次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物形燃料電池装置を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して金属製のモジュールケース8が内蔵されている。この密閉空間であるモジュールケース8の下方部分である発電室10には、燃料ガスと酸化剤ガス(以下では適宜「発電用空気」又は「空気」と呼ぶ。)とにより発電反応を行う燃料電池セル集合体12が収容置されている。この燃料電池セル集合体12は、複数の燃料電池セルユニット16(図6参照)が直列接続されて構成されている。この例では、燃料電池セル集合体12は、128本の燃料電池セルユニット16を有する。
燃料電池モジュール2のモジュールケース8の発電室10の上方には、燃焼部としての燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されなかった(発電に寄与しなかった)残余の燃料ガス(オフガス)と残余の空気とが燃焼し、排ガス(言い換えると燃焼ガス)を生成するようになっている。さらに、モジュールケース8は断熱材7により覆われており、燃料電池モジュール2内部の熱が、外気へ発散するのを抑制している。また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器120が配置され、残余ガスの燃焼熱によって改質器120を改質反応が可能な温度となるように加熱している。
さらに、ハウジング6内においてモジュールケース8の上方には、蒸発器140が断熱材7内に設けられている。蒸発器140は、供給された水と排ガスとの間で熱交換を行うことによって、水を蒸発させて水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガス(以下では「燃料ガス」と呼ぶこともある。)をモジュールケース8内の改質器120に供給する。
次に、補機ユニット4は、燃料電池モジュール2からの排気中に含まれる水分を結露させた水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この貯水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の原料ガスの供給減である燃料供給源30から供給された燃料を遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)と、電源喪失時において、燃料流量調整ユニット38から流出する燃料ガスを遮断するバルブ39を備えている。さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44及び発電用空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)と、改質器120に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ46と、発電室に供給される発電用空気を加熱する第2ヒータ48とを備えている。これらの第1ヒータ46と第2ヒータ48は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
なお、本実施形態では、装置の起動時に改質器120内において、部分酸化改質反応(POX)のみが生じるPOX工程から、部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)が混在したオートサーマル改質反応(ATR)が生じるATR工程を経て、水蒸気改質反応のみが生じるSR工程が行われるように構成してもよいし、POX工程を省略してATR工程からSR工程に移行されるように構成してもよいし、POX工程及びATR工程を省略してSR工程のみが行われるように構成してもよい。なお、SR工程のみが行われる構成では、改質用空気流量調整ユニット44は不要である。
次に、燃料電池モジュール2には、排ガスが供給される温水製造装置50が接続されている。この温水製造装置50には、水供給源24から水道水が供給され、この水道水が排ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、図2乃至図6を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールの構造について説明する。図2は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図3は、図2のIII-III線に沿った断面図であり、図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図であり、図5は、モジュールケース及び空気通路カバーの分解斜視図であり、図6(A),(B)は、異なる角度から見た空気通路カバーを取り外した状態のモジュールケースを示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2は、断熱材7で覆われたモジュールケース8の内部に設けられた燃料電池セル集合体12及び改質器120を有すると共に、モジュールケース8の外部で且つ断熱材7内に設けられた蒸発器140を有する。
まず、モジュールケース8は、図5に示すように、略矩形の天板8a,底板8c,これらの長手方向(図2の左右方向)に延びる辺同士を連結する対向する一対の側板8bからなる筒状体と、この筒状体の長手方向の両端部の2つの対向する開口部を塞ぎ、天板8a及び底板8cの幅方向(図3の左右方向)に延びる辺同士を連結する閉鎖側板8d,8eからなる。
モジュールケース8は、空気通路カバー160によって天板8a及び側板8bが覆われている。空気通路カバー160は、天板160aと、対向する一対の側板160bとを有する。天板160aの略中央部分には、排気管171を貫通させるための開口部167と、発電用空気導入管74を貫通させるための開口部160cとが設けられている。天板160aと天板8aとの間、及び、側板160bと側板8bとの間は、所定の距離だけ離間した状態となっている。これにより、モジュールケース8の外側と断熱材7との間、具体的にはモジュールケース8の天板8a及び側板8bと、空気通路カバー160の天板160a及び側板160bとの間には、天板160a及び側板160bの外面に沿って、酸化剤ガス供給通路としての空気通路161a,161bが形成されている(図3参照)。
また、空気通路161a内には、空気分配部材180が配置されている。空気分配部材180は、平面視矩形状の天板180Aと、天板180Aの両縁部から下方に向かって延びる一対の側壁部180Bと、一対の側壁部180Bの下端の縁から水平方向外方に延びる基部180Cとを有する。天板180Aには、排気管171に対応する位置に排気管用開口180aが形成され、また、幅方向中央に発電用空気導入管74が接続される導入開口180bが形成されている。
各側壁部180Bには、所定の間隔で複数の開口180cが形成されている。開口180cの開口面積はそれぞれ異なっており、発電用空気導入管74の空気供給口に接続される導入開口180bに近いほど、開口面積が小さく、導入開口180bから遠いほど、開口面積が大きくなっている。また、後に詳述するように、複数の開口180cは、プレートフィン162の本体部200(図7)よりも下方となるような位置に形成されている。
空気分配部材180は、排気管用開口180aに排気管171を挿通させた状態で、基部180Cがモジュールケース8の天板8aの上面に当接するように配置される。また、空気分配部材180は、一対の側壁部180Bがモジュールケース8の一対の側板8bの側に位置し、開口180cがモジュールケース8の側板8bの側に向かって開口するように配置されている。これにより、モジュールケース8の天板8aと、天板8aと対向する空気分配部材180の天板180Aと、天板180Aと天板8aの間を結ぶ空気分配部材180の一対の側壁部180Bとにより囲まれた空気分配室182が画成される。空気分配部材180の天板180Aに形成された導入開口180bに発電用空気導入管74の空気供給口が接続される。発電用空気導入管74は第2ヒータ48から延びており、発電用空気導入管74の端部は、空気供給口が天板8aに対向するように上下方向に延びている。
モジュールケース8の側板8bの下部には、複数の貫通孔である吹出口8fが設けられている(図5参照)。発電用空気導入管74から導入開口180bに供給された発電用空気は、天板8a及び空気分配部材180により囲まれた空気分配室182に導入される。後に詳述するが、空気分配室182は導入された発電用空気を空気通路161a全体に広がるように、複数の開口180cを通して空気通路161aに分配する。すなわち、空気分配室182は、発電用空気を空気通路161a全体に広がるように分配する空気分配機構として機能する。
そして、発電用空気は、モジュールケース8の天板8a及び側板8bの外壁に沿って空気通路161a,161bを通って、吹出口8fから燃料電池セル集合体12に向けて発電室10内に噴射される(図3、図4参照)。
次に、蒸発器140は、モジュールケース8の天板8a上で水平方向に延びるように固定されている。また、蒸発器140とモジュールケース8との間には、これらの隙間を埋めるように断熱材7の一部分7aが配置されている(図2及び図3参照)。
具体的には、蒸発器140は、長手方向(図2の左右方向)の一側端側に、水及び原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい)を供給する燃料供給配管63と、排ガスを排出するための排ガス排出管82(図3参照)とが連結され、長手方向の他側端側に、排気管171の上端部が連結されている。排気管171は、空気通路カバー160の天板160aに形成された開口部167、及び、空気分配部材180の排気管用開口180aを貫通して下方へ延び、モジュールケース8の天板8a上に形成された排気口111に連結されている。排気口111は、モジュールケース8内の燃焼室18で生成された排ガスをモジュールケース8の外へ排出する開口部であり、モジュールケース8の上面視略矩形の天板8aのほぼ中央部に形成されている。
また、蒸発器140は、図2及び図3に示すように、上面視で略矩形の蒸発器ケース141を有している。この蒸発器ケース141は、2つの高さの低い有底矩形筒状の上側ケース142と下側ケース143とを、これらの間に中間板144を挟んだ状態で接合して形成されている。
したがって、蒸発器ケース141は、上下方向に二層構造となっており、下層部分には、排気管171から供給された排ガスが通過する排気通路部140Aが形成され、上層部分には、燃料供給配管63から供給された水を蒸発させて水蒸気を生成する蒸発部140Bと、蒸発部140Bで生成された水蒸気と燃料供給配管63から供給された原燃料ガスとを混合させる混合部140Cが設けられている。
蒸発部140B及び混合部140Cは、複数の連通孔(スリット)が設けられた仕切り板により蒸発器140を仕切った空間にて形成されている。また、蒸発部140B内には、アルミナボール(図示せず)が充填されている。
また、排気通路部140Aは、同様に複数の連通孔を有する2つの仕切り板により排ガスの上流側から下流側にかけて3つの空間に仕切られている。そして、2番目の空間に燃焼触媒(図示せず)が充填されている。すなわち、本実施形態の蒸発器140は、燃焼触媒器を含んでいる。
このような蒸発器140では、蒸発部140B内の水と排気通路部140Aを通過する排ガスとの間で熱交換が行われ、排ガスの熱により蒸発部140B内の水が蒸発して、水蒸気が生成されることとなる。また、混合部140C内の混合ガスと排気通路部140Aを通過する排ガスとの間で熱交換が行われ、排ガスの熱により混合ガスが昇温されることとなる。
更に、図2に示すように、混合部140Cには、改質器120に混合ガスを供給するための混合ガス供給管112が接続されている。この混合ガス供給管112は、排気管171の内部を通過するように配置されており、一端が中間板144に形成された開口144aに連結され、他端が改質器120の天面に形成された混合ガス供給口120aに連結されている。混合ガス供給管112は、排気通路部140A内,排気管171内を通過してモジュールケース8内まで鉛直下方に延び、そこで略90°屈曲されて天板8aに沿って水平方向に延びた後、下方へ略90°屈曲されて改質器120に連結されている。
次に、改質器120は、燃焼室18の上方でモジュールケース8の長手方向に沿って水平方向に延びるように配置され、モジュールケース8の天板8aとの間に排ガス誘導部材130を介して所定距離隔てられて状態で、天板8aに対して固定されている。改質器120は、上面視で外形略矩形であるが、中央部に貫通孔120bが形成された環状構造体であり、上側ケース121と下側ケース122とが接合された筐体を有している。この貫通孔120bは、天板8aに形成された排気口111と上面視で重なるように位置し、好ましくは、貫通孔120bの中央位置に排気口111が形成される。
改質器120の長手方向の一端側(モジュールケース8の閉鎖側板8e側)では、上側ケース121に設けられた混合ガス供給口120aに混合ガス供給管112が連結されており、他端側(閉鎖側板8d側)では、燃料ガス供給管64が下側ケース122に、脱硫器36まで延びる水添脱硫器用水素取出管65が上側ケース121にそれぞれ連結されている。したがって、改質器120は、混合ガス供給管112から混合ガス(つまり水蒸気が混合された原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい))を受け取り、内部で混合ガスを改質し、燃料ガス供給管64及び水添脱硫器用水素取出管65から改質後のガス(即ち、燃料ガス)を排出するように構成されている。
改質器120は、その内部空間が2つの仕切り板123a,123bによって3つの空間に仕切られることにより、改質器120内に、混合ガス供給管112からの混合ガスを受入れる混合ガス受入部120Aと、混合ガスを改質するための改質触媒(図示せず)が充填された改質部120Bと、改質部120Bを通過したガスを排出するガス排出部120Cと、が形成されている(図2参照)。改質部120Bは、仕切り板123a,123bに挟まれた空間であり、この空間に改質触媒が保持されている。混合ガス及び改質後の燃料ガスは、仕切り板123a,123bに設けられた複数の連通孔(スリット)を通って移動可能となっている。また、改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したものや、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したものが適宜用いられる。
混合ガス受入部120Aには、蒸発器140から混合ガス供給管112を介して供給された混合ガスが混合ガス供給口120aを通して噴出される。この混合ガスは、混合ガス受入部120A内で拡張されて噴出速度が低下し、仕切り板123aを通過して改質部120Bに供給される。
改質部120Bでは、低速で移動する混合ガスが改質触媒により燃料ガスに改質され、この燃料ガスが仕切り板123bを通過してガス排出部120Cに供給される。
ガス排出部120Cでは、燃料ガスが燃料ガス供給管64、及び、水添脱硫器用水素取出管65へ排出される。
燃料ガス供給通路としての燃料ガス供給管64は、モジュールケース8内を閉鎖側板8dに沿って下方へ延び、底板8c付近で略90°屈曲されて水平方向に延びて、燃料電池セル集合体12の下方に形成されたマニホールド66内へ入り、更にマニホールド66内で逆側の閉鎖側板8e付近まで水平方向に延びている。燃料ガス供給管64の水平部64aの下方面には、複数の燃料供給孔64bが形成されており、この燃料供給孔64bから、燃料ガスがマニホールド66内に供給される。このマニホールド66の上方には、燃料電池セルユニット16を支持するための貫通孔を備えた下支持板68が取り付けられており、マニホールド66内の燃料ガスが、燃料電池セルユニット16内に供給される。また、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
排ガス誘導部材130は、改質器120と天板8aとの間でモジュールケース8の長手方向に沿って水平方向に延びるように配置されている。排ガス誘導部材130は、上下方向に所定距離だけ離間された下部誘導板131及び上部誘導板132と、これらの長手方向の両端辺が取り付けられる連結板133,134とを備えている(図2,図3参照)。上部誘導板132は、幅方向の両端部が下方に向けて折り曲げられ、下部誘導板131に連結されている。連結板133,134は、上端部が天板8aに連結され、下端部が改質器120に連結されており、これにより、排ガス誘導部材130及び改質器120を天板8aに固定している。
下部誘導板131は、幅方向(図3の左右方向)の中央部が下方に向けて突出する凸状段部131aが形成されている。一方、上部誘導板132は、下部誘導板131と同様に、幅方向の中央部が下方に向けて凹状となるように凹部132aが形成されている。凸状段部131aと凹部132aは、上下方向で並行して長手方向に延びている。混合ガス供給管112は、モジュールケース8内でこの凹部132a内を水平方向に延びた後、閉鎖側板8e付近で下方に向けて屈曲し、上部誘導板132及び下部誘導板131を貫通して、改質器120に連結されている。
排ガス誘導部材130は、上部誘導板132、下部誘導板131、連結板133,134によって、断熱層として機能する内部空間であるガス溜(ガス断熱層)135が形成されている。このガス溜135は、燃焼室18と流体連通している。すなわち、上部誘導板132、下部誘導板131、連結板133,134は、所定の隙間を形成するように連結されており、気密的には連結されていない。ガス溜135には、運転中に燃焼室18から排ガスが流入したり、停止時に外部から空気が流入したりすることが可能となっているが、総じてガス溜135の内外間のガスの移動は緩やかである。
上部誘導板132は、天板8aと所定の上下方向距離を隔てて配置されており、上部誘導板132の上面と天板8aとの間には、長手方向及び幅方向に沿って水平方向に延びる第1排気通路172aが形成されている。この第1排気通路172aは、モジュールケース8の天板8aを挟んで空気通路161aと並設されている。
上部誘導板132は、上部誘導板132の側面と側板8bと所定の水平方向距離を隔てて配置されており、上部誘導板132の側面と側板8bとの間には、長手方向及び上下方向に延びる第2排気通路172bが形成されている。第2排気通路172bは上部において第1排気通路172aと連通している。
空気通路161a,161b及び第1及び第2排気通路172a、172bの内部には、第1及び第2排気通路172a、172b内の排ガスと空気通路161a,161b内の空気との間の熱交換を促進する熱交換促進部材としてのプレートフィン162、175がそれぞれ設けられている(図3参照)。図7(A)は、空気通路の内部に設けられたプレートフィンを示す斜視図であり、図7(B)は、排気通路の内部に設けられたプレートフィンを示す斜視図である。また、図8は、空気通路に設けられたプレートフィン162の第二の面162bを拡大して示す斜視図である。空気通路161a,161bに設けられたプレートフィン162は、モジュールケース8の側板8bと空気通路カバー160の側板160bとの間を垂直方向に延びる第一の面162aと、モジュールケース8の天板8aと空気通路カバー160の天板160aの間で水平方向に延びる第二の面162bとを備える。これら第一の面162aと、第二の面162bとは連続しており、一体の部材として構成されている。第一の面162aと第二の面162bとの角部には、角部に沿って延びる気体取り込み穴162cが間隔を開けて4つ形成されている。また、空気通路161a,161bに設けられたプレートフィン162の第二の面162bの、第1及び第2排気通路172a、172b内に設けられるプレートフィン175の第2及び第3の気体取り込み穴175d、175eにモジュールケース8を挟んで対向する領域162d、162eには、スポット溶接でモジュールケース8に結合される溶接しろとしての突出部162d1、162e1が設けられている。突出部162d1、162e1は、モジュールケース8側に向けて突出する部位である。プレートフィン162は、第一の面162aがモジュールケース8の側板8bに沿い、第二の面162bがモジュールケース8の天板8aに沿うように配置された状態で、スポット溶接によりモジュールケース8に取り付けられている。
図8に示すように、プレートフィン162の第二の面162bは、板状の本体部200と、一方に突出する第1の突出部204と、他方に突出する第2の突出部202とを有する。
また、第1の突出部204は、それぞれ、図中斜め下方に向かって延びる一対の傾斜部204aと、一対の傾斜部204aの下端部の間を結ぶ連結部204bとにより構成される。そして、本体部200の第1の突出部204の上方に当たる位置に第1の通過穴204cが形成されている。第1の通過穴204cの下方には、第1の突出部204が形成されているため、第二の面162bの下方の空間から上方の空間へ第1の通過穴204cを通る空気の流れは妨げられ、第二の面162bの上方の空間から下方の空間へ第1の通過穴204cを通る空気の流れが引き起こされる。
第2の突出部202は、それぞれ、図中斜め上方に向かって延びる一対の傾斜部202aと、一対の傾斜部202aの上端部の間を結ぶ連結部202bとにより構成される。そして、本体部200の第2の突出部202の下方に当たる位置には、第2の通過穴202cが形成されている。第2の通過穴202cの上方に第2の突出部202が形成されているため、第二の面162bの上方の空間から下方の空間へ第2の通過穴202cを通る空気の流れは妨げられ、第二の面162bの下方の空間から上方の空間へ第2の通過穴202cを通る空気の流れが引き起こされる。
なお、図8を参照してプレートフィン162の第二の面162bの構成について説明したが、プレートフィン162の第一の面162aや、第1及び第2排気通路172a、172b内に設けられたプレートフィン175の第一の面175a及び第二の面175bも、プレートフィン162の第二の面162bと同様の構成である。
第1及び第2排気通路172a、172b内に設けられたプレートフィン175は、モジュールケース8の側板8bの内壁面に沿って垂直方向に延びる第一の面175aと、モジュールケース8の天板8aに沿って水平方向に延びる第二の面175bとを備える。これら第一の面175aと、第二の面175bとは連続しており、一体の部材として構成されている。第一の面175aと第二の面175bとの角部には、角部に沿って延びる第1の気体取り込み穴175cが幅方向に間隔を開けて4つ形成されている。また、プレートフィン175の第一の面175aには所定の高さ位置に幅方向に延びる第2の気体取り込み穴175dが、間隔を開けて2つ形成されている。この第2の気体取り込み穴175dの高さ位置は、プレートフィン175をモジュールケース8内に取り付けた際に、排気集中部176に相当する高さに位置するように決定されている。また、プレートフィン175の第二の面175bには、角部近傍に第3の気体取り込み穴175eが、間隔をあけて4つ形成されている。
プレートフィン175は、第1の面175bがモジュールケース8の側板8bに沿い、第二の面175bがモジュールケース8の天板8aに沿うように配置された状態で、スポット溶接によりモジュールケース8に取り付けられている。
空気通路161a、161bのプレートフィン162が設けられた部分と、第1及び第2排気通路172a、172bのプレートフィン175が設けられた部分において、空気通路161a、161bを流れる発電用空気と第1及び第2排気通路172a、172bを流れる排ガスとの間で効率的な熱交換が行われて、排ガスの熱により発電用空気が昇温されることとなる。
なお、これらプレートフィン162、175は以下のようにしてモジュールケース8に取り付けることができる。図9は、プレートフィンを折り曲げる様子を示す斜視図であり、図10はプレートフィンをスパッタ溶接によりモジュールケースに取り付ける様子を示す模式図である。
プレートフィン162、175は、固体酸化物形燃料電池装置1の組立前には第一の面162a、175aと、第二の面162b、175bとが平坦面となった状態で保管されている。そして、組立時に図9に示すように、平坦なプレートフィン162、175を空気取り込み穴162c、175cに沿って折り曲げる。この際、空気取り込み穴162c、175cが形成されているため、人力で容易に折り曲げることができる。
次に、第1及び第2排気通路172a、172b内に配置されるプレートフィン175を、第一及び第二の面175a、175bがモジュールケース8の側板8b及び天板8aに沿うように配置する。そして、図10(A)に示すように、モジュールケース8の外側面とプレートフィン175の内側面にそれぞれ電極210を取り付けてスパッタ溶接を行う。これにより、プレートフィン175がモジュールケース8内に取り付けられる。
次に、空気通路161a,161bに配置されるプレートフィン162を、第一及び第二の面175a、175bがモジュールケース8の側板8b及び天板8aに沿うように配置する。そして、図10(B)に示すように、プレートフィン162の外面と、モジュールケース8の側板8bの内面にそれぞれ電極210を取り付け、プレートフィン162の第一の面162aとモジュールケース8の側板8bとをスパッタ溶接を行う。なお、この際、プレートフィン175の、プレートフィン162の溶接しろとしての突出部162d1が設けられた領域に対応する位置に第2の気体取り込み穴175dが形成されているため、モジュールケース8の側板8bの内面に電極210を取り付けることができる。また、これと同様に、プレートフィン175の第3の気体取り込み穴175eを通してモジュールケース8の天板8aに一方の電極を取り付け、プレートフィン162の溶接しろとしての突出部162e1に他方の電極を取り付け、スパッタ溶接を行う。これにより、プレートフィン162の第二の面162bをモジュールケース8の天板8aに取り付けることができる。
なお、本実施形態では、第1及び第2排気通路172a、172b内に配置されるプレートフィン175の第一及び第二の面175a、175bに第2の気体取り込み穴175d及び第3の気体取り込み穴175eを設け、これら第2の気体取り込み穴175d及び第3の気体取り込み穴175eを通じて、プレートフィン162の溶接しろとしての突出部162d1、162e1をモジュールケース8にスポット溶接したが本発明はこれに限られない。空気通路161a,161bに配置されるプレートフィン162の第一及び第二の面162a、162bに気体取り込み穴を設け、第1及び第2排気通路172a、172b内に配置されるプレートフィン175に溶接しろを設けておき、プレートフィン162の気体取り込み穴を利用して、プレートフィン175をモジュールケース8にスポット溶接してもよい。
また、改質器120は、モジュールケース8の側板8bと所定の水平方向距離を隔てて配置されており、改質器120と側板8bとの間には、排ガスを下方から上方へ通過させる第3排気通路173が形成されている。
さらに、下部誘導板131は、改質器120の上側ケース121の天面から所定の上下方向距離を隔てて配置されており、下部誘導板131と上側ケース121との間、及び、改質器120の貫通孔120bは、貫通孔120bを下方から上方へ向けて通過した排ガスを通過させる第4排気通路174を形成している。この第4排気通路174は、改質器120の上方、かつ、側板8bの近傍で第3排気通路173と合流し、排ガスが集中する排気集中部176が形成される。
次に、図11を参照して、燃料電池セルユニット16について説明する。図11は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
図11に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の両端部にそれぞれ接続されたキャップである内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
燃料電池セル84の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路細管98が形成されている。
この燃料ガス流路細管98は、内側電極端子86の中心から燃料電池セル84の軸線方向に延びるように設けられた細長い細管である。このため、マニホールド66(図2参照)から、下側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98を通って燃料ガス流路88に流入する燃料ガスの流れには、所定の圧力損失が発生する。従って、下側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98は、流入側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。また、燃料ガス流路88から、上側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98を通って燃焼室18(図2参照)に流出する燃料ガスの流れにも所定の圧力損失が発生する。従って、上側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98は、流出側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
燃料電池セル集合体12は、各燃料電池セルユニット16の燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86が、他の燃料電池セルユニット16の空気極である外側電極層92の外周面に電気的に接続されることにより、128本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されて構成される。
次に、図12乃至図14を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュール内のガスの流れについて説明する。図12は、図2と同様の、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図13は、図3と同様の、図2のIII-III線に沿った断面図であり、図14は、図4と同様の図2のIV-IV線に沿った断面図である。図中、実線矢印は燃料ガスの流れ、破線矢印は発電用空気の流れ、一点鎖線矢印は排ガスの流れを示す。
図12に示すように、水及び原燃料ガス(燃料ガス)は、蒸発器140の長手方向の一端側に連結された燃料供給配管63から蒸発器140の上層に設けられた蒸発部140B内に供給される。蒸発部140Bに供給された水は、蒸発器140の下層に設けられた排気通路部140Aを流れる排ガスにより加熱され水蒸気となる。この水蒸気と、燃料供給配管63から供給された原燃料ガスとが、蒸発部140B内を下流方向に流れて行き、混合部140C内で混合される。混合部140C内の混合ガスは、下層の排気通路部140Aを流れる排ガスにより加熱される。
混合部140C内で形成された混合ガス(燃料ガス)は、混合ガス供給管112を通って、モジュールケース8内の改質器120に供給される。混合ガス供給管112は、排気通路部140A,排気管171,及び第1排気通路172aを順に通過しているため、これらの通路を流れる排ガスにより、混合ガス供給管112内の混合ガスは更に加熱される。
混合ガスは、改質器120内の混合ガス受入部120A内に流入し、ここから仕切り板123aを通過して改質部120Bに流入する。混合ガスは、改質部120Bにおいて改質されて燃料ガスとなる。こうして生成された燃料ガスは、仕切り板123bを通過して、ガス排出部120Cに流入する。
更に、燃料ガスは、ガス排出部120Cから燃料ガス供給管64と水添脱硫器用水素取出管65とに分岐する。そして、燃料ガス供給管64に流入した燃料ガスは、燃料ガス供給管64の水平部64aに設けられた燃料供給孔64bからマニホールド66内に供給され、マニホールド66から各燃料電池セルユニット16内に供給される。
また、図12及び図13に示すように、発電用空気は、発電用空気導入管74からモジュールケース8の天板8aに向けて下方に空気分配室182に吹き込まれる。空気分配室182に吹き込まれた発電用空気は、空気分配部材180の開口180cを通じて空気通路161aへと導入される。この際、開口180cの開口面積は、発電用空気導入管74の空気供給口に近いほど、開口面積が小さく、空気供給口から遠いほど、開口面積が大きくなっている。このため、各開口180cからは略同量の発電用空気が空気通路161aへと導入される。空気通路161aに導入された発電用空気は、モジュールケース8の天板8aに沿って一対の側板8bの上縁に向かって流れる。この際、プレートフィン162の外側を通る発電用空気は、内側を通る発電用空気に比べて排ガスから受ける熱量が少ない。しかしながら、プレートフィン162の角部に気体取り込み穴162cが設けられているため、空気通路161aの縁まで到達した発電用空気は気体取り込み穴162cを通して、プレートフィン162の内外で流通する。これにより、発電用空気を均一に加熱することができる。空気通路161aの縁まで到達した発電用空気は、空気通路161bに導入される。そして、空気通路161b内をモジュールケース8の側板8bに沿って下方に向かって流れる。
発電用空気は、空気通路161a,161b内において、プレートフィン162を通過する際に、これらプレートフィン162の下部のモジュールケース8内に形成された第1及び第2排気通路172,173を通過する排ガスとの間で効率的な熱交換を行い、加熱されることとなる。この後、発電用空気は、モジュールケース8の側板8bの下部に設けられた複数の吹出口8fから燃料電池セル集合体12に向けて発電室10内に噴射される。
また、発電室10内で発電に利用されなかった燃料ガスは、図13に示すように、燃焼室18で燃焼されて排ガス(燃焼ガス)となり、モジュールケース8内を上昇していく。具体的には、排ガスは、第3排気通路173と第4排気通路174とに分岐して、改質器120の外側面とモジュールケース8の側板8bとの間、及び、改質器120の貫通孔120bから改質器120と排ガス誘導部材130との間をそれぞれ通過する。このとき、第4排気通路174を通過する排ガスは、改質器120の貫通孔120bの上方に配置された凸状段部131aによって幅方向に二分され、排ガス誘導部材130の下部に留まることなく第3排気通路173に向けて誘導され、排気集中部176において第3排気通路173を流れる排ガスに合流する。ここで、プレートフィン175の第一の面175aには、排気集中部176に相当する高さ位置に第2の気体取り込み穴175dが形成されているため、第2排気通路172bのモジュールケース8側に効率良く排ガスを送り込むことができる。
その後、第2排気通路172bに導入された排ガスは、第2排気通路172bを通過する。この際、プレートフィン175の内側を通る排ガスの熱は、外側を通る発電用空気に比べて空気に伝わりにくい。しかしながら、プレートフィン175の角部に気体取り込み穴175cが設けられているため、第2排気通路172bの上端まで到達した排ガスは気体取り込み穴175cを通して、プレートフィン175の内外で流通する。これにより、排ガスの熱を効率良く発電用空気に伝えることができる。そして、第2排気通路172bの上端まで到達した排ガスは、モジュールケース8の一対の側板8bの上縁近傍から第1排気通路172aに導入される。第1排気通路172aを通過した排ガスは、排気口111へと導入される。
このように、排ガスが第2排気通路172b及び第1排気通路172aを流れていく際に、第2及び第1排気通路172b、172a内に設けられたプレートフィン175と、空気通路161a、161b内のプレートフィン175に対応する部分に設けられたプレートフィン162とを介して、発電用空気と排ガスとの間で効率的な熱交換が行われる。このようにして、排ガスの熱により発電用空気が昇温される。
そして、排気口111から流出した排ガスは、モジュールケース8の外部に設けられた排気管171を通過して蒸発器140の排気通路部140Aに流入し、排気通路部140Aを通過した後、蒸発器140から排ガス排出管82へ排出される。排ガスは、蒸発器140の排気通路部140Aを流れる際に、上述したように、蒸発器140の混合部140C内の混合ガス及び蒸発部140B内の水と熱交換を行う。
上記実施形態によれば、プレートフィン162、175は、モジュールケース8の側板8bに沿う第一の面162a、175aと、モジュールケース8の天板8aに沿う第二の面162b、175bとが一部材として形成されているため、複数のプレートフィンの組付不良によりガス気流の乱れが生じることを防止し、側板8bと天板8aとの間の角部において熱交換性能が低下するのを防止できる。また、プレートフィン162、175が側板8bと天板8aとの間の角部に沿って一体に形成されているため、仮にプレートフィン162、175をモジュールケース8に取り付ける溶接接合が外れてしまっても、プレートフィン162、175がモジュールケース8の壁面に引っかかるため、プレートフィン162、175の脱落を防止できる。また、第一の面162a、175aと、第二の面162b、175bとを一部材として形成したため、部材点数が減ったことによるコストダウンが図れ、また、プレートフィン162、175の取付作業が容易になる。
モジュールケース8の側板8bに沿う第一の面162a、175aと、モジュールケース8の天板8aに沿う第二の面162b、175bとを一部材として形成すると、プレートフィン162、175に対して熱交換を行うモジュールケース8と反対側の空間内の排ガス又は空気は熱交換が行われにくくなってしまう。これに対して、上記実施形態によれば、気体取り込み穴162c、175c、175d、175eを介して、モジュールケース8側の空間と反対側の空間との間で排ガス又は空気が流通することができるため、全ての排ガス又は空気の熱交換が実現できる。
また、本実施形態によれば、空気通路161a,161bに設けられたプレートフィン162の、第1及び第2排気通路172a、172bに設けられたプレートフィン175に形成された第2及び第3の気体取り込み穴175d、175eに、モジュールケース8を挟んで対向する位置には、スポット溶接のための溶接しろとしての突出部162d1、162e1が設けられている。
プレートフィン162はスポット溶接により取り付けるが、スポット溶接は接続する2部材を一対の電極で挟んだ状態で溶接を行うため、空気通路161a,161bのプレートフィン162と、モジュールケース8と、第1及び第2排気通路172a、172bのプレートフィン175とが重なっているとスポット溶接を行うことができない。これに対して、上記実施形態によれば、第2及び第3の気体取り込み穴175d、175eに当たる箇所では、2部材が重なった状態となっているため、第2及び第3の気体取り込み穴175d、175eをスポット溶接のスペースとして利用することができ、所望の場所でスポット溶接を行うことができる。
また、本実施形態によれば、改質器120の中央には排ガスが流通可能な貫通孔120bが形成されており、第1及び第2排気通路172a、172bのプレートフィン175の第2の気体取り込み穴175dは、モジュールケース8の側板8bに沿って上昇した排ガスと、改質器120の貫通孔120bを通って上昇した排ガスとの排気集中部176に形成されている。これにより、排気通路172bのモジュールケース8の側板8b側に効率よく排ガスを誘導することができる。
また、本実施形態によれば、第1及び第2排気通路172a、172bに設けられたプレートフィン175は、第一の面175a及び第二の面175bに第2及び第3の気体取り込み穴175d、175eが設けられている。これにより、第一の面175a及び第二の面175bのどちらからでも排ガスを、熱交換が行われる排気通路172bのモジュールケース8の側板8b側へと送ることができる。
また、本実施形態によれば、空気通路161a,161b及び排気通路172a、172bに設けられたプレートフィン162、175は、第一の面162a、175aと第二の面162b、175bとの境界に気体取り込み穴162c、175cが設けられている。これにより、側面と天面との間の角部における圧力損失を一層緩和することができ、熱交換性能を向上することができる。また、一枚の板状の部材を折り曲げてプレートフィン162、175を形成する場合には、容易に折り曲げ作業を行うことができる。このように容易に折り曲げ作業を行うことができるため、取付前まではプレートフィン162、175を折り曲げずに積み重ねて保管しておくことができる。