JP6754744B2 - マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体、磁気記録装置および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体、磁気記録装置および磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体、磁気記録装置および磁気記録媒体の製造方法に関する。
情報量の増大により、磁気記録媒体には高密度記録化が常に求められている。データ記録の高密度記録化を達成するためには、磁気記録媒体の磁性層に含まれる強磁性粉末の粒子サイズを小さくすること(以下、「微粒子化」と記載する。)が有効である。しかし、強磁性粉末を微粒子化するほど磁化の熱的安定性が低下し、いわゆる熱揺らぎによって記録の保持性は低下してしまう。
上記の点を、以下に更に説明する。磁化の熱的安定性に関する指標として、「KuV/kT」が知られている。Kuは強磁性粉末の異方性定数、Vは粒子体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。磁気エネルギーKuVを熱エネルギーkTに対して大きくすることにより、即ち「KuV/kT」の値を大きくすることにより、熱揺らぎの影響を抑える(即ち、磁化の熱的安定性を向上する)ことができる。しかし、粒子体積Vは、高密度記録化のためには小さくすべきである。磁気エネルギーはKuとVとの積であるため、Vが小さい領域で磁気エネルギーを高めるためには、Kuを高めればよいことになる。しかし、高いKuを有する強磁性粉末は、磁化反転に要するスイッチング磁界が増大するため保磁力Hcが高く、記録に強い外部磁界が必要となり書き込み容易性は低下してしまう。
以上説明したように、高密度記録化、磁化の熱的安定性および書き込み容易性の3つの特性を満たすことはきわめて困難である。このことは、磁気記録のトリレンマと呼ばれ、今後更なる高密度記録化を進めるうえで大きな課題となっている。
ところで、磁気記録媒体では、通常、データ情報は磁気記録媒体のデータバンド上に記録される。これによりデータバンドにデータトラックが形成される。磁気記録媒体の高容量化のための手段としては、データトラックの幅を狭くすることにより、磁気記録媒体の磁性層により多くのデータトラックを配置して、記録密度を高めることが挙げられる。しかしデータトラックの幅を狭くすると、磁気記録媒体をドライブ内で搬送してデータ情報の記録および/または再生を行う際、磁気記録媒体の位置変動によって、磁気ヘッドがデータトラックに正確に追従することが困難となり、記録および/または再生時にエラーを起こし易くなってしまう。そこで、かかるエラーの発生を抑制するための手段として、近年、磁性層にサーボパターンを形成しヘッドトラッキングサーボを行うことが提案され、実用化されている(例えば特許文献1参照)。
ヘッドトラッキングサーボの中で、磁気サーボ方式のヘッドトラッキングサーボでは、サーボパターンを磁気記録媒体の磁性層に形成し、このサーボパターンをサーボヘッドにより読み取ってヘッドトラッキングサーボを行う。ヘッドトラッキングサーボとは、ドライブにおいて磁気ヘッドの位置を制御することをいう。ヘッドトラッキングサーボは、より詳しくは次のように行われる。
まずサーボヘッドにより、磁性層に形成されているサーボパターンを読み取る(即ち、サーボ信号を再生する)。サーボパターンを読み取ることにより得られた値に応じて、ドライブ内で磁気ヘッドの位置を制御する。これにより、データ情報の記録および/または再生のためにドライブ内で磁気記録媒体を搬送する際、磁気記録媒体の位置が変動しても、磁気ヘッドがデータトラックに追従する精度を高めることができる。例えば、テープ状の磁気記録媒体(即ち磁気テープ)をドライブ内で搬送してデータ情報の記録および/または再生を行う際、磁気テープの位置が磁気ヘッドに対して幅方向に変動しても、ヘッドトラッキングサーボを行うことにより、ドライブ内で磁気テープの幅方向における磁気ヘッドの位置を制御することができる。こうして、ドライブにおいて磁気テープに正確にデータ情報を記録すること、および/または、磁気テープに記録されているデータ情報を正確に再生すること、が可能となる。
上記サーボパターンは、磁性層へのデータ情報の記録と同様に、磁性層の特定の位置を磁化することによって形成される。したがって、データ記録と同様に、サーボパターンの形成(サーボ信号の記録)においても、書き込み容易性の低下は発生し得る。即ち、データ情報の記録のために強い外部磁界が必要となる場合には、サーボパターンの形成にも強い外部磁界が必要となるため、サーボパターンの書き込み容易性も低下してしまう。
書き込み容易性の向上に関しては、ハードディスクドライブ(HDD;Hard Disk Drive)におけるデータ情報の記録時に磁気ヘッドからマイクロ波磁界を印加し書き込み容易性を向上する記録方式(マイクロ波アシスト記録)が提案されている(例えば非特許文献1〜4参照)。
米国特許第5689384号
Ikuya Tagawa, Masato Shiimoto, Shuya Nosaki, Jun Aoyama and Yosuke Urakami, "Advantage of MAMR Read−Write Performance,"The 26th Magnetic Recording Conference TMRC TMRC2015−D6, pp.067−068 Y. Nozaki, K. Tateishi, S. Taharazako, M. Ohta, S. Yoshimura, and K. Matsuyama, Applied Physics Letters, 91, 122505 (2007); doi: 10.1063/1.2786593 Rie Sato, Kiwamu Kudo, Tazumi Nagasawa, Hirofumi Suto, and Koichi Mizushima, "Simulations and Experiments Toward High−Data−Transfer−Rate Readers Composed of a Spin−Torque Oscillator," IEEE Trans. Magn., vol. 48, no. 5, pp.1758−1764 (2012) T. Yang, H. Suto, T. Nagasawa, K. Kudo, K. Mizushima, R. Sato, "Journal of Magnetism and Magnetic Materials" 332 (2013), pp.52−55
磁気記録媒体は、金属薄膜型と塗布型の二種類に大別される。上記HDDでは、データ情報は金属薄膜型磁気記録媒体に記録される。この金属薄膜型磁気記録媒体は、蒸着等によって形成された金属薄膜の磁性層を有する磁気記録媒体である。これに対し、塗布型磁気記録媒体は、強磁性粉末を結合剤とともに含む磁性層を有する磁気記録媒体である。塗布型磁気記録媒体は、金属薄膜型磁気記録媒体と比べて化学的耐久性に優れるため、大容量の情報を長期間保存するためのデータストレージメディアとして有用な磁気記録媒体である。そこで本発明者は、かかる有用な塗布型磁気記録媒体へのデータ情報の記録のために、マイクロ波アシスト記録を採用することを検討すべきと考えるに至った。マイクロ波アシスト記録を採用することができれば、塗布型磁気記録媒体へのデータ情報の書き込み容易性を向上させることができる。また、塗布型磁気記録媒体にマイクロ波アシスト記録を採用することができれば、塗布型磁気記録媒体へのサーボパターンの形成においても書き込み容易性を向上させることが可能となる。
そこで本発明の目的は、マイクロ波アシスト記録に適した塗布型磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の一態様は、
非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、
上記磁性層は、30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す、マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体、
に関する。
本発明の更なる態様は、
磁気記録媒体と、
マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドと、
を含み、
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、
上記磁性層は、30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す、磁気記録装置、
に関する。
一態様では、上記強磁性粉末は、金属酸化物粉末であることができる。
一態様では、上記金属酸化物粉末は、フェライト粉末であることができる。
一態様では、上記磁性層は、30.0GHz以上の2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層であることができる。
一態様では、上記マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドは、上記磁性層に2以上の異なる周波数のマイクロ波磁界を印加することを含むマイクロ波アシスト記録により、上記の30.0GHz以上の2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層に、2以上の異なる情報を記録することができる。
一態様では、上記磁性層は、35%以下の2以上の異なる異方性磁界分布を示す単層の磁性層であることができる。
一態様では、上記磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数は、30.0〜50.0GHzの範囲であることができる。
一態様では、上記磁性層が示す異方性磁界分布は、10〜35%の範囲であることができる。
本発明の更なる態様は、
磁性層にサーボパターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の磁性層にマイクロ波アシスト記録によりサーボパターンを形成することを含む、磁気記録媒体の製造方法、
に関する。
本発明の一態様によれば、塗布型磁気記録媒体へのデータ情報およびサーボパターンの書き込み容易性を向上させることができる。
データバンドおよびサーボバンドの配置例を示す。 LTO(Linear−Tape−Open) Ultriumフォーマットテープのサーボパターン配置例を示す。 実施例において作製した磁気記録媒体サンプルの概略図である。
[マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体]
本発明の一態様は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、 上記磁性層は30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示すマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体に関する。
本発明および本明細書において、「マイクロ波」とは、周波数が300MHz〜300GHzの電磁波をいうものとする。「マイクロ波アシスト記録」とは、磁性層にマイクロ波磁界を印加することによって強磁性粉末の磁化反転をアシストして磁化パターンを形成する記録方式をいう。本発明および本明細書において、「マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体」とは、磁性層にマイクロ波磁界を印加することによって強磁性粉末の磁化反転をアシストしてデータ情報の記録を行うことと、磁性層にマイクロ波磁界を印加することによって強磁性粉末の磁化反転をアシストしてサーボパターンの形成を行うことの、一方または両方のために使用される磁気記録媒体を意味するものとする。
本発明および本明細書において、磁性層および強磁性粉末の磁気的な性質に関する値は、特記しない限り、23℃±1℃の測定温度で求められる値とする。
強磁性共鳴とは、固有振動数に等しいマイクロ波磁界を与えることにより、強磁性体の磁気モーメント(電子スピン)が大きく歳差運動する現象である。本発明および本明細書において、磁性層の「固有強磁性共鳴周波数」とは、磁性層に飽和磁界以上の外部磁界を反転させるべき磁化方向と同一方向に印加することによって磁性層の磁化を飽和させた後、印加磁界をゼロにしたときに、ベクトルネットワークアナライザ(VNA;vector network analizer)によって測定される磁性層の吸収ピーク周波数である。上記の「同一方向」等の本発明および本明細書における方向に関する記載は、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、誤差については、厳密な方向から角度±30°程度の誤差は許容されるものとする。また、ここで「磁化方向」とは、磁性層に含まれる強磁性粉末の個々の粒子(強磁性粒子)の磁化方向の平均の磁化方向である。例えば、磁気記録媒体の製造時に磁性層に配向処理を施す場合、配向処理において磁性層に印加する磁界の方向が、通常、個々の粒子の磁化方向の平均の磁化方向となる。ベクトルネットワークアナライザとしては、例えば、アンリツ社製MS4647B等の公知のベクトルネットワークアナライザを使用することができる。また、測定時に磁性層とベクトルネットワークアナライザを接続するためのケーブルおよび/またはプローバとしては、磁界中に配置されても磁界の影響を受けない部材、即ち非磁性部材によって構成されたものを使用する。ベクトルネットワークアナライザを使用した吸収ピーク周波数の測定方法については、例えば、Y. Nozaki, K. Tateishi, S. Taharazako, M. Ohta, S. Yoshimura, and K. Matsuyama, Applied Physics Letters, 91, 122505(2007);doi:10.1063/1.2786593を参照できる。また、後述の実施例の記載も参照できる。
異方性磁界分布とは、異方性磁界強度Hkの分布を示す値であって、直交する2つの方向(以下、「X軸方向」、「Y軸方向」と記載する。)に検出コイルを持つ振動試料型磁束計(VSM;Vibrating Sample Magnetometer)によって、磁気記録媒体から切り出したサンプルを用いて、以下の方法により測定される。
X軸方向に対し0°でサンプルに+800kA/mで磁界を印加して飽和させ、印加磁界をゼロとし、X軸方向およびY軸方向の残留磁化を測定する。次いで、サンプルを10°回転させた状態で+8kA/mで磁界を印加し、磁界をゼロとし、サンプルを0°に戻し、X軸方向およびY軸方向の残留磁化を測定する。更にサンプルを10°回転させた状態で前回印加した強度に+8kA/m加えた磁界を印加し、磁界をゼロとし、サンプルを0°に戻し、X軸方向およびY軸方向の残留磁化を測定する。
以上の操作を、印加磁界が+800kA/mに達するまで繰り返し、印加磁界に対するY軸方向の残留磁界の差分の値をグラフにプロットする。このグラフにおいて、連続する20個のプロットのデータを用いて2次曲線近似により2次曲線を得る。連続する20個のプロット中の印加磁界(横軸)の値が小さい側から数えて10個目または11個目のプロットが、グラフ中のプロットにおける極大値となるように、上記20個のプロットを選択する。得られた2次曲線において極大値となる磁界(Hpeak)をピークとし、ピークの1/2となる磁界(高磁界側を「High」、低磁界側を「Low」と記載する。)を計算する。異方性磁界分布は、下記式:
異方性磁界分布(%)={(High−Low)/Hpeak}×100
により算出される。測定対象が磁気テープの場合には、サンプルにおいて、このサンプルを切り出した磁気テープにおいて長手方向であった方向をX軸方向とし、幅方向であった方向をY軸方向とする。磁気ディスク等のその他の形態の磁気記録媒体から切り出したサンプルについては、任意の方向をX軸方向およびY軸方向とする。
また、上記のようにプロットして得られたグラフに極大値が2つ以上ある場合には、それぞれの極大値に関して上記方法によって2次曲線を得て、得られた2次曲線を用いて上記の通り異方性磁界分布を算出する。
強磁性粉末の異方性磁界分布は、強磁性粉末を0.9g/mlの充填率でサンプル瓶に封入し、このサンプル瓶を用いて上記方法により求められる値とする。強磁性粉末の異方性磁界分布の測定においては、X軸方向およびY軸方向は、両方向が直交する限り、任意の方向に設定すればよい。また、サンプル瓶が反磁性を有する材料製の瓶の場合には、反磁性補正を行い異方性磁界分布を求めるものとする。
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す。30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を示す磁性層は、マイクロ波磁界によって磁化反転をアシストすることにより磁化パターンを形成することができる。即ち、マイクロ波アシスト記録が可能である。
また、マイクロ波アシスト記録においては、高密度記録化に対応するために、より短時間のマイクロ波磁界の印加によって磁化反転をアシストして磁化パターンを形成できることが望まれる。また、サーボパターンの形成についても、より短時間のマイクロ波磁界の印加によって磁化反転をアシストして磁化パターンを形成できることは、サーボパターンの形成工程の短時間化の観点から望ましい。以上の点に関し、異方性磁界分布の値が小さい磁性層は、固有強磁性共鳴周波数の分布がシャープであると考えられる。固有強磁性共鳴周波数の分布がシャープであると、磁性層のマイクロ波の吸収効率が高まると推察される。35%以下の異方性磁界分布を示す磁性層は、マイクロ波吸収効率が高いため短時間のマイクロ波磁界の印加によって磁化反転をアシストして磁化パターンを形成することができると考えられる。
以上の通り、本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示すことにより、マイクロ波アシスト記録によりデータ情報を記録するために、および/または、サーボパターンを形成するために、好適な塗布型磁気記録媒体である。
以下、上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
<磁性層>
(固有強磁性共鳴周波数)
上記磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数は、30.0GHz以上である。30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を示す磁性層は、マイクロ波磁界によって磁化反転をアシストすることにより磁化パターンを形成することができる。磁化パターンの形成とは、一態様ではデータ情報の記録であり、他の一態様ではサーボパターンの形成である。また、30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を示す磁性層は熱揺らぎの影響を受け難い傾向があり熱的安定性に優れるため、磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を示すことは、記録の保持性を向上するために好ましい。上記磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数は、30.0GHz以上であって、例えば50.0GHz以下または40.0GHz以下であることができる。ただし、高い固有強磁性共鳴周波数を示す磁性層ほど記録の保持性に優れるため、磁性層の固有強磁性共鳴周波数は、50.0GHz超であっても40.0GHz超であってもよい。また、上記磁性層は、2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示すこともでき、2以上の異なる固有共鳴周波数を示す単層の磁性層であることもできる。上記磁性層が2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す場合、2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数の1つ以上が30.0GHz以上である。後述するようにマイクロ波アシスト記録によって単層の磁性層に2以上の異なる情報を記録(即ち多重記録)することを可能にする観点からは、単層の磁性層が示す2以上の固有強磁性共鳴周波数の少なくとも2つが30.0GHz以上であることが好ましく、単層の磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数のより多くが30.0GHz以上であることが好ましく、単層の磁性層が示すすべての固有強磁性共鳴周波数が30.0GHz以上であることが最も好ましい。上記磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数の詳細については、更に後述する。
磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数は、磁性層に含まれる強磁性粉末の保磁力Hcによって制御することができる。保磁力Hcが高い強磁性粉末を含む磁性層ほど、高い固有強磁性共鳴周波数を示す傾向がある。また、2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す磁性層は、例えば、保磁力Hcが異なる二種以上の強磁性粉末を用いることにより作製することができる。強磁性粉末の保磁力Hc等の詳細については、後述する。
(異方性磁界分布)
上記磁性層は、35%以下の異方性磁界分布を示す。35%以下の異方性磁界分布を示す磁性層は、マイクロ波の吸収効率が高く、短時間のマイクロ波磁界の印加により磁化反転をアシストして磁化パターンを形成することを可能にすることに寄与すると推察される。マイクロ波の吸収効率の更なる向上の観点からは、上記磁性層が示す異方性磁界分布は、33%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。また、上記磁性層が示す異方性磁界分布は、例えば10%以上であることができ、12%以上または15%以上であることもできる。異方性磁界分布の値が小さい磁性層ほどマイクロ波の吸収効率は高いと考えられるため、上記磁性層の異方性磁界分布は、10%を下回ることもできる。また、上記磁性層は、2以上の異なる異方性磁界分布を示すこともでき、2以上の異なる異方性磁界分布を示す単層の磁性層であることもできる。上記磁性層が2以上の異なる異方性磁界分布を示す場合、2以上の異なる異方性磁界分布の1つ以上が35%以下である。後述するようにマイクロ波アシスト記録によって単層の磁性層に2以上の異なる情報を記録(即ち多重記録)する際に短時間でのマイクロ波磁界の印加によりマイクロ波アシスト記録を可能にする観点からは、単層の磁性層が示す2以上の異方性磁界分布の少なくとも2つが35%以下であることが好ましく、単層の磁性層が示す異方性磁界分布のより多くが35%以下であることが好ましく、単層の磁性層が示すすべての異方性磁界分布が35%以下であることが最も好ましい。
磁性層の異方性磁界分布は、磁性層に含まれる強磁性粉末の異方性磁界分布によって制御することができる。異方性磁界分布の値が小さい強磁性粉末を含む磁性層ほど、磁性層の異方性磁界分布の値も小さい傾向がある。また、2以上の異なる異方性磁界分布を示す磁性層は、例えば、異方性磁界分布が異なる二種以上の強磁性粉末を用いることにより作製することができる。強磁性粉末の異方性磁界分布等の詳細については、後述する。
(強磁性粉末)
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は塗布型磁気記録媒体であり、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する。強磁性粉末としては、六方晶フェライト、ε−酸化鉄等の金属酸化物の粉末、金属粉末、FePt、NdFeB等の合金粉末、またはFe162等の窒化物の粉末等を挙げることができる。磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数は、一般に、磁性層に含まれる強磁性粉末の保磁力Hcが高いほど、高くなる傾向がある。強磁性粉末の保磁力Hcは、一態様では、210kA/m以上であることが好ましい。強磁性粉末の保磁力Hcは、例えば20000kA/m以下であることができる。ただし、20000kA/m超であってもよい。一般に、保磁力Hcが高い強磁性粉末ほど、異方性定数Kuが高く、熱的安定性(記録の保持性)の観点から好ましい傾向がある。強磁性粉末の保磁力Hcは、振動試料型磁束計等の公知の磁気特性測定装置により求めることができる。
磁性層の異方性磁界分布の値は、磁性層に含まれる強磁性粉末の異方性磁界分布の値が小さいほど、小さくなる傾向がある。強磁性粉末の異方性磁界分布は、35%以下であることが好ましく、33%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましく、25%以下であることが一層好ましい。また、強磁性粉末の異方性磁界分布は、例えば10%以上であることができ、12%以上または15%以上であることもできる。強磁性粉末の異方性磁界分布の値が小さいほど磁性層の異方性磁界分布の値を小さくするために好ましいと考えられるため、強磁性粉末の異方性磁界分布は、10%を下回ってもよい。
上記磁性層に含まれる強磁性粉末を微粒子化することは、高密度記録化の観点から好ましい。強磁性粉末の粒子サイズに関して、物理的な粒子サイズの指標である強磁性粉末の平均粒子サイズは、高密度記録化の観点からは50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、35nm以下であることが更に好ましく、30nm以下であることが一層好ましく、25nm以下であることがより一層好ましく、20nm以下であることが更に一層好ましい。一方、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましい。
本発明および本明細書において、強磁性粉末等の各種粉末の「平均粒子サイズ」は、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定される値とする。
粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明および本明細書において、強磁性粉末およびその他の粉末についての平均粒子サイズとは、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。
粒子サイズ測定のために磁気記録媒体から試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−48878号公報の段落0015に記載の方法を採用することができる。
本発明および本明細書において、粉末を構成する粒子のサイズ(粒子サイズ)は、上記の粒子の写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚みまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)の場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
そして、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長とも呼ばれ、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径とも呼ばれる。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは平均直径(または平均粒径もしくは平均粒子径)とも呼ばれる。
本発明および本明細書において、強磁性粉末とは、複数の強磁性粒子の集合を意味するものとする。集合とは、集合を構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、結合剤、添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。以上の点は、非磁性粉末等の、本発明および本明細書における各種粉末についても同様とする。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。磁性層の強磁性粉末以外の成分は少なくとも結合剤であり、任意に一種以上の添加剤が含まれ得る。磁性層において強磁性粉末の充填率が高いことは、データ情報の記録密度向上の観点から好ましい。
強磁性粉末としては、高密度記録化のために微粒子化しても高い熱的安定性を示すことができる(即ち、熱揺らぎの影響を受け難い)強磁性粉末を用いることが好ましい。この点からは、上記磁性層に含まれる強磁性粉末は、金属酸化物粉末であることが好ましく、金属酸化物粉末の中でもフェライト粉末であることがより好ましい。フェライト粉末としては、六方晶フェライト粉末、ε−酸化鉄粉末等の各種フェライト粉末を挙げることができ、六方晶フェライト粉末およびε−酸化鉄粉末が好ましい。
六方晶フェライト粉末に関して、六方晶フェライトの結晶構造としては、マグネトプランバイト型(「M型」とも呼ばれる。)、W型、Y型およびZ型が知られている。上記磁性層の強磁性粉末として使用可能な六方晶フェライト粉末は、いずれの結晶構造を取るものであってもよい。六方晶フェライト粉末の保磁力Hcは、例えば、六方晶フェライトの結晶構造を構成する原子の種類および組成比によって制御することができる。例えば、置換原子を含まない無置換型のM型六方晶フェライトは、組成式:AFe1219で表される。磁気記録分野で一般に広く用いられているM型六方晶フェライト粉末は、上記組成式中のFeの一部が他の原子(置換原子)によって置換されている置換型のM型六方晶フェライトである。このような置換型の六方晶フェライトは、無置換型の六方晶フェライトと比べて低い保磁力Hcを示す傾向がある。一方、無置換型の六方晶フェライトは、置換型の六方晶フェライトと比べて異方性磁界分布の値が小さくなる傾向がある。また、置換型の六方晶フェライトは、置換原子量が少ないほど異方性磁界分布の値が小さくなる傾向がある。置換原子としては、例えば、ニオブ原子(Nb)、コバルト原子(Co)、チタン原子(Ti)、亜鉛原子(Zn)等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。一方、上記組成式中、Aは、二価金属原子を表す。二価金属原子とは、イオンとして二価のカチオンになり得る金属原子であり、バリウム原子、ストロンチウム原子、カルシウム原子等のアルカリ土類金属原子、鉛原子等を挙げることができる。なおAとして二種以上の二価金属原子が含まれていてもよい。例えば、Aとしてバリウム原子およびストロンチウム原子を含む六方晶フェライトは、バリウムフェライトとストロンチウムフェライトの混晶である。
六方晶フェライト粉末の製造方法としては、ガラス結晶化法、共沈法、逆ミセル法、水熱合成法等が知られている。上記製造方法は、いずれも公知である。上記磁性層において強磁性粉末として使用可能な六方晶フェライト粉末の製造方法は限定されない。例えば、ガラス結晶化法により六方晶フェライト粉末を製造する製造工程において、結晶化温度を高くするほど、異方性磁界分布の値が小さい六方晶フェライト粉末が得られる傾向がある。
一方、ε−酸化鉄粉末に関しては、結晶構造を構成する鉄原子(Fe)の一部を、Ga、Co、Ti、Al、Rh等の置換原子により置換することによって、保磁力Hcを制御することができる。また、置換原子量を低減するほど、ε−酸化鉄粉末の異方性磁界分布の値は小さくなる傾向がある。Feの一部が置換原子によって置換されたε−酸化鉄粉末を製造する方法については、例えば、J. Jpn. Soc. Powder Metallurgy Vol. 61 Supplement, No. S1, pp. S280−S284、J. Mater. Chem. C, 2013, 1, pp.5200−5206等を参照できる。ただし、上記磁性層において強磁性粉末として使用可能なε−酸化鉄粉末は、上記文献に記載の方法により得られるε−酸化鉄粉末に限定されるものではない。ε−酸化鉄粉末の製造方法としては、ゲーサイトから作製する方法、逆ミセル法等が知られている。上記製造方法は、いずれも公知である。上記磁性層において強磁性粉末として使用可能なε−酸化鉄粉末の製造方法は限定されない。
(結合剤)
上記磁性層は、強磁性粉末とともに結合剤を含む。結合剤とは、一種以上の樹脂であり、樹脂はホモポリマーであってもコポリマー(共重合体)であってもよい。磁性層に含まれる結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロース等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂等から選択した単独の樹脂を使用することができ、または複数の樹脂を混合して使用することもできる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂および塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層および/またはバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報の段落0029〜0031を参照できる。結合剤として使用される樹脂の平均分子量は、重量平均分子量として、例えば10,000以上200,000以下であることができる。なお本発明および本明細書における重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算により求められる値をいうものとする。測定条件としては、下記条件を挙げることができる。
GPC装置:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー社製、7.8mmID(Inner diameter(内径))×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
(添加剤)
磁性層は、必要に応じて一種以上の添加剤を含むことができる。添加剤の一例として、例えば、磁性層形成時、上記結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤は、一態様では加熱により硬化反応(架橋反応)が進行する化合物である熱硬化性化合物であることができ、他の一態様では光照射により硬化反応(架橋反応)が進行する光硬化性化合物であることができる。なお硬化剤は、磁性層形成工程の中で硬化反応が進行することにより、少なくとも一部は、結合剤等の他の成分と反応(架橋)した状態で磁性層に含まれ得る。好ましい硬化剤は、熱硬化性化合物であり、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報の段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物中に、結合剤100.0質量部に対して、例えば0〜80.0質量部、磁性層の強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で添加し使用することができる。
また、磁性層に含まれ得る添加剤としては、研磨剤または突起形成剤として機能することができる非磁性粉末、潤滑剤、分散剤、分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等を挙げることができる。各種添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して、または公知の方法で製造して、任意の量で使用することができる。
<非磁性層>
次に非磁性層について説明する。
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、非磁性支持体上に直接磁性層を有していてもよく、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有していてもよい。非磁性層に含まれる非磁性粉末は、無機粉末でも有機粉末でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機粉末としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の粉末が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2010−24113号公報の段落0036〜0039を参照できる。
非磁性層の結合剤、任意に含まれ得る添加剤等の詳細については、磁性層および/または非磁性層に関する公知技術を適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックおよび/または有機粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報の段落0040〜0042を参照できる。
本発明および本明細書において、「非磁性層」には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで「実質的に非磁性な層」とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい。
<バックコート層>
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層を有する側とは反対側にバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックおよび/または無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤および各種添加剤については、磁性層、非磁性層およびバックコート層に関する公知技術を適用できる。
<非磁性支持体>
非磁性支持体(以下、単に「支持体」とも記載する。)としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリアミドが好ましい。
これらの支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行ってもよい。
<非磁性支持体および各層の厚み>
非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みは、好ましくは3.0〜80.0μmであり、より好ましくは3.0〜20.0μmであり、更に好ましくは3.0〜10.0μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量、ヘッドギャップ長、記録信号の帯域等により最適化することができる。磁性層の厚みは、一般には5〜200nmであり、好ましくは10〜150nmであり、より好ましくは10〜120nmであり、更に好ましくは10〜80nmであり、一層好ましくは10〜30nmである。
非磁性層の厚みは、例えば0.05〜3.0μmであり、0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることが更に好ましい。
バックコート層の厚みは、0.9μm以下であることが好ましく、0.1〜0.7μmであることがより好ましい。
一態様では、上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、磁性層を一層のみ含む(即ち単層の磁性層を有する)磁気記録媒体であることができる。この場合、単層の磁性層は、30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を1つのみ示してもよく、30.0GHz以上の2以上の固有強磁性共鳴周波数を示してもよい。例えば、保磁力Hcが異なる二種の強磁性粉末ロットから採取した強磁性粉末を用いて磁性層を形成することにより、30.0GHz以上の2つの固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層を有する塗布型磁気記録媒体を得ることができる。そして、マイクロ波アシスト記録によれば、単層の磁性層が30.0GHz以上の2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示すことを利用して、単層の磁性層に2以上の異なる情報を記録(即ち多重記録)することが可能となる。この点について、以下に更に説明する。「2以上の異なる情報」とは、2以上の互いに独立な情報系列をいうものとする。2以上の互いに独立な情報系列は、複数の異なるデータ情報のみから構成されていてもよく、複数の異なるヘッドトラッキングサーボ情報のみから構成されていてもよく、1以上のヘッドトラッキングサーボ情報と1以上のデータ情報から構成されていてもよい。データ情報とは、磁気記録媒体の磁性層に記録される文字情報、画像情報等の各種情報をいうものとする。一方、ヘッドトラッキングサーボ情報は、ヘッドトラッキングサーボを可能とするためのサーボパターンの形状および複数のサーボパターンの配置から構成される。
以下では、単層の磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数αおよびβ(α≠β)を示し、この単層の磁性層に、
周波数Aのマイクロ波磁界を印加することにより磁化反転がアシストされる強磁性粉末(以下、「強磁性粉末α」という。);および
周波数Bのマイクロ波磁界を印加することにより磁化反転がアシストされる強磁性粉末(以下、「強磁性粉末β」という。)、
という二種の強磁性粉末が含まれる場合を例に説明する。固有強磁性共鳴周波数αは、強磁性粉末αによってもたらされ、固有強磁性共鳴周波数βは、強磁性粉末βによってもたらされるものとする。強磁性粉末αおよび強磁性粉末βは、通常、保磁力Hcが異なる強磁性粉末ロットから採取された強磁性粉末である。マイクロ波磁界は、磁化反転をアシストするために、磁化反転前の磁化方向と逆方向に印加される。マイクロ波磁界の周波数の値は、マイクロ波磁界の磁界強度に依存し、磁界強度を大きくするほど周波数は低くなる。強磁性粉末αと強磁性粉末βは、磁化反転がアシストされる周波数が異なるものとする。強磁性粉末αの磁化反転をアシストするためには、好ましくは固有強磁性共鳴周波数α以下、より好ましくは固有強磁性共鳴周波数αよりも低い周波数のマイクロ波磁界を印加する。強磁性粉末βの磁化反転をアシストするためには、好ましくは固有強磁性共鳴周波数β以下、より好ましくは固有強磁性共鳴周波数βよりも低い周波数のマイクロ波磁界を印加する。したがって、周波数Aは、固有強磁性共鳴周波数α以下であることが好ましく、αよりも低いことがより好ましい。周波数Bは、固有強磁性共鳴周波数β以下であることが好ましく、βよりも低いことがより好ましい。A≠Bであり、強磁性粉末αの磁化反転をアシストするために周波数Aのマイクロ波磁界を印加することによっては強磁性粉末βの磁化反転はアシストされず、強磁性粉末βの磁化反転をアシストするために周波数Bのマイクロ波磁界を印加することによっては強磁性粉末αの磁化反転はアシストされない。
以上の性質を利用することによって、単層の磁性層に異なる2情報(以下、「情報α」および「情報β」という。)を記録することができる。詳しくは、次の通りである。強磁性粉末αおよび強磁性粉末βを含む磁性層に「情報α」に対応する記録磁界を印加する際、強磁性粉末αの磁化反転をアシスト可能な周波数Aのマイクロ波磁界を印加すれば、強磁性粉末αの磁化反転がアシストされることにより、強磁性粉末αの磁化反転を起こして強磁性粉末αに情報αを記録することができる。ここでは強磁性粉末βの磁化反転はアシストされないため、強磁性粉末βには情報αは記録されない。一方、強磁性粉末αおよび強磁性粉末βを含む磁性層に「情報β」に対応する記録磁界を印加する際、強磁性粉末βの磁化反転をアシスト可能な周波数Bのマイクロ波磁界を印加すれば、強磁性粉末βの磁化反転がアシストされることにより、強磁性粉末βの磁化反転を起こして強磁性粉末βに情報βを記録することができる。ここでは強磁性粉末αの磁化反転はアシストされないため、強磁性粉末αには情報βは記録されない。こうして、単層の磁性層(同一磁性層)に、異なる2情報を多重記録することができる。
上記の例では、異なる2情報を多重記録する例を説明した。ただし多重記録される情報は、2情報に限定されず、3情報、4情報、または5情報以上(例えば5〜10情報)であってもよい。異なる周波数のマイクロ波磁界を印加してマイクロ波アシスト記録を行うことにより、単層の磁性層に、最大で、この磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数の数と同数の情報を多重記録することができる。これに対し、金属薄膜型磁気記録媒体は、蒸着等により磁性層を形成するという製造上の理由から、2以上の固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層を形成することは困難である。そのため、同一の金属薄膜型磁気記録媒体に異なる2以上の情報をマイクロ波アシスト記録によって多重記録するためには、異なる固有強磁性共鳴周波数を示す二層以上の重層磁性層を設けることになる。これに対し、塗布型磁気記録媒体によれば、上記のようにマイクロ波アシスト記録によって単層の磁性層への多重記録が可能である。これにより、例えば、単層の磁性層に異なるデータ情報を多重記録することが可能となる。また、例えば、単層の磁性層の同一領域に異なるヘッドトラッキングサーボ情報を記録することが可能となる。また、例えば、単層の磁性層の同一領域または異なる領域に、マイクロ波アシスト記録によってサーボパターンを形成し、かつマイクロ波アシスト記録によってデータ情報を記録することが可能となる。
また、磁性層が2以上の異なる異方性磁界分布を示す場合、好ましくは単層の磁性層が2以上の異なる異方性磁界分布を示す場合には、2以上の異なる異方性磁界分布のより多くが35%以下であることが好ましく、すべての異方性磁界分布が35%以下であることが最も好ましい。これにより、異なる周波数のマイクロ波磁界を印加してマイクロ波アシスト記録を行う場合、好ましくは異なる周波数のマイクロ波磁界を印加してマイクロ波アシスト記録を行い異なる2以上の情報を単層の磁性層(同一磁性層)に多重記録する場合に、短時間でのマイクロ波磁界の印加によって多重記録を行うことが可能となるからである。
ただし、上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体から、二層以上の重層磁性層を有する態様が除外されるものではない。例えば、本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体において、磁性層を異なる磁気特性を有する二層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。重層磁性層について、磁性層の厚みとは、複数の磁性層の合計厚みをいう。この場合、異なる磁性層は、異なる固有強磁性共鳴周波数を示してもよく、同じ固有強磁性共鳴周波数を示してもよい。
<マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の製造工程>
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物を製造する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含むことができる。個々の工程はそれぞれ二段階以上に分かれていてもかまわない。各種成分は、どの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の成分を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、および分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体を製造するためには、従来の公知の製造技術を一部または全部の工程に用いることができる。例えば、混練工程では、オープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダ等の強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については、特開平1−106338号公報および特開平1−79274号公報を参照できる。また、各層形成用の組成物を分散するために、分散ビーズとしてガラスビーズを用いることができる。また、分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、およびスチールビーズも好適である。これら分散ビーズの粒径と充填率は最適化して用いることができる。分散機は公知のものを使用することができる。各層形成用組成物を、塗布工程に付す前に公知の方法によってろ過してもよい。ろ過は、例えばフィルタろ過によって行うことができる。ろ過に用いるフィルタとしては、例えば孔径0.01〜3μmのフィルタ(例えばガラス繊維製フィルタ、ポリプロピレン製フィルタ等)を用いることができる。
マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の製造方法の詳細については、例えば特開2010−24113号公報の段落0051〜0057も参照できる。
上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の形状は限定されない。上記マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、テープ状の磁気記録媒体(磁気テープ)であっても、ディスク状の磁気記録媒体(磁気ディスク)であってもよい。また、後述の実施例に示すように、磁気ヘッドとの摺動部を有さず、非磁性支持体(例えばシリコン基板)上に導波路と磁性層とが一体形成された構成でもよい。
[磁気記録装置]
本発明の一態様は、磁気記録媒体とマイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドとを含む磁気記録装置であって、上記磁気記録媒体は非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、上記磁性層は30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す磁気記録装置に関する。
以下、上記磁気記録装置について、更に詳細に説明する。
<磁気記録媒体>
上記磁気記録装置に含まれる磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、上記磁性層は30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す。即ち、上記磁気記録装置に含まれる磁気記録媒体は、上記の本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体である。その詳細は、先に記載した通りである。上記磁気記録装置によれば、塗布型磁気記録媒体である本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体に、マイクロ波アシスト記録によってデータ情報を記録することができる。
<マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッド>
上記磁気記録装置に含まれるマイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドは、特に限定されるものではなく、マイクロ波アシスト記録が可能なものであればよい。マイクロ波アシスト記録によれば、記録すべき情報に対応する記録磁界を磁性層に印加する際、記録磁界の印加によっては磁化反転しない強磁性粉末の磁化反転をマイクロ波磁界を印加してアシストすることにより、上記強磁性粉末を磁化反転させて情報を記録することができる。このような磁化反転のアシストは、磁性層に含まれる強磁性粉末を磁気共鳴状態とすることによって実現することができる。そのためには、磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数と同じ周波数またはその近傍の周波数のマイクロ波磁界を、磁性層に印加することが好ましい。磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数を「X」GHzとすると、(X−15.0)GHz〜XGHzの範囲の周波数のマイクロ波磁界を印加することがより好ましく、(X−15.0)GHz以上XGHz未満の周波数のマイクロ波磁界を印加することが更に好ましい。また、単層の磁性層が30.0GHz以外の2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す場合、多重記録をより良好に行う観点からは、異なる固有強磁性共鳴周波数は、5.0GHz以上(例えば5.0GHz〜10.0GHz)、異なることが好ましい。
マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドは、少なくとも記録部を含み、記録部と再生部を含むこともできる。記録部は、記録磁界を発生する記録磁極と対向磁極を含み、更に、マイクロ波磁界を発生するマイクロ波発振素子を含む構成を有することができる。マイクロ波磁界は、直流電流によって交流磁界として発生させることが好ましく、交流磁界の周波数は直流電流の電流値に比例する。したがって、直流電流の電流値を調整することにより、磁性層に印加するマイクロ波磁界の周波数を制御することができる。マイクロ波発振素子としては、静磁場を印加するマイクロ波発振素子を用いてもよい。または、スピントルクオシレータ(Spin Torque Oscillator)等を用いて動的記録を行ってもよい。マイクロ波発振素子は、記録部に1つ含まれてもよく、2つ以上含まれてもよい。マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドによって磁性層に2以上の異なる周波数のマイクロ波磁界を印加する場合、異なる周波数のマイクロ波磁界の印加は同時に行ってもよく順次行ってもよく、順次行うことが好ましい。また、記録されたデータ情報の再生は、例えば後述の実施例に示すように吸収ピーク周波数を測定することにより行うことができる。または、磁界検出が可能な素子、例えば、ホール素子、MR(magnetoresistive)素子、GMR(giant−magnetoresistive)素子、TMR(tunnel−magnetoresistive)素子等を再生部として用いることもできる。また、多重記録されたデータ情報の再生のためには、例えば、スピントルクオシレータを用いた再生部を利用することもできる。スピントルクオシレータを用いるデータ情報の再生については、例えば、Rie Sato, Kiwamu Kudo, Tazumi Nagasawa, Hirofumi Suto, and Koichi Mizushima, “Simulations and Experiments Toward High−Data−Transfer−Rate Readers Composed of a Spin−Torque Oscillator,” IEEE Trans. Magn., vol. 48, no. 5, pp.1758−1764 (2012)(非特許文献3)を参照できる。
多重記録されたデータ情報の再生に関して、T. Yang, H. Suto, T. Nagasawa, K. Kudo, K. Mizushima, R. Sato, “Journal of Magnetism and Magnetic Materials” 332 (2013),pp.52−55(非特許文献4)には、吸収ピーク周波数が異なる多層膜に記録された情報を再生する方法が記載されている。かかる再生方法は、同一の単層の磁性層に異なる強磁性粉末を含む磁気記録媒体に多重記録されたサーボパターンの読み取りにも利用可能である。
磁気記録の記録方式として、磁気テープへのデータ情報の記録については、垂直記録と長手記録がある。磁性層に含まれる強磁性粉末が六方晶フェライト粉末の場合、反磁界に起因する減磁の影響を低減する観点から、磁性層表面に対して垂直方向に磁化容易軸を向けることが好ましい。したがって、垂直記録を行うことが好ましい。一方、磁性層に含まれる強磁性粉末がε−酸化鉄粉末の場合、磁化容易軸を、磁性層表面に対して垂直方向に向けることも好ましく長手方向に向けることも好ましい。ε−酸化鉄粉末は、六方晶フェライト粉末と比べて、磁化が比較的小さく保磁力が比較的大きいため、反磁界による減磁の影響を受け難い傾向があるためである。なお、長手記録は出力向上に有利な傾向がある。なお、以上のことは、サーボパターンの形成および読み取りにおいても当てはまる。
[サーボパターンを有する磁気記録媒体の製造方法]
本発明の一態様は、磁性層にサーボパターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の磁性層にマイクロ波アシスト記録によりサーボパターンを形成することを含む。
磁性層へのサーボパターンの形成は、サーボパターン記録ヘッド(「サーボライトヘッド(servo write head)」と呼ばれる。)により、磁性層の特定の位置を磁化することにより行われる。このサーボライトヘッドとしてマイクロ波アシスト記録が可能なヘッドを使用し、磁性層に記録すべきヘッドトラッキングサーボ情報に対応する記録磁界を磁性層に印加する際に記録磁界の印加によっては磁化反転しない強磁性粉末の磁化反転をマイクロ波磁界を印加してアシストすることにより、上記強磁性粉末を磁化反転させてサーボパターンを形成することができる。このような磁化反転のアシストは、磁性層に含まれる強磁性粉末を磁気共鳴状態とすることによって実現することができる。そのためには、磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数と同じ周波数またはその近傍の周波数のマイクロ波磁界を、磁性層に印加することが好ましい。印加するマイクロ波磁界の周波数と磁性層が示す固有強磁性共鳴周波数との関係については、先の記載を参照できる。
マイクロ波アシスト記録が可能なサーボライトヘッドは、少なくともサーボパターン形成部(記録部)を含む。サーボパターン形成部は、記録磁界を発生する記録磁極と対向磁極を含み、更に、マイクロ波磁界を発生するマイクロ波発振素子を含む構成を有することができる。マイクロ波アシスト記録が可能なサーボライトヘッドの詳細については、マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドに関する先の記載を参照できる。また、磁性層に形成されたサーボパターンの読み取りは、例えば後述の実施例に示すように吸収ピーク周波数を測定することにより行うことができる。または、先に記載した各種素子のように磁界検出が可能な素子を再生部として用いることもできる。また、先に記載したように多重記録されたサーボパターンの読み取りのためには、例えば、スピントルクオシレータを用いた読み取り部を利用することもできる。スピントルクオシレータを用いるサーボパターンの読み取りについては、先に記載の文献(非特許文献3)を参照できる。
ヘッドトラッキングサーボを可能とするためのサーボパターンの形状および磁性層における配置は公知である、上記磁気記録媒体の磁性層へ形成するサーボパターンの形状および配置については、公知技術を適用することができる。例えば、ヘッドトラッキングサーボの方式としては、タイミングベースサーボ方式と振幅ベースサーボ方式が知られている。上記磁気テープの磁性層が有するサーボパターンは、いずれの方式のヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンでもよい。また、タイミングベースサーボ方式でのヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンと振幅ベースサーボ方式でのヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンとが磁性層に形成されていてもよい。
以下に、ヘッドトラッキングサーボの具体的態様の1つとして、タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボについて記載する。ただし本発明の一態様にかかる磁気記録媒体の製造方法により製造される磁気記録媒体において行われるヘッドトラッキングサーボは、下記具体的態様に限定されるものではない。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボ(以下、「タイミングベースサーボ」と記載する。)では、二種以上の異なる形状の複数のサーボパターンを磁性層に形成し、サーボヘッドが、異なる形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、同種の形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、によりサーボヘッドの位置を認識する。こうして認識されたサーボヘッドの位置に基づき、磁気テープの幅方向における磁気ヘッドの位置が制御される。ここで位置制御が行われる磁気ヘッドは、一態様では磁気テープに記録されたデータ情報を再生する磁気ヘッド(再生ヘッド)であり、他の一態様では磁気テープにデータ情報を記録する磁気ヘッド(記録ヘッド)である。
図1に、データバンドおよびサーボバンドの配置例を示す。図1中、磁気テープ1の磁性層には、複数のサーボバンド10が、ガイドバンド12に挟まれて配置されている。2本のサーボバンドに挟まれた複数の領域11が、データバンドである。サーボパターンは、磁化領域であって、サーボライトヘッドにより磁性層の特定の領域を磁化することによって形成される。サーボライトヘッドにより磁化する領域(サーボパターンを形成する位置)は規格により定められている。例えば、業界標準規格であるLTO Ultriumフォーマットテープには、磁気テープ製造時に、図2に示すようにテープ幅方向に対して傾斜した複数のサーボパターンが、サーボバンド上に形成される。詳しくは、図2中、サーボバンド10上のサーボフレームSFは、サーボサブフレーム1(SSF1)およびサーボサブフレーム2(SSF2)から構成される。サーボサブフレーム1は、Aバースト(図2中、符号A)およびBバースト(図2中、符号B)から構成される。AバーストはサーボパターンA1〜A5から構成され、BバーストはサーボパターンB1〜B5から構成される。一方、サーボサブフレーム2は、Cバースト(図2中、符号C)およびDバースト(図2中、符号D)から構成される。CバーストはサーボパターンC1〜C4から構成され、DバーストはサーボパターンD1〜D4から構成される。このような18本のサーボパターンが5本と4本のセットで、5、5、4、4、の配列で並べられたサブフレームに配置され、サーボフレームを識別するために用いられる。図2には、説明のために1つのサーボフレームを示した。ただし、実際には、タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボが行われる磁気テープの磁性層では、各サーボバンドに、複数のサーボフレームが走行方向に配置されている。図2中、矢印は走行方向を示している。例えば、LTO Ultriumフォーマットテープは、通常、磁性層の各サーボバンドに、テープ長1mあたり5000以上のサーボフレームを有する。サーボヘッドは、ドライブ内で搬送される磁気テープの磁性層表面と接触し摺動しながら、複数のサーボフレームにおいて順次サーボパターンの読み取りを行う。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボでは、異なる形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った(サーボ信号を再生した)時間間隔と、同種の形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、によりサーボヘッドの位置を認識する。時間間隔は、通常、サーボ信号の再生波形のピークの時間間隔として求められる。例えば、図2に示す態様では、AバーストのサーボパターンとCバーストのサーボパターンが同種の形状のサーボパターンであり、BバーストのサーボパターンとDバーストのサーボパターンが同種の形状のサーボパターンである。AバーストのサーボパターンおよびCバーストのサーボパターンは、BバーストのサーボパターンおよびDバーストのサーボパターンとは形状が異なるサーボパターンである。異なる形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った時間間隔とは、例えば、Aバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間とBバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間との間隔である。同種の形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った時間間隔とは、例えば、Aバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間とCバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間との間隔である。タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボは、上記の時間間隔が設定値からずれた場合、時間間隔のズレは磁気テープの幅方向の位置変動に起因して発生することを前提とするシステムである。設定値とは、磁気テープが幅方向で位置変動を起こさずに走行する場合の時間間隔である。タイミングベースサーボシステムでは、求められた時間間隔の設定値からのズレの程度に応じて、磁気ヘッドを幅方向に移動させる。詳しくは、時間間隔の設定値からのズレが大きいほど、磁気ヘッドを幅方向に大きく移動させる。この点は、図1および図2に示す態様に限定されずタイミングベースサーボシステム全般に当てはまる。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボの詳細については、例えば、米国特許第5689384号(特許文献1)、米国特許第6542325号、および米国特許第7876521号に記載の技術をはじめとする公知技術を適用することができる。また、振幅ベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボの詳細については、例えば、米国特許第5426543号および米国特許第5898533号をはじめとする公知技術を適用することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記製造方法によって製造された磁気記録媒体と、サーボヘッドと、磁気ヘッドと、を含む磁気記録再生装置を提供することもできる。磁気記録再生装置は一般にドライブと呼ばれ、データ情報の記録および再生を行う装置に限定されず、データ情報の記録のみ、または再生のみを行う装置も包含するものとする。
磁気ヘッドとしては、磁気記録媒体へのデータ情報の記録および/または再生を行うことが可能な公知の磁気ヘッドを用いることができる。記録ヘッドと再生ヘッドは、1つの磁気ヘッドであってもよく分離した磁気ヘッドであってもよい。また、記録ヘッドは、マイクロ波アシスト記録によらずにデータ情報の記録を行う磁気ヘッドであってもよく、マイクロ波アシスト記録によってデータ情報の記録を行う磁気ヘッドであってもよい。マイクロ波アシスト記録によってデータ情報の記録を行う磁気ヘッドについては、先の記載を参照できる。
サーボヘッドとしては、磁気記録媒体の磁性層に形成されたサーボパターンを読み取り可能な公知のサーボヘッドを用いることができる。サーボヘッドは、磁気記録再生装置に少なくとも1つ含まれ、2つ以上含まれてもよい。また、データ情報を記録するための素子および/または再生するための素子を含む磁気ヘッドに、サーボパターン読み取り素子が含まれていてもよい。即ち、磁気ヘッドとサーボヘッドとが単一のヘッドであってもよい。
以上説明した通り、本発明の一態様によれば、塗布型磁気記録媒体に対して、マイクロ波アシスト記録によってデータ情報を記録することができる。また、本発明の一態様によれば、塗布型磁気記録媒体に対して、マイクロ波アシスト記録によってサーボパターンを形成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき更に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。
1.強磁性粉末
表1に示す10種の強磁性粉末を用いて、下記の磁気記録媒体サンプルの作製および評価を行った。各強磁性粉末の作製方法は後述する。
表1に示す保磁力Hcは、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い、印加磁界1194kA/m(15kOe)で測定した。
表1に示す強磁性粉末の異方性磁界分布は、アクリル樹脂製のサンプル瓶を用いて、振動試料型磁束計(東英工業社製)により、先に記載の方法により求めた。アクリル樹脂は反磁性を有するため、反磁性補正を行って異方性磁界分布の値を求めた。
以下において、「BaFe」は六方晶バリウムフェライト粉末、「SrFe」は六方晶ストロンチウムフェライト粉末、「ε酸化鉄」はε−酸化鉄粉末を示す。
2.磁気記録媒体サンプルの作製
以下の方法により、表2または表3に示す各磁気記録媒体サンプルを作製した。
表1に示す各強磁性粉末を、結合剤含有組成物である紫外線硬化性樹脂組成物(Dow社製フォトレジストMICROPOSIT S1813G)に添加し分散させて磁性層形成用組成物を調製した。調製した磁性層形成用組成物を、熱酸化膜付きシリコン基板上にスピンコートにより塗布し(乾燥後の厚み:150nm)、塗布面に対して垂直方向に磁界を印加し垂直配向処理を施した後、乾燥させた。乾燥後、マスク露光および現像を行い矩形にパターニングし、磁性層を形成した。
表3に示す各磁気記録媒体サンプルは、表2に記載の2種類の強磁性粉末を1:1(質量比)の割合で使用して作製した。
各磁気記録媒体サンプルについて、以下の記録を行うためのサンプル、固有強磁性共鳴周波数を測定するためのサンプル、および異方性磁界分布の測定を行うためのサンプルの合計3つのサンプルを作製した。
3.固有強磁性共鳴周波数の測定
各磁気記録媒体サンプルの磁性層上に、スパッタ法によりSiO2膜を厚み100nmで製膜した後、リフトオフ法により厚み5nmのTi膜と厚み300nmのAu膜が積層された平面導波路を形成した。
こうして平面導波路が形成された磁気記録媒体サンプルの概略図を、図3に示す。図3に示す磁気記録媒体サンプル2は、磁性層20をシリコン基板21上に有し、平面導波路22が形成されている。
ベクトルネットワークアナライザとしてアンリツ社製MS4647Bを用いて、ケーブルおよびプローバとして非磁性部材を用いて、各磁気記録媒体サンプルの磁性層の固有強磁性共鳴周波数を測定した。後述の吸収ピーク周波数も、同様に測定した。固有強磁性共鳴周波数は、磁性層の厚み方向のシリコン基板側をマイナス方向、他方をプラス方向として、プラス方向に1034.8kA/m(13kOe)の磁界を印加し磁性層の磁化を飽和させた後、印加磁界をゼロにしたときにベクトルネットワークアナライザにより測定される磁性層の吸収ピーク周波数として求めた。求められた固有強磁性共鳴周波数を表2または表3に示す。表3に示す各磁気記録媒体サンプルでは、表3に記載の2つの固有強磁性共鳴周波数が確認された。
4.異方性磁界分布の測定
各磁気記録媒体サンプルから測定用サンプルを切り出し、磁性層の異方性磁界分布を、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて先に記載の方法により求めた。求められた磁性層の異方性磁界分布を、表2または表3に示す。表3に示す各磁気記録媒体サンプルでは、表3に記載の2つの異方性磁界分布の値が得られた。ここでの測定において、測定用サンプルのサイズは、3cm×3cmとした。ただし測定用サンプルのサイズは、振動試料型磁束計によって残留磁化が測定できるサイズであればよい。
5.磁気記録媒体サンプルへのマイクロ波アシスト記録
磁気記録媒体サンプルに、このサンプルに含まれる強磁性粉末の保磁力以下の磁界強度の外部磁界を印加すると、外部磁界と磁性層中の強磁性粉末の磁化方向が同一方向の場合は吸収ピーク周波数が高くなり、逆方向の場合は低くなる。即ち、磁気記録媒体サンプルに含まれる強磁性粉末の保磁力以下の外部磁界を印加することによって固有強磁性共鳴周波数から吸収ピーク周波数がどのように変化するかにより、強磁性粉末の磁化方向(即ち、磁化反転が起こるか否か)を確認することができる。そこで、表2に示す各磁気記録媒体サンプルの磁性層の磁化をプラス方向に磁界を印加して飽和させた後、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の磁界(記録磁界)をマイナス方向に印加することによって、磁化反転が起こるか否かを確認した。
その結果、表2中、記録結果の欄に「外部磁界のみで磁化反転」と記載された磁気記録媒体サンプルでは、強磁性粉末の一部で磁化反転が起こり、固有強磁性共鳴周波数よりも高い周波数にも吸収ピーク周波数が確認された。即ち、外部磁界の印加のみによって磁化反転が起きた。
これに対して、表2中、記録結果の欄に「外部磁界のみで磁化反転」と記載された磁気記録媒体サンプル以外の磁気記録媒体サンプルでは、強磁性粉末の磁化反転が起こらず、固有強磁性共鳴周波数よりも低い周波数にのみ吸収ピーク周波数が確認された。
次に、外部磁界のみでは磁化反転しなかった磁気記録媒体サンプルにおいて、磁性層の磁化をプラス方向に磁界を印加して飽和させた後、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の磁界(記録磁界)をマイナス方向に印加した状態で、表2に示す周波数のマイクロ波磁界を増幅器を通して表2に示す時間(単位:ns(ナノ秒))、印加した。その後、磁性層の吸収ピーク周波数を測定した。表2中、記録結果の欄に「磁化反転」と記載されているものは、磁気記録媒体サンプルの磁性層の固有強磁性共鳴周波数より高い周波数が測定された。このことから、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の記録磁界(外部磁界)の印加のみでは磁化反転(情報の記録)が起こらなかった磁気記録媒体サンプルにおいて、マイクロ波磁界の印加によって磁化反転がアシストされ、磁化反転が起こった(情報が記録された)ことが確認できる。
これに対し、表2中、記録結果の欄に「磁化反転せず」と記載されているものは、磁性層の吸収ピーク波長を測定したところ、磁気記録媒体サンプルの磁性層の固有強磁性共鳴周波数と同じ値の周波数が測定された。このことから、表2に記載のマイクロ波磁界印加時間では磁化反転を起こすことができなかったことが確認できる。
なお上記の例では、磁性層の厚み方向に記録磁界を印加しているため、記録方式は垂直記録である。
以上の評価結果に基づき、各磁気記録媒体サンプルのマイクロ波アシスト記録特性を、以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
A:マイクロ波磁界印加時間50ns以下でマイクロ波アシスト記録が可能
B:マイクロ波磁界印加時間50ns以下ではマイクロ波アシスト記録不可
C:外部磁場のみで情報記録が可能
表2に示す結果から、磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す磁気記録媒体サンプルは、50ns以下の短時間のマイクロ波磁界印加時間でマイクロ波アシスト記録が可能であったことが確認できる。即ち、磁性層が30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数および35%以下の異方性磁界分布を示す磁気記録媒体は、短時間のマイクロ波磁界の印加によって、マイクロ波アシスト記録によりデータ記録を行うことができた。また、こうしてマイクロ波アシスト記録によって記録される情報をヘッドトラッキングサーボ情報とすることにより、即ち、規格により定められた形状および配置でサーボパターンを形成することにより、マイクロ波アシスト記録により形成されたサーボパターンを磁性層に有する磁気記録媒体を製造することができる。
6.磁気記録媒体サンプルA−7へのマイクロ波アシスト記録(多重記録試験)
表3に示す磁気記録媒体サンプルA−7において、磁性層の磁化をプラス方向に磁界を印加して飽和させた後、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の磁界(記録磁界)をマイナス方向に印加したところ、固有強磁性共鳴周波数(38.5GHzおよび48.0GHz)よりも低い周波数である34.5GHzおよび44.2GHzという2つの吸収ピーク周波数が確認された。この結果から、磁気記録媒体サンプルA−7では、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の記録磁界の印加のみでは磁化反転(情報の記録)は起こらなかったことが確認できる。
次に、磁気記録媒体サンプルA−7において、磁性層の磁化をプラス方向に磁界を印加して飽和させた後、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の磁界(記録磁界)をマイナス方向に印加した状態で、周波数34.5GHzのマイクロ波磁界を増幅器を通して表3に示す時間、印加した。その後、磁性層の吸収ピーク周波数を測定したところ、吸収ピーク周波数が、周波数42.5GHzと44.2GHz近傍に確認された。吸収ピーク周波数42.5GHzは、強磁性粉末No.8によってもたらされた固有強磁性共鳴周波数(38.5GHz)が変化した吸収ピーク周波数であり、吸収ピーク周波数44.2GHzは、強磁性粉末No.10によってもたらされた固有強磁性共鳴周波数(48.0GHz)であると考えられる。このことから、マイクロ波磁界の印加によって、強磁性粉末No.8が選択的に磁化反転したこと、即ち強磁性粉末No.8に選択的に情報が記録されたことが確認できる。また、磁気記録媒体サンプルNo.A−7に、上記マイクロ波磁界の周波数とは異なる周波数のマイクロ波磁界を印加して磁化反転をアシストすることにより、強磁性粉末No.10を選択的に磁化反転させることができる。このように強磁性粉末No.10を選択的に磁化反転させる際、強磁性粉末No.8を選択的に磁化反転させた際と異なる磁界(記録磁界)を印加して情報を記録することにより、同一の単層の磁性層に、異なる情報を記録することができる。
以上の通り、マイクロ波アシスト記録によって、同一の単層の磁性層に多重記録を行うことができることも示された。こうして異なるデータ情報を多重記録することができる。また、こうして多重記録される情報の少なくとも1つをヘッドトラッキングサーボ情報とすることにより、即ち、規格により定められた形状および配置でサーボパターンを形成することにより、マイクロ波アシスト記録により形成されたサーボパターンを磁性層に有する磁気記録媒体を製造することができる。
これに対し、表3に示す磁気記録媒体サンプルB−7に対して、上記の磁気記録サンプルA−7に対して行った方法と同様に、表3に示す印加時間でマイクロ波磁界を印加して多重記録試験を行ったところ、マイクロ波磁界の印加時間100nsでは、磁気記録媒体サンプルA−7について行われた上記の多重記録試験と同様に、吸収ピーク周波数が、周波数42.5GHzと44.2GHz近傍に確認された。このことから、強磁性粉末No.7が選択的に磁化反転したことが確認できる。他方、マイクロ波磁界の印加磁界を50nsまたは25nsとした場合には、強磁性粉末No.7についても強磁性粉末No.9についても、磁化反転は確認されなかった。
一方、表3に示す磁気記録媒体サンプルB−8は、159.2kA/m(2kOe)の磁界強度の記録磁界の印加のみで、表3に示す固有強磁性共鳴周波数25.8GHzより高い周波数、および表3に示す固有強磁性共鳴周波数28.8GHzより高い周波数に、それぞれ吸収ピーク周波数が確認された。即ち、外部磁界の印加のみで磁化反転が起きたことが確認された。
以上の結果を、各磁気記録媒体サンプルのマイクロ波アシスト記録特性を先に記載した基準により評価した結果とともに、表3に示す。
上記の例では、熱酸化膜付きのシリコン基板を非磁性支持体として、この非磁性支持体上に単層の磁性層を形成した磁気記録媒体サンプルを用いた。ただし、これは例示であって、本発明の一態様にかかるマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体は、先に記載したように、非磁性支持体上に直接、または非磁性層を介して間接的に、30.0GHz以上の固有強磁性共鳴周波数を示し、かつ異方性磁界分布が35%以下の磁性層を有する各種の構成を取ることができる。
7.強磁性粉末の作製方法
(1)強磁性粉末No.1〜6(BaFe)の作製
酸化物換算で表4に示す原料組成になるように、B23に対応するH3BO3、Al23に対応するAl(OH)3、BaOに対応するBaCO3と、Fe23とFeを置換する元素Nbに対応するNb25、Feを置換する元素Znに対応するZnOを所定量秤量し、ミキサーにて混合したものを容量2Lの白金ルツボに仕込み、溶融後、表4に示す出湯量で水冷ロール上に連続出湯し、水冷ロールにて冷却し非晶質体を得た。出湯量は、ガラス粘性に応じてノズル径および加圧力で調整した。
得られた非晶質体600gを電気炉に仕込み、表4に示す結晶化温度まで3時間で昇温して、5時間保持して六方晶フェライトを結晶化させた。次いで六方晶フェライトを含む結晶化物を乳鉢で粗粉砕し、3Lのポットミルに入れ、直径5mmZrO2ボール5kgと純水1.2kgとともにボールミルにて4時間粉砕処理を行った後、粉砕液をボールと分離し5Lステンレスビーカーに入れた。粉砕液を8質量%酢酸水溶液中で液温85℃で2時間反応させた後、デカンテーション洗浄を繰り返すことにより不要なガラス成分を除去し、乾燥させて六方晶フェライト粉末を得た。得られた粉末についてはX線回折分析を行い、六方晶フェライト(バリウムフェライト)であることを確認した。
(2)強磁性粉末No.8(SrFe)の作製
SrCO3を1725g、H3BO3を666g、Fe23を1332g、Al(OH)3を52g、CaCO3を238gとなるよう秤量し、ミキサーにて混合し原料混合物を得た。
得られた原料混合物を、白金ルツボで溶融温度1380℃で溶解し、融液を撹拌しつつ白金ルツボの底に設けた出湯口を加熱し、融液を約6g/秒で棒状に出湯させた。出湯液を水冷双ロールで急冷圧延して非晶質体を作製した。
得られた非晶質体280gを電気炉に仕込み、645℃の結晶化温度まで昇温し、同温度で5時間保持し六方晶フェライト粒子を析出(結晶化)させた。
次いで六方晶フェライト粒子を含む結晶化物を乳鉢で粗粉砕し、ガラス瓶に直径1mmのジルコニアビーズ1000gと1質量%酢酸水溶液を800ml加えてペイントシェーカーにて3時間分散処理を行った後、分散液をビーズと分離させステンレスビーカーに入れた。分散液を液温100℃で3時間処理した後、遠心分離器で沈澱させてデカンテーションを繰り返して洗浄し、炉内温度110℃の加熱炉内で6時間乾燥させて六方晶フェライト粉末を得た。得られた粉末についてはX線回折分析を行い、六方晶フェライト(ストロンチウムフェライト)であることを確認した。
(3)強磁性粉末No.7(SrFe)の作製
原料混合物の調製において、ZnOを14gおよびNb25を22g添加した点以外は上記(2)と同様に行い、六方晶フェライト粉末を得た。得られた粉末についてはX線回折分析を行い、六方晶フェライト(ストロンチウムフェライト)であることを確認した。
(4)強磁性粉末No.9(ε酸化鉄)の作製
純水90gに、硝酸鉄(III)9水和物8.3g、硝酸ガリウム(III)8水和物1.3g、硝酸コバルト(II)6水和物190mg、および硫酸チタン(IV)150mgを溶解させたものを、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、大気雰囲気中、雰囲気温度25℃の条件下で、25質量%のアンモニア水溶液4.0gを添加し、そのまま2時間撹拌した。得られた溶液に、クエン酸1gを純水9gに溶解させて得たクエン酸水溶液を加え、1時間撹拌した。撹拌後に沈殿した粉末を遠心分離によって採集し、純水で洗浄し、炉内温度80℃の加熱炉内で乾燥させた。
乾燥させた粉末に純水800gを加えて再度粉末を水に分散させて分散液を得た。得られた分散液を液温50℃に昇温し、撹拌しながら25質量%アンモニア水溶液を40g滴下した。50℃の液温を保ったまま1時間撹拌した後、テトラエトキシシラン(TEOS;tetraethoxysilane)14mLを滴下し、24時間撹拌して反応溶液を得た。得られた反応溶液に、硫酸アンモニウム50gを加え、沈殿した粉末を遠心分離によって採集し、純水で洗浄し、炉内温度80℃の加熱炉内で24時間乾燥させ、強磁性粉末の前駆体を得た。
得られた強磁性粉末の前駆体を、大気雰囲気下、炉内温度1030℃の加熱炉内に装填し、4時間の熱処理を施した。
熱処理した強磁性粉末の前駆体を、4モル/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に投入し、液温を70℃に維持して24時間撹拌することにより、熱処理した強磁性粉末の前駆体から不純物であるケイ酸化合物を除去した。
その後、遠心分離処理により、ケイ酸化合物を除去した強磁性粉末を採集し、純水で洗浄を行い、強磁性粉末を得た。
得られた強磁性粉末の組成を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES;Inductively Coupled Plasma−Optical Emission Spectrometry)により確認したところ、Ga、CoおよびTi置換型ε−酸化鉄(ε−Ga0.24Co0.05Ti0.05Fe1.663)であった。また、粉末X線回折(XRD;X‐ray diffraction)を行い、XRDパターンのピークから、得られた強磁性粉末は、α相およびγ相の結晶構造を含まないε相の単相の結晶構造を有することが確認された。
(5)強磁性粉末No.10(ε酸化鉄)の作製
純水90gに、硝酸鉄(III)9水和物8.9g、硝酸ガリウム(III)8水和物1.3gを溶解させたものを、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、大気雰囲気中、雰囲気温度25℃の条件下で、25質量%のアンモニア水溶液4.0gを添加し、そのまま2時間撹拌した。得られた溶液に、クエン酸1gを純水9gに溶解させて得たクエン酸水溶液を加え、1時間撹拌した。撹拌後に沈殿した粉末を遠心分離によって採集し、純水で洗浄し、炉内温度80℃の加熱炉内で乾燥させた。
乾燥させた粉末に純水800gを加えて再度粉末を水に分散させて分散液を得た。得られた分散液を液温50℃に昇温し、撹拌しながら25質量%アンモニア水溶液を40g滴下した。50℃の液温を保ったまま1時間撹拌した後、テトラエトキシシラン(TEOS)14mLを滴下し、24時間撹拌して反応溶液を得た。得られた反応溶液に、硫酸アンモニウム50gを加え、沈殿した粉末を遠心分離によって採集し、純水で洗浄し、炉内温度80℃の加熱炉内で24時間乾燥させ、強磁性粉末の前駆体を得た。
得られた強磁性粉末の前駆体を、大気雰囲気下、炉内温度980℃の加熱炉内に装填し、4時間の熱処理を施した。
熱処理した強磁性粉末の前駆体を、4モル/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に投入し、液温を70℃に維持して24時間撹拌することにより、熱処理した強磁性粉末の前駆体から不純物であるケイ酸化合物を除去した。
その後、遠心分離処理により、ケイ酸化合物を除去した強磁性粉末を採集し、純水で洗浄を行い、強磁性粉末を得た。
得られた強磁性粉末の組成を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES;Inductively Coupled Plasma−Optical Emission Spectrometry)により確認したところ、Ga置換型ε−酸化鉄(ε−Ga0.24Fe1.763)であった。また、粉末X線回折(XRD)を行い、XRDパターンのピークから、得られた強磁性粉末は、α相およびγ相の結晶構造を含まないε相の単相の結晶構造を有することが確認された。
本発明の一態様は、高密度記録用磁気記録媒体の技術分野において、有用である。

Claims (12)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、
    前記磁性層は、30.0GHz以上50.0GHz以下の固有強磁性共鳴周波数および10%以上35%以下の異方性磁界分布を示す、マイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体。
  2. 前記強磁性粉末は、金属酸化物粉末である、請求項1に記載のマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体。
  3. 前記金属酸化物粉末は、フェライト粉末である、請求項2に記載のマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体。
  4. 前記磁性層は2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層であり、
    前記2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数の1つ以上が30.0GHz以上50.0GHz以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体。
  5. 前記磁性層は2以上の異なる異方性磁界分布を示す単層の磁性層であり、
    前記2以上の異なる異方性磁界分布の1つ以上が10%以上35%以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体。
  6. 磁気記録媒体と、
    マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドと、
    を含む磁気記録装置であって、
    前記磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、
    前記磁性層は、30.0GHz以上50.0GHz以下の固有強磁性共鳴周波数および10%以上35%以下の異方性磁界分布を示す、磁気記録装置。
  7. 前記強磁性粉末は、金属酸化物粉末である、請求項に記載の磁気記録装置。
  8. 前記金属酸化物粉末は、フェライト粉末である、請求項に記載の磁気記録装置。
  9. 前記磁性層は2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数を示す単層の磁性層であり、
    前記2以上の異なる固有強磁性共鳴周波数の1つ以上が30.0GHz以上50.0GHz以下である、請求項のいずれか1項に記載の磁気記録装置。
  10. 前記マイクロ波アシスト記録用磁気ヘッドは、前記磁性層に2以上の異なる周波数のマイクロ波磁界を印加することを含むマイクロ波アシスト記録により、前記磁性層に2以上の異なる情報を記録する、請求項に記載の磁気記録装置。
  11. 前記磁性層は2以上の異なる異方性磁界分布を示す単層の磁性層であり、
    前記2以上の異なる異方性磁界分布の1つ以上が10%以上35%以下である、請求項10のいずれか1項に記載の磁気記録装置。
  12. 磁性層にサーボパターンを有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ波アシスト記録用磁気記録媒体の磁性層にマイクロ波アシスト記録によりサーボパターンを形成することを含む、磁気記録媒体の製造方法。
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