JP6745664B2 - 車両用灯具及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光を走査する光偏向器を備える車両用灯具及びその制御方法に関する。
車両に搭載される車両用灯具として、レーザ等の光源からの光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の光偏向器によって走査して、蛍光板に二次元像を描画し、この二次元像を配光パターンとして前方に投影するものがある。
例えば、特許文献1に記載の車両用灯具では、光源から光を照射し、光偏向ミラーを回転して光を走査することで配光パターンを投影している。また、特許文献1の車両用灯具では、車両用灯具が搭載される車両の前方を撮影する撮影装置を備え、カメラによる撮影画像に基づいて、対向車等を検出し、対向車のフロントガラスに光が照射されないように配光パターンを変更するマスク処理を行っている。
特開2015−153645号公報
ところで、車両の傾斜角度は、坂道走行、S字やクランク等のカーブ走行、あるいは凹凸道路等、走行環境によってリアルタイムに変化するため、配光パターンが不適切なものになる。したがって、車両の傾斜角度に追従しながら車両用灯具の配光パターンを適切に形成することができる車両用灯具の出現が望まれていた。
本発明は、上記の要望に基づいてなされてものであり、走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾斜角度に追従して車両用灯具の配光パターンを適切に形成することができる、車両用灯具及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の車両用灯具は、所定の配光パターンを形成する車両用灯具であって、光を照射する光源と、前記光源から照射される光に基づき前記所定の配光パターンを形成する光学系と、前記車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段と、算出された前記車両の路面に対する傾斜角度に基づき前記所定の配光パターンを補正する配光パターン補正手段と、第1間隔で入力される第1情報に基づいて前記所定の配向パターンを設定する配向パターン設定手段と、を備え、前記傾斜角度算出手段は、前記第1間隔より短い第2間隔で入力される第2情報に基づき路面に対する前記車両の傾斜角度を算出し、前記配光パターン補正手段は、所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出手段で新たに傾斜角度が算出され、前記傾斜角度算出手段により算出された前記所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定手段により前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正することを特徴とする。
本発明によれば、前記傾斜角度算出手段が、車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出し、前記配向パターン補正手段が、前記傾斜角度算出手段により算出された傾斜角度に基づき所定の配光パターンを補正するので、走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾斜角度が反映された適切な配光パターンを形成することができる。
この構成によれば、前記配光パターン補正手段は、所定時点で第1情報が入力されてから第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出手段で新たに傾斜角度が算出されるごとに、算出済みの所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された所定の配向パターンを補正する。したがって、前記配光パターン補正手段が、第1情報により設定される配光パターンを第2情報で補正するので、より適切な配光パターンを形成することができる。
本発明において、所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出手段により算出された前記所定時点における車両の傾斜角度を保持する保持手段を備え、前記配光パターン補正手段は、前記傾斜角度算出手段により新たに傾斜角度が算出されるごとに、前記保持手段に保持された傾斜角度と新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定手段により前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正してもよい。
この構成によれば、前記保持手段が、所定時間ごとの傾斜角度を保持し、前記配光パターン補正手段が、前記傾斜角度算出手段により新たに傾斜角度が算出されるごとに、前記保持手段に保持された傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づいて設定された所定の配向パターンを補正するので、配光パターンの補正に、前記保持手段によって保持された傾斜角度を反映させることができ、その結果、より適切な配光パターンを形成することができる。
本発明において、前記第1情報は、前記車両に搭載されたカメラで撮影された撮影画像データであって、前記光学系により走査される走査領域と前記撮影画像データの照射領域とが重複しており、前記配向パターン設定手段は、前記撮影画像データに基づいて前記配向パターンを設定してもよい。
この構成によれば、前記配向パターン設定手段が、撮影画像データに基づいて配向パターンを設定するので、カメラで撮影された撮影画像により配光パターンを設定することができる。
本発明において、前記第2情報は、前記車両の特定箇所の路面からの高さ情報であり、前記傾斜角度算出手段は、前記車両の高さ情報に基づいて前記傾斜角度を算出してもよい。
この構成によれば、前記配向パターン補正手段は、前記傾斜角度算出手段で算出された車両の特定箇所の路面からの高さ情報に基づいて所定配光パターンを補正することができる。
本発明において、前記傾斜角度算出手段により車両の傾斜角度を算出するタイミングは、配向パターン設定手段により配向パターンを設定するタイミングと所定の周期で一致してもよい。
この構成によれば、所定配光パターンを設定する際に、所定周期で一致したタイミングで算出された車両の傾斜角度を用いて設定するので、所定配光パターンを設定する際に、異なるタイミングで算出された車両の傾斜角度を用いて設定するものに比べて、車両の傾斜角度が反映された適切な配光パターンを形成することができる。
本発明において、前記光源から照射された光を走査する光偏向器を備え、前記光学系は、 前記光偏向器により走査された光により前記所定の配光パターンを形成してもよい。
この構成によれば、前記光偏向器により走査された光により所定配光パターンを形成する車両用灯具において所定配光パターンを補正することができる。
本発明の車両用灯具の制御方法は、光を照射する光源と、所定の配光パターンを形成する光学系とを備えた車両用灯具の制御方法であって、前記車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度算出工程と、前記傾斜角度算出工程で算出された前記傾斜角度に基づき前記所定の配光パターンを補正する配光パターン補正工程と、第1間隔で入力される第1情報に基づいて前記所定の配向パターンを設定する配向パターン設定工程と、を備え、前記傾斜角度算出工程では、前記第1間隔より短い第2間隔で入力される第2情報に基づき路面に対する前記車両の傾斜角度を算出し、前記配光パターン補正工程では、所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出工程で新たに傾斜角度が算出され、前記傾斜角度算出工程で算出された前記所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定工程で前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正することを特徴とする。
本発明によれば、車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出し、算出された傾斜角度に基づき所定の配光パターンを補正するので、走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾斜角度が反映された適切な配光パターンを形成することができる。
本実施形態の車両用灯具を示す斜視図。 車両用灯具を示す断面図。 制御系の構成を示すブロック図。 カメラ撮影と車高検出の動作タイミングを示す図。 光偏向器を示す斜視図。 ミアンダ構造を有する圧電アクチュエータの動作を説明する図。 仮想鉛直スクリーンSにおける走査範囲を示す概略図。 撮影画像を示す概略図。 ハイビーム配光パターンを示す概略図。 車両が傾斜した状態で配光パターン補正処理前のハイビーム配光パターンを示す概略図。 車両が傾斜した状態で配光パターン補正処理後のハイビーム配光パターンを示す概略図。 ロービーム配光パターンを示す概略図。 車両が傾斜した状態で配光パターン補正処理前のロービーム配光パターンを示す概略図。 車両が傾斜した状態で配光パターン補正処理後のロービーム配光パターンを示す概略図。 変形例における制御系の構成を示すブロック図。
(実施形態の構成)
図1に示すように、本実施形態における車両用灯具2は、投影レンズ3と、投影レンズ3を保持するレンズホルダ4と、レンズホルダ4の後端部に取り付けられた本体筒5と、本体筒5の後側の開口を塞ぐ底蓋6とを備える。本実施形態では、車両用灯具2は、例えば車両のヘッドライトとして用いられる。
図2に示すように、車両用灯具2は、励起光源11と、励起光源11からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する光偏向器12とを備える。励起光源11は、詳しくは、光偏向器12に内蔵されたレーザダイオード(LD)駆動回路(図示省略)により駆動が制御される。なお、励起光源及び光偏向器の数は、適宜変更可能である。
また、車両用灯具2は、光偏向器12により走査された光により所定配光パターンに対応する二次元像が描画される蛍光体14(投影体)を備える。蛍光体14に描画された二次元像は、投影レンズ3により前方に投影される。
励起光源11、光偏向器12、及び蛍光体14は、本体筒5の内部に配置され、固定部材(図示せず)により固定されている。なお、本体筒5の外周面に放熱用のフィンを設けてもよい。
励起光源11は、例えば、励起光として青色域(例えば、発光波長が450nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード等の半導体発光素子11aと、半導体発光素子11aからの光を集光(例えばコリメート)する集光レンズ11bとを備える。なお、半導体発光素子11aは、近紫外域(例えば、発光波長が405nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード等の半導体発光素子であってもよい。また、半導体発光素子11aは、LEDであってもよい。さらに、RGBで混色させたレーザ光を照射するレーザ照射器でもよい。
励起光源11は、詳しくは後述する光偏向器12の光偏向ミラー20の回転中心に向けてレーザ光を照射する。
蛍光体14は、光偏向器12により二次元的に走査されたレーザ光を受けて、当該レーザ光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであり、外形が矩形形状の板状(又は層状)で形成されている。蛍光体14は、投影レンズ3の焦点近傍に配置されている。なお、図2では、蛍光体14の厚みを誇張して描いている。
例えば、励起光源11の半導体発光素子11aとして、青色域のレーザ光を放出するレーザダイオードを用いる場合、蛍光体14としては、青色域のレーザ光によって励起されて黄色光を発光するものが用いられる。蛍光体14には、光偏向器12により二次元的に走査された青色域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、青色域のレーザ光が照射された場合、蛍光体14は、これを透過(通過)する青色域のレーザ光と青色域のレーザ光により励起された(黄色光)との混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。
一方、半導体発光素子11aとして、近紫外域のレーザ光を放出するレーザダイオードを用いる場合、蛍光体14としては、近紫外域のレーザ光によって励起されて赤、緑、青の3色の光を発光するものが用いられる。蛍光体14には、光偏向器12により二次元的に走査され近紫外域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、近紫外域のレーザ光が照射された場合、蛍光体14は、近紫外域のレーザ光による発光(赤、緑、青の3色の光)の混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。なお、近紫外のレーザ光により、青色の蛍光体と黄色の蛍光体とを励起させて白色光を放出させてもよい。
投影レンズ3は、4枚のレンズ3a〜3dからなり、各レンズ3a〜3dは、レンズホルダ4に保持されている。各レンズ3a〜3dは、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正され、且つ色収差が補正されている。この場合、蛍光体14は、平板形状のものが用いられ、像面(平面)に沿って配置される。
投影レンズ3の焦点は、蛍光体14近傍に位置している。この投影レンズ3により、一枚の凸レンズを用いる場合と比べ、所定配光パターンに対する収差の影響を除去することができる。また、蛍光体14が平板形状であるため、蛍光体14が曲面形状である場合と比べ、その製造が容易となる。さらに、蛍光体14が平板形状であるため、蛍光体14が曲面形状である場合と比べ、二次元像の描画が容易となる。
なお、投影レンズ3は、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正されていない1枚の非球面レンズからなる投影レンズとして構成されていてもよい。この場合、蛍光体14は、像面湾曲に対応して湾曲した形状のものが用いられ、像面湾曲に沿って配置される。
投影レンズ3は、蛍光体14に描画された二次元像を前方に投影して、車両用灯具2に正対した仮想鉛直スクリーンS(車両用灯具2の前方約25mの位置に配置されている)上に、所定配光パターンとして、例えばハイビーム用配光パターンを形成する。
光偏向器12は、励起光源11の集光レンズ11bで集光された励起光を水平方向及び垂直方向に走査する。
以下、配光パターンを変更するマスク処理を行った場合の配向パターンの補正制御を行う車両用灯具2の制御系について、図3、図4を参照しながら詳細に説明する。
図3によれば、車両用灯具2が搭載される車両には、車両の四隅の路面からの車高を検出する第1〜第4車高センサ18a〜18dが設けられている。第1〜第4車高センサ18a〜18dは、車両用灯具2を統括的に制御するヘッドランプ制御部13に接続されている。
第1車高センサ18aは車両の前方左隅に設けられ、第2車高センサ18bは車両の後方左隅に設けられ、第3車高センサ18cは車両の前方右隅に設けられ、第4車高センサ18dは車両の後方右隅に設けられている。なお、第1〜第4車高センサ18a〜18dの配置位置は適宜変更可能である。
第1〜第4車高センサ18a〜18dは、それぞれのセンサ18a〜18dの取付箇所と路面間の距離(車高)を検出し、検出車高データをヘッドランプ制御部13に送信する。
ヘッドランプ制御部13には、更に、光偏向器12が接続されている。光偏向器12は、ヘッドランプ制御部13により駆動が制御される。光偏向器12には、光偏向器12により照射される光が偏向され、駆動される、励起光源11が接続されている。
車両用灯具2に搭載される車両には、更に、車両の前方を撮影するカメラ30が搭載されている。カメラ30は、車両走行時に車両の前方を撮影し、カメラ信号処理部19で信号処理して得られる撮影画像データをCAN(Control Area Network)バス15経由でヘッドランプ制御部13に送信する。なお、カメラ30は、例えば、300msec毎に撮影を行い、カメラ信号処理部19は、カメラ30から出力される映像信号を信号処理して生成された撮影画像データをヘッドランプ制御部13へ送信する。
ヘッドランプ制御部13は、カメラ30から、カメラ信号処理部19、CANバス15を介して受信される撮影画像データに基づき、対向車両と歩行者の位置、ならびにそれぞれのサイズを検出する。そして、検出された対向車両の位置及びサイズのデータ(以下、検出車両データと称する)と、検出された歩行者の位置及びサイズのデータと、車両傾斜角度データとに基づき配向制御信号を生成し、光偏向器12を制御する。
このため、ヘッドランプ制御部13は、主制御部130と、傾斜角度算出部131と、配光演算部132と、記憶部133とを含む。
傾斜角度算出部131は、例えば、30msecの間隔で、車高センサ18a〜18dから取得される検出車高データ(第2情報)に基づいて車両傾斜角度を算出する。車両傾斜角度の算出方法は、例えば、以下の通りである。
傾斜角度算出部131は、第1車高センサ18aと第3車高センサ18cとの距離、及び第2車高センサ18bと第4車高センサ18dとの距離をd、第1車高センサ18aと第2車高センサ18bとの距離、及び第3車高センサ18cと第4車高センサ18dとの距離をL、第1〜第4車高センサ18a〜18dの検出車高をh1〜h4としたときに、水平方向の車両傾斜角度θは、以下の演算式(1)を用いて演算することにより、垂直方向の車両傾斜角度θは、以下の演算式(2)を用いて演算することにより、それぞれ算出することができる。
配光演算部132は、受信した撮影画像データに基づいて所定の配向パターンを設定する。配光演算部132は、撮影画像データを受信すると、次のサイクルで更新された撮影画像データを受信するまでの間に、傾斜角度算出部131で新たに傾斜角度が算出されるごとに、更新前の撮影画像データ受信時に傾斜角度算出部131で算出された車両の傾斜角度α(θH1,θV1)と、傾斜角度算出部131で新たに算出された傾斜角度β(θH2,θV2)との差分(γ=α−β)に基づき、設定された所定の配向パターンを補正する。
記憶部133は、所定の領域(133b)に、更新前の撮影画像データが受信された時点における車両の傾斜角度αを保持し、配光演算部132が、傾斜角度算出部131で新たに傾斜角度が算出されると、記憶部133に保持された傾斜角度αを読み出し、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、設定された所定の配向パターンを補正する。
なお、主制御部130は、ヘッドランプ制御部13が、カメラ30による撮影画像データの受信間隔より短い間隔で入力される車両の検出車高情報に基づき路面に対する傾斜角度を算出し、新たに傾斜角度が算出されると、撮影画像データが受信された時点で算出された車両の傾斜角度αと、新たに算出された傾斜角度βとの差分(γ=β−α)に基づき設定された所定の配向パターンを補正する制御を行うために、例えば、内蔵するプログラムを逐次読み出して実行することにより、傾斜角度算出部131、配光演算部132、記憶部133のシーケンス制御を行う。
したがって、傾斜角度算出部131は、「第1間隔より短い第2間隔で入力される第2情報に基づき路面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段」に相当し、配光演算部132は、「第1間隔で入力される第1情報に基づいて所定の配向パターンを設定する配向パターン設定手段」、及び、「所定時点で第1情報が入力されてから第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、傾斜角度算出手段で新たに傾斜角度が算出されるごとに、傾斜角度算出手段により算出された所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、配向パターン設定手段により所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された所定の配向パターンを補正する配光パターン補正手段」に相当する。
(実施形態の動作)
以下、本実施形態における車両用灯具2の制御系の動作について詳細に説明する。図4に、車両用灯具2によるカメラ撮影と車高検出の動作タイミングを示す。図4(a)に、カメラ撮影タイミング(配光パターン決定)、図4(b)に、車高検出タイミング(配光パターン傾き補正)を示す。
第1〜第4車高センサ18a〜18dは、車高を検出し、検出車高データをヘッドランプ制御部13に送信する。図4(b)に示すように、ヘッドランプ制御部13は、傾斜角度算出部131が、第1〜第4車高センサ18a〜18dから取得される検出車高データに基づき、例えば、30msecごとに車両の傾斜角度を算出する。
一方、カメラ30は、図4(a)に示すように、例えば、240msecごとに車両前方の撮影を行い、撮影画像データを、カメラ信号処理部19、CANバス15経由でヘッドランプ制御部13へ送信する。ヘッドランプ制御部13は、例えば、60msec程度のバスサイクルを有するCANバス15経由で、カメラ信号処理のために240msec遅延した撮影画像データを受信するため、配向パターン描画時(更新された次のサイクルの撮影画像データ受信時)を基準(0msec)にすれば、300msec前(−300msec)の撮影画像データを受信することになる。
主制御部130は、タイミングAで示すカメラ30による撮影時(−300msec)、第1〜第4車高センサ18a〜18dで検出された検出車高データに基づき傾斜角度算出部131で算出された車両傾斜角度αを記憶部133の所定の領域(133b)に保持しておく。配光演算部132は、撮影画像データに基づき検出される対向車両等の位置及びサイズと、傾斜角度算出部131から得られる車両傾斜角度データとに基づくマスク制御により配向パターンを決定し、決定した配向パターンタイミングBで描画する。
配光演算部132は、タイミングAで示す撮影時点に撮影画像データを受信してから300msec経過したタイミングBで示す配光パターン描画時(次の撮影画像データを受信する)までの間、タ車両走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾きを傾斜角度算出部131から30msec間隔で算出されるごとに、記憶部133に保持された撮影時の車両傾斜角度αと、新たに算出される傾斜角度β(例えば、−2°)との差分に基づき、タイミングAで受信した撮影画像データに基づき設定された配光パターンを補正する。このことにより、撮影時以降、リアルタイムに変化する車両傾斜角度の変化を配向パターンの補正に反映させることができる。
すなわち、配光演算部132は、撮影時(タイミングA)、記憶部133の所定の領域(133b)に保持した車両の傾斜角度α(例えば、−3°)と、決定された配光パターンを描画する直前のタイミングA’までに読み込んだ車両の傾斜角度β(例えば、−2°)とから、差分γ=−5−(−3)=−2°を求め、この差分γだけ、タイミングAで設定された配光パターンを、後述する回転処理によって補正する配光パターン補正処理を30msecごとに実行する。
次に、図5を参照して、ヘッドランプ制御部13によって駆動される光偏向器12の動作について説明する。光偏向器12は、例えば、MEMSスキャナである。光偏向器の駆動方式には大別して圧電方式、静電方式、電磁方式があるが、いずれの方式であってもよい。本実施形態では、圧電方式の光偏向器を代表して説明する。
図5に示すように、光偏向器12は、2軸型光偏向器であり、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製され、一定の方向から入射する光を回転するマイクロミラーとしての光偏向ミラー20で反射し、反射光(レーザ光)として出射する。
光偏向器12は第1支持部21を備え、この第1支持部21は、光偏向ミラー20、半環状圧電アクチュエータ23a,23b、及びトーションバー24a,24b等からなる。励起光源11からのレーザ光は光偏向ミラー20で反射され、反射光(レーザ光)が蛍光体14及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンS(図7参照)上を走査する。
このとき、光偏向器12は、励起光源11に制御信号を送信する。当該制御信号により光偏向器12の半環状圧電アクチュエータ23a,23bが駆動され、半環状圧電アクチュエータ23a,23bと結合したトーションバー24a,24bがねじれることで、光偏向ミラー20を回動させる。また、当該制御信号により、励起光源11において、レーザ光のオン・オフ及び輝度が制御される。
本実施形態では、2軸直交座標系において、円形の光偏向ミラー20の中心を通る水平方向の回転軸をX軸、垂直方向の回転軸をY軸と定義する。また、図5においては、X軸を左右方向、Y軸を上下方向、光偏向ミラー20の厚み方向を前後方向としている。
光偏向器12は矩形環状の第2支持部22を備え、この第2支持部22の中央に第1支持部21が配設されている。また、第1支持部21の中心を通るY軸に対して線対称に、蛇腹状の圧電アクチュエータ31a,31bが配設され、第1支持部21の辺部下端及び第2支持部22と結合している。なお、第1,第2支持部21,22、半環状圧電アクチュエータ23a,23b、トーションバー24a,24b及び圧電アクチュエータ31a,31bをまとめてMEMSと称している。
圧電アクチュエータ31a,31bは、複数のカンチレバーを長手方向が隣り合う向きに並べて、上下方向端部で折り返して直列結合したミアンダ構造に形成されている。詳細は後述するが、上記制御信号により圧電アクチュエータ31a,31bを駆動させることで、第1支持部21が水平方向、すなわち、図中の光偏向ミラー20の中心を通るX軸線回りを往復回動する。
また、上述したように、半環状圧電アクチュエータ23a,23bを駆動させることにより、光偏向ミラー20がトーションバー24a,24bの軸と一致し、図中の光偏向ミラー20の中心を通るY軸線回りを往復回動する。
この結果、光偏向器12は、レーザ光を光偏向ミラー20で反射する際、光を光偏向器12の前方に出射して、さらにX軸方向とY軸方向の2方向に走査することができる。
第2支持部22の下方には、電極パッド32a〜32e(以下、電極パッド32という)と、電極パッド33a〜33e(以下、電極パッド33という)とが配設されている。電極パッド32,33は、圧電アクチュエータ31a,31b及び半環状圧電アクチュエータ23a,23bの各電極に駆動電圧を印加できるように電気的に接続されている。
なお、圧電アクチュエータ31a,31bの部分がなくても光偏向器として機能させることができる。この場合、第1支持部21の部分が支持体の役割を果たし、光偏向ミラー20がY軸線回りを往復回動する1軸型光偏向器を構成する。
次に、図6を参照して、圧電アクチュエータ31aを例に動作を説明する。上述したように、光偏向器12は、圧電アクチュエータ31a,31bを動作させることにより、光偏向ミラー20のX軸線回りの往復回動を可能としている。
図6Aは、光偏向器12を表側から見たとき、左側に配設される圧電アクチュエータ31aを切り出した図である。圧電アクチュエータ31aは、圧電カンチレバーを4つ並べた形状であり、第1支持部21から離れた方より順に、圧電カンチレバー31a(1)、31a(2)、31a(3)、31a(4)である。
例えば、圧電アクチュエータ31aにおいて、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)に第1の電圧を印加する。また、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)に、第1の電圧とは逆位相の第2の電圧を印加する。
このように電圧を印加することで、図6Bに示すように、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)を図6B中の上方向に屈曲変位させ、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)を図6B中の下方向に屈曲変位させることができる。
圧電アクチュエータ31bは、圧電アクチュエータ31aと同様に4個の圧電カンチレバーから構成され、第1支持部21に近い方より順に、1番目,2番目,3番目,4番目の圧電カンチレバーであり、奇数番目の2個の圧電カンチレバーを図5中の後側に屈曲変位させ、偶数番目の2個の圧電カンチレバーを図5中の前側に屈曲変位させることができる。
これにより、光偏向ミラー20の図5中の上側(トーションバー24a側)より光偏向ミラー20の図5中の下側(トーションバー24b側)が図5中の前側になる(上側が図6中のU方向に動く)ように、光偏向ミラー20を変位させることができる。
また、奇数番目の圧電カンチレバー31a(1)、31a(3)に第2の電圧を印加し、偶数番目の圧電カンチレバー31a(2)、31a(4)に、第1の電圧を印加することで、光偏向ミラー20の図5中の下側(トーションバー24b側)より光偏向ミラー20の図6中の上側(トーションバー24a側)が図5中の前側になるように、光偏向ミラー20を変位させることができる。これらの制御を連続して行うことで、光偏向ミラー20をX軸線回りに回動(揺動)させることができる。この光偏向ミラー20の回転制御時には、圧電アクチュエータ31bも、圧電アクチュエータ31aと同様に屈曲変位される。
第1の電圧、第2の電圧の印加方法として、サインカーブや櫛歯上に変化する逆位相の電圧を、奇数番目の圧電カンチレバーと、偶数番目の圧電カンチレバーに印加する方法がある。また、カンチレバーを上下方向に交互に屈曲させる場合に限らず、上下のいずれかの屈曲と屈曲しない状態とを交互に繰り返してもよい。
車両用灯具2を駆動して、ハイビーム用配光パターンを形成する場合、先ず、光偏向器12は、励起光源11に向けて制御信号を送信する。
制御信号により、励起光源11からレーザ光が出力され、且つ、光偏向器12が駆動して各々の光偏向ミラー20が、X軸周り及びY軸周りに回動する。
図2に示したように、励起光源11から出力されたレーザ光は、光偏向器12の光偏向ミラー20の回転中心に入射して、回動する光偏向ミラー20により水平方向及び垂直方向に走査され、光偏向器12、蛍光体14及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンS上に走査範囲SRで走査され(図7)、二次元像が投影される。
以下、具体的に、図7〜図14を参照しながら、車両に搭載した車両用灯具2を駆動して、ハイビーム用配光パターンを形成する場合の回転処理動作について説明を行う。
車両に搭載されたカメラ30は、車両走行時に車両の前方を撮影し、撮影画像データをヘッドランプ制御部13に送信する。図8、図9に示すように、撮影画像PIは、走査範囲SRと重複している。
ヘッドランプ制御部13は、配光演算部132が、主制御部130を介してCANバス15経由で取得されるカメラ30からの撮影画像データに基づいて、周知の検出方法により対向車両の位置及びサイズを検出する。
車両に設けられた第1〜第4車高センサ18a〜18dは、車高を検出し、検出車高データをヘッドランプ制御部13に送信する。ヘッドランプ制御部13は、傾斜角度算出部131が、第1〜第4車高センサ18a〜18dからの検出車高データに基づいて、車両傾斜角度を算出し、算出した車両傾斜角度データを、配光演算部132に送信する。
図9に示すように、励起光源11から照射されたレーザ光は、光偏向器12、蛍光体14及び投影レンズ3を介して仮想鉛直スクリーンS上に走査範囲SRで走査され、二次元像が投影される。
配光演算部132は、検出した対向車両の位置及びサイズと、傾斜角度算出部131からの車両傾斜角度データとに基づいて、図9に示すように、対向車両のフロントガラスにハイビームが照射されないように、励起光源11及び光偏向器12の駆動を制御するマスク制御を行う。なお、図9では、車両は路面に対して傾斜しておらず、このため、車両傾斜角度データは0°となる。また、先行車両や歩行者がいる場合には、主制御部130が、先行車両及び歩行者の位置及びサイズを検出する。この場合、配光演算部132は、先行車両のリアガラスと歩行者とにハイビームが照射されないようにマスク制御を行う。
配光演算部132は、図9に示すように、走査範囲SRの一部(フロントガラス)をマスクした照射範囲となる配光パターンに対応した走査信号を光偏向器12に送信する。なお、図9〜図11において、ハッチングされた部分が光照射範囲で、ハッチングされていない部分がマスク範囲である。
光偏向器12は、配光演算部132からの配光制御信号に基づいて、励起光源11を駆動する。この際、光偏向器12は、マスク処理として、マスクする領域を走査する際に励起光源11から光を照射しないように制御する。
車両が例えば小石等に乗り上げて左右に傾斜した場合(例えば、反時計方向に5°)、図10に示すように、対向車両のフロントガラスにハイビームが照射されてしまうことがある。これを防止するために、実施形態2では、車両の傾斜に応じて、配光パターンを回転により補正する配光パターン補正処理を行う。なお、車両の傾斜は、図10及び図11において反時計方向がプラスの回転となる。
配光パターン補正処理では、車両に設けられた第1〜第4車高センサ18a〜18dは、30msecの間隔で車高を検出し、検出車高データをヘッドランプ制御部13に送信する。ヘッドランプ制御部13は、傾斜角度算出部131が、第1〜第4車高センサ18a〜18dからの検出車高データに基づいて、車両傾斜角度を算し、算出した車両傾斜角度データを、配光演算部132に送信する。
配光演算部132は、車両傾斜角度データに基づいて、対向車両のフロントガラスにロービームが照射されないように、算出済みの車両傾斜角度(0°)と新たに算出された車両傾斜角度(+5°)との差分(−5°:時計方向)だけ配光パターンを傾斜させるような配光制御信号を光偏向器12に送信する。
光偏向器12は、配光演算部132からの配光制御信号に基づいて、配光パターンを−5°(時計方向)傾斜させるように、励起光源11を駆動する。これにより、図11に示すように、差分(−5°)だけ配光パターンが傾斜し、対向車両のフロントガラスにはハイビームが照射されなくなる。なお、算出済みの車両傾斜角度が−5°で、新たに傾斜角度が+5°で算出された場合には、差分となる−10°配光パターンを傾斜させる。
配光演算部132は、カメラ30から撮影画像データを受信したタイミングでは、検出した対向車両の位置及びサイズと、傾斜角度算出部131からの車両傾斜角度データとに基づくマスク制御を行う。すなわち、配光パターン決定処理は、カメラ30から撮影画像データを受信したタイミング(300ms)で行われ、配向パターンの補正は、カメラ30から更新された撮影画像データを受信するまでの間、配向パターン決定時に記憶部133の所定の領域(133b)に保持される車両傾斜角度を基準に、新たに傾斜角度算出部で算出される車両傾斜角度が入力されるタイミング(30ms)で行われる。
次に、車両に搭載した車両用灯具2を駆動して、ロービーム用配光パターンを形成する場合について説明を行う。
配光演算部132は、カメラ30からの撮影画像データに基づいて、周知の検出方法により歩行者の位置及びサイズを検出する。
上記したハイビーム用配光パターン形成時と同様に、ヘッドランプ制御部13は、傾斜角度算出部131が、第1〜第4車高センサ18a〜18dからの検出車高データに基づいて、車両傾斜角度を算出し、算出した車両傾斜角度データを、配光演算部132に送信する。また、配光パターンを記憶部133の所定の領域(133a)から読み出し、さらに新たに算出した傾斜角度で補正処理した配光パターンに応じた配光制御信号を光偏向器12に送信する。なお、記憶部133の所定の領域に記憶された配光パターンは、遠方や対向車のフロントガラスに光が照射されないようにカットオフされている(図12参照)。
配光演算部132は、検出した歩行者の位置及びサイズと、傾斜角度算出部131からの車両傾斜角度データとに基づいて、図12に示すように、歩行者にロービームが照射されないようにマスク制御を行う。なお、図12では、車両は傾斜しておらず、車両傾斜角度データは0°となる。また、図12〜図14において、ハッチングされた部分が光照射範囲で、ハッチングされていない部分が非照射範囲である。
車両が傾斜した場合(例えば、時計方向に5°)、図13に示すように、歩行者にロービームが照射されてしまうことがある。これを防止するために、本実施形態では、車両の傾斜に応じて、配光パターンを補正する配光パターン補正処理を行う。なお、本実施形態では、車両の傾斜は、図13及び図14において時計方向がマイナスの傾斜となる。
配光パターン補正処理では、上記したハイビーム用配光パターン形成時と同様に、傾斜角度算出部131が、30msecの間隔で、第1〜第4車高センサ18a〜18dからの検出車高データに基づいて車両傾斜角度を算出し、算出した車両傾斜角度データを、配光演算部132に送信する。
配光演算部132は、車両傾斜角度データに基づいて、歩行者にロービームが照射されないように、算出済みの車両傾斜角度(0°)と新たに算出された車両傾斜角度(−5°)との差分(+5°:反時計方向)だけ配光パターンを回転(傾斜)させるような配光制御信号を光偏向器12に送信する。
光偏向器12は、配光演算部132からの配光制御信号に基づいて、励起光源11を駆動する。これにより、図14に示すように、差分(+5°)だけ配光パターンが回転し、歩行者にはロービームが照射されなくなる。
(実施形態の効果)
本実施形態における車両用灯具2によれば、第1〜第4車高センサ18a〜18dにより30msec毎に検出される車高データに基づいて撮影時に設定された配光パターンを補正するため、300msecの間隔でカメラ30により撮影された撮影画像データに基づいて配光パターンを補正する方式に比べて補正するまでのタイムラグが短くなる。また、カメラ30による撮影画像データに基づいて対向車等を検出し、対向車のフロントガラスに光が照射されないように配光パターンを変更するマスク処理を行う場合、撮影時の傾斜角度を保持し、これを配光パターンの補正に反映させることで、撮影画像の信号処理遅延に基づくマスク箇所の位置ずれを防止することができ、対向車両に予期せぬグレアを与えることなく、また、歩行者にロービームが照射されること等を回避することができる。
なお、本実施形態では、水平方向の補正を主に述べたが、同時に、垂直方向についても補正を行う。この場合、記憶部133の所定の領域(133b)にピクセル単位の傾斜角度を保持しておき、配光演算部132が、以下に示す演算式(3)を用いて補正値yHVを演算することにより垂直方向の補正も可能である。
なお、演算式(3)において、x,yは、配光描画された画像におけるx,y座標、係数の0.1は、回転演算後の1ピクセルあたりの補正シフト量(ピクセル単位の角度)、θは、垂直方向の車両傾斜角度である。
なお、本実施形態によれば、カメラ30は300msecの間隔で撮影を行い、第1〜第4車高センサ18a〜18dは、30msecの間隔で車高を検出しているため、第1〜第4車高センサ18a〜18dでの車高検出タイミングは、カメラ30での撮影タイミングと所定周期で一致しているが、各間隔は適宜変更可能である。なお、撮影タイミングと車高検出タイミングとがずれた場合、定期的に撮影タイミングをシフトする等によりタイミングを所定周期で一致させる処理を行うことが好ましい。
また、実施形態1では、カメラ30での撮影画像に基づいて配光パターンを設定しているが、配光パターンを設定するための情報は撮影画像に限らず、例えば、車両や歩行者等の対象物までの距離を測定する測距センサでの測定結果に基づいて、配光パターンを設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、車高センサ18a〜18dにより検出された車高データに基づいて、車両傾斜角度を算出しているが、車高センサ18a〜18dに限らず、加速度センサやジャイロセンサを車両に搭載し、これら各センサで検出されたデータに基づいて、車両傾斜角度を算出するようにしてもよい。
また、励起光源11を用いているが、光源の色そのものを照射するような光源を用いてもよい。この場合、蛍光体(投影体)は不要となり、光源からの光がそのまま照射される。また、蛍光体に代えて、透光性の拡散板を用いてもよい。さらに、光源は、1つのまとまった光線を照射すればよく、例えば、ファイバで光を導くようにしてもよい。ファイバに導く光は、RGBで混色された白色光でもよい。
また、矩形状の蛍光体を用いているが、これに限らず、例えば楕円形でもよい。
また、光源からの光を光偏向器12で走査することで配向パターンを形成するものとしたがこれに限らない。例えば行列状に配置された発光素子の光源を利用しても構わない。配向パターンの形成、マスク処理は発光素子の位置によりON/OFF切り替えることで実現可能である(例えば、特開2015−015104号公報開示の光源)。この場合も同様の処理による演算結果に基づいて行列状に配置された発光素子を制御する。所定位置にマスク処理可能な光源であれば良い。
また、新たに算出された車両傾斜角度との差分により配向パターン補正処理を行うようにしたがこれに限らない。算出済みの車両傾斜角度との差分により補正処理をすればそのタイミングはいずれでも良い。カメラ撮影と傾斜角度検出が同時に行われた時点を基準として、基準時の配向パターンとの差分をとるようにするのが好ましい。
(変形例)
なお、本実施形態では、カメラ30と車高センサ18a〜18dとを用いた配向パターンの補正制御について説明したが、走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾斜角度を検出する車高センサ18a〜18dによってのみ配向パターンの補正制御を行うことも可能である。この場合の車両用灯具2の制御系の構成を変形例として図15に示す。
図15に示すように、図3に示す本実施形態の車両用灯具2との構成上の差異は、カメラ30、及びカメラ信号処理部19を備えていないことであり、ヘッドランプ制御部13が、デフォルトで設定された配光パターンを、リアルタイムに変化する車両の傾きを検出する車高センサ18a〜18dによってのみ補正制御を行う。
ヘッドランプ制御部13は、車両用灯具2が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出し、算出された前記車両の路面に対する傾斜角度に基づき所定の配光パターンを補正する。車両の傾斜角度に応じた配光パターンの補正制御は、実施形態と同様であり、重複を回避する意味で詳細な説明を省略する。
配光演算部132は、傾斜角度算出部131で算出された車両の路面に対する傾斜角度に基づき所定の配光パターンを補正する。記憶部133には、ロービーム、ハイビーム等における様々な配光パターンが記憶されており、配光演算部132は、例えば、ロービーム時、記憶部133からロービーム用の配光パターンを読み込み、ハイビーム時、記憶部133からハイビーム用の配光パターンを読み込み、読み込んだ配光パターンに応じた配光制御信号を生成して光偏向器12に送信する。
例えば、ロービーム時には、主制御部130が、記憶部133からロービーム用の配光パターンを読み込み、配光演算部132が、読み込まれた配光パターンに応じた配光制御信号を生成して光偏向器12に送信する。
すなわち、配向パターンの読み出し時に、車両に設けられた第1〜第4車高センサ18a〜18dが車高を検出し、主制御部130を介してその検出車高データが傾斜角度算出部131へ送信される。傾斜角度算出部131は、第1〜第4車高センサ18a〜18dから出力される検出車高データに基づき、演算式(1)を用いた演算により水平方向の車両傾斜角度を求め、また、演算式(2)を用いた演算により垂直方向の車両傾斜角度を求め、ここで算出された車両傾斜角度データを配光演算部132に送信する。
このとき、配光演算部132に送信される配向パターン読み出し時の車両傾斜角度は、主制御部130が、記憶部133の所定の領域(133b)に保持しておくものとする。また、傾斜角度算出部131は、配向パターンを読み出して以降、例えば、30msecの間隔で、逐次、リアルタイムに変化する新たな車両傾斜角度を求め、都度、配光演算部132へ送信するものとする。
配光演算部132は、記憶部133から配向パターンを読み出した後、傾斜角度算出部131が30msec間隔で新たに傾斜角度を算出すると、記憶部133の所定の領域(133b)に保持された配向パターン読み出し時の車両傾斜角度と、傾斜角度算出部131で新たに算出された傾斜角度との差分を求める。そして、この差分だけ記憶部133から読み出された配光パターンを逆方向に傾斜させる配光パターン補正処理を実行する。
なお、ハイビーム用配向パターンが選択された場合も同様の動作を行う。
変形例における車両用灯具2によれば、車両用灯具2が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出し、算出された傾斜角度に基づき所定の配光パターンを補正するので、走行環境によりリアルタイムに変化する車両の傾斜角度が反映された適切な配光パターンを形成することができる。
2…車両用灯具、3…投影レンズ、4…レンズホルダ、5…本体筒、6…底蓋、11…励起光源、11a…半導体発光素子、11b…集光レンズ、12…光偏向器、13…ヘッドランプ制御部、14…蛍光体、15…CANバス、130…主制御部、131…傾斜角度算出部、132…配光演算部、133…記憶部、18a〜18d…第1〜第4車高センサ、19…信号処理部、20…光偏向ミラー、21,22…第1,第2支持部、23a,23b…半環状圧電アクチュエータ、24a、24b…トーションバー、30…カメラ、31a,31b…圧電アクチュエータ、32a〜32e…電極パッド、33a〜33e…電極パッド

Claims (7)

  1. 所定の配光パターンを形成する車両用灯具であって、
    光を照射する光源と、
    前記光源から照射される光に基づき前記所定の配光パターンを形成する光学系と、
    前記車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段と、
    算出された前記車両の路面に対する傾斜角度に基づき前記所定の配光パターンを補正する配光パターン補正手段と、
    第1間隔で入力される第1情報に基づいて前記所定の配向パターンを設定する配向パターン設定手段と、
    を備え
    前記傾斜角度算出手段は、
    前記第1間隔より短い第2間隔で入力される第2情報に基づき路面に対する前記車両の傾斜角度を算出し、
    前記配光パターン補正手段は、
    所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出手段で新たに傾斜角度が算出され、前記傾斜角度算出手段により算出された前記所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定手段により前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正することを特徴とする車両用灯具。
  2. 請求項1に記載の車両用灯具において、
    所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出手段により算出された前記所定時点における傾斜角度を保持する保持手段を備え、
    前記配光パターン補正手段は、
    前記傾斜角度算出手段により新たに傾斜角度が算出されるごとに、前記保持手段に保持された傾斜角度と新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定手段により前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正することを特徴とする車両用灯具。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
    前記第1情報は、前記車両に搭載されたカメラで撮影された撮影画像データであって、前記光学系により走査される走査領域と前記撮影画像データの照射領域が重複しており、
    前記配向パターン設定手段は、
    前記撮影画像データに基づいて前記配向パターンを設定することを特徴とする車両用灯具。
  4. 請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
    前記第2情報は、前記車両の特定箇所の路面からの高さ情報であり、
    前記傾斜角度算出手段は、
    前記車両の高さ情報に基づいて前記傾斜角度を算出することを特徴とする車両用灯具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
    前記傾斜角度算出手段により車両の傾斜角度を算出するタイミングは、配向パターン設定手段により配向パターンを設定するタイミングと所定の周期で一致していることを特徴とする車両用灯具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
    前記光源から照射された光を走査する光偏向器を備え、
    前記光学系は、
    前記光偏向器により走査された光により前記所定の配光パターンを形成することを特徴とする車両用灯具。
  7. 光を照射する光源と、所定の配光パターンを形成する光学系とを備えた車両用灯具の制御方法であって、
    前記車両用灯具が搭載される車両の路面に対する傾斜角度を算出する傾斜角度算出工程と、
    前記傾斜角度算出工程で算出された前記傾斜角度に基づき前記所定の配光パターンを補正する配光パターン補正工程と、
    第1間隔で入力される第1情報に基づいて前記所定の配向パターンを設定する配向パターン設定工程と、
    を備え
    前記傾斜角度算出工程では、前記第1間隔より短い第2間隔で入力される第2情報に基づき路面に対する前記車両の傾斜角度を算出し、
    前記配光パターン補正工程では、所定時点で前記第1情報が入力されてから前記第1間隔で次の第1情報が入力されるまでの間、前記傾斜角度算出工程で新たに傾斜角度が算出され、前記傾斜角度算出工程で算出された前記所定時点における傾斜角度と、新たに算出された傾斜角度との差分に基づき、前記配向パターン設定工程で前記所定時点に入力された第1情報に基づいて設定された前記所定の配向パターンを補正することを特徴とする車両用灯具の制御方法。
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