JP6750333B2 - 半導体スイッチング素子の保護回路 - Google Patents

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Description

この発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor;金属−酸化膜−半導体構造の電界効果トランジスタ)等の半導体スイッチング素子を過電流から保護する保護回路に関する。
インバータ等の電力変換装置には、IGBTやMOSFET等の半導体スイッチング素子が用いられる。図6はIGBTの使用例である電力変換装置の構成を示す回路図である。この電力変換装置は、直流電源1と、モータ等の負荷2と、IGBT3および還流用のダイオード4と、IGBT3のオン/オフ制御のためのゲート電圧を発生するゲート駆動回路5と、IGBT3のオン/オフ指令を生成する制御回路6とにより構成されている。
図6に示す電力変換装置は、3相インバータであり、3個の上アームと3個の下アームにより構成されており、各アームとも構成は同一である。
図7は図6のゲート駆動回路5の一例を示す回路図である。図7において、順バイアス電源7および逆バイアス電源8は直列接続されている。この順バイアス電源7の負極と逆バイアス電源8の正極との接続ノードは、IGBT3のエミッタに接続されている。一方、バイアス電源7の正極と逆バイアス電源8の負極との間には、ゲート抵抗12、NPNトランジスタ9、PNPトランジスタ10およびゲート抵抗13が直列接続されている。そして、NPNトランジスタ9のエミッタとPNPトランジスタ10のエミッタが共通接続されており、このエミッタ同士の共通接続ノードがIGBT3のゲートに接続されている。ここで、ゲート抵抗12および13は、ターンオンおよびターンオフの速度を調整するために設けられている。NPNトランジスタ9のベースとPNPトランジスタ10のベースは共通接続されており、このベース同士の共通接続ノードは、ベース抵抗11、指令信号線15およびフォトカプラ等の絶縁器14を介して制御回路6(図6参照)に接続されている。この絶縁器14により制御回路6と指令信号線15との絶縁が確保されている。
図7において、制御回路6(図6参照)が出力するオン/オフ指令は、絶縁器14を介して指令信号線15に伝達され、後段のNPNトランジスタ9およびPNPトランジスタ10を相補的に動作させる。この相補的な動作において、NPNトランジスタ9がオン、PNPトランジスタ10がオフとなるときは、ゲート抵抗12を介して順バイアス電源7の電圧がIGBT3のゲートに印加され、IGBT3がターンオンする。また、NPNトランジスタ9がオフ、PNPトランジスタ10がオンとなるときは、ゲート抵抗13を介して逆バイアス電源8の電圧がIGBT3のゲートに印加され、IGBT3がターンオフする。
以上の電力変換装置において、何らかの原因により上アームまたは下アームのいずれか一方のIGBT3が破損し、コレクタ−エミッタ間が常時短絡している場合、あるいは制御回路6やゲート駆動回路5が誤動作した場合、直流電源1(図6参照)が短絡し、IGBT3に過電流が流れる場合がある。そこで、過電流により電力変換装置が破壊に至る前に、過電流を検出し、IGBT3に流れる電流を抑制する必要がある。
一般的に、IGBT3に過電流が流れると、過電流が流れない場合と比較してIGBT3のコレクタ−エミッタ間電圧Vceが上昇する。このコレクタ−エミッタ間電圧Vceの上昇に基づいて過電流を検出する方法がある。
図8はIGBT3のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの上昇を検出し、IGBT3を強制的にターンオフさせる保護機能を備えたゲート駆動回路16の一例を示す回路図である。この図8のゲート駆動回路16は、図7のゲート駆動回路5に対して、ツェナーダイオード18、NPNトランジスタ20およびダイオード22からなる遮断回路201と、抵抗23およびキャパシタ24からなる1次の伝達関数を有する遅延回路(以下、単に1次の遅延回路という。2次以上についても同様である。)202と、ダイオード17とを追加してなるものである。
ここで、抵抗23は、一端が絶縁器14およびベース抵抗11間の指令信号線15に接続され、他端はキャパシタ24の一方の電極に接続されている。キャパシタ24の他方の電極は、IGBT3のエミッタに接続された基準電位線に接続されている。そして、抵抗23の一端とキャパシタ24の一方の電極との共通接続ノードが遅延回路202の出力ノード19となっている。
遮断回路201では、ツェナーダイオード18のカソードが遅延回路202の出力ノード19に接続され、ツェナーダイオード18のアノードがNPNトランジスタ20のベースに接続されている。このNPNトランジスタ20のエミッタは、IGBT3のエミッタに接続された基準電位線に接続され、コレクタはダイオード22のカソードに接続されている。そして、ダイオード22のアノードは、NPNトランジスタ9のベース、PNPトランジスタ10のベースおよびベース抵抗11の一端の共通接続ノード21に接続されている。
ダイオード17は、アノードが遅延回路202の出力ノード19とツェナーダイオード18のカソードとの共通接続ノードに接続され、カソードがIGBT3のコレクタに接続されている。
以上が図8に示すゲート駆動回路16の構成である。
図8において、ダイオード17は、IGBT3のコレクタ−エミッタ間電圧Vceを遅延回路202の出力ノード19に伝達する電圧伝達部として機能する。指令信号線15がHレベルとなってIGBT3がオンしたとする。この場合、ノード19の基準電位線に対する電圧がIGBT3のコレクタ−エミッタ間電圧Vceにダイオード17の順方向電圧を加えた電圧よりも高いと、ダイオード17がオンになる。この状況では、ノード19の電圧はコレクタ−エミッタ間電圧Vceにダイオード17の順方向電圧を加えた電圧となる。そして、このノード19の電圧がツェナーダイオード18のツェナー電圧Vzより高いと、NPNトランジスタ20がオンする。この結果、ノード21の電位はIGBT3のエミッタの電位となり、NPNトランジスタ9がオフ、PNPトランジスタ10がオンし、IGBT3が遮断される。このようにIGBT3のターンオン時、コレクタ−エミッタ間電圧Vceに追従する遅延回路202の出力ノード19の電圧が、ツェナーダイオード18のツェナー電圧Vzより高いと、NPNトランジスタ20がオンし、指令信号線15がHレベルである場合でも、強制的にIGBT3が遮断される。
なお、ダイオード22は、指令信号線15がLレベルである場合にNPNトランジスタ20に逆電圧が印加されるのを阻止する役割を果たす。
図8に示すゲート駆動回路16は、IGBT3がオフからオンに遷移するまでの一定期間、コレクタ−エミッタ間電圧Vceの上昇に応じてIGBT3を遮断する保護機能を停止させるマスク機能を備えている。なお、以下では、この一定期間をマスク期間という。この機能を設けているのは、過渡状態において過電流を検出することができないため、マスク期間を設けて過電流の誤検出を防止するためである。図8では、1次の遅延回路202によりこのマスク期間を発生させている。
また、この遅延回路202において、抵抗23は、次の役割をも担っている。まず、IGBT3がオンしたとき、順バイアス電源7から絶縁器14、指令信号線15、抵抗23、ダイオード17、IGBT3を辿る経路を電流が流れる。ここで、絶縁器14、指令信号線15、ダイオード17のインピーダンスは低い。そこで、抵抗23が、IGBT3のオン時に、順バイアス電源7の短絡を防止する役割を果たす。
以上説明した過電流保護の技術は例えば特許文献1〜3に開示されている。
特開2008−17650号公報 特開2011−30350号公報 特開2006−14402号公報
図9は図8における1次の遅延回路202の出力ノード19の電圧波形を示す波形図である。図8のゲート駆動回路16において、マスク期間を発生する遅延回路202は1次の遅延回路であるため、指令信号線15がLレベルからHレベルに切り換わったタイミングで、ノード19の電圧が指令信号線15と同電圧になるように徐々に上昇する。この時、ツェナーダイオード18のツェナー電圧Vzが図9に実線で示す標準値Vz(typ)であったとする。この場合、ノード19の電圧が標準値Vz(typ)に到達した時点で遮断回路201のNPNトランジスタ20が動作する。この動作開始までの所要時間を動作開始時間Ts(typ)とする。
なお、図9では、説明を分かりやすくするため、ダイオード17のアノード側とツェナーダイオード18のカソード側をノード19からオープンにした場合のノード19の電圧波形を示している。従って、図9では、ノード19の電圧は、閾値電圧であるツェナー電圧Vzを越えても上昇している。この場合、指令信号線15がHレベルのままであると、ノード19の電位は指令信号線15の電位に達する。
図8のゲート駆動回路16において、ツェナーダイオード18のツェナー電圧Vzにはばらつきがある。図9ではこのツェナー電圧Vzにはばらつき範囲の最大値Vz(max)と最小値Vz(min)が破線で示されている。遮断回路201のNPNトランジスタ20は、ノード19の電圧がツェナー電圧Vzに到達したときに動作するので、ツェナー電圧Vzが最小値Vz(min)から最大値Vz(max)までばらつくと、それに応じて、遮断回路201の動作開始時間Tsが最小値Ts(min)から最大値Ts(max)までばらつく。図8のゲート駆動回路16では、遮断回路201のNPNトランジスタ20がオンすることによりIGBT3を強制的にオフさせるため、特に動作開始時間Tsの最大値Ts(max)が長い場合に、過電流がIGBT3に流れる時間が長くなる。
一般に動作開始時間Tsは、次式により与えられる。
Ts=−R・C・log(1−Vz/E) ……(1)
ただし、式(1)において、Rは抵抗23の抵抗値、Cはキャパシタ24の容量値、Eは指令信号線15に与えられる電圧である。また、式(1)の右辺括弧内において、Vz≠EかつE≠0である。
上記式(1)において、指令信号線15の電圧Eが10V、抵抗23の抵抗値Rが500Ω、キャパシタ24の容量値Cが2nFであるとする。この場合において、ツェナー電圧VzをVz(min)=5.33V、Vz(typ)=6.33V、Vz(max)=7.33Vとすると、動作開始時間Tsは、各々、Ts(min)=0.76μs、Ts(typ)=1.00μs、Ts(max)=1.32μsとなる。
指令信号線15の電圧Eが立ち上がってから動作開始時間Tsが経過するまでのマスク期間は、過電流保護が働かないため、IGBT3に過電流が流れ続ける。過電流は、IGBT3等にダメージを与えるため、過電流の誤検出を招かないことを条件に、マスク期間を可能な限り短縮することが重要である。
図8に示すゲート駆動回路16では、遅延回路201の回路定数を変え、閾値電圧Vzを高めに設定することにより動作開始時間Tsを短くすることが可能である。例えば閾値電圧Vz(typ)を6.33Vよりも高い8.33Vとする場合には、抵抗23の抵抗値Rを251Ω、キャパシタ24の容量値Cを2nFとすることにより、動作開始時間Tsを0.90μsとすることができる。
しかしながら、閾値電圧であるツェナー電圧VzがVz(min)=7.33V、Vz(typ)=8.33V、Vz(max)=9.33Vとばらつくと、動作開始時間Tsの長さは、Ts(min)=0.66μs、Ts(typ)=0.90μs、Ts(max)=1.36μsとばらつく。
上記の例に限らず、閾値電圧Vzがノード19の飽和電圧Eの付近であると、ノード19の電圧の変化が緩やかになるため、動作開始時間Ts(min)〜Ts(max)のばらつきが大きくなる。
マスク期間となる動作開始時間Tsを短縮するために閾値電圧Vzを高めに設定しても、閾値電圧Vzがばらついた場合には、IGBT3の保護が働かないマスク期間が長くなる。従って、最大値であるマスク期間に過電流が流れてもIGBT3が破壊しないようにする等、余裕を持った回路設計をせざるを得ず、その結果、ゲート駆動回路16のコストアップやサイズアップを招く。
また、通常は、過電流を誤検知しないことを目的としてマスク期間を設計する。そこで、マスク期間の設計では、最初に、誤検知にとっての最悪値である最小値Ts(min)を設定し、次いで標準値Ts(typ)、最大値Ts(max)を求める。この場合、閾値電圧Vzを高めに設定すると、マスク期間の標準値Ts(typ)を設定して最小値Ts(min)および最大値Ts(max)を求める場合よりも、最小値Ts(min)〜最大値Ts(max)のばらつきが大きくなる。従って、さらに余裕を持った設計をする必要がある。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、マスク期間を短縮しつつ、閾値電圧Vzのばらつきの影響を低減し、遮断回路の動作開始時間の精度を高めることができる半導体スイッチング素子の保護回路を提供することにある。
この発明は、半導体スイッチング素子に供給されるゲート電圧が入力される遅延回路と、前記半導体スイッチング素子の両端のうちの一端と前記遅延回路の出力ノードとの間に介挿され、前記遅延回路の出力ノードの電圧が前記半導体スイッチング素子の両端間電圧よりも大きい場合にはオンとなり、小さい場合にはオフとなる電圧伝達部と、前記遅延回路の出力ノードの電圧が閾値電圧を越えるのに応じて前記半導体スイッチング素子に対するゲート電圧を抑制して前記半導体スイッチング素子を遮断する遮断回路とを具備し、前記遅延回路が2次以上の伝達関数を有することを特徴とする電圧駆動型半導体スイッチング素子の保護回路を提供する。
この発明によれば、遅延回路として、2次以上の伝達関数を有する遅延回路が使用されているので、1次の遅延回路が使用された場合に比べて、遅延回路の出力ノードの電圧の時間勾配が急峻になる。従って、閾値電圧のばらつきの影響を低減し、遮断回路が半導体スイッチング素子を遮断する動作を開始するまでの動作開始時間(マスク期間)を短縮しつつその精度を高めることができる。そして、このように動作開始時間の精度を高めることが可能であるため、保護回路が適用されるゲート駆動回路のコストやサイズを抑え、かつ、設計を容易にすることができる。
この発明の第1実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路の構成を示す回路図である。 同実施形態における遅延回路の出力ノードの電圧波形を示す波形図である。 この発明の第2実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路の構成を示す回路図である。 同実施形態における遅延回路の出力ノードの電圧波形を示す波形図である。 この発明の第3実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路の構成を示す回路図である。 一般的な電力変換装置の構成例を示す回路図である。 同電力変換装置のゲート駆動回路の構成例を示す回路図である。 従来の半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路の構成例を示す回路図である。 同ゲート駆動回路における遅延回路の出力ノードの電圧波形を示す波形図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路16Aの構成を示す回路図である。なお、この図1において、前掲図8に示された部分と対応する部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。
前掲図8のゲート駆動回路16では、抵抗23とキャパシタ24とで構成される1次の遅延回路202が使用された。これに対し、本実施形態におけるゲート駆動回路16Aでは、抵抗23とインダクタ25とキャパシタ24とからなる2次の遅延回路202Aが使用されている。
ここで、遅延回路202Aでは、抵抗23およびインダクタ25からなる直列回路の一端がゲート電圧を伝達する指令信号線15に接続されている。また、IGBT3のエミッタが接続された基準電位線にキャパシタ24の一方の電極が接続され、上記直列回路の他端にキャパシタ24の他方の電極が接続されている。そして、上記直列回路の他端とキャパシタ24の他方の電極との共通接続ノード(図1の例ではインダクタ25とキャパシタ24の共通接続ノード)が遅延回路202Aの出力ノード19となっている。
一般に遅延回路は、次数の高いもの程、出力ノードの電圧の立ち上がりが急峻になる。従って、1次よりも次数の高い遅延回路を採用した場合、1次の遅延回路202を採用する場合に比べて、出力ノード19の電圧の立ち上がりの時間勾配が急になり、遮断回路201の閾値電圧Vzのばらつき範囲Vz(min)〜Vz(max)を短時間で通過する。従って、本実施形態によれば、動作開始時間Tsのばらつき範囲Ts(min)〜Ts(max)が狭くなり、遮断回路201の動作開始時間Tsの精度を高めることができる。
本実施形態における遅延回路202Aは、抵抗23とインダクタ25とキャパシタ24とを直列接続した2次の遅延回路である。そのため、遅延回路202Aの出力ノード19の電圧の変化は、1次の遅延回路202に比べて急激な変化となる。従って、同じマスク期間を設定する場合、ターンオン時に出力ノード19の電圧が急激に上昇するため、閾値電圧Vzがばらついても遮断回路201の動作開始時間Tsのばらつきを小さくすることができる。
ここで、遅延回路202Aは、抵抗23とインダクタ25とキャパシタ24との直列共振回路であるので、同回路は、過制動、臨界制動、不足制動の3つの状態を採りうる。下記式(2)〜(4)のうち式(2)は過制動となる条件を、式(3)は臨界制動となる条件を、式(4)は不足制動となる条件を各々示している。
>4・L/C ……(2)
=4・L/C ……(3)
<4・L/C ……(4)
遅延回路202Aの出力ノード19の電圧波形は、同回路の状態が過制動であるか、臨界制動であるか、不足制動であるかにより異なったものとなる。
図2は本実施形態における遅延回路202Aの出力ノード19の電圧波形を例示する波形図である。この図2は、閾値電圧Vzが標準値Vz(typ)=8.33Vのときの動作開始時間Tsの標準値Ts(typ)を0.90μsにする場合におけるノード19の電圧波形を示している。なお、図2では、説明上分かりやすくするため、前掲図9と同様、ダイオード17のアノード側とツェナーダイオード18のカソード側をノード19からオープンにした場合のノード19の電圧波形が示されている。
波形W1は、指令信号線15の電圧Eを10V、抵抗23の抵抗値Rを168Ω、キャパシタ24の容量値Cを3.3μF、インダクタ25のインダクタンスLを22μHとした場合のノード19の電圧波形をシミュレーションにより求めたものである。この波形W1は、R、L、Cが上記式(2)を満たす過制動の状態での電圧波形である。
この波形W1において、閾値電圧Vzが標準値Vz(typ)=8.33Vである場合の動作開始時間Ts(typ)は0.90μsとなる。また、閾値電圧Vzの最小値Vz(min)、最大値Vz(max)が順に7.33V、9.33Vであるとすると、動作開始時間Tsの最小値Ts(min)、最大値Ts(max)は順に0.72μs、1.23μsとなる。
波形W2は、指令信号線15の電圧Eを10V、抵抗23の抵抗値Rを201Ω、キャパシタ24の容量値Cを2.2μF、インダクタ25のインダクタンスLを100μHとした場合のノード19の電圧波形をシミュレーションにより求めたものである。この波形W2は、R、L、Cが上記式(4)を満たす不足制動の状態での電圧波形である。
この波形W2において、閾値電圧Vzが標準値Vz(typ)=8.33Vである場合の動作開始時間Ts(typ)は0.90μsとなる。また、閾値電圧Vzの最小値Vz(min)、最大値Vz(max)が順に7.33V、9.33Vであるとすると、動作開始時間Tsの最小値Ts(min)、最大値Ts(max)は順に0.80μs、1.01μsとなる。
波形W3は、比較例として載せたものであり、従来技術(図8)における遅延回路202の出力ノード19の電圧波形を示している。この波形W3に示すように、従来技術において閾値電圧Vzが標準値Vz(typ)=8.33Vであるときの動作開始時間Tsの標準値Ts(typ)を0.90μsにすると、動作開始時間Tsの最小値Ts(min)、最大値Ts(max)は、0.66μs、1.36μsとなる。
以上のように、本実施形態によれば、遅延回路202Aの状態が過制動である場合、不足制動である場合の両方において、閾値電圧Vzのばらつきに起因した動作開始時間Tsのばらつきを従来技術よりも狭くし、動作開始時間Tsの精度を高めることができる。
<第2実施形態>
図3はこの発明の第2実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路16Bの構成を示す回路図である。なお、この図3において、前掲図1および図8に示された部分と対応する部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、前掲図1の2次の遅延回路202Aが2次の遅延回路202Bに置き換えられている。この遅延回路202Bは、遅延回路202Aの抵抗23およびインダクタ25の直列回路にダイオード26を並列接続した構成となっている。ここで、ダイオード26のカソードは指令信号線15に、アノードは遅延回路202Bの出力ノード19に各々接続されている。
図4は本実施形態における遅延回路202Bの出力ノード19の電圧波形を例示する波形図である。なお、図4では、説明上分かりやすくするため、前掲図9と同様、ダイオード17のアノード側とツェナーダイオード18のカソード側をノード19からオープンにした場合のノード19の電圧波形が示されている。
上記第1実施形態では、抵抗23の抵抗値R、インダクタ25のインダクタンスL、キャパシタ24の容量値Cが上記式(4)を満たす場合に、遅延回路202Aの状態は不足制動となり、出力ノード19の電圧波形は図2の波形W2のように指令信号線15の飽和電圧Eに対してオーバシュートする。
これに対し、本実施形態では、出力ノード19および指令信号線15間にダイオード17が介挿されているため、出力ノード19の電圧波形は、図4に示すようにオーバシュートのない波形W4となる。
本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。
<第3実施形態>
図5はこの発明の第3実施形態である半導体スイッチング素子の保護回路を適用したゲート駆動回路16Cの構成を示す回路図である。なお、この図5において、前掲図1および図8に示された部分と対応する部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、前掲図1の2次の遅延回路202Aが2次の遅延回路202Cに置き換えられている。この遅延回路202Cは、遅延回路202Aの抵抗23およびキャパシタ24間の共通接続ノードに抵抗27の一端を接続し、この抵抗27の他端とIGBT3のエミッタが接続された基準電位線との間にキャパシタ28を介挿した構成となっている。そして、遅延回路202Cでは、抵抗27およびキャパシタ28間の共通接続ノードが出力ノード19となっている。すなわち、2次の遅延回路202Cは、抵抗23およびキャパシタ24からなる1次の遅延回路に抵抗27およびキャパシタ28からなる1次の遅延回路を直列接続した構成となっている。なお、1段目の遅延回路の抵抗23およびキャパシタ24の各値と、2段目の遅延回路の抵抗27およびキャパシタ28の各値は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態においても、遅延回路202Cは2次の遅延回路であるため、上記第1実施形態と同様な効果が得られる。また、本実施形態は、上記第1実施形態と異なり、インダクタ25を使用せず、抵抗23および27と、キャパシタ24および28により遅延回路202Cを構成するため、半導体集積回路により実現するのが容易であるという利点がある。また、遅延回路202Cの周辺のトランジスタ等も併せて半導体集積回路により実現すれば、ディスクリート部品により構成する場合に比べて、ゲート駆動回路16C全体のサイズを縮小することが可能である。
遅延回路202Cを半導体集積回路により実現する場合、抵抗23および27として、抵抗値Rが負である負性抵抗を実現することも可能である。ここで、抵抗23および27の抵抗値Rが正である状況では、不足制動は生じない。しかし、抵抗23および27の抵抗値Rを負にすることができれば、遅延回路202Cの状態を不足制動、臨界制動、過制動のいずれにすることも可能になる。
また、本実施形態では、1次の遅延回路を2段直列接続することにより2次の遅延回路を構成しているので、直列接続する段数を3段、4段、…と増やすことにより、3次、4次、…といったさらに高次の遅延回路を容易に実現することが可能である。
<他の実施形態>
以上、この発明の各実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば、以下の通りである。
(1)上記各実施形態では、逆バイアス電源8を用いた例を説明した。しかし、逆バイアス電源8を0Vとし、順バイアス電源7のみにより電源供給を行うゲート駆動回路としてもよい。
(2)上記各実施形態の遮断回路201では、ツェナーダイオード18に電流が流れるか否かにより遮断動作を行うか否かの切り換えを行った。しかし、そのようにする代わりに、例えばコンパレータにより、遅延回路202A等の出力ノード19の電圧が閾値を越えたか否かを判定し、遮断動作を行うか否かの切り換えを行ってもよい。
(3)上記各実施形態では、遮断回路201にNPNトランジスタ20を用いたが、その他の例として、NチャネルMOSFETを用いてもよい。
(4)上記各実施形態において、NPNトランジスタ20により構成される遮断回路201や、遮断回路201の一部であるキャパシタ24は、IGBT3のエミッタを基準電位としている。しかし、逆バイアス電源8の負極の電位を基準電位としてもよい。
(5)上記各実施形態では、IGBT3を保護対象としたが、MOSFET等、IGBT以外の半導体スイッチング素子を保護対象とする保護回路を構成してもよい。
3……IGBT、4……還流ダイオード、11,12,13……ゲート抵抗、9,20……NPNトランジスタ、10……PNPトランジスタ、22,26……ダイオード、18……ツェナーダイオード、201……遮断回路、7……順バイアス電源、8……逆バイアス電源、15……指令信号線、19……出力ノード、202A,202B,202C……遅延回路、14……絶縁器。

Claims (3)

  1. 指令信号線に与えられる電圧に基づいて半導体スイッチング素子に対するゲート電圧を発生するゲート駆動回路における半導体スイッチング素子の保護回路において、
    前記指令信号線から前記電圧が入力される遅延回路と、
    前記半導体スイッチング素子の両端のうちの一端と前記遅延回路の出力ノードとの間に介挿され、前記半導体スイッチング素子の他端が接続された基準電位線に対する前記遅延回路の出力ノードの電圧を前記半導体スイッチング素子の両端間電圧により定まる電圧以内に制限する電圧伝達部と、
    前記遅延回路の出力ノードの電圧が閾値電圧を越えるのに応じて前記半導体スイッチング素子に対するゲート電圧を抑制して前記半導体スイッチング素子を遮断する遮断回路と、を具備し、
    前記遅延回路は、
    前記指令信号線に一端が接続された抵抗およびインダクタの直列回路と、
    前記基準電位線に一方の電極が接続され、前記直列回路の他端に他方の電極が接続されたキャパシタと、を具備し、
    前記直列回路の他端と前記キャパシタの他方の電極との共通接続ノードを前記出力ノードとすることを特徴とする半導体スイッチング素子の保護回路。
  2. 前記指令信号線にカソードが接続され、前記遅延回路の出力ノードにアノードが接続された電圧クランプダイオードを具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体スイッチング素子の保護回路。
  3. 指令信号線に与えられる電圧に基づいて半導体スイッチング素子に対するゲート電圧を発生するゲート駆動回路における半導体スイッチング素子の保護回路において、
    前記指令信号線から前記電圧が入力される遅延回路と、
    前記半導体スイッチング素子の両端のうちの一端と前記遅延回路の出力ノードとの間に介挿され、前記半導体スイッチング素子の他端が接続された基準電位線に対する前記遅延回路の出力ノードの電圧を前記半導体スイッチング素子の両端間電圧により定まる電圧以内に制限する電圧伝達部と、
    前記遅延回路の出力ノードの電圧が閾値電圧を越えるのに応じて前記半導体スイッチング素子に対するゲート電圧を抑制して前記半導体スイッチング素子を遮断する遮断回路と、を具備し、
    前記遅延回路は、
    負性抵抗およびキャパシタからなり、1次の伝達関数を有する遅延回路を複数段直列接続してなる遅延回路であることを特徴とする半導体スイッチング素子の保護回路。
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