JP6745012B1 - タービン翼及びこれを備えたガスタービン - Google Patents

タービン翼及びこれを備えたガスタービン Download PDF

Info

Publication number
JP6745012B1
JP6745012B1 JP2019198127A JP2019198127A JP6745012B1 JP 6745012 B1 JP6745012 B1 JP 6745012B1 JP 2019198127 A JP2019198127 A JP 2019198127A JP 2019198127 A JP2019198127 A JP 2019198127A JP 6745012 B1 JP6745012 B1 JP 6745012B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
trailing edge
thickness
pressure surface
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019198127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021071085A (ja
Inventor
羽田 哲
哲 羽田
朋子 森川
朋子 森川
芳史 岡嶋
芳史 岡嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2019198127A priority Critical patent/JP6745012B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6745012B1 publication Critical patent/JP6745012B1/ja
Publication of JP2021071085A publication Critical patent/JP2021071085A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

【課題】タービン翼の効率的な冷却が可能なタービン翼及びこれを備えたガスタービンを提供する。【解決手段】タービン翼は、前縁と後縁との間に延在する圧力面及び負圧面と、前記後縁及び前記後縁に開口する後縁通路を含む後縁部と、を含む翼形部を備えるタービン翼であって、前記後縁部は、前記圧力面の後縁側領域を形成する外表面を有する圧力面側壁と、前記後縁通路を挟んで前記圧力面側壁と対向するように配置され、前記負圧面の後縁側領域を形成する外表面を有する負圧面側壁と、を含み、前記後縁部は、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の一方である第1壁の厚さ、及び、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の他方である第2壁の厚さが後縁に向かって漸減する壁厚減少部を有し、前記壁厚減少部では、前記翼形部のキャンバラインに沿った座標軸における任意の位置において、前記第1壁の厚さが前記第2壁の厚さよりも小さい。【選択図】 図3

Description

本開示は、タービン翼及びこれを備えたガスタービンに関する。
ガスタービン等のタービン翼において、タービン翼の内部に形成された冷却通路に冷却流体を流すことにより、高温のガス流れに曝されるタービン翼を冷却することが知られている。
例えば、特許文献1には、翼高さ方向に沿って延びる複数のキャビティ(冷却通路)が設けられたタービン翼が開示されている。このタービン翼の後縁部には、上述のキャビティに接続されるとともに後縁に開口する後縁通路が設けられており、タービン翼の後縁部は、後縁通路を流れる冷却流体によって冷却されるようになっている。
特開平9−144503号公報
ところで、タービン翼には、タービン翼の材料に応じた許容メタル温度が存在し、タービン翼の圧力面側及び負圧面側の両方について許容メタル温度以下となるように冷却する必要がある。
ここで、タービン翼の圧力面側(腹側)と負圧面側(背側)とでは、翼面近傍を流れる高温ガスの温度や流速等を含む翼壁の加熱条件が異なる場合がある。このように、タービン翼の圧力面側と負圧面側とで翼壁の加熱条件が異なる場合において、後縁部における圧力面側の翼壁厚さと負圧面側の翼壁厚さが同じであると、圧力面側と負圧面側のうち、上述の加熱条件が厳しい一方において、翼面におけるメタル温度(以下、表面メタル温度ともいう。)が他方に比べて高くなる。
一方、圧力面側の翼壁及び負圧面側の翼壁の両方を許容温度以下とするためには、表面メタル温度が高い方の翼壁の表面メタル温度が許容メタル温度以下となるのに必要な量の冷却流体をタービン翼の後縁通路に供給する必要がある。しかし、このような量の冷却流体が後縁通路に供給されると、表面メタル温度が低い方の翼壁は必要以上に(すなわち許容メタル温度よりも低温となるまで)冷却される。この場合、表面メタル温度が低い方の翼壁にとっては過剰な量の冷却流体が供給されることになる。そこで、タービン翼をより効率的に冷却して、タービンシステム全体の効率を向上させることが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、タービン翼の効率的な冷却が可能なタービン翼及びこれを備えたガスタービンを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン翼は、
前縁と後縁との間に延在する圧力面及び負圧面と、
前記後縁及び前記後縁に開口する後縁通路を含む後縁部と、
を含む翼形部を備えるタービン翼であって、
前記後縁部は、
前記圧力面の後縁側領域を形成する外表面を有する圧力面側壁と、
前記後縁通路を挟んで前記圧力面側壁と対向するように配置され、前記負圧面の後縁側領域を形成する外表面を有する負圧面側壁と、を含み、
前記後縁部は、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の一方である第1壁の厚さ、及び、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の他方である第2壁の厚さが後縁に向かって漸減する壁厚減少部を有し、
前記壁厚減少部では、前記翼形部のキャンバラインに沿った座標軸における任意の位置において、前記第1壁の厚さが前記第2壁の厚さよりも小さく、
前記後縁部は、
前記後縁通路内にそれぞれ延びるとともに、一端側にて前記圧力面側壁に接続され他端側にて前記負圧面側壁にそれぞれ接続される複数の接続部が設けられる接続領域と、
前記接続領域よりも後方の後方領域と、を含み、
前記壁厚減少部は、少なくとも部分的に前記接続領域内に存在し、
前記第1壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さは、前記第2壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さよりも小さい
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、
上述したタービン翼と、
前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器と、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、タービン翼の効率的な冷却が可能なタービン翼及びこれを備えたガスタービンが提供される。
一実施形態に係るタービン翼が適用されるガスタービンの概略構成図である。 一実施形態に係るタービン翼(動翼)を、圧力面から負圧面に向かう方向(ロータ周方向に沿った方向)に見た概略図である。 一実施形態に係るタービン翼の概略断面図であり、図2のA−A矢視断面図に相当する。 一実施形態に係るタービン翼の概略断面図であり、図2のA−A矢視断面図に相当する。 図3に示すタービン翼の後縁部近傍を示す拡大断面図である。 一実施形態に係るタービン翼の概略断面図であり、タービン翼の後縁部近傍を示す拡大断面図である。 図4に示すタービン翼の後縁部近傍を示す拡大断面図である。 ガスタービンに設置されたタービン翼の後縁部の断面と、この断面内における温度分布とを重ねて示す模式図である。 一実施形態に係るタービン翼(静翼)を、圧力面から負圧面に向かう方向(ロータ周方向に沿った方向)に見た概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(ガスタービンの構成)
まず、幾つかの実施形態に係るタービン翼が適用されるガスタービンについて説明する。
図1は、一実施形態に係るタービン翼が適用されるガスタービンの概略構成図である。図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
圧縮機2は、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
燃焼器4には、燃料と、圧縮機2で生成された圧縮空気とが供給されるようになっており、該燃焼器4において燃料と圧縮空気が混合され、燃焼され、タービン6の作動流体である燃焼ガスが生成される。図1に示すように、ケーシング20内にロータを中心として周方向に沿って複数の燃焼器4が配置されていてもよい。
タービン6は、タービン車室22内に形成される燃焼ガス流路28を有し、該燃焼ガス流路28に設けられる複数の静翼24及び動翼26を含む。静翼24はタービン車室22側に固定されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、これにより、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガスは、排気室29を介して外部へ排出される。
幾つかの実施形態において、タービン6の動翼26又は静翼24の少なくとも一方は、以下に説明するタービン翼30である。
(タービン翼の構成)
以下、幾つかの実施形態に係るタービン翼30についてより詳細に説明する。図2及び図9は、それぞれ、一実施形態に係るタービン翼30を、圧力面から負圧面に向かう方向(ロータ周方向に沿った方向)に見た概略図である。このうち図2は、タービン翼30としての動翼26を示す図であり、図9は、タービン翼30としての静翼24を示す図である。図3及び図4は、それぞれ、一実施形態に係るタービン翼30の翼高さ方向に直交する概略断面図であり、図2のA−A矢視断面図に相当する。図5は、図3に示すタービン翼30の後縁部近傍を示す拡大断面図である。図6は、一実施形態に係るタービン翼30の翼高さ方向に直交する概略断面図であり、タービン翼の後縁部近傍を示す拡大断面図である。図7は、図4に示すタービン翼30の後縁部近傍を示す拡大断面図である。
図2に示すように、一実施形態に係るタービン翼30(動翼26)は、プラットフォーム32と、プラットフォーム32に接続される翼形部34及び翼根部36と、を備えている。
翼形部34は、翼高さ方向(スパン方向)に延在しており、翼高さ方向における両端である基端38及び先端40を有し、基端38側にてプラットフォーム32に接続されている。また、翼形部34は、翼高さ方向に沿って延びる前縁42及び後縁44を有するとともに、前縁42と後縁44との間において延在する圧力面46及び負圧面48を有する。
翼根部36は、翼高さ方向においてプラットフォーム32を挟んで翼形部34とは反対側に位置している。翼根部36は、凹凸形状を有する係合部37を含み、該係合部37がロータ8とともに回転するロータディスク(不図示)に設けられた翼溝に係合されることにより、タービン翼30がタービン6のロータ8に取り付けられる。
図9に示すように、一実施形態に係るタービン翼30(静翼24)は、翼形部34と、翼形部34に対して径方向内側に位置する内側シュラウド84と、翼形部34に対して径方向外側に位置する外側シュラウド86と、を備えている。外側シュラウド86はタービン車室22(図1参照)に支持され、静翼24は外側シュラウド86を介してタービン車室22に支持される。
翼形部34は、翼高さ方向(スパン方向)に延在し、翼高さ方向における両端である内側端80及び外側端82を有し、内側端80側にて内側シュラウド84に接続されるとともに、外側端82側にて外側シュラウド86に接続されている。また、翼形部34は、翼高さ方向に沿って延びる前縁42及び後縁44を有するとともに、前縁42と後縁44との間において延在する圧力面46及び負圧面48を有する。
なお、タービン翼30(動翼26)がロータ8に取り付けられた状態、又は、タービン翼30(静翼24)がタービン車室22に支持された状態では、翼高さ方向は、タービン6の径方向に沿った方向となる。すなわち、タービン翼30の翼高さ方向とタービン6の径方向とが略一致する。
以下においては、動翼26の図を参照しながらタービン翼30について説明するが、タービン翼30としての静翼24についても、基本的には同様の説明が適用できる。
図3及び図4に示すように、タービン翼30は、少なくとも翼形部34の内部において翼高さ方向に沿ってそれぞれ延在する複数のキャビティ60a,60b,60c(以下、まとめてキャビティ60ともいう。)を備えている。図3及び図4に示す例示的な実施形態では、隣り合うキャビティ60の間に、翼高さ方向に沿って延びて翼形部34の内部空間を仕切るリブ58が設けられており、翼形部34の内壁面と、リブ58とによって、複数のキャビティ60が形成されている。複数のキャビティ60は、互いに連通して蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成していてもよい。
なお、図3及び図4に示す例示的な実施形態では、翼形部34の内部に3本のキャビティ60が設けられているが、翼形部34に設けられるキャビティの本数は限定されない。
キャビティ60には冷却流体(例えば空気又は蒸気等)が供給されるようになっており、キャビティ60を流れる冷却流体によって、タービン翼30が冷却されるようになっている。
幾つかの実施形態では、翼形部34には、キャビティ60に接続されるとともに、圧力面46又は負圧面48に開口するフィルム孔62,64が設けられている。キャビティ60を流れる冷却流体の一部は、フィルム孔62,64を介してタービン翼30の外壁面(圧力面46又は負圧面48)に導かれ、該壁面を覆う冷却流体のフィルム境界層を形成する。これにより、タービン翼30の外壁面(圧力面46又は負圧面48)が冷却されるようになっている。
図3に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60に接続されるとともに、負圧面48に開口するフィルム孔62が設けられている。また、図4に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60に接続されるとともに、圧力面46に開口するフィルム孔64が設けられている。
翼形部34は、後縁44と、後縁44に開口する後縁通路52と、を含む後縁部50を有する。後縁通路52は、翼形部34のコード方向にてキャビティ60より前縁側に位置し、翼形部34の内部において、キャビティ60(図示する例ではキャビティ60c)に接続されている。
後縁部50は、圧力面側壁54と、負圧面側壁56と、を有している。図5〜図7に示すように、圧力面側壁54は、圧力面46の後縁側領域を形成する外表面54bを有する。また、負圧面側壁56は、負圧面48の後縁側領域を形成する外表面56bを有する。圧力面側壁54と負圧面側壁56とは、後縁通路52を挟んで互いに対向するように設けられる。すなわち、後縁通路52は、圧力面側壁54の内表面54aと、負圧面側壁56の内表面56aとによって、少なくとも部分的に形成されている。
また、後縁部50は、圧力面側壁54及び負圧面側壁56の厚さが、コード方向において後縁に向かうにつれて漸減する壁厚減少部104を有する。ここで、本明細書において、圧力面側壁54や負圧面側壁56等の翼壁の厚さは、翼形部34のキャンバラインLcに直交する方向における厚さである。
そして、壁厚減少部104では、翼形部34のキャンバラインLcに沿った座標軸における任意の位置において、圧力面側壁54又は負圧面側壁56の一方である第1壁101の厚さが、圧力面側壁54又は負圧面側壁56の他方である第2壁102の厚さよりも小さい。すなわち、壁厚減少部104では、キャンバラインLc上の任意の位置において該キャンバラインLcに直交する直線L(図5〜図7参照)に沿った第1壁101の厚さt1が、同一の直線Lに沿った第2壁102の厚さt2よりも小さい(図5〜図7参照)。
例えば、図3、図5及び図6に示す例示的な実施形態では、壁厚減少部104において、第1壁101としての圧力面側壁54の厚さt1が、第2壁102としての負圧面側壁56の厚さt2よりも小さい。また、図4及び図7に示す例示的な実施形態では、壁厚減少部104において、第1壁101としての負圧面側壁56の厚さt1が、第2壁102としての圧力面側壁54の厚さt2よりも小さい。
ここで、図8は、ガスタービン1に設置されたタービン翼30の後縁部50の断面(キャンバラインLcに直交する断面)と、この断面内における温度分布とを重ねて示す模式図である。図8に示すように、ガスタービン1において燃焼ガス流路28に配置されるタービン翼30は、圧力面46が燃焼ガス流路28のうち圧力面側領域28Pに面しているとともに、負圧面48が燃焼ガス流路28のうち負圧面側領域28Sに面している。
なお、図8において、圧力面側壁54と負圧面側壁56との厚さを同じであると仮定した場合の負圧面側壁56の外表面を破線及び符号56b’で示す。また図中の鎖線で示される温度Tは、タービン翼30の許容メタル温度である。
なお、以下において、図8を参照して、圧力面46側に比べて負圧面48側において翼壁の加熱条件がより厳しい場合の説明をするが、負圧面48側に比べて圧力面46側の加熱条件がより厳しい場合についても、以下の説明において、圧力面46と負圧面48とを適宜入れ替えることで、同様に説明できる。
タービン翼30の圧力面46側と負圧面48側とでは、翼面近傍を流れる高温ガスの温度や流速等を含む翼壁の加熱条件が異なる場合がある。図8に示す例では、負圧面48が面する燃焼ガス流路28の負圧面側領域28Sにおけるガス温度Tは、圧力面46が面する燃焼ガス流路28の圧力面側領域28Pにおけるガス温度Tよりも高く、すなわち、負圧面48側にてタービン翼30の加熱条件がより厳しい。なお、圧力面側領域28P又は負圧面側領域28Sにおける高温ガスの流速が早いほど、熱伝達率が増大するため、加熱条件がより厳しくなる。
上述の条件下で、仮に圧力面側壁54と負圧面側壁56との厚さが同じである場合(この場合の負圧面側壁56の外表面56b’)、圧力面側壁54のメタル温度を許容温度TAまで下げるために(即ち、圧力面側壁54の最高メタル温度である外表面54bのメタル温度を許容温度TAまで下げるために)、後縁通路52に供給する必要がある温度Tの冷却流体の供給量はVであるとする。
このとき、翼壁(圧力面側壁54及び負圧面側壁56)外表面側の流体である高温ガスの温度(T又はT)と内表面側の流体である冷却流体の温度Tの差ΔTは、圧力面側壁54においては(T−T)であり、負圧面側壁56においては(T−T)であるから、負圧面側壁56の方が大きい。よって、翼壁における温度勾配は負圧面側壁56の方が圧力面側壁54に比べて大きくなる。そうすると、負圧面側壁56の最高メタル温度である外表面56b’のメタル温度(表面メタル温度)は、許容温度Tよりも高い温度Tとなってしまう。
ここで、温度Tcの冷却流体を用いて負圧面側壁56の表面メタル温度を許容温度T以下にするためには、後縁通路52への冷却流体の供給量を上述のVよりも増加させる必要がある。しかしながら、このように、冷却流体の供給量を増大させると、加熱条件が比較的緩やかな圧力面側壁54もさらに冷却されて温度が低下し、外表面54bのメタル温度(表面メタル温度)は、許容温度Tよりも低くなる。この場合、圧力面側壁54にとっては過剰な量の冷却流体が供給されることになる。
この点、上述の実施形態によれば、後縁部50の壁厚減少部104において、圧力面側壁54又は負圧面側壁56の一方(図8では負圧面側壁56)である第1壁101の厚さt1を、圧力面側壁54又は負圧面側壁56の他方(図8では圧力面側壁54)である第2壁102の厚さt2よりも小さくしたので、より薄い第1壁101において、後縁通路52を流れる冷却流体による翼壁冷却効果を相対的に高めることができる。例えば、図8に示すように、第1壁101(負圧面側壁56)の厚さt1を適切に調節することで、後縁通路52への冷却流体の供給量を上述のVとしたままで(即ち、冷却流体の供給量を増加させずに)、外表面56bにおけるメタル温度(表面メタル温度)を許容温度Tまで低下させることができる。あるいは、第1壁101(負圧面側壁56)と第2壁102(圧力面側壁54)との表面メタル温度(最高メタル温度)の差を小さくすることができる。
このように、圧力面46側と負圧面48側とで翼壁の加熱条件(翼面近傍を流れる高温ガスの温度や流速等)に差がある場合であっても、上述の加熱条件が厳しい一方の翼壁(第1壁101)の厚さを他方の翼壁(第2壁102)の厚さに比べて薄くすることで、冷却流体により冷却される第1壁101と第2壁102の表面メタル温度(即ち最高メタル温度)の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができる。このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図4及び図7に示すように、後縁部50は、第1壁101としての負圧面側壁56を有し、第2壁102としての圧力面側壁54を有する。
タービン翼30の高温ガスによる加熱条件は、タービン翼30の外表面の冷却(例えば、フィルム孔からの冷却流体によるフィルム冷却等)を考慮しない場合、通常、圧力面46側よりも負圧面48側においてより厳しい。この点、上述の実施形態によれば、加熱条件がより厳しい負圧面48側の翼壁である負圧面側壁56(第1壁101)を、圧力面側壁54(第2壁102)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁56(第1壁101)と圧力面側壁54(第2壁102)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができ、このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
図4及び図7に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60(キャビティ60a,60b,60c)に接続され、負圧面48に開口するフィルム孔が設けられていない。
タービン翼30の翼面に開口するフィルム孔を設置することにより、フィルム孔から流出する冷却流体によってフィルム孔よりも下流側(即ちコード方向における後縁44側)の翼面の温度が低下する。すなわち、後縁部50よりも前方にフィルム孔を設置することにより、後縁部50におけるタービン翼30の加熱条件が緩和される。
この点、上述の実施形態では、後縁通路52よりも前方に位置するキャビティ60に接続されるとともに負圧面48に開口するフィルム孔が設けられていない。このため、通常、タービン翼30の加熱条件がより厳しい負圧面48側において、このようなフィルム孔の設置による加熱条件の緩和効果は得られない。このような状況下において、上述の実施形態では、既に述べたように、負圧面48側の翼壁である負圧面側壁56(第1壁101)を、圧力面側壁54(第2壁102)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁56(第1壁101)と圧力面側壁54(第2壁102)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができ、このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
なお、本明細書において、前方とは、翼形部34のコード方向において後縁44から前縁42に向かう方向であり、後方とは、翼形部34のコード方向において前縁42から後縁44に向かう方向である。
図4及び図7に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60(図示する例ではキャビティ60b及び60c)に接続され、圧力面46に開口するフィルム孔64が設けられている。
上述の実施形態では、後縁通路52よりも前方に位置するキャビティ60に接続されるとともに圧力面46に開口するフィルム孔64が設けられている。したがって、通常、タービン翼30の加熱条件がより緩やかな圧力面46側において、フィルム孔64の設置により加熱条件が緩和されるため、負圧面48側においては、加熱条件が相対的により厳しくなる。
この点、上述の実施形態では、既に述べたように、負圧面48側の翼壁である負圧面側壁56(第1壁101)を、圧力面側壁54(第2壁102)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁56(第1壁101)と圧力面側壁54(第2壁102)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができ、このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3、図5及び図6に示すように、後縁部50は、第1壁101としての圧力面側壁54を有し、第2壁102としての負圧面側壁56を有する。
図3及び図5に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60(図示する例ではキャビティ60b)に接続され、負圧面48に開口するフィルム孔62が設けられている。
上述の実施形態では、後縁通路52よりも前方に位置するキャビティ60に接続されるとともに負圧面48に開口するフィルム孔62が設けられている。したがって、通常、タービン翼30の加熱条件がより厳しい負圧面48側において、フィルム孔62の設置により加熱条件が緩和されるが、このため、圧力面46側においては、加熱条件が相対的により厳しくなる。
この点、上述の実施形態では、圧力面46側の翼壁である圧力面側壁54(第1壁101)を、負圧面側壁56(第2壁102)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される圧力面側壁54(第1壁101)と負圧面側壁56(第2壁102)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができ、このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
図3及び図5に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、キャビティ60(キャビティ60a,60b,60c)に接続され、圧力面46に開口するフィルム孔が設けられていない。
上述の実施形態では、後縁通路52よりも前方に位置するキャビティ60に接続されるとともに圧力面46に開口するフィルム孔が設けられていない。このため、圧力面46側においてはフィルム孔の設置による加熱条件の緩和効果は得られない。
このような状況下において、上述の実施形態では、圧力面46側の翼壁である圧力面側壁54(第1壁101)を、負圧面側壁56(第2壁102)よりも薄くしたので、例えば負圧面48側にフィルム孔が設けられている等の理由で、後縁部50における負圧面48側の加熱条件が相対的に緩やかになっている場合において、冷却流体により冷却される圧力面側壁54(第1壁101)と負圧面側壁56(第2壁102)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができ、このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図3〜図7に示すように、後縁部50は、複数の接続部72が設けられる接続領域70を含む。複数の接続部72の各々は、後縁通路52に延びるとともに、一端側にて圧力面側壁54に接続され他端側にて負圧面側壁56に接続されている。そして、壁厚減少部104は、少なくとも部分的に接続領域70内に存在する。
なお、図5〜図7において、接続領域70は、キャンバラインLcに沿った方向において、複数の接続部72のうち最も前縁42側に位置する接続部72の位置を示す直線L1と、最も後縁44側に位置する接続部72の位置を示す直線L2との間に延在する。
上述の実施形態によれば、壁厚が比較的薄く強度が比較的低い壁厚減少部104を、少なくとも部分的に接続領域70内に設けたので、圧力面側壁54及び負圧面側壁56に接続される接続部72によって、壁厚減少部104におけるタービン翼30の強度を補うことができる。よって、タービン翼30の強度を確保しながら、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図6に示すように、接続部72は、後縁通路52の内部において、圧力面側壁54と負圧面側壁56との間に設けられる中州部73を介して、圧力面側壁54及び負圧面側壁56に接続されていてもよい。この接続部72は、一端側にて圧力面側壁54に接続されるとともに他端側にて中州部73に接続される圧力面側部分72aと、一端側にて負圧面側壁56に接続されるとともに他端側にて中州部73に接続される負圧面側部分72bとを含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、接続部72は、後縁通路52の内部に延びるピンフィンであってもよい。後縁通路52にピンフィンを設けることにより、後縁通路52における熱伝達率を向上させることができ、これにより、後縁部50をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、接続領域70の全体(すなわち、図5〜図7においてキャンバラインLc方向における直線L1と直線L2の間の領域の全体)は、壁厚減少部104に含まれていてもよい。
幾つかの実施形態では、後縁部50は、接続領域70よりも後方の後方領域78を含む。なお、図5〜図7において、後方領域78は、キャンバラインLcに沿った方向において直線L2よりも後縁側の領域である。そして、第1壁101のうち、後方領域78内に位置する部分の厚さt1Bは、第2壁102のうち、後方領域78内に位置する部分の厚さt2Bよりも小さい(図5〜図7参照)。
上述の実施形態によれば、接続領域70内に存在する壁厚減少部104においてのみならず、接続領域70よりも後方に位置する後方領域78においても、第1壁101の厚さt1は第2壁102の厚さt2よりも小さい。よって、後方領域78においても、冷却流体により冷却される第1壁101と第2壁102の表面メタル温度の差を小さくするとの効果を得ることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部50をより効果的に冷却することができ、タービン翼30をより効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、壁厚減少部104において、後縁通路52は、キャンバラインLcの直交方向の幅wが後縁44に向かって漸減するとともに、翼高さ方向に直交する断面内にて湾曲した形状を有する。
上述の実施形態によれば、壁厚減少部104において、後縁通路52の幅wが後縁44に向かって漸減するとともに、後縁通路52が翼高さ方向に直交する断面内にて湾曲した形状を有するので、後縁通路52における冷却流体の流速を効果的に上昇させることができる。これにより、後縁通路52における熱伝達率を上げて、タービン翼の後縁部をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、壁厚減少部104において、第1壁101の厚さt1と第2壁102の厚さt2との比t1/t2は、0.5以上1未満である。
上述の実施形態によれば、第1壁101の厚さt1と第2壁102の厚さt2との比t1/t2を0.5以上としたので、翼壁の厚さが比較的薄い後縁部50において、厚さがより薄い第1壁101が過度に薄くならず、タービン翼30の強度を確保することができる。また、また、上述の比t1/t2を1未満としたので、第1壁101の厚さを第2壁102の厚さに比べて十分薄くすることができ、これにより、冷却流体により冷却される第1壁101と第2壁102の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30の強度を適度に確保しながら、タービン翼を効率的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、壁厚減少部104において、第2壁102のキャンバラインLcに沿った位置変化に対する壁厚減少率は、第1壁101の壁厚減少率よりも大きい。
上述の実施形態によれば、比較的厚い第2壁102のキャンバラインLcに沿った位置変化に対する壁厚減少率が、比較的薄い第1壁101の壁厚減少率よりも大きくなるようにしたので、壁厚減少部104において、比較的薄い第1壁101の厚さを適度に確保しやすい。よって、タービン翼30の強度を適度に確保しながら、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
図3及び図4に示すタービン翼30は、圧力面側壁54に接続される圧力面側キャビティ壁74と、負圧面側壁56に接続される負圧面側キャビティ壁76と、を備えている。圧力面側壁54に接続される圧力面側キャビティ壁74は、圧力面46を形成する外表面74bと、後縁通路52に接続されるキャビティ60cを形成する内表面74aとを有する。負圧面側壁56に接続される負圧面側キャビティ壁76は、負圧面48を形成する外表面76bと、後縁通路52に接続されるキャビティ60cを形成する内表面76aとを有する。
幾つかの実施形態では、圧力面側キャビティ壁74及び負圧面側キャビティ壁76のうち、第1壁101に接続される一方の厚さは、圧力面側キャビティ壁74及び負圧面側キャビティ壁76のうち第2壁102に接続される一方の厚さよりも小さい。
例えば、図3に示す例示的な実施形態では、第1壁101である圧力面側壁54に接続される圧力面側キャビティ壁74の厚さt1Aは、第2壁102である負圧面側壁56に接続される負圧面側キャビティ壁76の厚さt2Aよりも小さい(図5及び図6参照)。
後縁部50よりも前方のキャビティ部では、強度向上の観点から、圧力面側キャビティ壁74又は負圧面側キャビティ壁76の一方を厚く形成することがある。図3に示す例示的な実施形態では、負圧面側キャビティ壁76が比較的厚く形成されている。この点、上述の実施形態によれば、圧力面側キャビティ壁74又は負圧面側キャビティ壁76のうち、比較的薄い一方(図3の例では圧力面側キャビティ壁74)が後縁部50の比較的薄い第1壁101に接続され、比較的厚い一方(図3の例では負圧面側キャビティ壁76)が後縁部50の比較的厚い第2壁102に接続される。このように、圧力面46側と負圧面48側との翼壁の厚さの大小関係を、キャビティ部と後縁部50の壁厚減少部104とで同じにしたので、タービン翼30の製造が比較的容易である。
幾つかの実施形態では、圧力面側キャビティ壁74及び負圧面側キャビティ壁76のうち、第1壁101に接続される一方の厚さは、圧力面側キャビティ壁74及び負圧面側キャビティ壁76のうち第2壁102に接続される一方の厚さよりも大きい。
例えば、図4に示す例示的な実施形態では、第1壁101である負圧面側壁56に接続される負圧面側キャビティ壁76の厚さt1Aは、第2壁102である圧力面側壁54に接続される圧力面側キャビティ壁74の厚さt2Aよりも大きい(図7参照)。
後縁部50よりも前方のキャビティ部では、強度向上の観点から、圧力面側キャビティ壁74又は負圧面側キャビティ壁76の一方を厚く形成することがある。図4に示す例示的な実施形態では、負圧面側キャビティ壁76が比較的厚く形成されている。この点、上述の実施形態によれば、圧力面側キャビティ壁74又は負圧面側キャビティ壁76のうち、比較的薄い一方(図4の例では圧力面側キャビティ壁74)が後縁部50の比較的厚い第1壁101に接続され、比較的厚い一方(図4の例では負圧面側キャビティ壁76)が後縁部50の比較的薄い第2壁102に接続される。このように、圧力面46側と負圧面48側との翼壁の厚さの大小関係を、キャビティ部と後縁部50の壁厚減少部104とで逆転させた場合においても、上述の壁厚減少部104を設けたことにより、冷却流体により冷却される第1壁101と第2壁102の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼30への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部50を適切に冷却することができる。このため、タービン翼30を効率的に冷却することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン翼(30)は、
前縁(42)と後縁(44)との間に延在する圧力面(46)及び負圧面(48)と、
前記後縁及び前記後縁に開口する後縁通路(52)を含む後縁部(50)と、
を含む翼形部(34)を備えるタービン翼であって、
前記後縁部は、
前記圧力面の後縁側領域を形成する外表面(54b)を有する圧力面側壁(54)と、
前記後縁通路を挟んで前記圧力面側壁と対向するように配置され、前記負圧面の後縁側領域を形成する外表面(56b)を有する負圧面側壁(56)と、を含み、
前記後縁部は、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の一方である第1壁(101)の厚さ(t1)、及び、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の他方である第2壁(102)の厚さ(t2)が後縁に向かって漸減する壁厚減少部(104)を有し、
前記壁厚減少部では、前記翼形部のキャンバライン(Lc)に沿った座標軸における任意の位置において、前記第1壁の厚さが前記第2壁の厚さよりも小さい。
上記(1)の構成によれば、後縁部の壁厚減少部において、圧力面側壁又は負圧面側壁の一方である第1壁の厚さを、圧力面側壁又は負圧面側壁の他方である第2壁の厚さよりも小さくしたので、より薄い第1壁において、後縁通路を流れる冷却流体による翼壁冷却効果を相対的に高めることができる。よって、圧力面側と負圧面側とで翼壁の加熱条件(翼面近傍を流れる高温ガスの温度や流速等)に差がある場合であっても、上述の加熱条件が厳しい一方の翼壁(第1壁)の厚さを他方の翼壁(第2壁)の厚さに比べて薄くすることで、冷却流体により冷却される第1壁と第2壁の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部を適切に冷却することができる。このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1壁は前記負圧面側壁である。
タービン翼の高温ガスによる加熱条件は、通常、圧力面側よりも負圧面側においてより厳しい。この点、上記(2)の構成によれば、加熱条件がより厳しい負圧面側の翼壁である負圧面側壁(第1壁)を、圧力面側壁(第2壁)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁(第1壁)と圧力面側壁(第2壁)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部を適切に冷却することができ、このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティ(60a,60b,60c)を備え、
前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記負圧面に開口するフィルム孔が設けられていない。
タービン翼の翼面に開口するフィルム孔を設置することにより、フィルム孔から流出する冷却流体によってフィルム孔よりも下流側(即ち後縁側)の翼面の温度が低下する。すなわち、後縁部よりも前方にフィルム孔を設置することにより、後縁部におけるタービン翼の加熱条件が緩和される。
この点、上記(3)の構成では、後縁通路よりも前方に位置するキャビティに接続されるとともに負圧面に開口するフィルム孔が設けられていない。このため、通常、タービン翼の加熱条件がより厳しい負圧面側において、このようなフィルム孔の設置による加熱条件の緩和効果は得られない。このような状況下において、上記(3)の構成では、上記(2)で述べたように、負圧面側の翼壁である負圧面側壁(第1壁)を、圧力面側壁(第2壁)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁(第1壁)と圧力面側壁(第2壁)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部を適切に冷却することができ、このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、
前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティ(60a,60b,60c)を備え、
前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記圧力面に開口するフィルム孔(64)が設けられている。
上記(4)の構成では、後縁通路よりも前方に位置するキャビティに接続されるとともに圧力面に開口するフィルム孔が設けられている。したがって、通常、タービン翼の加熱条件がより緩やかな圧力面側において、フィルム孔の設置により加熱条件が緩和されるため、負圧面側においては、加熱条件が相対的により厳しくなる。
この点、上記(4)の構成では、上記(2)で述べたように、負圧面側の翼壁である負圧面側壁(第1壁)を、圧力面側壁(第2壁)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される負圧面側壁(第1壁)と圧力面側壁(第2壁)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部を適切に冷却することができ、このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1壁は前記圧力面側壁であり、
前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティ(60a,60b,60c)を備え、
前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記負圧面に開口するフィルム孔(62)が設けられている。
上記(5)の構成では、後縁通路よりも前方に位置するキャビティに接続されるとともに負圧面に開口するフィルム孔が設けられている。したがって、通常、タービン翼の加熱条件がより厳しい負圧面側において、フィルム孔の設置により加熱条件が緩和されるが、このため、圧力面側においては、加熱条件が相対的により厳しくなる。
この点、上記(5)の構成では、圧力面側の翼壁である圧力面側壁(第1壁)を、負圧面側壁(第2壁)よりも薄くしたので、冷却流体により冷却される圧力面側壁(第1壁)と負圧面側壁(第2壁)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部を適切に冷却することができ、このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(5)の構成において、
前記第1壁は前記圧力面側壁であり、
前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティ(60a,60b,60c)を備え、
前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記圧力面に開口するフィルム孔が設けられていない。
上記(6)の構成では、後縁通路よりも前方に位置するキャビティに接続されるとともに圧力面に開口するフィルム孔が設けられていない。このため、圧力面側においてはフィルム孔の設置による加熱条件の緩和効果は得られない。
このような状況下において、上記(6)の構成では、圧力面側の翼壁である圧力面側壁(第1壁)を、負圧面側壁(第2壁)よりも薄くしたので、例えば負圧面側にフィルム孔が設けられている等の理由で、後縁部における負圧面側の加熱条件が相対的に緩やかになっている場合において、冷却流体により冷却される圧力面側壁(第1壁)と負圧面側壁(第2壁)の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を効果的に抑制しながら後縁部を適切に冷却することができ、このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記後縁部は、前記後縁通路内にそれぞれ延びるとともに、一端側にて前記圧力面側壁に接続され他端側にて前記負圧面側壁にそれぞれ接続される複数の接続部(72)が設けられる接続領域(70)を含み、
前記壁厚減少部は、少なくとも部分的に前記接続領域内に存在する。
上記(7)の構成によれば、壁厚が比較的薄く強度が比較的低い壁厚減少部を、少なくとも部分的に接続領域内に設けたので、圧力面側壁及び負圧面側壁に接続される接続部によって、壁厚減少部におけるタービン翼の強度を補うことができる。よって、タービン翼の強度を確保しながら、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記後縁部は、前記接続領域よりも後方の後方領域(78)を含み、
前記第1壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さ(t1B)は、前記第2壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さ(t2B)よりも小さい。
上記(8)の構成によれば、少なくとも部分的に接続領域内に存在する壁厚減少部においてのみならず、接続領域よりも後方に位置する後方領域においても、第1壁の厚さは第2壁の厚さよりも小さい。よって、後方領域においても、冷却流体により冷却される第1壁と第2壁の表面メタル温度の差を小さくするとの効果を得ることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部をより効果的に冷却することができ、タービン翼をより効率的に冷却することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記壁厚減少部において、前記後縁通路は、キャンバライン直交方向の幅が前記後縁に向かって漸減するとともに、翼高さ方向に直交する断面内にて湾曲した形状を有する。
上記(9)の構成によれば、壁厚減少部において、後縁通路の幅が後縁に向かって漸減するとともに、後縁通路が翼高さ方向に直交する断面内にて湾曲した形状を有するので、後縁通路における冷却流体の流速を効果的に上昇させることができる。これにより、後縁通路における熱伝達率を上げて、タービン翼の後縁部をより効果的に冷却することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記壁厚減少部において、前記第1壁の厚さt1と前記第2壁の厚さt2との比t1/t2は、0.5以上1未満である。
上記(10)の構成によれば、第1壁の厚さt1と前記第2壁の厚さt2との比t1/t2を0.5以上としたので、翼壁の厚さが比較的薄い後縁部において、厚さがより薄い第1壁が過度に薄くならず、タービン翼の強度を確保することができる。また、また、上述の比t1/t2を1未満としたので、第1壁の厚さを第2壁の厚さに比べて十分薄くすることができ、上記(1)で述べたように、冷却流体により冷却される第1壁と第2壁の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼の強度を適度に確保しながら、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記壁厚減少部において、前記第2壁のキャンバラインに沿った位置変化に対する壁厚減少率は、前記第1壁の前記壁厚減少率よりも大きい。
上記(11)の構成によれば、比較的厚い第2壁のキャンバラインに沿った位置変化に対する壁厚減少率が、比較的薄い第1壁の前記壁厚減少率よりも大きくなるようにしたので、壁厚減少部において、比較的薄い第1壁の厚さを適度に確保しやすい。よって、タービン翼の強度を適度に確保しながら、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかの構成において、
前記翼形部の内部において、前記翼形部のコード方向にて前記後縁通路よりも前記前縁側にて翼高さ方向に沿って延在し、前記後縁通路に接続されるキャビティ(60c)と、
前記圧力面側壁に接続されるとともに、前記圧力面を形成する外表面(74b)、及び、前記キャビティを形成する内表面(74a)を有する圧力面側キャビティ壁(74)と、
前記負圧面側壁に接続されるとともに、前記負圧面を形成する外表面(76b)、及び、前記キャビティを形成する内表面(76a)を有する負圧面側キャビティ壁(76)と、を備え、
前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち、前記第1壁に接続される一方の厚さ(t1A)は、前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち前記第2壁に接続される一方の厚さ(t2A)よりも小さい。
後縁部よりも前方のキャビティ部では、強度向上の観点から、圧力面側キャビティ壁又は負圧面側キャビティ壁の一方を厚く形成することがある。上記(12)の構成によれば、圧力面側キャビティ壁又は負圧面側キャビティ壁のうち、比較的薄い一方が後縁部の比較的薄い第1壁に接続され、比較的厚い一方が後縁部の比較的厚い第2壁に接続される。このように、圧力面側と負圧面側との翼壁の厚さの大小関係を、キャビティ部と後縁部の壁厚減少部とで同じにしたので、タービン翼の製造が比較的容易である。
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかの構成において、
前記翼形部の内部において、前記翼形部のコード方向にて前記後縁通路よりも前記前縁側にて翼高さ方向に沿って延在し、前記後縁通路に接続されるキャビティ(60c)と、
前記圧力面側壁に接続されるとともに、前記圧力面を形成する外表面(74b)、及び、前記キャビティを形成する内表面(74a)を有する圧力面側キャビティ壁(74)と、
前記負圧面側壁に接続されるとともに、前記負圧面を形成する外表面(76b)、及び、前記キャビティを形成する内表面(76a)を有する負圧面側キャビティ壁(76)と、を備え、
前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち、前記第1壁に接続される一方の厚さ(t1A)は、前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち前記第2壁に接続される一方の厚さ(t2A)よりも大きい。
後縁部よりも前方のキャビティ部では、強度向上の観点から、圧力面側キャビティ壁又は負圧面側キャビティ壁の一方を厚く形成することがある。上記(13)の構成によれば、圧力面側キャビティ壁又は負圧面側キャビティ壁のうち、比較的薄い一方が後縁部の比較的厚い第1壁に接続され、比較的厚い一方が後縁部の比較的薄い第2壁に接続される。このように、圧力面側と負圧面側との翼壁の厚さの大小関係を、キャビティ部と後縁部の壁厚減少部とで逆転させた場合においても、上記(1)で述べたように、冷却流体により冷却される第1壁と第2壁の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部を適切に冷却することができる。このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン(1)は、
上記(1)乃至(13)の何れか一項に記載のタービン翼(30)と、
前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路(28)を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器(4)と、
を備える。
上記(14)の構成によれば、後縁部の壁厚減少部において、圧力面側壁又は負圧面側壁の一方である第1壁の厚さを、圧力面側壁又は負圧面側壁の他方である第2壁の厚さよりも小さくしたので、より薄い第1壁において、後縁通路を流れる冷却流体による翼壁冷却効果を相対的に高めることができる。よって、圧力面側と負圧面側とで翼壁の加熱条件(翼面近傍を流れる高温ガスの温度や流速等)に差がある場合であっても、上述の加熱条件が厳しい一方の翼壁(第1壁)の厚さを他方の翼壁(第2壁)の厚さに比べて薄くすることで、冷却流体により冷却される第1壁と第2壁の表面メタル温度の差を小さくすることができる。よって、タービン翼への冷却流体の供給量を抑制しながら後縁部を適切に冷却することができる。このため、タービン翼を効率的に冷却することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ガスタービン
2 圧縮機
4 燃焼器
6 タービン
8 ロータ
10 圧縮機車室
12 空気取入口
16 静翼
18 動翼
20 ケーシング
22 タービン車室
24 静翼
26 動翼
28 燃焼ガス流路
28P 圧力面側領域
28S 負圧面側領域
29 排気室
30 タービン翼
32 プラットフォーム
34 翼形部
36 翼根部
37 係合部
38 基端
40 先端
42 前縁
44 後縁
46 圧力面
48 負圧面
50 後縁部
52 後縁通路
54 圧力面側壁
54a 内表面
54b 外表面
56 負圧面側壁
56a 内表面
56b,56b’ 外表面
58 リブ
60,60a〜60c キャビティ
62 フィルム孔
64 フィルム孔
70 接続領域
72 接続部
72a 圧力面側部分
72b 負圧面側部分
73 中州部
74 圧力面側キャビティ壁
74a 内表面
74b 外表面
76 負圧面側キャビティ壁
76a 内表面
76b 外表面
78 後方領域
80 内側端
82 外側端
84 内側シュラウド
86 外側シュラウド
101 第1壁
102 第2壁
104 壁厚減少部
Lc キャンバライン

Claims (12)

  1. 前縁と後縁との間に延在する圧力面及び負圧面と、
    前記後縁及び前記後縁に開口する後縁通路を含む後縁部と、
    を含む翼形部を備えるタービン翼であって、
    前記後縁部は、
    前記圧力面の後縁側領域を形成する外表面を有する圧力面側壁と、
    前記後縁通路を挟んで前記圧力面側壁と対向するように配置され、前記負圧面の後縁側領域を形成する外表面を有する負圧面側壁と、を含み、
    前記後縁部は、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の一方である第1壁の厚さ、及び、前記圧力面側壁又は前記負圧面側壁の他方である第2壁の厚さが後縁に向かって漸減する壁厚減少部を有し、
    前記壁厚減少部では、前記翼形部のキャンバラインに沿った座標軸における任意の位置において、前記第1壁の厚さが前記第2壁の厚さよりも小さく、
    前記後縁部は、
    前記後縁通路内にそれぞれ延びるとともに、一端側にて前記圧力面側壁に接続され他端側にて前記負圧面側壁にそれぞれ接続される複数の接続部が設けられる接続領域と、
    前記接続領域よりも後方の後方領域と、を含み、
    前記壁厚減少部は、少なくとも部分的に前記接続領域内に存在し、
    前記第1壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さは、前記第2壁のうち、前記後方領域内に位置する部分の厚さよりも小さい
    タービン翼。
  2. 前記第1壁は前記負圧面側壁である
    請求項1に記載のタービン翼。
  3. 前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティを備え、
    前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記負圧面に開口するフィルム孔が設けられていない
    請求項2に記載のタービン翼。
  4. 前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティを備え、
    前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記圧力面に開口するフィルム孔が設けられている
    請求項2又は3に記載のタービン翼。
  5. 前記第1壁は前記圧力面側壁であり、
    前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティを備え、
    前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記負圧面に開口するフィルム孔が設けられている
    請求項1に記載のタービン翼。
  6. 前記第1壁は前記圧力面側壁であり、
    前記翼形部の内部において、前記後縁通路よりも前方にて翼高さ方向に沿って延在するキャビティを備え、
    前記翼形部には、前記キャビティに接続され、前記圧力面に開口するフィルム孔が設けられていない
    請求項1又は5に記載のタービン翼。
  7. 前記壁厚減少部において、前記後縁通路は、キャンバライン直交方向の幅が前記後縁に向かって漸減するとともに、翼高さ方向に直交する断面内にて湾曲した形状を有する
    請求項1乃至の何れか一項に記載のタービン翼。
  8. 前記壁厚減少部において、前記第1壁の厚さt1と前記第2壁の厚さt2との比t1/t2は、0.5以上1未満である
    請求項1乃至の何れか一項に記載のタービン翼。
  9. 前記壁厚減少部において、前記第2壁のキャンバラインに沿った位置変化に対する壁厚減少率は、前記第1壁の前記壁厚減少率よりも大きい
    請求項1乃至の何れか一項に記載のタービン翼。
  10. 前記翼形部の内部において、前記翼形部のコード方向にて前記後縁通路よりも前記前縁側にて翼高さ方向に沿って延在し、前記後縁通路に接続されるキャビティと、
    前記圧力面側壁に接続されるとともに、前記圧力面を形成する外表面、及び、前記キャビティを形成する内表面を有する圧力面側キャビティ壁と、
    前記負圧面側壁に接続されるとともに、前記負圧面を形成する外表面、及び、前記キャビティを形成する内表面を有する負圧面側キャビティ壁と、を備え、
    前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち、前記第1壁に接続される一方の厚さは、前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち前記第2壁に接続される一方の厚さよりも小さい
    請求項1乃至の何れか一項に記載のタービン翼。
  11. 前記翼形部の内部において、前記翼形部のコード方向にて前記後縁通路よりも前記前縁側にて翼高さ方向に沿って延在し、前記後縁通路に接続されるキャビティと、
    前記圧力面側壁に接続されるとともに、前記圧力面を形成する外表面、及び、前記キャビティを形成する内表面を有する圧力面側キャビティ壁と、
    前記負圧面側壁に接続されるとともに、前記負圧面を形成する外表面、及び、前記キャビティを形成する内表面を有する負圧面側キャビティ壁と、を備え、
    前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち、前記第1壁に接続される一方の厚さは、前記圧力面側キャビティ壁及び前記負圧面側キャビティ壁のうち前記第2壁に接続される一方の厚さよりも大きい
    請求項1乃至の何れか一項に記載のタービン翼。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載のタービン翼と、
    前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器と、
    を備えるガスタービン。
JP2019198127A 2019-10-31 2019-10-31 タービン翼及びこれを備えたガスタービン Active JP6745012B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019198127A JP6745012B1 (ja) 2019-10-31 2019-10-31 タービン翼及びこれを備えたガスタービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019198127A JP6745012B1 (ja) 2019-10-31 2019-10-31 タービン翼及びこれを備えたガスタービン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6745012B1 true JP6745012B1 (ja) 2020-08-26
JP2021071085A JP2021071085A (ja) 2021-05-06

Family

ID=72146105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019198127A Active JP6745012B1 (ja) 2019-10-31 2019-10-31 タービン翼及びこれを備えたガスタービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6745012B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023127211A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 三菱パワー株式会社 動翼、及びこれを備えているガスタービン

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4297077A (en) * 1979-07-09 1981-10-27 Westinghouse Electric Corp. Cooled turbine vane
US4601638A (en) * 1984-12-21 1986-07-22 United Technologies Corporation Airfoil trailing edge cooling arrangement
US6065928A (en) * 1998-07-22 2000-05-23 General Electric Company Turbine nozzle having purge air circuit
US6126396A (en) * 1998-12-09 2000-10-03 General Electric Company AFT flowing serpentine airfoil cooling circuit with side wall impingement cooling chambers
US6325593B1 (en) * 2000-02-18 2001-12-04 General Electric Company Ceramic turbine airfoils with cooled trailing edge blocks
JP5351637B2 (ja) * 2009-07-09 2013-11-27 三菱重工業株式会社 翼体および回転機械
US9506351B2 (en) * 2012-04-27 2016-11-29 General Electric Company Durable turbine vane
JP6671149B2 (ja) * 2015-11-05 2020-03-25 三菱日立パワーシステムズ株式会社 タービン翼及びガスタービン、タービン翼の中間加工品、タービン翼の製造方法
US10563518B2 (en) * 2016-02-15 2020-02-18 General Electric Company Gas turbine engine trailing edge ejection holes
JP6550000B2 (ja) * 2016-02-26 2019-07-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 タービン翼

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021071085A (ja) 2021-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4386891B2 (ja) 傾斜スキーラ先端を有するタービンブレード
JP5848876B2 (ja) タービンブレード冷却システム
US8231329B2 (en) Turbine blade cooling with a hollow airfoil configured to minimize a distance between a pin array section and the trailing edge of the air foil
JP5947519B2 (ja) タービンロータブレードのプラットフォーム領域を冷却するための装置及び方法
JP5898898B2 (ja) タービンロータブレードのプラットフォーム領域を冷却するための装置及び方法
JP6132546B2 (ja) タービンロータブレードのプラットフォームの冷却
JP6824623B2 (ja) フレア状先端を有するロータブレード
JP6885677B2 (ja) フレア状先端を有するロータブレード
EP3184742B1 (en) Turbine airfoil with trailing edge cooling circuit
US11732593B2 (en) Flared central cavity aft of airfoil leading edge
JP6345319B1 (ja) タービン翼及びガスタービン
JP2012102726A (ja) タービンロータブレードのプラットフォーム領域を冷却するための装置、システム、及び方法
JP2017020493A (ja) タービンバンドのアンチコーディングフランジ
EP2634370B1 (en) Turbine bucket with a core cavity having a contoured turn
US9528381B2 (en) Structural configurations and cooling circuits in turbine blades
JP6845618B2 (ja) タービン翼形部のタービュレータ構成
KR102377650B1 (ko) 에어포일 선행 에지 통로의 후미에서 외벽에 걸쳐 있는 중간 중앙 통로
JP5010507B2 (ja) 軸流式ターボ機械のタービン段、及びガスタービン
JP6745012B1 (ja) タービン翼及びこれを備えたガスタービン
JP4137508B2 (ja) リフレッシュ用孔のメータリング板を備えるタービン翼形部
CN108779678A (zh) 具有后缘框架特征的涡轮翼型件
JP5675080B2 (ja) 翼体及びこの翼体を備えたガスタービン
WO2020116155A1 (ja) タービン動翼、タービン及びチップクリアランス計測方法
JP6996947B2 (ja) タービン翼及びガスタービン
JP2014047782A (ja) タービンロータブレードのプラットフォームの冷却

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191031

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191031

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6745012

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150