JP6755485B2 - 流量計測装置および流量計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流量計測装置および流量計測方法に関する。
従来、配管内を流れる気体の流量を計測する超音波式流量計測装置として、配管表面に設置した平面センサーにより配管内を流れる気体の流量を検出するものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社センシング営業本部、"ポータブル超音波気体流量計 PT878GC"、[平成26年5月1日検索]、インターネット(URL:http://www.gesensing.jp/product/pdf/flow/pt878gc.pdf)。
しかしながら、上記の超音波式流量計測装置においては、配管径や厚さ等といった計測条件が極めて限定されているため、計測対象が限られるといった改善すべき点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、汎用性に優れ、異なる計測条件下においても、配管内を流れる気体の流量を計測できる流量計測装置および流量計測方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、配管の内部を流れる気体の流量を計測する流量計測装置であって、前記配管に接触して配置される超音波トランスデューサと、計測条件に応じて、前記超音波トランスデューサの計測方法としてタフト法または時間差法のいずれかを選択する選択部と、前記選択部に選択された計測方法による前記超音波トランスデューサの受信結果に基づいて、前記気体の流量を算出する流量算出部と、を備え、前記選択部は、超音波の送受信を数回行うことで、時間差法によって往路および復路における超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合、前記超音波トランスデューサの計測パラメータを再調整した後、超音波の送受信を行うことで時間差法によって前記超音波信号の時間差を取得できたか否かを再判定し、再判定の結果、前記超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合にタフト法を選択する流量計測装置が提供される。
上記第1態様において、前記超音波トランスデューサは、前記超音波の発振又は受信が可能な第1の素子および第2の素子を含み、前記第1の素子および前記第2の素子は、発振した前記超音波を前記配管の中心に収束させる収束手段を有する構成としてもよい。
さらに、前記収束手段は、前記超音波の発振面が前記配管の外面に対応した曲率を有するのが望ましい。
また、前記第1の素子および前記第2の素子は、前記超音波の受信面が前記配管の外面に対応した曲率を有するのがより望ましい。
上記第1態様において、前記超音波トランスデューサは、前記超音波の中心周波数が100KHz〜1MHzに設定されている構成としてもよい。
上記第1態様において、前記配管の表面に配置される制振材をさらに備える構成としてもよい。
本発明の第2態様に従えば、配管の内部を流れる気体の流量を計測する流量計測方法であって、前記配管に接触して配置された超音波トランスデューサにおいて採用する計測方法を、計測条件に応じてタフト法または時間差法から選択する第1ステップと、選択した前記計測方法による前記超音波トランスデューサの受信結果に基づいて、前記気体の流量を算出する第2ステップと、を備え、前記第1ステップでは、超音波の送受信を数回行うことで、時間差法によって往路および復路における超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合、前記超音波トランスデューサの計測パラメータを再調整した後、超音波の送受信を行うことで時間差法によって前記超音波信号の時間差を取得できたか否かを再判定し、再判定の結果、前記超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合にタフト法を選択する流量計測方法が提供される。
上記第2態様において、前記超音波トランスデューサは、前記超音波の発振又は受信が可能な第1の素子および第2の素子を含み、前記第1の素子および前記第2の素子として、発振した前記超音波を前記配管の中心に収束させる収束手段を有したものを用いる構成としてもよい。
上記第2態様においては、前記配管の表面に制振材を配置する構成としてもよい。
上記第2態様においては、前記収束手段として、前記超音波の発振面が前記配管の外面に対応した曲率を有したものを用いる構成としてもよい。この場合において、前記第1の素子および前記第2の素子として、前記超音波の受信面が前記配管の外面に対応した曲率を有したものを用いるのが望ましい。
上記第2態様においては、前記超音波トランスデューサとして、前記超音波の中心周波数が100KHz〜1MHzに設定されたものを用いる構成としてもよい。
本発明によれば、汎用性に優れ、異なる計測条件の配管内を流れる気体の流量を精度良く計測することができる。
流量計測装置の概略構成を示す図である。 配管軸方向に沿った断面の超音波トランスデューサの概略構成図である。 配管軸方向から視た断面の超音波トランスデューサの概略構成図である。 曲面センサーを用いた場合の解析結果を示した図である。 曲面センサー及び制振材を設置した場合の解析結果を示した図である。 時間差法及びタフト法における特性を示した表である。 (a)、(b)は時間差法およびタフト法に適した計測条件の一例を示した図である。 制御部の構成を示す模式図である。 計測方法を選択するステップの一例を示したフロー図である。 スペーサー部材の概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る流量計測装置は、例えば、ボイラーなどの蒸気製造装置と負荷設備との間に配設される配管内を流れる気体(例えば、蒸気)の流量を計測可能なシステムである。また、本実施形態の流量計測装置は、配管内を流れる気体の流量を、超音波を利用して計測する装置である。
図1は本実施形態に係る流量計測装置の概略構成を示す図である。図2は、流量計測装置の要部構成を示す図である。
本実施形態に係る流量計測装置100は、図1に示すように、超音波トランスデューサ1と、制御部2とを備えている。図1において、配管10は、蒸気製造装置20(ボイラーなど)と負荷設備30との間に配設されている。蒸気製造装置20からの蒸気が配管10を流れ、負荷設備30に送られる。負荷設備30において、蒸気又は蒸気の熱が利用される。負荷設備30から排出された蒸気はドレンとして回収され、還水槽(不図示)に集約された後、蒸気製造装置20に再度給水される。
従来、配管を破壊せずに、該配管の内部を流れる気体の流量を外側から超音波を用いて計測することは行われていた。以下、配管を破壊することなく、配管表面に設置した超音波トランスデューサにより外側から内部を流れる気体の流量を計測する方式をクランプオン方式と呼ぶことにする。
上述のクランプオン方式により配管内の液体の流量を計測する際、超音波の送受信経路は、配管材料(固体)、液体、及び配管材料(固体)となる。この場合、固液界面での音波の反射によるエネルギーロスがみられるものの、概ね良好に超音波信号の送受信が可能である。これは、固体と液体とでは、媒質の音速と密度の積である音響インピーダンスの整合が相対的に良好なためである。すなわち、固体及び液体では、密度比および音速比は数倍から10倍程度となっている。
一方、配管の内部を流れる気体(例えば、蒸気)の流量を、超音波を用いて計測する場合、固体および気体における著しい音響インピーダンスの相違を回避する必要がある。そのため、配管内を流れる気体の流量を計測する場合、クランプオン方式による気体の流量計測は困難とされていた。
そこで、配管内を流れる気体の流量を計測する場合、超音波発振子および受信子を配管内に設置する方式が一般的であった。この場合、鋼管に貫通穴を設けた専用のフランジ付測定部を挿入する必要があるため、運転中のプラントを一旦停止させ、配管を切断する作業が必要であった。
さらに、従来の流量計測に用いられる超音波トランスデューサは、振動面が平面の平面センサーから構成されていた。平面センサーは、配管に対して超音波を入射した際、配管の中心のみを通る音波のみが透過し、配管中心を逸れた音波は配管の曲率により反射又は屈折され、受信することができない。
また、平面センサーは、配管を伝搬するガイド波(ノイズ成分)を受信し易かった。そのため、上述のようなクランプオン方式の気体の流量計測に平面センサーを用いると、超音波信号の送受信が良好に行うことができず、流量計測を精度良く行うことが難しかった。
本発明者らは、配管内を流れる気体の流量をクランプオン方式で計測する場合、配管内部に超音波を効率良く導くために、超音波トランスデューサ(センサー)の形状が重要であるとの知見を得た。本実施形態では、超音波トランスデューサとして、後述のような曲面センサーを用いている。
図2は配管10の管軸方向に沿った断面による超音波トランスデューサ1の概略構成を示す図である。図3は配管10の管軸方向から視た断面による超音波トランスデューサ1の概略構成を示す図である。
図2に示すように、超音波トランスデューサ1は、配管10の表面10aに接触した状態で設置される(クランプオン方式)。超音波トランスデューサ1は、第1素子21と第2素子26とを含む。第1素子21及び第2素子26は、それぞれ超音波の送信受信を行うことが可能である。なお、図2においては、第1素子21から第2素子26に向けて超音波Pを発振する状態を示している。
例えば、第1素子21が配管10の内部に向けて超音波Pを発振する超音波発振部として機能する場合、第2素子26は第1素子21が発振した超音波Pを受信する超音波受信部として機能する。一方、第2素子26が超音波発振部として機能する場合、第1素子21は超音波受信部として機能する。
超音波トランスデューサ1において、その中心周波数は数十KHz〜数MHzであることが好ましい。中心周波数が数百KHz以上であると、環境雑音の影響が低下するという利点がある。中心周波数が数MHz以下であると、超音波の空気中での減衰率が低下するという利点がある。本実施形態では、中心周波数を100KHz〜1MHz、例えば、500KHzとした。
第1素子21および第2素子26は、配管10の表面10aに対応した曲率を有した曲面センサーから構成されている。これにより、第1素子21および第2素子26は、配管10の内部に超音波Pを効率良く導くことが可能となっている。
具体的に本実施形態において、第1素子21は、図3に示すように、超音波Pを発振又は受信する機能面21aが配管10の表面10aに対応した曲面(断面形状が円)となっている。
一方、第2素子26は、上流センサー23、中流センサー24および下流センサー25を含む。
上流センサー23、中流センサー24および下流センサー25は、蒸気の流れの上流から下流に向かうように配管10の表面に順に設置されている。上流センサー23、中流センサー24および下流センサー25は、それぞれ同一構造を有し、超音波Pを発振又は受信する機能面23a、24a、25a(以下、これらを総称して機能面26aと称すこともある)がそれぞれ配管10の表面10aに対応した曲面(断面形状が円)となっている。
このような構成に基づき、機能面21aおよび機能面26aは、超音波Pを発振した際、発振した超音波Pを配管10の中心に収束させることが可能となっている。本実施形態において、機能面21aおよび機能面23a、24a、25a、26aは配管10の中心に超音波Pを集束させる収束手段を構成する。
また、機能面21aおよび機能面26aは、超音波Pを受信する際、配管10の中央を透過した超音波Pを良好に受信することが可能となっている。
本実施形態において、配管10は、図2、3に示すように一部が制振材11で覆われている。制振材11は、超音波トランスデューサ1(第1素子21および第2素子26)の設置部分を除くように配管10の管軸方向に亘って設置される。
上記制振材11としては、音響減衰効果が高い部材であればよく、例えば、粘土状またはペースト状材料、吸音材(パンチングメタル)、高分子材料等を例示することができる。また、内部に蒸気が流れることで配管10の表面温度が高くなる場合においては、制振材11としては音響減衰効果に加え、耐熱性を備えた材料を用いるのが望ましい。
本実施形態において、流量計測装置100は、配管10内を流れる蒸気の流量計測をタフト法又は時間差法のいずれかを選択して行う。
ここで、タフト法とは、超音波を配管断面に平行、すなわち管軸に対して垂直に発振し、対向する位置に設けたセンサーにより音響強度分布の空間移動量から流量を求める方式である。
また、時間差法とは、2つの超音波送受信センサーを配管の管軸に対して斜めに設置し、上流から下流に向かう超音波の往路における到達時間と、下流から上流に向かう超音波の復路における到達時間とを求めることで、気体の速度に応じた到達時間の変化から該気体の流量を求める方式である。
本実施形態の流量計測装置100は、タフト法による流量計測を行う場合、例えば、第1素子21を超音波発振部として機能させ、第2素子26を超音波受信部として機能させる。タフト法は上述のように配管10に対して超音波Pを垂直に入射させるため、界面での反射、屈折が抑制されることで配管10の内部に超音波Pを良好に入射させることができる。
図4は、超音波トランスデューサ1(曲面センサー)とタフト法とを組み合わせた場合に得られる超音波信号のシミュレーション結果を示すものである。図5は超音波トランスデューサ1(曲面センサー)に加え、制振材11を設置した場合(すなわち、本実施形態の配管10の構成)のシミュレーション結果を示した図である。
図4に示されるように、配管10内の気体(蒸気)に集束超音波が効率的に導入され、同時に配管10内を伝搬する音波が著しく弱められた状態で超音波受信部(第2素子26)に受信波が到達することが確認できる。
具体的に、受信信号全体の振幅レベルが約1/10以下程度に低下することが確認できた。これは、信号対雑音比(S/N比)の向上にセンサー形状が大きく影響することを示すものである。
なお、配管10内を伝搬する音波(ノイズ成分)は少なからず存在する。図5からは、制振材11を使用することで配管10内を伝搬する音波が減少し、超音波受信部(第2素子26)に到達するノイズ成分が減少していることが分かる。
本実施形態では、図2,3に示したように制振材11により配管10内を伝搬する音波が抑制されるので、流量計測を精度良く行うことが可能である。
一方、本実施形態の流量計測装置100は、時間差法による流量計測を行う場合、例えば、第1素子21および下流センサー25を用いる。なお、第1素子21および下流センサー25の代わりに、第1素子21および上流センサー23を用いてもよい。
例えば、第1素子21の機能面21aから発振された超音波Pの一部は放射状に広がる。そのため、機能面21aから発振された超音波P1は下流センサー25の機能面25aにより良好に受信される。同様に、下流センサー25の機能面25aから発振された超音波(不図示)は放射状に広がるため、該超音波は第1素子21の機能面21aにより良好に受信される。
図6は、時間差法及びタフト法における特性を示した表である。なお、図6中において、丸マークは所定の測定条件に適していることを意味し、バツマークは所定の測定条件に適していないことを意味し、三角マークは丸マークとバツマークの中間を意味する。
図6に示されるように、時間差法は、その計測原理からタフト法に比べて受信した信号中のノイズに強いため、計測精度が高くなる。
タフト法は高い湿り度の計測に対応可能である。これは湿り度が高くなると水滴によって超音波が減衰するため、時間差法には不利となるためである。
タフト法は時間差法よりも低流量の計測に強い。これは流量が低く流速が遅すぎると時間差法において往路および復路における超音波信号の時間差が得られないためである。
時間差法はタフト法よりも高流量の計測に強い。これは流量が多く流速が速すぎると超音波が流されることでタフト法による計測が困難となるためである。
タフト法は時間差法よりも時間分解能が高い。これは時間差法が往路および復路の計測を行うため、計測時に2倍の時間を要するためである。
タフト法は時間差法よりも大口径配管の計測に有利である。これは時間差法における超音波の減衰がタフト法よりも大きくなるためである。
図7は、時間差法およびタフト法に適した計測条件の一例を示した図である。なお、図7(a)は配管10の径が相対的に大きい場合に相当し、図7(b)は配管10の径が相対的に小さい場合に相当する。
なお、図7(a)、(b)において、横軸は計測する気体(蒸気)の流量であり、縦軸は超音波受信時のノイズ成分量である。
配管径が大きい場合は、図7(a)に示されるように、流量が小さい及びノイズ成分量が多いといった計測条件においてタフト法が適しており、それ以外の計測条件においては時間差法が適している。
一方、配管径が小さい場合は、図7(b)に示されるように、流量が比較的大きい及びノイズ成分量が比較的少ないといった計測条件において時間差法が適しており、それ以外の計測条件においてはタフト法が適している。
また、図7に示されるように、配管径が相対的に大きくなると、配管径が相対的に小さい場合よりも時間差法に適した領域が大きくなる。
ところで、上述のように時間差法の方がタフト法よりも計測精度が高くなるため、通常、時間差法による計測を行う方が望ましいが、計測条件(例えば、湿り度、流量、配管径等)によっては時間差法による計測よりもタフト法による計測の方が適していることもあり得る。
これに対し、本実施形態の流量計測装置100は、計測条件(配管10の径、蒸気流量、配管10内の湿り度等)に応じて、超音波トランスデューサ1における計測方法をタフト法または時間差法のいずれか一方から選択し、選択した計測方法に基づいて超音波トランスデューサ1による流量計測を行う。
これにより、広範な計測条件に対応することが可能となる。よって、汎用性に優れ、異なる計測条件の配管内を流れる気体の流量を精度良く計測することが可能とされている。
図8は、制御部2の構成を示す模式図である。
図8に示すように、制御部2は、計算装置40に加え、入力装置41、及び表示装置42を有する。計算装置40は、A/D変換器等の変換器43、CPU(演算処理手段)44、及びメモリ45等を有する。超音波トランスデューサ1から送られる測定データ(超音波計測結果)が、必要に応じて変換器43等で変換され、CPU44に取り込まれる。
また、初期設定値、及び仮データなどが入力装置41などを介して計算装置40に取り込まれる。
表示装置42は、入力されたデータに関する情報、及び計算に関する情報などを表示することができる。
CPU44は、測定データ、及びメモリ45に記憶された情報に基づき、配管10の内部を流れる蒸気の流量を算出する。CPU44は、超音波トランスデューサ1の受信結果(例えば、タフト法の場合は配管10内の超音波の空間分布)を用いて求めた蒸気の流速と、メモリ45に記憶された情報(配管10の断面積、蒸気の密度)から配管10の内部を流れる蒸気の流量を算出する。ここで、蒸気の流量Qは、蒸気の流速Vと、配管10の断面積Aと、蒸気の密度ρ(温度および圧力から算出可能)との積(Q=V×A×ρ)から算出される。すなわち、制御部2は、配管10の内部を流れる蒸気の流量を算出する特許請求の範囲に記載の「流量算出部」に対応する。
また、制御部2は、計測条件に応じて、超音波トランスデューサ1の計測方法としてタフト法又は時間差法のいずれか一方を選択する。制御部2は、タフト法又は時間差法のうち選択した方法を利用して、配管10内を流れる蒸気の流量計測を行うように超音波トランスデューサ1を駆動させる。すなわち、制御部2は、超音波トランスデューサ1の計測方法を選択する、特許請求の範囲に記載の「選択部」に対応する。
続いて、本実施形態に係る流量計測装置100による流量計測方法の一例について説明する。
はじめに、制御部2は蒸気製造装置20から配管10を介して負荷設備30への蒸気の供給を開始する。
制御部2は、計測条件に応じて、超音波トランスデューサ1の計測方法をタフト法または時間差法のいずれか一方から選択する。
図9は計測方法を選択するステップの一例を示したフロー図である。
図9に示すように、制御部2ははじめに配管10内の流量計測を時間差法により計測可能か否かについて判定する(ステップS1)。すなわち、図9に示すフローにおいて、制御部2はタフト法よりも高い計測精度が得られる時間差法を優先的に選択する。
ステップS1において、制御部2は第1素子21および下流センサー25間で超音波の送受信を数回行う。このとき、往路および復路における超音波の到達時間差を取得できた場合、制御部2は時間差法による計測が可能であると判定する。
時間差法による計測ができると判断された場合(ステップS1におけるYES)、超音波トランスデューサ1は時間差法による計測を開始する(ステップS2)。
一方、超音波の到達時間差を取得できなかった場合(ステップS1におけるNO)、ステップS3へと進む。
ステップS3において、制御部2は計測パラメータを再調整する。制御部2は、計測パラメータの再調整において、例えば、第1素子21および下流センサー25から発振させる超音波の強度、周波数或いは波形を調整する。
計測パラメータの再調整後、ステップS4へと進む。ステップS4において、第1素子21および下流センサー25間において超音波の送受信ができるか否かを再判定する。
時間差法による計測が可能であると判定した場合(ステップS4におけるYES)、超音波トランスデューサ1は時間差法による計測を開始する(ステップS2)。
一方、計測パラメータの再調整後においても、第1素子21および下流センサー25間において超音波の送受信ができない場合(ステップS4におけるNO)、ステップS5へと進む。
ステップS5において、制御部2はタフト法による計測ができるか否かを判定する。
制御部2は、第1素子21から発振した超音波が第2素子26で受信ができるか否かを判定する。制御部2は、第1素子21から発振した超音波を第2素子26で超音波が受信できた場合、タフト法による計測が可能であると判定する。
タフト法による計測が可能であると判断した場合(ステップS5におけるYES)、超音波トランスデューサ1はタフト法による計測を行う(ステップS6)。
一方、第2素子26で超音波が受信できなかった場合(ステップS5におけるNO)、ステップS7へと進む。
ステップS7において、制御部2は計測パラメータを再調整する。制御部2は、計測パラメータの再調整において、例えば、第1素子21において発振する超音波の強度、周波数或いは波形を調整する。
計測パラメータの再調整後、ステップS8へと進む。ステップS8において、第2素子26において超音波の受信が可能か否かを再判定する。
再判定によりタフト法による計測が可能であると判定した場合(ステップS8におけるYES)、超音波トランスデューサ1はタフト法による計測を開始する(ステップS8)。
一方、計測パラメータの再調整後においても、第2素子26において超音波の受信ができない場合、超音波トランスデューサ1による計測を中止する。
以上述べたように、本実施形態によれば、計測条件に応じて選択したタフト法又は時間差法を用いて流量計測を行うので、例えば、外径が異なる種々の配管10について計測可能な汎用性に優れた計測ができる流量計測装置および流量計測方法を提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、配管10の中心に超音波を集束させる収束手段として、超音波を発振する機能面21a,26aを配管10の表面10aに対応した曲面とする態様を例示したが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、収束手段として音響レンズを用い、超音波を配管10の中心に収束させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、機能面21aおよび機能面26aが表面10aに対応する態様として、機能面21aおよび機能面26aが表面10aと直接的に接触する態様を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、超音波トランスデューサ1と配管10との隙間にスペーサー部材が配置されることで、機能面21aおよび機能面26aが表面10aに間接的に接触する態様であってもよい。このようなスペーサー部材としては、例えば、円筒型のものを例示できる。
図10はスペーサー部材の概略構成を示す図である。図10に示すように、スペーサー部材13は、内径13aが表面10aの曲率に一致し、外径13bが機能面21aおよび機能面26aの曲率に一致している。例えば、内径13aを異ならせた複数のスペーサー部材13を用いれば、1つの超音波トランスデューサ1が表面10aの径が異なる種々の配管10に対して流量計測を行うことが可能となる。よって、配管10の径に依存しない汎用性に優れた流量計測装置100が提供される。
なお、上記スペーサー部材13は、断熱機能を有する断熱材から構成されていても良い。このようにすれば、超音波トランスデューサ1に対する配管10の表面10aの熱の影響を小さくすることができる。
また、上述のように外径の異なる配管10に対して流量計測を行う際、スペーサー部材13に代えて、超音波トランスデューサ1として可撓性を有したものを用いてもよい。
このようにすれば、超音波トランスデューサ1は、容易に折り曲げ可能であるので、表面10aの曲率に応じて折り曲げることで配管10の外径によらず表面10aに沿って確実に設置することが可能となる。よって、外径が異なる種々の配管10に対して流量計測を行うことが可能な汎用性に優れたものとなる。
また、上記実施形態では、配管10が制振材11で覆われた構成を例に挙げたが、これに限定されることは無い。例えば、制御部2が配管10を伝搬する音波によるノイズ成分を考慮して超音波トランスデューサ1からの送信結果を補正可能であれば、配管10の表面10aを制振材11で被覆しなくてもよい。
また、上記実施形態では、上記超音波トランスデューサ1が曲率センサーから構成される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されることは無く、超音波トランスデューサ1が平面センサーから構成されていても良い。
また、上記実施形態では、気体として配管内を流れる蒸気の流量を計測する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、配管内を流れる空気の流量を計測する場合にも適用可能である。また、配管内を流れる気体がフロン、アンモニア、LNG(Liquefied Natural Gas)等であってもよく、これら気体の流量を計測する場合にも本発明は適用可能である。
1…超音波トランスデューサ、2…制御部(流量算出部、選択部)、10…配管、11…制振材、21…第1素子(第1の素子)、21a…機能面、26…第2素子(第2の素子)、26a…機能面、100…流量計測装置。

Claims (10)

  1. 配管の内部を流れる気体の流量を計測する流量計測装置であって、
    前記配管に接触して配置される超音波トランスデューサと、
    計測条件に応じて、前記超音波トランスデューサの計測方法としてタフト法または時間差法のいずれかを選択する選択部と、
    前記選択部に選択された計測方法による前記超音波トランスデューサの受信結果に基づいて、前記気体の流量を算出する流量算出部と、を備え、
    前記選択部は、超音波の送受信を数回行うことで、時間差法によって往路および復路における超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、
    前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合、前記超音波トランスデューサの計測パラメータを再調整した後、超音波の送受信を行うことで時間差法によって前記超音波信号の時間差を取得できたか否かを再判定し、
    再判定の結果、前記超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合にタフト法を選択する
    ことを特徴とする流量計測装置。
  2. 前記超音波トランスデューサは、前記超音波の発振又は受信が可能な第1の素子および第2の素子を含み、
    前記第1の素子および前記第2の素子は、発振した前記超音波を前記配管の中心に収束させる収束手段を有し、
    前記収束手段は、前記超音波の発振面が前記配管の外面に対応した曲率を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の流量計測装置。
  3. 前記第1の素子および前記第2の素子は、前記超音波の受信面が前記配管の外面に対応した曲率を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の流量計測装置。
  4. 前記超音波トランスデューサは、前記超音波の中心周波数が100KHz〜1MHzに設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の流量計測装置。
  5. 前記配管の表面に配置される制振材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の流量計測装置。
  6. 配管の内部を流れる気体の流量を計測する流量計測方法であって、
    前記配管に接触して配置された超音波トランスデューサにおいて採用する計測方法を、計測条件に応じてタフト法または時間差法から選択する第1ステップと、
    選択した前記計測方法による前記超音波トランスデューサの受信結果に基づいて、前記気体の流量を算出する第2ステップと、を備え、
    前記第1ステップでは、超音波の送受信を数回行うことで、時間差法によって往路および復路における超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、
    前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合、前記超音波トランスデューサの計測パラメータを再調整した後、超音波の送受信を行うことで時間差法によって前記超音波信号の時間差を取得できたか否かを再判定し、
    再判定の結果、前記超音波信号の時間差を取得できた場合に時間差法を選択し、前記超音波信号の時間差を取得できなかった場合にタフト法を選択する
    ことを特徴とする流量計測方法。
  7. 前記超音波トランスデューサは、前記超音波の発振又は受信が可能な第1の素子および第2の素子を含み、
    前記第1の素子および前記第2の素子として、発振した前記超音波を前記配管の中心に収束させる収束手段を有したものを用い、
    前記収束手段は、前記超音波の発振面が前記配管の外面に対応した曲率を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の流量計測方法。
  8. 前記第1の素子および前記第2の素子として、前記超音波の受信面が前記配管の外面に対応した曲率を有したものを用いる
    ことを特徴とする請求項に記載の流量計測方法。
  9. 前記配管の表面に制振材を配置する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の流量計測方法。
  10. 前記超音波トランスデューサとして、前記超音波の中心周波数が100KHz〜1MHzに設定されたものを用いる
    ことを特徴とする請求項〜1のいずれか一項に記載の流量計測方法。
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