JP6748418B2 - 耐力壁構造 - Google Patents

耐力壁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6748418B2
JP6748418B2 JP2015217576A JP2015217576A JP6748418B2 JP 6748418 B2 JP6748418 B2 JP 6748418B2 JP 2015217576 A JP2015217576 A JP 2015217576A JP 2015217576 A JP2015217576 A JP 2015217576A JP 6748418 B2 JP6748418 B2 JP 6748418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
bearing wall
wall structure
load bearing
bolt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015217576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017089155A (ja
Inventor
山口 高広
高広 山口
藤田 剛
剛 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BX Kaneshin Co Ltd
Original Assignee
BX Kaneshin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BX Kaneshin Co Ltd filed Critical BX Kaneshin Co Ltd
Priority to JP2015217576A priority Critical patent/JP6748418B2/ja
Publication of JP2017089155A publication Critical patent/JP2017089155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6748418B2 publication Critical patent/JP6748418B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

本発明は、建築物における耐力壁構造に関する。
従来、下記特許文献1に記載の耐力壁構造が提案されている。特許文献1に記載の耐力壁構造は、上下それぞれに配置した梁と、左右それぞれに配置した柱から枠状に構成される枠体部を備えている。枠体部の内側の四隅に、梁と柱の組付部分を補強する補強金具が取付けられている。
特開2008−308820号公報
この種の耐力壁構造において、柱間の距離を小さく設計する必要が生じる場合がある。しかしながら、柱間の距離が小さい耐力壁では、枠体部の縦方向の長さが横方向の長さに対比的に長くなるから、水平方向荷重に耐えにくくなる。このため、例えば枠体部に筋交いを施すことが行われる。しかしながら、そもそも柱間の距離が小さいため、筋交いの傾斜を急峻にせざるを得なく、そうなると、筋交いの機能が果たせず、強度が期待できない。
そこで本発明は、柱間の距離に拘わらず、特に柱間の距離が短い場合でも、強度を確保し得る耐力壁構造の提供を課題とする。
本発明の耐力壁構造は、枠体部に筋交いが設けられない場合に適用される耐力壁構造において、枠組付部材と枠固定部材とを備え、前記枠組付部材は、柱および梁を備えた前記枠体部における該柱および梁の当接部分を固定すべく、前記柱に沿う縦方向部および梁に沿う横方向部を備え、前記枠固定部材は、前記枠体部の外側に配置される構造体である外側構造体に該枠体部を固定すべく、前記外側構造体のうち梁に対する外側構造体へ向けて柱を固縛する固縛部材を備え、前記枠組付部材と枠固定部材とが組付けられてなることを特徴としている。
本発明の耐力壁構造によれば、枠体部における柱および梁の当接部分が枠組付部材により固定されており、枠固定部材の固縛部材により枠体部の柱が、枠体部の梁の外側の外側構造体に向けて固縛されており、枠組付部材と枠固定部材とが組付けられていることにより、枠体部に対して、これを傾かせる荷重が働いた場合や、枠体部に引抜き荷重や圧縮する方向の荷重が働いた場合に、これらの荷重は枠組付部材と枠固定部材とに分散される。
本発明の耐力壁構造では、前記枠組付部材と枠固定部材とは、前記固縛部材によって前記横方向部を前記梁へ向けて締付けることで組付けられてなる構成を採用できる。
上記構成のように、枠組付部材と枠固定部材とが固縛部材によって横方向部を梁へ向けて締付けて組付けられている。
本発明の耐力壁構造では、前記枠組付部材は、前記縦方向部と横方向部とを傾斜して支持する斜材を備え、前記固縛部材は、前記斜材における前記横方向部への取付部と縦方向部との間にあって前記横方向部を前記梁に締付けている構成を採用できる。
上記構成のように、縦方向部と横方向部とを傾斜して支持する斜材を備えていることで、縦方向部と横方向部とが強固に固定されて枠組付部材の強度が上げられ、固縛部材を斜材における横方向部への取付部と縦方向部との間という制限された範囲に配置することで、固縛部材を縦方向部の近傍に配置することになり、したがって、固縛部材で横方向部を梁に締付けることで、枠体部の四隅のうちの一箇所を支点するよう枠体部を回転させる方向の枠体部に引抜きの荷重に耐え得る。
本発明の耐力壁構造では、横方向に離間した柱どうしの離間幅が、600mm未満である構成を採用できる。
本発明の耐力壁構造によれば、枠体部にこれを傾かせる荷重が働いた場合や、枠体部にこれを引抜く荷重、または圧縮荷重が働いた場合に、柱どうしの離間幅が600mm未満であっても、枠組付部材と枠固定部材とで荷重を受けて、該荷重に耐え得る。
本発明の耐力壁構造では、前記枠固定部材は、柱に固定される支持体と、前記横方向部および支持体を固定するボルトとをさらに備え、該ボルトは、上側ボルトと下側ボルトに分割された構成を採用できる。
上記構成のように、横方向部および支持体を固定するボルトを上側ボルトと下側ボルトに分割すれば、各ボルトの長さが短くなるから、その分だけ軸力に対して座屈荷重が大きくなる(座屈が生じにくい)。特に、下側のボルトにおいては、例えば下側梁からの突出量が多くならず、したがって、耐力壁構造の施工現場においては、下側梁に対する柱の持上げ量を大きくすることがないため、施工性を低下させることもない。
本発明の耐力壁構造によれば、枠体部における柱および梁の当接部分が枠組付部材により固定されており、枠固定部材の固縛部材により枠体部の柱が、枠体部の梁の外側の外側構造体に向けて固縛されており、枠組付部材と枠固定部材とが組付けられていることにより、枠体部に対して、これを傾かせる荷重が働いた場合や、枠体部に引抜き荷重や圧縮する方向の荷重が働いた場合に、これらの荷重は枠組付部材と枠固定部材とに分散されるから、柱間の距離に拘わらず枠体部の強度を向上し得る。
本発明の一実施形態に係る耐力壁構造を説明するための正面図である。 同枠組付部材および下側ホールダウン金物構造による柱と下側梁との組付状態を表す拡大図である。 同枠組付部材および上側ホールダウン金物構造による柱と上側梁との組付状態を表す拡大図である。 同枠組付部材を表し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 同支持体を表し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 本発明の別の実施形態に係る耐力壁構造を説明するための正面図である。 同枠組付部材および上側ホールダウン金物構造による柱と上側梁との組付状態を表す拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る耐力壁構造を、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態に係る耐力壁構造1は、枠体部5を備える。枠体部5は、左右にそれぞれ配置した柱2,2と、柱2,2を上下端でそれぞれ固定するよう配置された下側梁3、および上側梁4とを備えて枠状に構成される。耐力壁構造1は、枠組付部材6と枠固定部材7,8とをさらに備える。
下側梁3は土台梁である。上側梁4は枠体部5の上部である。本実施形態における耐力壁構造1は、例えば家屋の一階部分を構成する。両柱2,2の中間位置には、補助柱9が配置されている。各柱2,2、下側梁3、上側梁4は、ビス(接合ビス)10によって位置決めされている。
枠組付部材6は、図1ないし図4(特に図4)に示すように、枠体部5における柱2,2、下側梁3、上側梁4の直交する当接部分(繋ぎ部分)を固定するための金具(金物)である。このため、枠組付部材6は、枠体部5の内側の四隅に配置されている。何れの枠組付部材6の構成も同様であるが、上下方向で反転使いさせるか、横方向で反転使いさせるかして、前記四隅に用いられている。以下には一個の枠組付部材6の構成を代表して説明する。
枠組付部材6は、柱2に沿う板状の縦方向部11および、下側梁3に沿う板状の横方向部12を備えて、正面視してL字型に一体的に形成されている。横方向部12の横方向長さに比べ、縦方向部11の縦方向長さは充分に長く形成されている。縦方向部11と横方向部12とは直交しており、同じ幅に形成されている。
縦方向部11は、図4(a)で示すように、側面視して縦長の矩形に形成され、四方縁部を残して板面の中ほどが矩形に切欠かれることで、切欠13が形成されている。四方縁部のうちの一方縦縁部14Aにおいて横方向部端位置(下端)に、一方縦縁部14Aから立ち上がるようにした別部材である補強片15が、溶接により一体的に形成されている。縦方向部11には、これを柱2,2に固定するためのビスを挿入するビス孔11aが形成されている。
図4(c)に示すように、横方向部12は、平面視して階段状に形成されている。階段状に形成することで、柱2,2の間が狭い場合(600mm未満)にでも、横方向で反転使いする際に、横方向部12どうしが互いに干渉されないようにすることができる。
具体的に、横方向部12は縦方向部11につながって縦方向部11と同幅の基端部20と、基端部20から延長されて基端部20に比べて狭幅の中間部21と、中間部21から延長されて中間部21よりも狭幅の先端部22とを一体的に備えている。基端部20と中間部21、中間部21と先端部22が、横方向部12の幅を段階的に狭くする段付辺23,24によって連続されている。横方向部12には、これを下側梁3、上側梁4に固定するためのビスを挿入するビス孔12aが形成されている。特に、中間部21の板面には、後述するアンカーボルト25を挿通させる挿通孔26(長孔)が形成されている。
図4(b)に示すように、枠組付部材6は、板状の斜材27をさらに備えている。斜材27は縦方向部11と横方向部12とに渡すよう傾斜して設けられている。斜材27の一端側が、縦方向部11の他方縦縁部14Bの上部に溶接されており、他端側が横方向部12の板面の長手方向途中のうち、先端部22の板面に溶接されている。
上下の枠固定部材7,8は、枠体部5の外側に配置される構造体である外側構造体に枠体部5を固定するためのもので、ホールダウン金物構造とも称される。ホールダウン金物構造は、各枠組付部材6と組付けられる。以下、下側の枠固定部材7を下側ホールダウン金物構造7と称し、上側の枠固定部材8を上側ホールダウン金物構造8と称する。
外側構造体とは、下側では例えば基礎28であり、上側では根太29である。上下のホールダウン金物構造7,8は構造を異ならせているが、枠組付部材6と同様に前記四隅に用いられている。一対の下側ホールダウン金物構造7は同一構成のものを左右使いされている。一対の上側ホールダウン金物構造8は同一の構成のものを左右使いされている。
下側ホールダウン金物構造7は、図5に示す支持体30と、筒状体31と、図2に示すアンカーボルト25と、固縛部材である下ナット32と、第一両引ボルト33と、上ナット34とを備える。
支持体30は、柱2に固定されるものであり、平板状の背壁35と、背壁35の上下方向に沿うよう背壁35の両側辺に一体的に立ち上がるよう形成された両側の側壁36とから、山形鋼形状(断面コ字形)に形成されている。背壁35が枠組付部材6の縦方向部11に形成された切欠13内に収められて、柱2に固定される。背壁35には、これを柱2,2に固定するためのビスを挿入するビス孔35aが形成されている。筒状体31は、最大幅を支持体30の側壁36間の距離に略等しく形成されており、支持体30の下部に溶接されている。
図2に示すように、アンカーボルト25は、その下端部を基礎28のコンクリートに埋設されており、先端側が下側梁3を挿通して枠体部5内に突出されている。アンカーボルト25は、中間部21の板面に形成されている挿通孔26(図4(c)参照)から突出する。アンカーボルト25の平面視における突出位置は、筒状体31の中穴37の位置に設定されている。アンカーボルト25の高さ方向での突出先端位置は、筒状体31の中穴37には至らない。
アンカーボルト25の突出部分の外周面には、雄ねじ25aが形成されている。この雄ねじ25aに、下ナット32が螺合される。下ナット32は、アンカーボルト25を上方に向けて引き込む力を発生させるよう螺合されて中間部21の板面に圧着されている(図2参照)。すなわち、枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7とは、下ナット32によって横方向部12を下側梁3へ向けて締付けることで組付けられている。下ナット32は、一般的なナットに比べて軸方向長さを長くした高ナットが用いられている。
特に、下ナット32は、枠組付部材6における横方向部12の中間部21に、環状の偏心座金42を介してその上に配置され、アンカーボルト25は、挿通孔26および偏心座金42を挿通している。このように、横方向部12の中間部21に偏心座金42を介して下ナット32がアンカーボルト25に螺合され、中間部21と下ナット32との間に偏心座金42を挟持させる構成としたことで、枠体部5の傾きを要因とする柱脚回転を抑制でき、下側梁3の割裂を遅らせることができる。
特に、偏心座金42は、耐力壁構造1の両側にあって左右対で設けられている。偏心座金42は、円盤状の座金本体42Aと、座金本体42Aの板面に、その中心に対して偏心するよう形成された長孔42aとを備える。したがって、枠組付部材6の中間部21の板面に形成された挿通孔26、および挿通孔26を挿通したアンカーボルト25に対して平面上で偏心して配置させることができる。偏心座金42にはこのような長孔42aが形成されているため、長孔42aの長手方向の向きを変更するように座金本体42Aを回動させれば、座金本体42Aを基端部20側寄りに配置したり、先端部22側寄りに配置したりすることができる。何れにしても、座金本体42Aは、挿通孔26と長孔42aとが上下方向で対応するよう、偏心座金42を横方向部12に載置した際、座金本体42Aの一部が、中間部21から側方にはみ出す直径に形成されている。
このような偏心座金42を用いることにより、次のような効果が期待できる。すなわち、図4(c)で示すように、横方向部12どうしが互いに干渉されない納まりの場合に、一方の偏心座金42の座金本体42Aの一部が、他方の横方向部12の先端部22を上方から押え、他方の偏心座金42の座金本体42Aの一部が、一方の横方向部12の先端部22を上方から押えることができる。そして、両下ナット32を締付けることで、偏心座金42を介して、横方向部12どうしを強固に一体化することができる。各偏心座金42は、通常のナットや下ナット32より面積が大きく、下ナット32の締付力を分散させることができる。このため、木材(下側梁3)の割裂を、効果的に抑制ないし遅らせることができる。
ここで、地震や風の発生によって、枠体部5(耐力壁構造1)の柱2,2を傾かせる水平力が発生する場合を想定する。各柱2,2と各柱枠組付部材6,6とは一体化されており、しかも柱枠組付部材6,6どうしは偏心座金42によって一体化されている。このため、水平力が一方の柱枠組付部材6を浮き上がらせる方向の力として働いたとしても、これが他方の偏心座金42によって押えられる。よって、高耐力の耐力壁構造1として、水平力を抑えることができる。
第一両引ボルト33は、軸方向両側部の外周面に雄ねじ33aが形成されたボルトである。第一両引ボルト33は、筒状体31の中穴37に上方から挿通され、第一両引ボルト33の下端部側が下ナット32に上方から螺合している。第一両引ボルト33の上端部側は筒状体31から上方へ突出しており、その突出部分に上ナット34が螺合している。上ナット34は、筒状体31の天端31aに座金を介して圧着するよう、第一両引ボルト33の上端側に螺合している。なお、上ナット34は、座金を用いることなく、第一両引ボルト33の上端側に螺合させてもよい。
以上の枠組付部材6および下側ホールダウン金物構造7が、枠体部5の左右の柱2,2と下側梁3との接続部分(組付部分)に施されている。
図3は、上側梁4と柱2との接続部分の拡大図である。上側梁4と柱2との接続部分の上側ホールダウン金物構造8が、下側ホールダウン金物構造7と異なる構成を説明する。上側ホールダウン金物構造8では、高ナット(下ナット32)を有しない。また、下側ホールダウン金物構造7では、アンカーボルト25と第一両引ボルト33を用いているのに対して、上側ホールダウン金物構造8では、アンカーボルト25の代わりに長尺な第二両引ボルト38が用いられている。
第二両引ボルト38が、外側構造体(根太29)、上側梁4をその上方から挿通し、筒状体31の中穴37に上方から挿通されている。そして、中穴37を挿通して筒状体31の下方に突出した部分にナット39が螺合している。ナット39は、筒状体31の天端31aに座金を介して圧着するよう、第二両引ボルト38の下端側に螺合している。他の構成は下側ホールダウン金物構造7と略同一であるので、同様の機能を奏する構成部品については同一の符を付してその説明を繰返さない。このような上側ホールダウン金物構造8が、枠体部5の左右に設けられている。
上記構成の耐力壁構造1の耐震性について説明する。まず、一方の柱2の下端部を中心として、地震や風の発生によって枠体部5を傾かせる力が働いた場合について説明する。
アンカーボルト25の下端部は基礎28のコンクリートに埋設されて、基礎28に固定されており、アンカーボルト25の先端側は下側梁3を挿通して枠体部5内に突出され、アンカーボルト25の雄ねじ25aに、下ナット32が、アンカーボルト25の上方への移動を押える力を発生させるよう螺合されている。
枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7とは、下ナット32が横方向部12を下側梁3へ向けて締付けて組付けられることで、金属製のアンカーボルト25が金属製の枠組付部材6に、金属製の下ナット32を介して強固に組付けられている。しかも枠組付部材6は、柱2に沿う縦方向部11および、下側梁3に沿う横方向部12を備えてL字型に一体的に形成され、縦方向部11は柱2に固定され、横方向部12は下側梁3に固定されている。さらには、斜材27が縦方向部11と横方向部12とに渡すよう傾斜して固定されることで、枠組付部材6の強度を向上させている。
耐力壁構造1は、このような上側および下側の組付構造を有し、特に、枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7とは、下ナット32が横方向部12を下側梁3へ向けて締付けることで組付けられていることにより、下側梁3と柱2との接続部分における柱2の下端部を中心として、壁面内で柱2(耐力壁構造1)を傾かせる方向に働く力を、枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7との双方の支持力により支持して、柱2の傾きを効果的に抑制することができる。
このような抑制力(耐力)は、両側の柱2,2に対応する枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7のそれぞれにおいて期待できるから、耐力壁構造1全体においては、柱2,2の横方向の離間幅(柱の心どうしの離間幅)が600mm未満と、一般的な柱どうしの離間幅に比べて小さくても、何れの柱2,2を中心とする壁面内での傾きをも防止できる。
耐力壁構造1を傾かせる方向へ働く力が、耐力壁構造1を斜め上方へ引抜く方向の力、あるいは圧縮する方向の力となって働く場合が考えられる。耐力壁構造1では、枠組付部材6と下側ホールダウン金物構造7とは、下ナット32が横方向部12を下側梁3へ向けて締付けることで組付けられており、斜材27は縦方向部11と横方向部12とに渡すよう傾斜して設けられているから、耐力壁構造1を斜め上方へ引抜く方向の力、あるいは圧縮する方向の力に対して斜材27が抵抗する。
また、第一両引ボルト33が、筒状体31の中穴37に挿通され、第一両引ボルト33の下端部側が下ナット32に螺合され、第一両引ボルト33の上端部側には、上ナット34が、筒状体31の天端31aに圧着するよう螺合され、筒状体31が固定されている支持体30は柱2に固定されている。耐力壁構造1では、このような組付構造をさらに有していることにより、引抜き力にも耐え得る。
耐力壁構造1では、下ナット32は、斜材27における横方向部12への取付部(溶接部分)と縦方向部11との間にあって横方向部12を下側梁3に締付けている構成である。すなわち、下ナット32を縦方向部11の近傍に配置させている。この構成からも、一方の柱2の下端部を中心として耐力壁構造1を傾かせる力が働いた場合には、他方の柱2と下側梁3との接合部における枠組付部材6および下側ホールダウン金物構造7が効率的に抵抗する。
ところで、アンカーボルト25と、その上側に配置した第一両引ボルト33である別体のボルトとが、下ナット32を介して連結されている。このように、耐力壁構造1では、下側梁3(横方向部12)と柱2(支持体30)とを組付けるボルトを上側ボルト(第一両引ボルト33)と下側ボルト(アンカーボルト25)とに分割している。この構成によれば、曲げの支点間距離が一本の長尺なボルトを用いた場合に比べて、各ボルトであるアンカーボルト25、第一両引ボルト33とで短くなる。そうなると、アンカーボルト25、第一両引ボルト33に働く曲げ力に対して、変形を抑えることができる。
また、耐力壁構造1に用いるボルトの長さが短くなれば、その分だけ軸力に対して座屈荷重が大きくなる(座屈が生じにくい)。しかも、耐力壁構造1は、枠体部5、左右一対の下側ホールダウン金物構造7、左右一対の上側ホールダウン金物構造8を備え、下側ホールダウン金物構造7では、アンカーボルト25と第一両引ボルト33とが枠組付部材6に固定され、上側ホールダウン金物構造8では、第二両引ボルト38が枠組付部材6に固定されている。このため、各柱2,2において、座屈の基準となる支点間距離を短く形成した環境がつくられているため、いっそう座屈荷重が大きくなる。
下側梁3と柱2とを組付けるボルトを分割していることにより、下側梁3からのアンカーボルト25の突出量が多くならない。したがって、耐力壁構造1の施工現場においては、下側梁3に対する柱2の持上げ量を大きくすることがないため、施工性を低下させることもない。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても同様である。
例えば、上記実施形態では、柱2,2の間に補助柱9を配置可能な程度に、柱2,2の間が離間した耐力壁構造1について例示した。しかしながら、本発明の耐力壁構造1は、柱2,2の間が狭く、補助柱9を施工できない場合についても用いることができる。図6および図7に示す実施形態における耐力壁構造1では、補助柱9を設ける代わりに、柱2,2、下側梁3、上側梁4に亘る矩形の面材40を施工している。面材40は、柱2,2、下側梁3、上側梁4にビス41により固定されている。
柱2,2の間が狭く、補助柱9を施工できない場合では、枠組付部材6の横方向部12を前述したように階段状に形成することで、特に、横方向で反転使いする際に、横方向部12どうしが互いに干渉されないようにすることができる(図4(c)参照)。
図6、7に示す実施形態では、正面視すると、横方向で隣合う斜材27どうしが、見かけ上交差しているが、これは、枠組付部材6が左右対使いされており、枠組付部材6の横方向部12を前述したように階段状に形成していることで、段付辺23,24どうしが左右方向で対向しあうように、横方向部12どうしが同一平面内の前後方向で重なっているからである。他の構成は、図1ないし図5で示した実施形態と同様であるので、同一の機能を有する構成部品には同一の符を付してその説明を省略する。
この実施形態における耐力壁構造1では、補助柱9(あるいは、場合によっては筋交い)が設けられない、あるいは筋交いを設けたとしてもこれが機能しない場合でも、下側ホールダウン金物構造7および上側ホールダウン金物構造8に加え、面材40を設けたことによって耐力壁構造1の強度を向上させることができる。
なお、柱2,2の間の離間間隔が充分にある場合では、枠組付部材6は段付辺23,24を設けて階段状に形成する必要はなく、平面視して単なる矩形の板状に形成することができる。なお、上記各実施形態の耐力壁構造1は、建物の1階に対応する場合を例示したが、2階あるいはそれ以上の階層においても適用できることは勿論である。
また、この実施形態における耐力壁構造1では、支持体30は、平板状の背壁35が枠組付部材6の切欠13に収められて、柱2に固定される。すなわち、支持体30を柱2に固定する際には、切欠13を目安にすることができるから、その分だけ支持体30の施工を容易且つ正確に行うことができる。
さらに、枠組付部材6は下側梁3に沿う板状の横方向部12が、縦方向部11を介して柱2に一体的に構成され、横方向部12は柱2の下面と面一である。すなわち、柱2に併せて、枠組付部材6の横方向部12(特に中間部21から延長された先端部22)が加わって下側梁3に設置されているから、軸力(下方へ向く荷重)が大きくなっても耐え得る。
上記実施形態では、上側の組付構造と下側の組付構造を異なる組付構造としている。しかしながら、上側の組付構造に、下側の組付構造を上下反転させた構成として用いることもできる。
1…耐力壁構造、2,2…柱、3…下側梁、4…上側梁、5…枠体部、6…枠組付部材、7…下側ホールダウン金物構造、8…上側ホールダウン金物構造、11…縦方向部、12…横方向部、20…基端部、21…中間部、22…先端部、23,24…段付辺、25…アンカーボルト、26…挿通孔、27…斜材、28…基礎、29…根太、30支持体、31…筒状体、31a…天端、32…下ナット、33…第一両引ボルト、34…上ナット、38…第二両引ボルト、39…ナット

Claims (5)

  1. 枠体部に筋交いが設けられない場合に適用される耐力壁構造において、
    枠組付部材と枠固定部材とを備え、
    前記枠組付部材は、柱および梁を備えた前記枠体部における該柱および梁の当接部分を固定すべく、前記柱に沿う縦方向部および梁に沿う横方向部を備え、
    前記枠固定部材は、前記枠体部の外側に配置される構造体である外側構造体に該枠体部を固定すべく、前記外側構造体のうち梁に対する外側構造体へ向けて柱を固縛する固縛部材を備え、
    前記枠組付部材と枠固定部材とが組付けられてなることを特徴とする耐力壁構造。
  2. 前記枠組付部材と枠固定部材とは、前記固縛部材によって前記横方向部を前記梁へ向けて締付けることで組付けられてなる請求項1に記載の耐力壁構造。
  3. 前記枠組付部材は、前記縦方向部と横方向部とを傾斜して支持する斜材を備え、前記固縛部材は、前記斜材における前記横方向部への取付部と縦方向部との間にあって前記横方向部を前記梁に締付けている請求項2に記載の耐力壁構造。
  4. 横方向に離間した柱どうしの離間幅が、600mm未満である請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の耐力壁構造。
  5. 前記枠固定部材は、柱に固定される支持体と、前記横方向部および支持体を固定するボルトとをさらに備え、
    該ボルトは、上側ボルトと下側ボルトに分割されている請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の耐力壁構造。
JP2015217576A 2015-11-05 2015-11-05 耐力壁構造 Active JP6748418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217576A JP6748418B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 耐力壁構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217576A JP6748418B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 耐力壁構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017089155A JP2017089155A (ja) 2017-05-25
JP6748418B2 true JP6748418B2 (ja) 2020-09-02

Family

ID=58767354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015217576A Active JP6748418B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 耐力壁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6748418B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020117873A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 日本製鉄株式会社 耐力壁、耐力壁用の面材及び建物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3164205B2 (ja) * 1996-07-03 2001-05-08 株式会社カネシン 木造建物の軸組装置
JP3499797B2 (ja) * 2000-02-28 2004-02-23 富士ハウス株式会社 木造建物におけるホールダウン金物とアンカーボルトの接続装置
JP2007303070A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Jutaku Kozo Kenkyusho:Kk 壁補強構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017089155A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6025469B2 (ja) 耐震天井構造
JP6587183B2 (ja) 柱脚金具、およびこれに用いられるカバー
JP6748418B2 (ja) 耐力壁構造
JP2010281192A (ja) 建築用接合金具、固定金具、及び、固定ピン
JPWO2015140894A1 (ja) 柱構造及びベース部材
JP7352477B2 (ja) 建物ユニット及びユニット建物
JP2013060803A (ja) 耐震金物、及びこれを用いた耐震構造
JP3113422U (ja) 足場用の巾木固定具
JP6713908B2 (ja) 耐震補強フレーム
JP5271738B2 (ja) 建物ユニット及びユニット建物
JP7117190B2 (ja) ナット取付構造及び建物
JP2006299609A (ja) 通し柱の補強構造
JP5114180B2 (ja) 基礎と柱の連結構造
JP3968007B2 (ja) 横架材の接合装置
KR101761277B1 (ko) 철골보 횡좌굴 방지 장치 및 이를 이용한 횡좌굴 방지 철골보
JP3113596U (ja) 鉄柱および梁の骨組みの連結構造
JP4974025B2 (ja) 基礎と柱の連結構造、連結金物
JP6000042B2 (ja) 耐震天井構造
JP5809524B2 (ja) フレーム材の固定構造
JP5745825B2 (ja) 外壁固定金具および外壁固定構造
JP6586277B2 (ja) 脚部接合構造
JP5847415B2 (ja) 斜材を有する建物
JP6339457B2 (ja) 柱脚用アンカー装置
JP6220528B2 (ja) 建物用付帯構造物およびユニット建物
JP5274790B2 (ja) 木造軸組構造における筋かい金物取付け構造

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200601

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6748418

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250