JP6745823B2 - ラパマイシン誘導体の合成のための方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、高収率でのおよび望ましくない副生成物の有意な形成のないラパマイシン誘導体の、特にエベロリムスの製造のための方法を指向する。
発明の背景
エベロリムス(40-O-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシン)(図1)は、ストレプトミセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hydroscopicus)から最初に単離されたシロリムス(ラパマイシン)の合成誘導体である。エベロリムスは、mTOR(すなわち、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤の部類に属し、臓器移植の拒絶反応を防止するための免疫抑制薬として、ならびに胃癌、腎臓癌、およびリンパ腫を含む数種類の癌の治療のために主に用いられている。
エベロリムスの合成のための公知の方法は、保護フルオロアルキルスルホン酸2-ヒドロキシエチル1によるラパマイシンのC40-ヒドロキシル基のアルキル化、およびそれに続く、エベロリムスを得るための、生じた化合物2からの保護基の除去に基づく(図2)。この反応スキームにおいて最も一般的に用いられるアルキル化試薬は、トリフルオロメタンスルホン酸2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル(図3中の1a)である。化合物1aは、エチレングリコールから出発するやや複雑な二段階合成スキームによって通常は得られる(図3)。それは、極めて不安定なため調製直後に用いられなければならない。
エベロリムスの薬理活性やその生産のための方法は、WO 94/09010 A1(特許文献1)に初めて記載された。ここでは、合成は、40-O-[2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシンを得るために、塩基として2,6-ルチジンを用いてラパマイシンを4当量のトリフルオロメタンスルホン酸2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチルとトルエン中60℃で反応させることによって達成される。生成物は、クロマトグラフィーによって精製され、メタノール中の1N HClを用いて脱保護される。生じた粗エベロリムスは次いでクロマトグラフィーによって再び精製される。しかしながら、最終生成物の全収率は、WO 2012/103959 A1(特許文献2)に記載のように僅か約17%である。
t-ブチルジフェニルシリル保護基の使用は、トリチウム化エベロリムスの合成に関してMoeniusおよび共同研究者によって提案された(Moenius, T. et al. (2000) J. Labelled Cpd. Radiopharm. 43, 113-120 (2000)(非特許文献1))。該プロセスは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いてトルエン-ジメトキシエタンの混合物中50℃で2-(t-ブチルジフェニルシリル)オキシエチルトリフラートを利用する。しかしながら、続く脱保護の後に得られるエベロリムスの全収率も非常に低かった。
WO 2012/066502 A1(特許文献3)は、ジクロロメタン、酢酸エチルまたはトルエンを溶媒としておよび2,6-ルチジンを塩基として用いラパマイシンを4〜8当量過剰な2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートと反応させること、それに続く、得られたt-ブチルジメチルシリル-エベロリムス誘導体の脱保護によるエベロリムスの合成を開示している。ジクロロメタン中で反応を実施することおよび8当量のアルキル化剤を用いることによって約45%という最終生成物の全収率が得られた。
WO 2012/103959 A1(特許文献2)で開示された方法は、より安定な2-(t-ヘキシルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートによるラパマイシンのアルキル化に関する。反応は、トルエン-ジメトキシエタンの混合物中でおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミンを塩基として用いて4当量の2-(t-ヘキシルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートと共に70℃で行われる。メタノール中の1N HClによるシリル基のさらなる脱保護は、以前の方法と比べてわずかに向上した全収率(約52%)でのエベロリムスの形成をもたらす。
しかしながら、WO 2012/103959 A1(特許文献2)の方法は、出発2-(t-ヘキシルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートの調製が複雑であることによって困難である。それは、分別真空蒸留による第1反応工程の生成物である2-((2,3-ジメチルブタ-2-イル)ジメチルシリルオキシ)エタノールの精製、低温(-30℃)で第2反応工程を実施すること、および粗2-(t-ヘキシルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートの追加の精製の必要性を要する。さらに、該方法は、望ましくない副反応および粗生成物中に存在する不純物の可能性を大きく増加させる高温(70℃、上記参照)で実施されなければならない。それ故、精製された生成物を脱保護工程に供し得る前に追加の工程として保護エベロリムス誘導体のクロマトグラフィー精製を必要とする。
WO 2014/203185 A1(特許文献4)は、ラパマイシンを化合物1(図2参照)と反応させることおよびエベロリムスを得るための保護基の除去を含むエベロリムスの合成における塩基としての立体障害アミンの使用を開示している。ラパマイシンのアルキル化時の塩基としてのN,N-ジイソプロピルペンタン-3-アミン、ジイソプロピルノナン-5-アミンおよびN,N-ジイソブチル2,4-ジメチルペンタン-3-アミンなどのアミンの使用はアルキル化剤1の安定性を高め、これはエベロリムスの収率の向上をもたらす。トルエン中40℃で反応を実施し2.5当量の2-(t-ブチルジフェニルシリル)オキシエチルトリフラートおよびN,N-ジイソプロピルペンタン-3-アミンを塩基として用いると約67%の粗エベロリムスの全収率が得られた。しかしながら、トリフラート化合物の調製のために利用される出発物質2-((t-ブチルジフェニルシリル)オキシ)エタノールや上記のどの立体障害アミンも市販されておらずかつ調製が困難であり、これはこのプロセスの大きな欠点である。
それ故、確立された合成経路の制約を克服するエベロリムスの合成のための改良された方法に対する継続的な必要性が依然として存在する。
特に、2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートの調製のための、労力がより少なく費用効率がよい、よって、望ましくない副生成物の形成を最小限にしつつ、ラパマイシンから出発するエベロリムスの合成の全収率も向上する方法に対する必要性が存在する。
したがって、エベロリムスの合成のための改良された方法を提供することが本発明の目的である。
WO 94/09010 A1 WO 2012/103959 A1 WO 2012/066502 A1 WO 2014/203185 A1
Moenius, T. et al. (2000) J. Labelled Cpd. Radiopharm. 43, 113-120 (2000)
1つの局面では、本発明は、以下の工程を含む、式(I)
Figure 0006745823
のラパマイシン誘導体の製造のための方法に関する:
(a)エチレンオキシドと式3の三置換シリルトリフラートとを反応させることによって式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを調製する工程
Figure 0006745823
式中、R1、R2、およびR3は、独立して、C1〜C12アルキルおよびC1〜C12アリールからなる群より選択される;
(b)式5の保護ラパマイシン誘導体を得るために、工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを、モル過剰の有機塩基の存在下でラパマイシンと反応させる工程
Figure 0006745823
;および
(c)式(I)のラパマイシン誘導体を得るために、式5の保護ラパマイシン誘導体を脱保護する工程。
特に、式(I)のラパマイシン誘導体は、エベロリムスである。
特定の態様では、R1、R2、およびR3は、独立して、C1〜C6アルキルおよびC6〜C12アリールからなる群より選択される。好ましい態様では、R1、R2、およびR3はそれぞれイソプロピルであるか;または、R1およびR2はそれぞれメチルでありかつR3はt-ブチルであるか;または、R1およびR2はそれぞれフェニルでありかつR3はt-ブチルであるか;または、R1およびR2はそれぞれメチルでありかつR3はt-ヘキシルである。
さらなる好ましい態様では、方法の工程(a)は、有機溶媒中15℃〜45℃の反応温度で実施される。特に好ましくは、有機溶媒はトルエンである。
別の特定の態様では、エチレンオキシドは、式3の三置換シリルトリフラートの量の1.1〜1.2モル当量の量で用いられる。
別の特定の態様では、工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、さらなる精製なしで用いられる。
さらに好ましい態様では、方法の工程(b)は、有機溶媒中40℃〜55℃の反応温度で実施される。特に好ましくは、有機溶媒は、85〜95%(v/v)トルエンと5〜15%(v/v)ジメトキシエタンとの混合物である。
さらなる特定の態様では、式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、ラパマイシンの量の4〜12モル当量の量で用いられる。
特に好ましい態様では、方法の工程(b)は、有機塩基としてのモル過剰のN,N-ジイソプロピルエチルアミンと共に実施される。
さらに別の特定の態様では、工程(b)で得られた式5の保護ラパマイシン誘導体は、さらなる精製なしで用いられる。
さらに好ましい態様では、脱保護は、式5の保護ラパマイシン誘導体を、塩酸、酢酸、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、およびフッ化水素ピリジンからなる群より選択される作用物質と反応させることによって達成される。
別の特定の態様では、方法は、工程(c)で得られた式(I)のラパマイシン誘導体を精製する工程をさらに含む。
[本発明1001]
以下の工程を含む、式(I)
Figure 0006745823
のラパマイシン誘導体の製造のための方法:
(a)エチレンオキシドと式3の三置換シリルトリフラートとを反応させることによって式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを調製する工程
Figure 0006745823
式中、R 1 、R 2 、およびR 3 は、独立して、C 1 〜C 12 アルキルおよびC 1 〜C 12 アリールからなる群より選択される;
(b)式5の保護ラパマイシン誘導体を得るために、工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを、モル過剰の有機塩基の存在下でラパマイシンと反応させる工程
Figure 0006745823
;および
(c)式(I)のラパマイシン誘導体を得るために、式5の保護ラパマイシン誘導体を脱保護する工程。
[本発明1002]
R 1 、R 2 、およびR 3 が、独立して、C 1 〜C 6 アルキルおよびC 6 〜C 12 アリールからなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
R 1 、R 2 、およびR 3 がそれぞれイソプロピルであるか;または、R 1 およびR 2 がそれぞれメチルでありかつR3がt-ブチルであるか;または、R 1 およびR 2 がそれぞれフェニルでありかつR3がt-ブチルであるか;または、R 1 およびR 2 がそれぞれメチルでありかつR3がt-ヘキシルである、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
工程(a)が、有機溶媒中15℃〜45℃の反応温度で実施される、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
有機溶媒が、トルエンである、本発明1004の方法。
[本発明1006]
エチレンオキシドが、式3の三置換シリルトリフラートの量の1.1〜1.2モル当量の量で用いられる、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートが、さらなる精製なしで用いられる、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
工程(b)が、有機溶媒中40℃〜55℃の反応温度で実施される、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
有機溶媒が、85〜95% (v/v)トルエンと5〜15% (v/v)ジメトキシエタンとの混合物である、本発明1008の方法。
[本発明1010]
式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートが、ラパマイシンの量の4〜12モル当量の量で用いられる、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
工程(b)における有機塩基が、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである、本発明1001の方法。
[本発明1012]
工程(b)で得られた式5の保護ラパマイシン誘導体が、さらなる精製なしで用いられる、本発明1001〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
脱保護が、式5の保護ラパマイシン誘導体を、塩酸、酢酸、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、およびフッ化水素ピリジンからなる群より選択される作用物質と反応させることによって達成される、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
工程(c)で得られた式(I)のラパマイシン誘導体を精製する工程をさらに含む、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
図面の簡単な説明
図1は、40-O-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシン(すなわち、エベロリムス)の化学構造を示す。 図2は、当技術分野で確立されているエベロリムスの製造のための代表的な合成スキームを示す。 図3は、当技術分野で確立されている2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチルトリフラートの調製のための代表的な合成スキームを示す。 図4は、本発明に係るエベロリムスの製造のための合成スキームを示す。
発明の詳細な説明
本発明は、有機溶媒中でエチレンオキシドをトリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジメチルシリルと反応させることにより、シリル保護ラパマイシン誘導体(すなわち、シリル保護エベロリムス)を高収率でかつ不要な副生成物の部分を少なく製造するためにモル過剰の有機塩基の存在下でラパマイシンと直接反応させることが可能な高純度の2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシエチルトリフラートが得られるという意外な知見に基づいている。純粋なラパマイシン誘導体(すなわち、エベロリムス)を得るためにシリル保護基は弱酸性条件下で除去され得、よって費用効率がより良く労力がより少ない合成スキーム全体が提供され、同時に最終生成物の向上した収率ももたらされる。
本発明は、特定の態様に関しておよびいくつかの図面を参照して以下に記載されるが、本発明はこれにではなく添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると理解される。記載の図面は概略的および代表的なものにすぎず非限定的であるとみなされる。
「含む(comprising)」という用語が本明細書および請求項において用いられる場合、それは他の要素または工程を排除しない。本発明の目的には、「からなる(consisting of)」という用語は、「含む(comprising)」という用語の好ましい態様であるとみなされる。グループが少なくともいくつかの数の態様を含むと以下に規定されていれば、これは、これらの態様のみから好ましくはなるグループを開示しているとも理解される。
単数名詞に言及する際に不定冠詞または定冠詞、例を挙げると「a」、「an」または「the」が用いられる場合は、これは特に明記しない限りその名詞の複数形を含む。
もし本発明の文脈において数値が示されていれば、当業者であれば対象となる特徴の技術的効果が、所与の数値の±10%、好ましくは±5%のずれを典型的には包含する精度区間内で確保されることを理解するであろう。
さらに、明細書におけるおよび請求項における第1、第2、第3、(a)、(b)、(c)などの用語は、類似の要素を区別するためであって、必ずしも連続的なまたは時間的な順序を記載するために用いられてはいない。そのように用いられた用語は適切な状況下では入れ替え可能であること、本明細書において記載の発明の態様は本明細書において記載または図示した以外の順序で実施可能であることが理解される。
用語のさらなる定義は、用語が用いられる下記の文脈において与えられる。下記の用語または定義は、本発明の理解を助けるためのみに提供される。これらの定義は、当業者によって理解されるよりも狭い範囲を有すると解釈されるべきでない。
1つの局面では、本発明は、以下の工程を含む、式(I)
Figure 0006745823
のラパマイシン誘導体の製造のための方法に関する:
(a)エチレンオキシドと式3の三置換シリルトリフラートとを反応させることによって式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを調製する工程
Figure 0006745823
式中、R1、R2、およびR3は、独立して、C1〜C12アルキルおよびC1〜C12アリールからなる群より選択される;
(b)式5の保護ラパマイシン誘導体を得るために、工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを、モル過剰の有機塩基の存在下でラパマイシンと反応させる工程
Figure 0006745823
;および
(c)式(I)のラパマイシン誘導体を得るために、式5の保護ラパマイシン誘導体を脱保護する工程。
特に、本発明の方法で製造される式(I)のラパマイシン誘導体は、エベロリムスである。同様に、そのような設定では、式5の保護ラパマイシン誘導体は、保護エベロリムスである。
本発明に係る方法を図4に概略的に示す。
エチレンオキシドと式3の三置換シリルトリフラートの間の反応(すなわち、方法の工程(a))は、-20℃と70℃の間の範囲の反応温度で実施されてもよい。典型的には、反応は、0℃と60℃の間の範囲または10℃と50℃の間の範囲の温度で実施される。好ましい態様では、反応は、15℃と45℃の間の範囲または20℃と40℃の間の範囲の温度で実施される。反応は、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、および45℃の温度で実施されてもよい。
反応は、有機溶媒中で、特に不活性有機溶媒、つまり反応物と反応しない溶媒中で実施されてもよい。具体的な態様では、有機溶媒は、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ヘプタン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、およびこれらの混合物からなる群より選択される。したがって、本明細書において利用される有機溶媒はまた、トルエンおよびジクロロメタンなどの2つ以上の個々の溶媒の混合物を表してもよい。特に好ましくは、利用される有機溶媒は、トルエンである。
典型的には、エチレンオキシドは、利用される式3の三置換シリルトリフラートの量の1.0〜1.6モル当量の範囲の量でこの反応に用いられてもよい。好ましくは、エチレンオキシドは、利用される式3の三置換シリルトリフラートの量の1.0〜1.3モル当量の量でまたは1.1〜1.2当量の量で用いられる。
式3の三置換シリルトリフラートの置換基R1、R2、およびR3は、独立して、任意のC1〜C12アルキル基またはC1〜C12アリール基を表してもよく、よって1〜12個の炭素原子を備えた直鎖、分岐または環状の置換基を含む。「アルキル」および「アリール」という用語は、当技術分野におけるそれらの標準的な意味に従って本明細書において用いられる。例えば、本発明に係る直鎖アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、およびドデシルを含む。分枝アルキル基は、とりわけ、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル(t-ブチル)、iso-プロピル、t-プロピル、iso-ヘキシル、t-ヘキシルなどを含む。例示的なアリール基は、フェニルおよびナフチルを含む。置換基はヘテロ原子も含んでよく、あるいは、例えばヒドロキシルまたはアミン基で置換されてもよい。
特定の態様では、R1、R2、およびR3は、独立して、C1〜C6アルキルおよびC6〜C12アリールからなる群より選択される。好ましい態様では、R1、R2、およびR3は、それぞれイソプロピルである。別の好ましい態様では、R1およびR2は、それぞれメチルであり、R3は、t-ブチルである。また別の好ましい態様では、R1およびR2は、それぞれフェニルであり、R3は、t-ブチルである。また別の好ましい態様では、R1およびR2は、それぞれメチルであり、R3は、t-ヘキシルである。
エチレングリコールから出発する確立された方法とは対照的に、本発明に係る式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートの調製のための方法は、高収率かつ高純度の生成物をもたらす一段階プロセスを表しており、更には、続く反応工程にそれを供する前に、さらなる精製を必要としない。加えて、広範な冷却または蒸留を実施するための特別な装置は必要ではなく、よって本発明の方法を工業規模の生産に容易に適用可能にする。
特定の態様では、よって、工程(a)で得られる式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートはさらなる精製なしで用いられる。
保護エベロリムスの合成(すなわち、方法の工程(a)および(b))は、ラパマイシンをモル過剰の有機塩基の存在下でエチレンオキシドおよび式3の三置換シリルトリフラートに加えることおよび生じた反応混合物を加熱することによって「ワンポット」手法として実施されてもよい。そのような設定では、式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、ラパマイシンとの縮合に直接用いられる中間反応生成物である。
方法の工程(b)は、20℃と70℃の間の範囲の反応温度で実施されてもよい。典型的には、反応は、30℃と60℃の間の範囲の温度で実施される。好ましい態様では、反応は、40℃と55℃の間の範囲、特に好ましくは48℃と50℃の間の範囲の温度で実施される。反応は、40℃、42℃、44℃、46℃、48℃、50℃、52℃、および55℃の温度で実施されてもよい。
反応は、有機溶媒中で、特に非プロトン性有機溶媒、つまり水素を供与し得ない溶媒中で実施されてもよい。具体的な態様では、有機溶媒は、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ヘプタン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、ジメトキシヘキサン、およびこれらの混合物からなる群より選択される。したがって、本明細書において利用される有機溶媒はまた、トルエンおよびジメトキシエタンなどの2つ以上の個々の溶媒の混合物を表してもよい。特に好ましくは、利用される有機溶媒は、85〜95%(v/v)トルエンと5〜15%(v/v)ジメトキシエタンとの混合物である。
典型的には、式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、利用されるラパマイシンの量の1〜30モル当量または2〜20モル当量の範囲の量でこの反応に用いられてもよい。好ましくは、式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、ラパマイシンの量の4〜12モル当量または5〜8モル当量の量で用いられ、6モル当量が特に好ましい。
方法の工程(b)は、反応時に形成されたトリフラートを中和するためにモル過剰の有機塩基と共に実施される。同時に、有機塩基の添加が、望ましくない副反応を低減させ、よって純度が向上した生成物を得ることおよび合成スキーム全体を簡素化することの両方に役立つことが見出された。適切な有機塩基の例は、とりわけ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、2,6-ルチジン、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン、およびこれらの混合物を含む。特に好ましくは、有機塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。
別の特定の態様では、工程(b)で得られた式5の保護エベロリムスは、さらなる精製なしで用いられる。
脱保護工程(すなわち、方法の工程(c))は、式5の保護エベロリムスからシリル保護基を除去するために、当技術分野で公知である適切な反応条件、特に弱酸性条件を用いて実施されてもよい。
好ましい態様では、脱保護は、式5の保護エベロリムスを、塩酸、酢酸、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、およびフッ化水素ピリジンからなる群より選択される作用物質と反応させることによって達成される。
別の特定の態様では、方法は、工程(c)で得られたエベロリムスを、例えばアフィニティークロマトグラフィーによっておよび/またはその後の結晶化によって、精製する工程をさらに含む。様々なそのような精製方法が、当技術分野において十分に確立されている。
本発明の具体的な態様を示す目的のためだけであって何ら請求項に係る主題を限定するように解釈すべきではない図面および以下の実施例によって発明をさらに説明する。
実施例1:40-O-[2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシンの合成
トルエン中の1Mエチレンオキシド溶液7.9mlとN,N-ジイソプロピルエチルアミン1.01gとの混合物を1.72gのトリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジメチルシリルに撹拌下で加えた。生じた混合物をさらに40分間20℃で撹拌した。次いで、1,2-ジメトキシエタンを0.66mlおよびトリフルオロメタンスルホン酸N,N-ジイソプロピルエチルアミンを1.82g加えた。ラパマイシンを1.0g加える前に、生じた混合物を完全に溶解するまで20℃で撹拌した。反応混合物を10分間窒素でパージし、48〜50℃まで加熱し、この温度で18時間撹拌した。続いて、反応混合物を20℃まで冷却し、ピリジンを0.2mlおよびヘプタンを16ml加えた。生じた混合物を10分間撹拌した。形成した析出物をろ過により取得し、トルエン4.0mlとヘプタン9.4mlとの混合物で洗浄した。次いで、ろ液にヘプタン中の2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールの0.2%溶液を1ml加え、生じた粗40-O-[2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液を脱保護工程に供した。得られた40-O-[2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液のHPLC分析は、76% (895mg)の全収率を示した。
実施例2:40-O-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシン(すなわち、エベロリムス)の合成
実施例1の粗40-O-[2-(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液を減圧下25〜30℃で蒸発乾固させた。続いて、残渣にヘプタンを66ml加え、生じた混合物を40mlの体積まで蒸発させた。次いで、アセトニトリル/水の(80:20)(v/v)混合物(pH=1.7、75%オルトリン酸で調整)を48ml加え、生じた混合物のpHを1N HCl溶液で1.8まで調整した。生じた混合物を1時間室温で撹拌し、エベロリムスを含有する下層を分離した。外部標準を用いてHPLCによって決定したエベロリムスの全収率は68% (711mg)であった。
実施例3:40-O-[2-(トリイソプロピルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシンの合成
トルエン中の1Mエチレンオキシド溶液7.9mlとN,N-ジイソプロピルエチルアミン1.01gとの混合物を1.99gのトリフルオロメタンスルホン酸トリイソプロピルシリルに撹拌下で加えた。生じた混合物をさらに1時間40℃で撹拌した。次いで、1,2-ジメトキシエタンを0.66mlおよびトリフルオロメタンスルホン酸N,N-ジイソプロピルエチルアミンを1.82g加えた。ラパマイシンを1.0g加える前に、生じた混合物を完全に溶解するまで20℃で撹拌した。反応混合物を10分間窒素でパージし、48〜50℃まで加熱し、この温度で18時間撹拌した。続いて、反応混合物を20℃まで冷却し、ピリジンを0.2mlおよびヘプタンを16ml加えた。生じた混合物を10分間撹拌した。形成した析出物をろ過により取得し、トルエン4.0mlとヘプタン9.4mlとの混合物で洗浄した。次いで、ろ液にヘプタン中の2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールの0.2%溶液を1ml加え、生じた粗40-O-[2-(トリイソプロピルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液を脱保護に供した。得られた40-O-[2-(トリイソプロピルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液のHPLC分析は、71%(864mg)の全収率を示した。
実施例4:40-O-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシン(すなわち、エベロリムス)の合成
実施例3の粗40-O-[2-(トリイソプロピルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液を減圧下25〜30℃で蒸発乾固させた。続いて、残渣にヘプタンを66ml加え、生じた混合物を40mlの体積まで蒸発させた。次いで、アセトニトリル/水の(80:20)(v/v)混合物(pH=1.7、75%オルトリン酸で調整)を48ml加え、生じた混合物のpHを1N HCl溶液で1.8まで調整した。生じた混合物を室温で1日撹拌し、エベロリムスを含有する下層を分離した。外部標準を用いてHPLCによって決定したエベロリムスの全収率は64%(668mg)であった。
実施例5:40-O-[2-(t-ブチルジフェニルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシンの合成
トルエン中の1Mエチレンオキシド溶液7.9mlとN,N-ジイソプロピルエチルアミン1.01gとの混合物を2.53gのトリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジフェニルシリルに撹拌下で加えた。生じた混合物をさらに1時間40℃で撹拌した。次いで、1,2-ジメトキシエタンを0.66mlおよびトリフルオロメタンスルホン酸N,N-ジイソプロピルエチルアミンを1.82g加えた。ラパマイシンを1.0g加える前に、生じた混合物を完全に溶解するまで20℃で撹拌した。反応混合物を10分間窒素でパージし、48〜50℃まで加熱し、この温度で18時間撹拌した。続いて、反応混合物を20℃まで冷却し、ピリジンを0.2mlおよびヘプタンを16ml加えた。生じた混合物を10分間撹拌した。形成した析出物をろ過により取得し、トルエン8.0mlとヘプタン8.0mlとの混合物で洗浄した。次いで、ろ液にヘプタン中の2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールの0.2%溶液を1ml加え、生じた粗40-O-[2-(t-ブチルジフェニルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液を脱保護工程に供した。得られた40-O-[2-(t-ブチルジフェニルシリル)オキシ]エチル-ラパマイシン溶液のHPLC分析は、71%(932mg)の全収率を示した。
本明細書において例示的に記載された本発明は、本明細書において具体的には開示されていない任意の要素または要素群、限定または限定群の非存在下で好適に実施されることがある。よって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、広くかつ限定なく読まれるものとする。加えて、本明細書において利用される用語および表現は、限定ではなく説明の用語として用いられており、そのような用語および表現の使用においては、示されたおよび記載された特徴またはその一部分のあらゆる同等物を排除する意図はないが、請求項に係る発明の範囲内で様々な変更が可能であると認識される。よって、本発明は、態様および任意の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書において具体化された発明の変更および変形が当業者によって行われてもよいこと、ならびにそのような変更および変形は本発明の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
本発明は、本明細書において広範にかつ包括的に記載されている。包括的な開示に含まれるより狭い種および包括度が低い集団のそれぞれも、発明の一部を形成する。これは、除外された物が本明細書において具体的に列挙されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除外する但し書きまたは否定的限定を伴う発明の包括的な記載を含む。
他の態様は次の請求項の範囲内である。加えて、本発明の特徴または局面がマーカッシュグループによって記載されている場合、当業者であれば、これによって本発明はマーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループの点からも記載されることを認識するであろう。

Claims (13)

  1. 以下の工程を含む、式(I)
    Figure 0006745823
    のラパマイシン誘導体の製造のための方法:
    (a)エチレンオキシドと式3の三置換シリルトリフラートとを反応させることによって式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを調製する工程
    Figure 0006745823
    式中、R1、R2、およびR3は、独立して、C1〜C12アルキルおよびC1〜C12アリールからなる群より選択される;
    (b)式5の保護ラパマイシン誘導体を得るために、工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートを、モル過剰の有機塩基の存在下でラパマイシンと反応させる工程
    Figure 0006745823
    ;および
    (c)式(I)のラパマイシン誘導体を得るために、式5の保護ラパマイシン誘導体を脱保護する工程を含み;
    前記工程(a)で得られた式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートは、さらなる精製なしで用いられる、工程
  2. R1、R2、およびR3が、独立して、C1〜C6アルキルおよびC6〜C12アリールからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  3. R1、R2、およびR3がそれぞれイソプロピルであるか;または、R1およびR2がそれぞれメチルでありかつR3がt-ブチルであるか;または、R1およびR2がそれぞれフェニルでありかつR3がt-ブチルであるか;または、R1およびR2がそれぞれメチルでありかつR3がt-ヘキシルである、請求項1または2記載の方法。
  4. 工程(a)が、有機溶媒中15℃〜45℃の反応温度で実施される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 有機溶媒が、トルエンである、請求項4記載の方法。
  6. エチレンオキシドが、式3の三置換シリルトリフラートの量の1.1〜1.2モル当量の量で用いられる、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 工程(b)が、有機溶媒中40℃〜55℃の反応温度で実施される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 有機溶媒が、85〜95% (v/v)トルエンと5〜15% (v/v)ジメトキシエタンとの混合物である、請求項7記載の方法。
  9. 式4の2-(三置換シリル)オキシエチルトリフラートが、ラパマイシンの量の4〜12モル当量の量で用いられる、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 工程(b)における有機塩基が、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである、請求項1記載の方法。
  11. 工程(b)で得られた式5の保護ラパマイシン誘導体が、さらなる精製なしで用いられる、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 脱保護が、式5の保護ラパマイシン誘導体を、塩酸、酢酸、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、およびフッ化水素ピリジンからなる群より選択される作用物質と反応させることによって達成される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 工程(c)で得られた式(I)のラパマイシン誘導体を精製する工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
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