/もしくはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/もしくは抗大気汚染剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、抗糖化剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、液体噴霧剤、皮膚コンディショナー、上皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、顔料もしくは着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、乳化剤、結合剤、保存剤、目の下のたるみを低減もしくは処置することができる薬剤、角質除去剤(exfoliating agent)、角質溶解剤(keratolytic agent)、角質溶解剤(desquamating agent)、抗微生物剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、角質層構成成分の合成を刺激する薬剤、セラミド、脂肪酸、コラーゲン分解を阻害する薬剤、マトリックスメタロプロテイナーゼを阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼ、例えばカリクレイン、白血球エラスターゼもしくはカテプシンGを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、ケラチノサイト増殖を刺激する薬剤、メラニン細胞増殖を刺激する薬剤、ケラチノサイト分化を刺激する薬剤、抗過角化症剤、面皰溶解剤、抗乾癬剤、DNA修復剤、DNA保護剤、幹細胞保護剤、安定剤、敏感肌の処置および/もしくはケアのための薬剤、引締め剤、抗ストレッチマーク剤、収斂剤、PAR−2の活性を阻害する薬剤、創傷治癒を刺激する薬剤、コアジュバント創傷治癒剤、上皮再形成を刺激する薬剤、コアジュバント上皮再形成剤、サイトカイン成長因子、毛細血管循環および/もしくは微小循環に作用する薬剤、血管新生を刺激する薬剤、血管透過性を阻害する薬剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−上皮結合を改善する薬剤、発毛誘導剤、発毛阻害剤もしくは発毛遅延剤、抜け毛遅延剤、保存剤、香料、化粧品用および/もしくは吸収性および/もしくは体臭マスキング用のデオドラント、キレート剤、植物エキス、エッセンシャルオイル、海産物エキス、生物工学的プロセスから得られた薬剤、ミネラル塩、細胞エキス、日焼け止めならびに紫外Aおよび/もしくはB線および/もしくは赤外A線に対して活性な有機もしくは無機光防護剤、またはそれらの混合物が含まれ、ただしこれらは、組成物の構成成分の残りおよびHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスまたは菌体外多糖と、物理的かつ化学的に適合性がある。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。同様に、これらの追加の成分の性質は、本発明の発酵エキスまたは菌体外多糖の利益を容認しがたく変えるべきではない。これらの追加の成分の性質は、合成であってよく、もしくは植物エキスなどのように天然であってよく、または生物工学的プロセスから得ることができ、または合成プロセスと生物工学的プロセスの組合せから得ることができる。さらなる例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第12版(2008年)に見出すことができる。本発明の文脈では、生物工学的プロセスは、生物またはその一部において、活性成分またはその一部を生成するための任意のプロセスであると理解される。
一実施形態では、本発明の化粧品組成物および/または皮膚医薬組成物は、
− 0.0000000001%(重量)〜20%(重量)の、Halomonas eurihalina種の菌株から排出された発酵エキスまたは菌体外多糖、
− 0.1%(重量)〜20%(重量)の、(INCI名)グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、乳酸、尿素、ヒアルロン酸ナトリウムの群から選択される保湿剤、
− 0.1%(重量)〜20%(重量)の、(INCI名)ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、セテアリルアルコール、レシチン、C12〜15安息香酸アルキル、スクアラン、ラノリン、ベヘニルアルコール、トコフェロール酢酸エステル、パンテノール、Butyrospermum Parkiiバター、パルミチン酸レチニル、レチノールの群から選択される皮膚軟化剤または皮膚コンディショニング剤、
− 0.1%(重量)〜20%(重量)の、(INCI名)キサンタンガム、ラウレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸(Steraric Acid)、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアレス−2、セテアレス−20、コカミドプロピルベタインの群から選択される界面活性剤
を含有する。
一実施形態では、皺取り剤および/または老化防止剤は、例えば限定されるものではないが、中でもVitis vinifera、Rosa canina、Curcuma longa、Theobroma cacao、Ginkgo biloba、Leontopodium alpinumもしくはDunaliella salinaのエキスもしくは加水分解エキス、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−4]、Matrixyl(登録商標)3000(登録商標)[INCI:パルミトイルテトラペプチド−7、パルミトイルオリゴペプチド]、Matrixyl(登録商標)Synthe’6(商標)[INCI:グリセリン、水、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、パルミトイルトリペプチド−38]、Essenskin(商標)[INCI:カルシウムヒドロキシメチオニン]、Renovage[INCI:テプレノン]、Resistem(商標)[INCI:Globularia Cordifolia発酵物]、Beautifeye[INCI:Albizia Julibrissin樹皮エキス、ダルトシド]、Meiritage[INCI:Astragalus Membranaceus根エキス、Atractyloides Macrocephala根エキス、Bupleurum Falcatum根エキス]、Senestem[INCI:Plantago Lanceolata葉エキス]、Venuceane[INCI:Thermus Thermophillus発酵物]もしくはDermaxyl(登録商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaによって販売)、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−3]、Syn(登録商標)−Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセテート]、Syn(登録商標)−Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド−5]、Phytaluronate[INCI:ローカストビーン(Ceratonia siliqua)ガム]、Regu−Scence[INCI:Asparagus Officinalis茎エキス、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、グルコノラクトン、グルコン酸カルシウム]、Syn−TC[INCI:トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア、パルミトイルトリペプチド−5、パルミトイルジペプチド−5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニン]もしくはPreregen(登録商標)[INCI:Glycine soja(ダイズ)タンパク質、オキシドレダクターゼ](Pentapharm/DSMによって販売)、Myoxinol(商標)[INCI:加水分解Hibiscus esculentusエキス]、Syniorage(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−11]、Dermican(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−9]、Shadownyl[INCI:藻類エキス、へキシレングリコール、カプリリルグリコール、キサンタンガム]もしくはDN AGE(商標)LS[INCI:Cassia alata葉エキス](Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFによって販売)、Algisum C(登録商標)[INCI:マンヌロン酸メチルシラノール]、Exage[INCI:イミダゾリルエチルジアミノプロパンアミド]もしくはHydroxyprolisilane CN(登録商標)[INCI:アスパラギン酸メチルシラノールヒドロキシプロリン](Exsymolによって販売)、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−8]、SNAP−7[INCI:アセチルヘプタペプチド−4]、SNAP−8[INCI:アセチルオクタペプチド−3]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−18]、Inyline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−30]、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解(Hydrolized)コムギタンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド−1]、Preventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド−33]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Decorinol(登録商標)[INCI:トリペプチド−9シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス、加水分解コムギタンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Eyeseryl(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−5]、Peptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド−30シトルリン]、Relistase(登録商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、Thermostressine(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−22]、Lipochroman(商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、Chromabright(登録商標)[INCI:パルミチン酸ジメチルメトキシクロマニル]、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス]、dGlyage(商標)[INCI:リシンHCl、レシチン、トリペプチド−9シトルリン]、Vilastene(商標)[INCI:リシンHCl、レシチン、トリペプチド−10シトルリン]、Hyadisine(商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス]、Hyanify(商標)[INCI:異性化糖]、Diffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク質、アセチルヘキサペプチド−39]、Adifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38]、Uplevity(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−2]、Juveleven(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−51アミド]、Seacode(商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス]、Nocturshape(商標)[INCI:プランクトンエキス]、Actigym(商標)[INCI:プランクトンエキス]、もしくはTelangyn(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−40](Lipotec/Lubrizolによって販売)、Kollaren(登録商標)[INCI:トリペプチド−1、デキストラン](Institut Europeen de Biologie Cellulaireによって販売)、Collaxyl(登録商標)IS[INCI:ヘキサペプチド−9]、Laminixyl IS(商標)[INCI:ヘプタペプチド]、Orsirtine(商標)GL[INCI:Oryza sativa(コメ)エキス]、D’Orientine(商標)IS[INCI:Phoenix dactylifera(デーツ)種子エキス]、Phytoquintescine(商標)[INCI:ヒトツブコムギ(Triticum monococcum)エキス]、Peptide Q10[INCI:トリフルオロ酢酸ペンタペプチド−34]、Telosense[INCI:加水分解酵母タンパク質、加水分解ダイズタンパク質]もしくはQuintescine(商標)IS[INCI:ジペプチド−4](Vincience/ISP/Ashlandによって販売)、BONT−L−ペプチド[INCI:パルミトイルヘキサペプチド−19](Infinitec Activosによって販売)、Deepaline(商標)PVB[INCI:パルミトイル加水分解コムギタンパク質]もしくはSepilift(登録商標)DPHP[INCI:ジパルミトイルヒドロキシプロリン](Seppicによって販売)、Gatuline(登録商標)Expression[INCI:Acmella oleraceaエキス]、Gatuline(登録商標)In−Tense[INCI:Spilanthes acmella花エキス]もしくはGatuline(登録商標)Age Defense 2[INCI:Juglans regia(クルミ)種子エキス](Gattefosseによって販売)、Thalassine(商標)[INCI:藻類エキス](Biotechmarineによって販売)、ChroNOline(商標)[INCI:カプロオイルテトラペプチド−3]もしくはThymulen−4[INCI:アセチルテトラペプチド−2](Atrium/Unipex Innovationsによって販売)、EquiStat[INCI:Pyrus malus果実エキス、Glycine soja種子エキス]もしくはJuvenesce[INCI:エトキシジグリコールおよびカプリル酸トリグリセリド、レチノール、ウルソール酸、フィトナジオン、イロマスタット](Coletica/Engelhard/BASFによって販売)、Ameliox[INCI:カルノシン、トコフェロール、Silybum marianum果実エキス]、Phytocelltec Symphytum[INCI:イソマルト、Symphytum Officinale根の細胞培養物、レシチン、安息香酸ナトリウム]、Snow Algae Powder[INCI:クラミドカプサエキス、マルトデキストリン、レシチン]、Dermcom[INCI:アカシアセネガルガム、Crocus Chyrsanthus球根エキス]、Anagain[INCI:Pisum Sativum(エンドウマメ)、芽エキス]もしくはPhytoCellTec Malus Domestica[INCI:Malus domestica果実細胞培養物](Mibelle Biochemistryによって販売)、Bioxilift[INCI:Pimpinella anisumエキス]、Vitagenyl[INCI:Prunus Persica(モモ)葉エキス]もしくはSMS Anti−Wrinkle(登録商標)[INCI:Annona squamosa種子エキス](Silabによって販売)、Symvital Agerepair[INCI:Zingiber Officinale(ショウガ)根エキス](Symriseによって販売)、Citrustem[INCI:キサンタンガム、安息香酸ナトリウム、グルコノラクトン、グルコン酸カルシウム]、Melavoid[INCI:Boerhavia Diffusa根エキス]、Darkout[INCI:Hypoxis Rooperi根茎エキス、Caesalpinia Spinosaガム]もしくはLinefill[INCI:ジメチルイソソルビド、Sesamum Indicum(ゴマ)種子エキス](Provitalによって販売)、Adipofill’in[INCI:オルニチン、リン脂質、糖脂質]、Elix−IR[INCI:Polygonum Aviculareエキス]もしくはProgeline[INCI:トリフルオロアセチルトリペプチド−2](Lucas Meyerによって販売)、Amiperfect[INCI:Gaultheria Procumbens(ウィンターグリーン)葉エキス]もしくはRepulpami ER[INCI:Adansonia Digitata 果肉エキス、Hibiscus Sabdariffa花エキス](Alban Mullerによって販売)、Celloxyl[INCI:Uapaca Bojeri葉エキス]もしくはResistress[INCI:Sophora Japonica花エキス](Sol
abiaによって販売)、Actiporine 8G[INCI:Jania Rubensエキス]もしくはEPS Seafill[INCI:プランクトンエキス](Codifによって販売)、Novhyal Biotech G[INCI:アセチルグルコサミンリン酸二ナトリウム]もしくはRubixyl[INCI:ヘキサペプチド−47](Induchemによって販売)、Ca2+チャネルのアンタゴニスト、例えば限定されるものではないが、アルベリン、マンガンもしくはマグネシウム塩、ある特定の第二級もしくは第三級アミン、レチノールおよびその誘導体、イデベノンおよびその誘導体、補酵素Q10およびその誘導体、ボスウェル酸およびその誘導体、GHKおよびその誘導体および/もしくは塩、カルノシンおよびその誘導体、DNA修復酵素、例えば限定されるものではないが、光回復酵素もしくはT4エンドヌクレアーゼV、もしくは塩素チャネルアゴニスト、ならびに/またはこれらの混合物によって形成される群から選択される。
別の実施形態では、引締め剤および/または再高密度化剤(redensifying agent)および/または再構成剤は、例えば限定されるものではないが、中でもMalpighia punicitolia、Cynara scolymus、Gossypium herbaceum、Aloe Barbadensis、Panicum miliaceum、Morus nigra、Sesamum indicum、Glycine soja、Triticum vulgareのエキス、Pronalen(登録商標)Refirming HSC[INCI:Triticum Vulgare、Silybum Marianum、Glycine Soy、Equisetum Arvense、Alchemilla Vulgaris、Medicago Sativa、Raphanus Sativus]、Lipoout[INCI:プランクトンエキス]もしくはPolyplant(登録商標)Refirming[INCI:Coneflower、Asiatic Centella、ヒバマタ、フェヌグリーク](Provitalによって販売)、Lanablue(登録商標)[INCI:ソルビトール、藻類エキス](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsによって販売)、Pepha(登録商標)−Nutrix[INCI:天然栄養因子](Pentapharm/DSMによって販売)、イソフラボンを含有する植物エキス、Biopeptide EL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Biopeptide CL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Vexel(登録商標)[INCI:水(アクア)、プロピレングリコール、レシチン、カフェイン、パルミトイルカルニチン]、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−3]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド−3、パルミトイルオリゴペプチド]もしくはBio−Bustyl(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、ラーネラ属ダイズタンパク質発酵物、水(アクア)、プロピレングリコール、グリセリン、PEG−8、パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaによって販売)、Dermosaccharides(登録商標)HC[INCI:グリセリン、水(アクア)、グリコサミノグリカン、グリコーゲン]、Aglycal(登録商標)[INCI:マンニトール、シクロデキストリン、グリコーゲン、Aratostaphylos Uva Ursi葉エキス]、Cytokinol(登録商標)LS[INCI:加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク質、リシンHCl]もしくはFirmiderm(登録商標)LS9120[INCI:Terminalia Catappa葉エキス、Sambucus Negra花エキス、PVP、タンニン酸](Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFによって販売)、Liftline(登録商標)[INCI:加水分解コムギタンパク質]、Raffermine(登録商標)[INCI:加水分解ダイズ粉]もしくはRidulisse C(登録商標)[加水分解ダイズタンパク質](Silabによって販売)、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]、Decorinyl(商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス、加水分解コムギタンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク質、アセチルヘキサペプチド−39]もしくはAdifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38](Lipotec/Lubrizolによって販売)、Ursolisome(登録商標)[INCI:レシチン、ウルソール酸、アテロコラーゲン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム]、Eperuline[INCI:マルトデキストリン、Eperua Falcata樹皮エキス]もしくはCollalift(登録商標)[INCI:加水分解麦芽エキス](Coletica/Engelhard/BASFによって販売)、Syn(登録商標)−Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド−5](Pentapharm/DSMによって販売)、Hydriame(登録商標)[INCI:水(アクア)、グリコサミノグリカン、スクレロチウムガム](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsによって販売)、Sphingokine NP[INCI:カプロオイルフィトスフィンゴシン](Evonikによって販売)、Body3 Complex[INCI:ベントナイト、Butyrospermum Parkii(シア)実エキス、Persea Gratissima(アボカド)果実エキス](Lucas Meyerによって販売)、Prosynergen DF[INCI:Lactobacillus/Ulkenia Amoeboidea発酵エキス濾液](Lonzaによって販売)、またはIP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド−2](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Innovationsによって販売)によって形成される群から選択される。
他の実施形態では、真皮または上皮高分子の合成を刺激する薬剤は、例えば限定されるものではないが、中でもコラーゲン合成刺激剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、アクアポリン合成をモジュレートする薬剤、フィブロネクチン合成刺激剤、コラーゲン分解を阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼ、例えばカリクレイン、白血球エラスターゼもしくはカテプシンGを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、ならびにDNA修復剤および/もしくはDNA保護剤、例えば限定されるものではないが、Centella asiatica、Saccharomyces cerivisiae、Solanum tuberosum、Rosmarinus officinalis、Vaccinium angustifoliumのエキス、藻類Macrocystis pyrifera、Padina pavonicaのエキス、ダイズ、麦芽、亜麻、セージ、レッドクローバー、葛根、白色ルピナス植物のエキス、ヘーゼルナッツエキス、トウモロコシエキス、酵母エキス、ブナノキ(beech shoot)エキス、マメ科種子エキス、植物ホルモンエキス、例えばジベレリン、オーキシンもしくはサイトカイニン、または中でも動物プランクトンSalinaのエキス、Lactobacillus Bulgaricusを含む乳の発酵生成物、アシアチコシドおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ケイ皮酸およびその誘導体、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−3]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド−3、パルミトイルオリゴペプチド]もしくはBiopeptide CL(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、プロピレングリコール、パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaによって販売)、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]、Lipeptide[INCI:加水分解野菜タンパク質]、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解コムギタンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド−1]、Relistase(商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、Thermostressine(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−22]、Peptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド−30シトルリン]、Diffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク質、アセチルヘキサペプチド−39]もしくはAdifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38](Lipotec/Lubrizolによって販売)、Drieline(登録商標)PF[INCI:酵母ベータグルカン](Alban Mullerによって販売)、Phytovityl C(登録商標)[INCI:アクア、Zea maysエキス](Solabiaによって販売)、Collalift(登録商標)[INCI:加水分解麦芽エキス](Coletica/Engelhard/BASFによって販売)、Phytocohesine PSP(商標)[INCI:ベータシトステロール硫酸ナトリウム](Vincience/ISP/Ashlandによって販売)、ミネラル、例えばカルシウム、中でもレチノイドおよびそれらの誘導体、イソフラボノイド、カロテノイド、リコペン、シュードジペプチド、レチノイドおよびそれらの誘導体、例えばレチノールまたはパルミチン酸レチニル、または中でもヘパリノイドによって形成される群から選択される。
別の実施形態では、創傷治癒を刺激する薬剤、コアジュバント創傷治癒剤、上皮再形成(reepithelization)を刺激する薬剤、および/またはコアジュバント上皮再形成剤は、例えば限定されるものではないが、中でもAristoloquia clematis、Centella asiatica、Rosa moschata、Echinacea angustifolia、Symphytum officinale、Equisetum arvense、Hypericum perforatum、Mimosa tenuiflora、Persea gratisima、Prunus africanum、Tormentilla erectea、Aloe veraのエキス、Polyplant(登録商標)Epithelizing[INCI:Calendula Officinalis、Hypericum Perforatum、Chamomilla Recutita、Rosmarinus Officinalis](Provitalによって販売)、Cytokinol(登録商標)LS 9028[INCI:加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク質、リシンHCl](Laboratories Serobiologiques/Cognisによって販売)もしくはDeliner(登録商標)[INCI:Zea May(トウモロコシ)穀粒エキス](Coletica/Engelhard/BASFによって販売)、アラントイン、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、ヒアルロン酸受容体、免疫グロブリン、線維芽細胞成長因子、結合組織成長因子、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、インスリン様成長因子、ケラチノサイト成長因子、コロニー刺激因子、形質転換成長因子ベータ、腫瘍壊死因子−アルファ、インターフェロン、インターロイキン、マトリックスメタロプロテイナーゼ、受容体タンパク質チロシンホスファターゼ、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵エキス、加水分解コムギタンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Bodyfensine(商標)[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド−3]、Delisens(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−49]、またはDiffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37](Lipotec/Lubrizolによって販売)によって形成される群から選択される。
適用
別の態様では、本発明は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアのための化粧品組成物または皮膚医薬組成物の調製における、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスの使用に言及する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
別の態様では、本発明は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアのための化粧品組成物または皮膚医薬組成物の調製における、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の使用に言及する。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/もしくは防止、皮膚皺の処置および/もしくは防止、皮膚の張りを改善するためおよび/もしくは皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/もしくは爪の処置および/もしくは防止、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止を指す。一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/もしくは防止、皮膚皺の処置および/もしくは防止、皮膚の張りを改善するためおよび/もしくは皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/もしくは爪の処置および/もしくは防止、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止を指し、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、または菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
一実施形態では、皮膚および/または粘膜の炎症は、例えば限定されるものではないが、中でも乾癬、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、酒さ、座瘡、過剰増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、外科手術後、インテンスパルス光治療(IPL)による処置後、単色パルス光治療(レーザー)による処置後、化学的剥離剤による処置後、または侵襲性の外部薬剤への過剰曝露後の皮膚炎症、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎、鼻炎、アレルギー性鼻炎によって形成される群から選択される。一実施形態では、コネキシンCx26および/またはCx30レベルの増大は、皮膚および/または粘膜の炎症を処置および/または防止する。
一実施形態では、皮膚、粘膜および/または爪の水分補給の欠如または低下の結果である状態、障害および/または疾患は、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底過角化症、鶏眼または胼胝、光線角化症、非光線角化症、アトピー性皮膚炎、接触性湿疹、脂漏性皮膚炎、乳児の乳痂、座瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化症、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、クーパーローズ、膣内乾燥によって形成される群から選択される。
別の態様では、本発明は、皮膚のコネキシンレベルを増大させる皮膚の処置および/またはケアのための化粧品組成物または皮膚医薬組成物の調製における、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスの使用に言及する。本発明によれば、皮膚のコネキシンレベルの増大は、皮膚ケラチノサイトにおける少なくとも1種のコネキシンの量の増大として理解される。一実施形態では、コネキシンは、コネキシン26、コネキシン30、コネキシン30.3、コネキシン31、コネキシン31.1、コネキシン37、コネキシン43、コネキシン46、またはコネキシン59とも命名されるコネキシン58である。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、皮膚の処置および/またはケアは、皮膚のコネキシンレベルを増大させる。
別の態様では、本発明は、皮膚のコネキシンレベルを増大させる皮膚の処置および/またはケアのための化粧品組成物または皮膚医薬組成物の調製における、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の使用に言及する。本発明によれば、皮膚のコネキシンレベルの増大は、皮膚ケラチノサイトにおける少なくとも1種のコネキシンの量の増大として理解される。一実施形態では、コネキシンは、コネキシン26、コネキシン30、コネキシン30.3、コネキシン31、コネキシン31.1、コネキシン37、コネキシン43、コネキシン46、またはコネキシン59とも命名されるコネキシン58である。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有し、皮膚の処置および/またはケアは、皮膚のコネキシンレベルを増大させる。
本発明の追加の一態様は、化粧品または皮膚医薬として有効な量の、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスを投与することを含む、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪を処置および/またはケアする方法に言及する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
本発明の追加の一態様は、化粧品または皮膚医薬として有効な量の、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖を投与することを含む、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪を処置および/またはケアする方法に言及する。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアの方法は、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/もしくは防止、皮膚皺の処置および/もしくは防止、皮膚の張りを改善するためおよび/もしくは皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/もしくは爪の処置および/もしくは防止、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止の方法に言及する。一実施形態では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアの方法は、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/もしくは防止、皮膚皺の処置および/もしくは防止、皮膚の張りを改善するためおよび/もしくは皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/もしくは爪の処置および/もしくは防止、皮膚、粘膜および/もしくは爪の上皮再形成および/もしくは創傷治癒、皮膚および/もしくは粘膜の炎症の処置および/もしくは防止、または皮膚、粘膜および/もしくは爪の水分補給の欠如もしくは低下の結果である状態、障害および/もしくは疾患の処置および/もしくは防止の方法に言及し、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有し、またはHalomonas eurihalina種の菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
一実施形態では、皮膚、粘膜および/または爪の水分補給の欠如または低下の結果である状態、障害および/または疾患は、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底過角化症、鶏眼または胼胝、光線角化症、非光線角化症、アトピー性皮膚炎、接触性湿疹、脂漏性皮膚炎、乳児の乳痂、座瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化症、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、クーパーローズ、膣内乾燥によって形成される群から選択される。
別の態様では、本発明は、化粧的にまたは薬学的に有効な量の、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスを投与することを含む、皮膚のコネキシンレベルを増大させる方法に言及する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、発酵エキスは、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の発酵エキスは、少なくとも10kDaの分子量を有し、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
別の態様では、本発明は、化粧的にまたは薬学的に有効な量の、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖を投与することを含む、皮膚のコネキシンレベルを増大させる方法に言及する。一実施形態では、菌体外多糖は、少なくとも10kDaの分子量を有する。一実施形態では、Halomonas eurihalina種の菌株は、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である。
別の態様では、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスまたは菌体外多糖は、哺乳動物の身体、典型的にはヒトの身体の作用部位と接触させる任意の手段によって、発酵エキスまたは菌体外多糖を含有する組成物の形態で投与することができる。Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスの投与は、局所または経皮によって行われる。一実施形態では、局所または経皮適用は、イオン導入、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療、マイクロインジェクション、圧力を用いる無針注射、微小電気パッチ、フェイスマスクまたはそれらの任意の組合せによって行われる。
適用または投与の頻度は、各被験体の必要に応じて広く変わり得るが、月1回から1日10回、週1回から1日4回、週3回から1日3回、または1日1回の、様々な適用または投与が示唆される。
生物学的材料の寄託
Halomonas eurihalina種の株は、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM)/Laboratorium voor Microbiologie−Bacterieverzameling(LMG)(University Ghent、K.L.Ledeganckstraat 35、9000 Ghent、Belgium)において、ブダペスト条約の条件下で寄託された。寄託は、2014年10月10日に行われ、寄託番号はLMG P−28571であった。
[実施例]
上に言及した文書のそれぞれは、上で具体的に列挙されていても列挙されていなくても、従来の任意の特許出願文書を含む参照によって本明細書に組み込まれ、それから優先権が特許請求される。いかなる文書への言及も、このような文書が従来技術とみなされ、または任意の管轄の当業者の一般知識を構成すると認めるものではない。実施例またはそれ以外で明確に示されている場合を除き、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子数等を特定する本記載におけるすべての数量は、近似と理解されるべきであり、すなわち示した値の±5%、±3%、±1%、±0.1%、または±0.01%で変動する。本明細書に記載の量、範囲および比の上限および下限は、独立に組み合わせることができると理解されたい。同様に、本明細書に記載の技術の要素ごとの範囲および量は、その他の要素のいずれかの範囲または量と一緒に使用することができる。
(実施例1)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって分泌される菌体外多糖を得る。
A)寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株の培養プロセス。
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株を、発酵槽中、32℃およびpH7.0で、水と、炭素供給源としての10g/Lのグルコースと、炭素および窒素供給源としての3g/Lの酵母エキスおよび3g/Lの麦芽エキスおよび5g/Lのエンドウマメペプトンと、9.8g/LのNaCl、1.7g/Lの塩化マグネシウム六水和物、2.5g/Lの硫酸マグネシウム七水和物、0.25g/Lの塩化カリウム、0.05g/Lの無水塩化カルシウム、0.05g/Lの重炭酸ナトリウム、臭化ナトリウムおよび塩化鉄の微量の塩を含有する塩溶液とを含有する培養培地で培養する。それを、指数関数的増殖状態にある前培養物からの、520nmにおける吸光度で0.2吸光度単位を接種し、発酵継続時間を、およそ40時間の培養まで延長する。培養物に、十分な空気を供給し、撹拌速度300〜600rpmで撹拌する。
B)寄託番号LMG P−28571で寄託されたHalomonas eurihalina種の菌株の菌体外多糖の精製。
細菌を、実施例1a)に記載の、菌体外多糖を含有する得られた発酵ブロスから、18,000gで1時間遠心分離することによって分離する。細菌の除去を、最終的な細孔径0.20μmで濾過することによって完了する。その後、濾過したブロスを、10,000Daカットの膜で透析し、菌体外多糖(expolysaccharide)を、膜によって保持する。透析された菌体外多糖を凍結乾燥させることによって、精製の仕上げを行う。
(実施例2)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株から排出された菌体外多糖の物理化学的特徴付け。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および赤外分光法(IR)分析(屈折率検出器)を、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の物理化学的特徴付けを、実施例1に従って得られた菌体外多糖の単糖内容物について実施する。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および赤外分光法(IR)分析
HPLC−IRクロマトグラムを行うために、試料を、実施例1に従って得られた菌体外多糖から、それらを水で2mg/mLに希釈し、0.2μmポリエーテルスルホンフィルターで濾過して調製する。HPLC分析を、LC20A SHIMADZUクロマトグラフィー装置により注入試料100μLを使用して行う。使用されるクロマトグラフィーカラムは、PL AQUAGEL−OH 8μm AQUEOUS SECカラムであり、検出器は、RID−10A屈折率検出器(島津)である。使用される溶媒は、水中0.1M酢酸ナトリウムであり、流速は0.8ml/分である。PL AQUAGEL−OH 8μm AQUEOUS SECカラムは、中性、アニオン性およびカチオン性の水溶性ポリマーに適用される、化合物のMWに応じて化合物を分離する能力を持つパッケージを備えた水性サイズ排除クロマトグラフィーのためのカラムであり、粒径8μm、細孔径50Åおよび長さ/内径300mm×7.5mmを有する。
分析結果は、保持時間5〜8分を示す。
単糖の分析
固体から単糖分析を実施するために、Montreuilら、Glycoproteins. In Carbohydrate analysis: a practical approach、1986年、Chaplin et Kennedy編、I.R.L Press、Oxford、Washington D.C.、143〜204頁によって後に改変されたKamerlingら、Biochem. J.、1975年、151巻、491〜495頁により記載された方法に従う。加水分解された単糖の誘導体化を、文献の方法に従って行う[Rojas Escuderoら、J. Chromatogr. A.、2004年、1027巻:117〜120頁]。ZEBRON ZB−1701(Phenomenex)カラム、注入器温度250℃、検出器温度280℃、およびオーブン温度勾配プログラム160℃〜250℃を、クロマトグラフィー分析で使用する。
実施例1に従って得られた菌体外多糖の分析によれば、75%のグルコース、13%のマンノース、2%のラムノース、2%のD−グルコサミン、および7%のガラクトース、および1%のフコースという結果である。
実施例1に従う菌体外多糖の培養および調製の2回目の反復では、分析から得られた百分率は、52%のグルコース、10%のマンノース、12%のラムノース、20%のD−グルコサミン、6%のガラクトース、1%のフコース、および1%のグルクロン酸である。
(実施例3)
Scrape−Loading染料移動によるヒトケラチノサイトHaCaT細胞株における細隙結合部細胞間連絡の増大の研究。
細胞の細隙結合部細胞間連絡(GJIC)を、el-Fouly MHら、[「Scrape-loading and dye transfer. A rapid and simple technique to study gap junctional intercellular communication.」、Exp. Cell Res.、1987年2月;168巻(2号):422〜30頁]によって記載のScrape−Loading染料移動(SLDT)技術にいくらか改変を加えたものによって評価する。実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、GJICに対する効果を、ヒトケラチノサイトHaCaT細胞株で研究する。
HaCat細胞(DKFZ)を、24ウェルプレートに1.0×10
5個の細胞/ウェルで播種し、培養培地(10%ウシ胎児血清を補充した、DMEM、高グルコース、GlutaMAX(商標)補充物)(Gibco(登録商標))中、37℃および5%CO
2で24時間インキュベートする。次に、細胞を、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、培養培地(10%ウシ胎児血清を補充した、DMEM、高グルコース、GlutaMAX(商標)補充物)(Gibco(登録商標))(基本条件として)中0.5mg/mlを用いて、37℃および5%CO
2において24時間、24時間にわたり処理する。すべての処理を、条件1つ当たり2つのウェルで行う。インキュベーション期間の最後に、細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)で2回すすぐ。PBSを除去し、ルシファーイエロー(LY)(Life Technologies)(0.5mg/ml)、細隙結合部透過性トレーサー、および細隙結合部非透過性化合物ローダミンデキストラン(RhD)(Life Technologies)(0.5mg/ml)を含有するPBS400μlを、ウェルに添加する。小刀を使用して、細胞単層にわたって1本の擦過線を作成する。細胞を、暗所中、室温で30分間インキュベートして、染料移動を可能にする。次に、細胞を、PBSで4回すすぎ、室温において4%(w/v)パラホルムアルデヒドで30分間固定する。蛍光色素が、ある特定時間中に擦過線から拡散する距離は、培養物内のGJICレベルを示している。細隙結合部による染料移動は、蛍光顕微鏡(Zeiss)を用いて、10倍対物レンズを使用して観測する。Luciferイエロー染料の移動距離は、掻爬部分の細胞層から、視覚的に検出可能な染料の前方の端部までを測定する。4回の独立したアッセイを2つ組で実施する(条件1つ当たり2つのウェル)。撮影した写真を、画像分析ソフトウェア(Zen lite 2012(青色版)、Zeiss)を使用して分析する。表1は、4回の独立した実験の平均値を示す。
SLDTアッセイでは、本発明の菌体外多糖は、蛍光色素が基本条件(培地)に対して拡散する距離の増大を示し、このことは、HaCat細胞におけるGJICを有効に改善することを実証している。
(実施例4)
ヒト細隙結合部RT2PCRアレイを使用する、成人のヒト上皮ケラチノサイトにおけるRNA発現のモジュレーションの研究。
RT−PCRは、mRNA発現レベルを検出するための高感度な方法であり、特異的な細隙結合部の発現を活性化する化合物を同定するのに有用な手段であり得る。潜在的な非細胞傷害性候補を、成人のヒト上皮ケラチノサイト(HEKa)(Cascade Biologics)において、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのヒト細隙結合部Predesigned 96ウェルパネルを使用して、細隙結合部(GJ)発現の活性化およびRNA発現のモジュレーションについて評価する。このキットにより、細隙結合部の構成成分、相互作用物質、および調節因子をコードする84の非常に重要な遺伝子と、3つのハウスキーピング遺伝子、および5つの対照の発現プロファイルを研究する。細隙結合部の構成成分および調節因子の発現プロファイルによって、細隙結合部媒介性細胞生物学の背後にある分子機序をより良好に理解することができる。リアルタイムPCRを使用して、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.5mg/mlによって誘導されたRNAプロファイルの特異的パターンを、HEKaにおける未処理細胞(陰性対照)の基本レベルと比較して分析する。
HEKa細胞を、6ウェルプレートにおいて、5.0×105個の細胞/ウェルで播種し、規定の成長補充物(EDGR)を有するEpilife(Gibco)中、37℃および5%CO2で24時間インキュベートする。24時間後、培地を除去し、細胞を、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.5mg/mlと共にインキュベートし、基礎対照として、HEKa細胞の2つのウェルを、培地だけと共にインキュベートする(規定の成長補充物(EDGR)を含むEpilife(Gibco)。インキュベーション後24時間で(24 hours after incubation)、細胞を、ウェル中で直接溶解させ、RNAを抽出し、QiagenのRNeasyPlus Miniキットを用いて、各レプリカおよび各条件から精製する。溶解した細胞をホモゲナイズし、RNaseを不活化する。ゲノムDNAを、gDNA Eliminatorスピンカラムを使用することによって試料から除去する。次に、試料を、特別なRNA結合カラムを通過させ、数回の微量遠心分離洗浄を行って、夾雑物および不純物を排除した後、精製されたたRNAを、超純水50μlで溶出する。RNA溶出の後、RNA試料の定量および純度分析を、暗順応計(Eppendorf)を用いて実施する。試料ごとに、高品質RNA7.5μgを、最終体積20μlでiScript advanced(BioRad)を用いて逆転写する(retro-transcribed)。完全な反応混合物を、サーマルサイクラー(Eppendorf)中、42℃で30分間インキュベートし、反応は85℃において5分間で停止する。相補的DNAを、リアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)で、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのヒト細隙結合部Predesigned 96ウェルパネルにおいて、SYBRgreen supermix(BioRad)を使用して、qPCRによって増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合して、蛍光を発光し、この蛍光が定量され、その蛍光強度は、PCR反応における生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器のサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒の変性、60℃で30秒間のアニーリングおよび伸長の40サイクルである。GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内在性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する倍数変化を、CFX Managerソフトウェア(BioRad)を使用し、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用してデフォルト閾値を用いて算出する。
実施例1による菌体外多糖について得られた結果を、次の表に示す。
実施例1による菌体外多糖について得られた結果は、この菌体外多糖が、コネキシン合成、膜および集合体へのヘミチャネルの輸送、ならびに細隙結合部の代謝回転およびモジュレーションなどの、HEKaにおける異なるレベルでの細胞間連絡に関与する遺伝子の発現を増大することを示している。
(実施例5)
上皮−真皮細胞−細胞連絡に対する、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の効果
老化は、細胞間の連絡プロセスを枯渇させる。線維芽細胞とケラチノサイトの間のクロストークは、皮膚の再生、修復および成長に必須であり、成長因子およびサイトカインなどのいくつかのメッセンジャーの活性を必要とする。ケラチノサイトは、成長因子の主な供給源であり、これはケラチノサイト自体だけでなく、パラクリンシグナル伝達を介して線維芽細胞も刺激することができ、細胞外マトリックス(ECM)の分子構成に大幅に影響を及ぼし得る(Werner S、Krieg T、Smola H. Keratinocyte-fibroblast interactions in wound healing. J Invest Dermatol. 2007年、5月;127巻(5号):998〜1008頁)。この研究では、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、54歳のドナーのケラチノサイト−線維芽細胞連絡に対する効果を評価し、より若年(39歳)のドナーのケラチノサイト−線維芽細胞連絡と比較する。54歳のドナーの線維芽細胞を、候補の菌体外多糖で最初に処理されるケラチノサイトの上清と共にインキュベートする。39歳のドナーおよび54歳のドナーの線維芽細胞におけるマトリックスタンパク質の発現を、定量的PCRによって分析する。
37℃において5%CO2加湿空気中で7日間、39歳のドナーおよび54歳のドナーのヒト上皮ケラチノサイト、(HEK)細胞(Cell Applications)を、75cm2のフラスコ中、EDGSを補充したEpilife(Gibco)中3〜5×103個の細胞/cm2の密度で成長させ、39歳のドナーおよび54歳のドナーのヒト皮膚線維芽細胞(HDF)細胞(Cell Applications)を、75cm2のフラスコ中、LSGSを補充した106の培地中7〜8×103個の細胞/cm2の密度で成長させる。この時間後、HEKを分割し、次に処理のために播種する。39歳および54歳のドナーのHEK細胞を、6ウェルプレートにおいて、6×105個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃において5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去する。54歳のドナーのHEK細胞を、新鮮な培養培地中、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共にインキュベートする。基礎対照として、54歳のドナーのHEK細胞の3つのウェルを、培地だけと共にインキュベートする。基本陽性として、39歳のドナーのHEK細胞の3つのウェルを、培地だけと共にインキュベートする。インキュベーション条件は、37℃および5%CO2で24時間である。すべての処理を、培養条件1セット当たり3つのウェルで行う。HDF細胞を、25cm2のフラスコ中、1.7〜2.4×106個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃において5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去し、HDF細胞を、ケラチノサイト培養物の上清と共にインキュベートする。
インキュベーション後24時間で、HDFを、RNeasy Miniキット(Qiagen)に記載のプロトコールに従って製造者のプロトコールにより、ウェル中で直接溶解させる。溶解した細胞をホモゲナイズし、RNaseを不活化する。ゲノムDNAを、gDNA Eliminatorスピンカラムを使用することによって試料から除去する。次に、試料を、特別なRNA結合カラムを通過させ、数回の微量遠心分離洗浄を行って、夾雑物および不純物を排除した後、精製されたRNAを、超純水50μlで溶出する。RNA溶出の後、RNA試料の定量および純度分析を、暗順応計(Eppendorf)を用いて実施する。高品質RNA3μgを、最終体積20μlでiScript advanced(BioRad、Hercules、CA、USA)を用いて逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中、42℃で30分間インキュベートし、反応は85℃において5分間で停止する。相補的DNAを、リアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)で、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのカスタマイズされた細胞外マトリックスの96ウェルパネルにおいて、SYBRgreen supermix(BioRad)を使用して、qPCRによって増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合して、蛍光を発光し、その蛍光が定量され、それはPCR反応における生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器のサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒の変性、60℃で30秒間のアニーリングおよび伸長の40サイクルである。GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内在性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する倍数変化を、CFX Managerソフトウェア(BioRad)を使用し、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用してデフォルト閾値を用いて算出する。
54歳のドナーのHDF基礎対照(100%)に対して得られた結果を、表7に示す。値は、5回の独立した実験の平均を表す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、より高齢のドナーの線維芽細胞における、細胞外マトリックスの合成に関与する遺伝子を上方調節し、細胞外マトリックスの分解に関与する遺伝子を下方調節することを示している。
(実施例6)
免疫組織化学的アッセイを使用する、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖を用いる処理による、再構築されたヒト上皮上のコネキシンタンパク質の発現レベルの誘導。
細隙結合部(GJ)は、コネキシン(Cx)と呼ばれる内在性膜タンパク質によって形成されたチャネルである。上皮区画における、GJに関係する1つの老化誘導性変化は、Cxの下方調節である。ヒトケラチノサイトにおけるコネキシンタンパク質、Cx37、Cx30.3、Cx30およびCx59の発現を研究するために、本発明者らは、in situでのヒト上皮の組織学的組織化(histological organization)をin vitroで再現する、3次元培養系の再構築されたヒト上皮組織(RHE)を使用する。
SkinEthicヒト組織モデル(EPISKIN)を、到着直後にマルチウェルプレートのアガロース栄養溶液から取り出し、各ウェルに予めSkinEthic成長培地(EPISKIN)を充填しておいた6ウェルプレートに入れる。37℃、5%CO2で終夜インキュベートした後、RHEを、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/ml、および培地だけ(基本条件)で、37℃および5%CO2で24時間処理する。24時間の処理後、組織モデルを4℃で3時間、4%パラホルムアルデヒド(Sigma)で固定し、リン酸緩衝食塩水(PBS)(Sigma)で4回洗浄する。次に、試料を、スクロース勾配0.6M〜2.3Mで処理し、室温で3時間インキュベートする。最後のインキュベーションの後、組織モデルを、Tissue Teck OCT化合物(Aname)に包埋する。厚さ約10μmの凍結組織切片を、クライオミクロトーム(Leica、CM3050)を使用して切り、被覆スライド上に収集し、最後に−20℃で保存する。
特異的コネキシンの発現を、免疫組織化学的検査によって特異的一次抗体および蛍光標識二次抗体を用いて評価する。解凍したスライドを、室温で10分間、アセトンの凍結溶液で固定し、次にPBSですすぐ。非特異的部位を、10%正常ヤギ血清で室温において30分間飽和させる。PBS中0.2%Tweenですすいだ後、スライドを、一次抗体(抗コネキシン37/GJA4、30.3/GJB4、59/GJA10抗体(Abcam)、ウサギ抗コネキシン30(Invitrogen)(PBS中10%ヤギ血清で希釈)と共に、加湿チャンバ内で室温において2時間インキュベートする。インキュベーションの最後に、スライドをPBS中0.2%Tweenで洗浄し、Alexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗−ウサギIgG(H+L)二次抗体(Invitrogen、緑色蛍光発光染料)と共に、暗い加湿チャンバ内で室温において1時間インキュベートする。PBSですすいだ後、切片を、Dapiを含有するprolong Gold退色防止(antifade)試薬(Invitrogen)で標本にする。
顕微鏡観察を、Zeiss蛍光顕微鏡法を用いて実施し、各条件の写真を、備え付けのカメラで撮影する。コネキシンの各蛍光画像から、ID値(総密度)を定量し、対照によって正規化する。各条件の少なくとも4つの代表的画像を収集し、Imagen Jソフトウェアを用いて分析する。平均は、1回または2回の独立した実験のデータを表す。
基本条件(100%)に対して得られた結果を、表8に示す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、再構築されたヒト上皮のケラチノサイトにおけるコネキシンタンパク質の発現の有意な増大を、試験濃度で誘導することを示している。
(実施例7)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖を用いる処理による、in vitro閉経モデルにおけるコネキシン発現レベルの回復
皮膚老化は、外因性および内因性因子によって、中でも内分泌腺機能の低下、および循環ホルモンレベルの低下によって生成する。閉経は、低エストロゲン症(hypoestrogenism)を引き起こし、皮膚の加齢性劣化を加速する。多くの女性では、閉経後、皮膚老化の急速な開始が検出され、皮膚は、コラーゲン含量の低下、弾力の低下、皺の増加および乾燥の増進と共により薄くなる。閉経後の女性では、皮膚の厚さは、関連するコラーゲン含量の低下(閉経後1年当たり2%)と共に、閉経後1年当たり1.13%低下する。細隙結合部細胞間連絡(GJIC)は、細胞成長、分化、恒常性維持および形態形成の制御において重要な役割を演じていると考えられる。GJICは、成長因子、癌遺伝子、Ca2+、pHおよびホルモンを含む様々な因子によって調節される。ホルモンは、GJICを介して細胞内連絡の調節に関与する。この研究の目的は、細隙結合部細胞間連絡の低下と、ホルモンによる皮膚老化との間の関係を調査することである。したがって、本発明者らは、ケラチノサイトのin vitro閉経モデルを、ケラチノサイトを閉経期の女性のホルモンレベルで処理することによって開発した。非閉経期の女性のホルモンレベルで処理したケラチノサイトを、基礎対照として使用した。この研究では、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、閉経期のケラチノサイトにおけるコネキシンレベルを回復する有効性を、RT−qPCRアレイ系によって評価する。
19歳のドナーのヒト上皮ケラチノサイトHEK細胞(Cell Applications)を、37℃において5%CO2加湿空気中で7日間、75cm2のフラスコ中、10%EDGSを補充したEpilife(Gibco)中3〜5×103個の細胞/cm2の密度で成長させる。この時間後、細胞を分割し、次に処理のために播種する。HEK細胞を、6ウェルプレートにおいて、0.1%EDGSを補充したEpilife中、6〜7.5×105個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃、5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去する。次に、閉経状態を刺激するために、ケラチノサイトを、閉経期のホルモン濃度および実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共に、ならびに閉経期ホルモン濃度のみの培地と共にインキュベートする。これらの細胞の2つのウェルを、基礎対照としての非閉経期ホルモン濃度と共にインキュベートする。インキュベーション条件は、37℃および5%CO2で24時間である。すべての処理を、培養条件1セット当たり2つのウェルで行う。
非閉経期および閉経期状態におけるホルモン濃度を、表9に示す。
インキュベーション後24時間で、細胞を、RNeasy Miniキット(Qiagen)に記載のプロトコールに従って製造者のプロトコールにより、ウェル中で直接溶解させる。溶解した細胞をホモゲナイズし、RNaseを不活化する。ゲノムDNAを、gDNA Eliminatorスピンカラムを使用することによって試料から除去する。次に、試料を、特別なRNA結合カラムを通過させ、数回の微量遠心分離洗浄を行って、夾雑物および不純物を排除した後、精製されたRNAを、超純水50μlで溶出する。RNA溶出の後、RNA試料の定量および純度分析を、暗順応計(Eppendorf)を用いて実施する。高品質RNA3μgを、最終体積20μlでiScript advanced(BioRad)を用いて逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中、42℃で30分間インキュベートし、反応は85℃において5分間で停止する。相補的DNAを、リアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)で、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのヒト細隙結合部Predesigned 96ウェルパネルにおいて、SYBRgreen supermix(BioRad)を使用して、qPCRによって増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合して、蛍光を発光し、この蛍光が定量され、それはPCR反応における生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器のサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒の変性40サイクル、60℃で30秒間のアニーリングおよび伸長である。GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内在性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する倍数変化を、CFX Managerソフトウェア(BioRad)を使用し、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用してデフォルト閾値を用いて算出する。
非閉経期状態のHEK細胞(100%)に対して得られた結果を、表10に示す。値は、5回の独立した実験の平均を表す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、閉経期のケラチノサイトにおけるコネキシンのレベルを回復することを示している。
(実施例8)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の処理による、より高齢のケラチノサイトにおけるコネキシン発現レベルの回復
老化は、皮膚の連絡網の一部を喪失した皮膚内に蓄積した損傷の結果である。上皮区画における1つの老化誘導性変化は、細隙結合部、すなわちイオン交換することができる2つの隣接細胞間の膜貫通チャネルに関する。実際、それらの構成成分であるコネキシン(Cx)の発現は、老化中に下方調節される。したがって、この研究の目的は、RT−qPCRアレイ系によって、より高齢のケラチノサイトにおけるコネキシン発現を、より若年のケラチノサイトと比較して評価することによって、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の抗老化有効性を調査することである。
ヒト上皮ケラチノサイトであるHEK細胞(Cell Applications)を、37℃において5%CO2加湿空気中で7日間、75cm2のフラスコ中、EDGSを補充したEpilife(Gibco)中2〜4×105個の細胞/フラスコの密度で成長させる。この時間後、細胞を分割し、次に処理のために播種する。39歳のドナーおよび54歳のドナーのHEK細胞を、6ウェルプレートにおいて、培養培地中6×105個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃において5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去する。54歳のドナーのケラチノサイトを、新鮮な培養培地中、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共にインキュベートする。これらの細胞の2つのウェルを、基礎対照としての新鮮な培地と共にインキュベートする。陽性対照として、39歳のドナーのケラチノサイトの2つのウェルを、新鮮な培地と共にインキュベートする。インキュベーション条件は、37℃および5%CO2で24時間である。すべての処理を、培養条件1セット当たり2つのウェルで行う。
インキュベーション後24時間で、細胞を、RNeasy Miniキット(Qiagen)に記載のプロトコールに従って製造者のプロトコールにより、ウェル中で直接溶解させる。溶解した細胞をホモゲナイズし、RNaseを不活化する。ゲノムDNAを、gDNA Eliminatorスピンカラムを使用することによって試料から除去する。次に、試料を、特別なRNA結合カラムを通過させ、数回の微量遠心分離洗浄を行って、夾雑物および不純物を排除した後、精製されたRNAを、超純水50μlで溶出する。RNA溶出の後、RNA試料の定量および純度分析を、暗順応計(Eppendorf)を用いて実施する。高品質RNA3μgを、最終体積20μlでiScript advanced(BioRad)を用いて逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中、42℃で30分間インキュベートし、反応は85℃において5分間で停止する。相補的DNAを、リアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)で、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのヒト細隙結合部Predesigned 96ウェルパネルにおいて、SYBRgreen supermix(BioRad)を使用して、qPCRによって増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合して、蛍光を発光し、この蛍光は定量され、それはPCR反応における生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器のサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒の変性40サイクル、60℃で30秒間のアニーリングおよび伸長である。GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内在性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する倍数変化を、CFX Managerソフトウェア(BioRad)を使用し、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用してデフォルト閾値を用いて算出する。
54歳のドナーのHEK基礎対照(100%)に対して得られた結果を、表11に示す。値は、4回の独立した実験の平均を表す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、54歳のドナーのケラチノサイトにおけるコネキシン発現を、より若年の皮膚細胞に見出されるコネキシン発現まで回復することを示している。
(実施例9)
免疫組織化学的アッセイを使用する、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖を用いる処理による、再構築されたヒト上皮組織のin vitro閉経モデルにおけるコネキシンタンパク質発現レベルの回復。
皮膚老化は、外因性および内因性因子によって、中でも内分泌腺機能の低下、および循環ホルモンレベルの低下によって生成する。閉経は、低エストロゲン症を引き起こし、皮膚の加齢性劣化を加速する。多くの女性では、閉経後、皮膚老化の急速な開始が検出され、皮膚は、コラーゲン含量の低下、弾力の低下、皺の増加および乾燥の増進と共により薄くなる。閉経後の女性では、皮膚の厚さは、関連するコラーゲン含量の低下(閉経後1年当たり2%)と共に、閉経後1年当たり1.13%低下する。細隙結合部細胞間連絡(GJIC)は、細胞成長、分化、恒常性維持および形態形成の制御において重要な役割を演じていると考えられる。GJICは、成長因子、癌遺伝子、Ca2+、pHおよびホルモンを含む様々な因子によって調節される。ホルモンは、GJICを介して細胞内連絡の調節に関与する。この研究の目的は、細隙結合部細胞間連絡の低下と、ホルモンによる皮膚老化との間の関係を調査することであった。本発明者らは、閉経期の女性のホルモンレベルで処理した、再構築されたヒト上皮組織(RHE)におけるin vitro閉経モデルを開発した。比較として、非閉経期の女性のホルモンレベルで処理した、再構築されたヒト上皮組織(RHE)を使用する。この研究では、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、コネキシンタンパク質、Cx59およびCx37のレベルを回復する有効性を、免疫組織化学的検査によって評価する。
SkinEthicヒト組織モデル(EPISKIN)を、到着直後にマルチウェルプレートのアガロース栄養溶液から取り出し、各ウェルに予めSkinEthic成長培地(EPISKIN)を充填しておいた6ウェルプレートに入れる。37℃、5%CO2で終夜インキュベートした後、培地を除去する。次に、閉経状態を刺激するために、RHEを、閉経期のホルモン濃度および実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共に、ならびに閉経期のホルモン濃度のみの培地と共にインキュベートする。RHEを、陽性対照としての非閉経期のホルモン濃度と共にインキュベートする。インキュベーション条件は、37℃および5%CO2で24時間である。RHE試料を、Tissue Teck OCT化合物(Aname)に包埋する。すべての処理を、培養条件1セット当たり2つのRHE試料で行う。
非閉経期および閉経期状態におけるホルモン濃度を、表12に示す。
24時間の処理後、組織モデルを、4%パラホルムアルデヒド(Sigma)で4℃において3時間固定し、リン酸緩衝食塩水(PBS)(Sigma)で4回洗浄する。次に、試料を、0.6M〜2.3Mのスクロース勾配で処理し、室温で3時間インキュベートする。最後のインキュベーションの後、組織モデルを、Tissue Teck OCT化合物に包埋する。厚さ約10μmの凍結組織切片を、クライオミクロトーム(Leica、CM3050)を使用して切り、被覆スライド上に収集し、最後に−20℃で保存する。
特異的コネキシンの発現を、免疫組織化学的検査によって特異的一次抗体および蛍光標識二次抗体を用いて評価する。解凍したスライドを、室温で10分間、アセトンの凍結溶液で固定し、次にPBSですすぐ。非特異的部位を、10%正常ヤギ血清で室温において30分間飽和させる。PBS中0.2%Tweenですすいだ後、スライドを、一次抗体(PBS中10%ヤギ血清で希釈した抗コネキシン37/GJA4および59/GJA10抗体(Abcam))と共に、加湿チャンバ内で室温において2時間インキュベートする。インキュベーションの最後に、スライドをPBS中0.2%Tweenで洗浄し、Alexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgG(H+L)二次抗体(Invitrogen、緑色蛍光発光染料)と共に、暗い加湿チャンバ内で室温において1時間インキュベートする。PBSですすいだ後、切片を、Dapiを含有するprolong Gold退色防止試薬(Invitrogen)で標本にする。
顕微鏡観察を、Zeiss蛍光顕微鏡法を用いて実施し、各条件の写真を、備え付けのカメラで撮影する。コネキシンの各蛍光画像から、ID値(総密度は、面積と平均濃淡値の積である)を定量し、対照によって正規化する。各条件の少なくとも12の代表的画像を収集し、ZENソフトウェア(Zeiss)を用いて分析する。値は、3回の独立した実験の平均を表す。
閉経期状態下の基礎対照RHE(100%)に対して得られた結果を、表13に示す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、閉経期のRHEにおけるコネキシンのレベルを非閉経期状態まで回復することを示している。
(実施例10)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の、閉経期モデルにおける上皮−真皮細胞−細胞連絡に対する効果
老化は、細胞間の連絡プロセスを枯渇させる。線維芽細胞とケラチノサイトの間のクロストークは、皮膚の再生、回復および成長に必須であり、成長因子およびサイトカインなどのいくつかのメッセンジャーの活性を必要とする。ケラチノサイトは、成長因子の主な供給源であり、これはケラチノサイト自体だけでなく、パラクリンシグナル伝達を介して線維芽細胞も刺激することができ、細胞外マトリックス(ECM)の分子構成に大幅に影響を及ぼし得る(Werner S、Krieg T、Smola H. Keratinocyte-fibroblast interactions in wound healing. J Invest Dermatol. 2007年、5月;127巻(5号):998〜1008頁)。この研究では、本発明者らは、最初に、ホルモン低下がケラチノサイトと線維芽細胞の間のパラクリン連絡を低減し、細胞外マトリックスの合成に影響を及ぼし得ることを示すことを目的とする。閉経期のケラチノサイトと線維芽細胞の間の連絡に対する、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の効果を評価し、非閉経期のケラチノサイトと線維芽細胞の連絡と比較する。閉経期のケラチノサイトの上清および非閉経期のケラチノサイトの上清で処理した線維芽細胞におけるマトリックスタンパク質の発現を、定量的PCRによって分析する。
37℃において5%CO2加湿空気中で7日間、19歳のドナーのヒト上皮ケラチノサイト(HEKa)細胞(Cell Applications)を、75cm2のフラスコ中、EDGSを補充したEpilife(Gibco)中5×103個の細胞/cm2の密度で成長させ、18歳のドナーの成人ヒト皮膚線維芽細胞(HDFa)細胞を、75cm2のフラスコ中、LSGSを補充した106(GIBCO)の培地中7〜8×103個の細胞/cm2の密度で成長させる。この時間後、HEKaを分割し、次に処理のために播種する。HEKa細胞を、6ウェルプレートにおいて、0.1%EDGSを補充したEpilife中、8.5×105個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃において5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去する。次に、閉経状態を刺激するために、ケラチノサイトを、閉経期のホルモンおよび実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共に、ならびに基礎対照としての閉経期ホルモンだけの培地と共にインキュベートする。これらの細胞の3つのウェルを、陽性対照としての非閉経期ホルモンと共にインキュベートする。インキュベーション条件は、37℃および5%CO2で24時間である。すべての処理を、培養条件1セット当たり3つのウェルで行う。HDFa細胞を、25cm2のフラスコ中、1.5×106個の細胞/ウェルの密度で播種する。37℃において5%CO2加湿空気中で24時間インキュベートした後、培地を除去し、HDFa細胞を、ケラチノサイト培養物の上清と共にインキュベートする。
非閉経期および閉経期状態のホルモン濃度を、表14に示す。
インキュベーション後24時間で、HDFaを、RNeasy Miniキット(Qiagen)に記載のプロトコールに従って製造者のプロトコールにより、ウェル中で直接溶解させる。溶解した細胞をホモゲナイズし、RNaseを不活化する。ゲノムDNAを、gDNA Eliminatorスピンカラムを使用することによって試料から除去する。次に、試料を、特別なRNA結合カラムを通過させ、数回の微量遠心分離洗浄を行って、夾雑物および不純物を排除した後、精製されたRNAを、超純水50μlで溶出する。RNA溶出の後、RNA試料の定量および純度分析を、暗順応計を用いて実施した。高品質RNA1μgを、最終体積20μlでiScript advanced(BioRad)を用いて逆転写した。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中、42℃で30分間インキュベートし、反応は85℃において5分間で停止する。相補的DNAを、リアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)で、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するための細胞外マトリックスに合わせてカスタマイズした96ウェルパネルにおいて、SYBRgreen supermix(BioRad)を使用して、qPCRによって増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合し、定量され、PCR反応における生成物の量に比例する蛍光を発光する。BioRad CFX96機器のサイクリング条件は、95℃で3分間、その後95℃で5秒の変性、60℃で30秒間のアニーリングおよび伸長の40サイクルである。GAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内在性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する倍数変化を、CFX Managerソフトウェア(BioRad)を使用し、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用してデフォルト閾値を用いて算出した。
閉経期のケラチノサイトの上清で処理したHDFaの基礎対照(100%)に対して得られた結果を、表15に示す。値は、1回の実験のデータを表す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、細胞外マトリックスの合成に関与する遺伝子を上方調節し、閉経期のケラチノサイトの上清で処理した線維芽細胞における細胞外マトリックス(MMP13)の分解に関与する遺伝子を下方調節することを示している。
(実施例11)
寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された初代ヒト皮下前脂肪細胞における脂質蓄積の増大の研究
1つの加齢性の皮膚変化は、皮下脂肪の減少である。細隙結合部細胞間連絡(GJIC)は、前脂肪細胞が脂肪塊において脂肪細胞になる脂肪生成プロセスにおいて、重要な役割を演じるようである。
脂肪生成の定量は、AdipoRed(商標)脂肪生成アッセイ試薬(Lonza)を用いて評価される。脂質蓄積の増大は、脂肪細胞分化培地における、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖で処理した後の初代ヒトの初代ヒト皮下前脂肪細胞中のナイルレッド蛍光シグナルを測定することによって決定される。脂肪細胞分化培地だけで処理した細胞を、基礎対照として使用する。
ヒト前脂肪細胞(22歳のドナーのもの)(ZENBIO)を、96透明ウェルプレートにおいて、前脂肪細胞成長培地(ZENBIO)に播種する(13,000個の細胞/ウェル、条件1つ当たり5つのウェル)。細胞を、95%空気および5%CO2の水飽和雰囲気中、37℃で24時間インキュベートする。インキュベーション後、培地を除去し、細胞を、37℃および5%CO2で8日間、脂肪細胞分化培地(ZENBIO)(前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導するため)中、実施例1に従って得られた寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の0.02mg/mlと共にインキュベートする。基礎対照では、前脂肪細胞を脂肪細胞分化培地だけで処理する。陰性対照として、前脂肪細胞を、脂肪細胞分化培地およびカフェインで処理する。
脂質蓄積の定量を、AdipoRed(商標)試薬(LONZA)アッセイによって行う。製造者の指示に従って、条件ごとに分化した前脂肪細胞を、とカルシウムおよびマグネシウムを含むリン酸緩衝食塩水(PBS)(Sigma)で洗浄し、希釈AdipoRed試薬を添加する。試薬の添加が完了したら、細胞を室温で15分間インキュベートする。次に、中性脂肪の蛍光を、ClarioStar(S/N430−01109)読取り装置(BMG)を使用して、それぞれ485nmおよび530nmの励起波長および発光波長で測定する。正規化した脂質蓄積の百分率を、基礎対照と比較して算出する。
基本条件(100%)に対して得られた結果を、表16に示す。値は、3回の独立した実験の平均を表す。
結果は、本発明の菌体外多糖が、ヒト皮下前脂肪細胞培養物における脂肪生成プロセス中に、細胞内脂質蓄積の百分率を増大することを示している。
本発明の要旨を例示する目的で、ある特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、それらに様々な変更および改変を加え得ることを、当業者は理解されよう。これに関して、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアのための、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された発酵エキスの使用。
(項目2)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の前記化粧的な非治療的な処置および/またはケアが、コラーゲン合成を刺激する処置、皮膚老化の処置および/または防止、皮膚皺の処置および/または防止、皮膚の張りを改善するためおよび/または皮膚の張りの喪失を防止するための処置、乾燥皮膚、ひび割れた唇、頭部粃糠疹、乾燥毛髪、脆弱な毛髪および/または爪の処置および/または防止である、項目1に記載の使用。
(項目3)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の前記化粧的な非治療的な処置および/またはケアが、該皮膚のコネキシンレベルを増大させる、項目1に記載の使用。
(項目4)
Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された前記発酵エキスが、少なくとも10kDaの分子量を有する、前記項目のいずれかに記載の使用。
(項目5)
Halomonas eurihalina株によって生成された前記発酵エキスが、少なくとも1種の菌体外多糖を含有する、前記項目のいずれかに記載の使用。
(項目6)
皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の化粧的な非治療的な処置および/またはケアのための、Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された菌体外多糖の使用。
(項目7)
前記菌体外多糖が、単糖であるラムノース、ガラクトース、グルコース、マンノースおよびD−グルコサミンを含有する、項目5から6のいずれかに記載の使用。
(項目8)
前記菌体外多糖が、百分率の合計が100%を超えないという条件で、重量で、0.5%〜45%のラムノース、0.1%〜25%のガラクトース、0.5%〜30%のマンノース、合計で50%〜95%のグルコースおよびD−グルコサミン、0%〜10%のフコース、ならびに0%〜12%のグルクロン酸の組成を有している、項目7に記載の使用。
(項目9)
Halomonas eurihalina種の前記菌株が、寄託番号LMG P−28571のHalomonas eurihalina種の菌株である、前記項目のいずれかに記載の使用。
(項目10)
Halomonas eurihalina株によって生成された前記菌体外多糖の保持時間が、粒径8μm、細孔径50Åおよび長さ/内径300mm×7.5mmの水性サイズ排除クロマトグラフィーのためのクロマトグラフィーカラムならびに溶出液として水中0.1M酢酸ナトリウムを流速0.8ml/分で用いるHPLC分析で、4〜8.5分である、項目6から9のいずれかに記載の使用。
(項目11)
Halomonas eurihalina種の菌株によって生成された、化粧品として有効な量の発酵エキスまたは菌体外多糖、ならびに少なくとも1種の化粧品として許容される賦形剤および/または成分を含む化粧品組成物。
(項目12)
前記発酵エキスが、化粧品の送達系および/もしくは徐放系に組み込まれるか、または固体有機ポリマーもしくは固体無機支持体上に吸着される、項目11に記載の化粧品組成物。
(項目13)
クリーム、多重エマルション、溶液、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳液、バルサム、フォーム、ローション、ジェル、クリームジェル、ハイドロアルコール溶液、ハイドログリコール溶液、ヒドロゲル、リニメント、美容液、石けん、シャンプー、コンディショナー、セラム、多糖類膜、軟膏、ムース、ポマード、パウダー、棒状物質、ペンシル、スプレーまたはエアロゾルによって形成される群から選択される製剤中に提供される、項目11から12のいずれかに記載の化粧品組成物。
(項目14)
布、不織布または医療デバイスに組み込まれる、項目11から12のいずれかに記載の化粧品組成物。
(項目15)
前記化粧品として許容される賦形剤および/または成分が、神経細胞の開口分泌を阻害する薬剤、抗コリン作用剤、筋収縮を阻害する薬剤、老化防止剤、皺取り剤、保湿剤、保湿物質、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、モイスチャー化粧品、真皮もしくは上皮巨大分子の合成を刺激し、かつ/またはそれらの分解を阻害もしくは防止することができる薬剤、コラーゲン合成刺激剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、AQP−3をモジュレートする薬剤、アクアポリン合成をモジュレートする薬剤、アクアポリンファミリーのタンパク質、ヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、熱ショックタンパク質、熱ショックタンパク質合成刺激剤、ノクターニンの量を低減する薬剤、ノクターニン発現を阻害する薬剤、脂肪分解剤もしくは脂肪分解を刺激する薬剤、静脈強壮剤、PGC−1α発現をモジュレートする薬剤、PPARγの活性を阻害する薬剤、脂肪細胞のトリグリセリド含量を低減する薬剤、抗セルライト剤、脂肪細胞分化遅延剤、皮脂生成を減少させる薬剤、抗脂漏剤、艶消し剤、抗座瘡剤、制汗剤、抗炎症剤および/もしくは鎮痛剤、抗そう痒剤、鎮静剤、麻酔薬、アセチルコリン受容体凝集の阻害剤、アセチルコリンエステラーゼを阻害する薬剤、皮膚弛緩剤、メラニン合成の刺激剤もしくは阻害剤、ホワイトニング剤もしくは脱色剤、色素沈着促進剤、セルフタンニング剤、NOシンターゼ阻害剤、5α還元酵素阻害剤、リシルおよび/もしくはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/もしくは抗大気汚染剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、抗糖化剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、液体噴霧剤、皮膚コンディショナー、上皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、顔料もしくは着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、乳化剤、結合剤、保存剤、目の下のたるみを低減もしくは処置することができる薬剤、角質除去剤、角質溶解剤、角質溶解剤、抗微生物剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、角質層構成成分の合成を刺激する薬剤、セラミド、脂肪酸、コラーゲン分解を阻害する薬剤、マトリックスメタロプロテイナーゼを阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、ケラチノサイト増殖を刺激する薬剤、メラニン細胞増殖を刺激する薬剤、ケラチノサイト分化を刺激する薬剤、抗過角化症剤、面皰溶解剤、抗乾癬剤、DNA修復剤、DNA保護剤、幹細胞保護剤、安定剤、敏感肌の処置および/もしくはケアのための薬剤、引締め剤、抗ストレッチマーク剤、収斂剤、PAR−2の活性を阻害する薬剤、創傷治癒を刺激する薬剤、コアジュバント創傷治癒剤、上皮再形成を刺激する薬剤、コアジュバント上皮再形成剤、サイトカイン成長因子、毛細血管循環および/もしくは微小循環に作用する薬剤、血管新生を刺激する薬剤、血管透過性を阻害する薬剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−上皮結合を改善する薬剤、発毛誘導剤、発毛阻害剤もしくは発毛遅延剤、抜け毛遅延剤、保存剤、香料、化粧品用および/もしくは吸収性および/もしくは体臭マスキング用のデオドラント、キレート剤、植物エキス、エッセンシャルオイル、海産物エキス、生物工学的プロセスから得られた薬剤、ミネラル塩、細胞エキス、日焼け止めならびに紫外Aおよび/もしくはB線および/もしくは赤外A線に対して活性な有機もしくは無機光防護剤、またはそれらの混合物によって形成される群から選択される、項目11から14のいずれかに記載の化粧品組成物。