JP6744104B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電性フィルムに関する。
従来、透明導電性フィルムはタッチパネル等の電子機器部品の電極、電子機器の誤作動の原因となる電磁波を遮断する電磁波シールド等に使用されている。透明導電性フィルムは、ITOなどの金属酸化物層や、金属ナノワイヤ、金属メッシュ等から構成された導電層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。このような導電層、特に金属ナノワイヤを含む導電層には、導電層形成材料の保護のため、保護層を形成することが行われている。
保護層の表面から導通を得るためには、保護層の厚みを薄くする必要がある。しかし、保護層の厚みを薄くすると、透明導電性フィルムの耐擦傷性が低下したり、高温高湿下で抵抗率が変化するという問題がある。導電性(導通)に優れつつも、耐擦傷性に優れる透明導電性フィルム(特に、金属ナノワイヤを含む透明導電性フィルム)が求められている。
特表2009−505358号公報 特開2014−112510号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、耐擦傷性および導電性の両方に優れる透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の透明導電性フィルムは、透明基材と、該透明基材の片側または両側に配置される透明導電層とを含み、該透明導電層が、バインダー樹脂と、金属ナノワイヤと、中実粒子とを含み、該透明導電層の厚みが、1000nm以下であり、該透明導電層の表面において、スチールウール#0000を荷重300gで10往復摺動した後に、該透明導電層表面に生じる目視可能な傷が、25mm×25mmの範囲内で、10本未満である。
1つの実施形態においては、上記中実粒子の数平均一次粒子径が、100nm以下である。
1つの実施形態においては、本発明の透明導電性フィルムは、上記バインダー樹脂として、多官能アクリル系樹脂を含む。
1つの実施形態においては、本発明の透明導電性フィルムは、上記バインダー樹脂として、フッ素系樹脂を含む。
本発明によれば、耐擦傷性および導電性の両方に優れる透明導電性フィルムを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。
A.透明導電性フィルムの全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。この透明導電性フィルム100は、透明基材10と、該透明基材10の両側または片側(図示例では片側)に配置される透明導電層20とを含む。透明導電層20は、バインダー樹脂21と、金属ナノワイヤ22と、中実粒子23とを含む。
バインダー樹脂21は、金属ナノワイヤ22を覆うようにして存在する。バインダー樹脂21により構成される領域は、金属ナノワイヤ22を保護する保護層として機能し得る。好ましくは、金属ナノワイヤ22の一部は、バインダー樹脂21により構成される領域から透明導電層表面(透明基材の反対側)に向けて突出している。金属ナノワイヤの突出部を有することにより、表面からの導通に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
また、本発明においては、中実粒子を含む透明導電層を形成することにより、耐擦傷性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。透明導電層形成時、中実粒子は表面近傍に偏析する傾向にあり、そのため、バインダー樹脂を硬化させる際の酸素阻害が抑制さる。その結果、良好に硬化したバインダー樹脂から構成され、耐擦傷性に優れる透明導電層が形成される。さらには、中実粒子の存在により、ガス(例えば、酸素、水分)バリア性が向上し、金属ナノワイヤの劣化が防止され、抵抗値の上昇が防止され、導電性が経時にわたり安定する透明導電性フィルムが得られ得る。
本発明の透明導電性フィルムの表面抵抗値は、好ましくは0.1Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは0.5Ω/□〜300Ω/□であり、特に好ましくは1Ω/□〜200Ω/□である。
本発明の透明導電性フィルムのヘーズ値は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
本発明の透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
B.透明導電層
上記のとおり、透明導電層は、バインダー樹脂と、金属ナノワイヤと、中実粒子とを含む。バインダー樹脂は、金属ナノワイヤの全部または一部を覆うようにして存在し、該バインダー樹脂により構成される領域は、保護層として機能し得る。1つの実施形態においては、上記金属ナノワイヤは、その一部がバインダー樹脂により構成される領域から突出している。このような構成であれば、透明導電層表面からの導通に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
透明導電層の厚みは、1000nm以下であり、好ましくは800nm以下であり、より好ましくは600nm以下であり、特に好ましくは50nm〜500nmである。なお、透明導電層の厚みとは、バインダー樹脂により構成される領域の厚み(図1における厚みX)であり、透明導電層の一方の平坦面から他方の平坦面までの距離を意味する。本発明の透明導電性フィルムは、保護層として機能するバインダー樹脂領域の厚みを薄くすることにより導電性に優れ、また、該厚みを薄くしても耐擦傷性に優れる。
上記透明導電層の表面において、スチールウール#0000を荷重300gで10往復摺動した後に、該透明導電層表面に生じる目視可能な傷の数は、25mm×25mmの範囲内で、好ましくは10本未満であり、より好ましくは5本未満であり、さらに好ましくは2本未満であり、特に好ましくは0本である。
上記透明導電層の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
B−1.バインダー樹脂
上記バインダー樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。該樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリビニルキシレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の芳香族系樹脂;ポリウレタン系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);セルロース;シリコン系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリアセテート;ポリノルボルネン;合成ゴム;フッ素系樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂は、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
1つの実施形態においては、上記バインダー樹脂として、硬化性樹脂が用いられる。硬化性樹脂としては、例えば、多官能アクリル系樹脂が挙げられる。該硬化性樹脂は多官能モノマーを含むモノマー組成物から得られ得る。多官能モノマーとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパントテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。多官能モノマーは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記モノマー組成物は、単官能モノマーをさらに含んでいてもよい。上記モノマー組成物が単官能モノマーを含む場合、単官能モノマーの含有割合は、モノマー組成物中のモノマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下である。
上記単官能モノマーとしては、例えば、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソホロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。1つの実施形態においては、上記単官能モノマーとして、水酸基を有するモノマーが用いられる。
1つの実施形態においては、バインダー樹脂としてフッ素系樹脂が用いられる。フッ素系樹脂を用いれば、滑り性に優れる透明導電層が形成され、該透明導電層は耐擦傷性に優れる。上記フッ素系樹脂としては、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキルエーテル基等を含む樹脂が挙げられる。1つの実施形態においては、上記フッ素系樹脂として、エチレン性不飽和基含有含フッ素系樹脂(例えば、(メタ)アクリロイル基を含むフッ素系樹脂)が用いられる。エチレン性不飽和基含有含フッ素系樹脂の詳細は、特開2007−262202に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
B−2.金属ナノワイヤ
金属ナノワイヤとは、材質が金属であり、形状が針状または糸状であり、径がナノメートルサイズの導電性物質をいう。金属ナノワイヤは直線状であってもよく、曲線状であってもよい。金属ナノワイヤで構成された透明導電層を用いれば、金属ナノワイヤが網の目状となることにより、少量の金属ナノワイヤであっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができる。さらに、金属ナノワイヤが網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成して、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤの太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000であり、より好ましくは50〜100,000であり、特に好ましくは100〜10,000である。このようにアスペクト比の大きい金属ナノワイヤを用いれば、金属ナノワイヤが良好に交差して、少量の金属ナノワイヤにより高い導電性を発現させることができる。その結果、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、「金属ナノワイヤの太さ」とは、金属ナノワイヤの断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。金属ナノワイヤの太さおよび長さは、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
上記金属ナノワイヤの太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、特に好ましくは10nm〜100nmであり、最も好ましくは10nm〜50nmである。このような範囲であれば、光透過率の高い透明導電層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤの長さは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。このような範囲であれば、導電性の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、導電性金属である限り、任意の適切な金属が用いられ得る。上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、例えば、銀、金、銅、ニッケル等が挙げられる。また、これらの金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。なかでも好ましくは、導電性の観点から、銀、銅または金であり、より好ましくは銀である。
上記金属ナノワイヤの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法、前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元することによりにより、銀ナノワイヤが合成され得る。均一サイズの銀ナノワイヤは、例えば、Xia, Y.etal., Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745、Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
上記透明導電層における金属ナノワイヤの含有割合は、透明導電層を構成するバインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは30重量部〜98重量部であり、より好ましくは40重量部〜85重量部である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
B−3.中実粒子
上記中実粒子は、内部に空隙層を実質的に含まない粒子である。「空隙層を実質的に含まない」とは、空隙層の割合が、中実粒子の体積に対して、1体積%以下であることを意味する。中実粒子における空隙層の割合は、中実粒子の体積に対して、好ましくは0.5体積%以下であり、より好ましくは0.01体積%以下であり、特に好ましくは0体積%である。
上記中実粒子としては、例えば、アルミナビーズ、シリカビーズ、酸化ジルコニウムビーズ、酸化マグネシウムビーズ、酸化チタンビーズ、銀ビーズ、金ビーズ、白金ビーズ、およびステンレスビーズ等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記中実粒子として、無機粒子が用いられ、より好ましくは、無機酸化物粒子が用いられる。このような粒子を用いれば、耐擦傷性により優れる透明導電層を形成することができる。
1つの実施形態においては、上記中実粒子は、(メタ)アクリル系樹脂により表面修飾されている。表面修飾された中実粒子を用いれば、バインダー樹脂中での分散性がよくなり、耐擦傷性が顕著に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。表面修飾の方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。
上記中実粒子は、任意の適切な形状であり得る。中実粒子の形状としては、例えば、球形、楕円体、多面体、多角柱、円柱、楕円柱、錐体等が挙げられる。
上記中実粒子の数平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは80nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは5nm〜30nmである。このような範囲であれば、耐擦傷性および透明性に優れる透明導電層を形成することができる。なお、数平均一次粒子径は、日機装株式会社製、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計、商品名「UPA−EX」により測定することができる。
上記中実粒子の含有割合は、上記バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜200重量部であり、より好ましくは15重量部〜150重量部である。このような範囲であれば、耐擦傷性および透明性に優れる透明導電層を形成することができる。
B−4.透明導電層の形成方法
上記透明導電層は、例えば、上記透明基材上に、透明導電層形成用組成物を塗工して形成され得る。1つの実施形態においては、透明導電層形成用組成物は、バインダー樹脂(またはバインダー樹脂を形成するモノマー)、金属ナノワイヤおよび中実粒子を含む。別の実施形態においては、第1の透明導電層形成用組成物と第2の透明導電層形成用組成物とを準備し、金属ナノワイヤを含有させた第1の透明導電層形成用組成物を塗工(塗布、乾燥)した後、バインダー樹脂(またはバインダー樹脂を形成するモノマー)および中実粒子を含有させた第2の透明導電層形成用組成物を塗工して、透明導電層が形成され得る。このような第2の透明導電層形成用組成物を塗工することにより、中実粒子が透明導電層の表面(透明基材とは反対側の面)近傍に偏析しやすくなり、バインダー樹脂が硬化する際の酸素阻害が抑制さる。その結果、良好に硬化したバインダー樹脂から構成され、耐擦傷性に優れる透明導電層が形成される。
好ましくは、上記第1の透明導電層形成用組成物は、任意の適切な溶媒に金属ナノワイヤを分散させて得られる分散液である。該溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
上記第1の透明導電層形成用組成物中の金属ナノワイヤの分散濃度は、好ましくは0.1重量%〜1重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電層を形成することができる。
上記第1の透明導電層形成用組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、金属ナノワイヤの腐食を防止する腐食防止材、金属ナノワイヤの凝集を防止する界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記第1の透明導電層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布層の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には100℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
上記第2の透明導電層形成用組成物もまた、必要に応じて任意の適切な添加剤をさらに含み得る。上記第2の透明導電層形成用組成物が含み得る添加剤の具体例としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、増粘剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。また、上記第2の透明導電層形成用組成物は、任意の適切な溶媒を含んでいてもよい。上記第2の透明導電層形成用組成物の塗布方法および乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。また、第2の透明導電層形成用組成物を塗工した後、塗工層に硬化処理(例えば、加熱処理、紫外線照射処理)を施すことが好ましい。
C.透明基材
上記透明基材を構成する材料は、任意の適切な材料が用いられ得る。具体的には、例えば、フィルムやプラスチックス基材などの高分子基材が好ましく用いられる。透明基材の平滑性および透明導電層形成用組成物に対する濡れ性に優れ、また、ロールによる連続生産により生産性を大幅に向上させ得るからである。
上記透明基材を構成する材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂;ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。これら材料は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記透明基材の厚みは、好ましくは5μm〜200μmであり、より好ましくは10μm〜150μmである。
上記透明基材の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
1つの実施形態においては、上記透明基材として、低位相差基材が用いられ得る。上記透明基材の厚み方向の位相差Rthの絶対値は、100nm以下であり、好ましくは75nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは10nm以下であり、最も好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において厚み方向の位相差Rthは23℃、波長545.6nmにおける透明基材の厚み方向の位相差値をいう。Rthは、面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnxとし、厚み方向の屈折率をnzとし、透明基材の厚みをd(nm)としたとき、Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
また、上記透明基材の面内位相差Reは、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは0nm〜2nmである。なお、本明細書において面内位相差Reは23℃、波長545.6nmにおける透明基材の面内位相差値をいう。Reは、面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnxとし、面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率をnyとし、光学フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re=(nx−ny)×dによって求められる。
D.光学積層体
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルムと偏光板とを積層して得られる光学積層体が提供される。透明導電性フィルムと偏光板とは、任意の適切な接着剤または粘着剤を介して、貼り合わせられ得る。上記偏光板としては、任意の適切な偏光板が用いられ得る。当該光学積層体は電磁波シールド特性を備える偏光要素として好適に用いられ得、例えば、液晶表示装置の液晶セルの背面側偏光板として用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。なお、厚みは、エポキシ樹脂にて包埋処理後ウルトラマイクロトームで切削することで断面を形成し、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「S−4800」を使用して測定した。
(1)接触抵抗
透明導電層上に、所定の間隔(5mm、15mmおよび35mm)で銀ペースト(幅20mm)を塗布し、2点間の抵抗値を三和電気計器社製の商品名「デジタルマルチメータCD800a」を用いて計測した。2点間の距離と抵抗値との相関から線形式を得、その切片を透明導電性フィルムの接触抵抗とした。
(2)表面抵抗測定
透明導電層の表面抵抗をナプソン社製の非接触表面商品名「EC−80」を用いて測定した。表面抵抗の測定は、透明導電性フィルム作製直後(環境温度:23℃)に行った。
(3)耐擦傷性
エム・ティー・エム社製の商品名「10連式ペン試験」を用い、25mmφの冶具に両面テープにてスチールウール(ボンスター販売社製、商品名「#0000」)を取り付け、荷重300gをかけてサンプル面に冶具を置き、10往復試験後に傷の状態を目視にて確認した。傷が全く確認されない場合を◎、1本以上、10本未満の傷が確認された場合を○、10本以上傷が確認された場合を×として評価した。
[実施例1]
(金属ナノワイヤの合成および第1の透明導電層形成用組成物(1A)の調製)
硝酸銀1.5g、形態調整剤としてのポリビニルピロリドンK−90(ナカライテスク社製、平均分子量:360,000)5.8g、食塩(NaCl)0.04g及びエチレングリコール(180ml)を、環流器及び攪拌機が付いたフラスコに添加し、攪拌しつつ溶解した後、温度をエチレングリコールの沸点近傍である170℃まで昇温し、60分間反応させた。反応終了後、室温下で放置して冷却した。次いで、上記のようにして得られた銀ナノワイヤを含む反応混合物に、該反応混合物の体積が5倍になるまでアセトンを加えた後、該反応混合物を遠心分離した(2000rpm、20分)。この作業を数回繰返し、銀ナノワイヤを得た。得られた銀ナノワイヤは、直径が10nm〜60nmであり、長さは1μm〜50μmであった。なお、銀ナノワイヤのサイズは、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「S−4800」を用い、該顕微鏡により無作為に抽出した30個の金属ナノワイヤを観察して長さおよび直径を測定した。純水中に、該銀ナノワイヤ(濃度:0.2重量%)、およびペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル(濃度:0.1重量%)を分散させ、銀ナノワイヤ分散液(第1の透明導電層形成用組成物(1A))を調製した。
(第2の透明導電層形成用組成物(2A)の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」)10重量部、中実シリカ粒子(日産化学工業社製、商品名「MEK−AC−2140Z」、数平均一次粒子径:15nm)15重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア907」)1重量部およびイソプロピルアルコール387重量部を混合して、第2の透明導電層形成用組成物(2A)を得た。
(透明導電性フィルムの作製)
透明基材として、ノルボルネン系シクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製 商品名「ゼオノア」、厚み:100μm)にコロナ処理を施した基材を用いた。
バーコーター(第一理科株式会社製、製品名「バーコーター No.09」)を用いて、透明基材上に第1の透明導電層形成用組成物(1A)を塗布し、120℃の送風乾燥機内で2分間乾燥させた。この操作により得られた金属ナノワイヤ付き透明基材の金属ナノワイヤ側の表面抵抗値は85Ω/□であった。
バーコーター(第一理科株式会社製、製品名「バーコーター No.05」)を用いて、金属ナノワイヤ付き透明基材の金属ナノワイヤ側に、第2の透明導電層形成用組成物(2A)を塗布し、80℃で1分間乾燥し、その後、400mJの紫外線を照射して透明導電層を形成し、透明導電フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムの透明導電層の厚みは200nmであった。
得られた透明導電性フィルムを上記評価(1)〜(3)に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
(第2の透明導電層形成用組成物(2B)の調製)
エチレン性不飽和基含有含フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名「オプツールAR−110」)10重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」)6重量部、中実シリカ粒子(日産化学工業社製、商品名「MEK−AC−2140Z」、数平均一次粒子径:15nm)2.3重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア907」)0.1重量部およびイソプロピルアルコール142重量部を混合して、第2の透明導電層形成用組成物(2B)を得た。
(透明導電性フィルムの作製)
第2の透明導電層形成用組成物(2A)に代えて第2の透明導電層形成用組成物(2B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムの透明導電層の厚みは180nmであった。
得られた透明導電性フィルムを上記評価(1)〜(3)に供した。結果を表1に示す。
[実施例3]
(第2の透明導電層形成用組成物(2C)の調製)
中実シリカ粒子に代えて、酸化ジルコニウム粒子(日産化学工業株式会社製、商品名「ナノユース OZ−S40K−AC」、数平均一次粒子径:30nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第2の透明導電層形成用組成物(2C)を得た。
(透明導電性フィルムの作製)
第2の透明導電層形成用組成物(2A)に代えて第2の透明導電層形成用組成物(2C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムの透明導電層の厚みは195nmであった。
得られた透明導電性フィルムを上記評価(1)〜(3)に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
第2の透明導電層形成用組成物を塗布する際に第一理科株式会社製の製品名「バーコーター No.08」を用い、厚みが1400nmとなるようにして透明導電層を形成した以外は実施例1と同様にして、透明フィルムを得た。
得られた透明フィルムを上記評価(2)〜(3)に供した。結果を表1に示す。なお、接触抵抗値は測定できず、導電がとれていなかった。
[比較例2]
中実シリカ粒子を添加せずに第2の透明導電層形成用組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムの透明導電層の厚みは210nmであった。
得られた透明導電性フィルムを上記評価(1)〜(3)に供した。結果を表1に示す。
[比較例3]
中実シリカ粒子15重量部に代えて、中空シリカ微粒子(日揮触媒化成株式会社製、商品名「スルーリア4320」、粒子径60nm)30重量部を用いて、第2の透明導電層形成用組成物を調製したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムの透明導電層の厚みは205nmであった。
得られた透明導電性フィルムを上記評価(1)〜(3)に供した。結果を表1に示す。
本発明の透明導電性フィルムは、表示素子等の電子機器に用いられ得る。
10 透明基材
20 透明導電層
21 樹脂バインダー
22 金属ナノワイヤ
23 中実粒子
100 透明導電性フィルム

Claims (4)

  1. 透明基材と、該透明基材の片側または両側に配置される透明導電層とを含み、
    該透明導電層が、バインダー樹脂と、金属ナノワイヤと、中実粒子とを含み、
    該透明導電層の厚みが、1000nm以下であり、
    該透明導電層の表面において、スチールウール#0000を荷重300gで10往復摺動した後に、該透明導電層表面に生じる目視可能な傷が、25mm×25mmの範囲内で、10本未満であり、
    該中実粒子の含有割合が、該バインダー樹脂100重量部に対して、10重量部〜200重量部であり、
    該中実粒子が、無機酸化物粒子である、
    透明導電性フィルム。
  2. 前記中実粒子の数平均一次粒子径が、100nm以下である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記バインダー樹脂として、多官能アクリル系樹脂を含む、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記バインダー樹脂として、フッ素系樹脂を含む、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
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