JP6738741B2 - ライニング型バタフライバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、弁体及び弁箱内周面に樹脂ライニングが施されたライニング型バタフライバルブに関し、特に、弁体の天地側及び弁棒の軸シール部位付近のシール性を向上したバタフライバルブに関する。
従来、化学薬品工業用のプラントで使用して高腐食性流体を流す場合や、食品関連の流路などに用いられるバタフライバルブとして、弁体の金属製の芯体が樹脂ライニング層で被覆され、弁箱の内周面に樹脂シートリングが装着された、いわゆるライニング構造のバタフライバルブが知られている。このライニング型バタフライバルブは、弁体ライニング層や樹脂シートリングがPTFEやPFAなどの樹脂材料により形成されており、これらの材料以外が流体に触れないため、激しい腐食流体、例えば塩素ガスや塩酸などの化学流体、薬液、食品、溶剤などに適している。
この種のライニング型バタフライバルブでは、弁体の天地側や弁棒の軸シール部位付近からの流体の外部漏れを防止するために、その付近に複数のシール構造が段階的に設けられている。天地側のシール構造は、いわゆる天地シールと呼ばれ、一次シールとして設けられている。天地シールでは、弁箱の内周に装着された樹脂シートリングが、弁体の天地、すなわち上部、下部側の弁棒挿入孔の周囲面にそれぞれ押圧によりシールされて上流側から下流側への流体の通過漏れが防止されると共に、弁体に接続される弁棒周りからの流体漏れが最も弁体側の位置で防止される。
弁棒の軸シール部位のシール構造は、いわゆる軸シールと呼ばれ、バタフライ弁の一次シールよりも弁棒の軸方向の外方位置に、弁棒と同心状に二次シールとして設けられる。軸シールでは、弁棒周りからの流体漏れが防止されると共に、弁箱と樹脂シートリングとの間からの流体漏れ(いわゆる、裏漏れ)が防止される。
さらに、二次シールよりも弁棒の軸方向の外方位置には、Oリングなどのシール部材が三次シールとして配置されることがあり、これにより弁棒周りからの流体漏れがさらに防止される。
このような複数のシール構造が設けられたものとして、例えば、特許文献1、2のバタフライ弁が開示されている。特許文献1では、樹脂シートリングが内周側に設けられた支えによって保持され、弁体の直径が樹脂シートリングよりも大きくなっている。このことにより、樹脂シートリングが圧縮されて天地シールが機能し、一方、シール部材である輪形材がボデー穴に形成された肩で保持された座金により止められていることで、輪形材により軸シールが機能するようになっている。
特許文献2では、ボデーと樹脂シートリングとの間に設けられたクッションにより天地シールが機能し、この天地シール部位の軸方向の二次側に設けられたクランプ装置により軸シールが機能するようになっている。
このように、これらのバルブでは、一次シールである天地シールと、二次シールである弁棒への第1の軸シールとがそれぞれ独立した構造で設けられ、それぞれのシール部位により天地シールと軸シールとが設けられている。
一方、特許文献3〜5のバタフライ弁では、天地シールに、スプリングによる押圧力が利用された構造に設けられている。
特許文献3の蝶形弁では、ばねにより円筒状プラグがボス部位側に弾発され、これにより樹脂シートリングと弁体との間の一次シールである天地シールが施され、円筒状プラグと樹脂シートリングとの間に設けられたOリングにより二次シールである軸シールが設けられている。
特許文献4のバタフライ弁では、皿ばねにより押えリングが押圧され、この押えリングにより押圧されたシールリングにより、天地シールと軸シールとが機能するようになっている。
特許文献5においては、スプリングにより押圧された軸受部材を介してシール部材である弾性体が軸方向に押圧され、この弾性体により天地シールと軸シールとが機能するようになっている。
また、比較例として図9に示したバタフライ弁1では、金属製の芯体2に樹脂ライニング層3が被覆されて円盤状の弁体4が設けられ、弁箱9の内周面には樹脂シートリング5が装着されている。さらに、樹脂ライニング層3が、弁体4に装着された弁棒6に沿って軸方向に延長されて弁棒被覆部7が形成され、この弁棒被覆部7の外周面に樹脂シートリング5が弁棒6に沿って延長された延長被覆部8が配置されていることにより、シール性を確保しようとしている。
ところで、バタフライバルブでは、弁閉状態で一次側から流体圧が加わった場合、この流体圧により弁体が二次側に若干移動することが知られている。例えば、呼び径100Aのバタフライバルブでは、弁閉状態で1.0MPaの水圧が一次側から加わった場合、弁体が二次側に約0.2mm程度移動する。
特開昭52−90815号公報 特許第3863563号公報 特開昭61−119881号公報 実公昭58−56463号公報 特許第2920364号公報
特許文献1及び2のバタフライ弁においては、双方ともに天地シールと軸シールとがスプリングから独立した状態で設けられ、特許文献1では弁体の直径が樹脂シートリング内径よりも大きいこと、特許文献2ではボデーと樹脂シートリングとの間に設けられたクッションにより、それぞれ天地シールが機能するようになっている。このような構造であることから、ライニング樹脂の温度変化や経年変化などによる劣化によってシール性が低下した場合、このシール性低下に対してスプリングの弾発力を利用して天地シールを回復することができない。これにより、天地シール性と軸シール性とを維持することが難しい。
一方、特許文献3〜5のバタフライ弁においては、スプリングを利用した天地シールにより、スプリングの弾発力による天地シールの回復は可能ではあるが、それぞれ以下の問題を有している。
特許文献3の蝶形弁は、二次シールにOリングを用いた構造であり、このOリングとしてゴム系材料を用いた場合には、塩素等の腐食性流体用として用いることができない。そのため、二次シールが確保できなくなり、バルブの用途が限定されることにもつながる。
特許文献4におけるバタフライ弁では、皿ばねの押圧力が押えリングとシールリングとに設けられたテーパ面により、天地シール方向と軸シール方向とに分力されているため、何れか一方側のシール力を強くすれば他方側のシール性が弱くなり、双方のシール力を効果的に高めることができない。しかも、これら天地シールと軸シールとをバランスよく保つ調整も必要になり、その調整も困難となる。
特許文献5においても、スプリングの押圧力を弾性体のテーパ面を利用して一次シールと二次シールとに分力していることから、特許文献4と同様の問題を有している。
また、特許文献1〜5や比較例として示した図9のバタフライ弁1において、例えば、図9のバタフライ弁1に全閉時の状態で一次側から流体圧が加わり、図に示すように弁体4が二次側に移動したときには、樹脂ライニング層3も二次側に移動する。この場合、樹脂ライニング層3の天地側が樹脂シートリング5に対して二次側にずれてこれらの密着性が悪くなり、これら樹脂ライニング層3と樹脂シートリング5とによってなされる弁体4の天地側の弁棒6周辺における弁箱9とのシール性、すなわち天地シール性が低下し、いわゆる一次漏れを生ずるおそれがある。
さらに、図9において弁体4の移動に伴って弁棒6が二次側に移動することで、弁棒被覆部7と延長被覆部8との密着性も悪くなり、これら弁棒被覆部7と延長被覆部8とによってなされる弁棒6と弁箱9とのシール性、すなわち弁棒6の軸シール性が低下し、いわゆる二次漏れを生じるおそれもある。
本発明は、従来の課題を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、流体に対する耐食性を有するライニング型バタフライバルブであり、天地シール性と軸シール性とを同時に向上して漏れを確実に防止し、流体圧によりジスクが二次側に移動した場合にも、これらのシール性を維持することができるバタフライバルブを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、シートライナで被覆した筒形ボデー内にライニング部で被覆したジスクをステムを介して開閉自在に設けたバタフライバルブであって、ステムの軸シール部位をリング体とステムとの間に挟み込むことにより当該軸シール部位の拡径を防止すると共に、ボデーの軸装部内に設けたスプリングの弾発力でリング体を介してジスクの天地のボス面に位置するシートライナを押圧することにより当該天地シール部位のシール性を保持した状態で、シートライナに延設した筒状ライニング部の内周には、環状の肉厚シール部が形成され、この肉厚シール部をジスクのライニング部に延設した軸筒ライニング部の外周に押圧したライニング型バタフライバルブである。
請求項2に係る発明は、天地シール部位は、ジスクの天地のシールボス面の外周近傍位置を強く押圧するようにしたライニング型バタフライバルブである。
請求項3に係る発明は、リング体は、軸シール部位に設けたシーリングブッシュの環状鍔部を介してシートライナを押圧したライニング型バタフライバルブである。
請求項4に係る発明は、環状鍔部の底面に、外径に向かって下降傾斜するテーパ面を設けたライニング型バタフライバルブである。
請求項5に係る発明は、肉厚シール部に断面山形状のテーパ面部を形成したライニング型バタフライバルブである。
請求項6に係る発明は、筒状ライニング部とリング体との間にシーリングブッシュに形成した円筒部を介在させ、リング体により円筒部を介して筒状ライニング部の拡径を防止したライニング型バタフライバルブである。
請求項7に係る発明は、シーリングブッシュの円筒部に内挿したOリングをシートライナの筒状ライニング部に摺接したライニング型バタフライバルブである。
請求項8に係る発明は、ステムとジスクとを別体に形成したライニング型バタフライバルブである。
請求項9に係る発明は、短筒状のボデーの流路口とフランジ部とをシートライナで被覆し、全閉時の流体圧でジスクとステムとが二次側に若干移動する際に、シートライナが追随して移動可能な移動スペースをフランジ部の流路部側の縁部位置に設けたライニング型バタフライバルブである。
請求項10に係る発明は、ライニング部は、ジスクの上下のボス部を被覆したボス面とこのボス面からステムの外周に被覆した軸筒ライニング部とからなり、かつシートライナは、フランジ部から流路部を延設してボス面とシール接続するシール面とこのシール面から軸筒ライニング部の外周にシール接続する筒状ライニング部を上下に延設すると共に、ジスクの二次側への移動に追随して移動スペースによるシートライナの流路部の移動により、ボス面とシール面との天地シールと、軸筒ライニング部と筒状ライニング部との軸シールとのシール性を維持するようにしたライニング型バタフライバルブである。
請求項11に係る発明は、移動スペースは、ボデーの流路口の縁部をボデーの端面側に切り欠いて形成したテーパ面であるライニング型バタフライバルブである。
請求項12に係る発明は、移動スペースは、ボデーの流路口の縁部を段部状に切り欠いて形成した段部面であるライニング型バタフライバルブである。
請求項13に係る発明は、移動スペースは、シートライナの流路部とフランジ端部との接続部分に設けたテーパ状のテーパスペースであるライニング型バタフライバルブである。
請求項1に係る発明によると、シートライナで被覆した筒形ボデーと、ライニング部で被覆したジスクとにより流体に対して耐食性を有し、スプリングの弾発力でリング体を介してジスクの天地のボス面に位置するシートライナを押圧して天地シール部位のシール性を保持していることにより、一次シールである天地シール性を向上し、これと同時に、ステムの軸シール部位をリング体とステムとの間に挟み込んで軸シール部の拡径を防止していることにより、軸シール性を向上できる。この場合、これら天地シール性と軸シール性とが互いに悪影響を及ぼすことがなく、双方を保持して漏れを確実に防止する。しかも、リング体を天地シール性の軸シール性との確保に共用化できるため、部品点数の増加を抑えて内部構造も簡略化にも寄与する。スプリングの弾発力を利用して天地シール性を保持しているため、ライニング材料である樹脂が温度変化や経年変化により劣化した場合にもシール性を回復できる。組立て時においては、リング体の装着により天地シール性と軸シール性とを所定のシール力まで向上できるため、各シール力を調整する必要もなく、リング体の組み込みも容易である。筒状ライニング部の内周に形成された環状の肉厚シール部をジスクのライニング部に延設した軸筒ライニング部の外周に押圧したことにより、軸筒ライニング部にステムが挿入されたときに、この軸筒ライニング部の外径側で肉厚シール部が圧接され、この肉厚シール部に径方向の押圧力が加わって密着することで、軸シール部位の軸シール状態が得られる。この場合、環状の肉厚シール部が筒状ライニング部に押圧されることで、局部的に高いシール性が得られるため、筒状ライニング部と軸筒ライニング部との間の漏れを防止する。これらの摩擦抵抗を低減して弁の開閉操作トルクの上昇を抑制しつつ、軸シール性を確保することもできる。
請求項2に係る発明によると、ジスクの天地のシールボス面の外周近傍を強く押圧することにより、このシールボス面とシートライナとの当接部位の摺動抵抗を低減し、弁の開閉操作トルクの上昇を防止しながら天地シール性を向上でき、しかも、この天地シール性を、スプリングを用いて維持できる。
請求項3に係る発明によると、環状鍔部を介してスプリングの押圧力をリング体からシートライナに伝達することにより、金属製のリング体が樹脂製シートライナを直接押圧する場合とは異なりシートライナの局部的な変形を防止し、このシートライナの破損を防止しつつ天地シール性を維持する。
請求項4に係る発明によると、テーパ面によりジスクの天地のシールボス面の外周近傍を確実に強く押圧して天地シール性を確保する。
請求項5に係る発明によると、断面山形状のテーパ面部を形成したことにより、このテーパ面部と筒状ライニング部との境界部分が裾野状に広がり、軸筒ライニング部との押圧に伴う応力を分散しやすくなる。このため、肉厚シール部の局部的な変形を抑制してクリープ現象も低減してシール性の低減を防止し、軸シール性を維持して漏れを確実に防止する。
請求項6に係る発明によると、シーリングブッシュの円筒部の弾性力を利用して筒状ライニング部を軸筒ライニング部の外周に押圧して軸シール性を維持可能となる。
請求項7に係る発明によると、スプリングを用いた天地シール構造を採用しつつ、この天地シールに用いるシーリングブッシュをOリングによる三次シール部位の拡径防止に利用できることから、シーリングブッシュにより部品の共用化を図りつつ、三次シール性を高めて軸シール性を維持できる。
請求項8に係る発明によると、ライニングしたジスクをシートライナで被覆した筒形ボデー内に組み入れた後に、ステムをジスクに挿入するだけで軸シール部位のシール性を確保できる。このため、全体の組立て作業が容易になり、ステムを別体化することでジスクのコンパクト化も可能にしつつ天地シール性と軸シール性とを確保できる。
請求項9に係る発明によると、弁閉時において流体圧によりジスクが二次側に移動した場合にも、シートライナが移動スペースを介して追随して移動可能となり、シートライナとライニング部との間の一次漏れを防いで天地シール性を維持し、かつ二次漏れを防いで軸シール性を維持できることで、高腐食性流体、塩素ガス等の化学流体、薬液等の流体を確実に閉止できる。しかも、シートライナの移動スペースを設けるだけでよいため加工性や成形性にも優れ、シートライナやライニング部、及びボデー形状の複雑化を抑えながら製作できる。そして、シートライナ、ジスクライニングの肉厚を確保できることから、流体の耐透過性も維持できる。
請求項10に係る発明によると、ジスクの二次側への移動に追随して移動スペースによりシートライナの流路部が移動することにより、ジスクと共に二次側に移動するボス面、軸筒ライニング部に対して、シール面、筒状ライニング部を追従させてシール状態を維持できる。これにより、ボス面とシール面との間の一次漏れを防いでボデーとジスクとの天地シール性を維持し、軸筒ライニング部と筒状ライニング部との間の二次漏れを防いでボデーとジスクとの軸シール性を維持して流体の漏れを確実に防止できる。
請求項11に係る発明によると、シートライナの流路部を拘束することなく変形可能にでき、ジスクとステムとが二次側に移動するときに流路部をテーパ面に沿ってスムーズに変形させてシートライナを追随でき、シートライナのボデーとの接触部分における応力集中も防止できる。テーパ面により移動スペースをボデーに容易に形成できるため、シートライナに加工を施す必要がなく成形性がよくなり、しかも、シートライナの厚みを薄くする必要もないため塩素等の流体への耐透過性も維持できる。
請求項12に係る発明によると、ボデー側に高い精度を要することなく簡単な加工により段部面を形成でき、この段部面を介してシートライナの流路部をジスクとステムとの二次側移動に追随するように確実に変形させることができる。これにより、シートライナに加工を施す必要がないため成形性がよく、しかも、シートライナの厚みを薄くする必要もないため塩素等の流体への耐透過性も維持できる。
請求項13に係る発明によると、ボデーに加工を施すことなくシートライナの成形加工と同時にテーパスペースを設けることができるため、テーパスペースを形成するための作業工数の増加を抑えることができる。テーパスペースを介してシートライナの流路部をジスクとステムとの二次側移動に追随させるように確実に変形できる。
本発明のライニング型バタフライバルブの実施形態を示す中央縦断面図である。 図1のライニング型バタフライバルブの中央縦断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 肉厚シール部付近を示す一部拡大断面図である。 シーリングブッシュ付近を示す一部拡大断面図である。 図3のジスクが二次側に移動した状態を示す要部拡大断面図である。 本発明のライニング型バタフライバルブの第2実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明のライニング型バタフライバルブの第3実施形態を示す要部拡大断面図である。 従来のバラフライバルブを示す要部拡大断面図である。
10 バルブ本体
11 ボデー
12 ジスク
13 ステム
15 流路口
16 フランジ部
18 軸シール部位
19 天地シール部位
20 シートライナ
22 リング体
23 シーリングブッシュ
23a 円筒部
23b 環状鍔部
24 Oリング
26 テーパ面
27 軸装部
30 流路部
31 シール面
32 ライニング部
33 軸筒ライニング部
34 筒状ライニング部
36 ボス部
37 ボス面
40 テーパ面(移動スペース)
42 肉厚シール部
43 テーパ面部
44 スプリング
51 段部面(移動スペース)
61 テーパスペース(移動スペース)
以下に、本発明におけるライニング型バタフライバルブの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2においては、本発明のバタフライバルブの実施形態を示しており、図3においては、図2の要部拡大断面図を示している。
図1、図2において、バタフライバルブ(以下、バルブ本体10という)は、例えば、化学薬品工業用プラントや食品関連の管路等に用いられ、筒形状のボデー11、ジスク12、上部ステム13a及び下部ステム13bからなるステム13を有し、呼び径100Aの口径により設けられる。後述するが、バルブ本体1内には、シートライナ20の筒状ライニング部34、ライニング部32の軸筒ライニング部33、シーリングブッシュ23を有する軸シール部位18、ライニング部32のボス面37、シートライナ20のシール面31を有する天地シール部位19が設けられる。
ボデー11は、例えばダクタイル鋳鉄などの鋳鉄により筒形に成形され、上部ボデー11a、下部ボデー11bを有しており、これらがボルト14により着脱可能に固定されている。ボデー11には、流路口15とフランジ部16とが設けられ、これらがシートライナ20で被覆されている。上部ボデー11a、下部ボデー11bのステム13の軸装側には軸装穴21を有する軸装部27が設けられ、軸装部27には、上部ステム13a、下部ステム13bがそれぞれ装着される。軸装部27のジスク12の装着側には、リング体22、シーリングブッシュ23、Oリング24、ベアリング25が装着され、これらに続いてコイルスプリングからなるスプリング44が設けられる。
シートライナ20は樹脂材料からなり、本実施形態では、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂により、例えば3mm程度の肉厚に設けられ、これによって高い耐食性や耐熱性を発揮可能になっている。シートライナ20において、流路口15側には流路方向に移動可能な流路部30が形成され、さらにこの流路部30がフランジ部16から延設されるようにして、内周側にシール面31が設けられ、このシール面31から後述する軸筒ライニング部33の外周にシール接続可能な筒状ライニング部34が、上下の軸装穴21の軸芯方向に延設されている。
図3、図4において、筒状ライニング部34は筒部からなり、シートライナ20のステム13を挿入する側に一体に延設され、この筒状ライニング部34の内周には環状に肉厚シール部42が形成される。
肉厚シール部42は、軸筒ライニング部33の外周を押圧可能な大きさに突設される。
肉厚シール部42には、断面山形状のテーパ面部43が形成され、このテーパ面部43のテーパ角度は、例えば8°〜15°の範囲に設定される。肉厚シール部42は、軸筒ライニング部33の外周に当接した状態で、軸筒ライニング部33にステム13が挿入されたときにこの軸筒ライニング部33の外径側で圧接されて密着することにより軸シール部位18の軸シール状態が得られる。
図1〜図3において、ジスク12は、ステム13とは別体に形成され、このステム13を介してボデー11内に回転自在に設けられる。ジスク12の中心側には芯金35が設けられ、この芯金35は、例えば、ステンレス合金を材料として円盤状に形成され、芯金35の接液面となる表面には、ボデー11の場合と同様にPFA等のフッ素樹脂等の樹脂材料によるライニング部32が、例えば3mmの肉厚で被覆されている。
ライニング部32は、ジスク12の天地側においてジスク12の上下に形成されたステム挿入孔12aの周囲面に形成されたボス部36を被覆したボス面37と、このボス面37からステム13の外周を被覆可能に延設された軸シール側の軸筒部からなる軸筒ライニング部33とを有し、芯金35の適宜位置に形成された貫通孔35aを介して芯金35の表裏面の外周囲に一体に被覆されることにより、芯金35からの離脱が防がれている。
ジスク12のステム挿入孔12aの天地側には角形穴部38が形成され、この角形穴部38から上部ステム13a、下部ステム13bの接続側が挿入嵌合され、この上部ステム13a、下部ステム13bを介して、ライニング部32が被覆されたジスク12が、シートライナ20が被覆されたボデー11に回動可能に軸装される。このようにステム13とジスク12とを別体構造に設けていることで、組立てが容易となる。
軸装穴21のステム13の外周側には円筒状のベアリング25が設けられ、このベアリング25と下方に位置するシートライナ20との間には、金属製の円筒状リング体22がこれらに挟まれるようにして設けられる。
リング体22は、ステンレス材料によりジスク12の天地のシールボス面37の外周近傍位置を上方側から強く押圧することが可能な径で設けられ、ジスク12が回転可能な状態で、ベアリング25を介して図1のスプリング44の弾発力が伝達可能に設けられる。
図1において、上部ボデー11aの軸装穴21にはベアリング部材70が保持リング71で係止された状態で配置され、このベアリング部材70によりスプリング44が下方向に弾発可能な状態に支持される。一方、下部ボデー11bの軸装穴21にはコマ部材72が保持リング71で係止された状態で配置され、このコマ部材72の上にベアリング部材73が重ねられ、このベアリング部材73を介してスプリング44が上方向に弾発可能な状態に支持される。これらのベアリング部材70、73、コマ部材72により、上下のスプリング44、44がそれぞれジスク12方向に弾発される。ベアリング部材70やコマ部材72の内外周には、防塵・防水用のOリング74、75がそれぞれ装着されている。
ベアリング25は、軸装穴21のスプリング44とリング体22との間に配置され、このベアリング25により上部ステム13a、下部ステム13bがそれぞれ三次シールの近傍(Oリング24の近傍)で、回転自在且つ調心状態に支持されている。ベアリング25は、ステンレス等の金属製のベアリングブッシュ25aの内周に、バックメタル付樹脂複層軸受25bが装着された二層構造に設けられている。
ベアリングブッシュ25aは、スプリング44が当接してその弾発力が加わる外径に設けられ、弾発力が加わったときにその端面側がリング体22に当接し、リング体22をジスク12側に押圧可能に設けられる。この場合、ベアリングブッシュ25aのジスク12側端面がシーリングブッシュ23の端面にも接触していてもよいが、ベアリングブッシュ25aからシーリングブッシュ23に押圧力を加える必要はない。
本実施形態においては、ベアリングブッシュ25aの下面とシーリングブッシュ23の上面との間には、若干の隙間(図示せず)を設けており、シーリングブッシュ23がベアリング25によって押圧されないよう配置している。なお、ベアリング25を介さずに、スプリング44によりリング体22を直接押圧する構造であってもよい。
シーリングブッシュ23は鍔状部材からなり、カーボンファイバー入りPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料により成形され、軸装穴21のリング体22とライニング部32及びシートライナ20との間にシール部位として設けられる。図3において、シーリングブッシュ23には円筒部23aが形成され、この円筒部23aの下部側には、外周方向に曲折されるように環状鍔部からなる鍔部23bが形成される。鍔部23bにはリング体22の端面22aが当接し、これにより、リング体22は、鍔部23bを介してシートライナ20を押圧するようになっている。
この構造によれば、バルブの過酷な使用等により、万が一、天地シール部位19や軸シール部位18のシール性が低下して、シートライナ20とシーリングブッシュ23との間に流体が浸入しても、樹脂製のシーリングブッシュ23の鍔部23bがリング体22により樹脂製のシートライナ20に強く押されているので、この押圧部位がいわゆる裏漏れと呼ばれる漏れを防止する。従って、金属製のリング体22が腐食性流体に接することがなく、スプリング44の弾発力を増してリング体22を介してシートライナ20を押圧し、天地シールを回復することができる。
ここで、図5に示すように、鍔部23bの底面には、外径に向かって下降傾斜するテーパ面26が角度θにより設けられ、これにより、図3のシーリングブッシュ23をシートライナ20に装着したときには、図5において鍔部底面の外径部位付近がシートライナ20に当接するようにしてもよい。
また、図示しないが、流体が腐食性でない場合には、リング体22の下部側が内周方向に曲折されるようにリング体22の環状鍔部を形成し、シートライナ20をリング体22で直接押圧する構造を用いてもよい。この場合、シーリングブッシュ23は、鍔部23bが不要となり、円筒部23aは、リング体22の環状鍔部の上方に配置すればよい。
筒状ライニング部34とリング体22との間に円筒部23aが介在されるようにシーリングブッシュ23が装着され、リング体22により円筒部23aを介して筒状ライニング部34の拡径が防止される。
このような構成により、図1に示したバルブ本体10において、ボデー11の軸装部27内に設けたスプリング44を弾発力でリング体22を介してジスク12の天地のボス面37に位置するシートライナ20を押圧することにより、一次シールである当該天地シール部位19のシール性を保持している。
これと共に、ステム13の筒状ライニング部34、軸筒ライニング部33、シーリングブッシュ23を有する軸シール部位18をリング体22とステム13との間に挟み込むことにより、当該軸シール部位18の拡径を防止し、これら摺接部位である軸シール部位18が二次シールとして機能する。
さらに、図3において、シーリングブッシュ23の円筒部23aよりも上部には保持部23cが設けられ、この保持部23cにOリング24が内挿される。これにより、軸シール部位18(二次シール)よりも上方にOリング24が装着され、このOリング24が軸筒ライニング部33に摺接し、これら軸筒ライニング部33(上部ステム13a、下部ステム13b)とOリング24とによる摺接部位が三次シールとして機能する。保持部23cは、筒状ライニング部34との間に隙間Xを形成可能な高さに設けられる。
図3においては、バルブ本体10におけるジスク12の上部側付近を示しているが、ジスク12の下部側においても上部側と同様の構造に設けられる。
なお、上記実施形態において、リング体22をステンレスにより設けているが、これ以外の金属材料によって設けるようにしてもよく、或は、ベアリング25で押圧したときにリング体22側(ジスク12の外周近傍)を強く押圧可能であれば、金属材料以外の材料を用いるようにしてもよい。
また、スプリング44としてコイルスプリングを用いているが、これに限ることはなく、例えば、皿ばねをスプリングとして用いてもよい。
続いて、バルブ本体の組立て手順を述べる。バルブ本体1を組立てる際には、上下側を同様に組み立てるものとする。
図1、図2において、先ず、ライニング部32で被覆したジスク12を、シートライナ20の内側に組み入れる。その際、ジスク12の上下の軸筒ライニング部33をシートライナ20の筒状ライニング部34にそれぞれ内挿する。
次に、Oリング24を保持部23cに装着したシーリングブッシュ23を筒状ライニング部34の外周に装着する。このとき鍔部23bを筒状ライニング部34の外周側に嵌め込むようにし、図3において上部側のOリング24を軸筒ライニング部33外周に当接させるように組み込む。
シーリングブッシュ23の外周に、底面を鍔部23b上面に当接させるようにしながらリング体22を装着する。これにより、金属製リング体22がシーリングブッシュ23の円筒部23a及び保持部23cを外周側から保持し、筒状ライニング部34の肉厚シール部42の拡径が阻止される。
この状態で上部ステム13a、下部ステム13bをそれぞれ軸筒ライニング部33の内側に挿入してステム挿入孔12aに接続する。これにより、肉厚シール部42には径方向に所定の押圧力が加わり、二次シール及び三次シールが機能することが可能になる。
一方、上部ボデー11a、下部ボデー11bの各軸装穴21には、ベアリング25、スプリング44、ベアリング部材70、73、コマ部材72をそれぞれ対応する位置に装着し、ベアリング部材70、コマ部材72をそれぞれ保持リング71の係止により抜け出しを防止する。
最後に、上部ボデー11a、下部ボデー11bの間にジスク12、シーリングブッシュ23、リング体22を装着した前述のシートライナ20を配置し、これを挟み込んだ状態でボルト14を締め付けることで一体化し、バルブ本体10の組立てが完了となる。
図6において、組立後のバルブ本体10に、全閉時において一次側から流体圧が加わった場合には、この流体圧でジスク12とステム13とが二次側に若干移動し、例えば、1.0MPaの流体圧が加わったときには、ジスク12が約0.2mm二次側に移動する。バルブ本体10には、このようなジスク12の移動の際に、シートライナ20が追随して移動可能な移動スペース40が、図3に示すように、フランジ部16の流路部30側の縁部位置に設けられている。
この移動スペース40によるジスク12の二次側への移動に追随したシートライナ20の流路部30の移動により、ボス面37とシール面31との天地シールと、軸筒ライニング部33と筒状ライニング部34との軸シール性とのシール性が維持されるようになっている。
移動スペース40は、ボデー11の流路口15の縁部がボデー11の端面側に切り欠かれて形成されたテーパ面により設けられ、この移動スペース40の範囲内を流路部30が変形可能になっている。そのため、テーパ面40は、流路部30がジスク12に追随して二次側に移動して天地シールと軸シールとを維持でき、図3における横方向の移動寸法がジスク12の最大移動距離になるような所定角度に設けられている。本実施形態では、前述のように1.0MPaの流体圧により、ジスクが最大幅0.2mmで横方向に移動する移動スペース40を、ボデー11とシートライナ20との間に確保できる角度に設けられる。流路部の30の横方向の移動寸法が大きすぎる場合、この流路部30が移動しすぎてジスク12の弁翼側のシールにマイナスの影響を与えるおそれがあるため注意が必要となる。
さらに、テーパ面40の角度を調整して流路部30の移動量を設定することも可能であり、移動量をごくわずかな量で微調整することで異なる口径や流体圧の加わるバルブ本体10に応じて流路部30の移動量を設定し、天地シール性と軸シール性とを維持できる。
テーパ面40は、ボデー11の流路口15に沿って形成され、その外径がバルブ本体10に接続される図示しない外部配管との接続部に配置される図3に示したガスケット41の内径と同等以下に設定されている。これにより、流路方向においてテーパ面40がガスケット41のシール面41aに差し掛かることがなく、ガスケット41のシール面41aに流体圧が加わった場合にもシートライナ20のフランジ部分が影響を受けて変形することがないため、ガスケット41による外部配管とのシール性を維持できる。
この場合、図2において右側を上流側、左側を下流側としているが、同図に示すような左右対称構造のバルブ本体1である場合、左側を上流側、右側を下流側としてもよい。
前述した移動スペース40は、必ずしもボデー11に形成されている必要はなく、シートライナ20に形成されていてもよい。このように、移動スペース40は、シートライナ20或はボデー11の何れか一方、或は双方に設けられていてもよく、さらに、何れの場合にも移動スペース40をテーパ面以外の各種形状に設けることもできる。
次に、本発明のライニング型バタフライバルブの上記実施形態における作用を説明する。
図3において、全閉時のバルブ本体(呼び径100A)10において、スプリング44の弾発力でリング体22を介してジスク12の天地のボス面37に位置するシートライナ20を押圧することにより、ボス面37とシール面31を有する天地シール部位19による一次シールである天地シール性を保持することができ、シートライナ20やライニング部32に劣化が生じた場合にも、スプリング44の弾発力でシール性を回復できる。
この場合、スプリング44の弾性力は、リング体22を介してジスク12の天地シール側のボス面37の外周側に押圧力として伝達される。このため、操作トルクの上昇を抑制しつつ、ボス面37とシール面31とを集中的に密着できることで、所定の天地シールのシール性を得ることができる。
軸シール部位18をリング体22とステム13との間に挟み込んで当該軸シール部位18の拡径を防止していることにより、天地シール性に悪影響を及ぼすことなく二次シールである、軸筒ライニング部33と筒状ライニング部34とによる軸シール性も確保できる。これによって、天地シール性、軸シール性の何れか一方のシール性を低下させることなく、双方のシール性を向上でき、部品点数の増加も抑えることが可能になる。
シートライナ20のシール面31及び筒状ライニング部34、ライニング部32のボス37及び軸筒ライニング部33は、それぞれ樹脂により一体成形されているため、塩素等の腐食性流体に対して優れた耐食性を維持する。
各シール部位のシール性をより具体的に説明すると、天地シール部位19においては、上部ステム13aや下部ステム13bの外周に同心状に配置されたリング体22が、スプリング44の弾発力によりシートライナ20を押圧してシール性を維持する。その際、天地シール部位19を、ジスク12の天地のボス面37の外周近傍位置を強く押圧するようにしていることで、ボス面37全体を押圧する場合に比較してジスク12とシートライナ20との摺動抵抗を低減しつつ一次シール性を維持でき、弁の開閉操作トルクの上昇を防止する。
しかも、軸シール部位18にシーリングブッシュ23を設け、このシーリングブッシュ23の鍔部23bを介してシートライナ20を押圧していることで、リング体22の端面22aがシートライナ20を直接押圧することなく樹脂製のシーリングブッシュ23が押圧することとなり、リング体22からの押圧力を、鍔部23bを介してシートリテーナ20側に分散させるように伝達して応力集中を防ぐ。このため、金属製リング体22が直接押圧する場合に比較して、シートライナ20の局部的な変形を防止できる。
さらに、リング体22により鍔部23bとシートライナとを強く押圧することでこれらの当接部位もシール部位として機能し、この押圧部位が前述の裏漏れと呼ばれる漏れを防止する部位として機能する。
ここで、図5に示すように、鍔部23bの底面に角度θのテーパ面26を下降傾斜するように設けて、このテーパ面26の外径側でジスク12の外周近傍をより集中的に環状に強く押圧することで、天地シール性を一層高めることができる。
一方、軸シール部位18においては、筒状ライニング部34と軸筒ライニング部33とが摺接し、このときに筒状ライニング部34の内周の肉厚シール部42が軸筒ライニング部33の外周に押圧されることで機能する。これにより、局部的に高いシール性を得ることが可能になり、筒状ライニング部34と軸筒ライニング部33との間の漏れを防ぐ。肉厚シール部42は、筒状ライニング部34に一体に形成される樹脂であるため、これらの二次シールは樹脂同士の摺接となる。このことから、これらの材料としてフッ素樹脂などの摩擦係数の小さい樹脂材料を用いるようにすれば、樹脂製の筒状ライニング部34を金属製ステム13に直接押圧する場合と比較して、摩擦抵抗を大幅に低減して弁の開閉操作トルクの上昇を防止できる。
肉厚シール部42に断面山形状のテーパ面部43を形成していることで、このテーパ面部43と筒状ライニング部34との境界部分が裾野状に広がり、軸筒ライニング部33との押圧に伴う応力を分散しやすくなる。これによって肉厚シール部43の局部的な変形を抑制しつつ、クリープ現象も低減してシール性の低減を防いでいる。ステム13をジスク12に装着する際には、肉厚シール部42に対してステム13を円滑に乗り越えさせてジスク12に挿入できる。シートライナ20の製造時においては、肉厚シール部42が筒状ライニング部34の内方に突出するが、テーパ面部43の断面山形状により成形型の取り外しの障害となるおそれもない。
上記のように軸シール部位18を挟み込み、リング体22で肉厚シール部42の拡径を防止して二次シールのシール性を維持するためには、本実施形態のようにリング体22を肉厚シール部42との対向位置に配置するとよい。本実施形態では、図4において、肉厚シール部42のジスク側端部42aの高さが、リング体22の端面22aの高さと略一致するように設定している。
筒状ライニング部34とリング体22との間に円筒部23aを介在させ、リング体22により円筒部23aを介して筒状ライニング部34の拡径を防止していることにより、肉厚シール部42を確実に軸筒ライニング部33に押圧し、さらに樹脂製の円筒部23aの弾性力も利用することで一層軸シール性が向上する。
三次シール側において、シーリングブッシュ23の円筒部23aに内挿したOリング24をシートライナ20の筒状ライニング部34に摺接していることにより、Oリング24を上部ステム13a、下部ステム13bの各外周に所定の押圧力で摺接させてシール性を確保し、ステム13周辺からの三次漏れを防止できる。さらに、保持部23cをリング体22に内装していることでリング体22を保持部23cの拡径防止にも利用しており、部品の共用化を図りつつ軸シール性をより向上できる。
しかも、このOリング24のステム13周りの三次シール機能により、流体圧でジスク12が二次側に移動した場合にも、ステム周辺の三次漏れを防止でき、シーリングブッシュ23により部品を共用化しながら、応力集中を防止しつつ、三次シール機能を発揮する。
図3において、全閉時のバルブ本体(呼び径100A)10に対して、一次側(図における右側)から1.0MPaの流体圧が加わった場合、ジスク12並びにステム13が約0.2mm二次側(図における左側)に若干移動する。
ここで、シートライナ20は、そのシール面31がジスク12のボス部36を被覆したボス面37とシールして天地シールを構成すると共に、シートライナ20の筒状ライニング部34がステム13の外周を被覆した軸筒ライニング部33とシールして軸シールを構成しているので、シートライナ20の流路部30には、ジスク12並びにステム13の二次側への移動に伴って、シール面31や筒状ライニング部34と共に二次側に移動する力が加わる。
その際、ボデー11には予めフランジ部16の流路部15側の縁部位置に0.2mmの幅を有する移動スペース40が設けられているので、シートライナ20の流路部30は、図6に示すように、移動スペース40の範囲内(最大幅0.2mm)で変形することができ、ジスク12並びにステム13の二次側への移動に追随して二次側に0.2mm移動することができる。
このため、ボス面37とシール面31とによる天地シールと、シートライナ20の流路部30の直交方向に形成されている筒状ライニング部34と軸筒ライニング部33とによる軸シールとのそれぞれのシール性を維持できる。これにより、天地シール側の一次漏れ及び軸シール側の二次漏れを防止できる。
しかも、ボデー11の流路口15の縁部をボデー11の端面側に切り欠いて形成したテーパ面40により移動スペースを設けていることにより、応力集中を防ぎながらシートライナ20の流路部30を移動できるため、シートライナ20の消耗を抑えることができる。
さらには、鍔状部材23の円筒部23aの内周にOリング24を装着していることで、鍔状部材23と軸筒ライニング部33との間の三次漏れを防止できる。
次に、図7においては、本発明のライニング型バタフライバルブの第2実施形態を示している。なお、この実施形態以降において、前記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態におけるバルブ本体50においては、ボデー11の流路口15の縁部が段部状に切り欠かれて円周状の段部面51が形成され、この段部面51によりシートライナ20が追随して移動可能な移動スペースが設けられている。
この場合、ボデー11側のフランジ部16を所定の深さで切り欠くようにして段部面51を形成できるため、この段部面51を高い精度を必要とすることなく簡単な加工で形成できる。その際、段部面51を可能な限り浅く形成することで、この段部面51の境界付近におけるシートライナ20の応力集中も回避できる。
図8においては、本発明のライニング型バタフライバルブの第3実施形態を示している。この実施形態のバルブ本体60においては、シートライナ20の流路部30とフランジ端部との接続部分にテーパ状のテーパスペース61が切り欠くように形成され、このテーパスペース61が移動スペースとなっている。
この場合、ボデー11に加工を施すことなくシートライナ20側に成形時に一度にテーパスペース61を形成でき、より好ましくは、シートライナ20をボデー11に密着させるようにテーパスペース61を形成することで、流体の耐透過性に対する影響を抑えることも可能になる。

Claims (13)

  1. シートライナで被覆した筒形ボデー内にライニング部で被覆したジスクをステムを介して開閉自在に設けたバタフライバルブであって、前記ステムの軸シール部位をリング体とステムとの間に挟み込むことにより当該軸シール部位の拡径を防止すると共に、前記ボデーの軸装部内に設けたスプリングの弾発力で前記リング体を介して前記ジスクの天地のボス面に位置するシートライナを押圧することにより当該天地シール部位のシール性を保持した状態で、前記シートライナに延設した筒状ライニング部の内周には、環状の肉厚シール部が形成され、この肉厚シール部をジスクのライニング部に延設した軸筒ライニング部の外周に押圧したことを特徴とするライニング型バタフライバルブ。
  2. 前記天地シール部位は、前記ジスクの天地のシールボス面の外周近傍位置を強く押圧するようにした請求項1に記載のライニング型バタフライバルブ。
  3. 前記リング体は、前記軸シール部位に設けたシーリングブッシュの環状鍔部を介して前記シートライナを押圧した請求項1又は2に記載のライニング型バタフライバルブ。
  4. 前記環状鍔部の底面に、外径に向かって下降傾斜するテーパ面を設けた請求項3に記載のライニング型バタフライバルブ。
  5. 前記肉厚シール部に断面山形状のテーパ面部を形成した請求項1乃至4の何れか1項に記載のライニング型バタフライバルブ。
  6. 前記筒状ライニング部と前記リング体との間に前記シーリングブッシュに形成した円筒部を介在させ、前記リング体により前記円筒部を介して前記筒状ライニング部の拡径を防止した請求項3に記載のライニング型バタフライバルブ。
  7. 前記円筒部に内挿したOリングを前記シートライナの筒状ライニング部に摺接した請求項6に記載のライニング型バタフライバルブ。
  8. 前記ステムと前記ジスクとを別体に形成した請求項1乃至7の何れか1項に記載のライニング型バタフライバルブ。
  9. 短筒状の前記ボデーの流路口とフランジ部とを前記シートライナで被覆し、全閉時の流体圧で前記ジスクと前記ステムとが二次側に若干移動する際に、前記シートライナが追随して移動可能な移動スペースを前記フランジ部の流路部側の縁部位置に設けた請求項1乃至8の何れか1項に記載のライニング型バタフライバルブ。
  10. 前記ライニング部は、前記ジスクの上下のボス部を被覆したボス面とこのボス面から前記ステムの外周に被覆した軸筒ライニング部とからなり、かつ前記シートライナは、前記フランジ部から前記流路部を延設して前記ボス面とシール接続するシール面とこのシール面から前記軸筒ライニング部の外周にシール接続する筒状ライニング部を上下に延設すると共に、前記ジスクの二次側への移動に追随して前記移動スペースによるシートライナの流路部の移動により、前記ボス面とシール面との天地シールと、前記軸筒ライニング部と筒状ライニング部との軸シールとのシール性を維持するようにした請求項9に記載のライニング型バタフライバルブ。
  11. 前記移動スペースは、ボデーの流路口の縁部をボデーの端面側に切り欠いて形成したテーパ面である請求項9又は10に記載のライニング型バタフライバルブ。
  12. 前記移動スペースは、ボデーの流路口の縁部を段部状に切り欠いて形成した段部面である請求項9又は10に記載のライニング型バタフライバルブ。
  13. 前記移動スペースは、前記シートライナの流路部とフランジ端部との接続部分に設けたテーパ状のテーパスペースである請求項9又は10に記載のライニング型バタフライバルブ。
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