JP6752072B2 - 沸騰水型原子炉 - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子炉に係り、特に、複数体の燃料集合体が三角格子状配列にて稠密に配され、相互に隣接する3体の燃料集合体間に水平断面がY字型の制御棒が挿入される沸騰水型原子炉に関する。
炉心に燃料集合体が三角格子状配列にて稠密に装荷される軽水増殖炉が開発されている。例えば、特許文献1には、軽水増殖炉に装荷される燃料集合体と炉心上部支持板との間に設けたタブと板ばねにより燃料集合体の横への移動を防止し、燃料集合体のギャップ保持と制御棒の挿入性を確保する構成が記載されている。また、特許文献1には、燃料集合体と炉心上部支持板との間にホールドダウンスプリングを設け、燃料集合体の浮き上がりを防止する構成が開示されている。
また、加圧水型原子炉であるものの、特許文献2には、燃料集合体の浮き上がりを防止するために、燃料集合体上部ノズルの上面四辺に板ばねを配する構成が記載されている。また、加圧水型原子炉では制御棒を挿入する方式及び制御棒を挿入する場所が、沸騰水型原子炉とは異なり、制御棒を燃料集合体中央に上部より挿入するため、制御棒挿入時に不要な燃料集合体移動用のハンドルは取り外される。
特開平8−220276号公報 特開平8−36078号公報
しかしながら、特許文献1に記載される構成では、炉心上部に炉心上部支持板を設置し、炉心上部支持板と水平断面六角形状の燃料集合体を上部支持機構(ホールドダウンスプリング)で支持することで、燃料浮き上がりを防止している。炉心上部支持板には、各燃料集合体に対して上部支持機構を設置するスペースが必要となるため、炉心上部支持板に設ける冷却材流路は、水平断面六角形状の燃料集合体の大きさより小さくなっている。原子炉の冷却材循環ポンプ等への機器の負担を軽減するために、炉心上部支持板での圧損を低減する必要があり、そのためには広い冷却材流路を確保する必要が有る。また、上部支持機構としてホールドダウンスプリングを用いて燃料浮き上がりを防止しているが、複数の燃料集合体に対してホールドダウンスプリングを設置する必要があり、取り付けが困難となる。
また、特許文献2に記載される構成では、原子炉運転中、燃料集合体の中央に上方から制御棒を挿入する方式であるがゆえ、燃料集合体を移動するためのハンドルは取り外されている。従って、燃料交換時において、ハンドルを取り付ける作業が必要となり、燃料交換作業の効率化を図ることはできない。
そこで、本発明は、運転時における燃料浮き上がりを防止しつつ、定期検査或は燃料交換等の作業効率を向上し、燃料浮き上がり防止部材を容易且つ単純な構造で実現できる沸騰水型原子炉を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、原子炉圧力容器と、燃料集合体が三角格子状配列で稠密に配置され、3体の燃料集合体の中心に水平断面Y字型の制御棒が挿入される、原子炉圧力容器内に配置された炉心と、原子炉圧力容器内に配置されて炉心を取り囲む炉心シュラウドと、上方に向かって伸びる複数の気水分離器が取り付けられて前記炉心を覆い、炉心シュラウドの上端部に取り付けられたシュラウドヘッドとを備えた沸騰水型原子炉であって、燃料集合体は、水平断面Y字型の制御棒を囲む3体の燃料集合体に設けられるハンドルの上面の長辺又は短辺が、水平断面Y字型の制御棒の中心に向くように配され、ハンドルの上面の上方に配され、燃料集合体の上方への浮き上がりを抑制する燃料浮き上がり防止部材を備え、燃料浮き上がり防止部材は、三角格子の繰り返しパターン形状を有する格子部材であり、この格子部材は、炉心の上方に配置されてシュラウドヘッドの下方に配置され、シュラウドヘッドに取り付けられていなく、炉心支持枠を介して炉心シュラウドに取り付けられていることを特徴とする。
炉心の上方に配置されて、シュラウドヘッドの下方に配置されて炉心支持枠を介して炉心シュラウドに取り付けられており、さらに、燃料集合体のハンドルの上面の上方に配置されている、燃料浮き上がり防止部材である、三角格子の繰り返しパターン形状を有する格子部材は、燃料集合体の浮き上がりを防止することができ、容易且つ単純な構造である。また、その格子部材は、Y字型の制御棒を囲むよう、相互に隣接して三角格子状に稠密に配される3体の燃料集合体のハンドル上面の長辺が、Y字型の制御棒の中心に向かうように配置されるため、定期検査或いは燃料交換等を実施でき、作業性を向上することができる。
本発明によれば、運転時における燃料浮き上がりを防止しつつ、定期検査或は燃料交換等の作業効率を向上させ、容易且つ単純な構造にて燃料浮き上がり防止部材を実現できる沸騰水型原子炉を提供することが可能となる。
本発明の一実施例に係る実施例1の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。 図1において、燃料浮き上がり防止部材を取り外した状態における炉心の部分平面図である。 本発明の一実施形態に係る沸騰水型原子炉の縦断面図である。 図3に示す沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体の縦断面図である。 稠密に配された燃料集合体と制御棒との配置関係を示す炉心の部分平面図である。 図2のA−A断面矢視図であって、3体の燃料集合体の上部の部分側面図である。 図1に示す燃料浮き上がり防止部材の部分平面図である。 図1に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのB―B断面矢視図である。 図1に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのC―C断面矢視図である。 シュラウドヘッドの近傍であって、図1に示す燃料浮き上がり防止部材を設置した状態を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の燃料浮き上がり防止部材の部分平面図と、そのD−D断面矢視図である。 図11に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのE―E断面矢視図である。 図11に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのF―F断面矢視図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。 図14のG−G断面矢視図であって、燃料浮き上がり防止部材3と燃料集合体の上部との位置関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4の燃料浮き上がり防止部材の部分平面図と、そのH―H断面矢視図及びI―I断面矢視図である。 本発明の他の実施例に係る実施例5の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。 図17に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのJ―J断面矢視図である。 図17に示す燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材とハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのK―K断面矢視図である。 本発明の他の実施例に係る実施例6の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。
先ず、図3に本発明の一実施形態に係る沸騰水型原子炉の縦断面図を示す。図3では、資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource−Renewable Boiling Water Reactor:RBWR)を一例として示すが、これに限られるものでは無い。例えば、改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、再循環ポンプを備え減速材としての冷却水を原子炉圧力容器外へ通流し再び原子炉圧力容器内のダウンカマへ流入させることで冷却水を循環させる通常の沸騰水型原子炉(BWR)、或は、チムニによる冷却水の自然循環方式を用いることで、BWRにおける再循環ポンプ、ABWRにおけるインターナルポンプを不要とする高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)等、その他の原子炉へも同様に適用可能である。すなわち、沸騰水型原子炉であれば、いずれの構成においても以下に説明する本発明の構成を適用可能である。
図3に示すように、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)は、原子炉圧力容器20内に円筒状の炉心シュラウド24が設けられ、炉心シュラウド24内に、複数体の燃料集合体が装荷された炉心21が配設されている。また、円筒状の炉心シュラウド24の軸方向上端部はシュラウドヘッド25で覆われており、このシュラウドヘッド25上部に上方へと延伸する気水分離器27及び、気水分離器27の上方に配される蒸気乾燥器28が設けられている。原子炉圧力容器20と炉心シュラウド24の間には円環状のダウンカマ26が形成されている。ダウンカマ26内には、インターナルポンプ14が配設されている。
インターナルポンプ14から吐出された冷却水は、下部プレナム30を経て炉心21に供給される。冷却水は、炉心21を通過する際に加熱されて水及び蒸気を含む気液二相流となる。気水分離器27は気液二相流を蒸気と水に分離する。分離された蒸気は、更に蒸気乾燥器28で湿分が除去されて主蒸気配管29aに導かれる。この湿分が除去された蒸気は、蒸気タービン(図示せず)に導かれ、蒸気タービンを回転させる。蒸気タービンに連結された発電機が回転し、電力を発生する。蒸気タービンから排出された蒸気は、復水器(図示せず)で凝縮されて水となる。この凝縮水は、冷却水として給水配管29bにより原子炉圧力容器20内に供給される。気水分離器27及び蒸気乾燥器28で分離された水は、落下して冷却水としてダウンカマ26内に達する。
なお、原子炉圧力容器20の下部プレナム30には、燃料集合体の核反応を制御するため、炉心21へ複数の水平断面(横断面)がY字型の制御棒を挿入可能とする制御棒案内管が設けられ、原子炉圧力容器20の底部よりも下方に設置された制御棒駆動機構ハウジング内に制御棒駆動機構を備え、制御棒は制御棒駆動機構に連結されている。ここで、水平断面(横断面)がY字型の制御棒は、中心に位置するタイロッド(またはセンタポスト)から外側に向かって延伸する3枚の翼を備え、各翼は中性子吸収材であるBCが充填された複数の中性子吸収棒を有する。これら3枚の翼は、タイロッド(またはセンタポスト)の周囲に相互に120度の間隔にて配されている。そして、炉心21に三角格子状に稠密に装荷される複数体の燃料集合体のうち、相互に隣接する3体の燃料集合体の間に、水平断面(横断面)がY字型の制御棒が1本挿入される。
炉心21は、炉心支持板22に支持され、炉心21内には複数体の燃料集合体、例えば、約700体の燃料集合体が装荷されている。また、図3に示すように燃料集合体の上部に設けられるハンドルの上方に、燃料集合体の上方への浮き上がりを抑制するための燃料浮き上がり防止部材31が設けられている。
図4は、図3に示す資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)の炉心に装荷される燃料集合体の縦断面図である。図4に示すように、燃料集合体1は、複数の燃料棒2、上部タイプレート3、下部タイプレート4、複数の燃料スペーサ6、チャンネルボックス5、及びハンドル7を備えている。ハンドル7は、燃料集合体1の炉心21への装荷又は燃料集合体1の交換時にクレーン等により把持するために設けられている。また、燃料棒2は、複数の燃料ペレット(図示せず)を、密封された被覆管(図示せず)内に充填している。下部タイプレート4は各燃料棒2の下端部を支持し、上部タイプレート3は各燃料棒2の上端部を保持する。燃料集合体1の下部は、炉心支持板22を貫通するよう配される燃料支持金具8に設けられた3つの上部開口部9に、燃料集合体1を構成する下部タイプレート4の下部が嵌合し支持される。燃料支持金具8の中央には、水平断面(横断面)がY字型の制御棒を上下に移動できるように制御棒移動用開口部10が設けられている。
図4に示すように、燃料集合体1の上部に設けられるハンドル7の上面と、ハンドル7の上方に配される格子部材32との間に弾性体33が配されている。換言すれば、ハンドル7の上面の一部は、弾性体33を介して格子部材32の下面に接している。これにより、仮に、燃料集合体1が軸方向上方へと浮き上がるよう変位した場合であっても、弾性体33及び格子部材32により、上記浮き上がりの変位は抑制される。すなわち、燃料集合体1の浮き上がりが防止される。なお、弾性体33が燃料集合体1の上部に設けられるハンドル7の上面と格子部材32の下面との間に介在することで、格子部材32及び/又はハンドル7を有する燃料集合体1の損傷を回避でき、良好に燃料集合体1の浮き上がりを防止することができる。
弾性体33の軸方向上端面が、格子部材32の下面に固定され燃料浮き上がり防止部材31が構成される。この場合、燃料浮き上がり防止部材31を構成する弾性体33の軸方向下端面(弾性体33の格子部材32の下面とは反対側の面)は、燃料集合体1を構成するハンドル7に固定されることなく、当接している。なお、この構成に代えて、弾性体33の軸方向下端面を、燃料集合体1を構成するハンドル7の上面の一部に固定する構成としても良い。この場合、ハンドル7の上面の一部に固定された弾性体33と、格子部材32とが協働することで燃料浮き上がり防止部材31を構成することになる。このように、本実施形態の資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)の炉心では、燃料浮き上がり防止部材31を備えることにより、上記特許文献1に開示される、上部格子板、及び、上部格子板と上部タイプレートを接続するための上部支持機構が不要となる。
図5は、稠密に配された燃料集合体1と制御棒11との配置関係を示す炉心21の部分平面図である。図5に示すように、各燃料集合体1は、水平断面(横断面)が六角形状のチャンネルボックス5内に複数本の燃料棒を三角格子状に束ねて稠密に配している。また、相互に隣接して三角格子状に配される3体の燃料集合体の間に、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が配されている。資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)は、このように複数体の燃料集合体1を炉心21に稠密に装荷することで、水対燃料体積比を低減した沸騰水型原子炉(BWR)である。資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)は、従来の沸騰水型原子炉(BWR)と比較してプルトニウム増殖比を高めており、原子炉運転時における核***性プルトニウムの発生量と消費量をほぼ同一にでき、増殖比を約1.0とすることが可能である。
ここで、原子炉は、燃料集合体1内の燃料の核***により運転されているが、運転時間の経過と共に核***を行うウラン−235の割合が少なくなるため、計画的に燃料を新しいものに交換する必要がある。燃料交換時には原子炉臨界防止のため、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11を挿入する必要があり、燃料交換時には、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11、及び水平断面(横断面)がY字型の制御棒と隣接する3体の燃料集合体1の組み合わせで燃料交換することが合理的である。上述のように燃料集合体1の上部には、燃料集合体移動用にハンドル7が設けられており、原子炉運転時におけるハンドル7の配置を変更することなく、燃料交換を実施できるようにすることが望ましい。
また、水平断面(横断面)が四角形状のチャンネルボックス内に複数の燃料棒を正方格子状に配すると共に、複数体の燃料集合体を炉心に正方格子状に装荷する従来の沸騰水型原子炉に対して、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)では、燃料集合体一体当たりの燃料棒の本数を増大できる。しかしながら、燃料棒一本当たりの重量が軽くなるため、燃料集合体全体では、従来の沸騰水型原子炉と比較して重量は軽くなる。また、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)では、燃料集合体1内に三角格子状に稠密に配される燃料棒の被覆管の管径が小さくなる。そのため、仮に、従来の沸騰水型原子炉と同様の間隔にて軸方向に離間し燃料スペーサ6を配し、燃料棒を支持する構成とした場合、燃料スペーサ6による支持部間の中央の燃料棒2の水平方向の変位量が大きくなり、他の燃料棒2と接触する事態が生じることが予想される。そこで、上述の図4に示したように、従来の沸騰水型原子炉の場合と比較して、燃料スペーサ6の軸方向の設置間隔を狭くしている。燃料スペーサ6の設置間隔を狭くすることは、燃料スペーサ6の設置個数が増えることを意味し、燃料集合体1内を上方へと通流する冷却水に対する圧損が増大し、燃料集合体1を軸方向上方へと浮き上がらせるよう作用する流体力も同時に増大する。仮に、燃料集合体1が軸方向上方へと浮き上がると、燃料支持金具8の挿し込み部から下部タイプレート4が離脱し、他の構造物に接触し、燃料集合体1の損傷に至る可能性が懸念される。そのため、図3及び図4に示したように、燃料集合体1の軸方向上方に燃料浮き上がり防止部材31を備えることに技術的意義を有するのである。以下では、格子部材32及び弾性体33にて燃料浮き上がり防止部材31を構成する場合を一例として説明するが、これに限られず、燃料浮き上がり防止部材31を格子部材32のみで構成し、この燃料浮き上がり防止部材31と燃料集合体1のハンドル7の上面との間に、弾性体33を配する構成としても良いことは言うまでもない。
以下、図面を用いて本発明の実施例について、燃料浮き上がり防止部材31を中心に詳細説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の燃料浮き上がり防止部材31及び燃料集合体1との配置関係を示す炉心の部分平面図であり、図2は、図1において、燃料浮き上がり防止部材31を取り外した状態における炉心の部分平面図である。上述したように、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)では、炉心21(図3)に、例えば、約700体の燃料集合体1が装荷さている。図1及び図2では、炉心21に装荷される複数体の燃料集合体1のうち10体の燃料集合体1と、相互に離接して配される3体の燃料集合体(例えば、燃料集合体1a〜1c)の間に配置される水平断面(横断面)がY字型の制御棒11(図1では点線で示す)を一例として示す。図5に示したように、各燃料集合体1は、水平断面(横断面)が六角形状のチャンネルボックス5内に複数本の燃料棒を三角格子状に束ねて稠密に配している。また、相互に隣接して三角格子状に配される3体の燃料集合体の間に、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が配されている。水平断面(横断面)がY字型の制御棒11は、相互に120度の間隔にて配される3枚の翼を備える。
図1に示すように、複数体の燃料集合体1の上方に配される燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32は、三角格子が二次元的に連なる形状を有する。換言すれば、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32は、三角格子の繰り返しパターン形状を備える。例えば、格子部材32aは、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺71aと交差し、格子部材32bは、燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の長辺71bと交差し、格子部材32cは、燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の長辺71cと交差するよう、格子部材32が配されている。これら、相互に隣接して三角格子状に配される3体の燃料集合体である、燃料集合体1a、燃料集合体1b、及び燃料集合体1cの間には、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が配され、格子部材32a、格子部材32b、及び格子部材32cの接続部は、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)のほぼ直上に位置している。また、格子部材32aはハンドル7a上面の長辺71a(ハンドル7aの長手方向に沿った両側面を画定する辺)と略直交するよう交差し、その交差する位置は、長辺71aの略中央部である。同様に、格子部材32bはハンドル7b上面の長辺71b(ハンドル7bの長手方向に沿った両側面を画定する辺)と略直交するよう交差し、その交差する位置は、長辺71bの略中央部である。また、格子部材32cはハンドル7c上面の長辺71c(ハンドル7cの長手方向に沿った両側面を画定する辺)と略直交するよう交差し、その交差する位置は、長辺71cの略中央部である。
上述の関係は、他の相互に隣接して三角格子状に配される3体の燃料集合体1と、これら3体の燃料集合体1の上方に配される格子部材32についても同様である。このように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32を、燃料集合体1を構成するハンドル7の長辺と交差するよう配することで、各燃料集合体1の上方の冷却水(冷却材)の流路を格子部材32により大きく塞ぐことなく、広い面積の冷却水(冷却材)の流路を確保することが可能となる。また、燃料集合体1内を上方へと通流する冷却水に対する圧損の増加を抑制することも可能となる。
また、図2に示すように、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺71a、燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の長辺71b、及び、燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の長辺71cは、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)に向かうよう、3体の燃料集合体1a〜1cが炉心21に装荷されている。このような配置関係は、相互に隣接して三角格子状に配される他の3体の燃料集合体と、これら3体の燃料集合体1間に水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が配される場合においても同様である。このように、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11を囲むよう、相互に隣接して三角格子状に稠密に配される3体の燃料集合体1a〜1cのハンドル7a〜7c上面の長辺71a〜71cの全てが、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)に向くよう配されることから、原子炉運転時におけるハンドル7a〜7cの配置を変更することなく、定期検査或いは燃料交換等を実施でき、作業性を向上することが可能となる。
これに対し、図1及び図2に示されるように、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の短辺72a(ハンドル7aの長手方向の両端部を画定する辺)、燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の短辺72b(ハンドル7bの長手方向の両端部を画定する辺)、及び、燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の短辺71c(ハンドル7cの長手方向の両端部を画定する辺)は、いずれの格子部材32と交差することなく、また、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)に向かうことなく配される。これは、他の燃料集合体1を構成するハンドル7においても同様である。
図6は、図2のA−A断面矢視図であって、3体の燃料集合体1a〜1cの上部の部分側面図である。図6に示すように、3体の燃料集合体1a〜1cの上部には、燃料集合体をクレーンで吊って移動可能とするハンドル7a、7b、7cがそれぞれ設けられている。また、各燃料集合体1a〜1cは、上述のとおり水平断面(横断面)が六角形状のチャンネルボックス5内に複数本の燃料棒を三角格子状に束ねて稠密に配する構成であることから、チャンネルボックス5は、軸方向に延伸する6面の側面を有する。これら、6面の側面のうち、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11を構成するタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)を中心とし相互に120の間隔にて配される3枚の翼のうち、2枚の翼と対向するチャンネルボックス5の2面の側面を除く、4面の側面の上端部付近には、それぞれ、燃料集合体接触防止パッド13が設けられている。一方、上記2枚の翼と対向するチャンネルボックス5の2面の側面の上部付近には、それぞれ、制御棒接触防止パッド12が設けられている。図6では、隣接して配される燃料集合体1bと燃料集合体1cとの間に、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11を構成する1枚の翼が配さている状態を示している。
図6では、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が最上部まで挿入された状態を示している。また、図2に示したように、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が挿入される側のチャンネルボックス5の側面以外の面は、隣接する他の燃料集合体1のチャンネルボックス5の側面との間に間隙を有するが、この間隙は、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が挿入される隣接する2つの燃料集合体である、燃料集合体1bのチャンネルボックス5の側面と、燃料集合体1cのチャンネルボックス5の側面との間隙よりも明らかに狭い。従って、図6に示すように、制御棒接触防止パッド12の厚さは、燃料集合体接触防止パッド13の厚さよりも大きく、これら燃料集合体1bに設けられた制御棒接触防止パッド12と燃料集合体1cに設けられた制御棒接触防止パッド12とが当接することにより、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の挿入路が確保される。
図7は、図1に示す燃料浮き上がり防止部材31の部分平面図であり、図8は、図1に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32とハンドル7との位置関係を示す部分平面図と、そのB―B断面矢視図、図9は、図1に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32とハンドル7との位置関係を示す部分平面図と、そのC―C断面矢視図である。
図7に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32の平面形状は、格子部材32a、格子部材32b、及び格子部材32cを三角格子状に組み合わせたものであり、それぞれの格子部材32a、格子部材32b、及び格子部材32cは、上述したように各ハンドル7a、ハンドル7b、及びハンドル7cの上方に配される。また、図1にて説明したように、格子部材32aをハンドル7a上面の長辺71aに、格子部材32bをハンドル7b上面の長辺71bに、また、格子部材32cをハンドル7cの長辺71cに交差するよう、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32を配することで、三角格子の繰り返しパターン形状を備える格子部材32にて、容易且つ単純な構造にて燃料浮き上がり防止部材31を実現できる。
なお、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32、制御棒接触防止パッド12、及び燃料集合体接触防止パッド13は、例えば、ステンレス鋼製である。
図8の上図は、図1に示した燃料集合体1aと燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとの配置関係において、時計回り又は反時計回りに90度回転させた状態での部分平面図であり、図8の下図は、上図のB−B断面矢視図である。図8の上図に示すように、格子部材32aは、ハンドル7a上面の長辺と略直交するよう交差している。
また、図9の上図は、図1に示した燃料集合体1aと燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとの配置関係を示しており、図9の下図は、上図のC−C断面矢視図である。図8の下図及び図9の下図に示すように、弾性体33の軸方向上端面が、格子部材32aの下面に固定され燃料浮き上がり防止部材31が構成される。この場合、燃料浮き上がり防止部材31を構成する弾性体33の軸方向下端面(弾性体33の格子部材32aの下面とは反対側の面)は、燃料集合体1aを構成するハンドル7aに固定されることなく、当接している。本実施例では、弾性体33として、コイルばねを用いる場合を一例として示している。図9の下図に示すように、燃料集合体1aを構成するハンドル7aの上面の一部は、当接する弾性体33としてのコイルばねにより付勢され、燃料集合体1aは軸方向下方へと適度な押圧力により押圧されている。仮に、冷却水に対する圧損により燃料集合体1aを軸方向上方へと浮き上がらせるよう流体力が作用した場合であっても、弾性体33としてのコイルばねのばね力により、燃料浮き上がり防止部材31及び/又は燃料集合体1aが損傷することを防止できる。
なお、弾性体33として、コイルばねに限らず、板ばね或いは竹の子ばね等を用いても良い。また、図8及び図9では、弾性体33として1つのコイルばねを用いる場合を一例として示しているが、設置する弾性体33としてのコイルばねの個数はこれに限られるものではなく、複数個のコイルばねを設置する構成としてもよい。また、本実施例では、弾性体33としてのコイルばねの一端(軸方向上端部)を格子部材32aの下面に固定する構成としたがこれに限られるものではない。例えば、弾性体33としてのコイルばねの一端(軸方向下方端)を、燃料集合体1aを構成するハンドル7aの上面に固定し、コイルばねの他端を格子部材32aの下面に固定することなく、当接させる構成としても良い。但し、長期に渡り原子炉圧力容器20内の冷却水(冷却材)に、弾性体33としてのコイルばねが浸漬することを考慮すると、弾性体33としてのコイルばねの一端をハンドル7aの上面に固定し、燃料交換時等に燃料集合体1aと共に弾性体33としてのコイルばねも交換することが望ましい。
図10に、シュラウドヘッド25の近傍であって、図1に示す燃料浮き上がり防止部材31を設置した状態を示す。図10は、原子炉圧力容器20内の炉心21の上部の側面図である。炉心21は、三角格子状に稠密に配された燃料集合体1の最外周の側面、すなわち、最外周燃料集合体1の側面に、円環状(リング状)の炉心支持枠23を有する。炉心支持枠23の内側面(内周面)は、最外周燃料集合体1の形状(横断面が六角形状のチャンネルボックス5)と適合するよう凹凸を有する形状となっている。炉心支持枠23の外側面(外周面)は、円筒形状の炉心シュラウド24の内面(内周面)とほぼ同様の形状及び寸法を有している。炉心支持枠23は、炉心シュラウド24の内面(内周面)に設けた支持部(図示せず)に固定されている。図10に示すように、燃料浮き上がり防止部材31は、三角格子状に稠密に配された燃料集合体1を構成するハンドル7の上方に配されている。燃料浮き上がり防止部材31の最外周部は、炉心支持枠23にて支持されている。これにより、燃料浮き上がり防止部材31は、炉心21内において水平方向及び鉛直方向(軸方向)のいずれの方向に対しても固定されている。なお、本実施例では、燃料浮き上がり防止部材31を炉心支持枠23にて支持する構成を一例として示すが、この構成に限られるものではない。例えば、炉心シュラウド24の内側面(内周面)に支持部材を設け、当該支持部材により、燃料浮き上がり防止部材31の最外周部を固定する構成としても良い。
本実施例によれば、運転時における燃料浮き上がりを防止しつつ、定期検査或は燃料交換等の作業効率を向上し得る沸騰水型原子炉の炉心を提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、Y字型の制御棒を囲むよう、相互に隣接して三角格子状に稠密に配される3体の燃料集合体のハンドル上面の長辺が、Y字型の制御棒の中心に向かうよう配されることから、原子炉運転時におけるハンドルの配置を変更することなく、定期検査或いは燃料交換等を実施でき、作業性を向上することが可能となる。
更にまた、本実施例によれば、Y字型の制御棒を囲むよう、相互に隣接して三角格子状に稠密に配される3体の燃料集合体のハンドル上面の長辺と交差するよう、三角格子の繰り返しパターン形状を備える格子部材を配することで、容易且つ単純な構造にて燃料浮き上がり防止部材を実現できる。
また、本実施例によれば、三角格子の繰り返しパターン形状を備える格子部材にばね等の弾性部材を配し燃料浮き上がり防止部材を構成することで、燃料集合体の軸方向上方への浮き上がりを好適に防止することが可能となる。
図11は、本発明の他の実施例に係る実施例2の燃料浮き上がり防止部材の部分平面図と、そのD−D断面矢視図である。本実施例では、燃料集合体を構成するハンドルと嵌合し得る溝又は凹部を、燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材の下面に設けた点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図11の左図は、上述の実施例1において図7に示した構成と同様に、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32の平面形状は、格子部材32a、格子部材32b、及び格子部材32cを三角格子状に組み合わせたものであり、それぞれの格子部材32a、格子部材32b、及び格子部材32cは、上述したように、燃料集合体1aのハンドル7a、燃料集合体1bのハンドル7b、及び燃料集合体1cのハンドル7cの上方に配される。また、図1にて説明したように、格子部材32aをハンドル7a上面の長辺71aに、格子部材32bをハンドル7b上面の長辺71bに、また、格子部材32cをハンドル7cの長辺71cに交差するよう、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32を配する。
図11の右図は、左図のD―D断面矢視図である。右図に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aの下面に、燃料集合体1のハンドル7の上面と交差する位置に、溝34(又は凹部)を設けている。
図12は、図11に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとハンドル7aとの位置関係を示す部分平面図と、そのE―E断面矢視図であり、図13は、図11に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとハンドルとの位置関係を示す部分平面図と、そのF―F断面矢視図である。
図12の上図は、図1に示した燃料集合体1aと燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとの配置関係において、時計回り又は反時計回りに90度回転させた状態での部分平面図であり、図12の下図は、上図のE−E断面矢視図である。図12の上図に示すように、格子部材32aは、ハンドル7a上面の長辺と略直交するよう交差している。また、図12の下図に示すように、格子部材32aは、下面に略台形状の切り欠きを形成することにより得られる溝34(又は凹部)を有する。また、溝34(又は凹部)は、図13の下図に示すように、格子部材32aの幅方向(短辺方向)に連続している。換言すれば、格子部材32aは、幅方向に連続する溝34(又は凹部)を備える。溝34(又は凹部)の底部、すなわち、図12の下図において、格子部材32aの上面に最も近い部分は、平坦化され弾性体33としてのコイルばねの一端が固定されている。このコイルばねの一端が固定された溝34(又は凹部)の底部より、ハンドル7a側に向かうに従い、溝34(又は凹部)の開口幅が緩やかに拡大するよう、ハンドル7a上面の短辺を挟みその両側に傾斜面を有する。このように、格子部材32aの下面に設けられた溝34(又は凹部)が傾斜面を有することから、燃料集合体1aを構成するハンドル7aに対し格子部材32aの位置決めが容易となる。より詳細には、三角格子の繰り返しパターン形状を有する燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32を、炉心21内に三角格子状に稠密に装荷される複数体の燃料集合体1の上方に配し、上述の図10に示すように、炉心支持枠23に固定する際において、格子部材32の下面に設けられた溝34(又は凹部)が傾斜面を有することから、燃料集合体1のハンドル7に対し上記傾斜面を介して、自己整合的に溝34(又は凹部)をハンドル7の上面に嵌合させることが可能となり、燃料集合体1を構成するハンドル7に対し格子部材32の位置決めが容易となる。
また、図12の下図及び図13の下図に示すように、格子部材32aの下面に設けられた溝34(又は凹部)と、燃料集合体1aを構成するハンドル7aとが嵌合する。ここで、仮に、図12の上図に白抜き矢印にて示すA方向への変位、すなわち、格子部材32aの長辺方向(長手方向)に沿った、振動或いは外力が燃料集合体1aに付加された場合を想定する。図12の下図に示すように、ハンドル7aの長手方向に沿った2つの側面のうちいずれか一方が、格子部材32aの下面に設けられた溝34(又は凹部)の傾斜面と当接することにより、燃料集合体1aのA方向への変位が規制される。換言すれば、格子部材32aの下面に設けられた溝34(又は凹部)は、燃料集合体1の変位を規制する変位規制部としての機能を有する。なお、この変位規制部としての機能は、図11の左図において、白抜き矢印にて示す、B方向及びC方向の変位においても、それぞれ、燃料集合体1b及び燃料集合体1cの変位を、格子部材32b及び格子部材32cの下面に設けられた溝34(又は凹部)により規制される。上述のように、格子部材32の下面に設けられた溝34(又は凹部)が燃料集合体1の変位規制部として機能することにより、実施例1において図6に示した制御棒接触防止パッド12及び燃料集合体接触防止パッド13を、燃料集合体1を構成するチャンネルボックス5の側面に設けることが不要となる。換言すれば、格子部材32の下面に設けられた溝34(又は凹部)が燃料集合体1の変位規制部として機能することにより、相互に隣接して配される燃料集合体1間の間隙及び水平断面(横断面)Y字型の制御棒11の挿入路としての間隙を確保することが可能となる。
なお、格子部材32の下面に設けられる溝34(又は凹部)の開口幅は、嵌合するハンドル7の上面の幅(短辺)より大きければよく、開口幅は適宜設定すれば良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、燃料集合体を構成するハンドルに対し燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材の位置決めが容易となる。
また、本実施例によれば、燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材の下面に、燃料集合体を構成するハンドルと嵌合し得る溝(又は凹部)を有することから、燃料集合体の変位を規制することが可能となる。
図14は、本発明の他の実施例に係る実施例3の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図であり、図15は、図14のG−G断面矢視図であって、燃料浮き上がり防止部材3と燃料集合体の上部との位置関係を示す図である。本実施例では、燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材のうち、燃料集合体のハンドルと交差するよう配される格子部材の下面に、燃料集合体がY字型の制御棒側へと向かう変位を規制するための燃料集合体変位規制部を設けた点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図14に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32のうち、格子部材32aは燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺と交差するよう配されると共に、格子部材32bは燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の長辺と交差するよう配される。
図15に示すように、弾性体33としてのコイルばねの軸方向上端面が、格子部材32aの下面に固定され燃料浮き上がり防止部材31が構成される。この場合、燃料浮き上がり防止部材31を構成する弾性体33としてのコイルばねの軸方向下端面(弾性体33の格子部材32aの下面とは反対側の面)は、燃料集合体1aを構成するハンドル7aに固定されることなく、当接している。また、弾性体33としてのコイルばねの軸方向上端面が、格子部材32cの下面に固定され燃料浮き上がり防止部材31が構成される。この場合、燃料浮き上がり防止部材31を構成する弾性体33としてのコイルばねの軸方向下端面(弾性体33の格子部材32cの下面とは反対側の面)は、燃料集合体1cを構成するハンドル7caに固定されることなく、当接している。
格子部材32aの下面うち、弾性体33としてのコイルばねが固定される位置の近傍からY字型の制御棒11へと向かう領域に、燃料集合体1a側へ突出する凸部を有する。また、格子部材32cの下面うち、弾性体33としてのコイルばねが固定される位置の近傍からY字型の制御棒11へと向かう領域に、燃料集合体1c側へ突出する凸部を有する。これら、格子部材32aの下面に設けられた凸部と格子部材32cの下面に設けられた凸部は、格子部材32a及び格子部材32cの接続部を介して連続し、燃料集合体変位規制部35を構成する。格子部材32a及び格子部材32cの接続部は、Y字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)の直上に位置する。また、図15に示すように、格子部材32a及び格子部材32cの下面に設けられる燃料集合体変位規制部35のうち、格子部材32aの側の端面は、格子部材32aの下面より燃料集合体1a側へと向かうに従いY字型の制御棒11の中心側へと比較的急峻に傾斜する傾斜面を有する。また、燃料集合体変位規制部35のうち、格子部材32cの側の端面は、格子部材32cの下面より燃料集合体1c側へと向かうに従いY字型の制御棒11の中心側へと比較的急峻に傾斜する傾斜面を有する。
ここで、図14及び図15に白抜き矢印にて示すA方向及びB方向への変位、すなわち、格子部材32aの長辺方向(長手方向)に沿って、Y字型の制御棒11の中心側へと向かう水平方向の振動或いは外力が燃料集合体1aに付加され、格子部材32cの長辺方向(長手方向)に沿って、Y字型の制御棒11の中心側へと向かう水平方向の振動或いは外力が燃料集合体1cに付加された場合を想定する。この場合、図15に示すように、燃料集合体1aを構成するハンドル7aの長手方向に沿った2つの側面のうちY字型の制御棒11の中心側の側面が、燃料集合体変位規制部35の一方の端面である傾斜面と当接し、燃料集合体1aのA方向への変位が規制される。また、燃料集合体1cを構成するハンドル7cの長手方向に沿った2つの側面のうちY字型の制御棒11の中心側の側面が、燃料集合体変位規制部35の他方の端面である傾斜面と当接し、燃料集合体1cのC方向への変位が規制される。これにより、燃料集合体1a及び燃料集合体1c間に形成される間隙、すなわち、水平断面(横断面)Y字型の制御棒11の挿入路としての間隙を確保することが可能となる。よって、本実施例では、実施例1において図6に示した制御棒接触防止パッド12を、燃料集合体1を構成するチャンネルボックス5の側面に設けることが不要となる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材の下面に、燃料集合体変位規制部を有することから、燃料集合体のY字型の制御棒側への変位を規制することが可能となる。
図16は、本発明の他の実施例に係る実施例4の燃料浮き上がり防止部材の部分平面図と、そのH―H断面矢視図及びI―I断面矢視図である。本実施例では、燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材のうち、ハンドルと交差する領域以外の領域における格子部材の下面の形状を、下方(燃料集合体側)に向かうに従い幅が小さくなる、すなわち、垂直断面形状が細くなるよう構成した点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図16の上図に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32のうち、格子部材32aは燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺と交差するよう配されると共に、格子部材32bは燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の長辺と交差するよう配され、格子部材32cは燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の長辺と交差するよう配される。
図16の左下図に示すように、上図における格子部材32aのH―H断面形状は、四角形状を成す。このH―H断面の位置が、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺と交差する位置に相当する。一方、図16の右下図に示すように、上図における格子部材32aのI―I断面形状は、下部側の形状が下方(燃料集合体側)へ向かうに従い幅が小さくなる、すなわち、垂直断面形状が細くなる形状を有する。このI―I断面の位置は、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺と交差しない位置に相当する。すなわち、本実施例の燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32は、燃料集合体1を構成するハンドル7と交差する領域においては、その垂直断面形状を四角形状とすることで、図示しない弾性体33としてのコイルばねの一端を固定し易い形状とすると共に、ハンドル7と交差しない領域においては垂直断面形状が、下部側において下方(燃料集合体側)へ向かうに従い幅が小さくなる、すなわち、垂直断面形状が細くなる形状とすることで、燃料集合体1内を上方へと通流する冷却水(冷却材)に対する圧損が低減される。換言すれば、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32のうち、燃料集合体1を構成するハンドル7と交差する領域以外の領域において、燃料集合体1の上部出口から流出する流体(冷却水)が格子部材32に衝突する際、格子部材32で受ける流体力を低減できる。これにより、燃料浮き上がり防止部材31の健全性を向上することが可能となる。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、冷却水である流体の衝突による燃料浮き上がり防止部材が受ける流体力を低減でき、燃料浮き上がり防止部材の健全性の向上を図ることが可能となる。
図17は、本発明の他の実施例に係る実施例5の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。本実施例では、燃料浮き上がり防止部材を構成する各格子部材に、各燃料集合体を構成するハンドルの上面と対応して延伸する格子拡大部材を有する構成とした点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図17に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32のうち、燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の長辺と交差するよう配される格子部材32aは、当該ハンドル7a上面の長辺と交差する位置に、ハンドル7aの上面に対応して延伸する格子拡大部材36aを有する。図17に示すように、格子拡大部材36aの平面の面積は、ハンドル7aの上面の面積以上である。格子部材32aと格子拡大部材36aは相互に直交する。また、燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の長辺と交差するよう配される格子部材32bは、当該ハンドル7b上面の長辺と交差する位置に、ハンドル7bの上面に対応して延伸する格子拡大部材36bを有する。格子拡大部材36bの平面の面積はハンドル7bの上面の面積以上であり、格子部材32bと格子拡大部材36bは相互に直交する。同様に、燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の長辺と交差するよう配される格子部材32cは、当該ハンドル7c上面の長辺と交差する位置に、ハンドル7cの上面に対応して延伸する格子拡大部材36cを有する。格子拡大部材36cの平面の面積はハンドル7cの上面の面積以上であり、格子部材32cと格子拡大部材36cは相互に直交する。
図18は、図17に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32a及び格子拡大部材36a並びにハンドル7aとの位置関係を示す部分平面図とそのJ―J断面矢視図であり、図19は、図17に示す燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32a及び格子拡大部材36a並びにハンドル7aとの位置関係を示す部分平面図と、そのK―K断面矢視図である。
図18の上図は、図17に示した燃料集合体1aと燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32aとの配置関係において、時計回り又は反時計回りに90度回転させた状態での部分平面図であり、図18の下図は、上図のJ―J断面矢視図である。図18の上図に示すように、格子拡大部材36aは、燃料集合体1aを構成するハンドル7aの上面と同等の長さ及び同等の幅を有する。弾性体33としてのコイルばねの一端は、格子拡大部材36aの下面に固定され、弾性体33としてのコイルばねの一端はハンドル7aに固定されることなく、当接している。
図19の上図は、図17に示した燃料集合体1aと、格子部材32a及び格子拡大部材36aとの配置関係と同様であり、図19の下図は、K―K断面矢視図である。図19の下図に示すように、格子拡大部材36aの下面に、長手方向に沿って相互に離間し、一端が固定される2つの弾性体33としてのコイルばねを備える。2つの弾性体33としてのコイルばねの他端は固定されることなく、ハンドル7aの上面と当接している。このように、格子拡大部材36aにて、ハンドル7aの上面全面にて、燃料集合体1aの軸方向上への浮き上がりを防止できる。なお、図19の下図に示すように、格子拡大部材36aを有することにより、弾性体33としてのコイルばねを複数配することが可能となり、1つ当たりのコイルばね(弾性体33)への負荷を低減することも可能となる。
本実施例によれば、実施例1による効果に加え、料浮き上がり防止部材を構成する各格子部材に格子拡大部材を備えることで、より効果的に燃料集合体の浮き上がりを防止することができる。
また、本実施例によれば、燃料浮き上がり防止部材及び/又は燃料集合体が損傷することを防止すために配される弾性体の負荷を低減でき、弾性体の長寿命化を図ることが可能となる。
図20は、本発明の他の実施例に係る実施例6の燃料浮き上がり防止部材及び燃料集合体との配置関係を示す炉心の部分平面図である。本実施例では、燃料集合体を構成するハンドル上面の短辺(ハンドルの長手方向の両端部を画定する辺)がY字型の制御棒の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)を向くよう燃料集合体を炉心に装荷する共に、複数の格子部材の接続部がハンドル上面の長辺と交差するよう燃料浮き上がり防止部材を構成する格子部材を配する点が実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図20に示すように、相互に隣接し三角格子状に稠密に配される燃料集合体1a、燃料集合体1b、及び燃料集合体1cの間に水平断面(横断面)がY字型の制御棒11が配されている。燃料集合体1aを構成するハンドル7a上面の短辺72a(ハンドル7aの長手方向に沿った両側面を画定する辺)、燃料集合体1bを構成するハンドル7b上面の短辺72b(ハンドル7bの長手方向に沿った両側面を画定する辺)、及び燃料集合体1cを構成するハンドル7c上面の短辺72c(ハンドル7cの長手方向に沿った両側面を画定する辺)は、Y字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)(図示せず)に向かうよう配されている。このような配置関係は、相互に隣接して三角格子状に配される他の3体の燃料集合体と、これら3体の燃料集合体1間にY字型の制御棒11が配される場合においても同様である。このように、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11を囲むよう、相互に隣接して三角格子状に稠密に配される3体の燃料集合体1a〜1cのハンドル7a〜7c上面の短辺72a〜72cの全てが、水平断面(横断面)がY字型の制御棒11の中心であるタイロッド(またはセンタポスト)に向くよう配されることから、原子炉運転時におけるハンドル7a〜7cの配置を変更することなく、定期検査或いは燃料交換等を実施でき、作業性を向上することが可能となる。
また、図20に示すように、燃料浮き上がり防止部材31を構成する格子部材32は、三角格子の繰り返しパターン形状を備える。例えば、燃料集合体1aのハンドル7aの上方に配される格子部材32は、ハンドル7a上面の長辺71a(ハンドル7aの長手方向に沿った両側面を画定する辺)と略直交するよう長辺71aの略中央部に配される格子部材32a、長辺71aの略中央部にて長辺71aに対し所定の傾斜角にて交差する格子部材32d、及び長辺71aの略中央部にて長辺71aに対し所定の傾斜角にて交差する格子部材32eを有する。換言すれば、格子部材32a、格子部材32d、及び格子部材32eの接続部が長辺71aの略中央部上方に位置する。格子部材32a、格子部材32d、及び格子部材32eの接続部の下面に一端が固定され、他端がハンドル7aの上面に固定されることなく当接する弾性体33としてのコイルばね(図示せず)が設けられている。
上述の関係は、他の相互に隣接して三角格子状に配される3体の燃料集合体1と、これら3体の燃料集合体1の上方に配される格子部材32についても同様である。このように、各燃料集合体1は、3本の格子部材の接続部にて浮き上がりが防止されることから、格子部材32により構成される燃料浮き上がり防止部材31の健全性が向上される。
なお、3本の格子部材の接続部の下面の形状は、上述の実施例1(図8、図9)又は実施例2(図12、図13)と同様の形状とすれば良く、また、実施例5に示した格子拡大部材(図17〜図19)を備える構成としても良い。更には、格子部材において接続部以外の領域の下面の形状を上述の実施例4に示した形状(図16の右下図)としても良い。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、燃料浮き上がり防止部材を構成する複数本の格子部材の接続部にて、燃料集合体の浮き上がりが防止されることから、燃料浮き上がり防止部材の健全性を更に向上することが可能となる。
なお、上述の実施例1〜実施例6では、沸騰水型原子炉の一例として、資源再利用型沸騰水型原子炉(RBWR)を示したが、これに限られるものではなく、水平断面が六角形状のチャンネルボックスを有する燃料集合体を、相互に隣接して三角格子状に稠密に装荷する炉心構造であれば、例えば、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)、高経済性単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)、或いは再循環ポンプを有する通常の沸騰水型原子炉(BWR)にも同様に適用できる。
また、上述の実施例2〜実施例5に示した構成を、任意の組み合わせにて沸騰水型原子炉を構成しても良い。例えば、実施例2と実施例3とを組み合わせ、格子部材32の下面に溝34(又は凹部)及び燃料集合体変位規制部35を備える構成としても良い。また、実施例2と実施例4とを組み合わせ、格子部材32の下面であってハンドルと交差する領域に溝34(又は凹部)を設け、ハンドルと交差する領域以外の領域における格子部材32の下面の形状を垂直断面形状が細くする構成としても良い。また、実施例2〜実施例5の構成を全て組み合わせても良く、すなわち、実施例2〜実施例5のうち、2つ以上の実施例を任意に組み合わせても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1a,1b,1c・・・燃料集合体
2・・・燃料棒
3・・・上部タイプレート
4・・・下部タイプレート
5・・・チャンネルボックス
6・・・燃料スペーサ
7,7a,7b,7c・・・ハンドル
8・・・燃料支持金具
9・・・上部開口部
10・・・制御棒移動用開口部
11・・・制御棒
12・・・制御棒接触防止パッド
13・・・燃料集合体接触防止パッド
14・・・インターナルポンプ
20・・・原子炉圧力容器
21・・・炉心
22・・・炉心支持板
23・・・炉心支持枠
24・・・炉心シュラウド
25・・・シュラウドヘッド
26・・・ダウンカマ
27・・・気水分離器
28・・・蒸気乾燥器
29a・・・主蒸気配管
29b・・・給水配管
30・・・下部プレナム
31・・・燃料浮き上がり防止部材
32,32a,32b,32c,32d,32e・・・格子部材
33・・・弾性体
34・・・溝
35・・・燃料集合体変位規制部
36a,36b,36c,36d,36e・・・格子拡大部材
71a,71b,71c・・・長辺71a,71b,71c
72a,72b,72c・・・短辺72a,72b,72c

Claims (13)

  1. 原子炉圧力容器と、燃料集合体が三角格子状配列で稠密に配置され、3体の前記燃料集合体の中心に水平断面Y字型の制御棒が挿入される、前記原子炉圧力容器内に配置された炉心と、前記原子炉圧力容器内に配置されて前記炉心を取り囲む炉心シュラウドと、上方に向かって伸びる複数の気水分離器が取り付けられて前記炉心を覆い、前記炉心シュラウドの上端部に取り付けられたシュラウドヘッドとを備えた沸騰水型原子炉であって、
    前記燃料集合体は、前記水平断面Y字型の制御棒を囲む3体の燃料集合体に設けられるハンドルの上面の長辺又は短辺が、前記水平断面Y字型の制御棒の中心に向くように配され、
    前記ハンドルの上面の上方に配され、前記燃料集合体の上方への浮き上がりを抑制する燃料浮き上がり防止部材を備え、
    前記燃料浮き上がり防止部材は、三角格子の繰り返しパターン形状を有する格子部材であり、前記格子部材は、前記炉心の上方に配置されて前記シュラウドヘッドの下方に配置され、前記シュラウドヘッドに取り付けられていなく、炉心支持枠を介して前記炉心シュラウドに取り付けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  2. 請求項1に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材が、前記ハンドルの上面の長辺と交差するように配置され、前記格子部材と前記ハンドルの上面との間に弾性体を設け、前記弾性体の一端が前記格子部材の下面又は前記ハンドルの上面に固定されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  3. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記弾性体は、コイルばね、板ばね、又は竹の子ばねであり、前記燃料集合体を下方へ押圧することを特徴とする沸騰水型原子炉。
  4. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材の下面であって、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分に溝又は凹部が形成され、前記溝又は凹部の開口幅は前記ハンドルの上面の幅よりも大きく、前記ハンドルの上面が前記弾性体を介して前記溝又は凹部に嵌合することを特徴とする沸騰水型原子炉。
  5. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材の下面であって、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分のうち前記水平断面Y字型の制御棒の中心側から、前記水平断面Y字型の制御棒の中心へと向かう領域に、燃料集合体側へ突出する凸部を有し、前記凸部に前記ハンドルが当接することにより前記燃料集合体が前記水平断面Y字型の制御棒の中心へと向かう変位を規制する燃料集合体変位規制部を備えることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  6. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材の下面であって、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分以外の領域における垂直断面形状が前記燃料集合体側へ向かうに従い細くなることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  7. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材は、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分に前記ハンドルの上面の長辺に対応して延伸する格子拡大部材を有し、前記格子拡大部材の下面と前記ハンドルの上面との間に前記弾性体が配されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  8. 請求項2に記載の沸騰水型原子炉において、
    三角格子を形成する複数の前記格子部材の接続部が、前記ハンドルの上面の略中央部の上方に位置し、前記複数の格子部材の接続部の下面と前記ハンドルの上面の略中央部との間に前記弾性体が配されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  9. 請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材は、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分に前記ハンドルの上面の長辺に対応して延伸する格子拡大部材を有し、前記格子拡大部材の下面と前記ハンドルの上面との間に前記弾性体が配されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  10. 請求項4又は請求項5に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材の下面であって、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分以外の領域における垂直断面形状が前記燃料集合体側へ向かうに従い細くなることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  11. 請求項4に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材の下面であって、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分のうち前記水平断面Y字型の制御棒の中心側から、前記水平断面Y字型の制御棒の中心へと向かう領域に、燃料集合体側へ突出する凸部を有し、前記凸部に前記ハンドルが当接することにより前記燃料集合体が前記水平断面Y字型の制御棒の中心へと向かう変位を規制する燃料集合体変位規制部を備えることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  12. 請求項11に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材は、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分に前記ハンドルの上面の長辺に対応して延伸する格子拡大部材を有し、前記格子拡大部材の下面と前記ハンドルの上面との間に前記弾性体が配されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  13. 請求項12に記載の沸騰水型原子炉において、
    前記格子部材は、前記ハンドルの上面の長辺と交差する部分に前記ハンドルの上面の長辺に対応して延伸する格子拡大部材を有し、前記格子拡大部材の下面と前記ハンドルの上面との間に前記弾性体が配されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
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