実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
(送風装置100)
図1は、実施の形態1における送風装置100を示す断面図である。送風装置100は、ヘアドライヤとして使用されることができ、把持部10、本体部20、送風部30、ヒータ40、送風路形成部材50とを備える。
把持部10には、操作スイッチ等が設けられており、把持部10の端部からは電源コード12が引き出されている。把持部10は、根元部14と先端部16とを含み、先端部16は根元部14に回動可能に連結されている。送風装置100の使用時には、根元部14と先端部16とは略直線上に配置され、把持部10と本体部20とで略T字状あるいは略L字状の外観を形成する。送風装置100の格納時には、必要に応じて、先端部16を本体部20に沿う位置にまで折り畳むことができる。
本体部20は、把持部10に結合されており、本体部20の内部には、入口開口22から出口開口24に至る風洞が形成される。送風部30は、この風洞の中に配置される。送風部30は、ファン32およびモータ34から構成され、ファン32を回転させることによって、風洞内に気流が形成される。気流は、外部から入口開口22を通して風洞内に流入し、風洞内を通過した後、出口開口24から外部に排出される。
送風部30の下流には、モータ支持部36と整流翼38とが設けられる。モータ支持部36は、略円筒状の形状を有し、モータ支持部36の内側にモータ34が収容される。整流翼38は、モータ支持部36の外周面から外方に向かって延びる形状を有する。ヒータ40は、整流翼38の下流側に配置される。ヒータ40を作動させたときには、出口開口24から加熱された温風が吹き出され、ヒータ40を作動させないときには、出口開口24から冷風が吹き出される。
(送風路形成部材50)
送風路形成部材50は、入口開口22(送風路)を構成する部材であり、本体部20の後端に取り付けられている。詳細は次述するが、送風路形成部材50は、複数の開口(送風路)を有しており、ファン32が回転駆動されることで、たとえば10m/s以下の風速を有する気流が開口(送風路)の内側を通過するように構成されている。図2は、実施の形態1における送風路形成部材50を示す斜視図であり、図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2および図3に示すように、送風路形成部材50は、ガイド壁60,70,80、ベース部90、および連結リブ52,54を有している。ガイド壁60,70,80およびベース部90は、いずれも環状の形状を有している。ガイド壁60,70,80、ベース部90は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。
ガイド壁60,70は、連結リブ52によって連結されており、ガイド壁70,80は連結リブ54によって連結されている。ガイド壁80の下流端はベース部90の上流端に接合されている。ガイド壁60,70,80は、流路が徐々に狭くなる三重のベルマウス構造を構成しており、入口開口22(図1)の周辺の空気を効率良く低速で吸い込むように配慮されている。本実施の形態においては、この三重のベルマウスのうち、上流側の2つについて、特有の構造(複数の凸状体)が採用されている。
(ガイド壁60)
図4は、ガイド壁60を示す斜視図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。図3〜図5に示すように、ガイド壁60(第1ガイド壁)は、送風路61、内壁面62、外壁面63、上流側開口縁部64、および下流側開口縁部65を含んでいる。内壁面62の内側に形成されている開口(空間)は、気流が通過する送風路61を構成している。図5中に示されている矢印は、気流の流れる様子を模式的に表している。
上流側開口縁部64および下流側開口縁部65は、いずれも円形形状を有している。上流側開口縁部64を含む平面と、下流側開口縁部65を含む平面とは互いに平行である。上流側開口縁部64の内周の長さは、たとえば121mmである。下流側開口縁部65の内周の長さは、たとえば71mmである。内壁面62および外壁面63は、上流側開口縁部64から下流側開口縁部65に行くにしたがって径が小さくなるテーパー形状を有している。
換言すると、内壁面62の内側に形成された送風路61は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が徐々に減少する形状を有している。上流側開口縁部64(あるいは下流側開口縁部65)に対して直交する方向における寸法を「高さ」とすると、ガイド壁60は高さH60(図5)を有している。高さH60は、たとえば10mmである。
本実施の形態においては、送風路61の内壁面62のうちの気流の流れる方向に対して垂直な平面内に位置する内周の長さ(たとえば上流側開口縁部64の内周の長さや、下流側開口縁部65の内周の長さ)に比べて、送風路61の気流の流れる方向における上流側の端部から下流側の端部までの長さ(すなわち高さH60)の方が短くなるように構成されている。
送風路61を構成する内壁面62のうち、上流側開口縁部64と下流側開口縁部65との間に位置する途中部分は、ゆるやかに湾曲した形状を有しており、この途中部分は上流側に向かって膨出するように反っている(図5参照)。図6は、ガイド壁60の内壁面62および外壁面63を拡大して示す断面図である。
(凸状体T1,T2,T3,T4)
図6に示すように、ガイド壁60の内壁面62上には、複数の凸状体T1,T2,T3,T4が設けられる。好ましくは、内壁面62の内側に形成された送風路61は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を有しており、複数のうちの少なくとも一つの凸状体は、内壁面62のうちの上記領域(流路断面積が減少する領域)を構成している部分上に設けられているとよい。本実施の形態においては、内壁面62のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体T1,T2,T3,T4のすべてが設けられている。
凸状体T1,T2,T3,T4の各々は、気流の流れる方向に対して交差する方向に沿って延在している。本実施の形態においては、凸状体T1,T2,T3,T4の各々は、1つの円を形成するように円環状に延びている。凸状体T1を含む平面は、上流側開口縁部64(あるいは下流側開口縁部65)を含む平面に対して平行である。凸状体T2,T3,T4についても同様である。
凸状体T1,T2,T3,T4は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。凸状体T1,T2,T3,T4の各々は、いずれも扁平な略二等辺三角形の断面形状を有している。凸状体T1,T2,T3,T4は、気流の上流側から下流側に向かう方向において、互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置されている。
本実施の形態では、凸状体T1の頂部と凸状体T2の頂部との間の間隔P12は、1.4mmであり、凸状体T2の頂部と凸状体T3の頂部との間の間隔P23は、1.5mmであり、凸状体T3の頂部と凸状体T4の頂部との間の間隔P34は、1.6mmである。凸状体T1,T2,T3,T4の間の間隔は、上流側の間隔に比べて下流側の間隔の方が大きくなるように構成されている。
凸状体T1,T2の間には、凹部a2が形成されており、凸状体T2,T3の間には、凹部a3が形成されており、凸状体T3,T4の間には、凹部a4が形成されている。凹部a2,a3,a4を通る曲線LM1を描き、送風路61の内壁面62と曲線LM1とが交差する部分を交差部分a1,a5とする。交差部分a1は、上流側開口縁部64に相当している。凸状体T1は、交差部分a1と凹部a2との間に位置しており、凸状体T4は、凹部a4と交差部分a5との間に位置している。
交差部分a1と凹部a2とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T1の突出高さ(HT1)は、1mm以下である。同様に、凹部a2と凹部a3とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T2の突出高さも、1mm以下である。凹部a3と凹部a4とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T3の突出高さも、1mm以下である。凹部a4と交差部分a5とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T4の突出高さも、1mm以下である。本実施の形態においては、凸状体T1,T2,T3,T4は、それぞれ、0.32mm、0.35mm、0.3mm、0.3mmの突出高さを有している。
(凸状体T5,T6,T7,T8)
図6に示すように、ガイド壁60の外壁面63上には、複数の凸状体T5,T6,T7,T8が設けられる。好ましくは、外壁面63の外側に形成される送風路71(図3参照)は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を有しており、複数のうちの少なくとも一つの凸状体は、外壁面63のうちの上記領域(流路断面積が減少する領域)を構成している部分上に設けられているとよい。本実施の形態においては、外壁面63のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体T5,T6,T7,T8のすべてが設けられている。
凸状体T5,T6,T7,T8の各々は、気流の流れる方向に対して交差する方向に沿って延在している。本実施の形態においては、凸状体T5,T6,T7,T8の各々は、1つの円を形成するように円環状に延びている。凸状体T5を含む平面は、上流側開口縁部64(あるいは下流側開口縁部65)を含む平面に対して平行である。凸状体T6,T7,T8についても同様である。
凸状体T5,T6,T7,T8は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。凸状体T5,T6,T7,T8の各々は、いずれも扁平な略二等辺三角形の断面形状を有している。凸状体T5,T6,T7,T8は、気流の上流側から下流側に向かう方向において、互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置されている。
本実施の形態では、凸状体T5の頂部と凸状体T6の頂部との間の間隔P56は、1.4mmであり、凸状体T6の頂部と凸状体T7の頂部との間の間隔P67は、1.5mmであり、凸状体T7の頂部と凸状体T8の頂部との間の間隔P78は、1.6mmである。凸状体T5,T6,T7,T8の間の間隔は、上流側の間隔に比べて下流側の間隔の方が大きくなるように構成されている。
凸状体T5,T6の間には、凹部a7が形成されており、凸状体T6,T7の間には、凹部a8が形成されており、凸状体T7,T8の間には、凹部a9が形成されている。凹部a7,a8,a9を通る曲線LM2を描き、送風路61の外壁面63と曲線LM2とが交差する部分を交差部分a6,a10とする。凸状体T5は、交差部分a6と凹部a7との間に位置しており、凸状体T8は、凹部a9と交差部分a10との間に位置している。
交差部分a6と凹部a7とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T5の突出高さは、1mm以下である。同様に、凹部a7と凹部a8とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T6の突出高さも、1mm以下である。凹部a8と凹部a9とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T7の突出高さも、1mm以下である。凹部a9と交差部分a10とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体T8の突出高さも、1mm以下である。本実施の形態においては、凸状体T5,T6,T7,T8は、それぞれ、0.35mm、0.43mm、0.41mm、0.27mmの突出高さを有している。
本実施の形態のガイド壁60においては、凸状体T1〜T8の突出高さは、0.27mm以上0.43mm以下であり、隣り合う凸状体間の間隔は1.4mm以上1.6mm以下である。これらの間隔については、内壁面62と外壁面63で対応している。つまり、間隔P12,P23,P34が、それぞれ1.4mm、1.5mm、1.6mmであり、間隔P56,P67,P78も、それぞれ1.4mm、1.5mm、1.6mmである。したがって、厚みはほぼ一定で推移する。このガイド壁60は、上端から下端までの距離が10mmのベル形状を有し、吸込案内リングとして機能する。吸い込まれる空気の動粘度は、たとえば空気の温度が20℃であるとき、1.5×10−5(m2/s)である。
(ガイド壁70)
図7は、ガイド壁70を示す斜視図である。図8は、図7中のVIII−VIII線に沿った矢視断面図である。図3,図7,図8に示すように、ガイド壁70(第2ガイド壁)は、送風路71、内壁面72、外壁面73、上流側開口縁部74、および下流側開口縁部75を含んでいる。内壁面72の内側に形成されている開口(空間)は、気流が通過する送風路71を構成している。下流側開口縁部75は、ガイド壁60の送風路61(内壁面62)の内側に配置されており(図3)、ガイド壁60(図3)の内壁面62の内側空間(送風路61)内を通れる気流、および、ガイド壁60の外壁面63の外側空間内を通れる気流は、内壁面72の内側の送風路71に流れ込むこととなる。図8中に示されている矢印は、気流の流れる様子を模式的に表している。
上流側開口縁部74および下流側開口縁部75は、いずれも円形形状を有している。上流側開口縁部74を含む平面と、下流側開口縁部75を含む平面とは互いに平行である。上流側開口縁部74の内周の長さは、たとえば172mmである。下流側開口縁部75の内周の長さは、たとえば133mmである。内壁面72および外壁面73は、上流側開口縁部74から下流側開口縁部75に行くにしたがって径が小さくなるテーパー形状を有している。
換言すると、内壁面72の内側に形成された送風路71は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が徐々に減少する形状を有している。上流側開口縁部74(あるいは下流側開口縁部75)に対して直交する方向における寸法を「高さ」とすると、ガイド壁70は高さH70(図8)を有している。高さH70は、たとえば10mmである。
本実施の形態においては、送風路71の内壁面72のうちの気流の流れる方向に対して垂直な平面内に位置する内周の長さ(たとえば上流側開口縁部74の内周の長さや、下流側開口縁部75の内周の長さ)に比べて、送風路71の気流の流れる方向における上流側の端部から下流側の端部までの長さ(すなわち高さH70)の方が短くなるように構成されている。
送風路71を構成する内壁面72のうち、上流側開口縁部74と下流側開口縁部75との間に位置する途中部分は、ゆるやかに湾曲した形状を有しており、この途中部分は上流側に向かって膨出するように反っている(図8参照)。図9は、ガイド壁70の内壁面72および外壁面73を拡大して示す断面図である。
(凸状体U1,U2,U3,U4)
図9に示すように、ガイド壁70の内壁面72上には、複数の凸状体U1,U2,U3,U4が設けられる。好ましくは、内壁面72の内側に形成された送風路71は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を有しており、複数のうちの少なくとも一つの凸状体は、内壁面72のうちの上記領域(流路断面積が減少する領域)を構成している部分上に設けられているとよい。本実施の形態においては、内壁面72のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体U1,U2,U3,U4のすべてが設けられている。
凸状体U1,U2,U3,U4の各々は、気流の流れる方向に対して交差する方向に沿って延在している。本実施の形態においては、凸状体U1,U2,U3,U4の各々は、1つの円を形成するように円環状に延びている。凸状体U1を含む平面は、上流側開口縁部74(あるいは下流側開口縁部75)を含む平面に対して平行である。凸状体U2,U3,U4についても同様である。
凸状体U1,U2,U3,U4は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。凸状体U1,U2,U3,U4の各々は、いずれも扁平な略二等辺三角形の断面形状を有している。凸状体U1,U2,U3,U4は、気流の上流側から下流側に向かう方向において、互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置されている。
本実施の形態では、凸状体U1の頂部と凸状体U2の頂部との間の間隔Q12は、1.0mmであり、凸状体U2の頂部と凸状体U3の頂部との間の間隔Q23は、1.4mmであり、凸状体U3の頂部と凸状体U4の頂部との間の間隔Q34は、1.4mmである。
凸状体U1,U2の間には、凹部b2が形成されており、凸状体U2,U3の間には、凹部b3が形成されており、凸状体U3,U4の間には、凹部b4が形成されている。凹部b2,b3,b4を通る曲線LN1を描き、送風路71の内壁面72と曲線LN1とが交差する部分を交差部分b1,b5とする。交差部分b1は、上流側開口縁部74に相当している。凸状体U1は、交差部分b1と凹部b2との間に位置しており、凸状体U4は、凹部b4と交差部分b5との間に位置している。
交差部分b1と凹部b2とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U1の突出高さ(HU1)は、1mm以下である。同様に、凹部b2と凹部b3とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U2の突出高さも、1mm以下である。凹部b3と凹部b4とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U3の突出高さも、1mm以下である。凹部b4と交差部分b5とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U4の突出高さも、1mm以下である。本実施の形態においては、凸状体U1,U2,U3,U4は、それぞれ、0.32mm、0.31mm、0.3mm、0.3mmの突出高さを有している。
(凸状体U5,U6,U7,U8)
図9に示すように、ガイド壁70の外壁面73上には、複数の凸状体U5,U6,U7,U8が設けられる。好ましくは、外壁面73の外側に形成される送風路71(図3参照)は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を有しており、複数のうちの少なくとも一つの凸状体は、外壁面73のうちの上記領域(流路断面積が減少する領域)を構成している部分上に設けられているとよい。本実施の形態においては、外壁面73のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体U5,U6,U7,U8のすべてが設けられている。
凸状体U5,U6,U7,U8の各々は、気流の流れる方向に対して交差する方向に沿って延在している。本実施の形態においては、凸状体U5,U6,U7,U8の各々は、1つの円を形成するように円環状に延びている。凸状体U5を含む平面は、上流側開口縁部74(あるいは下流側開口縁部75)を含む平面に対して平行である。凸状体U6,U7,U8についても同様である。
凸状体U5,U6,U7,U8は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。凸状体U5,U6,U7,U8の各々は、いずれも扁平な略二等辺三角形の断面形状を有している。凸状体U5,U6,U7,U8は、気流の上流側から下流側に向かう方向において、互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置されている。
本実施の形態では、凸状体U5の頂部と凸状体U6の頂部との間の間隔Q56は、1.0mmであり、凸状体U6の頂部と凸状体U7の頂部との間の間隔Q67は、1.4mmであり、凸状体U7の頂部と凸状体U8の頂部との間の間隔Q78は、1.4mmである。
凸状体U5,U6の間には、凹部b7が形成されており、凸状体U6,U7の間には、凹部b8が形成されており、凸状体U7,U8の間には、凹部b9が形成されている。凹部b7,b8,b9を通る曲線LN2を描き、送風路71の外壁面73と曲線LN2とが交差する部分を交差部分b6,b10とする。凸状体U5は、交差部分b6と凹部b7との間に位置しており、凸状体U8は、凹部b9と交差部分b10との間に位置している。
交差部分b6と凹部b7とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U5の突出高さは、1mm以下である。同様に、凹部b7と凹部b8とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U6の突出高さも、1mm以下である。凹部b8と凹部b9とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U7の突出高さも、1mm以下である。凹部b9と交差部分b10とを結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体U8の突出高さも、1mm以下である。本実施の形態においては、凸状体U5,U6,U7,U8は、それぞれ、0.43mm、0.45mm、0.33mm、0.20mmの突出高さを有している。
本実施の形態のガイド壁70においては、凸状体U1〜U8の突出高さは、0.20mm以上0.45mm以下であり、隣り合う凸状体間の間隔は1.0mm以上1.4mm以下である。これらの間隔については、内壁面72と外壁面73で対応している。つまり、間隔Q12,Q23,Q34が、それぞれ1.0mm、1.4mm、1.4mmであり、間隔Q56,Q67,Q78も、それぞれ1.0mm、1.4mm、1.4mmである。したがって、厚みはほぼ一定で推移する。このガイド壁70は、上端から下端までの距離が10mmのベル形状を有し、吸込案内リングとして機能する。
(ガイド壁80)
図2および図3を再び参照して、ガイド壁80は、送風路81、内壁面82、外壁面83、上流側開口縁部84、および下流側開口縁部85を含んでいる。内壁面82の内側に形成されている開口(空間)は、気流が通過する送風路81を構成している。下流側開口縁部75は、ガイド壁80の送風路81(内壁面82)の内側に配置されており(図3)、ガイド壁70(図3)の内壁面72の内側空間(送風路71)内を通れる気流、および、ガイド壁70の外壁面73の外側空間内を通れる気流は、内壁面82の内側の送風路81に流れ込むこととなる。
上流側開口縁部84および下流側開口縁部85は、いずれも円形形状を有している。上流側開口縁部84を含む平面と、下流側開口縁部85を含む平面とは互いに平行である。内壁面82および外壁面83は、上流側開口縁部84から下流側開口縁部85に行くにしたがって径が小さくなるテーパー形状を有している。換言すると、内壁面82の内側に形成された送風路81は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が徐々に減少する形状を有している。
送風路81を構成する内壁面82のうち、上流側開口縁部84と下流側開口縁部85との間に位置する途中部分は、ゆるやかに湾曲した形状を有しており、この途中部分は上流側に向かって膨出するように反っている(図3参照)。本実施の形態においては、内壁面82は平坦な表面形状を有しているが、内壁面82上に、ガイド壁60やガイド壁70の場合と同様な複数の凸状体が設けられていても構わない。
(ベース部90)
図2および図3に示すように、ベース部90は、筒状部92およびフランジ部94を含んでおり、筒状部92は、ガイド壁80に接続されている。フランジ部94は、筒状部92の外周面から外方に向かって突出する形状を有しており、筒状部92の外側およびフランジ部94の外側には、螺合部96が設けられる。図示しないビスなどが螺合部96に挿通されることで、送風路形成部材50は送風装置100(図1)の本体部20に取り付けられる。
送風路形成部材50においては、複数の送風路61,71,81が気流の流れる方向において間隔を空けて並べられており、送風路61,71,81によって、送風装置100の入口開口22(図1)が構成されることとなる。ファン32が回転駆動されることで、たとえば10m/s以下の風速を有する気流が開口(送風路61,71,81)の内側を通過する。送風路61,71,81内を通過している気流の風速は、場所によって異なるが、たとえば4.2m/s以上、6.8m/s以下である。
(配管摩擦係数と層流(乱流)との関係について)
図10は、ムーディ線を示すグラフである。配管内に流体を流通させ、徐々に流体の速度を高めていったとする。図10中の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)に示すように、流速が遅い領域から徐々に流速を高めていった場合、あるポイント(5)までは、配管の摩擦係数が減少していく。図10中の(5)、(6)、(7)、(8)に示すように、その後、あるポイント(5)を起点として、摩擦係数は増大に転じる。この領域は、遷移域と称されており、流れが層流から乱流に遷移する。
さらに流速を高めていくと、あるポイント(8)を起点として、摩擦係数は減少に転じる。図10中の(8)、(9)、(10)、(11)・・・に示すように、その後摩擦係数は、ある値で安定する。したがって、もし層流から乱流への遷移を遅らせることができれば(たとえば、図10中の(7)を(a)に変更できたり、(8)を(b)に変更できたりすれば)、配管内の摩擦係数を大幅に低減することが可能となる。
たとえば流体が水の場合には、配管摩擦抵抗低減(Drag Reduction)剤なる添加剤を用いることで、配管内の摩擦係数を大幅に低減することが可能となる。しかしながら、流体が空気の場合には、この添加剤を使用したとしても、配管内の摩擦係数を大幅に低減することは難しい。送風装置が扇風機やヘアドライヤのような家電製品の場合、添加材が使用者に直接吹きかかってしまうことも懸念される。
(メカニズム)
以下、実施の形態1の構成によれば、上記した層流から乱流への遷移を遅らせ、管路の摩擦係数を大幅に低減することが可能であるメカニズムについて説明する。
図11を参照して、たとえば、点(i)に示す特徴を有する送風路形成部材があったとする。これは、ゆるやかに湾曲する内壁部を有するベルマウスであって、その内壁部の表面には凸状体が設けられておらず、なめらかな表面形状を有している。
点(i)に示す特徴を有する送風路形成部材において、内壁部の表面に複数の凸状体を設けた場合には、点(ii)に示す特徴を有する送風路形成部材が得られる。この送風路形成部材においては、乱流が発生しやすくなり、摩擦係数は、点(i)の場合に比べて小さくなる。しかしながら、近年のますますの省エネ化の要請のため、配管の摩擦係数にはさらなる低減が求められる。
上述の実施の形態1における送風路形成部材50によれば、点(iii)に示す特徴を発揮することができる。すなわち、送風路形成部材50の構成(形状)および所定送風条件下においては、送風路内を流れる気流は層流から乱流に遷移せず、層流の領域内でレイノルズ数を極力高めて摩擦係数を低減することが可能となる。配管の摩擦係数を低減でき、そのため省エネで騒音も小さい送風装置100とすることが可能となる。その具体的なメカニズムは以下のとおりである。
図12を参照して、曲率を有する配管の内壁面において、層流が乱流に遷移するメカニズムは、以下のとおりである。すなわち、配管の内壁面が曲率を有している場合、配管内を流れる気流には、慣性の影響によって壁面からこの気流を剥がそうとする力が作用する。あるポイント(たとえば、内壁面が粗くなっていたり汚れていたりする箇所など)において、層流が内壁面から剥離し、内壁面と気流との間に渦が生ずる。剥離した層流は、乱流に遷移し、剥離箇所の下流は乱流域となり、気流は壁面に再付着することとなる。
図13を参照して、実施の形態1における送風路形成部材50においては、上記の剥離のきっかけになる部位(すなわち複数の凸状体T1〜T4,U1〜U4)が、ガイド壁60,70の内壁面上に多数設けられている。複数の凸状体のすぐ下流側には、凹部(凹部a2〜a4や凹部b2〜b4)が形成されており、本来ならば剥離流れと内壁面との間に生ずるべき渦を、凹部(凹部a2〜a4や凹部b2〜b4)内部に位置させることができる。
このようにすることで、剥離した流れが乱流遷移を起こす前に、剥離した流れを内壁面に再付着させることで、全体として流れの乱流への遷移を遅らせることができ、ひいては、内壁面の近傍を流れる流れが内壁面から受ける摩擦抵抗の増大を軽減し、良好な性能かつ低騒音といった効果を得ることが可能となる。このような作用および効果は、ガイド壁60,70の外壁面上に設けられた複数の凸状体(凸状体T5〜T8,U5〜U8)およびこれらの間に形成された凹部(凹部a7〜a9や凹部b7〜b9)からも同様に得られるものである。
図14を参照して、凸状体の突出高さと凸状体間の間隔との関係が、送風効率にどのような影響を与えるかについて検証した。図14に示している送風効率とは、送風路内の風速(代表風速)は5m/sの一定の値に設定し、送風路形成部材50のガイド壁(ガイド壁60)に全く凸状体が設けられていない場合の送風効率(風量/消費電力)を1として、無次元(相対値)で表示したものである。
図14中の縦軸は、気流の流れる方向において互いに隣り合う凸状体の間の間隔(mm)を示している。この間隔とは、凸状体の高さが最も高い箇所(頂部)から、気流の流れる方向においてその隣に位置する凸状体の高さが最も高い箇所(頂部)までの、流れ方向における距離の意味である。
図14中の横軸は、凸状体の突出高さ(mm)を意味している。この突出高さとは、気流の流れる方向において凸状体の上流側に位置する凹部(最も凹んでいる箇所)と、気流の流れる方向においてその凸状体の下流側に位置する凹部(最も凹んでいる箇所)とを結ぶ平面からの突出高さのことであり、当該平面に対して直交する方向において、凸状体の頂部がどのくらい突出しているかを示す距離の意味である。
送風路内に、5m/sの風速を有する気流を通過させ、凸状体の突出高さと凸状体間の間隔との関係が、送風効率にどのような影響を与えるかについて検証したところ、図14に示すような結果が得られた。
凸状体の突出高さが1mm未満の場合に効果が得られ、高い送風効率が得られた。特に、凸状体の突出高さが0.5mm未満の場合、より顕著な効果が得られた。また、凸状体間の間隔が6mm未満の場合に効果が得られ、送風効率が向上した。特に、凸状体間の間隔が4mm未満の場合、より顕著な効果が得られた。もっとも効果的な形状は、突出高さが0.25mm〜0.5mmであって、凸状体間の間隔が1mm〜3mmの場合であった。
上述の実施の形態1の送風路形成部材50(ガイド壁60)の場合には、図14中の点P1に示す特性が得られた。すなわち、送風効率という点において、上述の実施の形態1における送風路形成部材50およびそれを備えた送風装置100によれば、十分に良好な特性を発揮できることがわかる。
詳細な構成については後述するが、後述する実施の形態3における送風装置200(図16)の場合には、図14中の点P2に示す特性が得られた。すなわち、送風効率という点において、実施の形態3における送風路形成部材160およびそれを備えた送風装置200によっても、十分に良好な特性を発揮できることがわかる。
図15を参照して、上述の実施の形態1の構成において、送風路内の風速(代表風速)が、送風効率にどのような影響を与えるかについて検証した。図15の縦軸に示している送風効率とは、送風路形成部材50のガイド壁(ガイド壁60)に全く凸状体が設けられていない場合の送風効率(風量/消費電力)を1として、無次元(相対値)で表示したものである。
図15に示すように、上述の実施の形態1における送風路形成部材50および送風装置100においては、10m/sの風速を有する気流を送風路内に通過させた場合には、送風効率という点において十分に良好な特性を発揮できることがわかる。顕著に効果が得られたのは、風速が2.0m/s以上8.5m/s以下の範囲であって、従来の平滑流路と比較して20%以上送風効率が向上した。以上を総括すると、複数の凸状体の各々の突出高さを1mm以下に設定し、複数の凸状体を、気流の上流側から下流側に向かう方向において互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置することによって、摩擦損失や騒音を低減でき、高い送風効率を実現することが可能となることがわかる。
(まとめ)
上述の実施の形態1における送風路形成部材50の場合には、送風路61,71,81に流入する気流の風速はおよそ5m/s〜7m/sである。内壁面62,72および外壁面63,73に、風の流れと交差する方向に延びる複数の凸状体T1〜T8,U1〜U8が、風の流れの上流側から下流側に順に並ぶようにそれぞれ4つずつ設けられている。
この構成によると、ある凸状体とその下流側の直近に位置する凸状体との間に形成された小さな凹部に渦流が発生し、送風路内を流通する流れが内壁面に直接触れることは抑制され、内壁面に生ずる摩擦抵抗が低減される。上記渦が従来の課題であった境界層の成長が抑止されるため、境界層の発達による流路断面積の減少が防止される。また、上記凹部に生ずる渦流は乱流になりにくく層流の渦となる。このため、乱流を発生させてそれにより境界層を破壊する従来の手法に対し、エネルギーロスを少なくすることができ、また乱流騒音も生じない。
送風路形成部材50においては、凸状体T1〜T8,U1〜U8が、上流側から下流側に行くに従い送風路の流路断面積が減少する領域上に設けられる。この構成によると、壁面の近傍の流れが送風路の壁面から受ける本来の摩擦抵抗の値が大きくなってしまうところ、上記した作用メカニズムにより、壁面の近傍の流れが送風路の壁面から受ける摩擦抵抗の増大を軽減できるため、摩擦抵抗の低減量の絶対値がその分大きくなり、得られる効果がさらに大きくなり、良好な性能かつ低騒音となる送風路を得ることができる。
また、ガイド壁60においては、上流側開口縁部64の内周の長さはたとえば121mmであり、下流側開口縁部65の内周の長さはたとえば71mmである。これらに対して、ガイド壁60の高さH60は、たとえば10mmと短い。この構成によると、短い距離範囲の中で送風路の流路断面積が急峻に減少する。壁面近傍の流れが送風路の内壁から受ける本来の摩擦抵抗の値が大きくなってしまうところ、上記した作用メカニズムにより、壁面近傍の流れが送風路の壁面から受ける摩擦抵抗の増大が軽減されるため、摩擦抵抗の低減量の絶対値がさらにその分大きくなり、得られる効果が大きくなるため、良好な性能かつ低騒音となる送風路を得ることができる。たとえば、風量が1.5m3/min時で一定とした場合の消費電力は、凸状体が無い場合には35Wであったのに対して、28Wに7W分も低減され、騒音は68.9dBから68.3dBに0.6dB低減されることとなる。
また、凸状体T1〜T8,U1〜U8は、壁面のうち上流に近い箇所に設けられており、最下流に位置する凸状体T4,T8,U4,U8は、いずれも0.5C(前半分)の位置までに設けられている。さらに、最上流に位置する一つ目の凸状体の突出高さより、二つ目の凸状体の突出高さの方が高くなるように構成されている。この構成によると、凹部内に渦流がより確実に発生することとなるため、凸状部による流れの摩擦抵抗低減の効果をより確実に得ることができる。
また、ガイド壁60に比べてガイド壁70の方が直径が大きい。ガイド壁70においては、凸状体U1〜U8の高さは、0.2mm以上0.45mm以下であり、隣り合う凸状体間の間隔は1.0mm以上1.4mm以下である。風の流れに垂直な方向の一周の長さ(上流側開口縁部74の内周の長さ)が172mmであり、下流側開口縁部75の内周の長さは、たとえば133mmである。これらに対して、送風路の上流側端部から下流側端部までの長さ(高さH70)は10mmと更に短い。
このように、ガイド壁60,70が組み合わされて構成されることで、短い距離範囲の中で送風路の流路断面積が急峻に減少するような場合であっても、上記の効果を得つつ、同時に、風の流れをスムーズに曲げる送風ガイドの効果が得られる。この構成を送風装置の入口開口22(吸込口)に設けることによって、入口の乱れを大幅に抑制することができ、入口乱れによるエネルギーロスやファンの剥離騒音などを効果的に抑制することが可能となっている。
[実施の形態2]
以下、実施の形態2として、実施の形態1の送風装置100において採り得る他の構成について説明する。
実施の形態1においては、内壁面62のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体T1,T2,T3,T4のすべてが設けられている。同様に、内壁面72のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体U1,U2,U3,U4のすべてが設けられている。これらの構成は必須ではなく、凸状体T1,T2,T3,T4や凸状体U1,U2,U3,U4は、内壁面62,72のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域上に設けられていないように構成することも可能である。
上述の実施の形態1のガイド壁60においては、送風路61の内壁面62のうちの気流の流れる方向に対して垂直な平面内に位置する内周の長さ(たとえば上流側開口縁部64の内周の長さや、下流側開口縁部65の内周の長さ)に比べて、送風路61の気流の流れる方向における上流側の端部から下流側の端部までの長さ(すなわち高さH60)の方が短くなるように構成されている。この構成は必須ではなく、送風路61の内壁面62のうちの気流の流れる方向に対して垂直な平面内に位置する内周の長さ(たとえば上流側開口縁部64の内周の長さや、下流側開口縁部65の内周の長さ)に比べて、送風路61の気流の流れる方向における上流側の端部から下流側の端部までの長さ(すなわち高さH60)の方が長くなる(あるいは同一となる)ように構成されていてもよい。ガイド壁70についても同様である。
上述の送風路形成部材50は、ガイド壁60〜80の3つを備えているが、送風路形成部材50は、これらのうちのガイド壁60のみ、あるいはガイド壁70のみを有していても構わない。
上述の送風路形成部材50においては、複数の凸状体が、いずれも送風路の内壁面上において1つの連続した円を形成するように円環状に延びる形状を有している。複数の凸状体は、必ずしも1つの連続した円を形成していなくてもよく、たとえば断続的に設けられていてもよく、1つの円弧を形成するように設けられていてもよい。
上述のガイド壁60,70においては、複数の凸状体の間の間隔は、気流の流れる方向において、上流側の間隔に比べて下流側の間隔の方が大きくなるように構成されている。この構成に限られず、複数の凸状体の間の間隔は、気流の流れる方向において、上流側の間隔に比べて下流側の間隔の方が小さくなるように構成されていてもよいし、複数の間隔がいずれも同一となるように構成されていても構わない。
[実施の形態3]
図16は、実施の形態3における送風装置200を示す斜視図である。送風装置200は、筺体21、通風口29(吹出口)、送風部30(図18)、および送風路形成部材160(図17〜図20)を備える。筺体21は、正面パネル23、側面パネル25、および天面パネル27を含み、通風口29は、正面パネル23をその厚さ方向に貫通するように設けられている。
図17は、筺体21(正面パネル23)の正面側から見た様子を示す斜視図である。図18は、送風装置200の内部構造を示す断面図である。送風部30は、ファン32およびモータ34(図18)から構成され、ファン32を回転させることによって、通風口29を流れる気流が形成される。
筺体21内には、図示しない熱交換器が設けられる。送風部30によって送風が行われ、気流は通風口29を通して排出され、効率的に熱交換を行なうことができる。この通風口29の内側に、ベルマウスの形状を有する送風路形成部材160が設けられている。通風口29の出口側にはファンガードが配置されており、ファンガードの外枠部の寸法は、通風口29の直径寸法と同等かもしくはそれよりもやや大きく、ファンガードは、筺体21の外側から通風口29を覆うように配置される。
図19を参照して、送風路形成部材160の上流側開口縁部64および下流側開口縁部65は、いずれも円形形状を有している。上流側開口縁部64を含む平面と、下流側開口縁部65を含む平面とは互いに平行である。上流側開口縁部64の内周の長さは、たとえば1640mmである。上流側開口縁部64(あるいは下流側開口縁部65)に対して直交する方向における寸法を「高さ」とすると、送風路形成部材160は高さH160を有している。高さH160は、たとえば75mmである。
図20を参照して、送風路形成部材160の内壁面62および外壁面63は、上流側開口縁部64から下流側開口縁部65に行くにしたがって径が小さくなるテーパー形状を有している。本実施の形態においても、送風路61の内壁面62のうちの気流の流れる方向に対して垂直な平面内に位置する内周の長さ(たとえば上流側開口縁部64の内周の長さや、下流側開口縁部65の内周の長さ)に比べて、送風路61の気流の流れる方向における上流側の端部から下流側の端部までの長さ(すなわち高さH160)の方が短くなるように構成されている。
送風路61を構成する内壁面62のうち、上流側開口縁部64と下流側開口縁部65との間に位置する途中部分は、ゆるやかに湾曲した形状を有しており、この途中部分は上流側に向かって膨出するように反っている。図21は、送風路形成部材160の内壁面62および外壁面63を拡大して示す断面図である。
(凸状体J1,J2,J3)
図21に示すように、送風路形成部材160の内壁面62上には、複数の凸状体J1,J2,J3が設けられる。好ましくは、内壁面62の内側に形成された送風路61は、上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を有しており、複数のうちの少なくとも一つの凸状体は、内壁面62のうちの上記領域(流路断面積が減少する領域)を構成している部分上に設けられているとよい。本実施の形態においては、内壁面62のうちの上流側から下流側に行くにしたがって流路断面積が減少する領域を構成している部分の上に、凸状体J1,J2,J3のすべてが設けられている。
凸状体J1,J2,J3の各々は、気流の流れる方向に対して交差する方向に沿って延在している。本実施の形態においては、凸状体J1,J2,J3の各々は、1つの円を形成するように円環状に延びている。凸状体J1を含む平面は、上流側開口縁部74(あるいは下流側開口縁部75)を含む平面に対して平行である。凸状体J2,J3についても同様である。
凸状体J1,J2,J3は、気流の流れる方向においてこの順に並んで配置されている。凸状体J1,J2,J3の各々は、いずれも略半円の断面形状を有している。凸状体J1,J2,J3は、気流の上流側から下流側に向かう方向において、互いの間に6mm以下の間隔を空けて並ぶように配置されている。本実施の形態では、凸状体J1の頂部と凸状体J2の頂部との間の間隔K12は、4.5mmであり、凸状体J2の頂部と凸状体J3の頂部との間の間隔K23は、5.0mmである。
凸状体J1の基端に位置する2つの付け根部分c1,c2を結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体J1の突出高さ(HJ1)は、1mm以下である。同様に、凸状体J2の基端に位置する2つの付け根部分を結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体J2の突出高さは、1mm以下である。同様に、凸状体J3の基端に位置する2つの付け根部分を結ぶ平面に対し、当該平面に垂直な方向における凸状体J3の突出高さも、1mm以下である。本実施の形態においては、凸状体J1,J2,J3は、それぞれ、0.5mm、0.7mm、0.8mmの突出高さを有している。
実施の形態3における送風路形成部材160の場合には、凸状体J1,J2,J3の突出高さは0.5mm以上0.8mm以下であり、隣り合う2つの凸状体の間の間隔は4.5mm以上5mm以下である。送風路61に流入する気流の風速はおよそ5m/sである。上流側開口縁部64の内周の長さは、たとえば1640mmである。この送風路形成部材160は、上端から下端までの距離が75mmのベル形状を有し、吸込案内リングとして機能する。たとえば、風量が50m3/min時で一定とした場合の消費電力は、凸状体が無い場合には66Wであったのに対して、62Wに4W分も低減され、騒音は50.4dBから48.9dBに0.5dB低減されることとなる。
以上、各実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。