JP6742860B2 - 振動型アクチュエータ及び電子機器 - Google Patents

振動型アクチュエータ及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6742860B2
JP6742860B2 JP2016163730A JP2016163730A JP6742860B2 JP 6742860 B2 JP6742860 B2 JP 6742860B2 JP 2016163730 A JP2016163730 A JP 2016163730A JP 2016163730 A JP2016163730 A JP 2016163730A JP 6742860 B2 JP6742860 B2 JP 6742860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrating
vibrating body
vibration
type actuator
fpc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016163730A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018033233A (ja
JP2018033233A5 (ja
Inventor
悠希 新里
悠希 新里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016163730A priority Critical patent/JP6742860B2/ja
Publication of JP2018033233A publication Critical patent/JP2018033233A/ja
Publication of JP2018033233A5 publication Critical patent/JP2018033233A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6742860B2 publication Critical patent/JP6742860B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

本発明は、動型アクチュエータ及び電子機器に関し、特に、振動型アクチュエータを構成する振動体へ給電を行うと共に振動体を支持する構成に関する。
圧電素子と弾性体とを接合してなる振動体に被駆動体を加圧接触させ、圧電素子への交流電圧の印加によって振動体に振動を励起して被駆動体へ摩擦駆動力を与えることで、振動体と被駆動体とを相対的に移動させる振動型アクチュエータが知られている。振動型アクチュエータの小型化を図るための振動体の支持方法として、振動体への給電を行うフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)に振動体を支持する支持機能を持たせる構成が特許文献1に提案されている。
図10は、特許文献1に記載された振動型アクチュエータを構成する振動体950の支持構造を示す平面図である。FPC952は、FPC952の長手方向に所定の間隔で設けられた2カ所の固定部952cにおいて不図示の筐体等に固定される。振動体950は、2カ所の固定部952cの略中央部において、FPC952に取り付けられている。FPC952が有する導通部材952dの延出方向は、2カ所の固定部952cを結ぶ方向と略平行となっている。
ここで、摩擦駆動力を取り出す振動型アクチュエータにおいて、振動体950が小型化され、要求される駆動力が小さくなるにしたがって、振動体950と不図示の被駆動体との加圧接触に必要な加圧力は小さくなる。その結果、FPC952の支持部(2カ所の固定部952cの間の部分)に必要とされる剛性は小さくなる。また、FPC952では、固定部952cから振動体950までの距離を短くすることで、振動体950と被駆動体とを加圧接触させる加圧力に対するばね定数を大きくすることができる。よって、FPC952は、金属部材よりも剛性が低いが、十分に振動体950を支持する支持部材として機能させることができる。
また、給電部材であるFPC952が支持部材として機能しており、給電部材の他に支持部材を設ける必要がないため、振動型アクチュエータを構成する部品点数を削減することができる。更に、FPC952の支持部に対して作用する加圧力の作用方向の剛性やこの作用方向と直交する軸の回転方向の剛性は十分に低いため、被駆動体の接触面に対して振動体950の接触面の位置が倣うことで、接触面での加圧ムラを小さくすることができる。こうして、不図示の筐体の構造を含めて振動型アクチュエータの小型化を図ることができると共に、振動体950を安定して支持することができる。
特開平9−233868号公報
FPC952は、主に、樹脂系フィルムからなるベース部材と金属系の導通部材952dにより構成されており、これら2つの部材の剛性差は大きい。そのため、振動体950をFPC952で支持した場合に、振動体950に付与される加圧力が原因で導通部材952dに応力が集中し、導通部材952dが断線することで給電不良が発生するおそれがある。特に、FPC952における振動体950との接合部と固定部952cとの間の支持部には応力が集中しやすく、支持部において導通部材952dに断線が生じるおそれがある。
また、振動体950を小型化するにしたがって、振動体950の断面2次モーメントは小さくなる。こうして振動体950の剛性が小さくなって、銅箔等からなる導通部材952dの剛性と振動体950の剛性とが近づくと、振動体950の形状によって決まる振動モードのモード形状や共振周波数に対する導通部材952dの影響が大きくなる。よって、振動体950の駆動に、導通部材952dの構成を加味する必要が生じる。また、例えば、FPC952が応力を受けることでFPC952に伸び等の変形が生じると、導通部材952dも同様に変形してしまうことで、振動体950の振動状態も変化してしまい、所望の駆動性能が得られなくなるおそれがある。
本発明は、振動型アクチュエータの駆動に際して給電不良の発生を抑制すると共に安定した駆動特性を得るための技術を提供することを目的とする。
本発明に係る振動型アクチュエータは、電気−機械エネルギ変換素子と弾性体を有する振動体と、前記振動体を支持する支持部材と、前記振動体と接触する接触体と、を備え、前記支持部材は、前記振動体と接合される振動部と、導通部材を含み、所定位置に固定される複数の第1固定部と、前記振動部から前記第1固定部に向かう方向とは異なる方向に設けられ複数の第2固定部と、前記振動部と前記複数の第1固定部とを連結する複数の第1支持部と、前記振動部と前記複数の第2固定部とを連結する複数の第2支持部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、給電不良の発生を抑制することができ、また、安定した振動特性が得られる振動型アクチュエータを提供することができる。
第1実施形態に係る振動型アクチュエータの概略斜視図と、振動型アクチュエータを構成する振動体の概略斜視図である。 第1実施形態に係る振動型アクチュエータの振動体に励起される振動モードと圧電素子の電極構造を説明する図である。 第1実施形態に係る振動型アクチュエータの側面図と裏面図である。 振動型アクチュエータ構成する振動体に励起される別の振動モードを説明する斜視図である。 第2実施形態に係る振動型アクチュエータの概略構成を示す図である。 第3実施形態に係る振動型アクチュエータの概略構成を示す図である。 第4実施形態に係る振動型アクチュエータの概略構成を示す図である。 振動型アクチュエータを備える顕微鏡の外観斜視図である。 振動型アクチュエータを備える撮像装置の概略平面図とブロック図である。 従来の振動体の支持構造を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。最初に本発明の第1実施形態について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る振動型アクチュエータ10の概略構成を示す斜視図である。図1(b)は、振動型アクチュエータ10を構成する振動体11の概略構成を示す斜視図である。振動型アクチュエータ10は、被駆動体2、振動体11、FPC(フレキシブルプリント基板)12及び裏打ち材13を有する。振動体11は、弾性体11a、圧電素子11b及び突起部11cを有する。説明の便宜上、図1に示す互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定める。Y軸方向は、2つの突起部11cを結ぶ方向である。Z軸方向は、突起部11cの突出方向であり、弾性体11a及び圧電素子11bの厚み方向である。X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向の両方向と直交する方向であり、被駆動体2が振動体11により摩擦駆動されることにより、被駆動体2と振動体11とが相対的に移動する方向である。
圧電素子11bに対する給電を行う給電部材であるFPC12は、Z軸方向において、2層のシート状部材であるベース部材に導通部材12dが狭まれた構造を有している。例えば、ベース部材にはシート状のポリイミドフィルム等の樹脂材料が用いられ、導通部材12dには銅箔等の金属材料が用いられる。FPC12は略十字形状を有しており、FPC12の一方の面におけるY軸方向端の2カ所と、X軸方向端の1カ所と、このX軸方向端から所定の間隔を設けた1カ所の合計4カ所には、補強部材である裏打ち材13が固定されている。FPC12の他方の面のX軸方向において2つの裏打ち材13が固定されている位置の略中央、且つ、Y軸方向において2つの裏打ち材13が固定されている位置の略中央となる位置には、振動体11が固定されている。なお、FPC12の構成の詳細については後述する。
振動体11は、裏打ち材13を介してFPC12が基台3に固定されることにより基台3に支持されている。基台3は、振動型アクチュエータ10が搭載される不図示の電子機器の筐体等を構成する部品である。このように、振動型アクチュエータ10では、FPC12は、圧電素子11bに対して給電を行う給電部材としての機能に加えて、振動体11を支持する支持部材としての機能を兼ね備えている。そのため、振動体11を支持するための別の部品が不要となることで、部品点数や組立工数を減らすことが可能となる。なお、裏打ち材13を介してFPC12を基台3に固定する方法は、特に限定されるものではなく、接着剤による固定、押さえ板による挟み込み、ボルト締結、カシメ等の周知の方法を用いることができる。
略矩形で平板状の弾性体11aには、例えば、マルテンサイト系のステンレス鋼であるSUS420J2等の金属材料が好適に用いられる。弾性体11aの一方の面には、電気−機械エネルギ変換素子である圧電素子11bが接合されている。圧電素子11bにおける弾性体11aとの接合面の反対側の面にはFPC12が接合されており、こうして振動体11はFPC12に支持されている。『略矩形』とは、実質的に矩形とみなすことができることをいい、部品公差や組立誤差等によって、厳密に矩形状であることを必要としないことをいう。
2つの突起部11cは、弾性体11aにおいて圧電素子11bが接合されている面の反対側の面において、Y軸方向に所定の間隔で、圧電素子11bに向かわないZ軸方向に突出するように設けられている。突起部11cの先端は、被駆動体2と加圧接触する。なお、図1(a)には、振動体11の少なくとも一部を図示するために、便宜上、被駆動体2と突起部11cとを離した状態を示している。突起部11cと被駆動体2を加圧接触させる方法としては、被駆動体2から突起部11cに対して加圧力(弾性力)を与える方法、FPC12から振動体11を介して被駆動体2に加圧力を与える方法のいずれを用いてもよい。また、被駆動体2と弾性体11aとの間に磁気回路を形成し、弾性体11aと被駆動体2とを磁力により互いに引き寄せ合わせることで、突起部11cと被駆動体2を加圧接触させることもできる。
突起部11cの先端には、所望の摩擦係数を有し、耐摩耗性に優れた接触部を設けることが望ましい。例えば、突起部11cを曲げ加工により弾性体11aと一体的に形成した後、熱処理や表面研磨を施すことにより、所望の摩擦係数と耐摩耗性を備える接触部を形成することができる。なお、突起部11cの形成方法は、特に限定されるものではなく、エッチング加工やメッキ加工による形成方法や、弾性体11aとは別部材として準備して弾性体11aに溶接等で固定する方法等を用いることができる。弾性体11a、突起部11c及び接触部を一体的に形成した場合には、これらを別々に形成して接合等する場合に比べて、組立工数を減らすことができ、また、突起部11cの位置合わせを行う必要がなくなることで部品間のばらつきを抑制することができる。
振動型アクチュエータ10では、振動体11に2つの曲げ振動モードを所定の位相差で励起することにより、ZX面内で同一方向に軌跡を描く楕円運動を突起部11cの先端(接触部)に生じさせて、被駆動体2を突起部11cにより摩擦駆動する。2つの曲げ振動モードの共振周波数のうち高い方の共振周波数を“fa”とし、2つの曲げ振動モードの共振周波数差を“Δf”とする。この場合に、振動体11の形状は、2つの曲げ振動モードの共振周波数を近付けて、共振周波数差Δfが所望の値となるように決定される。具体的には、振動体11の長手方向(Y軸方向)、短手方向(X軸方向)及び厚み方向(Z軸方向)のそれぞれの寸法設定によって、2つの曲げ振動モードの共振周波数差Δfを所望の値に近付ける。本実施形態では、振動体11の形状は、共振周波数差Δfが“0<Δf<fa×0.15”の関係を満たすように形成されている。
図2(a)は、振動体11に励起される2つの曲げ振動モードのうちの1つである第1の曲げ振動モードを説明する斜視図である。第1の曲げ振動モードでは、節線Y1,Y2が生じる。第1の曲げ振動モードは、振動体11のXY平面に対する面外方向(Z軸方向)の振動であるため、節線Y1,Y2とは、振動体11において実質的にZ軸方向の振動変位が生じない部分を指す。2つの突起部11cは、第1の曲げ振動モードで腹となる位置に設けられており、そのため、振動体11に第1の曲げ振動モードを励起したときに2つの突起部11cの先端には同位相でZ軸方向に往復運動する振動が生じる。
図2(b)は、振動体11に励起される2つの曲げ振動モードのうちの1つである第2の曲げ振動モードを説明する斜視図である。第2の曲げ振動モードでは、節線X1,X2,Y3が生じる。第2の曲げ振動モードもまた、振動体11のXY平面に対する面外方向(Z軸方向)の振動であるため、節線X1,X2,Y3とは、振動体11において実質的にZ軸方向の振動変位が生じない部分を指す。2つの突起部11cは、第2の曲げ振動モードの節線Y3上に設けられており、そのため、振動体11に第2の曲げ振動モードを励起したときに2つの突起部11cの先端には同位相でX軸方向に往復運動する振動が生じる。
図2(c)は、圧電素子11bに設けられた電極パターンの平面図である。圧電素子11bは、圧電セラミックス等からなる略矩形で板状の圧電体の各面に電極が形成され、圧電体が所定の方向に分極されたものであり、電気−機械エネルギ変換素子の一例である。図2(c)に示す電極パターンは、圧電素子11bにおけるFPC12との接合面に設けられており、圧電素子11bにおける弾性体11aとの接合面には不図示の共通電極(GND電極)が設けられている。
圧電素子11bにおけるFPC12との接合面には、第2の曲げ振動モードの振動が励起されたときに生じる節線Y3を境界して、X軸方向に2分割されたA相電極部11b1とB相電極部11b2が形成されている。また、圧電素子11bにおけるFPC12との接合面の略中央部には、GND電極部11b3が形成されている。GND電極部11b3は、圧電素子11bにおける弾性体11aとの接合面に設けられた共通電極と圧電体をZ軸方向に貫通する不図示のスルーホールを介して電気的に接続されている。A相電極部11b1とB相電極部11b2とが設けられている部分の圧電体は、Z軸方向の同じ向きに分極処理されている。なお、圧電素子11bにおける弾性体11aとの接合面に形成された共通電極に対する導通は、弾性体11aの表面から取り出してもよい。
A相電極部11b1に印加する交流電圧V1とB相電極部11b2に印加する交流電圧V2の電圧値と周波数は同じであるとする。この条件で交流電圧V1,V2を同位相として圧電素子11bに入力すると、A相電極部11b1とB相電極部11b2の各電極領域で生じる伸縮方向は同じ向きとなる。そのため、各電極領域で伸縮方向が同じ向きとなって振動する第1の曲げ振動モードの共振周波数付近に交流電圧V1,V2の周波数を近付けることで、振動体11に第1の曲げ振動モードの振動を励起することができる。また、交流電圧V1,V2を逆位相として圧電素子11bに入力すると、A相電極部11b1とB相電極部11b2の各電極領域で生じる伸縮方向は逆向きとなる。そのため、各電極領域で伸縮方向が逆向きとなって振動する第2の曲げ振動モードの共振周波数付近に交流電圧V1,V2の周波数を近付けることで、振動体11に第2の曲げ振動モードの振動を励起することができる。
振動体11の形状は、上述の通り、第1の曲げ振動モードと第2の曲げ振動モードの共振周波数を近付けるように決定されている。そのため、入力電圧と周波数が同じ交流電圧V1,V2の位相を、例えば90°ずらしてA相電極部11b1とびB相電極部11b2に印加すると、第1の曲げ振動モードと第2の曲げ振動モードの各振動は、位相が90°ずれて励起される。その結果、突起部11cの先端にZX面内での楕円運動を生じさせることができ、突起部11cの先端と加圧接触している被駆動体2が突起部11cから摩擦駆動力を受ける。これにより、振動体11と被駆動体2とをX軸方向に相対的に移動させることができる。なお、交流電圧V1,V2の電圧値や入力位相差を異ならせることで、突起部11cの先端に生じさせる楕円運動の軌道形状を変えることができる。
図3(a)は、振動型アクチュエータ10の側面図である。図3(b)は、振動型アクチュエータ10をFPC12における裏打ち材13側のベース部材を除去した状態で示す裏面図である。なお、図3(a),(b)では、被駆動体2の図示を省略している。2つの突起部11cは、振動体11の重心を通って加圧方向(Z軸方向)と略平行な軸に対して略回転対称となる位置に配置されている。そのため、振動体11の重心がFPC12により、振動体11に対して付与される加圧方向と対向するように支持されることで、振動体11の姿勢を安定させることができる。
FPC12は、5つの部分(領域)に分けることができ、これら5つの部分を説明するための破線が図3(b)に示されている。FPC12は、具体的には、振動部12a、第1固定部12c1、第2固定部12c2、第1支持部12b1及び第2支持部12b2の5つの部分に分けることができる。振動部12aは、FPC12において圧電素子11bと接合されている部分であり、振動体11と共に振動する。第1固定部12c1は、FPC12を基台3に裏打ち材13を介して固定する部位であり、振動体11を中央に配してX軸方向で対向するように2カ所に設けられている。第2固定部12c2は、FPC12を基台3に裏打ち材13を介して固定する部位であり、振動体11を中央に配してY軸方向で対向するように2カ所に設けられている。
第1支持部12b1は、振動部12aと2カ所の第1固定部12c1のそれぞれとを連結する部分であり、第2支持部12b2は、振動部12aと2カ所の第2固定部12c2のそれぞれとを連結する部分である。2カ所の第1支持部12b1は、2つの突起部11cと同様に、振動体11の重心を通るZ軸と平行な軸に対して略回転対称に配置されている。また、2カ所の第2支持部12b2も、振動体11の重心を通るZ軸と平行な軸に対して略回転対称に配置されている。こうして、振動体11に付与される加圧力に対する反力を2カ所の第1支持部12b1と2カ所の第2支持部12b2の合計4カ所で均等に受けてFPC12の重心が支持されることで、結果的に振動体11も重心で支持されて姿勢が安定する。
FPC12の導通部材12dは、給電機能を有する配線部とGND機能を有する配線部に分けられる。具体的には、導通部材12dは、圧電素子11bのA相電極部11b1に接続される第1給電配線部12d1と、B相電極部11b2に接続される第2給電配線部12d2と、GND電極部11b3に接続されるGND配線部12d3に分けられる。第1給電配線部12d1、第2給電配線部12d2及びGND配線部12d3はそれぞれ、給電用回路基板(不図示)に接続される端子(不図示)から(図3(b)の左側から)振動部12aに向かって延出している。また、第1給電配線部12d1、第2給電配線部12d2及びGND配線部12d3は、2つの第1固定部12c1の間において、X軸方向及びY軸方向のそれぞれについて線対称的な形状を有している。
ここで、Z軸方向からXY面を見たときの振動部12aでの導通部材12dの形状の対称性と、振動部12aから延出している第1支持部12b1上での導通部材12dの形状の対称性が重要となる。すなわち、従来の振動体の形状はFPCに対して十分に大きかったため、振動体の振動特性(振動型アクチュエータにおける駆動特性)にFPCが与える影響を無視することができた。しかし、振動体を小型化していくと、振動体の剛性が小さくなるため、FPCを構成するベース部材(フィルム)の剛性を無視することはできるが、銅箔等の配線(導通部材)と振動体の剛性の差が小さくなる。例えば、ベース部材であるポリイミドフィルムと振動体との剛性の差は非常に大きいため、振動体とポリイミドフィルムの接合部は、振動体にとって実質的に自由端に等しくなる。しかし、剛性の差が小さくなった振動体と導通部材の接合部は、実質的に自由端とみなすことができなくなり、振動体に振動を励起したときに振動エネルギの一部が接合部を透過するようになる。よって、振動型アクチュエータ10でも、小型化によって、モード形状や共振周波数を決める振動体11の形状に対する、導通部材12dにおいて振動部12aから延出する部分の影響が大きくなる。
このような理由から、振動体11の小型化に伴って第1支持部12b1での導通部材12dを振動体11の一部とみなす必要が生じる。そこで、第1支持部12b1に振動体11と同様の形状の対称性を持たせる観点から、上述の通りに2つの第1固定部12c1の間においてX軸方向及びY軸方向のそれぞれについて線対称的な形状を有する導通部材12dを設けている。これにより、振動体11に所望の曲げ振動モードの振動を励起させることができる。
ところで、従来技術として説明した特許文献1に記載の振動型アクチュエータでは、FPC952の支持部(2カ所の固定部952c間)が一方向にしか存在しない。この場合、振動体950に対してその厚み方向(図10の紙面と直交する方向)に加圧力を加えると、この加圧力を支持部のみで受けることになる。そして、FPC952の支持部を構成する樹脂系材料と金属系の導通部材952dでは剛性の差が十分大きいため、振動体950が加圧力を受ける際にFPC952に生じる応力は、剛性の高い導通部材952dに集中する。その結果、FPC952の導通部材952dは支持部において断線し、振動体950を構成する圧電素子への給電不良が発生するおそれがある。また、振動体950へ付与される加圧力によって、FPC952が伸びて塑性変形することがあり、その際に導通部材952dにも伸び変形が生じる。その結果、導通部材952dを含めたみなしの振動体950の形状が変化してしまうことで、所望の振動状態が得られなくなる。
これに対して本実施形態では、矩形形状を有する振動体11は、XY平面において直交する2本の対称軸(X軸、Y軸)を有する対称性を備えており、第1支持部12b1における導通部材12dも2本の対称軸を有する対称性を備えている。FPC12は、導通部材12dの延出方向と略直交するY軸方向に設けられた2カ所の第2固定部12c2と振動部12aを接続する2カ所の第2支持部12b2を有し、振動体11に付与される加圧力を2カ所の第2支持部12b2で受ける構成となっている。よって、2カ所の第2支持部12b2により、2カ所の第1支持部12b1に掛かる負荷を低減することができ、これにより、導通部材12dの断線や伸び変形を防止することができる。
また、図3(b)に示すように、第1支持部12b1のX軸方向長さ(振動部12aから第1固定部12c1までの距離)をL1、第2支持部12b2のY軸方向長さ(振動部12aから第2固定部12c2までの距離)をL2とする。本実施形態では、Y軸方向長さL2をX軸方向長さL1よりも十分に短くしているため、第1支持部12b1のZ軸方向でのばね定数よりも第2支持部12b2におけるZ軸方向のばね定数の方が十分に大きい。つまり、振動体11に付与される加圧力に起因してFPC12に掛かる負荷について、給電に関与しない第2支持部12b2へ掛かる負荷を大きくして、第1支持部12b1に掛かる負荷を低減する。これにより、第1支持部12b1での導通部材12dの断線をより効果的に防止することができる。なお、第2支持部12b2のばね定数を大きくするために金属配線(金属箔、金属線)等の剛性の大きい材料を用いる(FPC12のベース部材間に挟持させる)場合には、その材料が第2支持部12b2と振動部12aの間で繋がっていないことが望ましい。これは、金属配線が振動部12aと第2支持部12b2上で繋がることで振動体11のみなし形状が変化してしまい、所望の振動状態が得られなくなる可能性が生じるからである。
以上の説明の通り、振動型アクチュエータ10では、支持機能を兼ね備えた給電部材であるFPC12において、第1固定部12c1及び第1支持部12b1が配置される方向と異なる方向に第2固定部12c2及び第2支持部12b2を設ける。つまり、振動体11を複数の異なる方向で支持することにより、給電不良の発生を回避することができると共に振動体11の振動特性を安定させることができ、更に小型化や低コスト化を実現することができる。また、第1固定部12c1及び第2固定部12c2に、第1支持部12b1及び第2支持部12b2に比べて十分剛性の高い裏打ち材13を設けることで、導通部材12dを伝達する振動を第1固定部12c1と第2固定部12c2で遮蔽することができる。これにより、FPC12の固定方法によらずに振動伝達を遮蔽することが可能になることで、振動体11の振動状態をより安定化させることができる。
なお、振動部12aにおける導通部材12dは、振動体11と一体となるため、第1支持部12b1における導通部材12dよりも、振動体11の振動状態へ与える影響は小さい。しかし、振動体11の2本の対称軸のそれぞれについて、振動部12aにおける配線形状も線対称であることが望ましい。そのため、振動部12aでは、圧電素子11bのA相電極部11b1、B相電極部11b2及びGND電極部11b3に対して導通させたい部分だけで導通部材12dが接触するようにFPC12のベース部材を開口させる。これにより、配線形状の対称性を維持しながら、短絡を回避した給電が可能となる。また、第1支持部12b1と第2支持部12b2において、FPC12を構成するベース部材の剛性差は小さいため、導通部材12dからベース部材への振動伝達により振動体11の振動状態が変化することが考えられる。そこで、第1支持部12b1及び第2支持部12b2におけるFPC12のベース部材の形状についても、振動体11の形状が有する対称性と同様の対称性を有することが望ましい。
本実施形態では、圧電素子11bのA相電極部11b1、B相電極部11b2及びGND電極部11b3に交流電圧を印加して第1の曲げ振動モードと第2の曲げ振動モードの振動を励起する構成について説明した。しかし、これに限られず、フローティング駆動等で振動体11に振動を励起させる振動モードを用いる場合には、圧電素子11bには、GND電極部11b3を必ずしも設けなくてもよい。また、第1の曲げ振動モードと第2の曲げ振動モードの組み合わせ以外の振動モードを用いて、突起部11cの先端に楕円運動を生じさせてもよく、第3の曲げ振動モードと第4の曲げ振動モードの組み合わせについて、以下に説明する。
図4(a)は、被駆動体2を摩擦駆動するために振動体51に励起される第3の曲げ振動モードを説明する斜視図である。また、図4(b)は、第3の曲げ振動モードと同時に振動体51に励起される第4の曲げ振動モードを説明する斜視図である。第3の曲げ振動モードの振動を振動体51に励起することにより、突起部51cの先端にはZ軸方向での振動変位が生じる。また、第4の曲げ振動モードの振動を振動体51に励起することにより、突起部51cの先端にはX軸方向の振動変位が生じる。第3の曲げ振動モードの共振周波数と第4の曲げ振動モードの共振周波数のうち、高い方の共振周波数を“fa´”とし、共振周波数差を“Δf´”とする。この場合に、振動体51の形状は、“0<Δf´<fa´×0.15”の関係が満たされるように設計されている。
振動体51が備える圧電素子に、第3の曲げ振動モードの振動と第4の曲げ振動モードの振動を、例えば、位相を90度ずらして同時に励起する。これにより、突起部51cの先端(接触部)に、ZX面内での楕円運動を生じさせることができ、不図示の被駆動体2をX軸方向に摩擦駆動することで、被駆動体2と振動体51とをX軸方向に相対的に移動させることができる。このとき、FPC12のように振動部、第1固定部、第2固定部、第1支持部、第2支持部に分けられる支持機能を有する給電部材を用いて振動型アクチュエータを構成することで、振動型アクチュエータ10で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る振動型アクチュエータ20の概略構成を示す斜視図である。振動型アクチュエータ20を構成する振動体21は、振動型アクチュエータ10を構成する振動体11と同じである。よって、振動体21を構成する弾性体21a、圧電素子21b及び突起部21cはそれぞれ、振動体11を構成する弾性体11a、圧電素子11b及び突起部11cに対応している。なお、図5では、被駆動体2の図示を省略しているが、被駆動体2は、Z軸方向において突起部21cの上面とZ軸方向において加圧接触するように配置される。
FPC22は、第1給電配線部22d1、第2給電配線部22d2及びグラウンド配線部22d3からなる導通部材22dを有する。FPC22における導通部材22dの配線形状は、FPC12における導通部材12dの配線形状と同じである。FPC22の振動部、2カ所の第1固定部及び2カ所の第1連結部は、FPC12の振動部12a、2カ所の第1固定部12c1及び2カ所の第1連結部12b1と同様に、導通部材22dの延出方向に設けられている。FPC22は、第1固定部において裏打ち材23を介して基台3に固定されている。裏打ち材23は、裏打ち材13と同等である。
FPC12の第2固定部12c2に対応するFPC22の第2固定部は、第1固定部のXY面(FPC22と裏打ち材23との接合面)を基準面として、この基準面よりもZ軸方向の負方向(基台3側)に設けられている。その結果、FPC22は、第2固定部において、基台3のZX面に裏打ち材23を介して固定されており、よって、FPC22の第2支持部は、Y軸方向に延出した後にZ軸方向を負方向に延出する形態(形状)をとる。
例えば、磁石の吸引力を用いて突起部21cを被駆動体2(不図示)に対してZ軸方向を正方向(被駆動体2側)に押圧する加圧機構を採用した場合、第2固定部がZ軸方向の負方向に設けられることにより、第2支持部に掛かる負荷は引張り方向となる。よって、FPC22の第2支持部の強度を、FPC12の第2支持部12b2よりも大きくすることができる。また、第2固定部を設けるスペースがY軸方向に広がらないため、振動型アクチュエータ20では、振動型アクチュエータ10と比較して、小型化が可能になる。
図6(a)は、本発明の第3実施形態に係る振動型アクチュエータ30の概略構成を示す斜視図である。図6(b)は、振動型アクチュエータ30を構成するFPC32の構成と配線形状を説明する平面図である。振動型アクチュエータ30は、振動体31、FPC32及び裏打ち材33を有する。振動体31は、第1実施形態に係る振動型アクチュエータ10を構成する振動体11と同じである。よって、振動体31の駆動方法(励起する曲げ振動モード)や振動体31による不図示の被駆動体2の摩擦駆動の形態等は第1実施形態に準じ、重複する説明を省略する。
振動型アクチュエータ30では、裏打ち材33として、四角枠状の形状を有するものが用いられている。裏打ち材33は、振動型アクチュエータ10に用いられている4つの裏打ち材13を四角枠状に一体化させたものとみなすことができる。なお、裏打ち材33は、基台3(不図示)に取り付けられる。FPC32は、FPC12と同様に、振動部32a、第1固定部32c1、第2固定部32c2、第1支持部32b1及び第2支持部32b2の5つの部分に分けることができる。図6(b)には、これら5つの部分(領域)を説明するための破線が示されている。
振動型アクチュエータ30では、第1実施形態と同様に、支持機能を持たせた給電部材であるFPC32に、第1支持部32b1と第2支持部32b2を設ける。これにより、振動体31に付与される加圧力に起因して第1支持部32b1に掛かる負荷を第2支持部32b2によって低減させ、給電不良の発生を回避すると共に振動体31の振動状態を安定化させることができる。また、裏打ち材33により第1固定部32c1と第2固定部32c2とが一体となることで、振動型アクチュエータ10のように第1固定部12c1と第2固定部12c2が独立している場合と異なり、基台3に取り付ける際の位置決め精度を高めることができる。
FPC32に設けられている導通部材32d1,32d2,32d3のそれぞれの機能は、第1給電配線部12d1、第2給電配線部12d2、GND配線部12d3と同じである。FPC32では、導通部材32d1,32d2,32d3は、第1固定部32c1及び第2固定部32c2と2カ所の第1支持部32b1を介して振動部32aへ引き回されている。これにより、振動体31の圧電素子に対する導通部材32d1,32d2,32d3の電気的接続を、一方の第1支持部32b1で断線が生じても他方の第1支持部32b1を介して維持することができるため、給電不良の発生をより効果的に回避することができる。
図7(a)は、本発明の第4実施形態に係る振動型アクチュエータ40の概略構成を示す斜視図である。図7(b)は、振動型アクチュエータ40をFPC42における裏打ち材43側のベース部材を除去した状態で示す裏面図である。振動型アクチュエータ40は、振動体41、FPC42及び裏打ち材43を有する。振動体41は、第1実施形態に係る振動型アクチュエータ10を構成する振動体11と同じである。また、裏打ち材43は、第3実施形態に係る振動型アクチュエータ30を構成する裏打ち材33と同じである。FPC42が有する導通部材42d1,42d2,42d3の配線形状は、FPC12の第1給電配線部12d1、第2給電配線部12d2、GND配線部12d3の配線形状と同じである。FPC42は、FPC12と同様に、振動部42a、第1固定部42c1、第2固定部42c2、第1支持部42b1及び第2支持部42b2の5つの部分に分けることができる。図7(b)には、これら5つの部分(領域)を説明するための破線が示されている。
振動型アクチュエータ40は、第1支持部32b1及び第2支持部32b2が別々に形成された振動型アクチュエータ30と比較すると、第1支持部42b1と第2支持部42b2が一体的に形成されていることを特徴とする。換言すれば、FPC42は、FPC32が有する開口部を有しない構造を有する。第3実施形態のように第1支持部32b1と第2支持部32b2が分かれている場合、FPC32の端部と導通部材32d1〜32d3との間には一定の間隔が必要となるため、全体形状が大きくなりやすい。これに対して、FPC42では、開口部を設けずに第1支持部42b1と第2支持部42b2を一体的に形成することで、加工が容易になると共に、振動型アクチュエータ40全体の小型化を実現することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る振動型アクチュエータ10を備える電子機器について、顕微鏡と撮像装置を取り上げて説明する。但し、振動型アクチュエータ10は、これらへの適用に限定されるものではなく、駆動による位置決めが必要とされる部品を備える電子機器に広く適用することができる。
図8は、振動型アクチュエータ10を備える顕微鏡500の外観斜視図である。顕微鏡500は、撮像素子と光学系を内蔵する撮像部530と、基台上でX−Y面内で移動可能に配置された被駆動体であるステージ520を有する自動ステージ部510と、ベースプレート540とを備える。圧電素子11bへの給電制御を含む振動型アクチュエータ10の駆動制御を行う制御装置550は、ベースプレート540に配置されている。なお、制御装置550は、撮像部530に設けられていてもよい。顕微鏡500では、少なくとも2つ振動体11が用いられており、少なくとも1つの振動体11がステージ520のX軸方向での駆動に用いられ、少なくとも1つの別の振動体11がステージ520のY軸方向での駆動に用いられる。
被観察物をステージ520の上面に載置して、拡大画像を撮像部530で撮影する場合において観察範囲が広範囲となる場合には、自動ステージ部510を駆動してステージ520をX軸方向とY軸方向に移動させることで、被観察物を移動させる。これにより、多数の撮影画像を撮影し、撮影された画像を不図示のコンピュータで画像処理により結合させることで、観察範囲が広く、しかも高精細な1枚の観察画像を取得することができる。
図9(a)は、撮像装置700の概略構成を示す上面図である。撮像装置700は、撮像素子710及び電源ボタン720を搭載したカメラ本体730を備える。また、撮像装置700は、第1レンズ群(不図示)、第2レンズ群820、第3レンズ群(不図示)、第4レンズ群840及び振動型駆動装置620,640を有するレンズ鏡筒740を備える。レンズ鏡筒740は、交換レンズとしてカメラ本体730に対して着脱可能であり、撮影対象に合わせて適したレンズ鏡筒740をカメラ本体730に取り付けることができる。撮像装置700では、2つの振動型駆動装置620,640によってそれぞれ、第2レンズ群820,第4レンズ群840の駆動が行われる。
振動型駆動装置620の詳細な構成は不図示であるが、振動型駆動装置620は、円環状の被駆動体と、被駆動体を回転駆動させる振動体11と、振動体11の駆動回路とを有する。例えば、3つの振動体11が円環状の基台の周方向に等間隔に、且つ、それぞれの振動体11は2つの突起部11cを結ぶ線が同一円周に対して法線となるようにFPC12に支持されて裏打ち材13を介して基台に支持される。被駆動体と振動体11の突起部11cとが光軸方向において加圧接触した状態で、被駆動体と基台は、それらの径方向がレンズ鏡筒740の光軸と略直交するようにレンズ鏡筒740内に配置される。振動型駆動装置620では、被駆動体を光軸まわりに回転させ、不図示のカム或いはギア等を介して被駆動体の回転出力を光軸方向での直進運動に変換することによって第2レンズ群820を光軸方向に移動させる。振動型駆動装置640は、振動型駆動装置620と同様の構成を有することにより、第4レンズ群840を光軸方向に移動させる。なお、振動体11は被駆動体2を一方向(X軸方向)に駆動することができる。よって、振動体11のX軸方向(短手方向)がレンズ鏡筒740の光軸方向と平行になるように振動体11を配置し、レンズを保持するレンズ保持部材を被駆動体として、レンズ保持部材を直接に光軸方向に駆動する構成としてもよい。
図9(b)は、撮像装置700の概略構成を示すブロック図である。第1レンズ群810、第2レンズ群820、第3レンズ群830、第4レンズ群840及び光量調節ユニット850が、レンズ鏡筒740内部の光軸上の所定位置に配置される。第1レンズ群810〜第4レンズ群840と光量調節ユニット850とを通過した光は、撮像素子710に結像する。撮像素子710は、光学像を電気信号に変換して出力し、その出力は、カメラ処理回路750へ送られる。
カメラ処理回路750は、撮像素子710からの出力信号に対して増幅やガンマ補正等を施す。カメラ処理回路750は、AEゲート755を介してCPU790に接続されると共に、AFゲート760とAF信号処理回路765とを介してCPU790に接続されている。カメラ処理回路750において所定の処理が施された映像信号は、AEゲート755と、AFゲート760及びAF信号処理回路765を通じてCPU790へ送られる。なお、AF信号処理回路765は、映像信号の高周波成分を抽出して、オートフォーカス(AF)のための評価値信号を生成し、生成した評価値をCPU790へ供給する。
CPU790は、撮像装置700の全体的な動作を制御する制御回路であり、取得した映像信号から、露出決定やピント合わせのための制御信号を生成する。CPU790は、決定した露出と適切なフォーカス状態が得られるように、振動型駆動装置620,640及びメータ630の駆動を制御することによって、第2レンズ群820、第4レンズ群840及び光量調節ユニット850の光軸方向位置を調整する。CPU790による制御下において、振動型駆動装置620は第2レンズ群820を光軸方向に移動させ、振動型駆動装置640は第4レンズ群840を光軸方向に移動させ、光量調節ユニット850はメータ630により駆動制御される。
振動型駆動装置620により駆動される第2レンズ群820の光軸方向位置は第1リニアエンコーダ770により検出され、検出結果がCPU790に通知されることで振動型駆動装置620の駆動にフィードバックされる。同様に、振動型駆動装置640により駆動される第4レンズ群840の光軸方向位置は第2リニアエンコーダ775により検出され、検出結果がCPU790に通知されることで振動型駆動装置640の駆動にフィードバックされる。光量調節ユニット850の光軸方向位置は、絞りエンコーダ780により検出され、検出結果がCPU790へ通知されることで、メータ630の駆動にフィードバックされる。
撮像装置700の所定のレンズ群を光軸方向に移動させる用途に第1実施形態で説明した振動型アクチュエータ10等を用いた場合、レンズ群を停止させた状態でも大きな保持力が得られる。これにより、レンズ鏡筒740やカメラ本体730に外力が作用しても、レンズ群にずれが生じることを抑制することができる。なお、レンズ鏡筒740に手ぶれ補正用レンズが内蔵される場合、手ぶれ補正用レンズを光軸と直交する面内の任意の方向に移動させる手ぶれ補正ユニットに振動体11を用いることができる。その場合、光軸方向と直交する面内において直交する2方向に手ぶれ補正用レンズを保持したレンズ保持部材を移動させることができるように、各方向にレンズ保持部材を駆動する1又は複数の振動体11を配置する。なお、手ぶれ補正ユニットは、手ぶれ補正用レンズを駆動する構成に代えて、カメラ本体730に内蔵される撮像素子710を光軸と直交する面内の任意の方向に移動させる構成としてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を、適宜、組み合わせることも可能である。上記実施形態では、振動体の突起部に2つの振動モードを組み合わせて楕円運動を生じさせたが、1つの振動モードのみを利用して慣性駆動を利用する方法を用いてもよい。また、振動体11のように2つの突起部11cを有する構成を取り上げたが、突起部11cは少なくとも1つあれば被駆動体2の摩擦駆動は可能であり、この場合の1つの突起部は弾性体11aのXY面の中央に設け、好適な振動モードを選択すればよい。
2 被駆動体
3 基台
10,20、30,40 振動型アクチュエータ
11,21,31,41 振動体
11a 弾性体
11b 圧電素子
11c 突起部
12,22,32,42 FPC(フレキシブルプリント基板)
12a,32a,42a 振動部
12b1,32b1,42b1 第1支持部
12b2,32b2,42b2 第2支持部
12c1,32c1,42c1 第1固定部
12c2,32c2,42c2 第2固定部
12d 導通部材
13,23,33,43 裏打ち材

Claims (14)

  1. 電気−機械エネルギ変換素子と弾性体を有する振動体と、
    前記振動体を支持する支持部材と、
    前記振動体と接触する接触体と、を備え、
    前記支持部材は、
    前記振動体と接合される振動部と、
    導通部材を含み、所定位置に固定される複数の第1固定部と、
    前記振動部から前記第1固定部に向かう方向とは異なる方向に設けられ複数の第2固定部と、
    前記振動部と前記複数の第1固定部とを連結する複数の第1支持部と、
    前記振動部と前記複数の第2固定部とを連結する複数の第2支持部と、を有することを特徴とする振動型アクチュエータ。
  2. 前記支持部材は、前記電気−機械エネルギ変換素子に接合され、前記電気−機械エネルギ変換素子に対して給電を行うフレキシブルプリント基板であり、
    前記導通部材は、少なくとも前記複数の第1支持部と前記振動部を通じて前記複数の第1固定部を結ぶ方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記フレキシブルプリント基板は、前記導通部材よりも剛性の小さい樹脂からなるシート状部材に前記導通部材が挟持された構造を有することを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記振動体が前記接触体と加圧接触するための加圧力を受ける方向において、前記第2支持部のばね定数は前記第1支持部のばね定数よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記振動体から前記第2固定部までの距離は、前記振動体から前記第1固定部までの距離より短いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記弾性体は、前記接触体と加圧接触する少なくとも1つの接触部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記弾性体は、略矩形で平板状の形状を有し、
    前記振動体の形状は、前記弾性体の厚み方向と直交する2本の対称軸を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  8. 前記導通部材は、前記2本の対称軸に対して線対称となるように前記支持部材に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の振動型アクチュエータ。
  9. 前記複数の第1固定部と前記複数の第2固定部のそれぞれに固定される複数の補強部材を有し、
    前記支持部材は、前記複数の補強部材を介して所定位置に固定されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  10. 前記複数の第1固定部は、前記振動体が前記接触体と加圧接触するための加圧力を受ける方向と略直交する面の所定位置に固定され、
    前記複数の第2固定部は、前記加圧力を受ける方向において、前記第1固定部が固定される位置よりも前記接触体から離れた位置に固定されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  11. 前記複数の第1固定部と前記複数の第2固定部とは一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  12. 前記複数の第1支持部と前記複数の第2支持部とは一体的に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の振動型アクチュエータ。
  13. 電気−機械エネルギ変換素子と弾性体を有する振動体と、
    前記振動体を支持する支持部材と、
    前記振動体と接する接触体と、を備え、
    前記支持部材は十字形状を有し、前記支持部材の前記十字形状の交差位置に前記振動体が接合され、前記支持部材に設けられた導通部材を介して前記振動体へ給電されることを特徴とする振動型アクチュエータ。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータの駆動によって位置決めされる部材と、を備えることを特徴とする電子機器。
JP2016163730A 2016-08-24 2016-08-24 振動型アクチュエータ及び電子機器 Active JP6742860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016163730A JP6742860B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 振動型アクチュエータ及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016163730A JP6742860B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 振動型アクチュエータ及び電子機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018033233A JP2018033233A (ja) 2018-03-01
JP2018033233A5 JP2018033233A5 (ja) 2019-08-08
JP6742860B2 true JP6742860B2 (ja) 2020-08-19

Family

ID=61303725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016163730A Active JP6742860B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 振動型アクチュエータ及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6742860B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018033233A (ja) 2018-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9530953B2 (en) Vibration-type actuator, image pickup apparatus, and stage
US9813596B2 (en) Vibration-type actuator, interchangeable lens, image pickup apparatus, and automatic stage
JP6639243B2 (ja) 振動型アクチュエータ及び電子機器
JP2019068725A (ja) 振動波アクチュエータ及びそれを用いた撮像装置、ステージ装置
JP6576214B2 (ja) 振動型アクチュエータ、レンズ鏡筒、撮像装置及びステージ装置
JP2016086619A (ja) 振動型駆動装置、レンズ鏡筒、撮像装置及びステージ装置
US9247140B2 (en) Vibration-type driving unit, two-dimensional driving apparatus, image-blur correction apparatus, interchangeable lens, image capturing apparatus, and automatic stage
JP2021040374A (ja) 振動型アクチュエータ、光学機器および電子機器
JP2017127127A5 (ja)
JP6985876B2 (ja) 撮像装置
JP2014072986A (ja) 振動型駆動装置及び撮像装置
US10833608B2 (en) Vibration actuator and electronic apparatus using vibration actuator
JP6742860B2 (ja) 振動型アクチュエータ及び電子機器
JP6639244B2 (ja) 振動型アクチュエータ及び電子機器
JP2017070115A (ja) 振動型アクチュエータ、振動型アクチュエータの駆動方法、レンズ鏡筒、撮像装置及びステージ装置
JP7027052B2 (ja) 振動型アクチュエータ及びこれを用いた電子機器
JP6849424B2 (ja) 振動型アクチュエータ、これを有するレンズ鏡筒、撮像装置及びステージ装置
JP7313909B2 (ja) 振動波モータおよび電子機器。
JP2017127154A5 (ja)
WO2016002917A1 (ja) 振動型アクチュエータ、レンズ鏡筒、撮像装置及び自動ステージ
JP2020115740A (ja) 振動型アクチュエータ及び振動型アクチュエータの製造方法
JP6812510B2 (ja) 振動型アクチュエータ及びそれを有する電子機器
JP2017201341A (ja) 像振れ補正装置
JP2020178496A (ja) 振動波アクチュエータ及びそれを備える撮像装置
JP2022114998A (ja) 振動波駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200729

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6742860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151