JP6740679B2 - 模様塗料組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、模様塗料組成物の製造方法に関する。
壁材などの対象物の表面には、保護や装飾などを目的とした塗装が施される場合が多い。従来、所望する色調の塗料を得るには、予め塗料用の樹脂溶液又は樹脂エマルション中に無機又は有機顔料を分散させ、色調の異なった数種類の塗料を準備し、これらを任意に混合することによって製造するのが一般的であった。
しかし、複数の塗料を混合して得られる所望色調の塗料は、その中に色調の異なった顔料が混在しているにもかかわらず、同一色の顔料のみによって製造されたような塗膜しか得られず、平面的な単一色で変化に乏しいものであった。
そこで、エマルション塗料をゲル化膜でカプセル化したゲル状の着色粒子を分散媒中に分散させた塗料が提案されている。
エマルション塗料は水系塗料に属しており、従来の溶剤型の塗料と比較して環境適合性が高い。また、該エマルション塗料をゲル化膜でカプセル化することにより着色粒子が分散媒中で安定して分散するため、数種類のエマルション塗料を用いれば、それぞれの色調の異なる着色粒子が混在し、多彩模様の塗膜を形成できる。
ゲル状の着色粒子を含有する塗料を製造する方法として、例えば特許文献1には、樹脂エマルションと着色顔料と親水性コロイド形成物質とを含むエマルション塗料を、ゲル化剤を含む分散媒に添加し、エマルション塗料の表面をゲル化させた後、ディソルバー等の分散機で撹拌しながら、表面がゲル化したエマルション塗料(ゲル化物)を細分化する方法が開示されている。
特開2008−44991号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、ディソルバー等の分散機で撹拌しながらゲル化物を細分化する方法の場合、例えば図5に示すように、回転軸13にゲル化物Gが巻き上がるように絡みつきやすかった。そのため、撹拌を停止して回転軸13に絡みついたゲル化物Gをそぎ落とす必要があった。回転軸に絡みついたゲル化物をそぎ落とした後は、撹拌を再開して未細分化のゲル化物を破砕する。
このように、回転軸にゲル化物が絡みついた場合は、撹拌を停止しなければならず、生産性が低下しやすかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、生産性よく模様塗料組成物を製造できる模様塗料組成物の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 着色塗料の表面をゲル化したゲル化物を含有する模様塗料組成物の製造方法において、ゲル化剤を含む分散媒に着色塗料を接触させ、着色塗料の表面をゲル化させる工程と、破砕室と、前記破砕室の底面または側面から破砕室内に伸びる回転軸の先端に回転刃が取り付けられた破砕機構とを備えた破砕手段により、表面がゲル化した着色塗料を破砕する工程と、を有する、模様塗料組成物の製造方法。
本発明の模様塗料組成物の製造方法によれば、生産性よく模様塗料組成物を製造できる。
本発明に用いる破砕手段の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面から見た透視図である。 回転刃の一例を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 回転刃によるゲル化物の破砕の一例を説明する斜視図である。 本発明に用いる破砕手段の他の例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)のa−a’線に沿う断面図である。 回転軸にゲル化物が巻き上がるように絡みつく状態の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の模様塗料組成物の製造方法は、ゲル化剤を含む分散媒に着色塗料を接触させ、着色塗料の表面をゲル化したゲル化物を含有する模様塗料組成物を製造する方法である。
<着色塗料>
着色塗料としては、例えば樹脂エマルションと着色顔料と親水性コロイド形成物質とを含むエマルション塗料や、キトサンと着色顔料と錯体形成物質とを含むキトサン含有塗料などが挙げられる。模様塗料組成物より形成される塗膜に抗菌効果を付与できる点では、キトサン含有塗料が好ましい。
(エマルション塗料)
エマルション塗料に含まれる樹脂エマルションとしては、例えばポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然又は合成ゴムや、それらの共重合体のエマルションなど、一般に市販されている樹脂エマルションを使用することができる。中でも、アクリル樹脂が好ましい。
着色顔料としては、例えばカーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、クロム酸鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の無機顔料;パール顔料、マイカ顔料、マイカコーティングパール顔料、アルミニウム粉、ステンレス粉等の光輝性顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド等の有機顔料などが挙げられる。これら着色顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色顔料の含有量は、樹脂エマルション100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30質量部である。
エマルション塗料が親水性コロイド形成物質を含有することにより、該親水性コロイド形成物質と後述するゲル化剤とが反応してエマルション塗料をゲル化膜でカプセル化することができる。
親水性コロイド形成物質としては、例えばセルロース誘導体;ポリチレンオキサイド;ポリビニルアルコール;カゼイン、デンプン、ガラクトマンノン、グアルゴム、ローカストビーンゴム等の天然高分子などを含有する水溶液が挙げられる。中でもグアルゴムの水溶液が好ましく、該水溶液の濃度は0.5〜5質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜3質量%である。これら親水性コロイド形成物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
親水性コロイド形成物質の含有量は、樹脂エマルション100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3.0質量部である。親水性コロイド形成物質の含有量が上記範囲内であれば、安定したゲル化膜が得られやすくなる。
エマルション塗料には、必要に応じて体質顔料や公知の添加剤(例えば増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤等)が任意成分として含まれてもよい。
体質顔料としては、カオリン、硫酸バリウム、含水ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これら体質顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
体質顔料の含有量は、エマルション塗料100質量%中、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%である。
エマルション塗料は、上記樹脂エマルションに親水性コロイド形成物質を加え撹拌混合したものに、着色顔料と水の混合溶液を加えてさらに撹拌混合して得られる。
水の含有量は、エマルション塗料100質量%中、40〜90質量%が好ましく、より好ましくは50〜80質量%である。
(キトサン含有塗料)
キトサン含有塗料に含まれるキトサンとしては、市販品を用いることができる。
着色顔料としては、エマルション塗料の説明において先に例示した着色顔料が挙げられる。これら着色顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色顔料の含有量は、キトサン含有塗料に含まれるキトサンと、錯体形成物質と水との合計100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30質量部である。
キトサン含有塗料が錯体形成物質を含有することにより、キトサンが錯体形成物質と水中で反応し、イオン錯体を形成する。このイオン錯体を分散媒に接触させることでイオン錯体の表面がゲル化し、キトサン膜が形成される。
錯体形成物質としては、塩酸等の無機酸;酢酸、ギ酸、アクリル酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸などが挙げられる。中でも、塩酸の水溶液が好ましい。
錯体形成物質の含有量は、キトサン100質量部に対して、20〜150質量部が好ましく、より好ましくは50〜100質量部である。
キトサン含有塗料には、必要に応じて、樹脂エマルション、体質顔料や公知の添加剤(例えば増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤等)が任意成分として含まれてもよい。
体質顔料および添加剤としては、エマルション塗料の説明において先に例示した体質顔料および添加剤が挙げられる。
キトサン含有塗料は、上記錯体形成物質の水溶液にキトサンを加え撹拌混合したものに着色顔料を加え、さらに撹拌混合して得られる。
水の含有量は、キトサン含有塗料100質量%中、40〜90質量%が好ましく、より好ましくは50〜80質量%である。
<分散媒>
分散媒は、ゲル化剤を含む水性の分散媒である。
ゲル化剤としては、例えばマグネシウムモンモリロナイト粘土、ナトリウムペンタクロロフェノール、ホウ酸塩、タンニン酸、乳酸チタン、塩化カルシウム、水酸化ナトリウムなどを含有する水溶液が挙げられる。中でも、着色塗料としてエマルション塗料を用いる場合はホウ酸塩の水溶液が好ましく、キトサン含有塗料を用いる場合は塩化カルシウムの水溶液が好ましい。ホウ酸塩の水溶液の濃度は0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜8質量%である。塩化カルシウムの水溶液の濃度は0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。これらゲル化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色塗料としてエマルション塗料を用いる場合、ゲル化剤の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。一方、着色塗料としてキトサン含有塗料を用いる場合、ゲル化剤の含有量は、分散媒100質量%中、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。
ゲル化剤の含有量が上記範囲内であれば、安定したゲル化膜が得られやすくなる。
分散媒には、必要に応じて体質顔料や水溶性高分子化合物、公知の添加剤が任意成分として含まれてもよい。
体質顔料としては、エマルション塗料の説明において先に例示した体質顔料が挙げられる。中でも、含水ケイ酸マグネシウムの分散液が好ましく、該分散液の濃度は0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。これら体質顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
体質顔料の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
水溶性高分子化合物としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールなどを含有する水溶液が挙げられる。中でもカルボキシメチルセルロースまたはメチルセルロースの水溶液が好ましく、これら水溶液の濃度は0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。これら水溶性高分子化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子化合物の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。
添加剤としては、エマルション塗料の説明において先に例示した添加剤が挙げられる。
分散媒は、ゲル化剤を含む水溶液と、必要に応じて体質顔料を含む分散液、および水溶性高分子化合物を含む水溶液等とを撹拌混合したものに、水を加え希釈することにより得られる。
水の含有量は、分散媒100質量%中、20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。
<製造方法>
以下、本発明の模様塗料組成物の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の模様塗料組成物の製造方法は、下記工程(1)および工程(2)を有する。
(工程(1))
工程(1)は、ゲル化剤を含む分散媒に着色塗料を接触させ、着色塗料の表面をゲル化させる工程である。
分散媒に着色塗料を接触させる方法としては特に制限されず、例えば分散媒中に着色塗料を添加する方法などが挙げられる。着色塗料は分散媒と接触すると、着色塗料の表面がゲル化することで被膜を形成したゲル化物(表面がゲル化した着色塗料)となる。
着色塗料の添加量は、分散媒100質量部に対して150質量部以下であることが好ましく、より好ましくは100質量部以下である。着色塗料の添加量を上記範囲内とすることにより、形状が均一なゲル状着色粒子が得られやすくなる。着色塗料の添加量の下限については特に制限されないが、分散媒100質量部に対して30質量部以上が好ましい。
(工程(2))
工程(2)は、破砕室と、前記破砕室の底面または側面から破砕室内に伸びる回転軸の先端に回転刃が取り付けられた破砕機構とを備えた破砕手段により、表面がゲル化した着色塗料(ゲル化物)を破砕する工程である。
破砕方式として、例えば、カット方式、ハンマー方式、グラインダー方式、プレス方式等を採用することができる。
このような破砕方式を採用した破砕手段として、例えば、ハスクバーナ・ゼノア株式会社製のディスインテグレータ;ホソカワミクロン株式会社製のディスパミル、ディスインテグレータ、ハンマミル、ロートプレックス、ニブラ、ラバーチョッパ、フェザミル、マイクロパルベライザ、バンタムミル、ファーマミル、ビクトリミル、ファインインパクトミル、コントラプレックス、リンレックスミル、グラシス、ACMパルベライザ、ACMパルベライザE−ACM;株式会社グローエンジニアリング製のグローミル、R&Dマルチミル、無菌チョッパー、チョッパー、シャークミル、野菜クラッシャー、ディスクカッター、ロータリーカッター、ロータリーカッター・ミニ、パーミュット、卓上パルぺライザー;増幸産業株式会社製のスーパーマスコロイダー、スーパーマスコロイダーα、ミクロマイスター、ミクロマイスターミニ、セレンミラー、セレンミラーDAU、アトマイザー、カッターミル、マスコマイザーX、ボーンカッター、チョッパー、パルベライザー、ボーンクラッシャー、フードカッター;株式会社カワタ製のGマスター、ラピッド、スーパーミキサー;大平洋機工株式会社製のスパイラル・ピンミキサ、キャビトロン、ファイン・フローミル;日本コークス工業株式会社製のFMミキサ、メカナノハイブリッド、造粒ミキサ粒王などを使用できる。
ここで、ゲル化物の破砕の一例について、図1を参照しながら詳細に説明する。なお、後述する図2〜5において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1は、本発明に用いる破砕手段の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面から見た透視図である。
この例の破砕手段10は、ゲル化物を収容する破砕室11と、破砕室11に収容されたゲル化物を破砕する破砕機構12とを備えている。
破砕室11はゲル化物を収容できるものであれば、その形状や材質等、特に限定されない。
破砕機構12は、破砕室11の底面11aから破砕室11内に伸びる回転軸13と、この回転軸13の先端に取り付けられた回転刃14とを有する。
回転軸13には、モータ等の回転駆動源(図示略)が接続されている。この回転駆動源によって回転軸13が回転することで、回転刃14が回転できるようになっている。
この例の破砕機構12は、先端に取り付けられた回転刃14の下側にも、2枚の回転刃14が回転軸13に取り付けられている。すなわち、回転軸13に回転刃14が3段取り付けられている。
3枚の回転刃14は、長手方向が60°毎にずれるように、回転軸13に取り付けられている。
この例の回転刃14は、図2に示すように、ヨコ切り刃14aと、ヨコ切り刃14aの上下に配置された垂直のタテ切り刃14bとで構成されている。
破砕手段10を用いたゲル化物の破砕では、まず、破砕室11にゲル化物を投入する。なお、ゲル化物と共に分散媒を破砕室11に投入してもよいし、予め濾過等でゲル化物を分散媒から分離しておき、ゲル化物のみを破砕室11に投入してもよい。また、破砕室11内に前記着色塗料と分散媒を投入し、破砕室11内で着色塗料の表面をゲル化させてもよい。
次いで、回転駆動源(図示略)により回転軸13を回転させることで、回転刃14も回転させる。すると、図3に示すように、ゲル化物Gが回転刃14のヨコ切り刃14aで上下に切断されつつ、タテ切り刃14bで左右に切断され、細分化されたゲル化物gとなる。また、3枚の回転刃14が60°毎にずれながら回転軸13に取り付けられていることで破砕室11のゲル化物Gを効率よく撹拌し、ムラなくゲル化物Gを破砕処理できる。
このようにして得られた、細分化されたゲル化物を他の成分(例えば、バインダの役割を果たす樹脂エマルションや公知の添加剤など)と混合して、模様塗料組成物を得る。
なお、ゲル化物を破砕するに際して、分散媒も一緒に破砕室11へ投入する場合、細分化されたゲル化物が分散媒に分散した状態で得られる。この細分化されたゲル化物と分散媒とをそのまま模様塗料組成物として用いてもよいし、分散媒から細分化されたゲル化物を分離し、細分化されたゲル化物のみを模様塗料組成物に用いてもよい。
模様塗料組成物に含まれる樹脂エマルションとしては、エマルション塗料の説明において先に例示した樹脂エマルションが挙げられる。中でも、アクリル樹脂が好ましい。
樹脂エマルションの含有量は、模様塗料組成物100質量%中、50質量%以下が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。樹脂エマルションの含有量が上記範囲内であれば、模様塗料組成物の塗装作業性がよく、耐久性のよい塗膜が得られる。
模様塗料組成物に含まれる添加剤としては、エマルション塗料の説明において先に例示した添加剤が挙げられる。
模様塗料組成物には、色調の異なる複数のゲル化物が含まれていてもよい。色調の異なるゲル化物を含む模様塗料組成物を「多彩模様塗料組成物」ともいう。
模様塗料組成物を多彩模様塗料組成物とする場合、例えば工程(1)において、1色目のゲル化物が分散した分散媒に2色目以降の着色塗料を接触させてもよいし、着色塗料の数に合わせて分散媒を用意し、1つの分散媒に対して1つの着色塗料を接触させてもよい。また、工程(2)において、色調の異なる複数のゲル化物を一度に破砕室に投入し、これらを一緒に破砕してもよいし、色毎に分けてゲル化物を破砕した後に混合してもよい。
<作用効果>
上述したように、ディソルバー等の分散機で撹拌しながらゲル化物を細分化する方法の場合、例えば図5に示すように、回転軸13にゲル化物Gが巻き上がるように絡みつきやすかった。これは、回転軸13が破砕室11の天面11cから破砕室内11に伸びているため、撹拌を続けていくうちに粘性のあるゲル化物Gが徐々に回転軸13に絡みつくものと考えられる。
しかし、本実施形態の模様塗料組成物の製造方法によれば、破砕室と、破砕室の底面から破砕室内に伸びる回転軸の先端に回転刃が取り付けられた破砕機構とを備えた破砕手段により、表面がゲル化した着色塗料(ゲル化物)を破砕する。粘性のあるゲル化物は、巻き上がるように軸に絡みつく性質を有するが、本発明では回転軸の先端に回転刃が取り付けられているため、ゲル化物が回転軸に巻き上がるように絡みつくのを抑制できる。よって、本発明であれば撹拌を停止して回転軸に絡みついたゲル化物をそぎ落とす必要がないため、生産性よく模様塗料組成物を製造できる。
<用途>
本発明により得られる模様塗料組成物の用途については特に制限はなく、モルタル、コンクリート、窯業系素材、プラスチック、金属、木材、紙など、種々の対象物に塗布することが可能である。塗布時における模様塗料組成物の塗布量には特に制限はないが、通常、300〜600g/mとなるように塗布するのが好ましい。また、塗装方法にも制限はなく、刷毛、こて、ローラ、スプレーなどの公知の方法で塗装することができ、塗装後に常温乾燥、加熱乾燥することができる。
<他の実施形態>
本発明の模様塗料組成物の製造方法は、上述したものに限定されない。
例えば、図1に示す破砕手段10では、回転軸13が破砕室11の底面11aから破砕室11内に伸びているが、回転軸13は破砕室11の側面11bから破砕室11内に伸びていてもよい。
回転刃14の枚数は3枚に限定されず、1枚でもよいし、2枚でもよいし、4枚以上であってもよい。
回転刃14としては図2、3に示すものに限定されない。
また、図1に示す破砕手段10では回転軸13に板状の回転刃14が取り付けられているが、例えば図4に示すように、回転刃14は、角柱状の回転刃本体14cと、その各面に取り付けられた刃14dとで構成されていてもよい。なお、図4は、本発明に用いる破砕手段の他の例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)のa−a’線に沿う断面図である。
図4に示す破砕手段20は、破砕室11と破砕機構12とを備え、破砕機構12は、破砕室11の側面11bから破砕室11内に伸びる回転軸13と、この回転軸13の先端に取り付けられた回転刃14とを有する。
なお、図4において、回転刃本体14cの形状は角柱状に限定されず、円柱状であってもよい。
また、図4に示す破砕手段20では、回転軸13は破砕室11の側面11bから破砕室11内に伸びているが、破砕室11の底面11aから破砕室11内に伸びていてもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」を示す。
「着色塗料の製造」
<エマルション塗料の製造>
アクリル樹脂エマルション(日本アクリル化学株式会社製、「プライマルAC−38」)38部と、非イオン性グアルゴム誘導体の1.5%水溶液28.5部(固形分0.43部)とを混合し、混合溶液(a)を調製した。
別途、着色顔料としてチタン白10部と、アニオン性高分子分散剤(日本アクリル化学株式会社製、「オロタン731」)1部と、水22.5部とを混合し、混合溶液(b)を調製した。
混合溶液(a)に混合溶液(b)を加え撹拌し、エマルション塗料を得た。
<キトサン含有塗料の製造>
乳酸の5%水溶液95部に、キトサン5部を徐々に加えて90分間撹拌し、キトサン溶液を調製した。得られたキトサン溶液100部に、茶系顔料1部を添加して20分間撹拌し、キトサン含有塗料を得た。
「分散媒の製造」
<分散媒(1)の製造>
含水ケイ酸マグネシウムの4%水中分散液25部(固形分1部)に、重ホウ酸アンモニウムの5%水溶液5部(固形分0.25部)と、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの1%水溶液25部(固形分0.25部)を加え撹拌混合した後、水45部を加えて希釈し、分散媒(1)を得た。
<分散媒(2)の製造>
20%塩化カルシウム水溶液50部と、1.5%メチルセルロース水溶液50部とを混合し、分散媒(2)を得た。
「実施例1」
着色塗料としてエマルション塗料を用い、分散媒として分散媒(1)を用い、破砕手段として日本コークス工業株式会社製の「FMミキサ」を用いた。なお、「FMミキサ」は、破砕室と破砕機構とを備え、この破砕機構は、破砕室の底面から破砕室内に伸びる回転軸と、回転軸の先端に取り付けられた回転刃とを備えている。
分散媒200部に、エマルション塗料100部を加え、エマルション塗料がゲル化するまで、30秒間放置した(工程(1))。
次いで、表面がゲル化したエマルション塗料(ゲル化物)と、分散媒とを濾過により分離し、分離したゲル化物を破砕手段により破砕し、細分化したゲル化物を得た(工程(2))。
工程(2)では、ゲル化物が回転軸に絡みつくことなく、生産性よく細分化したゲル化物を得ることができた。
「実施例2」
着色塗料としてキトサン含有塗料を用い、分散媒として分散媒(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして細分化したゲル化物を得た。
工程(2)では、ゲル化物が回転軸に絡みつくことなく、生産性よく細分化したゲル化物を得ることができた。
「実施例3」
着色塗料としてエマルション塗料を用い、分散媒として分散媒(1)を用い、破砕手段としてホソカワミクロン株式会社製の「フェザミル FM−1」を用いた。なお、「フェザミル FM−1」は、破砕室と破砕機構とを備え、この破砕機構は、破砕室の側面から破砕室内に伸びる回転軸と、回転軸に取り付けられた回転刃とを備えている。回転刃は、角柱状の回転刃本体と、その各面に取り付けられた刃とで構成されていている。
分散媒200部に、エマルション塗料100部を加え、エマルション塗料がゲル化するまで、30秒間放置した(工程(1))。
次いで、表面がゲル化したエマルション塗料(ゲル化物)と、分散媒とを濾過により分離し、分離したゲル化物を破砕手段により破砕し、細分化したゲル化物を得た(工程(2))。
工程(2)では、ゲル化物が回転軸に絡みつくことなく、生産性よく細分化したゲル化物を得ることができた。
「実施例4」
着色塗料としてキトサン含有塗料を用い、分散媒として分散媒(2)を用いた以外は、実施例3と同様にして細分化したゲル化物を得た。
工程(2)では、ゲル化物が回転軸に絡みつくことなく、生産性よく細分化したゲル化物を得ることができた。
「比較例1」
着色塗料としてエマルション塗料を用い、分散媒として分散媒(1)を用い、破砕手段として株式会社井上製作所製の「ディゾルバー」を用いた。なお、「ディゾルバー」は、破砕室と破砕機構とを備え、この破砕機構は、破砕室の天面から破砕室内に伸びる回転軸と、回転軸の先端に取り付けられた回転刃とを備えている。
分散媒200部に、エマルション塗料100部を加え、エマルション塗料がゲル化するまで、30秒間放置した(工程(1))。
次いで、表面がゲル化したエマルション塗料(ゲル化物)と、分散媒とを濾過により分離し、分離したゲル化物を破砕手段により破砕し、細分化したゲル化物を得た(工程(2))。
工程(2)では、ゲル化物が回転軸に巻き上がるように絡みついてしまい、その度に撹拌を停止して回転軸に絡みついたゲル化物をそぎ落とす必要があった。
10 破砕手段
11 破砕室
11a 底面
11b 側面
12 破砕機構
13 回転軸
14 回転刃
20 破砕手段
G ゲル化物(表面がゲル化した着色塗料)
g 細分化されたゲル化物

Claims (1)

  1. 着色塗料の表面をゲル化したゲル化物を含有する模様塗料組成物の製造方法において、
    ゲル化剤を含む分散媒に着色塗料を接触させ、着色塗料の表面をゲル化させる工程と、
    破砕室と、前記破砕室の底面または側面から破砕室内に伸びる回転軸の先端に回転刃が取り付けられた破砕機構とを備えた破砕手段により、表面がゲル化した着色塗料を破砕する工程と、
    を有し、
    前記回転刃は、ヨコ切り刃と、前記ヨコ切り刃の上下に配置された垂直のタテ切り刃とで構成されている、模様塗料組成物の製造方法。
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