JP2016049466A - 湿式電気集塵装置 - Google Patents

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Tsutomu Sekikawa
努 関川
雅美 安部
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【課題】火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電極に対する印加電圧を上昇させるとともに、最低限の電流密度を規定することによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ること。【解決手段】湿式電気集塵装置は、直流高電圧を発生する高電圧発生部と、当該高電圧発生部により発生された直流高電圧が印加される放電極と、当該直流高電圧に基づいて放電極との間に発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極とを備えている。放電極は、電極ロッド及び有刺鉄線状の放電線25により構成され、集塵極に流される電流の電流密度とが規定されており、放電線25の2つの刺線対252との間の距離を示すピッチは、規定された電流密度に応じて設定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、廃ガスからダスト等を除去する湿式電気集塵装置に関する。本発明は、特に、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば65kV以上まで上昇)させるとともに、電流密度を規定(例えば0.1mA/mで規定)することによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることが可能な湿式電気集塵装置に関する。
従来から、湿式電気集塵装置(例えば特許文献1乃至3参照)は、鉱工業における硫酸ミスト処理やアルミニウム精錬排ガス処理のみならず廃棄物焼却プロセス等において発生する廃ガスから、有害なダストやミストを捕集する目的で使用されている。このように、湿式電気集塵装置は、大気汚染防止や環境保全の観点から有用な装置として普及している。
湿式電気集塵装置で処理される被処理廃ガスには、鉛、カドミウム、ヒ素といった有害物質や重金属が含まれている。このため、このような湿式電気集塵装置では、有害物質や重金属を含むダストの集塵効率を高めることが要求される。
湿式電気集塵装置は、一般的に2枚の平板型、或いは円筒状や角筒状等の筒型からなる滑らかな表面を有する集塵極と、当該集塵極内に設けられた線状の放電線を含むように構成されている。
このような湿式電気集塵装置によるダストやミストの除去が行われる際には、放電極側と、接地した集塵極側との間に高電圧が印加される。これにより、放電極側と、接地した集塵極側との間に強力な電流電界が形成され、電圧の上昇に伴って放電極側から旺盛なコロナ放電が発生し、放電極と集塵極との間の集塵空間が負イオンと電子とによって満たされる。この集塵空間に排ガスが導入されると、排ガス中のダストやミストは負に帯電し、静電凝集作用を伴いながらクーロン力により集塵極に向って移動し、集塵極に付着する。付着したダストやミストは、集塵極で負の電荷を失い、集塵極に供給される洗浄水及び自重により集塵極から剥離して落下し、電気集塵装置の外部へ排出される。
このようにして、湿式電気集塵装置は、種々の種類の固体、液体の微粒子等の微細なものまで高い集塵効率をもって捕集することが可能になっている。
このような湿式電気集塵装置では、重金属を含むダストの集塵効率を高めるために、放電極と集塵極との間の印加電圧を高くする手法が知られている。
特開2007−196159号公報 特開2002−119889号公報 特公平6−91965号公報
しかしながら、湿式電気集塵装置の放電極と集塵極電圧との印加電圧を高めていくと、コロナ放電が増大し、ついには火花放電(スパーク)が発生する場合がある。
このような火花放電が発生すると、湿式電気集塵装置の安定した運転を阻害することになる。このため、湿式電気集塵装置の運転中では、洗浄水を噴霧しつつ、火花放電を発生させることのない安定した運転状態を維持することが要求される。
このため、特許文献1乃至3を含め従来の湿式電気集塵装置を用いて、このような要求に応えるためには、印加電圧を抑制して、重金属を含むダストの集塵効率を高めるという要求の方を犠牲にせざるを得ない状況である。例えば、特許文献2によれば、火花放電の発生を抑制するために、印加電圧の実効電圧を40kV乃至60kV程度に止めて、集塵効率を落として運転せざるを得ない状況である。
さらに、このような湿式電気集塵装置の効率を左右するものとして、放電極と集塵極との間の印加電圧以外に、電流も存在する。しかしながら、特許文献1乃至3を含め従来の湿式電気集塵装置では、電流に対する十分な考慮がなされていなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば65kV以上まで上昇)とともに、電流密度を規定(例えば0.1mA/mで規定)することによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることを目的とする。
本発明の一側面の電気集塵装置は、
直流高電圧を発生する高電圧発生部と、
前記高電圧発生部により発生された直流高電圧が印加される放電極と、
前記直流高電圧に基づいて前記放電極との間に発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極と、
を備え、
前記放電極は、電極ロッド及び有刺鉄線状の放電線により構成され、
前記集塵極に流される電流の電流密度とが規定されており、
前記放電線の2つの刺線対との間の距離を示すピッチは、規定された電流密度に応じて設定されている、
ことを特徴とする。
この場合、前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する多角筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成され、前記放電極は、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容されているようにすることができる。
また、前記微粒子は、少なくとも鉛、カドミニウム、砒素、水銀の一種類以上を含む排気ガスから集塵されるようにすることができる。
本発明によれば、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば65kV以上まで上昇)させるとともに、電流密度を規定(例えば0.1mA/mで規定)することによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。 図1の集塵装置本体部の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。 図1の集塵装置の有刺鉄線状の放電線の形状の具体例を示す図である。 図3の通電線の形状の具体例を示す図である。 図1の湿式電気集塵装置の印過電圧と集塵効率との関係を示す図である。 図1の湿式電気集塵装置の電流密度と集塵効率との関係を示す図である。 図1の湿式電気集塵装置の図3の有刺鉄線状の放電線と、電流密度の関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[湿式電気集塵装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。
具体的には、図1(A)及び図1(B)は、湿式電気集塵装置の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略直角の別々の方向からみた断面図である。
湿式電気集塵装置は、集塵装置本体部1と、直流高電圧入力部2と、直流高電圧発生部3を備えている。なお、図示はしないが、その他、直流高電圧発生部3を制御する直流高電圧制御部等が、湿式電気集塵装置の構成要素として適宜設けられる。
集塵装置本体部1には、上部ケーシング11と、側部ケーシングとしても機能する集塵極12と、下部ケーシング13と、架構14と、が設けられている。
上部ケーシング11と、集塵極12と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、集塵装置本体部1の筺体が構成される。集塵装置本体部1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。集塵装置本体部1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRPが採用されている。
図2は、集塵装置本体部1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、集塵装置本体部1の筺体内部には、上部グリッド21と、上述した集塵極12と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28とが設けられている。
上部グリッド21と、集塵極12と、下部グリッド23とは、図2に示すように、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように、配設されている。
集塵極12は、図2に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「室」と呼ぶ)として、複数の「室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極12が構成される。
ここで、NとMとは独立した任意の整数値であり、本実施形態では、図2に示すように、集塵極12の「室」の個数はN×M=9×9個とされている。
また、本実施形態の室は、35〜50cmの長さの辺からなる角筒である。辺の長さが35〜50cmである理由は後述する。
なお、集塵極12の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
このような集塵極12に対する放電極は、本実施形態では、電極ロッド24及び放電線25により構成されている。
電極ロッド24は、図2に示すように、集塵極12の所定の「室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
放電線25は、図2に示すように、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極12の所定の「室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。放電線25はまた、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド23の上部に設けられたウェイト26に接続される。
図3は、本実施形態の有刺鉄線状の放電線25の形状の具体例を示す図である。
放電線25は、線状の通電線251と、この通電線251の一端から他端に亘って1対ずつ設けられた複数の刺線対252とにより構成される。
複数の刺線対252は、通電線251の長手方向に沿って1対ずつ等間隔に設けられている。ここで、隣接する刺線対252同士の間隔、即ち2つの刺線対252との間の距離を、以下「ピッチP」と呼ぶ。ピッチPは、後述するように、集塵極2に対する電流密度に応じて適切な長さに設定される。
図4は、通電線251の形状の具体例を示す図である。
通電線251は、その長手方向に直交する断面形状が、図4(a)に示すように丸形であったり、図4(b)に示すように角形であったり、いかなる形状であってもよいが、図4(c)に示すように星形であることが好ましい。さらに、通電線251の断面形状は、6つの頂点を有する星形であって、隣接する頂点の間が凹状に湾曲しているものがより好ましい。
また、各刺線対252は、両端が鋭利であってL形に屈曲した2本の刺線から構成される。刺線は、細ければ細いほどコロナ放電の発生が容易となるため、本実施形態においては直径3mm程度に形成されている。これら2本の刺線が、通電線251を挟んで対向するように、通電線の両側面にそれぞれ固着している。
通電線251に対する刺線の固着方法は特に限定されないが、溶接によって取り付けるのが好ましい。これにより、品質面でのばらつきの少ない丈夫な有刺鉄線状の放電線25を簡易に量産することができる。
刺線の溶接時には、先ず刺線の略中央部を曲げてL形にし、このL形の刺線の略中央部に形成されている屈曲部を通電線251に溶接する。これにより、刺線が細い場合であっても、刺線の変形を抑止し、複数の刺線対252を均一な形状にそろえることができる。また、刺線と通電線251との取り付けは、通電線251の前述した凹状に湾曲している部分に刺線の屈曲部の凸状に湾曲している部分を合わせるようにして固着させるのが好ましい。
図2に戻り、電極ロッド24には、図1の直流高電圧発生部3により発生されて図1の直流高電圧入力部2を介して供給される負極の直流高電圧が直接印加される。一方、放電線25には、当該負極の直流高電圧が、上部グリッド21を介して印加される。
上向きスプレーノズル27は、集塵極12の各「室」の四隅の上方に配設され、洗浄用配管28に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。これにより、集塵極12に付着したミストやダスト等の微粒子を洗浄除去することが可能になる。
本実施形態の湿式電気集塵装置1では、洗浄水は、上向きスプレーノズル27から微細の霧として略垂直上向き方向に噴出される。これにより、洗浄水の分散がよくなるため、使用される洗浄水の水量を従来使用される水量より減少させることができる。
具体的には、集塵極の面積が126mである場合、従来の湿式電気集塵装置では、150L/minの使用洗浄水量が必要であったものが、本実施形態の湿式電気集塵装置1では、15L/minの使用洗浄水量で済む。
また、スパーク(火花放電)は、放電極の周囲に多量の洗浄水が通過する程発生し易くなる。この点、本実施形態の湿式電気集塵装置1は、従来の湿式電気集塵装置と比較して、使用される洗浄水の水量を大幅に減らすことができるため、スパークの発生を大幅に抑制することができる。
さらに、本実施形態の湿式電気集塵装置1では、洗浄水は微細の霧として噴出されるため、放電極の周囲に通過する際の洗浄水の粒子径は、従来の湿式電気集塵装置のものと比較して小さくなるために、スパークの発生をより一段と抑制することができる。
即ち、上向きスプレーノズル27は、電極ロッド24及び放電線25に印加される負極の直流高電圧の上昇に寄与する構成要素である。
[湿式電気集塵装置の動作]
次に、以上の構成の本実施形態の湿式電気集塵装置の動作について説明する。
集塵極12(図2)が接地された状態で、直流高電圧発生部(図示せず)から発生された負極の直流高電圧Vが平滑化されて、直流高電圧Vcとして放電極に印加される。なお、放電極とは、上述の如く、電極ロッド24及び放電線25(図2)をまとめたものである。
直流高電圧Vcの値が上昇すると、放電極と、その周囲を囲む集塵極12の「室」の各側面との間に負コロナ放電が発生し、その結果、放電極から、集塵極12の「室」の各側面の各々に向かう方向に負イオンが移行するとともに、同方向にイオン風が発生する。
このように、本実施形態の湿式電気集塵装置では、集塵極12の各「室」の内部空間がイオン空間になる。従って、図1に示すように、ミストやダスト等の微粒子を含む気体G1が、湿式電気集塵装置の筺体の下部に供給されて、集塵極12の各「室」の下端の開口部から上端の開口部に向けて流通すると、負イオンの衝突により微粒子が帯電する。
帯電した微粒子は、集塵極12の各「室」内部の直流電界により、放電極から、集塵極12の各「室」の側面の各々に向かう方向に力を受けて移動して、集塵極12の各「室」の側面にそれぞれ付着する。
このようにして、ガスG1から微粒子が除去される。ガスG1から微粒子が除去されたガスG2は、集塵極12の各「室」の上端部から放出され、さらに、図1に示すように、本実施形態の湿式電気集塵装置の筺体の上部から排出される。
図5は、本実施形態の湿式電気集塵装置の印過電圧と集塵効率との関係を示す図である。
図5において、縦軸は集塵効率(%)を示しており、横軸は印加電圧(kV)を示している。
従来の湿式電気集塵装置では、印加電圧は40〜60kV程度であったために、集塵効率は、最大でも99.6%程度であり、砒素(As)にいたっては印加電圧50kVで98%にも到達しないといった、低い値になっている。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵装置では印加電圧Vcを65kV以上(図5の例では80kVまで図示されているが100kV程度まで)上昇することができるので、ダスト、鉛(Pb)、カドニウム(Cd)、及び砒素(As)の何れの集塵効率についても、99.8〜99.9%といった非常に高い値になっている。
[湿式電気集塵装置の集塵効率に寄与する要素]
このように、集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vcを従来より上昇させる(例えば65〜100kV程度に上昇させる)ことで、湿式電気集塵装置の集塵効率を向上させることができる。
ただし、湿式電気集塵装置の集塵効率に寄与する要素は、印加電圧Vcだけではない。このことについて、以下、簡単に説明する。
[湿式電気集塵装置の電流との関係]
さらに、背景技術で上述したように、湿式電気集塵装置の効率を左右するものとして、放電極と集塵極との間の印加電圧Vc以外に、集塵極2に流れる電流も存在する。詳述すれば、印加電圧Vcにより生ずる電界は、ダストやミスト等の粒子の荷電、及び、荷電された粒子(帯電粒子)の集塵極2への輸送に寄与する。一方、電流は、粒子の荷電、及び、粒子の集塵極2への圧着に寄与する。
このため、電圧と電流とのうち少なくとも一方でも不十分であれば、湿式電気集塵装置の集塵効率を大きく低下させることになる。
図6は、本実施形態の湿式電気集塵装置の電流密度と集塵効率との関係を示す図である。
図6において、縦軸は集塵効率(%)を示しており、横軸は電流密度(mA/m2)を示している。
従来の湿式電気集塵装置では、上述したように、電流密度については特に考慮されていなかったため、集塵効率は印加電圧のみに依存することとなり、電流密度の如何によっては集塵効率が低くなっていた。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵装置では電流密度を0.1mA/m2に規定することにより、ダスト、鉛(Pb)、カドニウム(Cd)、及び砒素(As)の何れの集塵効率についても、99.3〜99.9%を超えた非常に高い値を確保することが可能になる。
ここで、電流密度を0.1mA/m2を超えた値に規定することも可能であるが、図6に示すように、0.1mA/m2を超えると集塵効率はほぼ横ばいとなるため、特に0.1mA/m2を超える必要はない。換言すると、電流密度は、0.1mA/m2が好適である。
0.1mA/m2のような高値の電流密度を実現すべく、本実施形態では図1の放電線25の形状は、図3に示すような有刺鉄線状で形成されている。
即ち、印加電圧Vcを高くすると、放電極近傍における電界強度が高くなってイオン化が盛んに行われると同時に、そのイオン化領域も大きくなって発生するイオンの数が増加する。これにより集電効率が高くなるのである。
これと同じ効果を放電極の径を小さくすることにより得ることができる。ところが、放電極をあまり細かくすると断線するおそれがある。このために実際には断面が大きくて機械的強度が高い反面、放電特性から得た等価放電電極径が小さくなるように、本実施形態では図1の放電線25の形状は、図3に示すような有刺鉄線状で形成されているのである。
この点で、放電線25の形状は、有刺鉄線状に限定されず、刃型電極でもよいが、下記に示すように、本実施の形態のように有刺鉄線状にすることで、電流密度を自在に可変設定することができる。
図7は、本実施形態の湿式電気集塵装置の有刺鉄線状の放電線25と、電流密度の関係を示す図である。
図7において、縦軸は電流値(電流密度)(mA/m2)を示しており、横軸はトゲ数を示している。
ここで、トゲとは、線状の通電線251に形成された1つの刺線対252(図3)を意味する。線状の通電線251の長さは一定であるので、トゲ数が多くなることは、ピッチP(図3)が狭くなることを意味する。
図7に示すように、トゲ数を多くするほど、即ちピッチPを狭くするほど、電流値(電流密度)(mA/m2)が大きくなることがわかる。ピッチPを狭めることで、浮遊微粒子の帯電効率が上がるためである。
即ち、印加電圧Vcを65kV以上(図5の例では80kVまで図示されているが100kV程度まで)で一定にした状態で電流密度を可変させたい場合には、ピッチPを変えればよい。
つまり、本実施形態では、電流密度は0.1mA/m2に規定されている。これは、電流密度が0.1mA/m2になるようなピッチPが設定されているからである。従って、規定されている電流密度が変更されれば、規定された電流密度に応じてピッチPの設定も変更される。
ただし、ピッチPを所定の間隔よりも狭めてしまうと、刺線対252を構成する刺線から発する放電電流が隣接する刺線対252同士で干渉し合うこととなる。その結果、放電線1本当たりの放電電流(電流密度)が減少し、結果的に集塵性能が劣化してしまうこととなる。
また、集電効果を顕著なものとするためには、湿式電気集塵装置は、少なくとも鉛、カドミニウム、砒素の一種類以上を含む排気ガスからダストやミストを除去するものであるとよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態の集塵極12としては、開口部が正方形の形状を有する角筒を「室(単位)」とする角筒型集塵極が採用されたが、特にこれに限定されない。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各「室」の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足り、この場合、上向きスプレーノズル27等は、各「室」のN個の角のうち、少なくとも1つの角の周囲に配設させればよい。
1・・・集塵装置本体部
2・・・直流高電圧入力部
3・・・直流高電圧発生部
11・・・上部ケーシング
12・・・集塵極
13・・・下部ケーシング
14・・・架構
21・・・上部グリッド
23・・・下部グリッド
24・・・電極ロッド
25・・・放電線
26・・・ウェイト
27・・・上向きスプレーノズル
28・・・洗浄用配管
251・・・放電線
252・・・刺線対

Claims (3)

  1. 直流高電圧を発生する高電圧発生部と、
    前記高電圧発生部により発生された直流高電圧が印加される放電極と、
    前記直流高電圧に基づいて前記放電極との間に発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極と、
    を備え、
    前記放電極は、電極ロッド及び有刺鉄線状の放電線により構成され、
    前記集塵極に流される電流の電流密度とが規定されており、
    前記放電線の2つの刺線対との間の距離を示すピッチは、規定された電流密度に応じて設定されている、
    ことを特徴とする湿式電気集塵装置。
  2. 前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する多角筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成され、
    前記放電極は、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容されている、
    請求項1に記載の湿式電気集塵装置。
  3. 前記微粒子は、少なくとも鉛、カドミニウム、砒素の一種類以上を含む排気ガスから集塵される、
    請求項1又は2に記載の湿式電気集塵装置。
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