JP6738010B2 - 高温強度特性および高温クリープ特性に優れたニッケル基合金 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用エンジン部品、特に排気バルブ等の高温雰囲気下で用いられるニッケル基合金に関する。
近年、自動車の燃費向上の進展には目覚しいものがあり、例えば自動車エンジンを従来よりも一回り小型化かつ軽量化し、不足する出力はターボチャージャーを組み合わせることで、その不足分の出力を補う省燃費ターボが主流になりつつある。
そのような自動車用エンジン部品に用いられる材料として、例えば特許文献1では重量%で0.01〜0.1%C、0〜0.5%Si、0〜0.5%Mn、23%を超えて25%以下のCr、0.5〜1.5%Nb、2.0〜3.0%Ti、1.0〜2.0%Al、45%を超えて50%以下のNi、0.1〜1.2%Cu、0.3〜2.0%W等から構成されるニッケル基合金が開示されている。当該ニッケル基合金は、900℃における高温引張強度に優れていること、および800℃での長時間時効処理後でも高硬度が得られることから弁用耐熱合金として有用であることが説明されている。
また、特許文献2には、重量%で40〜49%Ni、1.2〜1.8%Al、2.0〜3.0%Ti、0.9〜7.8%Nb、1%以下のMo等から構成されるニッケル基合金が開示されている。当該ニッケル基合金は、耐食性および耐摩耗性に優れていることから ディーゼルエンジン部品(特に排気バルブ部品)として有用であることが説明されている。
特開平4−191344号公報 特表2004−512428号公報
しかし、特許文献1のニッケル基合金では800℃雰囲気下で300時間という長時間の時効処理後でも一定の高硬度(例えば、ロックウェルのCスケールでHRC38〜39)を保持していることは説明されているが、その高硬度が得られるまでに必要な時効処理の時間が比較的に長くなるという問題があった。
また、特許文献2のニッケル基合金も同様に800℃近傍の時効処理を行うことでも高硬度(例えば、ロックウェルのCスケールでHRC27〜28)が得られることが説明されているが、その高硬度が得られるまでに必要な時効処理の時間が比較的に長いという問題があった。
さらに、上述したように自動車エンジンの小型化、軽量化に伴い、自動車用エンジンの排気ガス温度が900〜1000℃近傍に達する場合もあり、特許文献1および2に記載のニッケル基合金では高温強度や高温クリープ特性が不足するという問題があった。
そこで、本発明においては従来のニッケル基合金に比べて、900℃以上の温度域における高温強度に優れたニッケル基合金を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明に係るニッケル基合金は、重量%で、0.01〜0.05%C、0.1〜0.5%Si、0.1〜0.5%Mn、0.001〜0.01%B、21%Cr、0.7〜1.3%Nb、2.0〜3.2%Ti、1.2〜2.2%Al、51%Ni、0.3〜1.0%Cu、2.5%Mo、1.0〜2.0%Wを含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基合金とした。
また、本発明に係るニッケル基合金は、Tiの含有量とAlの含有量との総和重量%で4.0%以上とした。
本発明に係るニッケル基合金は、前述した従来のニッケル基合金に比べて、900℃以上の高温雰囲気における引張強度が向上するという効果を奏する。また、本発明に係るニッケル基合金においては、優れた高温クリープ特性を有することができる。したがって、本発明に係るニッケル基合金は900℃以上の高温雰囲気下に長時間晒される自動車用排気バルブ部品には好適である。
本発明の実施の形態の一例について説明する。本発明に係るニッケル基合金を構成する成分およびその成分範囲を限定した理由について、以下に詳しく説明する。
C(炭素)の含有量は、0.01〜0.05重量%とする。Cは、Ti、Nb及びCrと結合して炭化物を形成し、高温強度を改善する。このような効果を得るためには、少なくとも、0.01重量%以上の添加が必要である。しかし、過剰に添加すると、MC炭化物を多量に生成して、熱間加工性を低下させるため、上限を0.05重量%とした。
Si(ケイ素)の含有量は、0.1〜0.5重量%とする。Siは、脱酸元素として添加される。また、適量の添加は耐酸化性を改善する。しかし、過剰に添加すると延性の低下をきたすため、上限を0.5重量%とした。
Mn(マンガン)の含有量は、0.1〜0.5重量%とする。MnもSiと同様に脱酸元素として添加されるが、過剰に添加すると高温強度の低下をきたすため、上限を0.5重量%とした。
B(ホウ素)の含有量は、0.001〜0.01重量%とする。Bは、結晶粒界を強化してクリープ強度を高めるほか、熱間加工性を改善する効果を持つ。このため、0.001重量%以上の添加が必要である。しかし、過剰に添加すると結晶粒界に低融点化合物を生成して熱間加工性を害するため、上限を0.01重量%とした。
Cr(クロム)の含有量は、20.0〜23.5重量%とする。Crは、耐酸化性および耐食性を向上するのに不可欠な元素である。また、ある程度添加した場合は、針状組織が成長して耐クリープ特性の向上が認められる。しかし、過剰添加した場合、針状組織が粗大化して性能劣化を招くため、20.0〜23.5重量%とした。
Nb(ニオブ)の含有量は、0.7〜1.3重量%とする。Nbは、Ni(Al,Ti,Nb)などの金属間化合物相を析出し、高温強度を向上する。また、Cと結合して炭化物NbCを生成し、高温硬さおよび強度の向上に寄与する。ただし、過剰添加すると材料を脆化させるので、0.7〜1.3重量%とした。
Ti(チタン)の含有量は、2.0〜3.2重量%とする。Tiは、Niと結合して金属間化合物γ’相を形成し、オーステナイト相を強化する。Tiを増量すれば強化相であるγ’相の量は増加し、高温強度は向上する。しかし、過剰に添加すると、脆化相の析出をまねいてしまい、素材の熱間成形性を阻害するので、その添加範囲を2.0〜3.2重量%に限定した。
Al(アルミニウム)の含有量は、1.2〜2.2重量%とする。Alは、Niと結合して金属間化合物γ’相を形成し、オーステナイト相を強化する重要な元素である。Alを増量すれば強化相であるγ’相の量は増加し、高温強度は向上する。しかし、過剰に添加すると、強化相が不安定となり脆化相の析出をまねく。このため、素材の熱間成形性を阻害するので、その添加範囲を1.2〜2.2重量%に限定した。
Ni(ニッケル)の含有量は、50〜53重量%とする。Niは、マトリックスであるオーステナイト基地を形成するため不可欠である。また、析出強化相であるγ’相を形成し、高温強度を向上させる。強化元素を固溶させるため、ある程度の量が必要であり、添加量の下限は50重量%以上とした。ただし、過剰添加した場合、合金のコスト上昇を招き、また耐硫化腐食性が悪化するので、上限を53重量%とした。
Cu(銅)の含有量は、0.3〜1.0重量%とする。Cuは、硫化物系腐食の改善を目的として添加する。過剰添加した場合は熱間脆化を生じるため、その含有量を0.3〜1.0重量%に限定した。
Mo(モリブデン)の含有量は、1.5〜3.0重量%とする。Moは、熱間強度を達成する析出強化相が固溶する温度範囲において、固溶強化により高温強度および高温クリープ特性を向上させる元素である。1.5重量%未満の含有量では高温強度および高温クリープ特性を向上させる効果が発現せず、3.0重量%を超える含有量では熱間加工性に有害となるために含有量を限定した。
W(タングステン)の含有量は、1.0〜2.0重量%とする。Wは、熱間強度を達成する析出強化相が固溶する温度範囲において、固溶強化により高温強度および高温クリープ特性を向上させる元素である。1.0重量%未満の含有量では高温強度および高温クリープ特性を向上させる効果が発現せず、2.0重量%を超える含有量では熱間加工性に有害となるために含有量の上限を限定した。
本発明に係るニッケル基合金(以下、本発明材という)および従来のニッケル基合金(以下、従来材という)を用いて、高温における引張試験を行ったので、その試験結果について説明する。本試験において、本発明材および従来材共に真空溶解炉で原材料を溶解させて鋼塊を作製し、1050℃で1時間の溶体化処理した後、水冷したものを用いた。試験片については、その鋼塊から直径16mm、高さ15mmの円柱状の試験片を作製して、時効処理を行った。
時効処理の条件については、時効温度は750℃、時効時間については4時間として行った。本実施例の本発明材および従来材の化学組成を表1に示す。
Figure 0006738010
使用した試験片は、平行部が直径6mm、長さ25mmとなるように、前述の鋼塊から作製した直径16mmの圧延材より切削加工して製作した。試験条件は、室温、800℃および900℃の計3水準の雰囲気に試験片を20分間均熱保持した後、引張速度2mm/minで引張試験を行い、試験片が破断する際の強度(引張強度:単位MPa)、0.2%耐力(単位:MPa)、伸び(単位:%)および絞り(単位:%)をそれぞれ測定した。本発明材および従来材の室温、800℃および900℃における引張強度などの諸特性を表2〜4に示す。
Figure 0006738010
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Figure 0006738010
室温での引張強度は、表2に示すように本発明材は従来材に比べて引張強度および0.2%耐力ともにやや低い値となった。しかし、伸びおよび絞りについては本発明材の方が従来材に比べて、約4〜8倍の値を示す結果となった。
次に、800℃における引張強度は、表3に示すように従来材が669MPaであるのに対して、本発明材は689MPaであり、本発明材は従来材と同等以上の引張強度であった。
また、0.2%耐力については、本発明材が645MPaであるのに対して、従来材は590MPaであった。このことから、800℃における本発明材の引張強度および0.2%耐力はともに従来材と同等以上の特性を有することがわかった。
また、900℃における引張強度も表4に示すように従来材は336MPaであったのに対して、本発明材は394MPaであった。さらに、0.2%耐力については、本発明材が394MPaであるのに対して、従来材は261MPaであった。したがって、本発明材は、従来材に比べて800〜900℃までの高温雰囲気において優れた引張強度および0.2%耐力を示すことがわかった。
次に、表1に示す本発明材および従来材を用いて高温におけるクリープ試験を行い、試験片が破断するまでの時間を測定したので、その結果について説明する。使用した試験片は、前述の鋼塊を1050℃で溶体化処理して、引き続き750℃で4時間の条件で時効処理を施して、冷却後に試験片を作製した。
試験片は、平行部の直径が6.4mmになるように製作した。クリープ試験は、900℃の高温雰囲気にて試験片に70MPaを負荷した状態で行い、試験片が破断するまでの時間を測定した。本発明材および従来材を用いて作製した試験片がクリープ破断するまでの時間(破断時間)、試験片の伸び(単位:%)および絞り(単位:%)を表5に示す。
Figure 0006738010
本発明材および従来材のクリープ破断時間は、表5に示すように従来材が160時間で破断したことに対して、本発明材の破断時間は206時間であり、従来材よりも約1.3倍のクリープ特性が得られた。また、試験片の伸びや絞りも同様に、従来材の伸びが28%であるのに対して、本発明材の伸びは36%であった。絞りは従来材が59%であるのに対して、本発明材は32%であった。以上の結果から、本発明材は、従来材よりも高温雰囲気で優れたクリープ特性を有していることがわかった。

Claims (1)

  1. 重量%で、0.01〜0.05%C、0.1〜0.5%Si、0.1〜0.5%Mn、0.001〜0.01%B、21%Cr、0.7〜1.3%Nb、TiとAlの総和が4.0%以上であって、51%Ni、0.3〜1.0%Cu、2.5%Mo、1.0〜2.0%Wを含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする高温強度特性および高温クリープ特性に優れたニッケル基合金。
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