JP6747641B2 - 水蒸気分圧を制御した第5族元素及び/又は第6族元素の溶解、回収方法と装置 - Google Patents

水蒸気分圧を制御した第5族元素及び/又は第6族元素の溶解、回収方法と装置 Download PDF

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Description

本発明は、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル等の第5族元素及び/又は第6族元素(以下、「対象元素」ということがある。)を含有する使用済みの超硬工具、各種金属製品等から対象元素をアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物の溶融物中に電解により溶解する際に、水蒸気分圧を制御して溶解を効率化する技術に関する。
従来から資源の有効利用を目的として各種元素について、回収、リサイクルの促進が進められてきている。超硬工具、各種金属製品、触媒等への需要が多いタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル等の対象元素についても、その資源の偏在や希少性等から回収、リサイクルに対する期待は非常に大きいものがある。
タングステンを回収、リサイクルする従来の技術として、亜鉛処理法と酸化−湿式法の2つが実際に稼働しているが(非特許文献1参照)、これらの従来の技術は、一般的に、不純物の除去ができない、多くの工程を必要とする、エネルギー多消費で経済コストも高いなどの問題点を有している。
また、検討中や研究中の回収プロセスとして、超硬工具スクラップを溶融状態のNaNO3と反応させてNa2WO4を生成させ、これを水で溶解してNa2WO4溶液を作るものや、特殊鋼吹製時の溶滓にソーダ灰または苛性ソーダを加えて、タングステン、モリブデンを水溶性の塩の組成に変換せしめて冷却凝固し、湿式粉砕装置により残留金属粒をスラグより分離すると同時に、スラグ中のタングステン、モリブデン塩を水に溶解するもの等も知られているが(非特許文献1、特許文献1参照)、それぞれ多くの問題点を有している。
そのような従来技術を背景として、本発明者は、先に、タングステン等の対象元素を含む超硬工具や各種金属製品等から対象元素を効率的に溶解し回収する技術として、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類水酸化物の400〜600℃の溶融物中において対象元素を陽極酸化し溶解する技術を開発した(特許文献2参照)。
特開昭50−161500号公報 特開2011−32578号公報
「金属資源レポート」Vol.38 No.4 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(2008年11月)P407−417
上述のアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物の溶融物中において対象元素を陽極酸化し溶解する技術は、比較的低い電圧で迅速に対象元素を溶解することができる、物質中の不純物の溶解物中への混入が少ない、他の手法に比べて溶解の制御も容易であるなどの優れた点を有しているものの、試験研究を進める過程で、次のような問題点が存在することを認識した。
(1)溶融アルカリ金属水酸化物が存在する雰囲気の水蒸気分圧が低い場合、対極である陰極でナトリウムが発生し、電流効率が大幅に低下する恐れがあるとともに電解に余計な電圧が必要となり、結果として消費電力が増大する。
(2)溶融アルカリ金属水酸化物が存在する雰囲気の水蒸気分圧が低い場合、溶融アルカリ金属水酸化物におけるタングステン等の対象元素の溶解度が低く、早い段階で飽和に達し、電解をさらに進めるには電解槽の溶融アルカリ金属水酸化物を頻繁に入れ替える必要があり、一定量の対象元素を処理するために必要な薬剤およびエネルギー量が膨大になる。
本発明は、上述のような試験研究過程で認識した問題点を解決し、溶解に要する電圧や電力を低減可能で、かつ、溶融物中の対象元素の溶解度を向上可能な対象元素の溶解方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記溶解方法を利用した対象元素の回収方法や溶解、回収装置を提供することを課題とする。
前記課題の下、各種の試験研究を進める過程で、本発明者は次のような知見を得た。
(A)溶融物中において、対象元素を電解して溶解する際、溶融物中の含水率(乃至水蒸気分圧)を高くすると、対極である陰極の反応がナトリウム発生よりも容易に進行する水素発生になり、電圧が低くても電解による対象元素の溶解を進めることができるので、電解に必要な消費電力を低減することができる。
(B)溶融物中の含水率を高くすると、溶融物における対象元素の溶解度が向上するので、必要とする溶融アルカリ金属水酸化物などの溶融物量を低減することができ、その後の回収プロセスに必要な中和処理等の薬剤量なども低減することができる。
(C)高含水率の溶融物中で対象元素を溶解した後、溶融物の含水率を低下したり、溶融物の温度を低下することにより対象元素をNa2WO4等の対象元素のオキソ酸塩として沈殿させて回収することができる。
本発明は、上記のような知見に基づいて完成に至ったものであり、本件では、以下の発明が提供される。
<1>アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物中において、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を電解して第5族元素及び/又は第6族元素を前記溶融物中に溶解する第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法であって、前記溶融物の含水率を0.2〜5.0wt%とすることを特徴とする溶解方法。
<2>前記溶融物の含水率の調整に、水蒸気若しくは水蒸気を含有するガスを前記溶融物中に通すか、又は、前記溶融物を収容した電解槽の気相中に供給することを特徴とする<1>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<3>アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを用いる<1>又は<2>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<4>第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質が、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルのうちの少なくとも1種を含むものである<1>〜<3>のいずれか1項に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<5><1>〜<4>のいずれか1項に記載の溶解方法により得られた第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を水に溶解させて第5族元素及び/又は第6族元素のオキソ酸塩の水溶液とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<6><1>〜<4>のいずれか1項に記載の溶解方法を用いて第5族元素及び/又は第6族元素を前記溶融物中に溶解した後、第5族元素及び/又は第6族元素を含む化合物の前記溶融物中での飽和溶解度を低下することにより前記化合物を沈殿させて回収する第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
<7>前記溶融物の飽和溶解度の低下を、前記溶融物の含水率の低下及び/又は溶融温度の低下により行う<6>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
<8>溶融物の含水率が0.2〜5.0wt%の電解槽と、溶融物の含水率が電解槽に比較して低い回収槽とを設け、電解により第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を回収槽に移送して第5族元素及び/又は第6族元素を含む化合物を沈殿させ、回収槽の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の低下した溶融物を電解槽に返送することを特徴とする<6>又は<7>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
<9>陰極と、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を保持する陽極とを備え、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した電解槽と、前記溶融物の含水率を調整する含水率調整手段とを具備することを特徴とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解又は溶解・回収装置。
<10>陰極と、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を保持する陽極とを備え、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した電解槽と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した回収槽と、電解槽に収容した溶融物の含水率を高く保持する高含水率調整手段と、回収槽に収容した溶融物の含水率を電解槽より低く保持する低含水率調整手段及び/又は回収槽に収容した溶融物の溶融温度を電解槽より低く保持する溶融温度調整手段と、電解槽中の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を回収槽に移送する溶融物移送手段と、回収槽中の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の低下した溶融物を電解槽に返送する返送手段を具備することを特徴とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解・回収装置。
本発明は、次のような実施態様を含むことができる。
<11>第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質が、使用済みの超硬工具、触媒、及び/又は、おもりである<1>〜<4>のいずれか1項に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<12>第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を予め、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物中に浸漬する予備浸漬工程を具備する、<1>〜<4>、<11>のいずれか1項に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<13>水蒸気を含有するガスは、ガスを20〜100℃の水浴に通じたものである<2>に記載の溶解方法。
<14><11>〜<13>のいずれか1項に記載の溶解方法により得られた第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を水に溶解させて第5族元素及び/又は第6族元素のオキソ酸塩の水溶液とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
<15><11>〜<13>のいずれか1項に記載の溶解方法を用いて第5族元素及び/又は第6族元素を前記溶融物中に溶解した後、第5族元素及び/又は第6族元素を含む化合物の前記溶融物中での飽和溶解度を低下することにより前記化合物を沈殿させて回収する第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
<16> 前記溶融物中での飽和溶解度の低下を、前記溶融物の含水率の低下及び/又は溶融物の温度の低下により行う<15>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
<17>前記含水率調整手段は、水蒸気若しくは水蒸気を含有するガスを前記溶融物中に通すか、又は、前記溶融物を収容した電解槽の気相中に供給するものである<9>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解又は溶解・回収装置。
<18>前記含水率調整手段は、20〜100℃の水浴に通じたガスを供給するものである<17>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解又は溶解・回収装置。
<19>前記高含水率調整手段は、水蒸気若しくは水蒸気を含有するガスを前記溶融物中に通すか、又は、前記溶融物を収容した電解槽の気相中に供給するものである<10>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解・回収装置。
<20>前記高含水率調整手段は、20〜100℃の水浴に通じたガスを供給するものである<19>に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解・回収装置。
本発明によれば、第5族元素及び/又は第6族元素をアルカリ金属水酸化物等の溶融物中に電解により溶解する際に、電解に必要な電圧を抑制することができる。
また、本発明によれば、前記溶融物中の含水率(水蒸気分圧)を適切に制御することで、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類水酸化物の使用量を低減できるので、その後の中和処理等に用いる試薬も同様に低減することができる。
また、前記溶融物中の含水率(水蒸気分圧)を適切に制御したり、溶融物の温度を適切に制御することにより対象元素の前記溶融物中での飽和溶解度を調整すれば、電解を止めることなくタングステン酸ナトリウム等の第5,6族元素のオキソ酸化合物を回収することが可能となるので、第5,6族元素回収プロセスを効率化できるとともに、アルカリ金属水酸化物や中和処理用試薬等の各種薬剤の使用量をさらに抑制することができる。
水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率(水蒸気分圧)が異なる実施例1と比較例1とを比較して、タングステン合金製超硬チップを水酸化ナトリウム溶融浴中で電解して溶解した際の電流値の時間変化を示した図。実線は90℃の水浴にArガスを通じ反応容器(電解槽の気相)に供給した実施例1を、破線は水浴を通じずにArガスを反応容器に供給した比較例1を、それぞれ示す。 Ar雰囲気下での飽和量を超えるWO3を溶融水酸化ナトリウム中に予め添加した比較例2(実線)と添加しない比較例1(破線)について、水浴を通じずにArガスを反応容器(電解槽の気相)に供給しながら1Vの定電圧で電解した際の電流値の時間変化を示した図である。 Ar雰囲気下での飽和量を超えるWO3を溶融水酸化ナトリウム中に予め添加し、90℃の水浴を通じたArガスを反応容器(電解槽の気相)に供給しながら0.4Vの定電圧で電解した実施例2A(実線、含水率約2wt%)、23℃の水浴を通じてArガスを反応容器に供給しながら1Vの定電圧で電解した実施例2B(一点鎖線、含水率約0.2wt%)、及び、水浴を通じずにArガスを反応容器に供給しながら1Vの定電圧で電解した比較例2(破線、含水率約0.2wt%未満)について、電流値の時間変化を示した図である。
本発明の溶解乃至回収対象の元素は、第5族元素及び/又は第6族元素(対象元素)であり、具体的には、W、Mo、Cr、V、Nb、Taである。そのうち、特に実用面での期待が大きいW、Ta、Moが望ましい。
これらの元素を含む溶解乃至回収対象の物質としては、該元素を金属として含むものでも、また、炭化物等として含むものであってもよく、使用済みの超硬工具、各種金属製品、触媒、及びこれらの製造工程で出る工程内廃棄物が挙げられるが、これらに限定されず、これらの元素の少なくとも1種を含む物質であり、陽極として電圧を印加できる形態であれば、どのようなものでもよい。
そのような対象元素を含む物質は、各種プラスチック等の有機物を表面被覆材等として具備乃至含有していてもよいし、また、対象元素以外の元素で構成されるセラミックスを表面被覆材やバインダーの主成分乃至副成分として具備乃至含有していてもよい。対象元素以外の元素で構成されるセラミックスとしては、チッ化チタン、チッ化アルミ、アルミナ、シリカ、炭化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライド等が挙げられる。
本発明の溶解方法に用いるアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物は、陽極酸化の際の電解質であり、また、対象元素を溶解する溶媒でもある。その具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが挙げられる。実用的には、反応性等の点でアルカリ金属水酸化物が望ましく、そのうち、特に、水酸化ナトリウムが好適に用いられる。
これらの水酸化物は、単体でも、また、混合したもの(混合水酸化物)であってもよいし、さらに、陽極酸化や溶解性を大きく低下させない範囲で、他の成分や不純物が混合乃至混入してもよい。混合される他の成分としては、粘度や導電性の調整等のための他の水酸化物や電解質等が挙げられる。
本発明において、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものは、溶融状態で用いられるが、その温度は、一般的には融点以上であればよく、使用温度は、対象元素の溶解性、拡散性、用いる装置材料の耐熱性、経済性、ランニングコスト等から決定される。前記溶融物の温度は、高温にするほど対象元素の溶解性、拡散性が高くなる点で有利であるが、一方で、装置材料の耐熱性、経済性等の点で不利であるため、実用的には、通常200〜600℃程度が好適に使用できる。
本発明によれば、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物等の水酸化物の溶融浴中における含水率を高めることにより、対象元素の電解に必要な電圧を低減することができる。例えば、対象元素の電解に必要な電圧は、前記含水率が0.2wt%未満の場合約1V程度であるが、本発明にしたがって前記含水率を例えば1.5〜2.0wt%に調整することにより約0.4Vでも電解が可能となる。
また、前記溶融浴中における含水率を高めることにより、前記溶融物中における対象元素の飽和溶解度を向上し、電解による溶解を効率化することもできる。
さらに、対象元素の飽和溶解度の含水率依存性や溶融温度依存性を利用し、対象元素の回収に利用することもできる。すなわち、溶融浴中における含水率を例えば1.5〜2.0wt%に高めた状態で対象元素を溶解した後、前記含水率及び/又は溶融温度を前記溶解時より低くすることにより対象元素の化合物(タングステン酸ナトリウム等の第5,6族元素のオキソ酸塩)を沈澱させて回収可能となる。その際、含水率や溶融温度の高い電解槽と含水率や溶融温度の低い回収槽を設け、電解槽において電解により対象元素を溶解して対象元素の溶解濃度の高くなった溶融物を回収槽に移送し、対象元素の化合物を沈澱させて回収し、対象元素の溶解濃度の低下した溶融物を電解槽に返送するようにして、電解を中断することなく対象元素化合物の連続的回収を可能にすることができる。なお、回収時又は回収槽における含水率は、0wt%か又はそれに近い方が沈殿、回収を効率化する上で望ましいが、含水率を十分低下させるために要する時間等を総合的に判断して決定することができる。回収時又は回収槽における溶融温度は、低い方が沈殿、回収を効率化するうえで望ましいが、溶融温度を下げ過ぎると溶融状態を維持できなくなるリスクが高まるうえ消費エネルギーも増大するため、これらを総合的に判断して決定することができる。
前記溶融浴の含水率は、例えば、ガス供給口と大気に連通したガス排出口とを有し、溶融浴を収容した電解槽を用いて、水蒸気或いは水蒸気を含有するガスを電解槽に収容した前記溶融物中に通すか、又は、電解槽の気相中に供給することにより調整することができる。水浴温度を一定にし、単時間当たり一定の流量のガスを水浴に通じた後、電解槽の前記ガス供給口に定常的に供給することにより電解槽に収容した溶融浴の含水率をほぼ一定にすることができる。例えば、450℃の水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率は、水浴の温度が室温(20℃付近)の定常状態の場合0.2〜0.6wt%の範囲内であるが、水浴の温度が90℃の定常状態の場合約2wt%となる。水浴を通じずに水分を全く含まないガスを供給する場合には、溶融浴の含水率は0.2wt%未満になる。また、そのようなガスを全く供給しない状態で保持した場合、それ以前の含水率がどのような値であっても、最終的な定常状態では、溶融浴に接した大気や気相の水蒸気圧に対応する含水率になると考えられる。
また、溶融浴の飽和含水率は、溶融浴の雰囲気や溶融槽の気相の圧力を高めることにより向上することができるので、前記圧力の制御により対象元素の溶解度を大気圧下よりもさらに高めることができる。
前記ガスとしては、Ar等の希ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス等の不活性ガスに限らず、空気の外、不活性ガスや空気に酸素を富化した酸化性ガスを使用することもできる。ガス中の酸素は、対象元素の一部の酸化、溶解に寄与し、消費電力削減に繋がると考えられる。
本発明の溶解方法に用いる装置としては、特に限定されず、陽極酸化に従来使用されているもので耐熱性及び耐アルカリ性を有するものであれば、そのまま使用できるし、また、耐熱性の改良等を加えることにより使用することもできる。そのような装置としては、バッチ式のものだけでなく、連続式のものも使用しうる。
陽極酸化の際に陰極との間に印加する電圧は、一般に、高すぎると陽極酸化の電流効率低下と望ましくない副反応が起こり、さらには消費エネルギーも増加する。逆に低すぎると十分な反応速度が得られないため、これらを総合的に考慮して決定することができる。本発明では、溶融浴中における含水率を0.2〜5.0wt%(下限は、好ましくは0.5wt%以上、より好ましくは1.0wt%以上)にするので、電解に必要な電圧を低減することができ、それに伴い、望ましくない副反応を抑制して電流効率を比較的高くすることができる。
溶解をバッチ式で行う場合、処理期間中印加する電圧を一定にしても良いが、処理時間短縮のため、溶解処理が制御可能な範囲で印加する電圧を変化させることもできる。また、電流を一定にしても良いが、この場合は電圧を確認して電流値や処理時間、処理物質の供給量等を調整する必要がある。
本発明方法では、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル等の対象元素は、陽極酸化され、タングステンやモリブデンを例にすると、WO 2−やMoO 2−で示されるイオンとして、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物中に溶解すると考えられる。その際、溶解対象物が不純物を含んでいても、不純物であるFe,Ni等はほぼ溶解しない、または溶解しても陰極上に析出すると見込まれるため、対象元素の溶解を選択的に行うことができる。前記溶融物中に溶解しない不純物のFe,Ni等は、溶解対象物の表面等に残留するが、NaWO、NaMoO等の対象元素のオキソ酸塩は、それらの残留不純物にあまり影響を受けることなく、前記溶融物中に効率的かつ制御可能に溶解される。その際の詳細なメカニズムは必ずしも明確ではないが、NaWO、NaMoO等の対象元素のオキソ酸塩は、含水率の高い前記溶融物に対し大きな溶解度を有すると共に、高温のため拡散速度も大きく、残留不純物の影響をあまり受けることなく効率的かつ制御可能に溶解されると考えられる。
また、対象元素が溶解され、それら元素の濃度の増加した前記溶融物は、水に容易に溶解させることができ、その結果、対象元素のオキソ酸塩の水溶液を得ることもできる。前記溶融物は、水に溶解する際、安全性の観点からは、その温度を予め融点未満、望ましくは100℃未満、より望ましくは50℃未満に低下しておくことが良い。
本発明の処理対象である対象元素を含む物質が、各種プラスチック等の有機物を表面被覆材等として具備乃至含有する場合や、チッ化チタン、チッ化アルミ、アルミナ、シリカ、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライドを始めとした、対象元素以外の元素で構成されるセラミックスを表面被覆材やバインダーの主成分乃至副成分として具備乃至含有する場合には、該物質を予め、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物中に通電することなく浸漬することができる。そのような予備処理により、表面に露出する各種プラスチック等の有機物は、水素、CO、低分子の気体等に分解除去できるし、また、表面に露出するチッ化チタン、チッ化アルミ、アルミナ、シリカ、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライドを始めとしたセラミックスを含む表面被覆材やバインダーは、溶解除去できるため、その後の第5,6族元素の陽極酸化や溶解を効率的に行うことができる。また、該予備処理に用いる溶融物を、第5,6族元素の陽極酸化、溶解に用いる溶融物と別に設けることにより、第5,6族元素の溶解した溶融物中における前記有機物由来の不純物量や前記セラミックス由来の不純物量を低減することができる。該予備処理に用いる溶融物の温度は、分解する有機物や溶解するセラミックスの種類に応じて適宜決定される。
このような表面に露出するチッ化チタン、チッ化アルミ、アルミナ、シリカ、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライドを始めとしたセラミックスを溶解する溶解方法は、前述のような陽極酸化、溶解方法の予備処理としてだけでなく、第5,6族元素を含む物質から第5,6族元素を回収するための様々な処理方法においても、前記セラミックスを溶解除去するために採用することができる。
なお、このような通電しない予備浸漬処理において、対象元素は、金属や炭化物である場合にはほとんど溶解せず、窒化物や酸化物である場合には多少溶解するものの、通電して陽極酸化する場合に較べ溶解量は少ないので、その後の陽極酸化・溶解工程における溶解量に大きな影響を及ぼさないと考えられる。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例等によって何ら限定されるものではない。
(参考例1;水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率の測定)
ガスの供給口と大気に連通した排出口とを有する反応容器(電解槽)を準備し、水酸化ナトリウムを収容して450℃で溶融した。単位時間当たりの流量が一定のArガスを所定温度に保った水浴を通じた後に前記供給口から反応容器に定常的に供給し、前記水浴の温度を変化させることで水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率(乃至水蒸気分圧)を調整した。水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率は、定常状態となったと考えられる水温変更から24時間後に滴定により求めた。具体的には、溶融試料中に含まれる水酸化ナトリウム重量を酸-塩基滴定により求め、全重量との差分を含水量として評価した。その結果、水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率は、水浴の温度が室温(20℃付近)の場合0.2〜0.6wt%の範囲内であり、また、水浴の温度が90℃の場合約2wt%であった。水浴を通じることなくArガスを反応容器に供給する場合には、溶融水酸化ナトリウム中の含水率の定量は困難であるが、0.2wt%未満であることは明らかである。
(実施例1;電解に及ぼす溶融水酸化ナトリウムの含水率の影響調査1)
参考例1で使用したと同様の反応容器(電解槽)やArガス供給設備を用い、水浴温度を90℃(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率約2wt%)とした。被覆無しのタングステン合金製超硬チップ1個(0.6g、タングステンカーバイドとして90wt%程度、コバルトが5wt%程度)をNi製のプレート上に設置して陽極とし、ニッケル板を陰極として、450℃で溶融した水酸化ナトリウム中において、0.4 Vの定電圧条件で電解を行った。電流値がほぼゼロになった時点(チップが全溶解した状態)で電解を終了した。電流効率はほぼ100%であった。その結果を図1の実線で示す。0.4 Vの比較的低い電圧でありながら5時間程度の比較的短時間で全溶解した。
(比較例1)
定電圧を1Vとしたこと、及び、Arガスを水浴を通じずに反応容器に供給したこと(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率0.2wt%未満)以外は実施例1と全く同様にして電解を行った。電流効率はほぼ100%であった。その結果を図1の破線で示す。水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率が約0.2wt%未満と低い場合、全溶解に電圧1Vでかつ14時間程度必要であった。
(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率の影響調査1の結果評価)
上記実施例1と比較例1の結果から、水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率(水蒸気分圧)を高くすることにより、電解に必要な電圧を1Vから0.4Vに低減できるとともに、溶解に要する時間を約1/3程度と効率的な溶解を行うことができることが明らかとなった。
(比較例2:水酸化ナトリウム溶融浴中のタングステン濃度の電解に及ぼす影響調査)
電解開始前の水酸化ナトリウム溶融浴中にArガス雰囲気下での飽和量を超えるWO3(NaOH:WO3=5:1)を添加したこと以外は比較例1と全く同様にして電解を行った。その結果を図2の実線で示す。比較のため、比較例1の結果を併せて破線で示す。このことから、水酸化ナトリウム溶融浴中のタングステン濃度が増加するとタングステンの溶解が阻害され、電解を効率的に行うことができなくなると言える。なお、比較例2は、水蒸気無し(水浴を通じずにArガスを反応容器に供給したもので、溶融水酸化ナトリウムの含水率0.2wt%未満)の条件下での結果であるが、水酸化ナトリウム溶融浴中のタングステン濃度が増加すると溶解が阻害され、電解を効率的に行うことができなくなるとの傾向は、水酸化ナトリウム溶融浴の含水率が高くても同様であると考えられる。
(実施例2、比較例2;電解に及ぼす水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率の影響調査2)
電解開始前の水酸化ナトリウム溶融浴にWO3を添加した後、次の(1)〜(3)のいずれかの条件で電解を行った。
(1)実施例2A:水浴温度90℃(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率約2wt%)、電圧0.4V、NaOH:WO3=5:1(Arガス雰囲気下での飽和量を超えるWO3を添加)
(2)実施例2B:水浴温度23℃(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率約0.2〜0.6wt%)、電圧1V、NaOH:WO3=4:1(この条件での飽和量を超えるWO3を添加)
(3)比較例2:水浴を介さず(水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率0.2wt%未満)、電圧1V、NaOH:WO3=5:1(Arガス雰囲気下での飽和量を超えるWO3を添加)
これら実施例2A、2B、比較例2の結果を図3に示す。
(含水率の影響調査2の結果評価)
上記実施例2Aと比較例2は含水率のみを変えた条件での結果であり、これらの比較から、水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率を高くすることにより、タングステンの飽和溶解度を向上させて電解の阻害要因を減らすことができ、結果として効率的な電解を行えることが明らかとなった。また、実施例2Bと比較例2はともにタングステンが飽和した状態で含水率のみを変えた条件での結果であり、タングステンの飽和した状態であっても、水酸化ナトリウム溶融浴中の含水率を高くすることで、電流値の増加が多少なりとも見込めることが明らかとなった。上記実施例2A,2Bや比較例2以外に水浴温度が20℃や50℃の場合についても同様の電解実験を行った結果では、水浴温度20℃、50℃、90℃における水酸化ナトリウム水浴中のタングステンの飽和溶解度(W純分の質量%)は、それぞれ13wt%、26wt%、40wt%以上と推算された。
本発明の溶解、回収方法や、溶解、回収装置は、使用済みの超硬工具、各種金属製品、触媒、及びこれらの製造工程で出る工程内廃棄物等から、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル等の対象元素をアルカリ金属水酸化物等の溶融物中に効率的に溶解することができるものであるから、それらの対象元素の回収、リサイクルに有効に利用することができる。




Claims (10)

  1. アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物中において、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を電解して第5族元素及び/又は第6族元素を前記溶融物中に溶解する第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法であって、前記溶融物の含水率を0.2〜5wt%とすることを特徴とする溶解方法。
  2. 前記溶融物の含水率の調整に、水蒸気若しくは水蒸気を含有するガスを前記溶融物中に通すか、又は、前記溶融物を収容した電解槽の気相中に供給することを特徴とする請求項1に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
  3. アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを用いる請求項1又は2に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
  4. 第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質が、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルのうちの少なくとも1種を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶解方法により得られた第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を水に溶解させて第5族元素及び/又は第6族元素のオキソ酸塩の水溶液とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶解方法を用いて第5族元素及び/又は第6族元素を前記溶融物中に溶解した後、第5族元素及び/又は第6族元素を含む化合物の前記溶融物中での飽和溶解度を低下することにより前記化合物を沈殿させて回収する第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
  7. 前記溶融物の飽和溶解度の低下を、前記溶融物の含水率の低下及び/又は溶融温度の低下により行う請求項6に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
  8. 溶融物の含水率が0.2〜5.0wt%の電解槽と、溶融物の含水率が電解槽に比較して低い回収槽とを設け、電解により第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を回収槽に移送して第5族元素及び/又は第6族元素を含む化合物を沈殿させ、回収槽の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の低下した溶融物を電解槽に返送することを特徴とする請求項6又は7に記載の第5族元素及び/又は第6族元素の回収方法。
  9. 陰極と、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を保持する陽極とを備え、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した電解槽と、前記溶融物の含水率を調整する含水率調整手段とを具備することを特徴とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解又は溶解・回収装置。
  10. 陰極と、第5族元素及び/又は第6族元素を含む物質を保持する陽極とを備え、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した電解槽と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、これらの混合水酸化物、又は、前記水酸化物のいずれかを主成分として含むものの溶融物を収容した回収槽と、電解槽に収容した溶融物の含水率を高く保持する高含水率調整手段と、回収槽に収容した溶融物の含水率を電解槽より低く保持する低含水率調整手段及び/又は回収槽に収容した溶融物の溶融温度を電解槽より低く保持する溶融温度調整手段と、電解槽中の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の増加した溶融物を回収槽に移送する溶融物移送手段と、回収槽中の第5族元素及び/又は第6族元素の濃度の低下した溶融物を電解槽に返送する返送手段を具備することを特徴とする第5族元素及び/又は第6族元素の溶解・回収装置。
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