JP6748955B2 - 電気化学セル - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学セルに関する。
固体電解質は、典型的には金属酸化物であって、それを構成する陽イオンや陰イオンが顕著に動く性質(すなわち、イオン伝導性)を有する材料である。イオンは電荷を帯びているので、イオン伝導性によって電気が流れる。したがって、固体電解質はイオン伝導によって電気を流す性質(電気伝導性)を有する材料である。
固体電解質に一対の電極が取り付けられることによって電気化学セルが構成される。電気化学セルは以下の2種類の機能を有する。
一つ目の機能は、一対の電極のそれぞれにおいて電極活物質が自発的に電極反応を生じる傾向を持つことにより両電極間に電位差を生じ、電極反応の進行によって電気エネルギーを生じる機能である。
この機能を用いた電気化学セルの代表的な例は、燃料電池である。アノードでは燃料が酸化される反応が、カソードでは酸素などの酸化剤が還元される反応が起きる。その結果として、電極間に生じた電位差が電気エネルギーとして取り出される。
また上記機能を用いた例としてガスセンサもある。一方の電極に濃度が既知の電極活物質を入れた状態で電位差を測定することにより、もう一方の電極に接する電極活物質の濃度を知ることができる。このような仕組みは、エンジンの空燃比を制御するための酸素センサに応用されている。
また、もう二つ目の機能は、一対の電極の間の電位差を制御することにより、電極反応を意図的に生じさせる機能である。これにより、電極上ではエネルギーが高い、あるいは、価値の高い新たな物質が生成される。
この機能を用いた典型的な例は、電気分解である。水の電気分解では水をそれよりもエネルギーの高い水素と酸素に変換する。あるいは、ソーダ―電解によっては、海水からそれよりも価値の高い水酸化ナトリウムを生成する。
固体電解質を用いた電気化学セルにおいては、上記の二つの機能に応じて、以下の電気化学デバイスを作ることができる。一つは、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)であり、もう一つは、水蒸気電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell:SOEC)である。
固体酸化物形燃料電池は、水素や都市ガスなどの燃料により発電するデバイスであり、火力発電に比べてエネルギー変換効率が高い。火力発電では燃料の酸化によって発生する熱が機械エネルギーを経て電気エネルギーに変換されるため、カルノーの制約を受けるのに対して、燃料電池は燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換し、カルノーの制約を受けないためである。
一方で、水蒸気電解は、電気エネルギーにより水を水素と酸素に分解するデバイスである。水電解のほかの方式としてアルカリ水電解、固体高分子形水電解があるが、水蒸気電解はこれらの方法に比べて効率が高い。
上記のように、固体電解質を用いた電気化学セルの二つの応用であるSOFCおよびSOECは次世代のエネルギー変換デバイスとして注目が集まっている(例えば、特許文献1〜4)。
特開2013−220368号公報 特開2005−158436号公報 特許第5717067号公報 特開2015−213050号公報
しかしながら、上述の電子化学セルにおいては、望ましくない電極反応が生じて、電子リークが生じるという問題がある。電子リークとは、本来想定している反応以外の望ましくない電極反応によって生じる電気的な流れを意味する。電子リークが生じると、デバイスとしての作動に悪影響を及ぼすため、電子リークを抑制する方法の開発が望まれる。
例えば、固体酸化物形燃料電池の場合には、固体電解質が電子伝導性を有すると、活物質の酸化/還元反応によって生じた電極間の電位差(すなわち電気エネルギー)が電極間の短絡によって外部に取り出されることなく、電池内部で使われてしまう。その結果、電池としての発電特性が低下する。
また、例えば、水蒸気電解の場合には、外部より加える電気の一部が電極反応に用いられず、電解質中の短絡電流となって電極間を通じてしまう。外部電流がすべて電解に使われる場合には、電解によって生成する物質の生成速度はファラデーの法則にしたがって電流に比例する。電流効率が1となる。これに対し、電解質が電子伝導性を有し、短絡電流が流れると、電流効率が1を下回り、生成する物質の量が減ってしまう。
上記のような電流リークを抑制する方法として、電気化学セルを構成する固体電解質に使用する材料として、電子伝導性の小さな材料を用いることが考えられる。例えば、電子伝導性の小さい材料として、安定化ジルコニアを固体電解質として用いた電気化学セルもある。
しかしながら、安定化ジルコニアはイオン伝導性が充分とは言えず、よりイオン伝導性の高い材料が求められる。例えば、酸化ビスマス系電解質や酸化セリウム系電解質は安定化ジルコニアを上回る高い酸化物イオン伝導性を持つ。しかしながら、これらの二つの材料は、還元的な雰囲気に暴露されると電子的な伝導種が生成する。つまり、固体酸化物形燃料電池に用いた場合には、燃料と接する側で電子を生じ、これが空気極側まで貫通することで、燃料電池の作動中に電解質全体にわたって電子伝導性を生じることになる。水蒸気電解の場合も同様であり、発生した水素によって電解質中に電子が生じる。
また、プロトン伝導性酸化物を用いた場合は、イオン伝導種がプロトンである。プロトン伝導性酸化物は、燃料が水で薄まらないなど、酸化物イオン伝導体を電解質とする燃料電池や水蒸気電解よりも有利な点を有する。また、600℃以下の低い温度において、相対的に酸化物イオン伝導体よりも高い伝導性を有する材料が存在し、デバイスの低温作動化に有利な点を有する。しかしながら、プロトン伝導性酸化物の場合は、酸化的な雰囲気にさらされることによって、正孔(ホール)による電子的な伝導性を生じる。すなわち、伝導種が電子かホールかという点は異なるが、燃料電池や水蒸気電解において上記と同様の現象を引き起こす。
上述のように、電子リークの現象は、材料が還元雰囲気、あるいは、酸化雰囲気に暴露した時に電子伝導性、あるいは、正孔伝導性を生じるという内因的な性質による。すなわち、電解質の改良による改善には、限界がある。
そのため、既存の安定化ジルコニアよりも高いイオン伝導性、あるいは、低温における良好な動作性を有し、何らかの方法で電子リークを抑制できる方法があれば、性能の向上につながる。したがって、電子リークを抑制する方法の開発が望まれる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一方の電極側から他方の対極側への電子リークを抑え、電流効率の高い電気化学セル用電極及び電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電気化学セル用電極を複数の層にわけ、電極における反応を分離することで、電流リークの方向への電子の流れを防ぐことができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る電気化学セル用電極は、固体電解質を用いた電気化学セル用電極であって、電子及び酸化物イオンを伝導する電子−酸化物イオン伝導層と、前記電子−酸化物イオン伝導層に積層された電子ブロッキング層と、を有し、前記電子ブロッキング層の電子伝導度は、前記電子−酸化物イオン伝導層の電子伝導度より小さい。
(2)本発明の一態様に係る電気化学セルは、固体電解質と、前記固体電解質の一面に付設された(1)に記載の電気化学セル用電極と、前記固体電解質の前記電気化学セル用電極と反対側の一面に付設された対極と、を備え、前記電気化学セル用電極は、前記電気化学セル用電極における最外層の前記電子−酸化物イオン伝導層と前記電解質との間に前記電子ブロッキング層が挟まるように付設されている。
(3)上記(2)に記載の電気化学セルにおいて、前記電子ブロッキング層は酸化物イオン伝導性を有し、前記固体電解質はプロトン伝導性を有する。
(4)上記(2)に記載の電気化学セルにおいて、前記電子ブロッキング層はプロトン伝導性を有し、前記固体電解質は酸化物イオン伝導性を有する。
本発明の電気化学セル用電極及び電気化学セルは、電子リークを抑え、高い電流効率を実現することができる。
本発明の一態様に係る水蒸気電解セルの断面模式図である。 水蒸気電解セルの動作を示す原理図であり、(a)は電解質にプロトン伝導性電解質を用いたものであり、(b)は電解質に酸化物イオン伝導性電解質を用いたものである。 水蒸気電解の電解電圧と電流密度の関係を示した図である。 プロトン伝導性酸化物と安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia、YSZ)の電気伝導度を比較した図である。 従来の水蒸気電解セルの断面模式図である。 電子リークが起きるメカニズムを示す模式図である。 電子リークを抑制するメカニズムを示す模式図である。 本発明の別の一態様に係る水蒸気電解セルの断面模式図である。 本発明の別の一態様に係る水蒸気電解セルにおいて、電気リークを抑制するメカニズムを示す模式図である。 本発明のさらに別の一態様に係る水蒸気電解セルの断面模式図である。 アノードにおける反応経路の概略図である。 電極層と電解質の界面の反応場の分布図であり、(a)は酸化物イオン−電子混合伝導体のみを用いた場合の反応場の分布図であり、(b)は酸化物イオン−電子混合伝導体に電解質と同様のプロトン伝導性酸化物材料を混合した場合の反応場の分布図である。 電極層に用いる材料を超微粒子化した際の反応場の分布図である。 固体酸化物形燃料電池における電子リークを抑制するメカニズムを示す模式図である。 実施例1における電解質の作製手順を示すフロー図である。 実施例1における電極に添加する電解質材料の作製手順を示すフロー図である。 実施例1におけるカソードの作製手順を示すフロー図である。 実施例1におけるアノードの作製手順を示すフロー図である。 実施例1において用いた水蒸気電界装置の概略図である。 実施例1においてアノード材料を変えた場合における水蒸気電解試験の結果を示す。 実施例2におけるコンポジット電極の作製手順を示すフロー図である。 実施例2における超微粒子含有コンポジット電極に用いる超微粒子の作製手順を示すフロー図である。 実施例2における超微粒子含有コンポジット電極の作製手順を示すフロー図である。 ボールミルを施した材料の粒度分布を示す図である。 単体の材料からなるアノードの表面及び断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した図である。 実施例2におけるコンポジット電極の表面の予備断面をSEMで測定した図である。 スクリーンプリント回数によるアノード断面の違いをSEMで測定した断面図である。 実施例2においてスクリーンプリント回数及び電極の構成を変えた場合における水蒸気電解試験の結果を示す。 ボールミルとビーズミル後の材料の粒度分布の違いを示す図である。 ボールミルとビーズミル後の材料のX線回折パターンを示す図である。 超微粒子含有コンポジット電極を900℃で焼き付けた後のSEM像である。 超微粒子含有コンポジット電極を1000℃で焼き付けた後のSEM像である。 実施例2における超微粒子含有コンポジット電極を用いた場合の水蒸気電界試験の結果を示す図である。 実施例3における水蒸気電解セルの断面模式図であり、(a)は電子ブロッキング層が多孔質体の場合であり、(b)は電子ブロッキング層が平板状の場合である。 実施例3における水蒸気電界試験の結果を示す。 Arガス流量を変化させた場合の水素発生速度の違いを示す図である。
以下、本発明を適用した電気化学セル用電極及び電気化学セルについて、図を適宜参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、本発明の一態様に係る電気化学セルの断面を模式的に示した図である。
電気化学セルは、固体酸化物形燃料電池、水蒸気電解セル等に用いることができる。以下、水蒸気電解セル10として用いる場合について具体的に説明する。
図1に示す水蒸気電解セル10は、アノード1と、カソード2と、アノード1とカソード2との間に設けられた電解質3を有する。アノード1は、電子及び酸化物イオンを伝導する電子−酸化物イオン伝導層1Aと、電子−酸化物イオン伝導層1Aに積層された電子ブロッキング層1Bと、を有する。電子ブロッキング層1Bは、電子−酸化物イオン伝導層1Aと電解質3の間に挟まれている。カソード2は、電解質3を介してアノード1に対向して設けられた対極である。
水蒸気電解セル10は、電解質3としてプロトン伝導性酸化物を用いたものである。
図2は、水蒸気電解セルの動作を示す原理図であり、(a)は電解質にプロトン伝導性電解質を用いたものであり、(b)は電解質に酸化物イオン伝導性電解質を用いたものである。
(酸化物イオン伝導性電解質を用いた水蒸気電解セル)
図2(b)に示す酸化物イオン伝導性電解質を用いた水蒸気電解質のカソードおよびアノードでは次に示すような反応が生じる。
カソード:HO+2e→H+O2− ・・・(1)
アノード:O2−→1/2O+2e ・・・(2)
カソードにおいて式(1)のように水蒸気が水素と酸化物イオンに分解され、酸化物イオンは電解質を移動し、式(2)の反応によりアノードで酸素となる。
図3に水蒸気電解における電解電圧と電流密度の関係の模式図を示す。印加する電流が0mA/cmの時点では開回路電圧(Open circuit voltage:OCV)を示し、電流を印加するにつれて電解電圧は増大していく。増大する電解電圧の内訳は材料抵抗損失およびアノード過電圧、カソード過電圧から成り立つ。材料抵抗損失はセルを構成する電解質およびアノード、カソードの材料自身が持つオーム抵抗に由来する。
また、アノード過電圧およびカソード過電圧は式(1)、(2)の反応に必要な活性化エネルギーが反応抵抗として現れることに起因する。そのため、水蒸気電解は図3のような電流密度−端子電圧曲線(IV曲線)の傾きが小さいほど、少ないエネルギーでの運転が可能であるといえる。
材料抵抗損失や過電圧を減らし、少ないエネルギーで電解を行うにはそれぞれの構成材料に表1に示すような特性が求められる。材料抵抗を減らすために電解質は高いイオン伝導性、アノードおよびカソードは高いイオン・電子混合伝導性を有する材料が必要となる。また、微細構造の点において電解質はカソードとアノードで生成した水素と酸素が直接接触することを防ぐために緻密体であることが求められ、アノードおよびカソードは反応体との接触面積を大きくするために、多孔質な構造を有している必要がある。加えて、アノードおよびカソードの材料は過電圧を抑制するために、それぞれで生じる電極反応に対し高い触媒活性を有する材料が選ばれる。
代表的な水蒸気電解では電解質に安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia:YSZ)などの酸化物イオン伝導体が用いられ、カソードには水素に対し高い吸着・解離能を有するNiが広く用いられている。
Ni単体では高温で多孔質な電極構造を維持することができないため、Niに電解質と同材料を混合したサーメットが用いられることが多い。アノードにはLa1−xSrMnO3−δ(0<x<1)(以下、「LSM」という。)やLa1−xSrCoO3−δ(0<x<1)(以下、「LSC」という。)などのイオン・電子混合伝導性を持つペロブスカイト型酸化物が用いられることが多い。
上記のような代表的な各種の材料を用いた水蒸気電解はYSZの抵抗が小さくなる700〜1000℃の作動温度で用いられている。このような高温では電極の触媒活性が向上するため、過電圧が小さくなり電解反応に必要な電力を抑えることができる。
しかし一方で、電解質にYSZなどを用い高温で作動する水蒸気電解の欠点として、ヒートサイクルにより装置の耐久性が低くなる点や、安価である鉄系の材料をインターコネクト等に用いることができない点があるため製造や維持にかかるコストが多大になる。そのため作動温度の低温化に向けて、低温における電解質と電極の高性能化が課題となっている。
電解質の高性能化に対しては、低温で高いイオン伝導性を有する材料の開発や電解質の薄膜化技術により材料抵抗を抑える研究が行われている。また、電極に関してはカソードに比べアノードの開発で未だ多くの課題が残っており、電極反応に基づく過電圧の抑制や、作動温度で化学的に安定した材料の開発が現在盛んに行われている。また、水蒸気電解を行う際に印加する電流密度を増加させていくと、電流効率(電流に対し生成される水素の比)が下がってゆく現象も問題となっている。
(プロトン伝導性電解質を用いた水蒸気電解セル)
図2(a)に示すプロトン伝導性電解質には、ペロブスカイト型酸化物(組成式:ABO)のAサイト又はBサイトの金属イオンを価数の異なる異種金属で置換した物を用いることができる。
ペロブスカイト型酸化物のAサイト又はBサイトの金属イオンを価数の異なる異種金属で置換すると、電気的中性を保つために酸素空孔が生じ、イオンまたはイオンと電子の混合伝導体となる。ペロブスカイト中を移動するイオン種には酸化物イオンとプロトンがあり、移動するイオン種はペロブスカイト型酸化物の構成元素と水蒸気分圧、温度によって決定される。
SrCe1−x3−δ(0<x<1)(以下、「SCY」という。)やSrZr1−x3−δ(0<x<1)(以下、「SZY」という。)、BaCe1−x3−δ(0<x<1)(以下、「BCY」という。)などの物質は湿潤雰囲気中では、900℃以上の高温で酸化物イオン伝導が主体となり、600℃以下ではプロトン伝導が主体となることが知られている。
これらの物質は構造中の酸素空孔に水分子が入り込み、水分子中の水素がプロトンとなり格子酸素間をホッピングすることで導電性を示す。このときの反応を欠陥平衡式で表すと次のようになる。
ここでV ・・は酸素空孔、O は正規の格子酸素を示し、[]は体積モル濃度を示す。pは分圧、Kはプロトン溶解の平衡定数を表している。式(3)の平衡反応は温度が高くなるほど左向きの反応が強くなるため、式(4)における酸素空孔濃度は大きくなり、プロトン濃度は小さくなる。酸素空孔濃度が大きくなることにより酸素空孔を介して格子酸素が移動できるようになるため、高温では酸化物イオン伝導が、低温ではプロトン伝導が支配的になる。図4にプロトン伝導性酸化物とYSZの電気伝導度の比較を示す。
プロトン伝導性酸化物は、YSZのような酸化物イオン伝導体に比べ、低い温度で高い導電性を示すという特徴を有している。そこで、このような特徴を持つプロトン伝導性酸化物を水蒸気電解の電解質として利用することで、作動温度の低温化に貢献できると考えられる。
このようにプロトン伝導性酸化物は、YSZのような酸化物イオン伝導体に比べ、低い温度で高い導電性を示すという特徴を有している。そこで、このような特徴を持つプロトン伝導性酸化物を水蒸気電解の電解質として利用することで、作動温度の低温化に貢献できると考えられる。
図2(a)に示すプロトン伝導性電解質を用いた水蒸気電解のカソードおよびアノードでは次に示すような反応が生じる。
カソード:2H+2e→H ・・・(5)
アノード:HO→2H+1/2O ・・・(6)
電解質に酸化物イオン伝導体を用いた場合では式(1)のようにカソード側に水蒸気を導入していたのに対し、プロトン伝導体を用いた場合は式(6)のようにアノード側に水蒸気を導入することになる。よって、生成した水素が水蒸気により希釈されることが無く、電解質に酸化物イオン伝導体を用いた場合よりも高純度の水素を取り出すことができる。
(従来の水蒸気電解セルとの違い)
図5は、従来型の水蒸気電解セルの断面模式図である。図5に示す水蒸気電解セル20は、アノード1が電子−酸化物イオン伝導層1Aの一層からなる点が、図1に示す本発明の一態様に係る水蒸気電解セル10と異なる。図1に示す本発明の一態様に係る水蒸気電解セル10は、電解質3における電子リークを防ぐことができる。以下、従来型の水蒸気電解セル20と本発明の一態様に係る水蒸気電解セル10を用いて、電子リークが起きるメカニズム及び抑制するメカニズムについて説明する。
図5に示すアノード1に、水蒸気が導入されると、図6に示すように水分子が酸化され(電子が奪われ)、結果として以下の一般式(7)の反応が生じ、プロトンと酸素分子を生じる。
O→2H+2e+1/2O ・・・(7)
プロトンは電解質に取り込まれ、酸素分子は気相中に放出される。カソードではプロトンが還元され(電子を与えられ)、水素分子を生じる。以上により、水蒸気電解が完了する。
上記電極反応はともにガスが関与するため、アノードもカソードも多孔質構造を取り、ガスの輸送が起きるようになっている。
一般式(7)のアノード反応が100%の割合で起きれば、電流効率は100%となる。すなわち、一般式(7)の反応が「望ましい反応」である。
しかしながら、アノードが電子を奪う際に、水分子からではなく電解質から電子を引き抜いてしまえば、そこには正孔(ホール)が生じ、以下の一般式(8)の反応が生じる。
0(zero)⇒2h+2e ・・・(8)
プロトン伝導体は、酸化雰囲気において欠陥平衡的にホールが安定に存在できる。したがって、一般式(8)示す「望ましくない反応」が起こりうる。この反応は電気分解には寄与しないため、電流効率が1よりも下がる結果となる。
以上のメカニズムにおいて起きる電子リークを抑止するためには、電極反応の結果として正孔を生じない仕組みを設ければよい。
「望ましくない反応」を見ると、それは電解質が直接電子伝導性の材料と接していることが要件となっている。したがって、電解質が直接電子伝導性の電極と接しなければよく、その場合にはホールの生成は起きない。
そのため、電子伝導性を有する電極(電子−酸化物イオン伝導層1A)と電解質3との間に酸化物イオンのみを流す電子ブロッキング層1Bを挿入する方法を考案した。このとき、電子ブロッキング層1Bの電子伝導度(電子輸率)は、電子−酸化物イオン伝導層1Aの電子伝導度より低い。
図7に、本発明の一態様に係る水蒸気電解セル10における反応を模式的に示した模式図を示す。電子ブロッキング層1Bが存在することで、「望ましい反応」すなわち水の酸化は、分割される。
図7に示す符号Aでは一般式(9)の反応が生じ、符号Bでは一般式(10)の反応が生じる。一般式(9)と一般式(10)を足し合わせて、一般式(7)になる。
O→2H+O2− ・・・(9)
2−→2e+1/2O ・・・(10)
この時、電子伝導性を有する電極(電子−酸化物イオン伝導層1A)に用いる材料は、金属などの電子伝導体を用いることができるが、より好ましくは酸化物イオン−電子混合伝導体を用いることができる。さらに、混合伝導体に加えて酸化物イオン伝導性の電解質材料を混合することもできる。
電子伝導性の材料と電解質の間に挟む酸化物イオン伝導体(電子ブロッキング層1B)には、安定化ジルコニアを用いることができるが、セリア系や酸化ビスマス系の材料を用いることができる。上記のように、これらの材料は還元雰囲気において電子伝導性を生じるが、ここで問題にしている酸化雰囲気では、イオン伝導性の割合が極めて高いためである。
また本発明の一態様に係る水蒸気電解セルは、図1の構成に限られない。例えば、図8に示すように、二つの電子−酸化物イオン伝導層1Aと、二つの電子−酸化物イオン伝導層1Aの間に挟まれた電子ブロッキング層1Bと、を有する水蒸気電解セル30としてもよい。図9は、図8に示す水蒸気電解セルにおける反応を模式的に示した図である。この構成においても、最外層の電子−酸化物イオン伝導層1Aと電解質3の間に電子ブロッキング層1Bが挟まれて配設されている。このとき二つの電子−酸化物イオン伝導層1Aは異なる材料を用いてもよい。
図8及び図9に示すように、水蒸気電解セル30は、電子−酸化物イオン伝導層1Aと電解質3が接触している。電子−酸化物イオン伝導層1Aは、触媒活性が電子ブロッキング層1Bより高いため、符号Aにおける一般式(9)で表記される分解反応をより進めることができる。
また図10に示すように、多孔質の電子ブロッキング層1Bを平板状の電子ブロッキング層1B’としてもよい。平板状の電子ブロッキング層1B’は、電解質3との間の電子−酸化物イオン伝導層1Aを完全に被覆しておらず、一部にわずかな開口(通気部)を有する。電子ブロッキング層1B’を平板状にすることで、電子−酸化物イオン伝導層1Aと電子ブロッキング層1B’の界面で、酸素と電子が反応することを避けることができる。
(アノードの高性能化:コンポジット電極)
アノードにおける過電圧は水蒸気電解の性能を制限する要因の一つとなっている。式(6)で示したように、空気極であるアノードでは水蒸気が酸素とプロトンに分解される反応が生じる。この電極反応に基づく過電圧を下げるには、材料自身が有する触媒活性や反応場の改善が重要となる。
水蒸気電解と同様の単セルの構造を持つ固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)では、作動温度800℃程度での空気極に適している材料として、La1−xSrCo1−yFe3−δ(0<x<1、0<y<1)(以下、「LSCF」という。)やSm1−xSrCoO3−δ(0<x<1)(以下、「SSC」という。)、Ba1−xLaCoO3−δ(0<x<1)(以下、「BLC」という。)などのCoをベースとしたペロブスカイト型酸化物が考えられている。
これら3種類の材料を導電性の点で比較すると、SSCが最も高い導電性を有している。次いでLSCFが高い導電性を有している。それぞれの材料の熱膨張率はLa0.8Sr0.2Co0.2Fe0.83−δでは12.9×10−6−1であり、Sm0.5Sr0.5CoO3−δでは20.5×10−6−1、Ba0.5La0.5CoO3−δでは23.47×10−6−1とされている。
SrCe0.90.13−δの熱膨張率は11.1×10−6−1と報告されているため、電解質にSCYを用いるとすれば熱膨張率の差が大きいSSCやBLCはヒートサイクルによる電極の剥離が生じやすくなる。一方で、水蒸気電解やSOFCの空気極にこれらの電極を用いた場合、BLC、SSC、LSCFの順に過電圧が低く、酸素の吸着・解離に対する触媒活性はBLCが最も高いと考えられる。このような特徴を持つ材料の中で水蒸気電解に最も適した材料を選択することがアノードの高性能化を図る上で重要となる。
図11にアノードにおける反応経路の概略図を示す。水蒸気およびアノード、電解質の3つが接する三相界面が反応場となる。この三相界面を増やせば、電極反応がより円滑に進められ過電圧を低減できると考えられる。図11中、符号Rは反応場を示す。
アノードに電解質と同材料を添加しコンポジット電極とすることで過電圧の抑制が可能である。すなわち電解質3と接する電極層(電子−酸化物イオン伝導層1A)を構成する材料として、酸化物イオン−電子混合伝導体にプロトン伝導性酸化物材料を添加したコンポジット電極とすることができる。
図12は、電極層と電解質の界面の反応場の分布図であり、(a)は酸化物イオン−電子混合伝導体のみを用いた場合の反応場の分布図であり、(b)は酸化物イオン−電子混合伝導体に電解質と同様のプロトン伝導性酸化物材料を混合した場合の反応場の分布図を示す。図12中、符号1Aaは電子−酸化物イオン伝導体であり、符号3aは電解質3と同様の材料からなるプロトン伝導性酸化物であり、Rは反応場である。
図12(a)の場合、反応場は電解質と電極の界面である平面上に限られる。これに対し、図12(b)の場合、すなわち、電極材料に電解質と同様のプロトン伝導性酸化物を混ぜると、反応場は電極層の内部にも存在し、反応場の分布領域が増大する。また、アノードに電解質と同様の材料を加えることにより電解質と電極間での熱膨張率の差が縮まり電極層の剥離を抑える副次的効果が期待できる。
(アノードの高性能化:コンポジット電極を構成する材料の微細化)
図13に示すように、電解質3と接する電極層をコンポジット電極とする際に、酸化物イオン−電子混合伝導体1Aaとプロトン伝導性酸化物材料3aのいずれか一方または両方の平均粒径を100nm以下の粒子とすることで、より反応場の分布領域を増大できる。平均粒径は、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。
電極の原料となる粒子は、通常、平均粒径が数百nm以上である。粒子はボールミル等の粉砕法により粉砕することで粒径を減少させることが望ましい。一方で、ボールミルの場合の粒径の下限が数百nm程度である。
より微細な平均粒径の粒子を調製する方法としては、ブレークダウン法及びビルドアップ法の2種類がある。ブレークダウン法は乾式の方法と湿式の方法があり、ビルドアップ法は気相法と液相法がある。
乾式のブレークダウン法としては、ジェットミル、ハンマーミル、ローラーミル、ピンディスクミル、衝撃せん断ミル、ボールミル等がある。
湿式のブレークダウン法としては、湿式ジェットミル、振動ミル、転動ミル、ビーズミル、高圧流体衝突ミル、湿式ボールミル等がある。
気相法のビルドアップ法としては、気相化学反応法、プラズマ法、レーザー法、高周波加熱法、蒸発法、熱分解法がある。
液相法のビルドアップ法としては、重合法、均一沈殿法、水熱合成法、アルコキシド法、晶析法、凍結乾燥法がある。
ビルドアップ法は原子または分子の領域から超微粒子を生成する方法であるが、所望の組成を達成するのが難しい。特に、電極あるいは電解質には一般に複雑な組成の材料が用いられるため、本手法は適していない。
ブレークダウン法は固体物質を衝撃や圧縮、せん断、摩擦などの機械的エネルギーにより粉砕する方法である。ブレークダウン法はビルドアップ法に比べ、工程が少なく安価に超微粒子を製造できるという利点がある。また何より、すでにある材料を粉砕するので、両行に粉砕が行われた場合に、所望の組成の材料のナノ粒子が得られることになる。したがって、電極や電解質材料の粉砕に適する。
超微粒子の調製法を用いて電極の材料を微細化することで、反応場を増加させ過電圧の抑制が可能である。粗大な電解質材料の粒子を添加した場合よりもこのように微粒子化した電解質材料を添加することで反応場の数はより増加する。また、超微粒子を用いることで電解質材料の焼結性が向上しアノードの焼付け温度の低下が期待できる。焼付け温度が低下すれば、LSCF等の電極材料中に含まれる遷移金属元素の電解質への拡散が抑えられ、電解質の電気伝導度の劣化を防ぐことが可能となる。
(固体酸化物形燃料電池)
以上、電気化学セルとして水蒸気電解セルを用いた例を説明した。電気化学セルは水蒸気電解セルに限られず、固体酸化物形燃料電池を用いてもよい。
固体酸化物形燃料電池の構成としては、図1、図8、図10に示す水蒸気電解セルと同様の構成を用いることができる。
図14は、固体酸化物形燃料電池における反応を模式的に示した図である。図14に示すように固体酸化物形燃料系電池の電解質13は、酸化物イオン伝導性を有する。また二つの電子−酸化物イオン伝導層11Aと11Cに挟まれた電子ブロッキング層11Bは、プロトン伝導性を有する。そのため、図14に示す符号Aでは以下の一般式(11)、符号Bでは一般式(12)で示される反応が、2段階に生じる。
2H+O2−→HO ・・・(11)
→2H+2e ・・・(12)
電子ブロッキング層11Bは電子伝導性が低いため、「望ましくない反応」を避けることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1としてアノード材料種を検討した。
「電解質基板の作製」
電解質に用いるSrZr0.5Ce0.40.13−δ(以下、SZCY541という)は化学溶液法を用いて調製した。調製に用いた試薬を表2に示し、調製手順を図15に示す。目的金属元素を含んだ4つの硝酸塩でそれぞれ水溶液を作製し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製:ICPE−9000)により溶液中の目的金属元素の濃度を測定した。そして、ICP発光分析の結果を元に任意の組成比になるよう硝酸塩水溶液を混合し、クエン酸およびエチレンジアミン四酢酸、アンモニア水を添加した。この混合液を乾燥させ、現れた析出物を900℃で仮焼しボールミルによる湿式粉砕を行った。粉砕後乾燥させた粉末を250MPaで冷間静水圧加圧(Cold isostatic pressing:CIP)成形し、1700℃で10時間の焼成を行うことで電解質となるSZCY541のディスクを作製した。SZCY541のディスクのXRDパターンをX線回折装置(株式会社リガク製 UltimaIV)により測定した。
「カソードの作製」
カソードに用いるSZCY541は表2と同様の試薬を用い、図16の手順で作製した。SZCY541の仮焼までは電解質と同様に行い、その後1350℃で本焼し、遊星型ボールミル(Fritsch Company Limited製、PULVERISETTE P−7)によりエタノール中で粉砕した。粉砕に用いるメディアは直径15mmのZrOボールを用いた。粉砕後にSZCY541の粉末のXRDパターンをX線回折装置により測定した。
NiO−SZCY541を用いたカソードの作製に使用した試薬を表3に示し、作製の手順を図17に示す。NiOおよびSZCY541粉末を体積比6:4の割合で、遊星型ボールミルを用いて混合した後、エチルセルロース(バインダー)およびイソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルを添加し混合することで、NiO−SZCY541ペーストを作製した。このペーストを電解質基板上にスクリーンプリントし、1400℃で30分間加熱することでNiO−SZCY541をSZCY541の基板に焼付けた。
「アノードの作製」
アノードに用いる材料であるLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−δ(以下、「LSCF6428」という)およびBaLa0.5Co0.53−δ(以下「BLC55」という)、SmSr0.5Co0.53−δ(以下、「SSC55」という)をそれぞれ化学溶液法により調製した。調製に用いた試薬を表4に示し、調製手順を図18に示す。
目的の金属元素を含むそれぞれの硝酸塩を水溶液としICP発光分析装置により濃度を測定した後、任意の組成となるように硝酸塩水溶液およびクエン酸およびエチレンジアミン四酢酸、アンモニア水を混合した。この混合液を乾燥させ、現れた析出物を900℃で仮焼し1100℃で本焼を行った。本焼後に遊星型ボールミルによりエタノール中で粉砕を行いLSCF6428およびSSC55、BLC55の粉末を作製した。粉砕後のLSCF6428およびSSC55、BLC55のXRDパターンをX線回折装置により測定した。得られた粉末をエチルセルロースおよびイソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルと混合しペースト状にした後、NiO−SZCY541を焼付けた面と反対側のSZCY541基板上にスクリーンプリントし1000℃で焼付けた。
「水蒸気電解試験」
電解質にカソードおよびアノードを焼付けた試料は図19のように装置に取り付け、水蒸気電解の試験を行った。水蒸気電解の作動温度は600℃とし、アノードには2%加湿した1%O−Arガスを30mL・min−1の流量で導入し、カソードには2%加湿した1%H−Arガスを30mL・min−1の流量で導入した。
以上の条件下で、アノードおよびカソードに直流電流を印加し、電流遮断法により材料抵抗損失および過電圧の測定を行った。また、カソード側から排出されたガスの流量およびH濃度を膜流量計(株式会社堀場製作所製:SF−2U)およびガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies Incorporated製:490 Micro GC)により測定し、以下の一般式(13)より水素発生速度を算出した。
上式においてVH2,exp(mol・min−1・cm−2)は水素発生速度、Q(mL・min−1)はカソードのガス流量、φH2は電流印加時のH濃度、QVO(mL・min−1)は電流を印加しない状態でのガス流量、φH2,0は電流を印加しない状態でのH濃度、T(℃)は室温、S(cm)は電極面積を示す。
「結果」
化学溶液法により作製した各材料のXRDパターンとPowder diffraction file(PDF)とを比較した結果、いずれも所望の材料が得られていることを確認した。またPDFに相当するピーク以外の第二相の物質ピークは確認されなかった。
また各アノード材料を電解質に焼き付けた後の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:株式会社トプコン製SM−350)を用いて確認した。LSCF6428またはBLC55を用いた場合では、アノードが電解質に密着しており、良好な状態で電極が焼付いていた。一方で、SSC55を用いた場合ではアノードと電解質の間に空間があり、電極の剥離が生じた。
図20は、各アノードを用いた場合の水蒸気電解試験の結果を示す。
図20(a)に示すIV曲線ではSSC55、BLC55、LSCF6428の順に緩やかな傾きの曲線がえられた。また、図20(b)の材料抵抗損失においてもIV曲線と同様の順位の傾きが得られた。図20(c)のアノード過電圧はLSCF6428およびSSC55の値は同程度であるのに対し、BLC55を用いた試料では高い値を示した。図20(d)のカソード過電圧はLSCF6428およびSSC55、BLC55を用いたいずれの試料でも同程度の値が得られた。図20(e)の水素発生速度ではLSCF6428およびSSC55を用いた試料では同程度の値を示したが、BLC55を用いた試料では他の試料に比べ高い水素発生速度を示した。
図20(b)の材料抵抗損失の差異はアノードの材料の導電性の影響としては大きすぎるため、アノードまたはカソードと集電極での接触抵抗や電極の剥離が複合的に影響していると考えられる。図20(c)においてアノードの過電圧が最も大きかったBLC55を用いた試料は、図20(e)において最も高い水素発生速度を示した。
この結果から一般式(7)の反応と一般式(8)の反応の生じる割合がアノード過電圧に影響を及ぼすと考えられる。一般式(7)の反応に比べ、一般式(8)の反応の方が反応の進行に必要な活性化エネルギーが小さいとすれば、アノード過電圧が低くとも一般式(7)の反応が円滑に行われているとは限らない。よって、3種類のアノードの材料の中では、電流効率が最も高いBLC55が最も優位である。
(実施例2)
実施例2としてアノードの高性能化(コンポジット電極)を検討した。
電解質基板及びカソードは、実施例1と同様の方法で作製した。
アノードに用いるコンポジット電極には、SZCY541とBLC55を用いた。
BLC55およびSZCY541の粒子径は、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置(Malvern Instruments Limited製:Zetasizer Nano−ZS)により測定した。
コンポジット電極の作製手順を図21に示す。BLC55およびSZCY541を体積比1:1の割合で遊星型ボールミルを用いエタノール中で混合した後、エチルセルロースおよびイソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルを添加し混合することで、BLC55およびSZCY541を混合したペーストを作製した。このペーストをNiO −SZCY541を焼付けた面の反対側のSZCY541基板にスクリーンプリントし、1000℃で30分間加熱し焼付けた。焼付け後のアノードをSEMにより観察した。
また、BLC55−SZCY541の反応場の変化を調べるためにBLC55単体またはBLC55−SZCY541のスクリーンプリントする回数を1回、3回、5回と変化させアノード層の厚さをSEMで観察した。
次いでコンポジット電極に用いるSZCYを超微粒子化した超微粒子含有コンポジット電極を作製した。超微粒子含有コンポジット電極用のSZCY541超微粒子の調製手順を図22に示す。超微粒子の調製には遊星型ボールミルを用いた。SZCY541粉末をエタノール中にて直径2mmのZrOボールを用い500rpmで1時間の予備粉砕を行い、次に直径0.05mmのZrOビーズにより再度エタノール中にて800rpmで10時間の粉砕を行った。
ビーズミル後のSZCY541の粒子径は、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置により測定した。また、ビーズミル後のSZCY541のXRDパターンをX線回折装置により測定した。その後、図23に示すように、BLC55およびビーズミル後のSZCY541スラリーを遊星型ボールミルにより混合し、エチルセルロースおよびイソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルを添加しBLC55およびビーズミル後のSZCY541を混合したペーストを作製した。このペーストをNiO−SZCY541を焼付けた面の反対側の基板にスクリーンプリントし、900℃または1000℃で焼付けた。電極の微細構造をSEMにより観察した。
図24にコンポジット電極に用いたボールミルを施したBLC55およびSZCY541の粒度分布を示す。散乱強度を基準とした場合の最頻粒径はBLC55が0.53μmであり、SZCY541が0.82μmであった。
図25及び図26にBLC55単体及びBLC55にボールミルを施したSZCY541を添加したアノードの焼付け後のSEM像を示す。その結果、BLC55単体を用いた場合とBLC55にSZCY541を添加した場合ともに多孔質な電極構造であるが、SZCY541を添加したアノードではBLC55単体を用いた場合に比べ粗大な粒子が観察された。
図27にスクリーンプリント回数を変化させた場合のアノード断面のSEM像を示す。BLC55単体およびBLC55にボールミルを施したSZCY541を添加した場合ともにスクリーンプリント回数におおよそ比例してアノード層の厚さも上昇していることがわかる。
図28にボールミルを施したSZCY541をアノードに添加した場合の水蒸気電解試験の結果を示す。図28(b),(d),(e)の材料抵抗損失およびカソード過電圧、水素発生速度はいずれのアノードを用いた場合でもおおよそ同程度の値を示した。図28(c)のアノード過電圧はBLC55単体およびボールミルを施したSZCY541を添加したBLC55ともにスクリーンプリント回数が1回と5回のときは同程度の過電圧を示し、スクリーンプリント回数が3回のときに最も低い過電圧を示した。しかし、いずれのスクリーンプリント回数でもSZCY541を添加したことで過電圧が抑制されることはなかった。
図29に超微粒子含有コンポジット電極に用いたボールミルを施したSZCY541およびビーズミルを施したSZCY541の粒度分布を示す。散乱強度を基準とした場合におけるビーズミルを施したSZCY541の最頻粒子径は0.12μmであった。
図30にボールミルを施したSZCY541およびビーズミルを施したSZCY541のXRDパターンを示す。XRDパターンのピーク位置と半価幅からビーズミル後のSZCY541はペロブスカイト構造を保ちつつ結晶子が微細化していることが分かる。図29および図30の結果よりSZCY541をビーズミルすることにより超微粒子のSZCY541を得ることに成功した。
図31及び図32にビーズミルを施したSZCY541を添加したアノードの焼付け後のSEM像を示す。BLC55にビーズミルを施したSZCY541を添加し900℃で焼付けたアノードは緻密な構造を有しており、BLC55にビーズミルを施したSZCY541を添加し1000℃で焼付けたアノードは表面の観察像において多数のクラックが見られた。
図33にビーズミルを施したSZCY541をアノードに添加した場合の水蒸気電解試験の結果を示す。図33(b)ではビーズミルを施したSZCY541をアノードに添加したいずれの試料も、BLC55のみを用いたアノードに比べ高い材料抵抗損失を示した。また、図33(c)ではビーズミルを施したSZCY541を添加し900℃で焼付けた試料において著しく高いアノード過電圧を示した。図33(e)では、ビーズミルを施したSZCY541をアノードに添加し900℃で焼付けた場合の水素発生速度は最も高い値を示した一方で、SZCY541超微粒子を添加し1000℃で焼付けた場合では水素発生速度は低い値を示した。
図27および図28の結果より、アノード層の厚さが増加してもボールミルを施したSZCY541を添加したアノードの過電圧が下がることは無かった。よって、ボールミルを施したSZCY541を添加してもアノード層の内部に反応場は存在せず、反応場の増加は生じていないと考えられる。反応場の増加が生じなかった原因としてはアノードに添加したSZCY541の粒子が粗大であったことが挙げられる。SZCY541の粒子が粗大であるために、アノード層の内部でSZCY541の粒子同士が密着せず電解質へのプロトンの伝導パスが形成されなかったと考えられる。
ビーズミルを施したSZCY541を添加し900℃でアノードを焼付けた場合に、図31のようにアノードが緻密になったのはSZCY541が微粒子化したことにより焼結温度が下がったためだと考えられる。また、図32のように焼付け温度を1000℃にした場合では、BLC55の周囲のSZCY541はより緻密となったが、緻密化した分BLC55とSZCY541の熱膨張率の違いにより生じるひずみを空孔へ逃がすことができず、クラックが発生したのではないかと考えられる。
アノードの微細構造観察と図33(c)の結果を合わせると、超微粒子化したSZCY541を添加したアノードは電極が緻密になりすぎたため、BLC55単体を用いた場合よりも反応場の数が減少し、過電圧の低減に至らなかったと考えられる。また、超微粒子化したSZCY541を添加し1000℃で焼付けたアノードは緻密化し電極内部にクラックが生じたため900℃で焼付けた場合に比べ反応場の数は多いが、BLC55単体を用いた場合に比べると反応場の数は減少していると考えられる。
図33(b)における材料抵抗損失から抵抗を算出すると、アノードにBLC55のみを用いた試料では29Ωであったが、BLC55に超微粒子化したSZCY541を添加し900℃で焼付けた試料では137Ωと著しく高い値を示しているため、アノードの違いによる差ではなく電極と集電極間の接触抵抗等が含まれた結果と考えられる。
(実施例3)
実施例3としてアノードへ電子ブロッキング層を導入した。
電解質基板及びカソードは、実施例1と同様の方法で作製した。電子ブロッキング層の作製に用いた試薬を表5に示す。
電子ブロッキング層にはCe0.9Gd0.11.95(以下、「GDC10」という)を用いた。図34に示すような電子ブロッキング層が多孔質(符号1B)なもの、及び緻密なもの(符号1B’)の2種類の試料を作製した。
電解質と電子ブロッキング層の間の電子−酸化物イオン伝導層1AにはBLC55を選択し、電子ブロッキング層の上側の電子−酸化物イオン伝導層1Cには導電性およびGDC10への焼付き性が高いと考えられるLSCF6428を選択した。
図34(a)のように多孔質な電子ブロッキング層を導入する試料はまず、SZCY541の基板上にBLC55をスクリーンプリントし、その上にGDC10およびエチルセルロース、イソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルを混合したペーストをスクリーンプリントした。さらにGDC10の上にLSCF6428をスクリーンプリントし、1000℃で30分間加熱することでBLC55およびGDC10、LSCF6428を電解質上に焼付けた。
また、図34(b)のように緻密な電子ブロッキング層を導入する試料は、あらかじめ1550℃で10時間加熱し焼成したGDC10のディスクを厚さ0.5mmになるよう研磨し、GDC10の上面にはLSCF6428をスクリーンプリントし、SZCY541の電解質の上面にはBLC55をスクリーンプリントした上でGDC10のディスクとSZCY541の電解質を重ね合わせ1000℃で焼付けを行った。
以上の工程により作製した試料を用いて実施例1の条件で水蒸気電解試験を行った。また、アノードにおけるOの存在が水素発生速度に及ぼす影響を調べるために、アノードに30mL・min−1から90mL・min−1の流量で2%加湿したArを導入した場合の水蒸気電解試験を行った。
図35に水蒸気電解試験の結果を示す。アノードに1%O−Arを導入し、BLC55単体を用いた場合とGDC10の層を導入した場合のプロットを比較すると、図35(a)のIV曲線ではアノードにBLC55のみを用いた試料が最も緩やかな傾きの曲線を描いており、抵抗が低い。
図35(b)の材料抵抗損失ではBLC55のみを用いた試料が最も小さな傾きを示しており、多孔質なGDC10の層を導入した試料ではBLC55をわずかに上回る傾きを示した。また、緻密なGDC10の層を導入した試料では極めて大きな傾きを示した。
図35(c)のアノード過電圧はBLC55のみを用いた試料が最も低い過電圧を示し、次いで多孔質なGDC10の層を用いた試料が低い過電圧を示した。
図35(d)のカソードの過電圧もアノードと同様にBLC55のみの試料、多孔質なGDC10の層を導入した試料、緻密なGDC10を導入した試料の順に低い過電圧を示した。
図35(b)、(c)、(d)の結果ではBLC55のみをアノードに用いた試料が最も低い損失を示していた一方で、図35(e)の水素発生速度ではBLC55のみを用いた試料が最も低い値を示した。GDC10の層を導入した試料ではBLC55のみの試料を上回る水素発生速度を示しており、GDC10の層が多孔質であった場合と緻密であった場合はおおよそ同じ曲線上の値を示す結果となった。
アノードに30mL・min-1の流速で2%加湿したArを導入した場合の水蒸気電解の結果と1%O−Arを導入した場合の結果を比較すると、図35(c)、(d)ではGDC10の層を導入した試料で過電圧の上昇が見られたが、図35(b)の材料抵抗損失ではアノードのガスを変えたことによる差異は見られなかった。また、図35(e)ではGDC10を導入した試料においてわずかな水素発生速度の上昇が見られた。
図36に多孔質なGDC10の層を導入した試料において、119mA・cm−2の直流電流を印加しつつ、アノードに導入する2%加湿したArの流量を変化させた場合の水素発生速度を示す。Arの流量を30ml・min-1から90ml・min-1へと増やしていくと水素発生速度も次第に増加する結果となった。
電子ブロッキング層を導入した試料ではアノードで複数の層を重ねているため、図35(b)の材料抵抗損失においてアノードにBLC55のみを用いた試料を上回る値を示している。特に、緻密なGDC10の層は0.5mmの厚さを有しているため、スクリーンプリントによりGDC10を形成した場合よりも大きな値を示したと考えられる。
図35(c)の過電圧がGDC10の層を導入した試料で増大したのは、電子ブロッキング層を導入したことにより電極反応に複数の段階が存在することの影響が考えられる。また、GDC10の層が多孔質または緻密である試料の間で過電圧の値が大きく異なるのはLSCF6428とGDC10の界面での反応場の数が影響していると考えられる。
緻密で平面なGDC10の表面よりも多孔質で凹凸のあるGDC10の方がBLC55およびLSCF6428との接触面積が広く反応場が多くなると考えられる。図35(e)の水素発生速度がGDC10の層を導入した場合に上昇したのは、GDC10が電子ブロッキング層として働き、hの生成が抑制されたためだと考えられる。
一方で、水素発生速度の測定結果は、理論値を下回る結果となった。アノードに2%加湿した1%O−Arを導入した場合と2%加湿したArを導入した場合の結果を比較すると、2%加湿したArを導入した場合においてGDC10の層を導入した試料では図35(e)の水素発生速度はわずかに上昇していた。また、2%加湿したArの流量を増加させるに従って、水素発生速度が上昇した。よって、これらの結果から電子ブロッキング層とOの存在が水素発生速度に影響を及ぼすことがわかる(図36参照)。すなわち、電子ブロッキング層を緻密な層とし、発生する酸素の位置と電子ブロッキング層の位置とを分離することにより更なる性能改善が期待される。
1…アノード、2…カソード、3…電解質、1A…電子−酸化物イオン伝導層、1B,1B’…電子ブロッキング層、1C…電子−酸化物イオン伝導層、10,20,30,40…水蒸気電解セル

Claims (3)

  1. プロトン伝導性を有する固体電解質と、
    前記固体電解質の一面に付設された電気化学セル用電極と、
    前記固体電解質の前記電気化学セル用電極と反対側の一面に付設された対極と、を備え、
    前記電気化学セル用電極は、水蒸気電解セルのアノード又は燃料電池のカソードであり、
    前記電気化学セル用電極は、電子及び酸化物イオンを伝導する2層の電子−酸化物イオン伝導層と、前記電子−酸化物イオン伝導層に積層された電子ブロッキング層と、を有し、
    前記電子ブロッキング層は、前記2層の電子−酸化物イオン伝導層の間に挟まれ、
    前記電子ブロッキング層は、多孔質であり、
    前記電子ブロッキング層は、酸化物イオン伝導性を有し、
    前記電子ブロッキング層の電子伝導度は、前記電子−酸化物イオン伝導層の電子伝導度より小さい、電気化学セル。
  2. 酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、
    前記固体電解質の一面に付設された電気化学セル用電極と、
    前記固体電解質の前記電気化学セル用電極と反対側の一面に付設された対極と、を備え、
    前記電気化学セル用電極は、水蒸気電解セルのカソード又は燃料電池のアノードであり、
    前記電気化学セル用電極は、電子及び酸化物イオンを伝導する2層の電子−酸化物イオン伝導層と、前記電子−酸化物イオン伝導層に積層された電子ブロッキング層と、を有し、
    前記電子ブロッキング層は、前記2層の電子−酸化物イオン伝導層の間に挟まれ、
    前記電子ブロッキング層は、多孔質であり、
    前記電子ブロッキング層は、プロトン伝導性を有し、
    前記電子ブロッキング層の電子伝導度は、前記電子−酸化物イオン伝導層の電子伝導度より小さい、電気化学セル。
  3. 前記2層の電子−酸化物イオン伝導層は、それぞれ異なる材料からなる、請求項1又は2に記載の電気化学セル。
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