JP6744017B2 - 鉛放電線のメンテナンス方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛放電線のメンテナンス方法に関するものであり、より詳しくは、湿式電気集塵装置に用いる銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛放電線に撓みが生じたときのメンテナンス方法に関する。
湿式電気集塵装置は、例えば、鉱工業における硫酸ミスト処理やアルミニウム精錬排ガス処理、廃棄物焼却プロセス等において発生する廃ガスから、有害なダストやミストを捕集する目的で使用されている(例えば、特許文献1〜3等)。
湿式電気集塵装置は、円筒状や角筒状等の筒型からなる滑らかな表面を有する集塵極と、その集塵極内に設けられた線状の放電線を含む放電極とにより構成されている。
湿式電気集塵機に使用されている放電線は、使用開始後数年経過すると、放電線の自励振動等により数cm程度(例えば5cm程度)伸長し、その放電線の緊張がとけることによって撓みが生じることがある。放電線に撓みが生じると、集塵極(集塵極室)を構成する集塵極板にその放電線が接近するようになり、これによりスパークが発生して、電気集塵装置の集塵性能を低下させる原因となっていた。
これまで、放電線に撓みが生じたときの対策としては、伸長した分の放電線を切断して再溶接するか、新しい放電線に交換するという方法以外に無く、多額のメンテナンスコストを要していた。
特に近年では、腐食成分を含有するダストやミスト等を集塵対象とした場合でも腐食の発生を防いで集塵性能を維持する観点から、銅芯線の周りに耐食性に優れた鉛の被覆を施してなる鉛放電線が多用されている。そのような鉛放電線において撓みが生じた場合、鉛加工が可能な特殊な専門技術を有する作業員によって再溶接を施す必要があり、高価なメンテナンスコストが発生するだけでなく、多くの時間と労力が必要となっていた。
そして、鉛放電線の場合、その鉛の被覆は容易に割れやすいため、メンテナンスに際しては、銅芯線が露出することを防ぎながら作業することが必要となる。
特開2007−196159号公報 特開2002−119889号公報 特公平6−91965号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、湿式電気集塵装置に用いられる放電線、特に銅芯線に鉛を被覆してなる鉛放電線に撓みが生じた際に、簡易な作業で、かつ鉛の被覆を損傷させることなく、補修することができる鉛放電線のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、鉛放電線に撓みが生じた際に、その鉛放電線の所定の箇所に輪を形成して固定することで、鉛の被覆割れ等を生じさせることなく、簡易な作業で撓みを解消させることができ、スパークの発生を防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する、銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛放電線のメンテナンス方法であって、前記鉛放電線に撓みが生じた際に、前記鉛放電線の所定の箇所において円形状の輪を形成し、該輪の一部を固定する、鉛放電線のメンテナンス方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記輪は、直径が1cm〜5cmの形状である、鉛放電線のメンテナンス方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、形成した前記輪を、耐食性を有する固定手段で固定する、鉛放電線のメンテナンス方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第3の発明において、前記固定手段は、ポリプロピレンロープである、鉛放電線のメンテナンス方法である。
(5)本発明の第5の発明は、前記放電極は、上部のリングと、前記鉛放電線と、下部のウエイトとにより構成され、前記湿式電気集塵装置の本体の筐体内部における下部グリッドに、前記放電極のウエイトが接触することによって該放電極に撓みが生じた際に、前記鉛放電線の前記ウエイトの近傍において輪を形成し、該輪の一部を固定して、前記筐体内部における下部グリッドに、前記ウエイトが接触しない状態とする、鉛放電線のメンテナンス方法である。
本発明に係るメンテナンス方法によれば、湿式電気集塵装置に用いられる銅芯線に鉛を被覆してなる鉛放電線に撓みが生じた際に、簡易な作業で、かつ鉛の被覆を損傷させることなく、その撓みを解消させることができる。
湿式電気集塵装置の本体における筺体内部の概略構成を示す斜視図である。 放電極の構成の一例を示す模式図である。 通電線の形状の具体例を示す模式図である。 断面形状が星形である通電線の断面図である。 放電線が伸長し、放電線の下部に接続されたウエイトが下部グリッドに接触して、撓みが生じる状態を説明するための模式図である。 鉛放電線に撓みが生じた際のメンテナンス方法を説明するための図である。 鉛放電線に撓みが生じた際のメンテナンス方法を説明するための図であり、ウエイトの近傍に輪を形成させたときの状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.概要≫
本実施の形態に係る放電線のメンテナンス方法は、湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線のメンテナンス方法である。特に、このメンテナンス方法が適用される放電線は、銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛放電線である。
湿式電気集塵装置に用いられる放電線は、使用開始から数年が経過すると、自励振動等により数cm程度伸びることがあり、撓みを生じさせる。撓んだ放電線は、その放電線が配設される集塵極の壁(集塵極板)に接近するようになり、その結果としてスパークが発生し、集塵性能の低下をもたらす。
本実施の形態に係る放電線のメンテナンス方法は、銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛放電線に撓みが生じた際のメンテナンス方法であって、その鉛放電線の所定の箇所において円形状の輪を形成し、形成したその輪の一部を固定することを特徴とするものである。
このような方法によれば、簡易な作業で撓みを解消させ、スパークの発生を防ぐことができる。また、鉛が被覆された鉛放電線であっても、程良く曲げて円形状の輪を作っていることにより、その鉛の被覆が割れるといった問題も生じず、集塵効率の低下や断線等も防ぎながらメンテナンスを施すことができる。
≪2.湿式電気集塵装置の構成≫
まず、放電線のメンテナンス方法についての詳細な説明に先立ち、その放電線が適用される湿式電気集塵装置の構成について説明する。
上述したように、湿式電気集塵装置は、鉱工業における硫酸ミスト処理やアルミニウム精錬排ガス処理、廃棄物焼却プロセス等において発生する廃ガスから、その廃ガス中に含まれる有害なダストやミストを捕集する目的で使用される。このような湿式電気集塵装置は、一般的には、円筒状や角筒状等の筒型からなる滑らかな表面を有する集塵極と、その集塵極内に設けられた線状の放電線を含む放電極とにより構成されている。
湿式電気集塵装置においては、有害なダストやミストを捕集するにあたって、放電極側と、接地した集塵極側との間に高電圧が印加され、これにより、放電極側と集塵極側との間に強力な電流電界が形成される。そして、電圧の上昇に伴って放電極側からコロナ放電が発生すると、放電極と集塵極との間の集塵空間が負イオンと電子とによって満たされるようになる。このような集塵空間に廃ガスが導入されると、廃ガス中のダストやミストは負に帯電し、静電凝集作用を伴いながらクーロン力により集塵極に向って移動して集塵極に付着する。付着したダストやミストは、集塵極で負の電荷を失って、集塵極に供給される洗浄水や自重によって集塵極から剥離して落下し、湿式電気集塵装置の外部へと排出される。湿式電気集塵装置では、このようにして、種々の固体や液体の微粒子等の微細なものまで高い集塵効率でもって捕集することが可能になる。
具体的に、図1は、湿式電気集塵装置の本体における筺体内部の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、湿式電気集塵装置の筺体内部には、集塵極20が設けられている。また、筐体内部には、上部グリッド21と、下部グリッド22と、電極ロッド23と、放電極24と、上向きスプレーノズル25と、洗浄用配管26とが設けられている。
上部グリッド21と、集塵極20と、下部グリッド22とは、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように配設されている。
(1)集塵極の構成
集塵極20は、角筒を単位(以下、このような単位を「室」という)として、複数の「室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。具体的には、例えば、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させることによって、集塵極20が構成される。なお、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」といい、縦方向に直角な方向を「横方向」という。また、「N」と「M」とは、独立した任意の整数値である。
また、集塵極20における室(集塵極室)は、例えば35cm〜50cm程度の長さの辺からなる角筒である。また、集塵極20は、導電性のFRP等の材質の板(集塵極板)により構成されている。
(2)放電極の構成
放電極24は、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極20の所定の集塵極室、すなわち、集塵極板により囲まれた空間の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。具体的に、図2は、放電極24の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、放電極24は、上部に位置するリング11と、放電線12と、下部に位置するウエイト13とにより構成されており、集塵極板20aより囲まれた空間の中央内部を貫通する。
なお、放電極24には電極ロッド23が配設されている。図1に示すように、電極ロッド23は、集塵極20の所定の集塵極室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド22に固定される。
[リング]
リング11は、放電極24の上部に位置する構成部材であり、上部グリッド21の吊下げ部21aに当該リング11の貫通孔11aが通される。これにより、放電極24が、上部グリッド21に引っ掛かるようにして固定され、上部グリッド21から略垂直方向に吊下げられるようになる。
[放電線]
放電線12は、集塵極20の所定の集塵極室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、コロナ放電を発生させる。具体的に、この放電線12は、線状の通電線12aと、この通電線12aの一端から他端に亘って一対ずつ設けられた複数の刺線対12bとにより構成される。
通電線12aは、銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛通電線(鉛放電線)である。上述したように、湿式電気集塵装置では、例えば硫酸ミスト処理等において発生した廃ガス中に含まれる腐食成分を捕集する目的で使用されるため、放電線12には、優れた耐食性を有することが求められる。この点、耐食性に優れた特性を有する鉛を銅芯線に被覆してなる鉛放電線は、耐酸部品として長期に亘って安定的に使用することができる。
ここで、図3に、通電線12aの形状の具体例を示す。通電線12aは、その長手方向に直交する断面形状が、図3(a)に示すように丸形であったり、図3(b)に示すように角形であったり、いかなる形状であってもよい。また特に、図3(c)に示すように、その断面形状が星形のものであることが好ましい。
また、図4に、断面形状が星形である通電線12aのその断面を示す。図4に示すように、この通電線12aは、銅芯線30に、断面形状が6つの頂点を有する星形となるような鉛被覆31が施されている。また、このような星形の通電線12aでは、6つの頂点のうちの隣接する頂点の間が凹状に湾曲しているものであることが好ましい。
複数の刺線対12bは、上述したように、通電線12aの長手方向に沿って一対ずつ等間隔に設けられている。隣接する刺線対12b同士の間隔、すなわち2つの刺線対12bの間の距離(ピッチ)は、電流密度に応じて適切な長さに設定される。
また、刺線対12bは、両端が鋭利であってL形に屈曲した2本の刺線から構成される。刺線は、細ければ細いほどコロナ放電の発生が容易となるため、例えば直径3mm程度の太さとすることができる。また、刺線対12bを構成する2本の刺線は、通電線12aを挟んで対向するように、その通電線12aの両側面にそれぞれ固着している。
通電線12aに対する刺線の固着方法としては、特に限定されないが、溶接によって取り付けることが好ましい。これにより、品質面でのばらつきの少ない丈夫な有刺鉄線状の放電線12を簡易に量産することができる。なお、刺線の溶接に際しては、刺線の略中央部を曲げてL形にし、このL形の刺線の略中央部に形成されている屈曲部を通電線12aに溶接する。これにより、刺線が細い場合であっても、刺線の変形を抑止し、複数の刺線対12bを均一な形状に揃えることができる。
[ウエイト]
ウエイト13は、放電極24の下部に接続された構成部材である。また、ウエイト12は、下部グリッド22の上方に位置している。ウエイト12は、上部グリッドから略垂直方向に吊下げられた放電線12に、弛まないだけの張力を持たすようにしている。
ここで、通常状態においては、放電線12に張力を持たせるように接続されたウエイト12は、下部グリッド22に接触しておらず、所定の間隙を持って離れた状態となる。
(3)集塵極における集塵メカニズム
上述したような構成を有する湿式電気集塵装置の集塵極20の所定の集塵極室においては、電極ロッド23に負極の直流高電圧が直接印加され、一方で、放電極24には、その負極の直流高電圧が上部グリッド21を介して印加される。これにより、放電極24側と集塵極20側との間に強力な電流電界が形成され、電圧の上昇に伴って放電極24側からコロナ放電が発生し、その放電極24と集塵極20との間の集塵空間が負イオンと電子とによって満たされる。そして、この集塵空間に、ダストやミストを含む廃ガスが導入されると、そのダストやミストが負に帯電して、静電凝集作用を伴いながらクーロン力により集塵極20に向って移動し、付着する。
なお、図1の筐体内部の構成図に示した、上向きスプレーノズル25は、集塵極20の各集塵極室の四隅の上方に配設されており、洗浄用配管26に流通している洗浄水を、略垂直上向きの方向に微細の霧として噴出させる。これにより、集塵極20に付着したミストやダスト等の微粒子を洗浄除去する。
≪3.放電極のメンテナンス方法≫
さて、例えば上述したような構成を有する、湿式電気集塵装置の放電極24を構成する放電線12は、使用を開始してから数年が経過すると、その放電線12の自励振動等により、数cm程度(例えば5cm程度)伸びることがある。放電線12が伸長すると、例えば図5の模式図に示すように、その数cm程度の伸長により、放電線12に張力を持たせているウエイト13が下部グリッド22に接触して干渉することによって(図5中のXで示す部分)、その放電線12の緊張が解け、その結果として「撓み」が生じる。
このように放電線12の緊張が解けることで撓みが生じると、集塵極20を構成する集塵極板20aに放電線12が接近するようになり、これによりスパークが発生して、電気集塵装置の集塵性能を低下させる。
これまで、上述のように放電線12に撓みが生じた際には、新しい放電線に交換することが必要となっていた。また、撓んだ部分を切断して再加工するというメンテナンスも可能ではあるが、銅芯線の周りに鉛を被覆してなる鉛放電線の場合には、放電線を切断した後に、鉛加工ができる特殊な専門技術を有する作業員により再溶接を施すことが必要となり、いずれの場合であっても、高いメンテナンスコストと労力、時間を要していた。
そこで、本実施の形態においては、湿式電気集塵装置に用いる放電極24を構成する、銅芯線30に鉛の被覆(鉛被覆31)が施されてなる鉛放電線12のメンテナンス方法として、鉛放電線12に撓みが生じた際に、その鉛放電線12の所定の箇所において円形状の輪を形成し、その輪の一部を固定保持することを特徴としている。
具体的には、図6及び図7の模式図に示すように、鉛放電線12に撓みが生じた際に、鉛放電線12を手繰り上げて、例えばウエイト13の近傍において輪15を形成する。そして、形成した輪15の一部を固定手段16により固定保持して、これにより、下部グリッド22に、放電線12の下部に接続されたウエイト13が接触しない状態とする。
形成する輪15の大きさとしては、特に限定されるものではなく、放電線12の伸びた分程度で形成される大きさとすることができる。例えば、直径が1cm〜5cmの円形状の輪とすることができる。
形成した輪15は、その円形状の輪の状態が保持される必要がある。具体的に、その輪の形状を固定保持する手段としては、特に限定されないが、耐食性を有する部材とすることが好ましい。例えば、ポリプロピレンロープ(PPロープ)で固定保持することができる。このようなPPロープによれば、簡易な作業で、形成した輪15を固定することができ、しかも耐食性に優れるため、その後の集塵処理中においても安定的に輪15を保持することができる。
また、輪15を形成する箇所としては、上述したように、ウエイト13の近傍とすることができる。また、放電線12の上部に接続されたリング11の近傍にであってもよい。例えば、放電線12にダスト等が付着している場合には、リング11の近傍に輪15を形成し、放電線12にダスト等が付着していない場合には、放電線12を持ち上げてウエイト13の近傍に輪15を形成するようにすることができる。
ここで、放電線12に撓みが生じた際のメンテナンス方法として、単純に、その放電線12を二重、あるいは三重に“折り曲げ”て、その折り曲げた放電線12を束にして固定する方法も考えられる。このような方法によっても、放電線12が伸長した分を折り曲げて束状にしているため、有効に撓みを解消させることが可能になるとも考えられる。
しかしながら、この放電線12は、銅芯線30に鉛被覆31が施されてなる「鉛放電線」である。そのため、この鉛放電線を束になるように折り曲げた場合、鉛被覆が割れ、被覆していた銅芯線が露出することがある。このように、銅芯線が露出した状態の放電線では、廃ガス中に含まれる腐食成分が直接的に触れてしまうようになり、その結果として、銅芯線が腐食し、集塵効果を低減させるだけでなく、断線を生じさせる。
これに対して、本実施の形態に係るメンテナンス方法によれば、撓みが生じた鉛放電線12の所定の箇所で輪15を形成させるようにしているため、鉛被覆21が割れてしまうことを抑制しながら、効果的に撓みを解消させることができる。
11 リング
11a 貫通孔
12 放電線(鉛放電線)
12a 通電線
12b 刺線対
13 ウエイト
15 輪
16 固定手段
20 集塵極
20a 集塵極板
21 上部グリッド
21a 吊下げ部
22 下部グリッド
23 電極ロッド
24 放電極
25 スプレーノズル
26 洗浄用配管
30 銅芯線
31 鉛被覆

Claims (4)

  1. 湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する、銅芯線に鉛の被覆が施されてなる鉛放電線のメンテナンス方法であって、
    前記湿式電気集塵装置は、集塵極板により囲まれる空間を構成する集塵極と、該集塵極内の空間を略垂直方向に貫通して配設される線状の前記鉛放電線を含む放電極とを備え、
    前記鉛放電線に撓みが生じた際に、
    前記鉛放電線が前記集塵極を構成する前記集塵極板に接近しないように、該鉛放電線の所定の箇所において円形状の輪を形成し、耐食性を有する固定手段により該輪の一部と該鉛放電線の他の部分とを固定保持する
    鉛放電線のメンテナンス方法。
  2. 前記集塵極は、前記集塵極板からなる35cm〜50cmの辺の長さの角筒を単位とする複数の集塵極室を連続して配置して構成され、前記放電線は、前記集塵極板により囲まれる前記集塵極室のそれぞれの内部に配設されており、
    前記輪は、直径が1cm〜5cmの形状である
    請求項1に記載の鉛放電線のメンテナンス方法。
  3. 前記固定手段は、ポリプロピレンロープである
    請求項1又は2に記載の鉛放電線のメンテナンス方法。
  4. 前記放電極は、上部のリングと、前記鉛放電線と、下部のウエイトとにより構成され、
    前記湿式電気集塵装置の本体の筐体内部における下部グリッドに、前記放電極のウエイトが接触することによって該放電極に撓みが生じた際に、
    前記鉛放電線の前記ウエイトの近傍において輪を形成し、前記固定手段により該輪の一部と該鉛放電線の他の部分とを固定保持して、
    前記筐体内部における下部グリッドに、前記ウエイトが接触しない状態とする
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の鉛放電線のメンテナンス方法。
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