JP6748016B2 - 化成処理剤および亜鉛系めっき製品 - Google Patents
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Description
プレめっき製品としては、溶融亜鉛系めっき鋼板や電気亜鉛系めっき鋼板がよく知られ、めっき後に加工(ロール成形、折り曲げ加工、溶接、切断など)して製造される。主に自動車や家電等の用途に用いられる。溶融亜鉛系めっきを行う場合、鉛を添加しないめっき浴を用いることが多い。
後めっき製品は、主に国内向けに製造されており、加工をおこなった後に溶融亜鉛系めっきを施して製造される。鉛を添加しないめっき浴を用いてめっきした鉛無添加亜鉛系後めっき製品と、鉛を添加しためっき浴を用いてめっきした鉛添加亜鉛系後めっき製品とがある。前者は水道管等に利用されるが、その用途は限られる。後者はガードレール、U字鋼材、H形鋼、L字鋼等の他、ボルト、ナット等の小物にも広く利用され、その需要は前者より圧倒的に多い。
そこで、本発明は、亜鉛系めっきの方法によらず、優れた耐食性を付与することができる6価クロムフリー化成処理剤、および該化成処理剤を用いて化成処理が施された亜鉛系めっき製品を提供することを目的とする。
クロム(III)化合物(A)と、
フッ化物(B)と、
硝酸塩(C)と、
コロイダルシリカ(D)と、
オルガノアルコキシシラン(E)と
コバルト化合物(F)とを含む亜鉛系めっき製品用の化成処理剤であって、
該化成処理剤に含まれるクロム(III)イオンに対する硝酸イオンのモル比[NO3 −/Cr3+]が0.5〜4.0の範囲内であり、
Crの質量に対する、前記コロイダルシリカ(D)および前記オルガノアルコキシシラン(E)のSiO2換算での質量比[SiO2/Cr]が0.1〜1.5の範囲内であり、
前記コロイダルシリカ(D)および前記オルガノアルコキシシラン(E)のSiO2換算での質量に対するCoの質量比[Co/SiO2]が1.0〜4.0の範囲内であり、
クロム(VI)化合物を実質的に含まない化成処理剤である。
なお、前記クロム(III)化合物(A)と前記フッ化物(B)、前記クロム(III)化合物(A)と前記硝酸塩(C)、前記フッ化物(B)と前記コバルト化合物(F)、及び/又は、前記硝酸塩(C)と前記コバルト化合物(F)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、本明細書において、「クロム(VI)化合物を実質的に含まない」とは、化成処理剤に積極的にクロム(VI)化合物を添加しないことを意味し、化成処理剤にクロム(VI)化合物が不可避的に混入される場合は許容する。本発明の化成処理剤におけるクロム(VI)化合物含有量は、ジフェニルカルバジド吸光光度法によるCr6+定量において、Cr6+の含有量が、0.1ppm未満であることが好ましい。
また、本明細書において、化成処理剤中のクロム(III)イオン濃度は、ICP発光分析法および酸化還元滴定法により定量分析することができ、また、化成処理剤中の硝酸イオン濃度は、イオンクロマトグラフィーにより定量分析することができる。
コロイダルシリカ(D)の粒径は、特に限定されないが、耐食性が向上する観点から、100nm以下であることが好ましい。ここで、コロイダルシリカ(D)の粒径とは、個数平均粒径であり、窒素吸着法により測定したものである。
なお、オルガノアルコキシシラン(E)はアルコキシ基の一部が加水分解した加水分解物であってもよい。オルガノアルコキシシラン(E)は、1種または2種以上を用いてもよい。
表1に示す原料および組成にて、実施例1〜21および比較例1〜8の化成処理剤を調製した。なお、コロイダルシリカ(D)に対するオルガノアルコキシシラン(E)の質量比[(E)/(D)]は1.0である。各化成処理剤を、クロム(III)イオン濃度が0.01モル/Lとなるように水で希釈して、処理液1〜29を得た(各処理液のフッ素イオンの濃度は、0.03モル/Lである)。なお、pHについては、化成処理剤と同等のpHとなるように0026段落に記載した方法で調整した。
A1:フッ化クロム(III)
A2:硫酸クロム(III)
A3:酢酸クロム(III)
A4:リン酸クロム(III)
B1:フッ化クロム(III)
B2:フッ化コバルト
B3:フッ化水素アンモニウム
C1:硝酸コバルト
C2:硝酸マグネシウム
D1:スノーテックスC(日産化学工業社製)
D2:スノーテックスO(日産化学工業社製)
E1:3‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
E2:3‐アミノプロピルトリエトキシシラン
E3:ビニルトリエトキシシラン
E4:テトラエトキシシラン
F1:硝酸コバルト
F2:フッ化コバルト
F3:塩化コバルト
150mm×70mm×3.2mmの熱延鋼板に対して、7%苛性ソーダのアルカリ脱脂を70℃で15分、10%の硫酸酸洗を60℃で30秒および、20%塩化アンモニウムのフラックス処理を60℃で30秒順次おこなった。0.5mass%の鉛を添加した450℃の亜鉛めっき浴に、フラックス処理後の熱延鋼板を5分間浸漬してめっき処理を行い、亜鉛系めっき鋼材を作製した(なお、この亜鉛系めっき鋼材に対して、特許文献2に記載の表面処理を実施し、下記0046段落に記載した塩水試験を実施したところ、大量の白錆が発生した)。
この亜鉛系めっき鋼材を水中に没して約60℃まで冷却した。冷却後、亜鉛系めっき鋼材を処理液1〜29に浸漬した。浸漬後、亜鉛系めっき鋼材を5分間自然乾燥させ、化成皮膜を有する試験片1〜29を得た。
亜鉛系めっき鋼材を処理液1〜29に浸漬する温度及び時間は、所望のクロム付着量が得られるよう任意に変更した。クロム付着量は蛍光X線装置を用いて測定した。表2にクロム付着量の測定結果を示す。
試験片1〜29を用いて、下記の方法による評価をおこなった。表2に各評価結果を示す。
各試験片に対してJIS H 8502:1999に記載された中性塩水噴霧試験方法に準じて塩水噴霧試験を行った。なお塩水噴霧試験は、1時間噴霧をおこなった後、23℃、50%RHの恒温恒湿環境下で23時間曝す操作を、1週間繰り返すことで実施した。
試験後の亜鉛系めっき製品の表面に生じた白錆の、該表面に占める割合(以下、白錆発生面積率と記述する)を目視で測定し、測定結果に基いて耐食性を評価した。評価の基準は以下のとおりである。白錆発生面積率が20%以下の場合を合格とし、〇印で表記した。さらに、白錆発生面積率が5%以下の場合を特に良好として◎印で表記した。白錆発生面積率が20%を超えたものは不合格として×印で表記した。
湿潤試験は、各試験片の表面を十分に湿った医療用ガーゼで覆い、50℃、95%RHの恒温恒湿環境下で2週間曝することにより実施した。
試験後の亜鉛系めっき製品の表面に生じた白錆発生面積率を目視で測定し、塩水試験での評価基準と同様に耐食性を評価した。
Claims (4)
- クロム(III)化合物(A)と、
フッ化物(B)と、
硝酸塩(C)と、
コロイダルシリカ(D)と、
オルガノアルコキシシラン(E)と
コバルト化合物(F)とを含む亜鉛系めっき製品用の化成処理剤であって、
該化成処理剤に含まれるクロム(III)イオンに対する硝酸イオンのモル比[NO3 −/Cr3+]が0.5〜4.0の範囲内であり、
Crの質量に対する、前記コロイダルシリカ(D)および前記オルガノアルコキシシラン(E)のSiO2換算での質量比[SiO2/Cr]が0.1〜1.5の範囲内であり、
前記コロイダルシリカ(D)および前記オルガノアルコキシシラン(E)のSiO2換算での質量に対するCoの質量比[Co/SiO2]が1.0〜4.0の範囲内であり、
クロム(VI)化合物を実質的に含まない、化成処理剤(但し、前記クロム(III)化合物(A)と前記フッ化物(B)、前記クロム(III)化合物(A)と前記硝酸塩(C)、前記フッ化物(B)と前記コバルト化合物(F)、及び/又は、前記硝酸塩(C)と前記コバルト化合物(F)は、同一であってもよい)。 - 前記クロム(III)化合物(A)が、フッ化クロム、塩化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、酢酸クロムおよび重リン酸クロムよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の化成処理剤。
- 前記フッ化物(B)が、フッ化水素酸、フッ化クロム、フッ化マグネシウム、フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素アンモニウムよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1または2に記載の化成処理剤。
- 請求項1〜3の何れかに記載の化成処理剤を亜鉛系めっき鋼材の表面上に接触させることにより得られた化成皮膜を有し、該化成皮膜の付着量がクロム換算で0.5〜50mg/m2の範囲内である、化成皮膜を有することを特徴とする亜鉛系めっき製品。
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