JP6743731B2 - 透明導電性フィルム積層体、透明導電性フィルムの製造方法およびタッチセンサーパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
前記フィルム基材および前記保護フィルムの少なくとも一方は、幅手方向の一方の最端部および他方の最端部からそれぞれ前記幅手方向の内側100mmまでの各端部領域における前記粘着剤層側の面に、凹凸部を有しており、
前記各端部領域における前記凹凸部の表面の実効粗さRxは、0.1〜20μmであり、
前記粘着剤層は、前記幅手方向において、一方の端部領域の凹凸部と、他方の端部領域の凹凸部との間で、前記一方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置から、前記他方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置にわたって設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム積層体。
前記透明導電性フィルム積層体から前記保護フィルムを剥離して透明導電性フィルムを取得する工程とを含むことを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
図1は、本実施形態のタッチパネル表示装置1の概略の構成を示す断面図である。タッチパネル表示装置1は、表示部2上にタッチセンサーパネル3を有して構成されている。表示部2は、例えば液晶表示装置で構成されているが、OLED(Organic light-Emitting Diode)とも呼ばれる有機EL(Electro-Luminescence)表示装置など、他の表示装置で構成されていてもよい。
図2は、透明導電性フィルム積層体10の一構成例を示す断面図である。透明導電性フィルム積層体10は、保護フィルム14上に透明導電性フィルム12を有している。透明導電性フィルム12は、保護フィルム14側から、粘着剤層15、フィルム基材16および透明導電膜17をこの順で有している。なお、透明導電性フィルム12は、フィルム基材16の少なくとも一方の面に硬化樹脂層を有する構成であってもよい。
図3は、透明導電性フィルム積層体10を用いてタッチセンサーパネル3を製造する製造工程の流れを示すフローチャートである。タッチセンサーパネル3の製造方法は、透明導電性フィルム製造工程(S1)と、積層工程(S2)とを含む。
以下、上記した透明導電性フィルム積層体10の詳細な構成について、図2に基づいて説明する。なお、本実施形態の透明導電性フィルム積層体10は長尺状であり、フィルム面内で長手方向に垂直な方向を幅手方向とする。また、透明導電性フィルム積層体10を構成する各フィルム(透明導電性フィルム12、保護フィルム14、フィルム基材16)についても同様に、フィルム面内で長手方向に垂直な方向を幅手方向とする。なお、長尺状の透明導電性フィルム積層体10は、巻芯に巻き取られた状態で保管または搬送されるため、各フィルムの幅手方向は、透明導電性フィルム積層体10を巻き取ったときの巻芯方向に沿う方向であるとも言える。
図5は、透明導電性フィルム積層体10の他の構成を示す断面図である。透明導電性フィルム積層体10において、保護フィルム14およびフィルム基材16のうち、フィルム基材16のみが、凹凸部16Pを有していてもよい。つまり、フィルム基材16は、第1の端部領域R1における粘着剤層15側の面16aに、第1の凹凸部16P1を有し、第2の端部領域R2における粘着剤層15側の面16aに、第2の凹凸部16P2を有していてもよい。この場合、フィルム基材16が幅手方向に熱収縮しようとしても、第1の凹凸部16P1および第2の凹凸部16P2が粘着剤層15の端部に衝突してフィルム基材16の熱収縮を物理的に抑えることができるため、フィルム基材16の熱収縮による透明導電性フィルム積層体10のカールを抑えることができる。
次に、透明導電性フィルム積層体を構成する各層の材料等について説明する。
(フィルム基材)
フィルム基材は、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。当該プラスチックフィルムは、例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、フィルム基材は、シクロオレフィン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成されることが、光学特性の制御が容易な点で好ましい。
透明導電膜の構成材料は、無機物を含む限り特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が好適に用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えば酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズ(ATO)などが好ましく用いられる。
粘着剤層としては、透明性を有するものであれば特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性および接着性等の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性等にも優れるという点からは、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
保護フィルムは、ロールによる巻き取りなどの取り扱い性等を考慮して、非晶性樹脂で形成されることが好ましい。非晶性樹脂としては、特に限定されないが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましく、ポリカーボネート、シクロオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートスチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。熱処理工程後のカール発生を抑制し、寸法安定性を向上させる観点から、前述したフィルム基材のようなシクロオレフィン系樹脂やポリカーボネート系樹脂などが好ましい。
上記したフィルム基材および保護フィルム(以下、まとめて「光学フィルム」とも記載する)は、例えば溶液流延製膜法によって製造することができる。図9は、本実施形態の光学フィルムの製造装置31の概略の構成を示す説明図であり、図10は、上記光学フィルムの製造工程の流れを示すフローチャートである。本実施形態の光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法によって光学フィルムを製造する方法であり、攪拌調製工程(S31)、流延工程(S32)、剥離工程(S33)、第1乾燥工程(S34)、延伸工程(S35)、第2乾燥工程(S36)、切断工程(S37)、エンボス加工工程(S38)、巻取工程(S39)を含む。以下、各工程について説明する。
攪拌調製工程では、攪拌装置50の攪拌槽51にて、少なくとも樹脂および溶媒を攪拌し、支持体33(エンドレスベルト)上に流延するドープを調製する。上記樹脂として、例えばシクロオレフィン系樹脂やポリカーボネート系樹脂を用いることができる。溶媒としては、良溶媒および貧溶媒の混合溶媒を用いることができる。なお、良溶媒とは、樹脂を溶解させる性質(溶解性)を有する有機溶媒を言い、1,3−ジオキソラン、THF(テトラヒドロフラン)、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル、塩化メチレン(ジクロロメタン)などがこれに相当する。一方、貧溶媒とは、単独では樹脂を溶解させる性質を有していない溶媒を言い、メタノールやエタノールなどがこれに相当する。
流延工程では、攪拌調製工程で調製されたドープを、加圧型定量ギヤポンプ等を通して、導管によって流延ダイ32に送液し、無限に移送する回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体33上の流延位置に流延ダイ32からドープを流延する。そして、流延したドープを支持体33上で乾燥させて、流延膜35(ウェブ)を形成する。流延ダイ32の傾き、すなわち、流延ダイ32から支持体33へのドープの吐出方向は、支持体33の面(ドープが流延される面)の法線に対する角度で0°〜90°の範囲内となるように適宜設定されればよい。
上記の流延工程にて、支持体33上で流延膜35が剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化あるいは冷却凝固させた後、剥離工程では、流延膜35を、自己支持性を持たせたまま剥離ロール34によって剥離する。
(ウェブの加熱処理後質量)×100
ここで、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
支持体33から剥離された流延膜35は、乾燥装置36にて乾燥される。乾燥装置36内では、側面から見て千鳥状に配置された複数の搬送ロールによって流延膜35が搬送され、その間に流延膜35が乾燥される。乾燥装置36での乾燥方法は、特に制限はなく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いて流延膜35を乾燥させる。簡便さの点から、熱風で流延膜35を乾燥させる方法が好ましい。なお、第1乾燥工程は、必要に応じて行われればよい。
延伸工程では、乾燥装置36にて乾燥された流延膜35を、テンター37によって延伸する。このときの延伸方向としては、フィルム搬送方向(MD方向;Machine Direction)、フィルム面内で上記搬送方向に垂直な幅手方向(TD方向;Transverse Direction)、これらの両方向、のいずれかである。延伸工程では、流延膜35の両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が、フィルムの平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。なお、テンター37内では、延伸に加えて乾燥を行ってもよい。延伸工程において、流延膜35をMD方向およびTD方向の両方向に延伸することにより、流延膜35をMD方向およびTD方向に対して斜めに交差する方向に延伸(斜め延伸)することもできる。
テンター37にて延伸された流延膜35は、乾燥装置38にて乾燥される。乾燥装置38内では、側面から見て千鳥状に配置された複数の搬送ロールによって流延膜35が搬送され、その間に流延膜35が乾燥される。乾燥装置38での乾燥方法は、特に制限はなく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いて流延膜35を乾燥させる。簡便さの点から、熱風で流延膜35を乾燥させる方法が好ましい。
乾燥装置38と巻取装置41との間には、切断部39およびエンボス加工部40がこの順で配置されている。切断部39では、製膜された光学フィルムFを搬送しながら、その幅手方向の両端部を、スリッターによって切断する切断工程が行われる。光学フィルムFにおいて、両端部の切断後に残った部分は、フィルム製品となる製品部を構成する。一方、光学フィルムFから切断された部分は、シュータにて回収され、再び原材料の一部としてフィルムの製膜に再利用される。
最後に、エンボス加工が終了した光学フィルムFを、巻取装置41によって巻き取り、光学フィルムFの元巻(フィルムロール)を得る。すなわち、巻取工程では、光学フィルムFを搬送しながら巻芯に巻き取ることにより、フィルムロールが製造される。光学フィルムFの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。光学フィルムFの巻長は、1000〜7200mであることが好ましい。また、その際の幅は1000〜3200mm幅であることが好ましく、膜厚は10〜150μmであることが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。
<保護フィルムP−1の作製>
(ドープの調製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解した後、平均孔径34μmの濾紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターで濾過してシクロオレフィン重合体溶液を調製した。
〈ドープ組成〉
シクロオレフィン重合体(JSR社製「アートン」(登録商標)) 150質量部
ジクロロメタン 380質量部
〈微粒子分散液〉
微粒子(アエロジルR812:日本アエロジル社製、一次平均粒子径:7nm、見掛け比重50g/L) 4質量部
ジクロロメタン 76質量部
シクロオレフィン重合体溶液 10質量部
上記で調製した製膜用ドープを、次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルト支持体の温度は、28℃に制御した。
上記した保護フィルムP−1の作製と同様の方法で、フィルム基材F−1を作製した。
通常の溶液重合法により、ノルマルブチルアクリレート/アクリル酸=100/6(重量比)にて、重量平均分子量50万のアクリルポリマーを合成した。このアクリルポリマー100重量部に対し、エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学社製 商品名「テトラッドC(登録商標)」)6重量部を添加して、アクリル粘着剤を作製した。
その後、積層フィルムL−1を巻き取り式スパッタ装置に投入し、フィルム基材F−1の表面に、厚みが27nmの非晶質のインジウム・スズ酸化物層(組成:SnO2 10wt%;以下、ITOとも称する)を成膜して、透明導電性フィルム積層体B−1を作製した。より詳しくは、積層フィルムL−1をグロー放電して前処理した後、マグネトロン式スパッタ装置の真空槽内に、ITOターゲットに対峙して配置し、空気をアルゴンに完全置換して得た真空度2×10−3トールの環境下、印加電圧DC9kWで1m/minでスパッタ蒸着を行った。次いで、特開平11-243296号公報の段落〔0046〕〜〔0050〕を参照して、フィルム基材F−1上にITOの導電層を形成し、透明導電性フィルム積層体B−1を得た。なお、透明導電性フィルム積層体B−1において、D=0mmである。
製膜時のエンボスロールを変更して、形成する凹凸の表面の実効粗さRxを0.5μmに変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−2およびフィルム基材F−2を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−2およびフィルム基材F−2にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−2を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−2に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−2を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−2において、D=0mmである。
製膜時のエンボスロールを変更して、形成する凹凸の表面の実効粗さRxを10μmに変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−3およびフィルム基材F−3を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−3およびフィルム基材F−3にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−3を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−3に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−3を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−3において、D=0mmである。
製膜時のエンボスロールを変更して、形成する凹凸の表面の実効粗さRxを20μmに変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−4およびフィルム基材F−4を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−4およびフィルム基材F−4にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−4を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−4に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−4を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−4において、D=0mmである。
製膜時のエンボスロールを変更して、凹凸部の形成領域を、フィルム最端部より幅手方向の内側に5〜10mmの領域に変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−5およびフィルム基材F−5を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−5およびフィルム基材F−5にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−5を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−5に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−5を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−5において、D=0mmである。
保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1の各凹凸部に対する粘着剤層の幅手方向の離間距離Dが、それぞれ10mmとなるように、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を粘着剤層を介して貼り合わせた以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−6を作製した。そして、積層フィルムL−1を積層フィルムL−6に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−6を作製した。
製膜時のエンボスロールを変更して、凹凸部の形成領域を、フィルム最端部より幅手方向の内側に5〜100mmの領域に変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−7およびフィルム基材F−7を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−7およびフィルム基材F−7にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−7を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−7に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−7を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−7において、D=0mmである。
シクロオレフィン重合体をポリカーボネート系樹脂に変更してドープを調製し、製膜を行った以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−8を作製した。そして、保護フィルムP−1を保護フィルムP−8に変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−8を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−8に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−8を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−8において、D=0mmである。
エンボスロールによるエンボス加工を省略した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、フィルム幅手方向の両端に凹凸を有さないフィルム基材F−9を作製した。そして、フィルム基材F−1をフィルム基材F−9に変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−9を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−9に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−9を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−9において、D=0mmである。ただし、上記Dの値は、保護フィルムP−1側に形成された凹凸部と粘着剤層との距離である。
実施例2のフィルム基材F−2を実施例9のフィルム基材F−9(凹凸部なし)に変更した以外は、積層フィルムL−2の作製と同様にして、積層フィルムL−10を作製した。そして、積層フィルムL−2を積層フィルムL−10に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−2の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−10を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−10において、D=0mmである。ただし、上記Dの値は、保護フィルムP−2側に形成された凹凸部と粘着剤層との距離である。
実施例3のフィルム基材F−3を実施例9のフィルム基材F−9(凹凸部なし)に変更した以外は、積層フィルムL−3の作製と同様にして、積層フィルムL−11を作製した。そして、積層フィルムL−3を積層フィルムL−11に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−3の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−11を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−11において、D=0mmである。ただし、上記Dの値は、保護フィルムP−3側に形成された凹凸部と粘着剤層との距離である。
実施例5のフィルム基材F−5を実施例9のフィルム基材F−9(凹凸部なし)に変更した以外は、積層フィルムL−5の作製と同様にして、積層フィルムL−12を作製した。そして、積層フィルムL−5を積層フィルムL−12に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−5の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−12を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−12において、D=0mmである。
実施例1のフィルム基材F−1の表裏を逆にし、このフィルム基材F−1を、凹凸部とは反対側の面が保護フィルムP−1側となるように、粘着剤層を介して保護フィルムP−1と貼り合わせた以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−13を作製した。そして、積層フィルムL−1を積層フィルムL−13に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−13を作製した。すなわち、透明導電性フィルム積層体B−13は、図8の構成に対応するものである。なお、透明導電性フィルム積層体B−13において、D=0mmである。ただし、上記Dの値は、保護フィルムP−1側に形成された凹凸部と粘着剤層との距離である。
製膜時のエンボスロールを変更して、形成する凹凸の表面の実効粗さRxを0.05μmに変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−21およびフィルム基材F−21を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−21およびフィルム基材F−21にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−21を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−21に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−21を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−21において、D=0mmである。
製膜時のエンボスロールを変更して、形成する凹凸の表面の実効粗さRxを50μmに変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−22およびフィルム基材F−22を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−22およびフィルム基材F−22にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−22を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−22に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−22を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−22において、D=0mmである。
保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1の各凹凸部に対する粘着剤層の幅手方向の離間距離Dが、それぞれ50mmとなるように、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を粘着剤層を介して貼り合わせた以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−23を作製した。そして、積層フィルムL−1を積層フィルムL−23変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−23を作製した。
製膜時のエンボスロールを変更して、凹凸部の形成領域を、フィルム最端部より幅手方向の内側に5〜200mmの領域に変更した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、保護フィルムP−24およびフィルム基材F−24を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−24およびフィルム基材F−24にそれぞれ変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−24を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−24に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−24を作製した。なお、透明導電性フィルム積層体B−24において、D=0mmである。
エンボスロールによるエンボス加工を省略した以外は、保護フィルムP−1の作製と同様にして、フィルム幅手方向の両端に凹凸を有さない保護フィルムP−25およびフィルム基材F−9を作製した。そして、保護フィルムP−1およびフィルム基材F−1を、保護フィルムP−25およびフィルム基材F−9に変更した以外は、積層フィルムL−1の作製と同様にして、積層フィルムL−25を作製した。また、積層フィルムL−1を積層フィルムL−25に変更した以外は、透明導電性フィルム積層体B−1の作製と同様にして、透明導電性フィルム積層体B−25を作製した。
[カール性]
上記で作製した各透明導電性フィルム積層体において、タッチセンサーパネルに組み込むときに実用上の問題が生じる程度の曲がり(カール)が発生しているかどうかを調べた。具体的には、各透明導電性フィルム積層体において、粘着剤層のない部分を切り落とした後、温度25℃、湿度60%RHの環境で、水平の台に対して透明導電性フィルム積層体の四隅がせり上がった高さを測定してこれらの平均値を算出し、以下の評価基準に基づいて、カールの度合いを評価した。
≪評価基準≫
3:水平の台に対して、透明導電性フィルム積層体のせり上がった高さが、2mm未満である。
2:水平の台に対して、透明導電性フィルム積層体のせり上がった高さが、2mm以上5mm未満である。
1:水平の台に対して、透明導電性フィルム積層体のせり上がった高さが、5mm以上である(許容範囲外である)。
(タッチパネル表示装置の作製)
上記の手法で、透明導電性フィルム積層体を各実施例および各比較例ごとに2つずつ作製し、各透明導電性フィルム積層体から保護フィルムを剥離して、2枚の透明導電性フィルムを作製した。そして、図1で示すように、ガラス基板上に、透明導電性フィルム、光学粘着フィルム、透明導電性フィルムの順に積層して、タッチセンサーパネルを作製した。
得られたタッチパネル表示装置に対し、打鍵試験機202型−950−2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて打鍵試験を行った。この打鍵試験は、打鍵速度を2Hz、荷重150gの条件で、カバーガラス(ガラス基板)側の上方から入力ペンを1万5000回押し当てて行った。なお、入力ペンのペン先材料はポリアセタールで、Rは0.8mmであった。そして、打鍵試験前後のタッチパネル表示装置の端子間抵抗値を測定し、抵抗値の変化率を下記評価基準に基づいて評価した。
≪評価基準≫
5:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が、0.1%未満である。
4:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が、0.1%以上0.5%未満である。
3:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が、0.5%以上1%未満である。
2:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が、1%以上であり、許容範囲外である。
1:打鍵後の表面抵抗値が断線のため測定できない。
打鍵試験後のタッチパネル表示装置を表示にした状態において、評価者がタッチパネル画面の左端から右端へ指でなぞり、ポインターが下記評価基準に基づいて動作したかを、以下の評価基準に基づいて評価した。
≪評価基準≫
3:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中100回応答した。
2:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中99回応答した。
1:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中98回以下応答した(許容範囲外である)。
上記で作製した各透明導電性フィルム積層体において、タッチセンサーパネルに組み込む時点で得られる使用可能な領域の収率を調べた。具体的には、各透明導電性フィルム積層体において、粘着剤層のない部分および凹凸のある部分を切り落とす前と後のフィルム幅より収率を算出し、以下の評価基準に基づき評価した。すなわち、収率(%)=(切り落とし後のフィルム幅)/(切り落とし前のフィルム幅))×100である。
≪評価基準≫
○:収率が90%以上である。
△:収率が85%以上90%未満である。
×:収率が85%未満である。
10 透明導電性フィルム積層体
12 透明導電性フィルム
13 光学粘着フィルム(接着層)
14 保護フィルム
14a 面
14P 凹凸部
14P1 第1の凹凸部
14P2 第2の凹凸部
15 粘着剤層
16 フィルム基材
16a 面
16P 凹凸部
16P1 第1の凹凸部
16P2 第2の凹凸部
17 透明導電膜
R1 第1の端部領域
R2 第2の端部領域
Claims (5)
- 保護フィルム上に、粘着剤層、フィルム基材および透明導電膜をこの順で有する透明導電性フィルム積層体であって、
前記フィルム基材および前記保護フィルムの少なくとも一方は、幅手方向の一方の最端部および他方の最端部からそれぞれ前記幅手方向の内側100mmまでの各端部領域における前記粘着剤層側の面に、凹凸部を有しており、
前記各端部領域における前記凹凸部の表面の実効粗さRxは、0.1〜20μmであり、
前記粘着剤層は、前記幅手方向において、一方の端部領域の凹凸部と、他方の端部領域の凹凸部との間で、前記一方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置から、前記他方の端部領域の凹凸部との離間距離が0〜10mmとなる位置にわたって設けられていることを特徴とする透明導電性フィルム積層体。 - 前記フィルム基材が、前記粘着剤層側の面に前記凹凸部を有していることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム積層体。
- 前記フィルム基材および前記保護フィルムは、同種の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性フィルム積層体。
- 請求項1から3のいずれかに記載の透明導電性フィルム積層体の前記透明導電膜を加工する加工工程と、
前記透明導電性フィルム積層体から前記保護フィルムを剥離して透明導電性フィルムを取得する工程とを含むことを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。 - 請求項4に記載の製造方法によって製造された透明導電性フィルムを2枚用い、各透明導電性フィルムの透明導電膜が接着層側となるように、透明基板上に、一方の透明導電性フィルム、前記接着層、他方の透明導電性フィルムをこの順で積層する工程を含むことを特徴とするタッチセンサーパネルの製造方法。
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