JP6736876B2 - 処理液、記録液セットおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

処理液、記録液セットおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、処理液、記録液セット及びインクジェット記録方法に関し、より詳しくは低吸水性の記録媒体、特に非吸水性のフィルムに対して好適に用いることができる処理液、記録液セット及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は簡便かつ安価に画像作製できるため、近年、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
この様なインクジェット記録方式で用いられるインクジェットインクとしては、水と少量の有機溶剤からなる水性インク、有機溶剤を用い実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光等の活性光線により硬化する活性光線硬化性インク等、複数のインクジェットインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
この中で、水性インクは一般に臭気が少なく安全性が高い点から家庭用プリンターなどに広く用いられ、インクジェット専用紙などインク吸収性の媒体を用いることで良好な画質が得られる。一方、水性インクは低粘度である。そのため、グラビアやオフセット印刷用コート紙など低吸収性媒体や、特にフィルムなど非吸収性媒体に対して水性インクで画像を形成すると、インクが記録媒体上に長時間滞留するためインク間の滲みが生じやすく、かつ、記録媒体への画像の密着性が低いなどの課題がある。
この課題に対して、加熱した記録媒体上にカチオン性樹脂を含むインクを顔料インクに先んじてプリントすることにより、滲みを抑制するインクセットが提案されている(特許文献1参照)。
また、記録媒体上に顔料を凝集させる多価金属塩とカチオン性ポリウレタン樹脂粒子とを含有するインクを顔料インクに先んじてプリントすることにより、記録媒体への画像の密着性を高めるインクセットが提案されている(特許文献2参照)。
特開2014−1378号公報 特開2010−115854号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、加熱した記録媒体からの熱がインク出射性に悪影響することや滲みの抑制が不十分なこと、更には記録媒体への密着性も低いことがわかった。
また、特許文献2の方法では、多価金属塩とカチオン性ポリウレタン樹脂粒子とを含有するインクを塗布しても、滲みの抑制が十分とはいえないことがわかった。
これらの問題は、特に記録媒体としてフィルム等を用いるRoll to Roll搬送方式など長時間連続して印刷するシステムにおいて、顕著である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低吸収性媒体や、特にフィルムなど非吸収性媒体に対してプリントしても、滲みが抑制された高品位な画質と密着耐久性が得られる処理液、記録液セットおよびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段により達成されるものである。
[1]インクジェット記録インク用の処理液であって、ポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂と、有機酸と、水と、を少なくとも含有し、前記有機酸は、3.5以下の第一解離定数を有し、前記処理液のpHは、前記有機酸の第一解離定数未満であることを特徴とする処理液。
[2]前記カチオン樹脂は、4級アンモニウム基を有する樹脂微粒子を含むことを特徴とする[1]に記載の処理液。
[3]顔料、有機溶剤および水を少なくとも含有するインクジェット記録インクと[1]または[2]に記載の処理液とを含み、前記処理液が含有する前記有機酸は、前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料を凝集させる有機酸であることを特徴とする記録液セット。
[4]前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料はアニオン性分散顔料またはアニオン性の高分子分散剤で分散された顔料であり、前記アニオン性分散顔料またはアニオン性の高分子分散剤はアクリロイル基を有することを特徴とする、[3]に記載の記録液セット。
[5]前記インクジェット記録インクが含有する有機溶剤の全質量に占める、多価アルコール類の質量比率が、多価アルコール類以外の有機溶剤の成分の質量比率よりも高いことを特徴とする[3]または[4]に記載の記録液セット。
[6]前記インクジェット記録インクが含有する樹脂微粒子の量は、インクの全質量に対し2質量%未満であることを特徴とする[3]〜[5]のいずれかに記載の記録液セット。
[7]前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料は、酸化チタンであり、前記酸化チタンは、アクリロイル基を有する高分子分散剤で分散されていることを特徴とする[3]〜[6]のいずれかに記載の記録液セット。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の処理液または記録液セットを用いて、記録媒体である非吸水性のフィルムに記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
[9]前記記録媒体が、防曇加工が施されたフィルムであることを特徴とする[8]に記載の記録方法。
[10]前記記録媒体の表面の少なくとも一部にロール塗布方式で前記処理液をプレコートした後、前記インクジェット記録インクを吐出し、前記処理液がプレコートされた前記記録媒体の表面に着弾させることを特徴とする[8]または[9]に記載の記録方法。
本発明により、低吸収性媒体や、特にフィルムなど非吸収性媒体に対してプリントしても、滲みが抑制された高品位な画質と密着耐久性が得られる処理液、記録液セットおよびインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明を実施するための一形態について詳細に説明する。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、ポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂と、3.5以下の第一解離定数を有する有機酸とを少なくとも含有し、pHが前記有機酸の第一解離定数未満である処理液をプレコートした記録媒体に、インクジェット記録インクを用いて画像を形成することにより、滲みが抑制された高品位な画質と密着耐久性が得られることを見いだした。特に、本発明者らは、本発明の方法では、長時間高速でプリントしても滲みが生じにくいことを見いだした。本発明は、記録媒体が非吸水性のフィルムである場合に好適に用いられ、特に、密着性の確保が困難な防曇加工が施された非吸水性のフィルムに対しても有効である。
なお、本発明において第一解離定数とは、有機酸が解離定数を1つのみ有する(有機酸が酸性基を1つのみ有する)場合はその解離定数を、有機酸が解離定数を複数有する(有機酸が酸性基を2つ以上有する)場合はその有機酸が有する最も値が小さい解離定数を、意味する。
以下、本発明の処理液、記録液セットおよびインクジェット記録方法の詳細について説明する。
まず、本発明の処理液について説明する。
処理液が含有する有機酸は、インクジェット記録インク中に含まれうる顔料を凝集し得るものであり、第一解離定数が3.5以下であれば格別限定されないが、マロン酸、リンゴ酸、クエン酸、リン酸、シュウ酸、フタル酸などの酸を用いることができる。
有機酸は、塩基により完全には中和されていないものを用いることが好ましい。塩基による中和とは、これらの酸の酸性基と、正に帯電した他の元素または化合物(たとえば金属などの無機化合物)と、がイオン結合していることを意味する。また、完全には中和されていないとは、有機酸が有する酸性基のうち、上記イオン結合を形成していない酸性基が存在することを意味する。イオン結合を形成していない酸性基を有する有機酸を用いることで、処理液に含むポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂との相溶性が高く、透明な処理層を形成することができることから、多価金属塩などを用いる場合よりも、形成された画像の色調が鮮やかになると考えられる。また、有機酸を用いることで処理液の保存安定性を維持しやすく、処理液を塗布、乾燥した後にブロッキングが起きにくい。上記観点から好ましい有機酸は、マロン酸、リンゴ酸などの多価有機酸である。
処理液における有機酸の含有量は、処理液のpHを前記有機酸の第一解離定数未満に調整する量であればよい。処理液のpHが前記有機酸の第一解離定数未満となる量の有機酸を処理液に含有させることにより、高速プリント時の滲みを効果的に抑制できる。
本発明の処理液に更に含まれるポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂により、インクジェット記録画像の滲み抑制と密着性を両立することが可能である。この理由について明確ではないが次のように推測している。
本発明において、処理液により形成された塗布層上にインクジェット記録インクをプリントすることにより、処理液塗布層から記録インクに有機酸が溶解・拡散して顔料を凝集、固定化することで滲みが抑制されるものと考えている。従って、特にプリント速度が高速なほど、有機酸のインクジェット記録インク中への溶解・拡散速度を高めることが好ましい。有機酸の溶解・拡散速度を高めるためには、処理液層の樹脂が記録インクにより膨潤または溶解するとよい。一方で、膨潤性または溶解性が高すぎると均一な皮膜が形成できず密着性が得られないと推定している。ポリウレタン構造を有する樹脂は、その構造中に有するポリオール成分が、記録インク中に含まれる有機溶剤により適度に膨潤して有機酸の拡散を促進し、イソシアネート成分のハードセグメントにより均一な皮膜状態を維持できることで密着性も確保できるものと考えている。また、前記ポリオール成分はポリカーボネート構造を有することが、処理液の保存安定性において特に好ましい。
処理液におけるポリウレタン構造を有する樹脂としては、水溶性樹脂および分散性の樹脂微粒子を用いることができる。
処理液におけるポリウレタン構造を有する樹脂の含有量を、記録媒体に処理液を付与した際の樹脂の付量として0.3g/m以上、より好ましい範囲は0.8g/m以上になるように樹脂の含有量と付与量を調整することで本発明の効果を好適に得ることができる。樹脂の付量における上限は特に限定されないが、乾燥負荷やコストを勘案すると概ね3.0g/m以下が好ましい範囲である。
また、処理液におけるポリウレタン構造を有する樹脂の含有量は、処理液の全質量に対して5質量%〜40重量%とすることが好ましく、10重量%〜30重量%とすることがより好ましい。
本発明において、低吸収性媒体や、特にフィルムなど非吸収性媒体に対してプリントしても、滲みが抑制された高品位な画質と密着耐久性を得るためには、処理液が前記有機酸に加えて上記ポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂を含有することが必須である。処理液が上記樹脂を含有しないと、有機酸が析出して厚みの均一な層が形成されない。
特に好ましいポリウレタン構造を有する樹脂はカチオン性樹脂微粒子であり、滲みの抑制と密着性をより効果的に高めることができる。中でも、自己乳化性のカチオン性樹脂微粒子がより好ましい。カチオン成分は限定されるものではないが4級アンモニウム塩が特に好ましい。
ポリウレタン構造を有する樹脂として樹脂微粒子を用いる場合、樹脂微粒子の平均粒子径は、格別限定されないが、10nm〜500nmの範囲であることが好ましく、10nm〜300nmの範囲であることがより好ましく、10nm〜200nmの範囲であることがさらに好ましい。平均粒子径の測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
ポリウレタン構造を有する樹脂は、4級アンモニウム基とポリウレタン構造を有する樹脂微粒子を含むことが好ましい。
以下、本発明の処理液に用いることができるポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂の具体例を挙げる。カチオン性の樹脂としては、第一工業製薬株式会社製の「スーパーフレックス620」および「スーパーフレックス650」(「スーパーフレックス」は同社の登録商標)、三洋化成工業株式会社製の「パーマリンUC−20」(「パーマリン」は同社の登録商標)、大原パラヂウム化学株式会社製の「パラサーフUP−22」、ノニオン性の樹脂微粒子としては、第一工業製薬株式会社製の「スーパーフレックス500M」および「スーパーフレックスE−2000」などを挙げることができる。
処理液には有機溶剤を含有することもできる。例えば、後述する記録インクの説明に記載する有機溶剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
処理液に有機溶剤を含有する場合は、好ましくは30質量%未満、より好ましくは25質量%未満、最も好ましくは20質量%未満で含有することが好ましい。
また、処理液には、界面活性剤を含有させることもできる。処理液に含有させる界面活性剤は、例えば、後述する記録インクの説明に記載する界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
処理液が界面活性剤を含有する場合、その含有量は格別限定されないが0.1質量%〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録インク(以下、記録インク)について詳しく説明する。
記録インクに含有される顔料としては、アニオン性の分散顔料、たとえば、アニオン性の自己分散性顔料や、アニオン性の高分子分散剤により顔料を分散したものを用いることができ、特に、アニオン性の高分子分散剤により顔料を分散したものが好適である。
顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料および、酸化チタン等の無機顔料を好ましく用いることができる。
なお、インク吐出安定性と密着性の確保が一般に困難な酸化チタンにおいて、本発明により特に好適に滲みを生じにくくし、かつ、密着性を高めることができる。
酸化チタンには、アナターゼ型、ルチル型及びブルーカイト型の3つの結晶形態があるが、汎用なものとしてはアナターゼ型とルチル型に大別できる。特に限定するものではないが、屈折率が大きく隠蔽性が高いルチル型が好ましい。具体的には、富士チタン工業のTRシリーズ、テイカ株式会社のJRシリーズや石原産業株式会社のタイペークなどが挙げられる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的な有機顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等が挙げられる。特に色調と耐光性のバランスにおいて、C.I.ピグメントイエロー155が好ましい。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
顔料を分散させるために用いる分散剤は、格別限定されないがアニオン性基を有する高分子分散剤が好ましく、分子量が5000以上、200000以下のものを好適に用いることができる。
高分子分散剤としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体に由来する構造を有するブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
高分子分散剤は、アクリロイル基を有することが好ましく中和塩基で中和して添加することが好ましい。ここで中和塩基は特に限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機塩基であることが好ましい。特に、顔料が酸化チタンであるとき、酸化チタンは、アクリロイル基を有する高分子分散剤で分散されていることが好ましい。
また、高分子分散剤の添加量は、顔料に対して、10〜100質量%であることが好ましく、10〜40質量%の範囲がより好ましい。
顔料は、顔料を上記高分子分散剤で被覆した、いわゆるカプセル顔料の形態を有することが特に好ましい。顔料を高分子分散剤で被覆する方法としては、公知の種々の方法を用いることができるが、例えば、転相乳化法、酸析法、あるいは、顔料を重合性界面活性剤により分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法などを好ましく例示できる。
特に好ましい方法として、水不溶性樹脂を、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、さらに塩基にて樹脂中の酸性基を部分的、もしくは完全に中和後、顔料およびイオン交換水を添加し、分散したのち、有機溶剤を除去し、必要に応じて加水して調製する方法を挙げることができる。
記録インク中における顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上、200nm未満であることが好ましい。これにより、顔料の分散安定性を向上でき、記録インクの保存安定性を向上できる。顔料の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
顔料は、分散剤およびその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に、分散機により分散して用いることができる。
分散機としては、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等を使用できる。中でもサンドミルによって顔料を分散させると、粒度分布がシャープとなるため好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質は、格別限定されないが、ビーズ破片の生成やイオン成分のコンタミネーションを防止する観点から、ジルコニアまたはジルコンであることが好ましい。さらに、このビーズ径は、0.3mm〜3mmであることが好ましい。
記録インクにおける顔料の含有量は格別限定されないが、酸化チタンについては、7質量%〜18質量%の範囲が好ましく、有機顔料については0.5質量%〜7質量%が好ましい範囲である。
記録インクに含有される有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤を好適に用いることができる。水溶性の有機溶剤としては、例えば、アルコール類、多価アルコール類、アミン類、アミド類、グリコールエーテル類、炭素数が4以上である1,2−アルカンジオール類などを好ましく例示できる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等を好ましく例示できる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレンオキサイド基の数が5以上のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレンオキサイド基の数が4以上のポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等を好ましく例示できる。
アミン類としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等を好ましく例示できる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を好ましく例示できる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等を好ましく例示できる。
炭素数が4以上である1,2−アルカンジオール類としては例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、および1,2−ヘプタンジオール等を好ましく例示できる。
特に好ましく用いられる有機溶剤は多価アルコール類であり、高速プリント時の滲みを好適に抑制することができる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが好ましい。
記録インクには、これら有機溶剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。また、記録インクが2種以上の有機溶剤を含有するとき、有機溶剤全体の全質量に占める前記多価アルコール類の質量比率を、多価アルコール類の有機溶剤の成分の質量比率よりも高くすることで、滲み抑制効果、特に高速プリント時の滲み抑制効果をより高めることができる。好ましくは、有機溶剤全体の質量に対する多価アルコール類の質量比率は50%以上である。なお、多価アルコール類を2種以上含むときは、すべての多価アルコール類の質量比率の合計が、他のいずれの種類の有機溶剤の質量比率よりも高ければ、たとえば有機溶剤全体の質量に対する多価アルコール類の質量比率が50%以上であれば、よい。
この理由については、前記のように処理液に含むポリウレタン構造を有する樹脂の構造中に有するポリオール成分が多価アルコール類により適度に膨潤し、有機酸の溶解・拡散速度を高める効果が高いものと考えている。
記録インクにおける有機溶剤の含有量は、格別限定されないが、10質量%〜60質量%の範囲であることが好ましい。
記録インクには、樹脂微粒子を記録インクの全質量に対し2質量%以上含まないことが好ましく、0.1質量%以上含まないことがより好ましい。樹脂微粒子の濃度をこの範囲にすることにより、記録インクの連続出射や間欠出射において安定な出射性能が確保できる。
記録インクがその全質量に対し2質量%未満の樹脂微粒子を含有する場合、かかる樹脂微粒子としては、格別限定されないが、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子、ポリプロピレンなどのポリオレフィン構造を有する樹脂微粒子、スチレン・アクリル構造を有する樹脂微粒子等を好ましく例示でき、特に、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子が好適である。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合は、該樹脂微粒子として、アニオン性樹脂微粒子を含有することが好ましい。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合、該樹脂微粒子の平均粒子径は、格別限定されないが、10nm〜200nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径は、光散乱方式やレーザードップラー方式を用いた市販の測定装置を使用して簡便に計測することが可能である。また、樹脂微粒子の分散物を凍結乾燥し、透過型顕微鏡で観察される粒子から平均粒子径を換算することもできる。
また、記録インクに、界面活性剤を含有させることもできる。これにより、インク出射安定性の向上や、記録媒体に着弾した液滴の広がり(ドット径)を制御することができる。
記録インクの表面張力は、35mN/m以下が好ましく、30mN/m以下に調整することがより好ましい。
本発明の記録インクで用いることができる界面活性剤は、特に制限なく用いることができるが、インクの他の構成成分にアニオン性の化合物を含有するときは、界面活性剤のイオン性はアニオン、ノニオンまたはベタイン型が好ましい。
本発明において、好ましくは静的な表面張力の低下能が高いフッ素系またはシリコン系界面活性剤や、動的な表面張力の低下能が高い、ジオクチルスルホサクシネートなどのアニオン界面活性剤、比較的低分子量のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アセチレングリコール類、プルロニック型界面活性剤、ソルビタン誘導体などのノニオン界面活性剤が好ましく用いられる。フッ素系またはシリコン系界面活性剤と、前記動的な表面張力の低下能が高い界面活性剤を併用して用いることも好ましい。
記録インクにおける界面活性剤の含有量は、格別限定されないが、0.1質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の記録インクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
上記構成からなる本発明のインクは、インクの粘度としては、25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは2〜10mPa・sである。
本発明に用いることができる記録媒体は特に限定されないが、インクジェットによる画像形成と密着性を得ることが困難なグラビアやオフセット印刷用コート紙など吸水性の低い記録媒体、および非吸水性の媒体である、フィルム、プラスチックボード(軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、アクリル板、ポリオレフィン系など)、ガラス、タイル、ゴムなどに於いて効果を発揮し好適に用いることができる。
非吸水性のフィルムとしては、公知のプラスチックフィルムが使用できる。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロン等のポリアミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ乳酸フィルム等の生分解性フィルム等が挙げられる。また、ガスバリヤー性、防湿性、保香性などを付与するために、フィルムの片面または両面にポリ塩化ビニリデンをコートしたものや、金属酸化物を蒸着したフィルムも好ましく用いることができる。
非吸水性フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも好ましく用いることができる。
また、一般に記録インクの密着性を得るのが困難である防曇加工が施された非吸水性のフィルムに対して記録を行う際に、本発明の効果が顕著になる。
防曇加工が施されたフィルムとしては、一般的に、界面活性剤を含有させたフィルムが用いられているが、この界面活性剤が記録インクの密着性に悪影響を及ぼすことが知られている。このようなフィルムに本発明の処理液をプレコートすると、処理液に界面活性剤が溶解、拡散して、記録インク層との界面に界面活性剤が高濃度に配向することを抑制する結果、密着性を阻害しないものと推定している。
また、透明性の高い記録媒体に対して記録を行う際に、透明性が損なわれにくいという本発明の効果は顕著である。
透明性の高い記録媒体の具体例としては、フィルム、プラスチックボードおよびガラスが挙げられる。
更に、非吸水性のフィルム表面はコロナ放電やオゾン処理などにより表面処理されているものが好ましい。
以上に説明した処理液と記録インクからなる記録液セットを用いた本発明のインクジェット記録方法においては、処理液により記録媒体の表面をプレコートした後、記録インクにより該表面に記録を行うことが好ましい。
処理液をプレコートする方法は特に限定されないが、良好な記録インクの密着性を得るために、処理液に含むポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂の付与量を、記録媒体に対して0.3g/m以上、より好ましくは0.8g/m以上とすることが好ましい。
この範囲の樹脂量をインクジェットによるプレコートで行うのは射出安定性の点で課題を伴う。
好ましい処理液のプレコート法としては、グラビアロールやフレキソなどのローラー塗布法を挙げることができる。
処理液を記録媒体にプレコートした後、プレコートした処理液を乾燥させる工程を含まずに、記録媒体の表面に連続してインクジェットにより上記処理液がプレコートされた前記記録媒体の表面に記録インクを着弾させ、処理液および記録インクを乾燥させて画像を形成する方法と、処理液を記録媒体にプレコートした後にプレコート液を乾燥させた後、同様にインクジェットにより上記処理液がプレコートされた前記記録媒体の表面に記録インクを着弾させ、記録インクを乾燥させて画像を形成する方法により画像を形成することができる。より好ましい方法は後者である。
本発明において使用できるインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
記録媒体の搬送速度は、たとえば1m/min以上120m/minの間で設定することができる。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まる。本発明によれば、シングルパスのインクジェット画像形成方法で適用可能な、線速50m/min以上120m/min以下という非常に速い線速でも滲みの発生をより抑制し、かつ、密着性の高い画像を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[処理液1の調製]
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・エマルジョン−1:ポリウレタン構造を有するカチオン性樹脂を含有するエマルジョン(自己乳化型のカーボネート系ポリウレタン樹脂微粒子、4級アンモニウム基含有、固形分濃度26質量%、第一工業製薬製「スーパーフレックス650」) 76.9質量部
・マロン酸30質量%水溶液 13.3質量部
・イオン交換水 全量が100質量部となる量
処理液1は、樹脂−1を20.0質量部、マロン酸を4.0質量部、含有していた。
[処理液2〜14の調製]
表1に示すように各添加剤の種類と添加量を変更した以外は同様にして、処理液2〜14を調製した。なお、処理液の調製に用いた樹脂の詳細は以下の通りである。表1には、東亜電波工業株式会社のデジタルpHメータHM−30Sを用い、25℃で測定したそれぞれの処理液のpH、および有機酸の第一解離定数も示す。
・エマルジョン−2:ポリウレタン構造を有するカチオン性樹脂を含有するエマルジョン (自己乳化型のエステル系ポリウレタン樹脂微粒子、4級アンモニウム基含有、固形分濃度30%、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス620」、)
・エマルジョン−3:ポリウレタン構造を有するノニオン性樹脂を含有するエマルジョン (自己乳化型のエステル系ポリウレタン樹脂微粒子、4級アンモニウム基なし、固形分濃度45%、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス500M」)
・エマルジョン−4:ポリウレタン構造を有さないカチオン性樹脂を含有するエマルジョン (自己乳化型のアクリル樹脂微粒子、固形分濃度30%、日信化学工業株式会社製「ビニブラン2687」(「ビニブラン」は同社および信越化学工業株式会社の登録商標)
・エマルジョン−5:ポリウレタン構造を有さないノニオン性樹脂を含有するエマルジョン (界面活性剤乳化型のポリオレフィン樹脂微粒子、固形分濃度30%、株式会社日本製紙製「アウローレンAE−202」(「ビニブラン」は同社の登録商標)
・エマルジョン−6:ポリウレタン構造を有するカチオン性樹脂を含有するエマルジョン (強制乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂微粒子、固形分濃度23%、三洋化成工業株式会社製「パーマリンUC−20」、)
Figure 0006736876
[顔料分散液−1の調製]
高分子分散剤としてアクリロイル基を有する高分子分散剤(TEGO Dispers 715W、酸価120、有効成分40質量%、Evonik Tego Chemie社製)30.0質量%、顔料としてルチル型酸化チタン(CR−50−2、石原産業株式会社製)40質量%、残部としてイオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料の含有量が40質量%の顔料分散液−1を調製した。この顔料分散液―1に含まれる顔料粒子の平均粒子径は、128nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
[顔料分散液−2の調製]
高分子分散剤としてスチレン−アクリル酸共重合体(ジョンクリル678、分子量8500、酸価215、BASF社製、「ジョンクリル」は同社の登録商標)3.0質量%、顔料(ピグメントイエロー155)15質量%、残部としてイオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料の含有量が15質量%の顔料分散液−2を調製した。この顔料分散液―2に含まれる顔料粒子の平均粒子径は、122nmであった。なお、粒径測定は顔料分散液−1と同様にして行った。
[記録インク1の調製]
上記調製した顔料分散液−1の29.8質量部を攪拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インク1を得た。
顔料分散液−1 29.8質量部
エチレングリコール 15.0質量部
プロピレングリコール 10.0質量部
シリコン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A) 0.2質量部
イオン交換水 全量が100質量部となる量
[記録インク2〜14の調製]
上記記録インク1の調製において、表2、表3に示すように各添加剤の種類と添加量を変更した以外は同様にして、記録インク2〜14を調製した。なお、記録インク10および11に用いた樹脂微粒子は、アニオン性スチレンアクリルエマルジョン(ジョンクリル537、平均粒径70nm、酸価40、固形分濃度46質量%、BASF社製)である。
Figure 0006736876
Figure 0006736876
[実施例1]
上記調製した処理液1〜14及び記録インク1を用いて、下記の方法に従って各評価を行った。
(印画サンプルの作製)
ローラー塗布法により、下記の記録媒体に対して処理液1〜14を表4に示す湿潤膜厚で塗布後、70℃の温風で5分乾燥して記録媒体を準備した。表5に記載の記録媒体の詳細を下記に示す。
OPP−1…二軸延伸ポリプロピレンフィルム(AF−642、20μm厚、両面コロナ処理、両面防曇性、フタムラ化学株式会社製、防曇加工あり)
OPP−2…二軸延伸ポリプロピレンフィルム(FOS−BT、30μm厚、両面コロナ処理、フタムラ化学株式会社製、防曇加工なし)
PET…二軸延伸ポリエステルフィルム(E−5200、25μm厚、両面コロナ処理、東洋紡株式会社製、防曇加工なし)
印刷コート紙…キャストコート紙(ミラーコート・プラチナ、坪量157g/m、王子製紙株式会社製)
次いで、ドロップオンデマンドピエゾ方式のインクジェットヘッド(ノズル数1024(512×2列)、ノズル間隔70.5μm(141μm×2列))を搭載したステージ移動型インクジェットプリンタにより、処理液が付与された記録媒体上にインク液滴体積32pl、記録密度360×360dpiの条件で、ベタ画像中のインクを吐出しないことにより形成される抜き文字(3ポイント、4ポイント、5ポイント文字)を、ステージの走査速度を線速100m/分または線速50m/分のいずれかにして、1走査により印刷した。同様にして、記録密度360×360dpiの条件で、ベタ画像を、線速50m/分で1走査により印刷した。本明細書でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。なお、インク液滴体積は、記録インク毎に射出電圧を調整することにより制御した。また、インクジェット印刷時の環境は室温25℃で、記録媒体の温度も同様に25℃条件で行った。
処理液と記録インクの組みあわせ、および処理液の塗布条件を表4に記載のように変更した以外は同様にして、画像1−2〜1−16を印刷した。
Figure 0006736876
以上のようにして形成された画像について、記録画像の滲み、密着性を評価した。なお、処理液12を用いた画像1−14については、印刷コート紙以外のフィルムにおいては、酸の析出により均一な塗布層を形成できないため印刷コート紙のみ評価を行った。
(滲みの評価)
上記作成した画像の抜き文字に関し、滲みによる不鮮明性がなく、30cmの距離で認識できる文字サイズから下記の基準で評価した。
〇: 3〜5ポイントの文字がすべて認識可能
△: 4〜5ポイント文字まで認識可能で実用上問題ない
×: 3〜5ポイント文字のすべてが認識できず実用上許容できない
(密着性の評価)
上記作成した画像のベタ画像にて、画像に1mm間隔で5×5の碁盤目状にカッターで切れ込みを入れたクロスカット法によるテープ剥離試験を行い、下記の基準で評価した。
〇: テープによるはがれなく良好
△: 碁盤目状の切れ込み1以上〜3マス以下はがれるが実用上許容できるレベル
×: 碁盤目状の切れ込み4以上ではがれ実用上許容できない
上記滲みおよび密着性の評価結果を表5に示す。
Figure 0006736876
ポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂と、3.5以下の第一解離定数を有する有機酸と、水とを含有し、pHが上記有機酸の第一解離定数未満である処理液1〜3、6〜8、13、14をプレコートした記録媒体上に記録インク1を印刷すると、低速印刷でも高速印刷でも滲みが生じにくく、かつ、画像の密着性も高かった。
[実施例2]
上記調製した処理液1及び記録インク1〜14を用いて、実施例1と同様に抜き文字およびベタ画像(画像2−1〜2―14)を印刷した。印刷した抜き文字およびベタ画像について、実施例1と同様に滲みおよび密着性の評価を行った。なお、滲みの評価はOPP−1にのみ抜き文字を印刷して行い、密着性の評価はOPP−1およびOPP−2にのみベタ画像を印刷して行った。
以上により得られた各結果を、表6に示す。
Figure 0006736876
処理液1をプレコートした記録媒体上に記録インク1〜14の記録インクを印刷すると、滲みが生じにくく、かつ、画像の密着性も高かった。有機溶剤として多価アルコールを最も多く含有する記録インク1〜6、10〜12は、より滲みが生じさせにくかった。
[実施例3]
処理液1〜14の保存安定性を、以下のように評価した。
(処理液の保存安定性の評価)
上記調整した処理液1〜14について、60℃の条件で1週間保存し、保存前後での粘度の変化率と外観の変化により下記の基準で評価した。なお、粘度の測定は、コーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いた。
〇: 保存前後の粘度比が5%以内で外観上変化なく良好
△: 保存前後の粘度比が5%より大きく10%以内で外観上変化なく実用上許容できるレベル
×: 保存前後の粘度比が10%より大きいか、濁りや凝集物など外観上の変化があり実用上許容できない
評価結果を表7に示す。
Figure 0006736876
[実施例4]
記録インク1〜14の吐出安定性を、以下のように評価した。
(吐出安定性の評価)
実施例1の評価と同様のプリンターを用い、ステージ走査速度100m/分の条件で、OPP−1に処理液1を塗布、乾燥した記録媒体上に、記録インク1〜14で35×35mmのベタ画像を1走査で記録した。上記画像から5mm間隔をあけた位置にインクジェットヘッドを20秒間停止した後、同様にベタ画像を隣接して記録した。同様にして、ヘッドの停止時間を1分および3分に変更して、それぞれ、5mm間隔で隣接する2つのベタ画像を記録した。
以上のようにして形成した正方形画像を用いて、インクの異常出射による画像の端部の乱れが生じ始めるヘッド停止時間を求め、下記基準に従って吐出安定性を評価した。
○:ヘッド停止時間3分後でも画像の端部に乱れが観察されず、良好なプリント画像が得られる
△:ヘッド停止時間1分後では画像の端部に乱れが観察されないが、3分後では若干の乱れが観察される程度で実用上許容範囲である
×:ヘッド停止時間20秒後で画像の端部に乱れが観察され、実用上許容範囲外である
上記評価ランクにおいて、△〜○が実用上好ましい範囲である。
以上により得られた各結果を、表8に示す。
Figure 0006736876
記録インク1〜14は、インクジェットヘッドから安定して吐出することができた。有機溶剤として多価アルコールを最も多く含有する記録インク1〜6、10〜14は、より吐出安定性が高い傾向があった。樹脂微粒子の含有量が記録インクの全質量に対して2質量%未満である記録インク1〜10、12〜14は、樹脂微粒子の含有量が記録インクの全質量に対して2質量%以上である記録インク11よりも吐出安定性が高い傾向があった。
本発明の処理液およびインクセットによれば、低吸収性媒体や非吸収性媒体に対して、水性インクで滲みの少なく密着性の高い画像を形成することができる。そのため、本発明は、インクジェット法による水性インクの適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。

Claims (10)

  1. 有機顔料または酸化チタンを含有するインクジェット記録インク用の処理液であって、
    ポリウレタン構造を有するカチオンまたはノニオン性樹脂と、
    多価の有機酸と、
    水と、
    を少なくとも含有し、
    前記有機酸は、3.5以下の第一解離定数を有し、
    前記処理液のpHは、前記有機酸の第一解離定数未満であることを特徴とする、処理液。
  2. 前記カチオン性樹脂は、4級アンモニウム基を有する樹脂微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の処理液。
  3. 有機顔料または酸化チタンである顔料、有機溶剤および水を少なくとも含有するインクジェット記録インクと請求項1または2に記載の処理液とを含み、前記処理液が含有する前記有機酸は、前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料を凝集させる有機酸であることを特徴とする記録液セット。
  4. 前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料はアニオン性分散顔料またはアニオン性の高分子分散剤で分散された顔料であり、
    前記アニオン性の高分子分散剤はアクリル酸に由来する構造を有することを特徴とする、請求項3に記載の記録液セット。
  5. 前記インクジェット記録インクが含有する有機溶剤の全質量に占める、多価アルコール類の質量比率が、多価アルコール類以外の有機溶剤の成分の質量比率よりも高いことを特徴とする請求項3または4に記載の記録液セット。
  6. 前記インクジェット記録インクは、インクの全質量に対し2質量%未満の樹脂微粒子を含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の記録液セット。
  7. 前記インクジェット記録インクが含有する前記顔料は、酸化チタンであり、
    前記酸化チタンは、アクリル酸に由来する構造を有する高分子分散剤で分散されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の記録液セット。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の処理液または記録液セットを用いて、記録媒体である非吸水性のフィルムに記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 前記記録媒体が、防曇加工が施されたフィルムであることを特徴とする請求項8に記載の記録方法。
  10. 前記記録媒体の表面の少なくとも一部にロール塗布方式で前記処理液をプレコートした後、前記インクジェット記録インクを吐出し、前記処理液がプレコートされた前記記録媒体の表面に着弾させることを特徴とする請求項8または9に記載の記録方法。
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