JP6747731B1 - 植物栽培用養液の製造方法及び植物栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中で有機物を分解させて硝酸イオンを得る反応を同一の系(槽)で行う植物栽培用養液の製造方法において、有機物分解菌と硝化細菌の添加を個別に制御でき、製造される養液に有害菌が混入する可能性を低くする。【解決手段】微生物源として、有機物分解菌の微生物剤3と、硝化細菌の微生物剤4とを別個に準備する。水が入れられた槽1に、有機質肥料2として魚液肥を0.5g/Lより多い量添加するとともに、2種類の微生物剤3、4を同時に同量添加する。各微生物剤3、4の添加量は水1L当たり0.01%〜1.5%の量とする。魚液肥2及び微生物剤3、4の添加後、槽1の水中で有機物の分解及び硝化を進行させる期間を設ける。硝化の途中又は完了後に槽1の液を希釈し、希釈と同時又は希釈後に追肥を行う。希釈及び追肥後の液に対して、有機物の分解及び硝化を進行させる期間を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は植物栽培用養液の製造方法及び植物栽培方法に関する。
従来、水耕栽培などの養液栽培において、水に有機物を直接添加し、添加した有機物(有機態窒素)を微生物により分解させて、植物が吸収しやすい硝酸態窒素を得る技術が知られている(例えば特許文献1、2参照)。この技術に用いられる微生物として、有機物を分解してアンモニアを生成するアンモニア化成を行う微生物(アンモニア化成菌、有機物分解菌)、及びアンモニアを硝酸に変換する硝酸化成を行う微生物(硝化細菌)がある。硝化細菌には、アンモニアを酸化して亜硝酸を生成する菌(アンモニア酸化細菌)と、亜硝酸を酸化して硝酸を生成する菌(亜硝酸酸化細菌)とがある。なお、水中においては、アンモニアはアンモニウムイオン(NH )として存在し、硝酸は硝酸イオン(NO )として存在し、亜硝酸は亜硝酸イオン(NO )として存在する。
特許文献1、2では、アンモニア化成と硝酸化成を同一の反応液の中で並行して行う技術(並行複式無機化反応)を提案している。特許文献1の技術では、微生物源として土壌又はバーク堆肥を用いている。また特許文献2の技術では、微生物源として土壌、堆肥、活性汚泥、又は自然より採取した水を用いている。さらに、特許文献2には、上記微生物源を入れた水に接する固体表面にバイオフィルムを形成させ、そのバイオフィルムを回収して、回収したバイオフィルムを並行複式無機化反応の微生物群の種菌として用いることが記載されている。
特許第5071897号公報 特許第5388096号公報
ところで、有機物から硝酸イオンを効率的に得るためには、有機物分解菌と硝化細菌の添加を個別に制御するのが望ましいが、特許文献1、2の技術では微生物源として、含有する微生物の種類が選別されていない土壌等を用いているので、有機物分解菌と硝化細菌の添加を個別に制御することができない。また、特許文献1、2の微生物源は、雑多な微生物を含有しているので、有機物分解菌及び硝化細菌といった有用微生物の他に、有機物の分解又は硝酸化成にとって有害な菌、又は植物にとって有害な菌が混入している可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、水中で有機物を分解させて硝酸イオンを得る反応を同一の系(槽)で行う植物栽培用養液の製造方法において、有機物分解菌と硝化細菌の添加を個別に制御でき、製造される養液に有害菌が混入する可能性を低くできる植物栽培用養液の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の植物栽培用養液の製造方法は、
水に有機物として魚液肥を水1L当たり0.5gより多い量添加する有機物添加ステップと、
前記水に、有機態窒素を分解してアンモニウムイオンを生成する有機物分解菌の微生物剤と、アンモニウムイオンを酸化して亜硝酸イオンを生成する菌及び亜硝酸イオンを酸化して硝酸イオンを生成する菌である硝化細菌の微生物剤とを同時に同量添加し、かつそれぞれ水1L当たり0.01%以上0.1%以下の体積となる量を添加する微生物剤添加ステップと、
前記有機物添加ステップ及び前記微生物剤添加ステップの後の液に対して硝化を進行させる硝化ステップと、
を備え、
硝酸イオン濃度が100ppm以上の植物栽培用の養液を得る方法である。
本発明によれば、微生物源として、有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤とを別個に準備して、それら2種類の微生物剤を有機物とともに水に添加する。これにより、有機物分解菌と硝化細菌の添加を個別に制御できる。また、選別された微生物を含有する微生物剤を用いるので、製造される養液に有害菌が混入する可能性を低くできる。なお、本発明における微生物剤とは、選別された特定の微生物を含有した液体、粉末、固体等をいい、選別されていない雑多な微生物を含有する土壌、堆肥、活性汚泥、自然より採取した水などを含まない。
また本発明において有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤は同時に同量添加する。これによれば、有機物分解菌と硝化細菌の添加制御が容易となる。
また本発明において有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤の添加量はそれぞれ水1L当たり0.01%〜0.1%の体積となる量である。これによれば、微生物剤の添加量を抑えることができるので、コストダウンを図ることができる。
また本発明において前記有機物は魚液肥であり、その添加量は水1L当たり0.5gより多い量である。これによれば、入手が容易な魚液肥を用いるので、養液を効率的に製造できる。また、魚液肥の添加量を水1L当たり0.5gより多い量とすることで、硝酸イオン濃度を高くすることができる。
また、本発明において前記有機物添加ステップでは、魚液肥を水1L当たり1.0gより多い量添加してよい。各微生物剤及び魚液肥の添加量をこの条件とすることで、硝化速度及び硝酸イオン濃度をより一層向上できる。
また本発明は、前記硝化ステップを第1硝化ステップとして、
前記第1硝化ステップにおける硝化の途中又は硝化の完了後に、前記液を希釈する希釈ステップと、
前記希釈後の液に対して硝化を進行させて液中の硝酸イオン濃度を100ppm以上にする第2硝化ステップと、
をさらに備えてもよい。これによれば、液を希釈することで、液中の亜硝酸イオンの濃度を下げることができる。亜硝酸イオン濃度が高いと、硝化細菌にとって有害となり、硝化細菌の活性を落とす可能性がある。亜硝酸イオン濃度を下げることで、効率的に硝酸イオンを生成させることができる。
また本発明は、前記希釈ステップの希釈と同時又は希釈後に追加の有機物として魚液肥を水1L当たり0.5gより多い量添加する追肥ステップをさらに備えてもよい。これによれば、追肥によって、有機物分解菌や硝化細菌を活動させることができ、硝酸イオン濃度を高くすることができる。また、希釈と追肥の両方を行うことで、微生物剤の添加量を抑えつつ、製造される養液量を多くすることができ、コストダウンを図ることができる。
また本発明において前記希釈ステップの希釈は、前記第1硝化ステップにおける硝化の完了後として、液中の硝酸イオン濃度が100ppm以上にまで上昇したとき、又は硝酸イオン濃度が亜硝酸イオン濃度よりも低い状態から高い状態に逆転したとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上の状態から50ppm未満にまで下降したときに行ってもよい。液中の硝酸イオン濃度が100ppm以上であれば、液中には硝化を担う微生物が十分に増加していると考えられる。微生物の増加を待って希釈を行うことで、希釈後においても硝化を進行させることができる。
また本発明において前記希釈ステップの希釈は、前記第1硝化ステップにおける硝化の途中として、液中の硝酸イオン濃度が100ppm以下のとき、又は硝酸イオン濃度よりも亜硝酸イオン濃度が高いとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上のときに行い、
前記有機物分解菌の微生物剤と前記硝化細菌の微生物剤の添加量は水1L当たり0.01%より大きい体積となる量としてもよい。本発明者は、初期に添加する微生物剤の量が0.01%以下の場合に、硝化を担う微生物の増加を待たずに希釈を行うと、希釈後において硝酸イオン濃度があまり上昇しないという知見を持っている。そのため、硝化を担う微生物の増加を待たずに希釈を行う場合には、初期に添加する微生物剤の量は水1L当たり0.01%より大きい体積となる量とするのがよい。これによって、希釈後も硝化を進行させることができる。



本発明の植物栽培方法は、上記本発明の植物栽培用養液の製造方法により得られた養液を用いて植物を栽培する。これによれば、有害菌の混入を抑制した養液を用いて栽培を行うので、植物を順調に生育できる。
植物栽培用養液の製造工程を示すフローチャートである。 水が入れられた槽に、有機質肥料と2種の微生物剤とを添加する様子を示した図である。 図1の工程に続く追加の工程を示すフローチャートである。 硝化途中又は硝化完了後の液を希釈し、さらに、希釈した液に追肥をする様子を示した図である。 製造された養液を、水耕栽培の槽に供給する様子を示した図である。 実験1の結果を示す図である。 実験2の結果を示す図である。 実験3の結果を示す図である。 実験4の結果を示す図である。 実験5の結果を示す図である。 実験6の結果を示す図である。 実験7の結果を示す図である。 実験8の結果を示す図である。 実験9の結果を示す図である。 実験10の結果を示す図である。 実験11の結果を示す図である。
以下、図面を参照して本実施形態における植物栽培用養液の製造方法を説明する。本実施形態の植物栽培用養液は有機栽培用の養液である。図1は、本実施形態の植物栽培用養液の製造工程を示している。図2は、植物栽培用養液の製造の様子を示している。なお、図1の工程中は図2の槽1において植物の栽培は行わず、つまり図1の工程は植物の栽培の前段階の工程である。先ず、図2に示すように、養液製造に用いる器具として、槽1、空気(酸素)のバブリングを発生させるバブリング部5、空気(酸素)を供給する供給部6等を準備する(S1)。バブリング部5は槽1の中に入れられる。供給部6はバブリング部5に接続されて、バブリング部5に空気を供給する。また、槽1に入れられる水の温度調整を行う図示しない温度調整部(ヒータ)や、ろ過器7も必要に応じて準備する。
次に、槽1に水を入れる(S2)。初期水量はいずれの量であってもよいが、後述のステップS4で添加する微生物剤の量を抑えるためには初期水量は多量にしないほうがよく、例えば1L程度とすることができる。なお、槽1に入れる水は天然水(自然より採取した水)であってもよいし、人工水(水道水など)であってもよい。
次に、槽1の水に有機物を含んだ有機質肥料2(図2参照)を添加する(S3)。添加する有機質肥料2としては例えば液体の肥料であり、より具体的には例えば魚液肥とすることができる。液肥を添加することで、製造された養液を栽培槽に機械(ポンプ)で供給する場合に、機械に不具合(例えばポンプが異物で詰まってしまう)が生じるのを抑制できる。魚液肥は例えばアジ、イワシなどの魚から抽出したエキス(例えば魚煮汁)、又はそのエキスをさらに濃縮ないし精製したものである。なお、魚液肥は、魚市場や加工施設で出る内蔵等の残渣から作られることもある。なお、魚液肥に含まれる有機態窒素の割合は例えば5%〜10%である。また、有機質肥料2は、魚液肥等の有機物(換言すると有機態窒素、アミノ酸、タンパク質)の他に、リン酸、カリウム、石灰等の他の肥料成分を含んだものであってもよい。また、有機質肥料2は、魚液肥の他にミネラル供給目的で天然由来の素材(例えばカキガラ(牡蠣殻))を含んでいてもよい。カキガラにより、微生物(有機物分解菌、硝化細菌)の増殖を補助する栄養としてのミネラルを供給できる。
また、有機質肥料2は原液の状態で槽1に添加してもよいし、水で希釈したうえで槽1に添加してもよい。また、有機質肥料2はろ過器7(図2参照)でろ過したうえで槽1に添加してもよい。希釈又はろ過した有機質肥料2を添加することで、製造された養液を栽培槽に機械(ポンプ)で供給する場合に、機械に不具合が生じるのをより一層抑制できる。
有機質肥料2として魚液肥を用いる場合、魚液肥の初期添加量は例えば水1L当たり0.5gより多い量、より好ましくは1.0gより多い量とするのがよい。0.5g/Lより少ないと、生成される硝酸イオン濃度が低くなる。また魚液肥の初期投入量の上限は例えば水1L当たり2.0gとすることができる。2.0g/Lより多いと、添加した魚液肥の一部が分解されずに、製造される養液中に有機物として残ってしまう可能性がある。なお、有機質肥料2が魚液肥と他の肥料成分を含んでいる場合や有機質肥料2を水で希釈した場合には、有機質肥料2中に含まれる魚液肥(原液)量が0.5g/Lより多く、2.0g/L以下となるように、有機質肥料2の添加量を設定する。
槽1への有機質肥料2の添加と同時又は若干前後する時期に、槽1の水に、有機物分解菌の微生物剤3(図2参照)と、硝化細菌の微生物剤4(図2参照)とを添加する(S4)。これら2種類の微生物剤3、4は互いに同時に同量添加するのが望ましい。これによれば、微生物剤3、4を異なる時期又は異なる量添加した場合よりも添加制御が容易になるとともに、微生物剤3、4を異なる時期又は異なる量添加した場合と同等以上の硝酸イオン濃度を含んだ養液を得ることができる。
ここで、微生物剤3には、有機物分解菌として、有機態窒素(アミノ酸、タンパク質など)を分解してアンモニア(アンモニウムイオン)を生成する1種又は複数種の菌(アンモニア化成菌)が含まれている。有機物分解菌としては、例えば原生動物、細菌、糸状菌等を挙げることができ、より具体的にはBacillus属、Pseudomonas属等を挙げることができる。なお、微生物剤3には、有機物分解菌以外の微生物(硝化細菌など)は含まれていない。
また、微生物剤4には、硝化細菌として、アンモニア(アンモニウムイオン)を酸化して亜硝酸(亜硝酸イオン)を生成する1種又は複数種の菌(アンモニア酸化細菌、亜硝酸生成菌)と、亜硝酸を酸化して硝酸(硝酸イオン)を生成する1種又は複数種の菌(亜硝酸酸化細菌、硝酸生成菌)の両方が含まれている。微生物剤4にはアンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌とが例えば互いに同等の個数含まれていてもよいし、一方の細菌の個数が他方の細菌の個数の2倍以上であってもよい。上記同等の個数とは、具体的には、アンモニア酸化細菌の個数をX、亜硝酸酸化細菌の個数をYとしたとき、全体の個数(=X+Y)に対するアンモニア酸化細菌の個数Xの割合が例えば40%〜60%であることを意味する。
アンモニア酸化細菌としては、例えばNitrosomonas属、Nitrosococcus属、Nitrosospira属(Nitrosolobus属、Nitrosovibrio属を含む)を挙げることができる。亜硝酸酸化細菌としては、例えばNitrobacter属、Nitrospira属を挙げることができる。なお、微生物剤4には、硝化細菌以外の微生物(例えば有機物分解菌)は含まれていない。
微生物剤3、4として例えば食品工場等からの排水浄化用に市販されている微生物剤を用いることができる。微生物剤3、4は原料の状態では液体、固体、粉状などいずれの状態であってもよいが、槽1には液体の状態で添加するのが望ましい。すなわち、微生物剤3、4が原料の状態で液体以外の状態の場合には、微生物剤3、4を水に溶かして液体の状態にしたうえで槽1の水に添加するのが望ましい。
また微生物剤3、4を槽1の水に添加する前に予め微生物剤3、4に含まれる微生物を活性化させ、活性化させた微生物剤3、4を槽1の水に添加するのが望ましい。これによって、槽1の水中で微生物を迅速に活動させることができ、ひいては迅速に有機質肥料2の分解及び硝化を進めることができる。微生物は、例えば約30℃のぬるま湯に、ぬるま湯の量に対して所定量の微生物剤(微生物剤3又は微生物剤4)を加え、よくかき混ぜた上で一定時間放置することで活性化させる。
微生物剤3、4の初期添加量はそれぞれ水1L当たり0.01%以上1.5%以下の体積となる量に設定し、かつ、微生物剤3の添加量と微生物剤4の添加量とが互いに同じ量に設定するのが望ましい。これによれば、高硝酸イオン濃度の養液を得ることができる。また、微生物剤3、4の添加量を1.5%/L以下に抑えることで、高コストになるのを抑制できる。なお、微生物の活性化等のために、微生物剤3、4を水で希釈し、その希釈液を槽1の水に添加する場合には、その希釈液中に含まれる微生物剤3、4の量が0.01%/L以上1.5%/L以下となるように、希釈液の添加量を設定する。
有機質肥料2及び微生物剤3、4の添加後、槽1の水中において微生物剤3に含まれる微生物によって有機質肥料2に含まれる有機物を分解させ、この分解により生じたアンモニウムイオンを微生物剤4に含まれた微生物によって亜硝酸イオンを経て硝酸イオンにまで変換させる工程を実施する(S5)。ステップS5は、有機物の分解及び硝化の他に、水中での有機物分解菌及び硝化細菌の環境を整える工程でもあり、すなわちステップS5により得られた養液に対して仮に追肥した際に、追肥した有機物を迅速に分解して硝酸イオンにまで変換するように微生物環境を整える役割も担っている。
ステップS5は、具体的には、有機物の分解及び硝化が進行するよう、槽1の液を所定の環境に維持させる。前記所定の環境として、具体的には例えば槽1の液の温度を、温度調整部(ヒータ)によって、微生物が活動する温度として予め定められた温度に維持させる。その温度は20℃以上が好ましく、より好ましくは25℃〜35℃とするのがよい。また、前記所定の環境として、有機物の分解及び硝化の期間中は、バブリング部5及び供給部6(図2参照)により槽1の液中に空気(酸素)を供給し続ける。
また、有機物の分解及び硝化の期間中は、槽1の液中のアンモニウムイオン、亜硝酸イオン及び硝酸イオンの各濃度の変化を、半定量試験紙又はイオン濃度検出器により監視するのが望ましい。また、微生物が活動しやすい溶存酸素量やpH(水素イオン指数)が定められている場合には、それら溶存酸素量やpHの変化も監視し、それらが規定外とならないように制御するのが望ましい。
ステップS5の工程は、例えば、有機質肥料2に含まれる有機物の全部が分解し、硝化が完了したと判断できる時まで行う。具体的には、ステップS5の工程は、例えば槽1の液中のアンモニウムイオンが所定値以下となり、かつ、亜硝酸イオンが所定値以下となり、かつ、硝酸イオンが所定値以上となるまで行う。硝化完了時の硝酸イオン濃度は例えば50ppm以上であり、好ましくは100ppm以上である。また硝化完了時のアンモニウムイオン濃度は例えば20ppm以下である。なお、後述の図3の工程を実施する場合には、ステップS5は硝化完了を待たなくてもよい。
ここで、亜硝酸イオン濃度が高いと、硝化細菌の活性を落とし、効率的な硝酸イオンの生成の妨げとなる可能性があるので、亜硝酸イオン濃度は速やかに下げるのが望ましい。また、より多量又はより低コストで養液を製造できるのが望ましい。そこで、このような場合には、図1のステップS5に続いて、図3の工程を実施してもよい。
図3の工程は、ステップS5において硝化が完了する前(硝化の途中)に実施してもよいし、硝化完了後に実施してもよい。硝化完了前に図3の工程を実施する場合とは、例えば図1のステップS5において亜硝酸イオン濃度が高く、硝化がなかなか進まない場合が挙げられる。より具体的には、硝化完了前(硝化途中)を判断するステップとして、硝酸イオン濃度が所定値(例えば100ppm)以下であることと、硝酸イオン濃度よりも亜硝酸イオン濃度が高いことと、亜硝酸イオン濃度が所定値(例えば50ppm)以上であることの少なくとも1つ又は全てを満たしているかを判断するステップを設けて、そのステップで肯定判断された場合に図3の工程を実施してもよい。
また硝化完了後に図3の工程を実施する場合とは、より多量又はより低コストで養液を得たい場合が挙げられる。より具体的には、硝化完了後を判断するステップとして、硝酸イオン濃度が所定値(例えば100ppm)以上にまで上昇したことと、硝酸イオン濃度が亜硝酸イオン濃度よりも低い状態から高い状態に逆転したことと、亜硝酸イオン濃度が所定値(例えば50ppm)以上の状態から該所定値未満にまで下降したことの少なくとも1つ又は全てを満たしているかを判断するステップを設けて、そのステップで肯定判断された場合に図3の工程を実施してもよい。なお、図3の工程中は槽8(図4参照)において植物の栽培は行わず、つまり、図3の工程は植物の栽培の前段階の工程である。
図3の工程では、先ず、図1のステップS5において硝化途中又は硝化完了後の槽1の液を水で希釈する(S6)。希釈度は、目標とする養液量に応じて適宜に設定できるが、例えば10倍希釈とすることができる。ステップS6では、具体的には、例えば、図2の槽1よりも大きな槽8(図4参照)を準備して、その槽8に所定量の水を入れる。例えば、槽1の液が1Lであり、この液を10倍に希釈する場合(10Lの液にする場合)には、槽8には9Lの水を入れる。そして、水が入った槽8に、槽1の液を入れる(図4参照)。なお、図2の槽1が希釈後の液も収容できる大きさである場合には、図2の槽1に所定量の水を加えてもよい。なお、ステップS6は、図1の工程で得た養液を種菌(微生物源)として、新たに養液を製造することと同義である。
ステップS6の希釈と同時又は該希釈の後に、槽8の液に、追加の有機質肥料9(図4参照)を添加する(S7)。有機質肥料9は、例えば図1のステップS3で添加する有機質肥料2(図2参照)と同じもの(例えば魚液肥)を用いればよい。有機質肥料9の添加量はステップS3で添加する有機質肥料2と同じ添加量であってもよいし、異なる添加量であってもよい。有機質肥料9が魚液肥の場合、その添加量は、有機質肥料2の添加量と同様に、例えば0.5g/Lより多く、2.0g/L以下としてよい。ステップS7の追肥によって、希釈後の液中に存在する微生物(有機物分解菌、硝化細菌)の栄養源を付与できる。
ステップS6の希釈及びステップS7の追肥の後の槽8の液に対して、有機物の分解及び硝化を進めさせる(S8)。具体的には、図1のステップS5と同様に、有機物の分解及び硝化が進行するよう、槽8の液を所定の環境に維持させる。前記所定の環境として、具体的には例えば槽8の液の温度を、温度調整部(ヒータ)によって、微生物が活動する温度として予め定められた温度(例えば20℃以上、好ましくは25℃〜35℃)に維持させる。また、前記所定の環境として、有機物の分解及び硝化の期間中は、バブリング部5及び供給部6(図4参照)により槽8の液中に空気(酸素)を供給し続ける。
また、ステップS8では、ステップS5と同様に、槽8の液中のアンモニウムイオン、亜硝酸イオン及び硝酸イオンの各濃度の変化を監視するのが望ましい。また、溶存酸素量やpHの変化も監視してよい。
ステップS8の工程は、例えば、槽8の液中の有機物の全部が分解し、硝化が完了したと判断できる時まで行う。具体的には、ステップS8の工程は、例えば槽8の液中のアンモニウムイオンが所定値以下となり、かつ、亜硝酸イオンが所定値以下となり、かつ、硝酸イオンが所定値以上となるまで行う。硝化完了時の硝酸イオン濃度は例えば50ppm以上であり、好ましくは100ppm以上である。また硝化完了時のアンモニウムイオン濃度は例えば20ppm以下である。
図1の工程又は図3の工程により得られた養液は、例えば水耕栽培の養液として用いられる。この場合、例えば図5に示すように、図1の工程又は図3の工程により得られた養液を曝気槽10に投入して、ポンプ11によって、養液を栽培槽12に送り、栽培槽12において植物の栽培を行う。栽培槽12の水面には植物が固定される浮き材13が設けられる。曝気槽10として図1の槽1又は図4の槽8をそのまま用いてもよい。また、以下のように養液を栽培槽12と曝気槽10との間で循環させてもよい。すなわち、栽培槽12の養液を曝気槽10に回収して、曝気槽10において回収した養液に、有機質肥料(例えば魚液肥)を添加する。必要に応じて、有機質肥料に加えて、これを分解処理する微生物源として図1のステップS3で用いたものと同様の有機物分解菌の微生物剤及び硝化細菌の微生物剤も添加する。そして、曝気しながら、有機質肥料に含まれる有機物を分解させて硝酸イオンを生成させる処理を曝気槽10にて行う。
本発明に関連する各種検証(実験)を行った。以下それを説明する。
<実験A:有機物分解菌と硝化細菌を段階的に添加した場合と、同時に添加した場合との比較>
(実験1:有機物分解菌と硝化細菌を段階的に添加した場合)
水1Lが入れられた槽に、有機質肥料として魚液肥を1.5g/L添加した。魚液肥として、ロイヤルインダストリーズ株式会社製の「ポタポタ液肥2号」を用いた。ポタポタ液肥2号は、有機100%の液肥である。なお、同じ槽に、ミネラル供給目的でカキガラを水1L当たり1.0gとなるように添加した。
魚液肥の添加と同時に、有機物分解菌の微生物剤を、水1Lに対して1%の体積となる量(つまり10mL)だけ添加した。有機物分解菌の微生物剤として、BioFuture Ltd.製の「BFL5100HP」を用いた。「BFL5100HP」はシリアルベースに有機物分解菌を固着させた微生物剤である。この微生物剤の添加の際には、先ず、微生物剤に含まれる微生物を活性化させるために、微生物剤の量1に対して約30℃のぬるま湯の量が10の割合となるように微生物剤にぬるま湯を加え、よくかき混ぜた上で一定時間放置させた。その後、微生物剤を10%含んだ希釈液を、槽の水1Lに対して100mL(これに含まれる微生物剤は10mL)添加した。
魚液肥及び有機物分解菌の微生物剤を添加してから7日後に、硝化細菌の微生物剤を槽の水1Lに対して1%の体積となる量(つまり10mL)だけ添加した。硝化細菌添加時の水中のアンモニウムイオン濃度は約100ppmであった。硝化細菌の微生物剤として、BioFuture Ltd.製の「BFL5800NTB」を用いた。「BFL5800NTB」は液体の微生物剤である。また、「BFL5800NTB」は、アンモニアを酸化して亜硝酸を生成する菌(アンモニア酸化細菌)と、亜硝酸を酸化して硝酸を生成する菌(亜硝酸酸化細菌)とが互いに同等の個数となるように配合された微生物剤である。この微生物剤の添加の際には、先ず、微生物剤の量1に対して約30℃のぬるま湯の量が10の割合となるように微生物剤にぬるま湯を加え、よくかき混ぜた上で一定時間放置させた。その後、微生物剤を10%含んだ希釈液を、槽の水1Lに対して100mL(これに含まれる微生物剤は10mL)添加した。
そして、魚液肥及び有機物分解菌の微生物剤を添加してからの経過日数に対する、水中のアンモニウムイオン濃度、亜硝酸イオン濃度、硝酸イオン濃度、溶存酸素量及びpHの変化を計測した。この計測期間中は、曝気を継続した。また、計測期間中の水温は30〜38℃に調整した。図6は計測結果を示している。図6の左側の縦軸はイオン濃度(単位はppm)の軸としている。右側の縦軸は溶存酸素量(単位はppm)と、pH(単位は無し)との共通軸としている。また、図6及び以降で説明する図7〜図16では溶存酸素量を「DO」で示している。
図6に示すように、実験開始から7日後までにアンモニウムイオン濃度は100ppmまで上昇し、順調に有機物を分解していると考えられる。硝化細菌添加後は、アンモニア酸化細菌により亜硝酸イオンが多く生成される一方で、硝酸イオン濃度は実験開始から28日経過時点で約50ppmであった。硝酸イオン濃度の経時的変化は、実験開始から28日経過時点で時間の経過に伴いに減少していく傾向(右肩下がりの傾向)であった。
(実験2:有機物分解菌と硝化細菌を同時に添加した場合)
硝化細菌の微生物剤を有機物分解菌の添加に遅れて添加するのではなく有機物分解菌の微生物剤の添加と同時に同量(水1Lに対して1%の体積となる量)添加し、それ以外は実験1と同じ条件で実験を行った。図7はこの結果を示している。
図7に示すように、実験開始直後からアンモニウムイオン、亜硝酸イオン及び硝酸イオンの生成が確認された。このことから、水中に有機物が残っている状態でも(換言すればBOD(Biochemical oxygen demand、生物化学的酸素要求量)が高くても)、硝化細菌は活動できると考えられる。また、亜硝酸イオン濃度は、実験開始から28日経過時点で約270ppmであり、図6の結果の約2/3程度であった。また、硝酸イオン濃度は、実験開始から28日経過時点で約70ppmであり、図6の結果と同等又は若干高い値であった。また、硝酸イオン濃度の経時的変化は、実験開始から28日経過時点で時間の経過に伴い上昇していく傾向(右肩上がりの傾向)であった。
(実験A(実験1、2)のまとめ)
図6、図7の結果より、有機物分解菌と硝化細菌を同時に同量添加した場合、有機物分解菌と硝化細菌を段階的に添加した場合に比べて同等以上の硝化速度及び硝酸イオン濃度が得られることが分かった。
<実験B:微生物剤の添加量を変えた場合の各イオン濃度の経時的変化の検証>
(実験3:微生物剤の添加量を0.1%とした場合)
実験2と同様に有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤を同時に同量添加するが、各微生物剤の添加量を、水1Lに対して0.1%の体積となる量(つまり1mL)とし、それ以外は実験2と同じ条件で実験した。図8はその結果を示している。
図8に示すように、硝酸イオン濃度は、実験開始から16日経過後に急激に上昇していき、20日経過時点では100ppmに到達し、23日経過時点で200ppmに迫る値(約180ppm)に到達した。また、硝酸イオン濃度の経時的変化は、実験開始から23日経過時点で右肩上がりの傾向であった。他方、亜硝酸イオン濃度は、実験開始から16日経過後に次第に減少していき、23日経過時点では150ppmを下回る値(約130ppm)であった。また、亜硝酸イオン濃度の経時的変化は、実験開始から23日経過時点で右肩下がりの傾向であった。
(実験4:微生物剤の添加量を0.01%とした場合)
実験2、3と同様に有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤を同時に同量添加するが、各微生物剤の添加量を、水1Lに対して0.01%の体積となる量(つまり0.1mL)とし、それ以外は実験2、3と同じ条件で実験した。図9はその結果を示している。
図9に示すように、硝酸イオン濃度は、実験開始から14日経過後に急激に上昇していき、17日経過時点では100ppmに到達し、20日経過時点で250ppmに到達し、以降はほぼ横ばいとなり、26日経過時点で約250ppmであった。他方、亜硝酸イオン濃度は、実験開始から11日経過後に次第に減少していき、20日経過時点ではほぼ0ppmとなり、以降はほぼ横ばいとなり、26日経過時点でほぼ0ppmであった。
(実験B(実験2、3、4)のまとめ)
図7、図8、図9の結果より、各微生物剤の添加量が1%よりも0.1%又は0.01%のほうが、硝化速度及び硝酸イオン濃度が向上しており、微生物剤の添加量を1%未満、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下に抑えるのが、コスト低減の観点、及び硝化速度や硝酸イオン濃度向上の観点から望ましいことが分かった。ただし、微生物剤の添加量が1%であっても、約1か月経過時点で硝酸イオン濃度が右肩上がりの傾向を示すことから(図7参照)、各微生物剤の添加量を1%又は1%より若干大きい値(例えば1.5%以下の値)であっても、ある程度高い硝化速度及び硝酸イオン濃度(例えば約1か月経過時点で50ppm以上の濃度)が得られると考えられる。
<実験C:硝化細菌の添加量を有機物分解菌の添加量より多くした場合に、硝化速度及び硝酸イオン濃度が向上するかの検証>
(実験5:硝化細菌の微生物剤の添加量を2%とした場合)
有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤を同時に添加するが、有機物分解菌の微生物剤の添加量は水1Lに対して1%の体積となる量(10mL)とし、硝化細菌の微生物剤の添加量は水1Lに対して2%の体積となる量(20mL)とし、それ以外は実験2と同じ条件で実験を行った。この実験5は、硝化速度及び硝酸イオン濃度の向上を目的として、硝化細菌の添加量を有機物分解菌の添加量の2倍にした実験である。図10はその結果を示している。
図10に示すように、硝化細菌の添加量を2倍にすることで、亜硝酸イオン濃度のみが上昇し、硝酸イオン濃度の顕著な変化は見られなかった。高濃度の亜硝酸イオンが硝化細菌の活性を落とし、これによって、硝酸イオン濃度の上昇が阻害されたと考えられる。
(実験C(実験2、5)のまとめ)
図7の結果(実験2)と図10の結果(実験5)を比較すると、図7の結果の方が、硝化速度及び硝酸イオン濃度が高く、亜硝酸イオン濃度は低い。このことから、有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤は同量添加するのが、硝化速度及び硝酸イオン濃度の向上を図る観点、及び微生物剤の添加制御の容易化を図る観点から望ましいといえる。
<実験D:途中で希釈した場合に亜硝酸イオン濃度が下がるかの検証>
(実験6:途中で10倍希釈した場合)
有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤を同時に同量(水1Lに対して1%の量)添加し、実験開始から9日目に槽の液を水で10倍に希釈した(具体的には水量を10Lに拡張した)。希釈直前の亜硝酸イオン濃度は100ppmに到達していた。途中で希釈すること以外は実験2と同じ条件で実験を行った。なお、実験6では、希釈と同時又は希釈後の追肥は行っていない。図11はその結果を示している。
図11に示すように、途中で液を希釈することで、亜硝酸イオン濃度が大幅に減少した。このことから、亜硝酸イオン濃度に下げるには、液を希釈するのが効果的といえる。
<実験E:液を希釈することに加えて、追肥をした場合に硝化が進行するかの検証>
先に説明した図11の結果では、液を希釈することで亜硝酸イオン濃度は減少したが、硝酸イオン濃度の大幅な上昇は見られなかった。そこで、希釈に加えて追肥をすることで、亜硝酸イオン濃度を下げつつ、硝酸イオン濃度の上昇を図ることができるかを検証するために下記実験7、8、9、10を行った。
(実験7:微生物剤の添加量を0.1%とし、希釈と同時に追肥をした場合)
水1Lが入れられた槽に、有機質肥料として魚液肥を1.5g/L添加した。魚液肥として、ロイヤルインダストリーズ株式会社製の「ポタポタ液肥2号」を用いた。魚液肥の添加と同時に、有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤をそれぞれ水1Lに対して0.1%の体積となる量(1mL)添加した。有機物分解菌の微生物剤としてBioFuture Ltd.製の「BFL5100HP」を用いた。また硝化細菌の微生物剤としてBioFuture Ltd.製の「BFL5800NTB」を用いた。
実験開始から31日目に、槽の液を水で10倍に希釈した(具体的には水量を10Lに拡張した)。その希釈と同時に、魚液肥(ロイヤルインダストリーズ株式会社製の「ポタポタ液肥2号」)を水1L当たり1.5g(水10Lでは15g)添加した。なお、希釈及び追肥の直前では、硝酸イオン濃度は約200ppmとなっており、アンモニウムイオン濃度及び亜硝酸イオン濃度はほぼ0ppmとなっており、硝化が完了していた。
そして、上記各実験と同様に、実験開始からの経過日数に対する水中のアンモニウムイオン濃度、亜硝酸イオン濃度、硝酸イオン濃度、溶存酸素量及びpHの変化を計測した。この計測期間中は、曝気を継続した。また、計測期間中の水温は30〜38℃に調整した。図12はその結果を示している。
図12に示すように、希釈直後は、亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度が大幅に下がった。さらに、希釈と同時に追肥をしているので、この追肥により各微生物が活動することで、各イオン濃度に顕著な変化が見られる。具体的には、アンモニウムイオン濃度は、希釈後に時間経過に伴い次第に上昇していき、実験開始から38日目を境に時間経過に伴い減少する傾向を示した。亜硝酸イオン濃度は、希釈後に時間経過に伴い次第に上昇していき、実験開始から42日目を境に時間経過に伴い減少する傾向を示し、51日経過時点ではほぼ0ppmとなった。硝酸イオン濃度は、希釈直後は約50ppm辺りでほぼ横ばいとなり、実験開始から42日目を境に時間経過に伴い急激に上昇する傾向を示した。硝酸イオン濃度は、実験開始から51日経過時点では約250ppmとなり、希釈直前の濃度よりも高くなった。
(実験8:微生物剤の添加量を0.1%とし、希釈に遅れて追肥をした場合)
水1Lが入れられた槽に、有機質肥料として魚液肥を1.5g/L添加した。魚液肥として、ロイヤルインダストリーズ株式会社製の「ポタポタ液肥2号」を用いた。魚液肥の添加と同時に、有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤をそれぞれ水1Lに対して0.1%の体積となる量(1mL)添加した。有機物分解菌の微生物剤としてBioFuture Ltd.製の「BFL5100HP」を用いた。また硝化細菌の微生物剤としてBioFuture Ltd.製の「BFL5800NTB」を用いた。
実験開始から7日目に、槽の液を水で10倍に希釈した(具体的には水量を10Lに拡張した)。なお、希釈の直前では、亜硝酸イオン濃度は150ppmに達しており、硝酸イオン濃度は50ppm未満となっており、硝化が未だ完了していなかった。また実験開始から31日目に、追肥として魚液肥(ロイヤルインダストリーズ株式会社製の「ポタポタ液肥2号」)を水1L当たり1.5g(水10Lでは15g)添加した。
そして、上記各実験と同様に、実験開始からの経過日数に対する水中のアンモニウムイオン濃度、亜硝酸イオン濃度、硝酸イオン濃度、溶存酸素量及びpHの変化を計測した。この計測期間中は、曝気を継続した。また、計測期間中の水温は30〜38℃に調整した。図13はその結果を示している。
図13に示すように、希釈直後は、亜硝酸イオン濃度が大幅に下がった。なお、硝酸イオン濃度は、希釈直後は若干上昇しているが、これは、希釈直前の低濃度の硝酸イオンに、希釈に用いた水にもともと含まれている硝酸イオンが足し合わさったためと考えられる。希釈後、追肥するまでの期間は、微生物の栄養不足のためか、亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度の変化が小さい。追肥後は、各イオン濃度に顕著な変化が見られる。具体的には、アンモニウムイオン濃度は、追肥後に時間経過に伴い次第に上昇していき、実験開始から38日目を境に時間経過に伴い減少し、45日目以降は若干上昇する傾向を示した。亜硝酸イオン濃度は、追肥後に時間経過に伴い次第に上昇していき、実験開始から42日目を境に時間経過に伴い減少する傾向を示し、51日経過時点では約50ppmとなった。硝酸イオン濃度は、追肥直後は50ppm未満の値でほぼ横ばいであったが、実験開始から42日目を境に時間経過に伴い急激に上昇する傾向を示した。硝酸イオン濃度は、実験開始から51日経過時点では約200ppmとなり、希釈直前及び追肥直前の濃度から大幅に上昇した。
(実験9:微生物剤の添加量を0.01%とし、硝化完了後に希釈及び追肥を同時に行った場合)
初期に添加する有機物分解菌の微生物剤と硝化細菌の微生物剤の量をそれぞれ水1Lに対して0.01%の体積となる量(0.1mL)とし、実験開始から26日目に槽の液を水で10倍に希釈し、その希釈と同時に追肥を行い、それ以外は実験7と同じ条件で実験を行った。つまり、実験9は、微生物剤の添加量が0.01%/L、希釈及び追肥の時期が実験開始から26日目である点で実験7と異なっており、それ以外は実験7と同じである。実験9は、実験4に対して26日目に希釈及び追肥を行った実験である。なお、希釈及び追肥の直前では、硝酸イオン濃度は約250ppmとなっており、アンモニウムイオン濃度及び亜硝酸イオン濃度はほぼ0ppmとなっており、硝化が完了していた。図14はその結果を示している。
図14において実験開始から26日目までは実験4の結果(図9)と同じである。図14に示すように、希釈後の各イオン濃度の傾向は、実験7とほぼ同様となった。硝酸イオン濃度は、実験開始から47日経過時点で約250ppmとなり、希釈直前と同等であった。また、亜硝酸イオン濃度は、実験開始から47日経過時点でほぼ0ppmとなった。
(実験10:微生物剤の添加量を0.01%とし、硝化途中に希釈及び追肥を同時に行った場合)
希釈及び追肥を実験開始から7日目に行い、それ以外は実験9と同じ条件で実験を行った。なお、希釈及び追肥の直前では、亜硝酸イオン濃度は100ppmに迫る値(約80ppm)である一方で、硝酸イオン濃度は50ppm未満となっており、硝化が未だ完了していなかった。図15はその結果を示している。
図15に示すように、亜硝酸イオン濃度は希釈直後は大幅に下がったが、その後(実験開始から11日目を境に)急激に上昇し、13日目には150ppm以上にまで達し、以降はほぼ横ばいとなった。これに対し、希釈後の硝酸イオン濃度は、14日目に約50ppmにまで上昇したが、その後、次第に減少していき、26日経過時点では約20ppmとなった。
(実験E(実験7、8、9、10)のまとめ)
図12、図13、図14、図15の結果より以下のことがいえる。
・希釈に加えて追肥をすることで、希釈後の液に対して硝化をさらに進行させることでき、亜硝酸イオンを抑制しつつ、希釈前と同等以上の硝酸イオン濃度を得ることができるとともに、より多量の養液を得ることができる。また、初期に添加する微生物剤量を抑えることができるので、低コストで養液を得ることができる。
・希釈は、硝化完了後、具体的には硝酸イオン濃度が100ppm以上、好ましくは150ppm以上、より好ましくは200ppm以上にまで上昇してとき、又は硝酸イオン濃度が亜硝酸イオン濃度よりも低い状態から高い状態に逆転したとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上の状態から50ppm未満にまで下降したときに行うと、硝化を担う微生物が十分に増加していると考えられるので、希釈後の液に対しても微生物剤を追加しなくても硝化を進行させることができ、高濃度の硝酸イオンを生成させることができる(図12、図14参照)。
・希釈は、硝化途中(硝化完了前)に行ってもよく、具体的には硝酸イオン濃度が100ppm以下のとき、又は硝酸イオン濃度よりも亜硝酸イオン濃度が高いとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上のときに行ってもよい。ただし、この場合には、初期に添加する微生物剤の量が0.01%/L以下とすると、希釈後において亜硝酸の高止まりを引き起こし、硝酸イオンの生成に悪影響を及ぼす可能性があるため(図15参照)、微生物剤の量は0.01%より大、好ましくは0.1%/L以上とするのが望ましい(図13参照)。
・追肥は、希釈と同時に行っても、希釈から遅れて行っても、高濃度の硝酸イオン濃度を得ることができる(図12、図13参照)。
・追肥を希釈と同時に行うことで、希釈時期及び追肥時期の制御の容易化を図ることができ、希釈直後から硝化を進行させることができる(図12、図14参照)。
・追肥を希釈から遅れて行うことで、希釈後の硝化の進行状況に応じて追肥の時期及び添加量を変えることができる(図13参照)。
・微生物剤の添加量が0.1%/L以下の場合であっても硝化を進行させることができる(図12、図13、図14参照)。
・槽の液量を希釈により10倍にした場合であっても硝化を進行させることができる(図12、図13、図14参照)。
<実験F:有機質肥料の添加量を変えた場合の各イオン濃度の経時的変化の検証>
(実験11:魚液肥の添加量を0.5g/Lにした場合)
魚液肥の添加量を0.5g/Lにしたこと以外は実験2と同じ条件で実験を行った。図16はその結果を示している。図16に示すように、亜硝酸イオン濃度のみ上昇し、硝酸イオンはほとんど検出されなかった。
(実験F(実験2、11)のまとめ)
図7の結果と図16の結果を比較すると、図7の結果のほうが硝酸イオン濃度が高い。したがって、魚液肥の添加量は0.5g/Lより多くするのが好ましく、より好ましくは1.0g/Lより多くするのがよい。
以上説明したように、本実施形態では、同一の槽でアンモニア化成と硝酸化成(硝化)を行うので養液の製造工程を簡素化でき、また養液を効率的に製造できる。また、微生物源として、市販の微生物剤を用いているので、養液中に雑多な微生物(有害菌)が混入するのを抑制できる。また、有機物分解菌の微生物剤と、硝化細菌の微生物剤とを別個に準備するので、有機物分解菌の添加制御と硝化細菌の添加制御を個別に行うことができる。また、有機物分解菌の微生物剤と、硝化細菌の微生物剤とを同時に同量添加することで、段階的に添加した場合と同等以上の硝酸イオン濃度が得られるとともに、有機物分解菌の添加制御と硝化細菌の添加制御の容易化を図ることができる。
また硝化細菌の微生物剤として、アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌の両方を含んだ微生物剤を用いるので、アンモニウムイオンから亜硝酸イオンを経て硝酸イオンの生成を効率的に行うことができる。
また、各微生物剤の添加量を0.01%/L〜1%/Lとすることで、有機物の分解及び硝化の開始から約1か月後に50ppm以上の硝酸イオン濃度を得ることができるとともに(図7、図8、図9参照)、微生物剤の添加量が抑えられることでコストダウンを図ることができる。特に、添加量を0.1%/L以下とすることで、より一層高濃度の硝酸イオンを得ることができる(図8、図9参照)。
また、図3の工程を実施することで、高濃度の硝酸イオンを有した多量の養液を低コストで得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、上記各実験では、初期の水量を1Lとしたが、1L以外の水量でもよい。また、上記実験6、7、8、9、10では、液を10倍希釈した例を示したが、それ以外の倍率で希釈してもよい。また、上記実験7、8、9、10では、追加の魚液肥の添加量を、初期の添加量と同じとした例を示したが、初期の添加量と追加の添加量とを異ならせてもよい。また、上記各実験では、有機質肥料として魚液肥を用いた例を示したが、魚液肥以外の有機質肥料を用いてもよい。
1、8 槽
2、9 有機質肥料
3 有機物分解菌の微生物剤
4 硝化細菌の微生物剤
5 バブリング部
6 酸素供給部

Claims (10)

  1. 水に有機物として魚液肥を水1L当たり0.5gより多い量添加する有機物添加ステップと、
    前記水に、有機態窒素を分解してアンモニウムイオンを生成する有機物分解菌の微生物剤と、アンモニウムイオンを酸化して亜硝酸イオンを生成する菌及び亜硝酸イオンを酸化して硝酸イオンを生成する菌である硝化細菌の微生物剤とを同時に同量添加し、かつそれぞれ水1L当たり0.01%以上0.1%以下の体積となる量を添加する微生物剤添加ステップと、
    前記有機物添加ステップ及び前記微生物剤添加ステップの後の液に対して硝化を進行させる硝化ステップと、
    を備え、
    硝酸イオン濃度が100ppm以上の植物栽培用の養液を得る植物栽培用養液の製造方法。
  2. 前記有機物添加ステップでは、魚液肥を水1L当たり1.0gより多い量添加する請求項1に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  3. 前記硝化ステップを第1硝化ステップとして、
    前記第1硝化ステップにおける硝化の途中又は硝化の完了後に、前記液を希釈する希釈ステップと、
    前記希釈後の液に対して硝化を進行させて液中の硝酸イオン濃度を100ppm以上にする第2硝化ステップと、
    をさらに備える請求項1又は2に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  4. 前記希釈ステップの希釈と同時又は希釈後に追加の有機物として魚液肥を水1L当たり0.5gより多い量添加する追肥ステップをさらに備える請求項3に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  5. 前記希釈ステップの希釈は、前記第1硝化ステップにおける硝化の完了後として、液中の硝酸イオン濃度が100ppm以上にまで上昇したとき、又は硝酸イオン濃度が亜硝酸イオン濃度よりも低い状態から高い状態に逆転したとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上の状態から50ppm未満にまで下降したときに行う請求項4に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  6. 前記希釈ステップの希釈は、前記第1硝化ステップにおける硝化の途中として、液中の硝酸イオン濃度が100ppm以下のとき、又は硝酸イオン濃度よりも亜硝酸イオン濃度が高いとき、又は亜硝酸イオン濃度が50ppm以上のときに行い、
    前記有機物分解菌の微生物剤と前記硝化細菌の微生物剤の添加量は水1L当たり0.01%より大きい体積となる量である請求項4に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  7. 前記希釈は、硝酸イオン濃度が100ppm以下であることと、硝酸イオン濃度よりも亜硝酸イオン濃度が高いことと、亜硝酸イオン濃度が50ppm以上であることの全てを満たすときに行う請求項6に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  8. 前記有機物分解菌の微生物剤及び前記硝化細菌の微生物剤は排水浄化用として市販されている微生物剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  9. 前記微生物剤添加ステップは、前記有機物分解菌の微生物剤及び前記硝化細菌の微生物剤を前記水に添加する前に予め前記有機物分解菌の微生物剤及び前記硝化細菌の微生物剤に含まれる微生物を活性化させるステップを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の植物栽培用養液の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の植物栽培用養液の製造方法により得られた養液を用いて植物を栽培する植物栽培方法。
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