JP6744190B2 - 半導体装置、及び表示システム - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、半導体装置、及び表示システムに関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、表示システム、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能し得る装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路、演算装置、記憶装置等は半導体装置の一態様である。また、撮像装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む。)、及び電子機器は半導体装置を有している場合がある。
近年、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、デジタルカメラなどさまざまな電子機器に、セントラルプロセシングユニット(Central Processing Unit(CPU))や記憶装置、センサなどの電子部品が用いられている。
特許文献1には、酸化物半導体を用いたトランジスタと、単結晶シリコンを用いたトランジスタによって構成された記憶装置が記載されている。また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が極めて小さいことが記載されている。
特開2012−256400号公報
本発明の一態様は、新規な半導体装置の提供を課題とする。又は、本発明の一態様は、良好な信頼性を有する半導体装置の提供を課題とする。又は、本発明の一態様は、消費電力が小さい半導体装置の提供を課題とする。
なお、本発明の一態様は、必ずしも上記の課題の全てを解決する必要はなく、少なくとも一の課題を解決できるものであればよい。また、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。これら以外の課題は、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、第1のトランジスタと第2のトランジスタ、及び第1の容量素子と第2の容量素子を有し、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と、第1の容量素子の一方の電極と、第2のトランジスタのゲートとは、電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と、第2の容量素子の一方の電極と、第1のトランジスタのゲートとは、電気的に接続されている半導体装置である。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と、第1の容量素子の一方の電極と、第2のトランジスタのゲートとは、第1のノードにて電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と、第2の容量素子の一方の電極と、第1のトランジスタのゲートとは、第2のノードにて電気的に接続され、第1のノードに第1の電位が保持され、第2のノードに第2の電位が保持されてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1の電位の保持を行うときには、第2の電位の保持をせず、第2の電位の保持を行うときには、第1の電位の保持をしなくてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1の電位の保持時には、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び第2のトランジスタのゲートに電位が印加され、第2の電位の保持時には、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び第1のトランジスタのゲートに電位が印加されてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1のトランジスタのゲート絶縁体には、第1の電位の保持時と第2の電位の保持時とで、それぞれ逆の極性の電位が印加され、第2のトランジスタのゲート絶縁体には、第1の電位の保持時と第2の電位の保持時とで、それぞれ逆の極性の電位が印加されてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタが、金属酸化物を用いていてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1の駆動回路と、第2の駆動回路と、第1乃至第4の配線と、を有し、第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と、第1の配線とは電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と、第2の配線とは電気的に接続され、第1の容量素子の他方の電極と、第3の配線とは電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極と、第4の配線とは電気的に接続され、第1の駆動回路は、第1の配線及び第2の配線の電位を制御する機能を有し、第2の駆動回路は、第3の配線及び第4の配線の電位を制御する機能を有していてもよい。
また、本発明の一態様に係る表示システムは、上記半導体装置を用いたフレームメモリ、画像処理部、及び駆動回路を有する制御回路と、表示部と、を有し、フレームメモリは、画像データを記憶する機能を有し、画像処理部は、フレームメモリから入力された画像データに画像処理を行い、映像信号を生成する機能を有し、駆動回路は、画像処理部から入力された前記映像信号を、前記表示部に出力する機能を有する。
また、本発明の一態様に係る表示システムにおいて、表示部は、第1の表示ユニットと、第2の表示ユニットと、を有し、第1の表示ユニットは、反射型の液晶素子を有し、第2の表示ユニットは、発光素子を有していてもよい。
本発明の一態様により、新規な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、良好な信頼性を有する半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、消費電力が小さい半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。また、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。これら以外の効果は、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示す図、及び本発明の一態様に係るメモリセルの構成例を示す図。 本発明の一態様に係るメモリセルの構成例を示す図。 本発明の一態様に係るメモリセルのデータ書き込み動作及びデータ読み出し動作の一例を表すタイミングチャート。 本発明の一態様に係るメモリセルの構成例を示す図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成例を示す図。 本発明の一態様に係るコンピュータの構成例を示す図。 本発明の一態様に係る表示システムの構成例を示す図。 本発明の一態様に係る表示装置の構成例を説明する図。 本発明の一態様に係る表示装置の画素の構成例を説明する図。 本発明の一態様に係る表示装置の画素の構成例を説明する図。 本発明の一態様に係る表示装置の構成例を示す図。 本発明の一態様に係る表示装置の構成例を示す図。 本発明の一態様に係るトランジスタの構成例を示す図。 本発明の一態様に係るトランジスタのエネルギーバンド構造を示す図。 半導体ウエハの上面図。 電子部品の作製工程を示すフローチャート図及び斜視図。 本発明の一態様に係る電子機器の構成例を示す図。 本発明の一態様に係る電子機器の構成例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態における説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本発明の一態様には、半導体装置、記憶装置、表示装置、撮像装置、RF(Radio Frequency)タグなど、あらゆる装置がその範疇に含まれる。また、表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などが、その範疇に含まれる。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む。)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう。)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(cloud−aligned composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、又は材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OS又はCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OS又はCAC−metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(又は正孔)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子(又は正孔)を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OS又はCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OS又はCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OS又はCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OS又はCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OS又はCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に記載されているものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。又は、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きくできる回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
また、異なる図面間で同じ符号が付されている構成要素は、特に説明がない限り、同じものを表す。
また、図面上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置及び記憶装置について説明する。
<半導体装置の構成例>
図1(A)に、本発明の一態様に係る半導体装置に含まれるメモリセルアレイ10の構成例を示す。メモリセルアレイ10は複数のメモリセルMCを有する。メモリセルMCは、データを記憶する機能を有する回路である。図1(A)には、メモリセルアレイ10がm列n行のメモリセルMCを有する構成例を示す。以下、x列y行(xは1以上m以下の整数、yは1以上n以下の整数)のメモリセルMCを、MC[x,y]と表記する。当該複数のメモリセルMCを、半導体装置のメモリセルアレイ10として用いることができる。
メモリセルMCは、複数の配線WL(配線WLa、配線WLb)と、複数の配線BL(配線BLa、配線BLb)とに接続されている。配線WLは、データの書き込み、読み出し、又は保持を行うための電位を、所定の行のメモリセルMCに供給する機能を有する。配線BLは、データの書き込み、読み出し、又は保持を行うための電位を、所定の列のメモリセルMCに供給する機能を有する。また、配線BLは、メモリセルMCに書き込むデータに対応する電位(以下、書き込み電位ともいう。)を伝える機能を有する。なお、MC[x,y]と接続された配線WLa、配線WLb、配線BLa、配線BLbを、それぞれ配線WLa[y]、配線WLb[y]、配線BLa[x]、配線BLb[x]と表記する。
図1(A)においては、配線WLが同じ行のメモリセルMCに共有され、配線BLが同じ列のメモリセルMCに共有されている構成例を示している。しかし、これらの配線は、メモリセルMCごとに個別に設けられていてもよい。
メモリセルMCは、トランジスタや容量素子によって構成することができる。ここで、メモリセルMCには、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう。)を用いることが好ましい。金属酸化物は、シリコンなどの半導体よりもバンドギャップが大きく、少数キャリア密度が低いため、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。そのため、メモリセルMCにOSトランジスタを用いる場合、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう。)などを用いる場合と比較して、メモリセルMCに保持された電位を長期間にわたって保持することができる。これにより、所定の周期で再度書き込みを行う動作(リフレッシュ動作)が不要となるか、又は、リフレッシュ動作の頻度を極めて少なくすることができる。また、メモリセルMCへの信号の供給が停止された期間においても、長期間データを保持することができる。したがって、メモリセルアレイ10における消費電力を低減することができる。
図1(B)に、本発明の一態様に係るメモリセルMCの構成の一部を示す。本発明の一態様において、メモリセルMCは回路MCa、回路MCbを有する。回路MCa、回路MCbはそれぞれ、データを記憶する機能を有する。回路MCaは、トランジスタTra、容量素子Caを有する。回路MCbは、トランジスタTrb、容量素子Cbを有する。
トランジスタTraのソース又はドレインの一方は容量素子Caの一方の電極と接続され、ソース又はドレインの他方は配線L1aと接続されている。容量素子Caの他方の電極は配線L2aと接続されている。なお、配線L1a、配線L2aは、所定の信号が供給される配線である。ここで、トランジスタTraのソース又はドレインの一方、容量素子Caの一方の電極と接続されたノードを、ノードFNaと表記する。ノードFNaは、メモリセルMCの電位保持部としての機能を有する。なお、回路MCbも回路MCaと同様の回路構成を有する。
トランジスタTra、トランジスタTrbは、データの書き込み用スイッチとしての機能を有する。また、配線L1a、配線L1bは、書き込み電位を伝える機能を有する。トランジスタTraが導通状態になると、配線L1aの電位がトランジスタTraを介してノードFNaに供給される。これにより、回路MCaへのデータの書き込みが行われる。その後、トランジスタTraがオフ状態となると、ノードFNaがフローティング状態となり、データが保持される。回路MCbにおいても、同様の動作によりデータの書き込み及び保持が行われる。
ここで、データの書き込み用スイッチとしての機能を有するトランジスタTra、トランジスタTrbには、OSトランジスタを用いることが好ましい。前述したように、OSトランジスタのオフ電流は極めて小さいため、トランジスタTra、トランジスタTrbがオフ状態の期間において、ノードFNa、ノードFNbの電位を極めて長期間にわたって保持することができる。そのため、メモリセルMCにおける消費電力を低減することができる。
なお、チャネル幅で規格化したOSトランジスタのオフ電流は、ソース又はドレイン電圧が10V、室温(25℃程度)の状態で10×10−21A/μm(10ゼプトA/μm)以下とすることが可能である。トランジスタTra、トランジスタTrbに用いるOSトランジスタのオフ電流は、室温(25℃程度)にて1×10−18A以下、又は、1×10−21A以下、又は1×10−24A以下が好ましい。又は、リーク電流は85℃にて1×10−15A以下、又は1×10−18A以下、又は1×10−21A以下であることが好ましい。
また、OSトランジスタのチャネル形成領域に含まれる金属酸化物は、インジウム(In)及び亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含むことが好ましい。このような金属酸化物としては、In酸化物、Zn酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(元素Mは、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、又はHf)が代表的である。これら金属酸化物は、電子供与体(ドナー)となる水素などの不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、金属酸化物をi型半導体(真性半導体)にする、あるいはi型半導体に限りなく近づけることができる。このような金属酸化物は、高純度化された金属酸化物と呼ぶことができる。例えば、金属酸化物のキャリア密度は、8×1015cm−3未満、好ましくは1×1011cm−3未満、より好ましくは1×1010cm−3未満であり、かつ、1×10−9cm−3以上とすることができる。
また、金属酸化物はバンドギャップが大きく、電子が励起されにくく、正孔の有効質量が大きい。このため、OSトランジスタはSiトランジスタと比較して、電子雪崩降伏等が生じにくい場合がある。電子雪崩降伏に起因するホットキャリア劣化等が抑制されることで、OSトランジスタは高いドレイン耐圧を有することとなり、高いドレイン電圧で駆動することが可能となる。そのため、トランジスタTra、トランジスタTrbにOSトランジスタを用いることにより、ノードFNa、ノードFNbに保持される電位の範囲を広げることができる。
なお、トランジスタTra、トランジスタTrbとして、OSトランジスタ以外のトランジスタを用いてもよい。例えば、金属酸化物以外の単結晶半導体を有する基板において、該基板の一部にチャネルが形成されるトランジスタを用いてもよい。このような基板としては、例えば、単結晶シリコン基板や単結晶ゲルマニウム基板などが挙げられる。また、トランジスタTra、トランジスタTrbとして、金属酸化物以外の半導体材料を含む膜にチャネルが形成されるトランジスタを用いてもよい。このような膜としては、例えば、非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、非晶質ゲルマニウム膜、微結晶ゲルマニウム膜、多結晶ゲルマニウム膜、又は単結晶ゲルマニウム膜などが挙げられる。
メモリセルMCが有する容量素子として、メモリセルMCを構成するトランジスタや配線が形成する寄生容量を用いてもよい。また、メモリセルMCが有する容量素子として、メモリセルMCを構成するトランジスタのゲートと、ソース又はドレインと、の間で形成される容量を利用してもよい。また、ノードFNa又は/及びノードFNbと接続される容量素子は、2つ以上設けてもよい。
ここで、本発明の一態様においては、トランジスタTraのゲートがノードFNbと接続され、トランジスタTrbのゲートがノードFNaと接続されている。そのため、トランジスタTra、トランジスタTrbの導通状態を、それぞれノードFNb、ノードFNaの電位によって制御することができる。
また、本発明の一態様において、ノードFNaは、容量素子Caを介して配線L2aと接続されている。そのため、配線L2aの電位を変化させることにより、容量素子Caの容量結合を利用して、ノードFNaの電位を制御することができる。同様に、配線L2bの電位を変化させることにより、容量素子Cbの容量結合を利用して、ノードFNbの電位を制御することができる。
ここで、例えばメモリセルMCが回路MCaのみの構成である場合、メモリセルMCのデータ保持時には、ノードFNaのみに一定の電位が保持されることになる。これはメモリセルMCが、ノードFNaに一定の正(又は負)の電位(以下、データ“1”ともいう。)又は0V(以下、データ“0”ともいう。)のいずれかを保持できる2値のメモリセルである場合、データ“1”保持時には、トランジスタTraのソース又はドレインの一方のみに正(又は負)の電位が印加され、データ“0”保持時には、トランジスタTraのいずれの電極(ソース、ドレイン、ゲート)にも正(又は負)の電位が印加されないことになる。すなわち、メモリセルMCが回路MCaのみの構成である場合には、データ“1”保持時に、トランジスタTraのソース又はドレインの一方に正(又は負)の電位という一種類のストレスのみが印加され続けることになる。このため、メモリセルMCが回路MCaのみの構成である場合には、データ“1”保持起因の印加ストレスによって、トランジスタTraの劣化が誘発・加速される場合がある。該劣化によってトランジスタTraの電気特性(閾値電圧、オフ電流等)が変動すると、回路MCa(メモリセルMC)におけるデータの読み書きや保持などに支障をきたす場合がある。
しかしながら、本発明の一態様では、2つの回路(回路MCa及び回路MCb)に対して図1(B)に示すように電気的な接続を行い、これを1つのメモリセルMCとする構成とすることによって、前述したトランジスタTraの劣化を抑制することができる。以下で詳細を説明する。
図1(B)に示すように、トランジスタTraのゲートとノードFNbとは接続されており、トランジスタTraのソース又はドレインの一方とノードFNaとは接続されている。また。トランジスタTrbのゲートとノードFNaとは接続されており、トランジスタTrbのソース又はドレインの一方とノードFNbとは接続されている。ここで、ノードFNaに一定の正の電位が保持され、かつノードFNbに0Vが保持される組み合わせをデータ“1”、ノードFNaに0Vが保持され、かつノードFNbに一定の正の電位が保持される組み合わせをデータ“0”と定義し直す。例えば、メモリセルMCが該データ“1”と該データ“0”のいずれかを保持できる2値のメモリセルである場合、データ“1”保持時には、トランジスタTraのソース又はドレインの一方とトランジスタTrbのゲートに正の電位が印加され、データ“0”保持時には、トランジスタTrbのソース又はドレインの一方とトランジスタTraのゲートに正の電位が印加されることになる。これを各トランジスタのソース又はドレインの一方の電位を基準(0V)として考えると、データ“1”保持時には、トランジスタTraのゲート絶縁体(ノードFNa側)に負の電位が印加されたのと等価な状態となり、データ“0”保持時には、トランジスタTrbのゲート絶縁体(ノードFNb側)に負の電位が印加されたのと等価な状態になる。
すなわち、図1(B)に示すメモリセルMCにおいて、データ“1”保持時には、トランジスタTraには負のゲートバイアスストレス(以下、−GBSともいう。)が印加されることになる。また、正の電位が保持されたノードFNaはトランジスタTrbのゲートと接続されているため、トランジスタTrbには正のゲートバイアスストレス(以下、+GBSともいう。)が印加されることになる。同様にして、データ“0”保持時には、トランジスタTraには+GBSが、トランジスタTrbには−GBSがそれぞれ印加されることになる(表1参照。)。
このように、本発明の一態様では、メモリセルMCのデータ“1”保持時とデータ“0”保持時とで、トランジスタTra及びトランジスタTrbにそれぞれ逆の極性のストレス(+GBS、−GBS)が印加される。これにより、メモリセルMCのデータ保持時に、トランジスタTra及びトランジスタTrbに+GBS又は−GBSのどちらか一方の極性のストレスのみが印加されることがなくなる。また、例えばデータ“1”保持時にトランジスタTra(トランジスタTrb)が−GBS(+GBS)起因で劣化したとしても、データ“0”保持時にトランジスタTra(トランジスタTrb)が+GBS(−GBS)起因の劣化をすることで、それぞれの劣化を相殺することができる。
上述のように、図1(B)の構成をメモリセルMCに適用することにより、トランジスタTra、トランジスタTrbの劣化及び特性の変動を低減し、図1(A)のメモリセルアレイ10の信頼性を向上させることができる。以下では、上記の構成を備えたメモリセルMCの具体的な構成例、動作例について詳細を説明する。
<メモリセルの構成例>
図2に、本発明の一態様に係るメモリセルMCの具体的な構成例を示す。なお、図2には代表例としてメモリセルMC[1,1]、メモリセルMC[2,1]、メモリセルMC[1,2]、メモリセルMC[2,2]を示しているが、その他のメモリセルMCも同様の構成とすることができる。
メモリセルMC[1,1]、メモリセルMC[2,1]、メモリセルMC[1,2]、メモリセルMC[2,2]はそれぞれ、回路MCa及び回路MCbを有する。回路MCaは、トランジスタTra及び容量素子Caを有する。回路MCbは、トランジスタTrb及び容量素子Cbを有する。
トランジスタTraのゲートはノードFNbと接続され、ソース又はドレインの一方はトランジスタTrbのゲート及び容量素子Caの一方の電極とノードFNaにて接続され、ソース又はドレインの他方は配線BLaと接続されている。容量素子Caの他方の電極は、配線WLaと接続されている。トランジスタTrbのゲートはノードFNaと接続され、ソース又はドレインの一方はトランジスタTraのゲート及び容量素子Cbの一方の電極とノードFNbにて接続され、ソース又はドレインの他方は配線BLbと接続されている。容量素子Cbの他方の電極は、配線WLbと接続されている。
図2には、配線WLa、配線WLbが同一の行のメモリセルMC(ここでは、メモリセルMC[1,1]とメモリセルMC[2,1]、又は、MC[1,2]とMC[2,2])によって共有され、配線BLa、配線BLbが同一の列のメモリセルMC(ここでは、メモリセルMC[1,1]とメモリセルMC[1,2]、又は、メモリセルMC[2,1]とメモリセルMC[2,2])によって共有されている構成例を示している。ただし、これらの配線は、メモリセルMCごとに個別に設けられていてもよい。
配線WLaは、メモリセルMCへのデータの書き込み、読み出し、又は保持を行うための電位を、所定の行のメモリセルMCのノードFNaに供給する機能を有する。配線WLaは、容量素子Caを介してノードFNaと接続されているため、配線WLaの電位を制御することにより、容量素子Caの容量結合を利用して、ノードFNaの電位を制御することができる。また、ノードFNaはトランジスタTrbのゲートと接続されているため、配線WLaの電位を制御することにより、トランジスタTrbの導通状態を制御することができる。同様に、配線WLbの電位を制御することにより、ノードFNbの電位を制御することができ、トランジスタTraの導通状態を制御することができる。
配線BLaは、メモリセルMCへのデータの書き込み、読み出し、又は保持を行うための電位を、所定の列のメモリセルMCのノードFNaに供給する機能を有する。配線BLaはトランジスタTraのソース又はドレインの他方と接続されているため、上述した配線WLbの電位制御によりトランジスタTraを導通状態にすることで、配線BLaからの電位を、トランジスタTraを介してノードFNaに供給することができる。同様に、配線BLbからの電位を、トランジスタTrbを介してノードFNbに供給することができる。
このように、配線WL(配線WLa、配線WLb)からの電位供給と、配線BL(配線BLa、配線BLb)からの電位供給と、を適切に組み合わせることによって、メモリセルMCへのデータの書き込みを行うための電位を、ノードFNa及びノードFNbに供給することができる。
上述のように、本発明の一態様に係るメモリセルMCは上記の回路構成を有することにより、ノードFNa、ノードFNbにそれぞれ、正(又は負)の電位を供給(書き込み)し、保持させることができる。例えば、メモリセルMCが前述したデータ“1”とデータ“0”のいずれかを保持できる2値のメモリセルである場合、データ“1”書き込み時には、配線WLaは容量素子Caの容量結合を利用して、ノードFNaの電位を正(又は負)に制御する機能を有し、配線WLbは容量素子Cbの容量結合を利用して、ノードFNbの電位を0Vに制御する機能を有する。一方、データ“0”書き込み時には、配線WLaは容量素子Caの容量結合を利用して、ノードFNaの電位を0Vに制御する機能を有し、配線WLbは容量素子Cbの容量結合を利用して、ノードFNbの電位を正(又は負)に制御する機能を有する。これにより、メモリセルMCのデータ“1”保持時とデータ“0”保持時とで、トランジスタTraとトランジスタTrbにはそれぞれ逆の極性のストレス(+GBS、−GBS)が印加されることになるため、トランジスタTra及びトランジスタTrbの劣化を抑制することができる。以下では、ノードFNに正(又は負)の電位が供給、保持されるときの、メモリセルMCの具体的な動作例について説明する。
<メモリセルの動作例>
図3に、本発明の一態様に係るメモリセルMCにデータを書き込む動作、及び、書き込まれた(記憶された)データを読み出す動作の一例を表すタイミングチャートを示す。
なお、以下では、図2におけるメモリセルMCのそれぞれに1ビット(2値)のデータを記憶する場合について説明する。ここでは具体例として、ノードFNaの電位が正、ノードFNbの電位が0Vである状態がメモリセルMCにデータ“1”が記憶された状態に対応し、ノードFNaの電位が0V、ノードFNbの電位が正である状態がメモリセルMCにデータ“0”が記憶された状態に対応する場合について説明する。
なお、ノードFNa、ノードFNbの電位は上記に限られない。すなわち、ノードFNa、ノードFNbには、正、0の2値だけでなく、3値以上の電位を保持することもできる。この場合、メモリセルMCに記憶することが可能な情報量を増加させることができる。また、ノードFNa、ノードFNbの電位とデータの対応も上記に限られず、任意に定義することができる。
[データの書き込み動作]
まず、図3に示すタイミングチャートを用いて、図2に示すメモリセルMC[1,1]へのデータの書き込み動作の一例を説明する。図3において、期間T1はデータ“1”の書き込みを行う期間であり、期間T3はデータ“0”の書き込みを行う期間である。
なお、期間T1の直前では、ノードFNa及びノードFNbに0Vの電位が保持されているものとする。
まず、期間T1において、配線WLb[1]に正の電位(+V)を与える。すると、トランジスタTraが導通状態となり、配線BLa[1]に与えられた正の電位(+V)がトランジスタTraを介して徐々にノードFNaに供給される。このとき、配線WLa[1]及び配線BLb[1]の電位を0Vにしておくことで、ノードFNbの電位は0Vまで低下する。これにより、ノードFNaには+V、ノードFNbには0Vの電位がそれぞれ供給された状態になるため、メモリセルMC[1,1]にデータ“1”が書き込まれる。なお、図3に示すタイミングチャートでは、配線WLb[1]に与える電位と配線BLa[1]に与える電位がともに+Vとなっているが、それぞれ異なる大きさの電位であってもよい。メモリセルMCへのデータ“1”書き込みが終了したら、期間T2に示すように、配線WLb[1]及び配線BLa[1]の電位を0Vに戻す。
次に、期間T3において、配線WLa[1]に正の電位(+V)を与える。すると、トランジスタTrbが導通状態となり、配線BLb[1]に与えられた正の電位(+V)がトランジスタTrbを介してノードFNbに供給される。ノードFNbに+Vの電位が供給されることで、トランジスタTraも導通状態となる。このとき、配線BLa[1]の電位が0Vであるため、上述したデータ“1”書き込みでノードFNaに供給されていた正の電位(+V)が0Vに低下する。なお、図3では、前述したデータ“1”書き込み(期間T1)に比べて、データ“0”書き込み(期間T3)でのノードFNa及びノードFNbの電位の変動が急峻に示されている。これは、図3では、データ“0”書き込み前の段階で、すでにノードFNaに正の電位(+V)が供給されているため、配線WLaからの電位供給後にトランジスタTrbが導通状態になるタイミングが早まるためである。その分、トランジスタTrbを介したノードFNbへの電位供給速度が早まり、それに伴って、トランジスタTraが導通状態になるタイミング及びノードFNaへ電位(0V)供給されるタイミングも早まる。以上の例のようにして、ノードFNaには0Vの電位、ノードFNbには+Vの電位がそれぞれ供給された状態になるため、メモリセルMC[1,1]にデータ“0”が書き込まれる。なお、図3に示すタイミングチャートでは、配線WLa[1]に与える電位と配線BLb[1]に与える電位がともに+Vとなっているが、それぞれ異なる大きさの電位であってもよい。メモリセルMC[1,1]へのデータ“0”書き込みが終了したら、期間T4に示すように、配線WLa[1]及び配線BLb[1]の電位を0Vに戻す。
以上のように、配線WL[1](配線WLa[1]、配線WLb[1])及び配線BL[1](配線BLa[1]、配線BLb[1])の電位を制御することにより、ノードFNa及びノードFNbの電位を制御し、メモリセルMC[1,1]にデータ“1”又はデータ“0”の書き込みを行うことができる。
なお、データの書き換え動作は、配線WL(配線WLa、配線WLb)を共通する同じ行のメモリセルMCに対して一括で行う。図3では、配線WLa[1]、配線WLb[1]を選択して、メモリセルMC[1,1]に書き込みを行う例を示した。このとき、同様に、配線WLa[1]、配線WLb[1]を共有する同一行のメモリセルMC[2,1]にも書き込みを行うことが好ましい。正電位を書き込む際の配線WLa[1]、配線WLb[1]を共有するデータ“1”又はデータ“0”を共通する同一行のメモリセルMCは、各メモリセルMCごとに書き込みを行ってもよい。又は、書き込みの際、配線WLa[1]、配線WLb[1]を同時に正の電位(+V)に上げて、配線WLa[1]、配線WLb[1]を共通する同一行のメモリセルMCに対して、それぞれにデータ“1”又はデータ“0”に対応する電圧を各配線BLに与えて、同時にデータ“1”又はデータ“0”の書き込みを行ってもよい。
また、ある選択した行のメモリセルMCにおいてデータの書き込みを行う際、その他の非選択の行のメモリセルMCには、トランジスタTra、トランジスタTrbがオフ状態を維持できるような電位を供給しておくことが好ましい。例えば、図2におけるメモリセルMC[1,1]を選択してデータを書き込む場合、メモリセルMC[1,2]、MC[2,2]と接続された配線WLa[2]、配線WLb[2]にはある負の電位(−V)を印加することが好ましい(図3参照。)。これにより、非選択状態のメモリセルMCにおいて意図しないデータの変動が生じることを防止することができる。なお、非選択の配線WLa[2]、配線WLb[2]印加する電圧を−Vとしたが、非選択の配線WLa[2]、配線WLb[2]に印加する電圧は、非選択のメモリセルMC[1,2]、メモリセルMC[2,2]のトランジスタTra、トランジスタTrbがノードFNa及びノードFNbのデータ保持状態に依らずに容量Ca、容量Cbを介した容量結合によりオフ状態とできる電位であればよく、書き込みの際に用いる正の電位(+V)と異なる絶対値の負の電位でもよい。非選択のメモリセルMC[1,2]あるいはメモリセルMC[2,2]のトランジスタTra、トランジスタTrbがオフ状態であれば、配線BLa、配線BLbを共通する列の非選択メモリセルMC[1,2]あるいはメモリセルMC[2,2]のノードFNa、ノードFNbの電位と、配線BLa、配線BLbに入る書き込みの電位を分離でき、誤書き換えを防止することができる。
[データの読み出し動作]
次に、図3に示すタイミングチャートを用いて、図2に示すメモリセルMC[1,1]からのデータの読み出し動作の一例を説明する。図3において、期間T5乃至期間T7は、メモリセルMCに記憶されたデータ“0”の読み出しを行う期間である。すなわち、期間T5の直前では、ノードFNaに0の電位、ノードFNbに正の電位(+V)が保持されている。
まず、期間T5において、各メモリセルMCと接続する配線WL(配線WLa、配線WLb)に負の電位(−V)を与える。これは、後述するプリチャージを行う際、配線BL(配線BLa、配線BLb)に印加するプリチャージ電位から選択メモリセルMC及び非選択メモリMCへの誤書き込みが発生することを防止するためである。ここで、前述の負の電位は−Vに限らず、メモリセルMC内のトランジスタTra、トランジスタTrbが、ノードFNa及びノードFNbのデータ保持状態に依らずに、オフ状態にできる任意の電位であればよい。なお、ノードFNa及びノードFNbには、書き込み動作によってデータ“1”又はデータ“0”の状態により電位を書き込んでいるが、実際には、その電位に応じた電荷を与えているともいえる。また、ノードFNa及びノードFNbは、書き込み動作時の電位に応じた電荷を保持しながら、配線WL(配線WLa、配線WLb)等の電位から容量Ca、容量Cbを介した容量結合により任意に電位を変化させることができる。したがって、トランジスタTra、トランジスタTrbは、配線WL(配線WLa、配線WLb)に負の電位(−V)を与えてオフ状態にすることができる。
次に、期間T6において、選択メモリセルMC[1,1]と接続する配線BLa[1]及び配線BLb[1]に正のプリチャージ電位(+V)を与える。該プリチャージ電位は、選択メモリセルMC[1,1]に記憶されているのがデータ“1”とデータ“0”のどちらであるかを識別するための基準となる電位である。例えば、後述する各配線への電位供給によって、選択メモリセルMC[1,1]と接続する配線BLa[1]及び配線BLb[1]に与えた電位(ともに+V)を、これよりも大きい電位あるいは小さい電位に変動させることができる。この電位変動分(配線BLa[1]と配線BLb[1]のうち、どちらが+Vよりも大きい電位に変動し、どちらが+Vよりも小さい電位に変動したか。)をモニターすることによって、選択メモリセルMC[1,1]に記憶されているのがデータ“1”とデータ“0”のどちらであるかを識別することができる。なお、図3に示すように、+Vは+Vよりも小さい電位であるとする。
次に、期間T7において、選択メモリセルMC[1,1]と接続する配線WLa[1]及び配線WLb[1]に正の電位(+V)を与える。すると、選択メモリセルMC[1,1]における容量素子Caの容量結合及び容量素子Cbの容量結合によって、選択メモリセルMC[1,1]のトランジスタTra及びトランジスタTrbのゲートにかかる電位が上昇し、該トランジスタはともに導通状態となる。これにより、選択メモリセルMC[1,1]におけるノードFNaと、選択メモリセルMC[1,1]と接続する配線BLa[1]との間、及び選択メモリセルMC[1,1]におけるノードFNbと、選択メモリセルMC[1,1]と接続する配線BLb[1]との間で、容量Ca及び容量Cbの容量と配線BLa[1]及び配線BLb[1]の配線容量に蓄えられた電荷の再配分が行われる。図3に示すタイミングチャートでは、読み出し動作(期間T5乃至期間T7)を行う前の時点T4で、選択メモリセルMC[1,1]にはデータ“0”が記憶された状態となっている。すなわち、選択メモリセルMC[1,1]のノードFNaには0Vの電位、ノードFNbには+Vの電位がそれぞれ供給された状態となっている。そのため、該配線BLa[1]の電位は、+Vからそれよりも小さい電位(+V)に低下し、該配線BLb[1]の電位は、+Vからそれよりも大きい電位(+V)に上昇する。この電位変動分をモニターすることによって、選択メモリセルMC[1,1]に記憶されているのがデータ“0”であることを識別することができる。なお、図3のタイミングチャートには示していないが、該配線BLa[1]の電位が+Vに上昇し、該配線BLb[1]の電位が+Vに低下した場合は、選択メモリセルMC[1,1]に記憶されているのがデータ“1”であると識別する。
なお、読み出しを行う期間T5の前の期間T4では、選択メモリセルMC[1,1]にデータ“0”が記憶された状態となっており、データ“0”の場合、ノードFNbに正の電位(+V)が保持されていることでトランジスタTraが導通状態で、ノードFNaと配線BLa[1]が導通した状態となっている。このため、ノードFNaは、データ“0”の記憶状態の0Vの電位を必ずしも保持していない状態である。しかし、期間T5でトランジスタTraをオフ状態とするために配線WLb[1]に負の電位(−V)を与える直前の期間T4で、配線BLa[1]に0Vを与えることでノードFNaの電位を0Vに固定することができる。図3の例以外で、データ“1”の場合も、同様に、ノードFNbの電位を読み出し直前に0Vに固定することができる。
また、期間T7において、配線WLa[1]及び配線WLb[1]に正の電位(+V)を与えると、選択メモリセルMC[1,1]に接続された配線BLa[1]及び配線BLb[1]のプリチャージした基準電位+Vが、容量Ca及び容量Cbの容量や配線BLa、配線BLb、配線WLa及び配線WLbの寄生容量等の容量結合により、やや高く電位が変動することがある。この場合は、データ“1”とデータ“0”を識別する基準電位+Vにその変動電位分を加えた電位を基準とすればよい。
又は、期間T7において、配線WLa[1]及び配線WLb[1]に正の電位(+V)でなく、配線BLa[1]及び配線BLb[1]より供給される正のプリチャージ電位(+V)よりもやや小さい電位(+V)によってトランジスタTra及びトランジスタTrbを導通状態にできるなら、0Vを与えてもよい。図3の期間T7では、選択メモリセルMC[1,1]にデータ“0”が記憶された状態を読み出そうとしている。この場合、選択メモリセルMC[1,1]のノードFNaには0Vの電位、ノードFNbには+Vの電位がそれぞれ供給された状態であり、配線WLa[1]及び配線WLb[1]が0Vでも選択メモリセルMC[1,1]のトランジスタTraは導通状態である。選択メモリセルMC[1,1]のもう一方のトランジスタTrbは、配線BLa[1]に正のプリチャージ電位(+V)が供給されることで、導通状態であるトランジスタTraを介してノードFNaに電荷の再配分によって電位(+V)が供給される。この電位(+V)によってトランジスタTrbを導通状態にすることができる場合は、配線WLa[1]及び配線WLb[1]は0Vでもよい。トランジスタTrbが導通状態になれば、トランジスタTrbを介して、ノードFNbと配線BLb[1]間で電荷の再配分が起き、配線BLb[1]の電位が+Vからそれよりも大きい電位(+V)に上昇する。この電位変動分をモニターすることによって、選択メモリセルMC[1,1]に記憶されているのがデータ“0”であることを識別することができる。同様な方法で、データ“1”も識別することができる。
上述のデータの読み出し動作によって、選択メモリセルMC[1,1]における読み出し前の記憶状態(ノードFNaに0V、ノードFNbに+V)は失われる(破壊読み出し)。そのため、例えばメモリセルMC外にセンスアンプなどを設け、期間T8に示すような、選択メモリセルMC[1,1]に、読み出し前の記憶状態データ“0”に該当する配線BLa[1]に0V、配線BLb[1]に+Vを与えるリフレッシュ動作を行う。これにより、前述の破壊読み出しで失われた選択メモリセルMCの記憶状態データ“0”に相当するノードFNaに0V、ノードFNbに+Vをリフレッシュ動作により書き込み、その後、各配線WL(配線WLa、配線WLb)、各配線BL(配線BLa、配線BLb)を0Vに戻して、破壊読み出し前の記憶状態を復元させることができる(期間T9)。
なお、前述したデータの書き込み動作同様、データの読み出し動作は、配線WL(配線WLa、配線WLb)を共通する同じ行のメモリセルMCに対して一括で行う。ある行のメモリセルMCにおいてデータの読み出しを行う際、その他の行のメモリセルMCには、トランジスタTra、トランジスタTrbがオフ状態を維持できるような電位を供給しておくことが好ましい。例えば、図2におけるメモリセルMC[1,1]を選択してデータを読み出す場合、メモリセルMC[1,2]、MC[2,2]と接続された配線WLa[2]、配線WLb[2]には、負の電位(−V)を印加することが好ましい(図3参照。)。これにより、非選択状態のメモリセルMCから配線BLa、配線BLbに意図しない電位が出力されることを防止することができる。
[データの保持動作]
メモリセルMCは、ノードFNの電位が正(又は負)、0のいずれであっても、その電位を保持することができる。
メモリセルMC[1,1]にデータ“1”が記憶されている場合、ノードFNaには正の電位(+V)、ノードFNbには0Vの電位が供給されている。そのため、トランジスタTraは非導通状態となり、ノードFNaの電位(+V)を保持することができる。ノードFNaの電位(+V)により、トランジスタTrbは導通状態となるが、メモリセルMC[1,1]と接続する配線WL[1](配線WLa[1]、配線WLb[1])及び配線BL[1](配線BLa[1]、配線BLb[1])に0Vの電位を与えておけば、該配線BLb[1](電位0V)とノードFNb(電位0V)との間の電位差が0Vになるため、ノードFNbに供給された電位0Vは維持される。したがって、メモリセルMC[1,1]にデータ“1”を保持することができる(図3の期間T2参照。)。
メモリセルMC[1,1]にデータ“0”が記憶されている場合、ノードFNaには0Vの電位、ノードFNbには正の電位(+V)が供給されている。そのため、トランジスタTrbは非導通状態となり、ノードFNbの電位(+V)を保持することができる。ノードFNbの電位(+V)により、トランジスタTraは導通状態となるが、メモリセルMCと接続する配線WL[1](配線WLa[1]、配線WLb[1])及び配線BL[1](配線BLa[1]、配線BLb[1])に0Vの電位を与えておけば、該配線BLa[1](電位0V)とノードFNa(電位0V)との間の電位差が0Vになるため、ノードFNaに供給された電位0Vは維持される。したがって、メモリセルMC[1,1]にデータ“0”を保持することができる(図3の期間T4参照。)。
また、例えば、メモリセルMC[1,1]にデータ“0”が記憶されている場合、図3の期間T5のような、すべての配線WL(配線WLa、配線WLb)にある負の電位(−V)を印加してトランジスタTra及びトランジスタTrbをオフ状態としても、データを保持することができる。トランジスタTra及びトランジスタTrbを非導通状態とすることで、例えばデータ“0”におけるノードFNaが0Vの電位、ノードFNbが正の電位(+V)に相当する電荷をノードFNa及びノードFNbに保持することができる。
以下では、上述したメモリセルMC[1,1]のデータ“1”保持時とデータ“0”保持時に、トランジスタTra、トランジスタTrbに印加されるストレスについて述べる。メモリセルMC[1,1]のデータ“1”保持時には、トランジスタTraのソース又はドレインの一方(ノードFNa側)に正の電位(+V)が印加され、ソース又はドレインの他方(配線BLa[1]と接続する側)及びゲートには0Vの電位が印加される。そして、トランジスタTrbのゲートに正の電位(+V)が印加され、ソース及びドレインには0Vの電位が印加される。一方、メモリセルMC[1,1]のデータ“0”保持時には、トランジスタTraのゲートに正の電位(+V)が印加され、ソース及びドレインには0Vの電位が印加される。そして、トランジスタTrbのソース又はドレインの一方(ノードFNb側)に正の電位(+V)が印加され、ソース又はドレインの他方(配線BLb[1]と接続する側)及びゲートには0Vの電位が印加される。これは、各トランジスタのソース又はドレインの一方(ノードFNa側、ノードFNb側)の電位を基準(0V)として考えた場合、メモリセルMCのデータ“1”保持時には、トランジスタTraのゲート絶縁体(ノードFNa側)に負のゲートバイアスストレス(−GBS)が印加され、トランジスタTrbのゲート絶縁体に正のゲートバイアスストレス(+GBS)が印加されるのと等価な状態になる。同様に、メモリセルMCのデータ“0”保持時には、トランジスタTrbのゲート絶縁体(ノードFNb側)に負のゲートバイアスストレス(−GBS)が印加され、トランジスタTraのゲート絶縁体に正のゲートバイアスストレス(+GBS)が印加されるのと等価な状態になる(表1参照。)。
このように、本発明の一態様では、メモリセルMCのデータ“1”保持時とデータ“0”保持時とで、トランジスタTra及びトランジスタTrbにそれぞれ逆の極性のストレス(+GBS、−GBS)が印加される。これにより、メモリセルMCのデータ保持時に、トランジスタTra及びトランジスタTrbに+GBS又は−GBSのどちらか一方の極性のストレスのみが印加されることがなくなる。そのため、メモリセルMCのデータ保持動作起因によるトランジスタTra及びトランジスタTrbの劣化を抑制することができる。
また、データ“1”保持時(データ“0”保持時)には、トランジスタTrb(トランジスタTra)のゲートに正の電位(+V)が印加されるため、例えばマイナスの電荷を持つイオンや粒子がトランジスタTrb(トランジスタTra)のゲート絶縁体中に注入され、トランジスタTrb(トランジスタTra)の閾値電圧が変化する劣化を引き起こす場合がある。しかしながら、本発明の一態様では、メモリセルMCに記憶されるデータがデータ“1”(データ“0”)からデータ“0”(データ“1”)に切り替わる際、トランジスタTrb(トランジスタTra)のゲートに負の電位(−V)が印加されることになるため、マイナスの電荷を持つイオンや粒子がトランジスタTrb(トランジスタTra)のゲート絶縁体中から放出され、上述した劣化の修復を行うことができる。
データ“1”、データ“0”がメモリセルMCに記憶される確率が概ね等しいと考えると、表1より、トランジスタTra、トランジスタTrbには正と負のストレス(+GBSと−GBS)が均等に印加されることになる。そのため、トランジスタTra、トランジスタTrbの劣化をより効果的に抑制することができる。なお、メモリセルMCに記憶された特定のデータの保持期間が長くなると予想される場合は、データを記憶するメモリセルMCを意図的に変える動作などを行い、トランジスタTra、トランジスタTrbに印加される電圧ストレスを制御してもよい。このようにして、本発明の一態様では、良好な信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
なお、長期間のメモリセルMCのデータ保持を実現するためには、メモリセルMCを構成するトランジスタTra、トランジスタTrbのオフ電流(Vg−Id特性のVg=0VにおけるIdと換言してもよい。)をできるだけ小さくする必要がある。本発明の一態様に係るトランジスタTra及びトランジスタTrbでは、チャネル形成領域に金属酸化物を用いることによって、Siなどを用いる場合と比べて大幅にトランジスタのオフ電流を小さくすることができる。そのため、本発明の一態様に係る半導体装置では、極めて長期間のデータ保持が可能となる。また、長期間のデータ保持が可能となることで、メモリセルMCのリフレッシュ動作が不要となるか、リフレッシュ動作の頻度を極めて少なくすることができる。そのため、本発明の一態様では、極めて消費電力の小さい半導体装置を提供することができる。
以上のように、本発明の一態様に係るメモリセルアレイ10では、良好な信頼性と小さい消費電力の双方を実現することができる。
<メモリセルの変形例>
本発明の一態様に係るメモリセルMCの回路構成は、図2に示すものに限られない。図4に、本発明の一態様に係るメモリセルMCの他の構成例を示す。
図4(A)に示すメモリセルMCは、トランジスタTra及びトランジスタTrbが一対のゲートを有する点で、図2と異なる。なお、トランジスタが一対のゲートを有する場合、一方のゲートを第1のゲート、トップゲート、又は単にゲートと呼ぶことがあり、他方のゲートを第2のゲート、又はボトムゲートと呼ぶことがある。以下では、図4(A)に示すメモリセルMCを構成するトランジスタが有する一対のゲートのうち、図2のトランジスタが有するほうのゲートを単にゲートと呼び、有さないほうのゲートをボトムゲートと呼ぶ。
図4(A)に示すメモリセルMCでは、トランジスタTraのボトムゲートは該トランジスタのゲートと接続され、トランジスタTrbのボトムゲートは該トランジスタのゲートと接続されている。この場合、各トランジスタのゲートの電位とボトムゲートの電位が等しくなるため、図4(A)に示すトランジスタでは、チャネル形成領域にゲートとボトムゲートの双方から同じ電位が印加されることになる。そのため、図2に示すトランジスタよりも図4(A)に示すトランジスタのほうがチャネル形成領域におけるゲート及びボトムゲートによる電界制御性が向上する。これにより、図2に示すトランジスタよりも図4(A)に示すトランジスタのほうがソース及びドレイン間の電界よりもゲート及びボトムゲートの電界制御を高めやすくなり、トランジスタのスイッチング特性を向上させることができる。
例えば、図4(A)に示すメモリセルMCがデータ“1”書き込み(データ“0”書き込み)を行う場合、トランジスタTra(トランジスタTrb)のゲートとボトムゲートの双方に正の電位(+V)が印加される。上述したように、図2に示すメモリセルMCよりも、トランジスタTra(トランジスタTrb)のチャネル形成領域におけるゲート及びボトムゲートによる電界制御性が高いため、図2に示すメモリセルMCよりも確実にトランジスタTra(トランジスタTrb)を導通状態にすることができる。すなわち、ノードFNa(ノードFNb)に電位(+V)を供給することを、図2に示すメモリセルMCよりも確実に行うことができる。
また、例えば、図4(A)に示すメモリセルMCがデータ“1”保持(データ“0”保持)を行う場合、トランジスタTra(トランジスタTrb)のゲートとボトムゲートの双方に0Vの電位が印加される。上述したように、図2に示すメモリセルMCよりも、トランジスタTra(トランジスタTrb)のチャネル形成領域におけるゲート及びボトムゲートによる電界制御性が高いため、図2に示すメモリセルMCよりも確実にトランジスタTra(トランジスタTrb)を非導通状態にすることができる。すなわち、ノードFNa(ノードFNb)に供給された電位(+V)がトランジスタTra(トランジスタTrb)を介してリークするのを、図2に示すメモリセルMCよりも確実に防止することができる。これにより、図4(A)に示すメモリセルMCは、図2に示すメモリセルMCよりも長期間のデータ保持を実現することができる。
図4(B)に示すメモリセルMCでは、トランジスタTra、トランジスタTrbの各ボトムゲートが配線BGLと接続されている。配線BGLは、該ボトムゲートに所定の電位を供給する機能を有する配線である。配線BGLの電位を制御することにより、トランジスタTra、トランジスタTrbの閾値電圧の制御を、ゲートによる制御とは別に、ボトムゲートによって個別に行うことができる。すなわち、ボトムゲートの電位により、トランジスタTra、トランジスタTrbのゲートに対する閾値電圧を変化させ、制御することができる。
なお、トランジスタTraと接続された配線BGLと、トランジスタTrbと接続された配線BGLとを、それぞれ個別に設けることもできる。また、配線BGLは、メモリセルアレイ10が有する全てのメモリセルMCで共有されていてもよいし、一部のメモリセルMCで共有されていてもよい。それに加えて、配線BGLに供給される電位は、固定電位(単一の電位)であってもよいし、変動する電位(複数の電位)であってもよい。配線BGLに変動する電位を供給する場合、例えば、トランジスタTra、トランジスタTrbをオン状態にする期間とオフ状態にする期間とで、それぞれ配線BGLの電位を変えることにより、トランジスタTra、トランジスタTrbの閾値電圧を変化させてもよい。
以上、説明してきたように、本発明の一態様では、2つのトランジスタ(トランジスタTra、トランジスタTrb)と2つの容量素子(容量素子Ca、容量素子Cb)から構成されたメモリセルMCを有する半導体装置を提供することができる。そして、例えば、メモリセルMCを、データ“1”とデータ“0”のいずれかを保持できる2値のメモリセルとした場合、メモリセルMCと接続される各配線に適切なタイミングで所定の電位を与えることで、メモリセルの保持動作起因によるトランジスタTra及びトランジスタTrbの劣化を抑制することができる。これにより、本発明の一態様では、良好な信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
また、本発明の一態様では、メモリセルMCに金属酸化物を用いたトランジスタ(OSトランジスタ)を用いることにより、Siなどを用いる場合に比べて、トランジスタのオフ電流を大幅に小さくすることができる。これにより、本発明の一態様では、消費電力が小さい半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したメモリセルアレイ10を用いた記憶装置の構成例について説明する。
図5に、記憶装置100の構成例を示す。記憶装置100は、セルアレイ110、駆動回路部120を有する。
セルアレイ110は複数のメモリセルMCを有し、データを記憶する機能を有する。セルアレイ110として、上記実施の形態で説明したメモリセルアレイ10を用いることができる。
駆動回路部120は、駆動回路130、駆動回路140、制御回路160、出力回路170を有する。駆動回路130は、配線WL(配線WLa、配線WLb)の電位を制御する機能を有する。駆動回路140は、配線BL(配線BLa、配線BLb)の電位を制御する機能を有する。
駆動回路130は、デコーダ131、行ドライバ132、センスアンプ133を有する。
デコーダ131は、外部から入力されたアドレス信号ADDRをデコードして、行ドライバ132又はセンスアンプ133に制御信号を供給する機能を有する。
行ドライバ132は、所定の行のメモリセルMCと接続された配線WLa、配線WLbを選択する機能と、配線WLa、配線WLbにデータの書き込み又は読み出しを行うための電位を供給する機能を有する。配線WLa、配線WLbの選択は、デコーダ131から入力される制御信号に基づいて行われる。また、データの書き込みを行う際に、配線WLa、配線WLbに供給される電位は、外部から入力されるデータWDATAを用いて生成される。データWDATAは、セルアレイ110に書き込むデータに対応する。
センスアンプ133は、行ドライバ132で生成された電位を増幅して、配線WLa、配線WLbに供給する機能を有する。なお、行ドライバ132で生成された電位を増幅する必要がない場合は、センスアンプ133を省略することができる。
駆動回路140は、デコーダ141、列ドライバ142、センスアンプ143、プリチャージ回路144を有する。
デコーダ141は、外部から入力されたアドレス信号ADDRをデコードして、列ドライバ142又はセンスアンプ143に制御信号を供給する機能を有する。
列ドライバ142は、所定の列のメモリセルMCと接続された配線BLa、配線BLbを選択する機能と、配線BLa、配線BLbにデータの書き込み又は読み出しを行うための電位を供給する機能を有する。配線BLa、配線BLbの選択は、デコーダ141から入力される制御信号に基づいて行われる。また、データの書き込みを行う際に、配線BLa、配線BLbに供給される電位は、外部から入力されるデータWDATAを用いて生成される。
センスアンプ143は、列ドライバ142で生成された電位を増幅して、配線BLa、配線BLbに供給する機能を有する。また、センスアンプ143は、セルアレイ110に記憶されたデータに対応する電位を増幅して、出力回路170に出力する機能を有する。なお、列ドライバ142で生成された電位、及びセルアレイ110から出力された電位を増幅する必要がない場合は、センスアンプ143を省略することができる。
プリチャージ回路144は、配線BLa、配線BLbを所定の電位にプリチャージする機能と、配線BLa、配線BLbをフローティング状態にする機能を有する。
制御回路160は、駆動回路部120の動作全般を制御する機能を有するロジック回路であり、駆動回路130、駆動回路140の動作を制御するための信号を生成する機能を有する。具体的には、制御回路160は、外部から入力された信号を用いて論理演算を行うことにより、制御信号を生成し、当該制御信号を駆動回路130、駆動回路140に供給する機能を有する。制御回路160に入力される信号としては、例えば、チップイネーブル信号、書き込みイネーブル信号、読み出しイネーブル信号などが挙げられる。
出力回路170は、セルアレイ110から読み出されたデータの、外部への出力を制御する機能を有する。データの読み出し動作が行われると、セルアレイ110から読み出し電位が駆動回路140に供給される。読み出し電位は、センスアンプ143で増幅された後、出力回路170を介して、データRDATAとして外部に出力される。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明した半導体装置又は記憶装置の応用例について説明する。
<コンピュータ>
メモリセルアレイ10又は記憶装置100は、コンピュータの記憶装置に用いることができる。図6に、コンピュータ300の構成例を示す。コンピュータ300は、入力装置310、出力装置320、中央演算処理装置330、及び主記憶装置340を有する。
中央演算処理装置330は、制御回路331、演算回路332、記憶装置333及び記憶装置334を有する。
入力装置310は、コンピュータ300の外部からのデータを受信する機能を有する。出力装置320は、コンピュータ300の外部にデータを出力する機能を有する。
制御回路331は、入力装置310、出力装置320、主記憶装置340、演算回路332、記憶装置333及び記憶装置334に制御信号を出力する機能を有する。演算回路332は、入力されたデータを用いて演算を行う機能を有する。記憶装置333は、演算回路332における演算に用いられるデータを保持することができ、レジスタとしての機能を有する。記憶装置334は、主記憶装置340内のデータの一部を記憶することができ、キャッシュメモリとしての機能を有する。
なお、図6において、記憶装置334は中央演算処理装置330の内部に設けられているが、中央演算処理装置330の外に設けられていてもよいし、中央演算処理装置330の内部と外部の両方に設けられていてもよい。また、記憶装置334は、中央演算処理装置330の内部と外部の両方に、それぞれ複数設けられていてもよい。記憶装置334が中央演算処理装置330の内部と外部の両方に設けられている場合、内部に設けられた記憶装置334は一次キャッシュとして用いることができ、外部に設けられた記憶装置334は二次キャッシュとして用いることができる。
記憶装置333、記憶装置334は、主記憶装置340よりも高速な動作が可能である。また、主記憶装置340の容量は記憶装置334の容量よりも大きく、記憶装置334の容量は記憶装置333の容量よりも大きい構成とすることができる。
キャッシュメモリとしての機能を有する記憶装置334を設けることにより、中央演算処理装置330の処理速度を向上させることができる。
上記実施の形態におけるメモリセルアレイ10又は記憶装置100は、記憶装置334、又は主記憶装置340に用いることが好ましい。これにより、信頼性の高いコンピュータを実現することができる。
<表示システム>
メモリセルアレイ10又は記憶装置100は、コンピュータ以外の装置、例えば、表示装置の駆動に用いる回路に内蔵された記憶装置などにも用いることができる。図7に、表示部410と、表示部410を駆動する機能を有する制御回路420と、を有する表示システム400の構成例を示す。
制御回路420は、インターフェース421、フレームメモリ422、デコーダ423、センサコントローラ424、コントローラ425、クロック生成回路426、画像処理部430、記憶装置441、タイミングコントローラ442、レジスタ443、駆動回路450、タッチセンサコントローラ461を有する。
制御回路420は、所定の映像を表示するための信号(以下、映像信号ともいう。)を生成し、表示部410に出力する機能を有する。表示部410は、制御回路420から入力された映像信号を用いて、表示ユニット411に映像を表示する機能を有する。また、表示部410は、タッチの有無、タッチ位置などの情報を得る機能を有するタッチセンサユニット412を有していてもよい。表示部410がタッチセンサユニット412を有しない場合、タッチセンサコントローラ461は省略することができる。
表示ユニット411には、液晶素子を用いて表示を行う表示ユニットや、発光素子を用いて表示を行う表示ユニットなどを用いることができる。なお、表示部410に設けられる表示ユニット411は、1つであっても2つ以上であってもよい。図7には一例として、表示部410が、反射型の液晶素子を用いて表示を行う表示ユニット411aと、発光素子を用いて表示を行う表示ユニット411bを有する構成を示している。
また、表示ユニット411には、反射型の液晶素子以外の反射型の表示素子を用いることもできる。例えば、表示ユニット411には、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式等を適用した表示素子などを用いることができる。
また、発光素子としては、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いることができる。
駆動回路450は、ソースドライバ451を有する。ソースドライバ451は、表示ユニット411に映像信号を供給する機能を有する回路である。図7においては、表示部410が表示ユニット411a、表示ユニット411bを有するため、駆動回路450はソースドライバ451a、ソースドライバ451bを有する。ソースドライバ451aは、表示ユニット411aに映像信号を供給する機能を有し、ソースドライバ451bは、表示ユニット411bに映像信号を供給する機能を有する。なお、ソースドライバ451は、表示部410に設けられていてもよい。
制御回路420とホスト470との通信は、インターフェース421を介して行われる。ホスト470から制御回路420には、表示部410に表示する画像に対応するデータ(以下、画像データともいう。)、各種制御信号などが送られる。また、制御回路420からホスト470には、タッチセンサコントローラ461が取得したタッチの有無、タッチ位置などの情報が送られる。なお、制御回路420が有するそれぞれの回路は、ホスト470の規格、表示部410の仕様等によって、適宜取捨される。
フレームメモリ422は、制御回路420に入力された画像データを記憶する機能を有する記憶回路である。ホスト470から制御回路420に圧縮された画像データが送られる場合、フレームメモリ422は、圧縮された画像データを格納することができる。デコーダ423は、圧縮された画像データを伸長するための回路である。画像データを伸長する必要がない場合、デコーダ423は処理を行わない。なお、デコーダ423は、フレームメモリ422とインターフェース421との間に配置することもできる。
画像処理部430は、フレームメモリ422又はデコーダ423から入力された画像データに対して、各種の画像処理を行い、映像信号を生成する機能を有する。例えば、画像処理部430は、ガンマ補正回路431、調光回路432、調色回路433を有する。
また、ソースドライバ451bが、表示ユニット411bが有する発光素子に流れる電流を検出する機能を有する回路(電流検出回路)を有する場合、画像処理部430にはEL補正回路434を設けてもよい。EL補正回路434は、電流検出回路から送信される信号に基づいて、発光素子の輝度を調節する機能を有する。
画像処理部430で生成された映像信号は、記憶装置441を経て、駆動回路450に出力される。記憶装置441は、画像データを一時的に格納する機能を有する。ソースドライバ451a、ソースドライバ451bはそれぞれ、記憶装置441から入力された映像信号に対して各種の処理を行い、表示ユニット411a、表示ユニット411bに出力する機能を有する。
タイミングコントローラ442は、駆動回路450、タッチセンサコントローラ461、表示ユニット411が有するゲートドライバで用いられるタイミング信号などを生成する機能を有する。
タッチセンサコントローラ461は、タッチセンサユニット412の動作を制御する機能を有する。タッチセンサユニット412で検出されたタッチ情報を含む信号は、タッチセンサコントローラ461で処理された後、インターフェース421を介してホスト470に送信される。ホスト470は、タッチ情報を反映した画像データを生成し、制御回路420に送信する。なお、制御回路420が画像データにタッチ情報を反映させる機能を有していてもよい。また、タッチセンサコントローラ461は、タッチセンサユニット412に設けられていてもよい。
クロック生成回路426は、制御回路420で使用されるクロック信号を生成する機能を有する。コントローラ425は、インターフェース421を介してホスト470から送られる各種制御信号を処理し、制御回路420内の各種回路を制御する機能を有する。また、コントローラ425は、制御回路420内の各種回路への電源供給を制御する機能を有する。例えばコントローラ425は、停止状態の回路への電源供給を一時的に遮断することができる。
レジスタ443は、制御回路420の動作に用いられるデータを格納する機能を有する。レジスタ443が格納するデータとしては、画像処理部430が補正処理を行うために使用するパラメータ、タイミングコントローラ442が各種タイミング信号の波形生成に用いるパラメータなどが挙げられる。レジスタ443は、複数のレジスタで構成されるスキャンチェーンレジスタによって構成することができる。
また、制御回路420には、光センサ480と接続されたセンサコントローラ424を設けることができる。光センサ480は、外光481を検知して、検知信号を生成する機能を有する。センサコントローラ424は、該検知信号に基づいて制御信号を生成する機能を有する。センサコントローラ424で生成された制御信号は、例えば、コントローラ425に出力される。
表示ユニット411aと表示ユニット411bが同じ映像を表示する場合、画像処理部430は、表示ユニット411aの映像信号と表示ユニット411bの映像信号とを分けて生成する機能を有する。この場合、光センサ480及びセンサコントローラ424を用いて測定した外光481の明るさに応じて、表示ユニット411aが有する反射型の液晶素子の反射強度と、表示ユニット411bが有する発光素子の発光強度とを調整することができる。ここでは、当該調整を調光、あるいは調光処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調光回路と呼ぶ。
例えば、晴れの日の日中に外で表示部410に映像を表示する場合は、発光素子を光らせずに反射型の液晶素子のみで表示を行い、夜間や暗所で表示部410に映像を表示する場合は、発光素子を光らせて表示を行うことができる。
また、画像処理部430は、外光の明るさに応じて、表示ユニット411aのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット411bのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット411aと表示ユニット411bを組み合わせて表示を行うための映像信号のいずれかを選択して生成することができる。これにより、外光の明るい環境においても、外光の暗い環境においても、良好な表示を行うことができる。さらに、外光の明るい環境においては、発光素子を光らせない、又は発光素子の輝度を低くすることで、消費電力を低減することができる。
また、反射型の液晶素子の表示に、発光素子の表示を組み合わせることで、色調を補正することができる。このような色調補正のためには、光センサ480及びセンサコントローラ424に、外光481の色調を測定する機能を追加すればよい。例えば、夕暮れ時の赤みがかった環境において表示部410に映像を表示する場合、反射型の液晶素子による表示のみではB(青)成分が足りないため、発光素子を発光させることで、色調を補正することができる。ここでは、当該補正を調色、あるいは調色処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調色回路と呼ぶ。
画像処理部430は、表示部410の仕様によって、RGB−RGBW変換回路など、他の処理回路を有していてもよい。RGB−RGBW変換回路とは、RGB(赤、緑、青)画像データを、RGBW(赤、緑、青、白)画像信号に変換する機能をもつ回路である。すなわち、表示部410がRGBW4色の画素を有する場合、画像データ内のW(白)成分を、W(白)画素を用いて表示することで、消費電力を低減することができる。なお、RGB−RGBW変換回路はこれに限らず、例えば、RGB−RGBY(赤、緑、青、黄)変換回路などでもよい。
また、表示ユニット411aと表示ユニット411bには、互いに異なる映像を表示させることもできる。反射型の液晶素子は、発光素子と比較して動作速度が遅く、映像を表示させるまでに時間を要する場合がある。そのため、例えば反射型の液晶素子に背景となる静止画を表示させ、発光素子に動画を表示させることで、前記問題を解決することができる。また、このとき、反射型の液晶素子に表示させる映像の書き換え頻度を減らし、映像の書き換えが行われない期間において、ソースドライバ451aや、表示ユニット411aが有するゲートドライバの動作を停止させることができる。これにより、なめらかな動画表示と低消費電力とを両立させることができる。この場合、フレームメモリ422には、反射型の液晶素子に供給する映像信号を記憶する領域と、発光素子に供給する映像信号を記憶する領域とが設けられる。
図7におけるフレームメモリ422又は記憶装置441には、上記実施の形態で説明したメモリセルアレイ10、又は記憶装置100を用いることができる。これにより、信頼性が高い制御回路、又は表示システムを実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で説明した表示システムに用いることができる表示装置の構成例について説明する。以下に説明する表示装置は、図7における表示部410に用いることができる。ここでは特に、反射型の液晶素子と発光素子を用いて表示を行うことが可能な表示装置について説明する。
図8(A)は、表示装置500の構成の一例を示すブロック図である。表示装置500は、画素部501にマトリクス状に配列した複数の画素ユニット502を有する。また、表示装置500は、駆動回路503a、駆動回路503bと、駆動回路504a、駆動回路504bを有する。また、表示装置500は、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503aと接続された複数の配線GLaと、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503bと接続された複数の配線GLbを有する。また、表示装置500は、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504aと接続された複数の配線SLaと、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504bと接続された複数の配線SLbを有する。
駆動回路504a、駆動回路504bはそれぞれ、図7におけるソースドライバ451a、ソースドライバ451bに対応する。すなわち、表示装置500は、図7におけるソースドライバ451a、ソースドライバ451bが表示部410に設けられた構成に対応する。ただし、駆動回路504a、駆動回路504bは図7における制御回路420に設けられていてもよい。
画素ユニット502は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素ユニット502において、該液晶素子と該発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図8(B1)は、画素ユニット502が有する導電層530bの構成例を示す。導電層530bは、画素ユニット502における液晶素子の反射電極として機能する。また導電層530bには、開口540が設けられている。
図8(B1)には、導電層530bと重なる領域に位置する発光素子520を破線で示している。発光素子520は、導電層530bが有する開口540と重ねて配置されている。これにより、発光素子520が発する光は、開口540を介して表示面側に射出される。
図8(B1)では、方向Rに隣接する画素ユニット502が異なる色に対応する画素である。このとき、図8(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口540が一列に配列されないように、導電層530bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子520を離すことが可能で、発光素子520が発する光が隣接する画素ユニット502が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう。)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子520を離して配置することができるため、発光素子520のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図8(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子520を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する導電層530bに設ける開口540の面積が小さすぎると、発光素子520が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口540の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形又は十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口540を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口540を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
<回路の構成例>
図9は、画素ユニット502の構成例を示す回路図である。図9では、隣接する2つの画素ユニット502を示している。画素ユニット502はそれぞれ、画素505aと画素505bを有する。
画素505aは、スイッチSW1、容量素子C10、液晶素子510を有し、画素505bは、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C20、及び発光素子520を有する。また、画素505aは、配線SLa、配線GLa、配線CSCOMと接続されており、画素505bは、配線GLb、配線SLb、配線ANOと接続されている。なお、図9では、液晶素子510と接続された配線VCOM1、及び発光素子520と接続された配線VCOM2を示している。また、図9では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1のゲートは配線GLaと接続され、ソース又はドレインの一方は配線SLaと接続され、ソース又はドレインの他方は容量素子C10の一方の電極、及び液晶素子510の一方の電極と接続されている。容量素子C10の他方の電極は、配線CSCOMと接続されている。液晶素子510の他方の電極は、配線VCOM1と接続されている。
スイッチSW2のゲートは配線GLbと接続され、ソース又はドレインの一方は配線SLbと接続され、ソース又はドレインの他方は容量素子C20の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C20の他方の電極はトランジスタMのソース又はドレインの一方、配線ANOと接続されている。トランジスタMのソース又はドレインの他方は発光素子520の一方の電極と接続されている。発光素子520の他方の電極は配線VCOM2と接続されている。
図9では、トランジスタMが一対のゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線VCOM1及び配線CSCOMには、それぞれ所定の電位を供給することができる。また、配線VCOM2及び配線ANOにはそれぞれ、発光素子520を発光させることが可能となる電位差を生じさせるための電位を供給することができる。
図9に示す画素ユニット502は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線GLa及び配線SLaに供給される信号によって画素505aを駆動することにより、液晶素子510による光学変調を利用して映像を表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線GLb及び配線SLbに供給される信号によって画素505bを駆動することにより、発光素子520を発光させて映像を表示することができる。また両方のモードで駆動する場合には、配線GLa、配線GLb、配線SLa及び配線SLbのそれぞれに供給される信号により、画素505a及び画素505bを駆動することができる。
なお、図9では一つの画素ユニット502に、一つの液晶素子510と一つの発光素子520とを有する例を示したが、これに限られない。例えば、図10(A)に示すように、画素505bが複数の副画素506b(副画素506br、副画素506bg、副画素506bb、副画素506bw)を有していてもよい。副画素506br、副画素506bg、副画素506bb、副画素506bwはそれぞれ、発光素子520r、発光素子520g、発光素子520b、発光素子520wを有する。図10(A)に示す画素ユニット502は、図9とは異なり、1つの画素ユニットでフルカラーの表示が可能な画素である。
図10(A)では、画素505bに配線GLba、配線GLbb、配線SLba、配線SLbb、配線ANOが接続されている。
図10(A)に示す例では、例えば4つの発光素子520として、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子510として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図10(B)には、画素ユニット502の構成例を示している。画素ユニット502は、導電層530が有する開口部と重なる発光素子520wと、導電層530の周囲に配置された発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bとを有する。発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
<表示装置の構成例>
図11は、本発明の一態様の表示装置500の斜視概略図である。表示装置500は、基板551と基板561とが貼り合わされた構成を有する。図11では、基板561を破線で示している。
表示装置500は、表示領域562、回路564、配線565等を有する。基板551には、例えば回路564、配線565、及び画素電極として機能する導電層530b等が設けられる。また、図11では基板551上にIC573とFPC572が実装されている例を示している。そのため、図11に示す構成は、表示装置500とFPC572及びIC573を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路564は、例えば駆動回路504として機能する回路を用いることができる。
配線565は、表示領域562や回路564に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC572を介して外部、又はIC573から配線565に入力される。
また、図11では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板551にIC573が設けられている例を示している。IC573は、例えば駆動回路503、又は駆動回路504などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示装置500が駆動回路503及び駆動回路504として機能する回路を備える場合や、駆動回路503や駆動回路504として機能する回路を外部に設け、FPC572を介して表示装置500を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC573を設けない構成としてもよい。また、IC573を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC572に実装してもよい。
図11には、表示領域562の一部の拡大図を示している。表示領域562には、複数の表示素子が有する導電層530bがマトリクス状に配置されている。導電層530bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子510の反射電極として機能する。
また、図11に示すように、導電層530bは開口を有する。さらに導電層530bよりも基板551側に、発光素子520を有する。発光素子520からの光は、導電層530bの開口を介して基板561側に射出される。
図12に、図11で例示した表示装置の、FPC572を含む領域の一部、回路564を含む領域の一部、及び表示領域562を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示装置500は、基板551と基板561の間に、絶縁層720を有する。また基板551と絶縁層720の間に、発光素子520、トランジスタ701、トランジスタ705、トランジスタ706、着色層634等を有する。また絶縁層720と基板561の間に、液晶素子510、着色層631等を有する。また基板561と絶縁層720は接着層641を介して接着され、基板551と絶縁層720は接着層642を介して接着されている。
トランジスタ706は、液晶素子510と接続され、トランジスタ705は、発光素子520と接続されている。トランジスタ705とトランジスタ706は、いずれも絶縁層720の基板551側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板561には、着色層631、遮光層632、絶縁層621、及び液晶素子510の共通電極として機能する導電層613、配向膜633b、絶縁層617等が設けられている。絶縁層617は、液晶素子510のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層720の基板551側には、絶縁層711、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714、絶縁層715、絶縁層716等の絶縁層が設けられている。絶縁層711は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁体として機能する。絶縁層712、絶縁層713、及び絶縁層714は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層714を覆って絶縁層716が設けられている。絶縁層714及び絶縁層716は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、又は2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層714は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ701、トランジスタ705、及びトランジスタ706は、一部がゲートとして機能する導電層721、一部がソース又はドレインとして機能する導電層722、半導体層731を有する。ここでは、同一の膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子510は反射型の液晶素子である。液晶素子510は、導電層530a、液晶612、導電層613が積層された構造を有する。また導電層530aの基板551側に接して、可視光を反射する導電層530bが設けられている。導電層530bは開口540を有する。また導電層530a及び導電層613は可視光を透過する材料を含む。また液晶612と導電層530aの間に配向膜633aが設けられ、液晶612と導電層613の間に配向膜633bが設けられている。また、基板561の外側の面には、偏光板630を有する。
液晶素子510において、導電層530bは可視光を反射する機能を有し、導電層613は可視光を透過する機能を有する。基板561側から入射した光は、偏光板630により偏光され、導電層613、液晶612を透過し、導電層530bで反射する。そして液晶612及び導電層613を再度透過して、偏光板630に達する。このとき、導電層530bと導電層613の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板630を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層631によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子520は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子520は、絶縁層720側から導電層691、EL層692、及び導電層693bの順に積層された構造を有する。また導電層693bを覆って導電層693aが設けられている。導電層693bは可視光を反射する材料を含み、導電層691及び導電層693aは可視光を透過する材料を含む。発光素子520が発する光は、着色層634、絶縁層720、開口540、導電層613等を介して、基板561側に射出される。
ここで、図12に示すように、開口540には可視光を透過する導電層530aが設けられていることが好ましい。これにより、開口540と重なる領域においても、それ以外の領域と同様に液晶612が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
ここで、基板561の外側の面に配置する偏光板630として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子510に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
また、導電層691の端部を覆う絶縁層716上には、絶縁層717が設けられている。絶縁層717は、絶縁層720と基板551が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。また、EL層692や導電層693aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制するためのマスクギャッパとしての機能を有していてもよい。なお、絶縁層717は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ705のソース又はドレインの一方は、導電層724を介して発光素子520の導電層691と接続されている。
トランジスタ706のソース又はドレインの一方は、接続部707を介して導電層530bと接続されている。導電層530bと導電層530aは互いに接して設けられ、これらは接続されている。ここで、接続部707は、絶縁層720に設けられた開口を介して、絶縁層720の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板551の基板561と重ならない領域には、接続部704が設けられている。接続部704は、接続層742を介してFPC572と接続されている。接続部704は接続部707と同様の構成を有している。接続部704の上面は、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部704とFPC572とを接続層742を介して接続することができる。
接着層641が設けられる一部の領域には、接続部752が設けられている。接続部752において、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層613の一部が、接続体743により接続されている。したがって、基板561側に形成された導電層613に、基板551側に接続されたFPC572から入力される信号又は電位を、接続部752を介して供給することができる。
接続体743としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂又はシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると、接触抵抗を低減できるため好ましい。また、ニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また、接続体743として、弾性変形、又は塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき、導電性の粒子である接続体743は、図12に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体743と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体743は、接着層641に覆われるように配置することが好ましい。例えば、接着層641となるペースト等を塗布した後に、接続体743を散布すればよい。
図12では、回路564として、トランジスタ701が設けられている例を示している。
図12では、トランジスタ701及びトランジスタ705の例として、チャネルが形成される半導体層731を一対のゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層721により、他方のゲートは絶縁層712を介して半導体層731と重なる導電層723により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を確実に制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは、他のトランジスタと比較してオン電流を増大させることが可能であり、電界効果移動度を高めることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、又は高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路564が有するトランジスタと、表示領域562が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また、回路564が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示領域562が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層712、絶縁層713のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層712又は絶縁層713はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
基板561側において、着色層631、遮光層632を覆って絶縁層621が設けられている。絶縁層621は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層621により、導電層613の表面を略平坦にできるため、液晶612の配向状態を均一にできる。
表示装置500を作製する方法の一例について説明する。例えば、剥離層を有する支持基板上に、導電層530a、導電層530b、絶縁層720を順に形成し、その後、トランジスタ705、トランジスタ706、発光素子520等を形成した後、接着層642を用いて基板551と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁層720、及び剥離層と導電層530aのそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層631、遮光層632、導電層613等をあらかじめ形成した基板561を準備する。そして基板551又は基板561に液晶612を滴下し、接着層641により基板551と基板561を貼り合せることで、表示装置500を作製することができる。
剥離層としては、絶縁層720及び導電層530aとの界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層720として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示装置を実現できる。
導電層530aとしては、金属酸化物や金属窒化物などを用いることが好ましい。金属酸化物を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層530aに用いればよい。
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
[基板]
表示装置が有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイア、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示装置の軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示装置を実現できる。
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記に挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属基板は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示装置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属、又はアルミニウム合金、若しくはステンレス等の合金などを好適に用いることができる。
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理が施された基板を用いてもよい。例えば、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて絶縁膜を形成してもよいし、酸素雰囲気で放置する又は加熱するほか、陽極酸化法などによって、基板の表面に酸化膜を形成してもよい。
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、該基板を用いた表示装置も軽量にすることができる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物又は無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率又はヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、又は炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布又は不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ、樹脂を硬化させた構造物を、可撓性を有する基板として用いてもよい。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
又は、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。又は、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
可撓性を有する基板に、表示装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウムなど。)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂など。)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制するために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が積層されていてもよい。例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機絶縁性材料を用いることができる。
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い表示装置とすることができる。
[トランジスタ]
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、ゲート絶縁体として機能する絶縁層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、を有する。上記では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルが形成される半導体層の上下にゲート電極が設けられていてもよい。
[半導体層]
トランジスタの半導体層に用いる材料の結晶性については特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタの半導体層には、例えば、第14族の元素(シリコン、ゲルマニウム等)、又は金属酸化物などの材料を用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む金属酸化物などを適用できる。
特に、シリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが大きく、かつキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
シリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間にわたって保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層は、例えば、少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該半導体層を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、又はジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する金属酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、半導体層と導電層は、上記酸化物のうち同一の金属元素を有していてもよい。同一の金属元素を有する半導体層と導電層とすることで、製造コストを低減させることができる。例えば、半導体層と導電層の成膜時に、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで、製造コストを低減させることができる。また、半導体層と導電層を加工する際のエッチングガス又はエッチング液を共通して用いることができる。ただし、半導体層と導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
半導体層を構成する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
半導体層を構成する金属酸化物がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、4:2:4.1等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層には、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上のキャリア密度の金属酸化物を用いることができる。このような半導体層は、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定なトランジスタの電気特性を提供する。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの電気特性(電界効果移動度、閾値電圧等)に応じて、適切な組成の半導体層を用いればよい。また、必要とするトランジスタの電気特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう場合がある。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とすることが好ましい。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、該金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にすることが好ましい。
また、半導体層を構成する金属酸化物に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、半導体層における二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば、非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、多結晶構造、微結晶構造、又は非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高い。
非晶質構造の金属酸化物は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。又は、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、又は積層構造を有する場合がある。
又は、トランジスタのチャネルが形成される半導体層に、シリコンを用いることが好ましい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に、結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、かつアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで、画素の開口率を向上させることができる。また、極めて高精細な表示部とする場合であっても、駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を削減することができる。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるという点で好ましい。また、半導体層にアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線、電極、基板などに耐熱性の低い材料を用いることが可能となり、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを用いることができる。一方、トップゲート構造のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすく、電気特性のばらつきなどを低減することができるという点で好ましい。特に、半導体層に多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に、トップゲート構造のトランジスタは適している。
[導電層]
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金などが挙げられる。また、これらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(又はそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
[絶縁層]
各絶縁層に用いることのできる絶縁性材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁性材料を用いることもできる。
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m・day)]以下とする。
[液晶素子]
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む。)によって制御される。なお、液晶素子には、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等の液晶を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を有する。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また、配向膜を設けなくてもよいので、ラビング処理が不要となり、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、又は半透過型の液晶素子などを用いることができる。本発明の一態様では、特に、反射型の液晶素子を用いることが好ましい。
透過型又は半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また、偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LED(Light Emitting Diode)を備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。また、これとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
また、反射型、又は半透過型の液晶素子を用いる場合、偏光板よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
[発光素子]
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、LED、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。本発明の一態様では、特にボトムエミッション型の発光素子を用いることが好ましい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む。)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより、白色発光を得ることができる。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、又はR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の波長(例えば、350nm以上750nm以下)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層又は燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト材料)を含み、かついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、チタン、ニッケル、又はネオジムと、アルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)を用いてもよい。また銅、パラジウム、マグネシウムと、銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム膜又はアルミニウム合金膜に接して金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、酸化を抑制することができる。このような金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタンや酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とインジウム錫酸化物の積層膜、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
なお、上述した、発光層、及び正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、及び電子注入性の高い物質、バイポーラ性の物質等を含む層は、それぞれ量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。また、12族と16族、13族と15族、又は14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。又は、カドミウム、セレン、亜鉛、硫黄、リン、インジウム、テルル、鉛、ガリウム、ヒ素、アルミニウム等の元素を含む量子ドット材料を用いてもよい。
[接着層]
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。又は、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
[接続層]
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
[着色層]
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
[遮光層]
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか、工程を簡略化できるため好ましい。
以上が、各構成要素についての説明である。
[作製方法例]
次に、可撓性を有する基板を用いた表示装置の作製方法の例について説明する。
ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。
可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には、以下に挙げる2つの方法がある。一つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう一つは、基板とは異なる支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支持基材を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで、可撓性を持たせる方法もある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、又は剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基材や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。
例えば、剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
素子層と支持基材とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、又は剥離界面に液体を浸透させることなどが、一例として挙げられる。又は、剥離界面を形成する2層の熱膨張の違いを利用し、加熱又は冷却することにより剥離を行ってもよい。
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、又は鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、又は貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
又は、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば、発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。
なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。
以上が、可撓性を有する基板を用いた表示装置の作製方法の例についての説明である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態において用いることができるOSトランジスタの構成例について説明する。
<トランジスタの構成例>
図13(A)は、トランジスタの構成例を示す上面図である。図13(B)は、図13(A)のX1−X2線断面図であり、図13(C)はY1−Y2線断面図である。ここでは、X1−X2線の方向をチャネル長方向、Y1−Y2線方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。図13(B)は、トランジスタのチャネル長方向の断面構造を示す図であり、図13(C)は、トランジスタのチャネル幅方向の断面構造を示す図である。なお、デバイス構造を明確にするため、図13(A)では、一部の構成要素が省略されている。
本発明の一態様に係る半導体装置は、絶縁層812乃至絶縁層820、金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824、導電層850乃至導電層853を有する。トランジスタ801は絶縁表面に形成される。図13では、トランジスタ801が絶縁層811上に形成される場合を例示している。トランジスタ801は絶縁層818及び絶縁層819で覆われている。
なお、トランジスタ801を構成している絶縁層、金属酸化物膜、導電層等は、単層であっても、複数の膜が積層されたものであってもよい。これらの作製には、スパッタリング法、電子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーション法(PLD法)、CVD法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用いることができる。なお、CVD法には、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD法などがある。
トランジスタ801において、導電層850(導電層850a、導電層850b)は、ゲート電極として機能する領域を有する。導電層851、導電層852は、ソース電極又はドレイン電極として機能する領域を有する。導電層853(導電層853a、導電層853b)は、ボトムゲート電極として機能する領域を有する。絶縁層817は、ゲート電極側のゲート絶縁体として機能する領域を有し、絶縁層814乃至絶縁層816の積層で構成される絶縁層は、ボトムゲート電極側のゲート絶縁体として機能する領域を有する。絶縁層818は層間絶縁層としての機能を有する。絶縁層819はバリア層としての機能を有する。
金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824をまとめて酸化物層830と呼ぶ。図13(B)、図13(C)に示すように、酸化物層830は、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824が順に積層されている領域を有する。また、一対の金属酸化物膜823は、それぞれ導電層851、導電層852上に位置する。トランジスタ801がオン状態のとき、チャネル領域は酸化物層830のうち、主に金属酸化物膜822に形成される。
金属酸化物膜824は、金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜823、導電層851、導電層852を覆っている。絶縁層817は金属酸化物膜824と導電層850との間に位置する。導電層851、導電層852はそれぞれ、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824、絶縁層817を介して、導電層850と重なる領域を有する。
導電層851及び導電層852は、金属酸化物膜821及び金属酸化物膜822を形成するためのハードマスクから作製されている。そのため、導電層851及び導電層852は、金属酸化物膜821及び金属酸化物膜822の側面に接する領域を有していない。例えば、次のような工程を経て、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、導電層851、導電層852を作製することができる。まず、積層された2層の金属酸化物膜上に導電膜を形成する。この導電膜を所望の形状に加工(エッチング)して、ハードマスクを形成する。該ハードマスクを用いて、2層の金属酸化物膜の形状を加工し、積層された金属酸化物膜821及び金属酸化物膜822を形成する。次に、ハードマスクを所望の形状に加工して、導電層851及び導電層852を形成する。
絶縁層811乃至絶縁層818に用いられる絶縁性材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどがある。絶縁層811乃至絶縁層818はこれらの絶縁性材料でなる単層、又は積層によって構成される。絶縁層811乃至絶縁層818を構成する層は、複数の絶縁性材料を含んでいてもよい。
酸化物層830の酸素欠損の増加を抑制するため、絶縁層816乃至絶縁層818は、酸素を含む絶縁層であることが好ましい。絶縁層816乃至絶縁層818は、加熱により酸素が放出される絶縁膜(以下、「過剰酸素を含む絶縁膜」ともいう。)で形成されることがより好ましい。過剰酸素を含む絶縁膜から酸化物層830に酸素を供給することで、酸化物層830の酸素欠損を補償することができる。これにより、トランジスタ801の電気特性及び信頼性を向上させることができる。
過剰酸素を含む絶縁膜とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)において、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、又は100℃以上500℃以下の範囲における酸素分子の放出量が1×1014molecules/cm以上である膜とする。酸素分子の放出量は、1×1015molecules/cm以上であることがより好ましい。
過剰酸素を含む絶縁膜は、絶縁膜に酸素を添加する処理を行って形成することができる。酸素を添加する処理は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、又はプラズマ処理などを用いて行うことができる。酸素を添加するためのガスとしては、16又は18などの酸素ガス、亜酸化窒素ガス又はオゾンガスなどを用いることができる。
酸化物層830の水素濃度の増加を防ぐために、絶縁層812乃至絶縁層819中の水素濃度を低減することが好ましい。特に絶縁層813乃至絶縁層818中の水素濃度を低減することが好ましい。具体的には、水素濃度は、2×1020atoms/cm以下であり、好ましくは5×1019atoms/cm以下であり、1×1019atoms/cm以下がより好ましく、5×1018atoms/cm以下がさらに好ましい。
酸化物層830の窒素濃度の増加を防ぐために、絶縁層813乃至絶縁層818中の窒素濃度を低減することが好ましい。具体的には、窒素濃度は、5×1019atoms/cm未満であり、好ましくは5×1018atoms/cm以下であり、1×1018atoms/cm以下がより好ましく、5×1017atoms/cm以下がさらに好ましい。
上掲の水素濃度、窒素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定された値である。
トランジスタ801において、酸素及び水素に対してバリア性をもつ絶縁層(以下、バリア層ともいう。)によって酸化物層830が包み込まれる構造であることが好ましい。このような構造であることで、酸化物層830から酸素が放出されること、酸化物層830に水素が侵入することを抑えることができる。これにより、トランジスタ801の電気特性及び信頼性を向上させることができる。
例えば、絶縁層819をバリア層として機能させ、かつ絶縁層811、絶縁層812、絶縁層814の少なくとも1つをバリア層として機能させればよい。バリア層は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの材料で形成することができる。
絶縁層811乃至絶縁層819の構成例を記す。この例では、絶縁層811、絶縁層812、絶縁層815、絶縁層819は、それぞれ、バリア層として機能する。絶縁層816乃至絶縁層818は過剰酸素を含む酸化物層である。絶縁層811は窒化シリコンであり、絶縁層812は酸化アルミニウムであり、絶縁層813は酸化窒化シリコンである。ボトムゲート電極側のゲート絶縁体としての機能を有する絶縁層814乃至絶縁層816は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化シリコンの積層である。ゲート(トップゲート)側のゲート絶縁体としての機能を有する絶縁層817は、酸化窒化シリコンである。層間絶縁層としての機能を有する絶縁層818は、酸化シリコンである。絶縁層819は酸化アルミニウムである。
導電層850乃至導電層853に用いられる導電性材料には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、又は上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タングステン)等がある。例えば、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができる。
導電層850乃至導電層853の構成例を記す。導電層850は窒化タンタル単層、又はタングステン単層である。あるいは、導電層850は窒化タンタル及びタングステンからなる積層である。導電層851は、窒化タンタル単層、又は窒化タンタルとタングステンとの積層である。導電層852の構成は導電層851と同じである。導電層853は窒化タンタル及びタングステンからなる積層である。
トランジスタ801のオフ電流の低減のために、金属酸化物膜822は、例えば、バンドギャップが大きいことが好ましい。金属酸化物膜822のバンドギャップは、2.5eV以上4.2eV以下であり、2.8eV以上3.8eV以下が好ましく、3.0eV以上3.5eV以下がさらに好ましい。
酸化物層830は、結晶性を有することが好ましい。少なくとも、金属酸化物膜822は結晶性を有することが好ましい。上記構成により、電気特性及び信頼性の良いトランジスタ801を実現できる。
金属酸化物膜822に適用できる酸化物は、例えば、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ga、Y、又はSn)である。金属酸化物膜822は、Inを含む酸化物膜に限定されない。金属酸化物膜822は、例えば、Zn−Sn酸化物、Ga−Sn酸化物、Zn−Mg酸化物等で形成することができる。金属酸化物膜821、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824も、金属酸化物膜822と同様の酸化物で形成することができる。特に、金属酸化物膜821、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824は、それぞれ、Ga酸化物で形成することができる。
トランジスタ801は、金属酸化物膜822中だけでなく、金属酸化物膜822と金属酸化物膜821との界面近傍にもチャネル領域を形成できる。そのため、例えば、該界面に界面準位が形成されると、トランジスタ801の閾値電圧が変動してしまうことがある。そのため、金属酸化物膜821は、構成要素として、金属酸化物膜822を構成する金属元素の少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、金属酸化物膜822と金属酸化物膜821との界面には、界面準位が形成されにくくなり、トランジスタ801において閾値電圧等の電気特性がばらつくのを低減することができる。
金属酸化物膜824は、構成要素として、金属酸化物膜822を構成する金属元素の少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、金属酸化物膜822と金属酸化物膜824との界面では、キャリアの界面散乱が起こりにくくなり、キャリアの動きが阻害されにくくなるので、トランジスタ801の電界効果移動度を高くすることができる。
金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824のうち、金属酸化物膜822のキャリア移動度が最も高いことが好ましい。これにより、絶縁層816(トランジスタ801のボトムゲート電極側のゲート絶縁体)、絶縁層817(トランジスタ801のゲート電極側のゲート絶縁体)から離間している金属酸化物膜822にチャネル領域を形成することができる。
例えば、In−M−Zn酸化物等のIn含有金属酸化物は、Inの含有率を高めることで、キャリア移動度を高めることができる。In−M−Zn酸化物では、主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を高くすることにより、より多くのs軌道が重なるため、インジウムの含有率が高い酸化物はInの含有率が低い酸化物と比較してキャリア移動度が高くなる。そのため、金属酸化物膜にInの含有率が高い酸化物を用いることで、キャリア移動度を高めることができる。
そのため、例えば、In−Ga−Zn酸化物で金属酸化物膜822を形成し、Ga酸化物で金属酸化物膜821、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824を形成する。例えば、In−M−Zn酸化物で、金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824を形成する場合、金属酸化物膜822のInの含有率を、金属酸化物膜821、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824のそれぞれのInの含有率よりも高くする。In−M−Zn酸化物をスパッタリング法で形成する場合、ターゲットの原子数比を変えることで、In含有率を変化させることができる。
例えば、金属酸化物膜822の成膜に用いるターゲットの原子数比In:M:Znは、1:1:1、3:1:2、又は4:2:4.1が好ましい。例えば、金属酸化物膜821、金属酸化物膜823、金属酸化物膜824の成膜に用いるターゲットの原子数比In:M:Znは、1:3:2、又は1:3:4が好ましい。In:M:Zn=4:2:4.1のターゲットで成膜したIn−M−Zn酸化物の原子数比は、およそIn:M:Zn=4:2:3である。
トランジスタ801に安定した電気特性を付与するには、酸化物層830の不純物濃度を低減することが好ましい。金属酸化物において、水素、窒素、炭素、シリコン、及び主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素及び窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコン及び炭素は金属酸化物中で不純物準位の形成に寄与する。不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。
例えば、酸化物層830は、シリコン濃度が2×1018atoms/cm以下、好ましくは、2×1017atoms/cm以下の領域を有する。酸化物層830の炭素濃度も同様である。
例えば、酸化物層830は、アルカリ金属濃度が1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下の領域を有する。酸化物層830のアルカリ土類金属濃度についても同様である。
例えば、酸化物層830は、窒素濃度が5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下の領域を有する。
例えば、酸化物層830は、水素濃度が1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満の領域を有する。
上掲した酸化物層830の不純物濃度は、SIMSにより得られる値である。
金属酸化物膜822が酸素欠損を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。その結果、トランジスタ801のオン電流を低下させる要因となる場合がある。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入るほうが安定する。したがって、金属酸化物膜822中に酸素を供給して膜中の酸素欠損を低減することで、トランジスタ801のオン電流を大きくすることができる場合がある。また、金属酸化物膜822中の水素を低減し、膜中の酸素欠損のサイトに水素が入り込まないようにすることも、トランジスタ801のオン特性向上に有効である。
金属酸化物に含まれる水素は、金属原子に結合している酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成することがある。そして、酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が、金属原子に結合している酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。本発明の一態様に係るトランジスタ801では、主として金属酸化物膜822にチャネル領域が形成されるので、金属酸化物膜822に水素が含まれていると、トランジスタ801はノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物膜822中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。
図13は、酸化物層830が4層構造の例であるが、本発明の一態様はこれに限定されない。例えば、酸化物層830を金属酸化物膜821又は金属酸化物膜823のない3層構造とすることができる。又は、酸化物層830(金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824)の任意の膜の間、酸化物層830の上、酸化物層830の下のいずれか二箇所以上に、金属酸化物膜821乃至金属酸化物膜824と同様の金属酸化物膜の1層又は複数を設けることができる。
図14を参照して、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824の積層によって得られる効果を説明する。図14は、トランジスタ801のチャネル形成領域におけるエネルギーバンド構造の模式図である。
図14において、Ec816e、Ec821e、Ec822e、Ec824e、Ec817eは、それぞれ、絶縁層816、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824、絶縁層817の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(電子親和力ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からバンドギャップを引いた値となる。なお、バンドギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
絶縁層816、絶縁層817は絶縁体であるため、Ec816eとEc817eは、Ec821e、Ec822e、及びEc824eよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい。)。
金属酸化物膜822は、金属酸化物膜821、金属酸化物膜824よりも電子親和力が大きい。例えば、金属酸化物膜822と金属酸化物膜821との電子親和力の差、及び金属酸化物膜822と金属酸化物膜824との電子親和力の差は、それぞれ、0.07eV以上1.3eV以下である。該電子親和力の差は、0.1eV以上0.7eV以下が好ましく、0.15eV以上0.4eV以下がさらに好ましい。
トランジスタ801のゲート電極(導電層850)に電圧を印加すると、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824のうち、電子親和力が最も大きい金属酸化物膜822に主にチャネル領域が形成される。
In−Ga酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、金属酸化物膜824がIn−Ga酸化物を含むと好ましい。Ga原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
また、金属酸化物膜821と金属酸化物膜822との間には、金属酸化物膜821と金属酸化物膜822の混合領域が存在する場合がある。また、金属酸化物膜824と金属酸化物膜822との間には、金属酸化物膜824と金属酸化物膜822の混合領域が存在する場合がある。該混合領域における界面準位密度は、金属酸化物膜821と絶縁層816との間の界面準位密度や金属酸化物膜824と絶縁層817との間の界面準位密度に比べて低い。そのため、金属酸化物膜821、金属酸化物膜822、金属酸化物膜824の積層されている領域は、それぞれの界面近傍においてエネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このようなエネルギーバンド構造を有する酸化物層830において、キャリアである電子は、主に金属酸化物膜822を移動することになる。そのため、金属酸化物膜821と絶縁層816との界面、又は、金属酸化物膜824と絶縁層817との界面に準位が存在したとしても、これらの界面準位により、酸化物層830中を移動する電子の移動が阻害されにくくなるため、トランジスタ801のオン電流を高くすることができる。
また、図14に示すように、金属酸化物膜821と絶縁層816の界面近傍、及び金属酸化物膜824と絶縁層817の界面近傍には、それぞれ、不純物や欠陥に起因したトラップ準位Et826e、トラップ準位Et827eが形成され得るものの、金属酸化物膜821、金属酸化物膜824があることにより、金属酸化物膜822をトラップ準位Et826e、トラップ準位Et827eから離間することができる。そのため、金属酸化物膜822を移動する電子がトラップ準位Et826e、トラップ準位Et827eに捕獲されにくくなり、当該電子捕獲がトランジスタ801の電気特性や信頼性に悪影響を及ぼす(後述)ことを防止することができる。
なお、Ec821eとEc822eとの差が小さい場合、金属酸化物膜822の電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位Et826eに達することがある。トラップ準位Et826eに電子が捕獲されると、絶縁層816の界面にマイナスの固定電荷が生じ、トランジスタ801の閾値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。Ec822eとEc824eとのエネルギー差が小さい場合も同様である。
トランジスタ801の閾値電圧の変動が低減され、トランジスタ801の電気特性を良好なものとするため、Ec821eとEc822eとの差、Ec824eとEc822eとの差を、それぞれ0.1eV以上とすることが好ましく、0.15eV以上とすることがより好ましい。
なお、トランジスタ801は、ボトムゲート電極(導電層853)を有さない構造とすることもできる。
<CAC−OS>
次に、CAC−OSについて説明する。CAC−OSは、OSトランジスタのチャネル形成領域に含まれていてもよい。
CAC−OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1−x0)(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界を観察することが困難な場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば、基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法の一つであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことがわかる。
また、CAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また、例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、該金属酸化物を用いた半導体素子は高い電界効果移動度を実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、該金属酸化物を用いた半導体素子はリーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、該半導体素子は、高いオン電流及び電界効果移動度と低いリーク電流の双方を兼ね備えた良好なスイッチング動作を実現させることができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、良好な信頼性を有する。したがって、CAC−OSは、さまざまな半導体装置への適用に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置などを電子部品に適用する例、及び該電子部品を具備できる電子機器の例について、図15乃至図18を用いて説明する。
<ウエハ・チップ>
図15(A)は、ダイシング処理が行なわれる前の基板1001の上面図を示している。基板1001としては、例えば、半導体基板(半導体ウエハともいう。)を用いることができる。基板1001上には、複数の回路領域1002が設けられている。回路領域1002には、上記実施の形態に示す半導体装置などを設けることができる。
複数の回路領域1002は、それぞれが分離領域1003に囲まれている。分離領域1003と重なる位置に分離線(ダイシングラインともいう。)1004が設定される。分離線1004に沿って基板1001を切断することで、回路領域1002を含むチップ1005を基板1001から切り出すことができる。図15(B)にチップ1005の拡大図を示す。
また、分離領域1003に導電層や半導体層を設けてもよい。分離領域1003に導電層や半導体層を設けることで、ダイシング工程時に生じ得るESD(Erectro−Static Discharge:静電気放電)を緩和し、ダイシング工程起因の歩留まり低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に流しながら行われる。分離領域1003に導電層や半導体層を設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
分離領域1003に設ける半導体層としては、バンドギャップが2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.7eV以上3.5eV以下の材料を用いることが好ましい。このような材料を用いることで、基板1001上に蓄積された電荷をゆっくりと放電することができるため、ESDによる電荷の急激な移動が抑えられ、チップ1005内の各素子の静電破壊を生じにくくすることができる。
<電子部品>
チップ1005を電子部品に適用する例について、図16を用いて説明する。なお、電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。
電子部品は、組み立て工程(後工程)において、上記実施の形態に示した半導体装置と該半導体装置以外の部品が組み合わされて完成する。
図16(A)に示すフローチャートを用いて、後工程について説明する。前工程において、上記実施の形態に示した半導体装置を有する素子基板が完成した後、該素子基板の裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削する「裏面研削工程」を行う(ステップS1)。研削により素子基板を薄くすることで、素子基板の反りなどを低減し、電子部品の小型化を図ることができる。
次に、素子基板を複数のチップに分離する「ダイシング工程」を行う(ステップS2)。そして、分離したチップの個々をピックアップして、リードフレーム上に接合する「ダイボンディング工程」を行う(ステップS3)。ダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接合は、樹脂による接合や、テープによる接合など、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップを接合してもよい。
次いで、リードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂などで封止される「封止工程(モールド工程)」が施される(ステップS5)。封止工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、チップに内蔵される回路部やチップとリードを接続するワイヤーを機械的な外力から保護することができ、また水分や埃による特性の劣化(信頼性の低下)を低減することができる。
次いで、リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行う(ステップS6)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に設ける際のはんだ付けをより確実に行うことができる。次いで、リードを切断及び成形加工する「成形加工工程」を行う(ステップS7)。
次いで、パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行う(ステップS8)。そして、外観形状の良否や動作不良の有無などを調べる「検査工程」(ステップS9)を経て、電子部品が完成する。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図16(B)に示す。図16(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図16(B)に示す電子部品1101は、リード付きの半導体装置を示している。当該半導体装置としては、上記実施の形態に示した半導体装置などを用いることができる。
図16(B)に示す電子部品1101は、例えばプリント基板1102上に設けられる。このような電子部品1101が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板1102上で電気的に接続されることで、電子部品が設けられた基板1103が完成する。完成した基板1103は、電子機器などに用いられる。
<電子機器>
上記の基板1103は、デジタル信号処理、ソフトウェア無線、アビオニクス(通信機器、航法システム、自動操縦装置、飛行管理システム等の航空に関する電子機器)、ASICのプロトタイピング、医療用画像処理、音声認識、暗号、バイオインフォマティクス(生物情報科学)、機械装置のエミュレータ、及び電波天文学における電波望遠鏡等、幅広い分野の電子機器の電子部品(ICチップ)に適用することが可能である。このような電子機器としては、カメラ(ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等)、表示装置、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯型情報端末(スマートフォン、タブレット型情報端末など)、電子書籍端末、ウエアラブル型情報端末(時計型、ヘッドマウント型、ゴーグル型、眼鏡型、腕章型、ブレスレット型、ネックレス型等)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、家庭用電化製品などが挙げられる。
以下に、図17、図18を参照して、電子機器の構成例を示す。なお、電子機器の表示部には、タッチセンサを有するタッチパネル装置を用いることが好ましい。タッチパネル装置を用いることで、表示部を電子機器の入力部としても機能させることができる。
図17(A)、図17(B)に、携帯情報端末2000の一例を示す。携帯情報端末2000は、筐体2001、筐体2002、表示部2003、表示部2004、及びヒンジ部2005等を有する。
筐体2001と筐体2002は、ヒンジ部2005で連結されている。携帯情報端末2000は、図17(A)に示すように折り畳んだ状態から、図17(B)に示すように筐体2001と筐体2002を開くことができる。
例えば、表示部2003及び表示部2004に文書情報を表示することが可能であり、携帯情報端末2000を電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部2003及び表示部2004に静止画像や動画像を表示することもできる。また、表示部2003は、タッチパネルを有していてもよい。
このように、携帯情報端末2000は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
なお、筐体2001及び筐体2002は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
なお、携帯情報端末2000は、表示部2003に設けられたタッチセンサを用いて、文字、図形、イメージを識別する機能を有していてもよい。この場合、例えば、数学又は言語などを学ぶための問題集などを表示する情報端末に対して、指、又はスタイラスペンなどで解答を書き込んで、携帯情報端末2000で正誤の判定を行うといった学習を行うことができる。また、携帯情報端末2000は、音声解読を行う機能を有していてもよい。この場合、例えば、携帯情報端末2000を用いて、外国語の学習などを行うことができる。このような携帯情報端末は、教科書などの教材、又はノートなどとして利用する場合に適している。
図17(C)に携帯情報端末の一例を示す。図17(C)に示す携帯情報端末2010は、筐体2011、表示部2012、操作ボタン2013、外部接続ポート2014、スピーカ2015、マイク2016、カメラ2017等を有する。
携帯情報端末2010は、表示部2012にタッチセンサを備える。電話をかける、あるいは文字を入力するなどのあらゆる操作を、指やスタイラスなどで表示部2012に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン2013の操作により、電源のオン、オフ動作や、表示部2012に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末2010の内部に、ジャイロセンサ又は加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末2010の向き(縦か横か)を判断して、表示部2012の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部2012に触れること、操作ボタン2013の操作、又はマイク2016を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末2010は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。例えば、携帯情報端末2010はスマートフォンとして用いることができる。また、携帯情報端末2010は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図17(D)に、カメラの一例を示す。カメラ2020は、筐体2021、表示部2022、操作ボタン2023、シャッターボタン2024等を有する。またカメラ2020には、着脱可能なレンズ2026が取り付けられている。
ここでは、カメラ2020として、レンズ2026を筐体2021から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ2026と筐体2021とが一体となっていてもよい。
カメラ2020は、シャッターボタン2024を押すことにより、静止画、又は動画を撮像することができる。また、表示部2022はタッチパネルとしての機能を有し、表示部2022をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ2020は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。又は、これらが筐体2021に組み込まれていてもよい。
図18(A)に示すノート型PC(パーソナルコンピュータ)2050は、筐体2051、表示部2052、キーボード2053、ポインティングデバイス2054を有する。表示部2052のタッチ操作で、ノート型PC2050を操作することもできる。
図18(B)に示す携帯型遊技機2110は、筐体2111、表示部2112、スピーカ2113、LEDランプ2114、操作キーボタン2115、接続端子2116、カメラ2117、マイクロホン2118、記録媒体読込部2119を有する。
図18(C)に示す自動車2170は、車体2171、車輪2172、ダッシュボード2173、及びライト2174等を有する。なお、自動車2170は表示部を有していてもよい。
上記の各種電子機器には、本発明の一態様に係る記憶装置、コンピュータなどを設けることができる。これにより、信頼性の高い電子機器を実現することができる。また、上記の電子機器に本発明の一態様に係る記憶装置を搭載した制御回路を設け、電子機器の表示部に本発明の一態様に係る表示部を設けることにより、信頼性の高い表示システムを実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
10 メモリセルアレイ
100 記憶装置
110 セルアレイ
120 駆動回路部
130 駆動回路
131 デコーダ
132 行ドライバ
133 センスアンプ
140 駆動回路
141 デコーダ
142 列ドライバ
143 センスアンプ
144 プリチャージ回路
160 制御回路
170 出力回路
300 コンピュータ
310 入力装置
320 出力装置
330 中央演算処理装置
331 制御回路
332 演算回路
333 記憶装置
334 記憶装置
340 主記憶装置
400 表示システム
410 表示部
411 表示ユニット
411a 表示ユニット
411b 表示ユニット
412 タッチセンサユニット
420 制御回路
421 インターフェース
422 フレームメモリ
423 デコーダ
424 センサコントローラ
425 コントローラ
426 クロック生成回路
430 画像処理部
431 ガンマ補正回路
432 調光回路
433 調色回路
434 EL補正回路
441 記憶装置
442 タイミングコントローラ
443 レジスタ
450 駆動回路
451 ソースドライバ
451a ソースドライバ
451b ソースドライバ
461 タッチセンサコントローラ
470 ホスト
480 光センサ
481 外光
500 表示装置
501 画素部
502 画素ユニット
503 駆動回路
503a 駆動回路
503b 駆動回路
504 駆動回路
504a 駆動回路
504b 駆動回路
505a 画素
505b 画素
506b 副画素
506bb 副画素
506bg 副画素
506br 副画素
506bw 副画素
510 液晶素子
520 発光素子
520b 発光素子
520g 発光素子
520r 発光素子
520w 発光素子
530 導電層
530a 導電層
530b 導電層
540 開口
551 基板
561 基板
562 表示領域
564 回路
565 配線
572 FPC
573 IC
612 液晶
613 導電層
617 絶縁層
621 絶縁層
630 偏光板
631 着色層
632 遮光層
633a 配向膜
633b 配向膜
634 着色層
641 接着層
642 接着層
691 導電層
692 EL層
693a 導電層
693b 導電層
701 トランジスタ
704 接続部
705 トランジスタ
706 トランジスタ
707 接続部
711 絶縁層
712 絶縁層
713 絶縁層
714 絶縁層
715 絶縁層
716 絶縁層
717 絶縁層
720 絶縁層
721 導電層
722 導電層
723 導電層
724 導電層
731 半導体層
742 接続層
743 接続体
752 接続部
801 トランジスタ
811 絶縁層
812 絶縁層
813 絶縁層
814 絶縁層
815 絶縁層
816 絶縁層
817 絶縁層
818 絶縁層
819 絶縁層
820 絶縁層
821 金属酸化物膜
822 金属酸化物膜
823 金属酸化物膜
824 金属酸化物膜
830 酸化物層
850 導電層
850a 導電層
850b 導電層
851 導電層
852 導電層
853 導電層
853a 導電層
853b 導電層
1001 基板
1002 回路領域
1003 分離領域
1004 分離線
1005 チップ
1101 電子部品
1102 プリント基板
1103 基板
2000 携帯情報端末
2001 筐体
2002 筐体
2003 表示部
2004 表示部
2005 ヒンジ部
2010 携帯情報端末
2011 筐体
2012 表示部
2013 操作ボタン
2014 外部接続ポート
2015 スピーカ
2016 マイク
2017 カメラ
2020 カメラ
2021 筐体
2022 表示部
2023 操作ボタン
2024 シャッターボタン
2026 レンズ
2050 ノート型PC
2051 筐体
2052 表示部
2053 キーボード
2054 ポインティングデバイス
2110 携帯型遊技機
2111 筐体
2112 表示部
2113 スピーカ
2114 LEDランプ
2115 操作キーボタン
2116 接続端子
2117 カメラ
2118 マイクロホン
2119 記録媒体読込部
2170 自動車
2171 車体
2172 車輪
2173 ダッシュボード
2174 ライト

Claims (9)

  1. 第1のトランジスタと第2のトランジスタと、第1の容量素子と第2の容量素子と、を有し、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と、前記第1の容量素子の一方の電極と、前記第2のトランジスタのゲートとは、電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と、前記第2の容量素子の一方の電極と、前記第1のトランジスタのゲートとは、電気的に接続される半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と、前記第1の容量素子の一方の電極と、前記第2のトランジスタのゲートとは、第1のノードにて電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と、前記第2の容量素子の一方の電極と、前記第1のトランジスタのゲートとは、第2のノードにて電気的に接続され、
    前記第1のノードに第1の電位が保持される機能を有し
    前記第2のノードに第2の電位が保持される機能を有する半導体装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1の電位の保持を行うときには、前記第2の電位の保持をしない機能を有し
    前記第2の電位の保持を行うときには、前記第1の電位の保持をしない機能を有する半導体装置。
  4. 請求項2又は請求項3において、
    前記第1の電位の保持時には、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第2のトランジスタのゲートに電位が印加され、
    前記第2の電位の保持時には、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記第1のトランジスタのゲートに電位が印加されることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記第1のトランジスタのゲート絶縁体には、前記第1の電位の保持時と前記第2の電位の保持時とで、それぞれ逆の極性の電位が印加される機能を有し
    前記第2のトランジスタのゲート絶縁体には、前記第1の電位の保持時と前記第2の電位の保持時とで、それぞれ逆の極性の電位が印加され機能を有する半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有する半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    第1の駆動回路と、第2の駆動回路と、第1乃至第4の配線と、を有し、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方と、前記第1の配線とは電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と、前記第2の配線とは電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の他方の電極と、前記第3の配線とは電気的に接続され、
    前記第2の容量素子の他方の電極と、前記第4の配線とは電気的に接続され、
    前記第1の駆動回路は、前記第1の配線及び前記第2の配線の電位を制御する機能を有し、
    前記第2の駆動回路は、前記第3の配線及び前記第4の配線の電位を制御する機能を有する半導体装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置を用いたフレームメモリ、画像処理部と、駆動回路と、を有する制御回路と、表示部と、を有し、
    前記フレームメモリは、画像データを記憶する機能を有し、
    前記画像処理部は、前記フレームメモリから入力された画像データに画像処理を行い、映像信号を生成する機能を有し、
    前記駆動回路は、前記画像処理部から入力された前記映像信号を、前記表示部に出力する機能を有する表示システム。
  9. 請求項8において、
    前記表示部は、第1の表示ユニットと、第2の表示ユニットと、を有し、
    前記第1の表示ユニットは、液晶素子を有し、
    前記第2の表示ユニットは、発光素子を有する表示システム。
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