JP6734688B2 - 鉄塔の主柱材間距離調整治具 - Google Patents

鉄塔の主柱材間距離調整治具 Download PDF

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Description

本発明は、隣り合う二脚の主柱材間の距離を調整する鉄塔の主柱材間距離調整治具に関する。
この種の鉄塔の主柱材間距離調整治具としては、所定の鉄塔構面における二脚の主柱材にほぼ水平に掛け渡す一対の連結バーと、これらの連結バーの一端部側を一方の主柱材に連結するための第1連結部材と、当該各連結バーの他端部側を他方の主柱材に連結するための第2連結部材とを備えたものが知られている(例えば引用文献1)。
第1連結部材は、各連結バーの一端部側の部分をその軸方向に移動自在に支持するように構成されている。これに対し、第2連結部材は、各連結バーの他端部を固定的に支持するように構成されている。そのため、一対の連結バーは、その一端部側の部分が一方の主柱材から鉄塔の外側にほぼ水平に突出した状態になる。なお、当該一対の連結バーは、その一端部が架橋部材によって互いに連結された状態になっている。
また、第1連結部材と第2連結部材とは、内方ワイヤによって連結され、第1連結部材と架橋部材とは外方ワイヤによって連結されている。内方ワイヤ及び外方ワイヤには、それぞれの途中にレバーブロック(登録商標)等の引き寄せ治具が設けられている。各引き寄せ治具は、逆動防止機能を備えたものとなっており、内方ワイヤや、外方ワイヤに所定の張力を発生させると共に、その張力を維持することが可能になっている。
上記のように構成された鉄塔の主柱材間距離調整治具においては、外方ワイヤの張力を解除しつつ内方ワイヤの張力を増加させることにより、一方及び他方の主柱材間の間隔を狭める方向に調整することができ、また内方ワイヤの張力を解除しつつ外方ワイヤの張力を増加させることにより、当該主柱材間の間隔を広げる方向に調整することができ、かつその調整した後の主柱材間の間隔を安定的に保持することができる。従って、二脚の主柱材に腹材が掛け渡されていて、その腹材に荷重が作用している場合でも、その荷重を除去した上で、当該腹材を安全かつ簡単に交換することができるという利点がある。
しかしながら、上記従来の鉄塔の主柱材間距離調整治具においては、連結バーの一端部側が主柱材から鉄塔の外側に突出した状態になることから、例えば電線を支持する腕金等の構造物が鉄塔の外側に張り出しているような場合には、その張り出した構造物に対応する部位の主柱材に連結バーを取り付けることが困難になるという問題があった。
特開2011−256623号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、鉄塔主柱材の外側に張り出した構造物に対応する部位の主柱材に対しても容易に取り付けることができる鉄塔の主柱材間距離調整治具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、隣り合う一方及び他方の二脚の主柱材間の距離を調整すると共に、その調整した状態に保持することが可能な鉄塔の主柱材間距離調整治具であって、前記一方及び他方の主柱材にそれぞれ取り付けられる第1保持部材及び第2保持部材と、直線状に延在する間隔調整部材と、前記第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれと、前記間隔調整部材の各端部とを回動自在に連結するピンとを備えており、前記間隔調整部材は、不連続的に長さの調整が可能な連結ロッドと、連続的に長さの調整が可能な機械式の伸縮ジャッキと、荷重変換器とを有し、これらを直列に配置したもので構成されており、前記伸縮ジャッキは、伸縮変位した際に外部から受ける荷重によってその伸縮変位した方向とは逆の方向に変位するのを防止する機械式ロック機構を有し、前記荷重変換器は、引張荷重及び圧縮荷重に対応する出力が連続的に得られるように構成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各ピンは、前記間隔調整部材が前記主柱材の軸方向に揺動自在となるように、当該間隔調整部材の各端部と前記第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれとを連結するようになっていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記間隔調整部材は、前記一方及び他方の主柱材の軸心を通る軸心面を想定した場合に、当該の両側に当該軸心面から等しい間隔をおいて平行に2つ設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記伸縮ジャッキは、入力された回転変位を歯車機構又はネジ機構を介して直線変位に変換することで前記伸縮変位を得るように構成されており、前記回転変位を入力するための回転変位入力手段と、当該回転変位入力手段の回転角度を検出する回転角度検出手段を備えており、前記回転角度検出手段は、回転角度の基準点が調整可能なもので構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記伸縮ジャッキの伸縮変位に対する前記荷重変換器の出力の増減傾向が変化することに基づいて、一方の主柱材と他方の主柱材とを連結する腹材に作用する荷重がほぼ零になることを検出する腹材無負荷状態検出手段を備えていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、一方及び他方の各主柱材に取り付けた第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれに対してピンを介して間隔調整部材の各端部を連結し、伸縮ジャッキを伸縮変位させることにより、主柱材間の距離を増減する方向に調整することができる。この場合、間隔調整部材を主柱材間の内側に配置することができ、当該間隔調整部材が鉄塔の外側に突出することがないので、電線を支持する腕金等の構造物が鉄塔の外側に突出する部位における各主柱材に対しても間隔調整部材を容易に取り付けることができる。
また、伸縮ジャッキは連続的に長さの調整が可能であるので、主柱材間の距離を微調整することができる。しかも、伸縮ジャッキは伸縮変位した際に外部から受ける荷重によってその伸縮変位した方向とは逆の方向に変位するのを防止する機械式ロック機構を備えたもので構成されているので、微調整した後の主柱材間の距離を安定的に維持することができる。
更に、荷重変換器は引張荷重及び圧縮荷重に対応する出力が連続的に得られるように構成されているので、伸縮ジャッキの伸縮変位に対応して間隔調整部材に発生する荷重を荷重変換器からの出力として連続的に得ることができる。即ち、伸縮ジャッキの伸縮変位に対する荷重変換器の出力の増減傾向を連続的に捉えることができる。
このため、二脚の主柱材を連結するように例えば腹材が鉄塔の構成部材として設けられている場合に、この腹材に作用する荷重が伸縮ジャッキの伸縮変位に基づいて引張荷重から圧縮荷重、又は圧縮荷重から引張荷重に変化するようなことがあれば、その引張荷重と圧縮荷重との境界点を荷重変換器の出力の増減傾向の変化によって捉えることができる。
例えば、腹材に引張荷重が既に作用している場合に、伸縮ジャッキを短縮変位させると、二脚の主柱材が互いに近づく方向に変位することになることから、腹材に作用する引張荷重が徐々に低下し、所定の時点で零に達する。その後、更に伸縮ジャッキの短縮変位を続けると、今度は腹材に圧縮荷重が作用し始め、その圧縮荷重が徐々に増加することになる。この場合、荷重変換器の出力は引張荷重の出力として連続して増加する方向に表われることになるが、その出力の増加傾向は、腹材に引張荷重が作用する間は小さな傾きで順次増加し、当該腹材に圧縮荷重が作用し始めてからはより大きな傾きとなって順次増加することになる。
即ち、腹材に引張荷重が作用している間は、当該腹材の引張荷重が二脚の主柱材を互いに近づける方向に作用するため、伸縮ジャッキの短縮変位によって二脚の主柱材を互いに近づける方向に力を作用させても、当該腹材が抵抗として作用することがない。このため、腹材に引張荷重が作用している間は、荷重変換器の出力の増加傾向は比較的小さな傾きのものとなる。
しかし、腹材に圧縮荷重が作用し始めると、当該圧縮荷重が二脚の主柱材を互いに遠ざける方向の力として作用するため、伸縮ジャッキの短縮変位による二脚の主柱材を互いに近づける方向の力に対して、当該腹材が抵抗として作用することになる。このため、腹材に圧縮荷重が作用し始めてからは、荷重変換器の出力の増加傾向は比較的大きな傾きのものとなる。
従って、伸縮ジャッキの伸縮変位に対する荷重変換器の出力の増減傾向が変化する点を見出すことによって、腹材に作用する荷重が零になる点を見出すことができ、その零になる点における伸縮ジャッキの伸縮変位量を検出することができる。よって、腹材に作用する荷重が零になる点に伸縮ジャッキの伸縮変位を調整し維持することにより、腹材を安全かつ簡単に交換することができる。
請求項2に記載の発明によれば、間隔調整部材が主柱材の軸方向に揺動可能なように第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれにピンによって連結されているので、二脚の主柱材間の距離を調整している際に主柱材を含めた各種部材に生じる弾性変位によって、間隔調整部材や第1保持部材及び第2保持部材等に曲げモーメントが発生するのを極力防止することができる。従って、間隔調整部材や第1保持部材及び第2保持部材等に、曲げモーメントによる予期しない応力が発生するのを防止することができるので、安全性の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、間隔調整部材が一方及び他方の主柱材の軸心を通る軸心面の両側に当該軸心面から等しい間隔をおいて平行に2つ設けられているので、これらの主柱材を連結する水平材や斜材等の腹材がある場合でも、当該腹材との干渉を避けながら、各主柱材に間隔調整部材を取り付けることができる。
請求項4に記載の発明によれば、伸縮ジャッキが回転変位入力手段及び回転角度検出手段を備えており、回転角度検出手段は回転角度の基準点の調整が可能になっているので、回転変位入力手段による回転入力開始からの正確な回転変位を伸縮ジャッキに簡単に入力することができる。従って、間隔調整部材の伸縮変位(即ち、主柱材間の距離の変化)を簡単にかつ正確に調整することができる。また、一対の間隔調整部材を備えている場合には、双方の間隔調整部材の伸縮変位を正確に同期させることができるので、安全性の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、伸縮ジャッキの伸縮変位に対する荷重変換器の出力の増減傾向が変化することに基づいて、一方の主柱材と他方の主柱材とを連結する腹材に作用する荷重がほぼ零になることを検出する腹材無負荷状態検出手段を備えているので、腹材を各主柱材に固定する例えばボルト・ナットを緩めることなく、当該腹材に作用する荷重がほぼ零になったことを知ることができる。従って、腹材を交換する際の安全性及び作業性の向上を図ることができる。
本発明の一実施例として示した鉄塔の主柱材間距離調整治具を取り付けた後の鉄塔の要部を示す正面図である。 同鉄塔の主柱材間距離調整治具を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。 同鉄塔の主柱材間距離調整治具を示す図であって、(a)は要部拡大正面図であり、(b)は要部拡大平面図である。 同鉄塔の主柱材間距離調整治具における伸縮ジャッキの伸縮変位に対する荷重変換器の出力の増減傾向を示す説明図である。
本発明を実施するための形態を一実施例に基づいて詳細に説明する。
この実施例で示す鉄塔の主柱材間距離調整治具1は、図1〜図3に示すように、鉄塔における複数脚(例えば四脚)の主柱材のうち、隣り合う一方及び他方の二脚の主柱材Pの距離(間隔)を調整し保持するように構成されている。なお、各主柱材Pの下端部は、大地における基礎部に強固に固定されている。
各主柱材Pの間は、図1に示すように、当該各主柱材P並びに腹材としての第1の斜材S1、第2の斜材S2及び水平材Hによって強化された鉄塔構面Aが構成されている。第1及び第2の斜材S1、S2は、それぞれ二本のものが中間プレートMを介して直線状に連結されることによってX字状に設置されたものとなっている。第1及び第2の斜材S1、S2と中間プレートMとはボルト・ナットBNで連結されている。
また、第1の斜材S1は、斜め上側に位置するものの上端部が、一方の主柱材Pにおける相対的に上方に位置するガセットプレートP1にボルト・ナットBNで連結され、斜め下側に位置するものの下端部が他方の主柱材Pにおける相対的に下方に位置するガセットプレートP1にボルト・ナットBNで連結されるようになっている。同様にして、第2の斜材S2も各主柱材Pの各ガセットプレートP1にボルト・ナットBNによって連結されている。
水平材Hは、両端部がそれぞれ各主柱材PのガセットプレートP1にボルト・ナットBNで連結されている。中間プレートMは、水平材Hの中間部に溶接されている。また、各ガセットプレートP1については、溶接によって主柱材Pに一体的に固定されている。
主柱材間距離調整治具1は、各主柱材Pにおける下側のガセットプレートP1の近傍部分にほぼ水平に掛け渡すように取り付けると共に、各主柱材Pにおける上側のガセットプレートP1の近傍部分にも同様に取り付けることにより、主柱材P、P間の距離を上下の各位置で調整することで、第1の斜材S1、第2の斜材S2及び水平材Hの何れか又は全てを交換することを可能にしている。
また、この例では、第1及び第2の斜材S1、S2のそれぞれに沿うようにワイヤ41、42を延在させている。ワイヤ41、42の各端部は、それぞれ各主柱材P、Pに巻き付けた上で当該主柱材Pにシャックル等により固定されている。ワイヤ41、42は、それぞれの途中に機械式の逆動防止機能を有する引き寄せ治具(図示せず)を有しており、その引き寄せ治具によって張力を得ることで、主柱材間距離調整治具1と共に、第1及び第2の斜材S1、S2に作用する引張荷重を肩代わりすることが可能になっている。
即ち、例えば図1に示すように水平方向成分の外力Wが鉄塔構面Aに作用している場合には、当該鉄塔構面Aにおける第1の斜材S1には引張荷重が作用し、第2の斜材S2には圧縮荷重が作用することになるが、主柱材間距離調整治具1による主柱材P間の距離の調整に加えて、ワイヤ41に張力を発生させることで、第1及び第2の斜材S1、S2に発生する引張及び圧縮の各荷重を除去することが可能になっている。
主柱材間距離調整治具1は、図2及び図3に示すように、一方及び他方の主柱材Pにそれぞれ取り付けられる第1保持部材11及び第2保持部材12と、直線状に延在する一対の間隔調整部材13とを備えていると共に、第1保持部材11及び第2保持部材12のそれぞれと間隔調整部材13の各端部とを回動自在に連結するピン14を備えている。
第1保持部材11及び第2保持部材12は、図3に示すように、同一の構造のもので構成されており、バンド部111と、このバンド部111に溶接により固定された荷重支持部112と、この荷重支持部112に設けられた一対のブラケット部113とを備えている。
バンド部111は、主柱材Pの外周面に嵌合する半円弧状の一対の筒部111aを有し、各筒部111aの周方向の各端部に外方に突出する連結片111bを有している。連結片111bは、各筒部111aを主柱材Pの外周面に嵌合した際にほぼ平行に対向するように形成されており、その対向する連結片111bをボルト・ナットBNで連結し締め付けることにより、バンド部111を主柱材Pの外周面に強固に固定することが可能になっている。
荷重支持部112は、バンド部111における一方の筒部111aに溶接により固定された一対のアーム部112aを有している。そして、各主柱材Pの軸心を通る軸心面A1を想定した場合に、各アーム部112aは、バンド部111を主柱材Pに固定した状態において、その軸心面A1の両側に、当該軸心面A1に対して対称に突出するように形成されている。
ブラケット部113は、各アーム部112aにボルト・ナットBNにより連結されたものであり、軸心面A1に対して対称の位置に配置されている。
ピン14は、間隔調整部材13が主柱材Pの軸方向に揺動自在となるように(即ち、間隔調整部材13が軸心面A1に沿う方向に揺動自在となるように)、当該間隔調整部材13の各端部と第1保持部材11及び第2保持部材12のそれぞれとを連結するようになっている。この場合、ピン14は、ボルトによって構成されており、各ブラケット部113の軸受孔に挿入した上でナットNを螺合することにより当該各ブラケット部113に固定されるようになっている。
間隔調整部材13は、各端部をピン14によって支持されることによって、軸心面A1の両側に、当該軸心面A1から等しい間隔をおいて平行に2つ設けられている。この場合、間隔調整部材13は鉄塔構面Aの内側及び外側の各位置となるように、軸心面A1からの間隔が設定されている。
各間隔調整部材13は、不連続的に長さの調整が可能な連結ロッド131と、連続的に長さの調整が可能な機械式の伸縮ジャッキ132と、荷重変換器133とを有し、これらを同軸状となるように直列に配置したもので構成されている。
連結ロッド131は、両端部にフランジ131bを有する複数のパイプ(鋼管)131aによって構成されたものであり、フランジ131b同士をボルト・ナットBNで連結することにより、必要な長さのものを適宜得ることが可能になっている。この連結ロッド131の一方の端部には、伸縮ジャッキ132、荷重変換器133及び自在継手部134が同軸状に順次連結されている。
自在継手部134は、第1保持部材11のブラケット部113に支持されたピン14と回動自在に嵌合する軸受部を有しており、その軸受部がピン14の軸方向を向くように変動自在なものとなっている。また、連結ロッド131の他方の端部には、第2保持部材12のブラケット部113に支持されたピン14と回動自在に嵌合する継手部135が設けられている。
伸縮ジャッキ132は、伸縮変位した際に外部から受ける反力としての荷重によって、その伸縮変位した方向とは逆の方向に変位するのを防止する機械式ロック機構を有している。このような機械式ロック機構は、ウォームとウォームホイールとの噛み合いによるウォームギヤを備えた減速器や、ケーシングに固定された固定内歯歯車と、出力軸に同軸状に連結された可動内歯歯車と、これらの固定内歯歯車及び可動内歯歯車のそれぞれ噛み合う歯数の異なる2つの歯車を同軸状に一体化した遊動歯車と、この遊動歯車に回転力を入力する入力軸とを備えた減速器等によって実現される。なお、この例では、後者の遊動歯車を備えた減速器を用いている。
また、伸縮ジャッキ132は、入力された回転変位を最終的には歯車機構やネジ機構を介して直線変位に変換することで伸縮変位を得るように構成されており、その回転変位を入力するためのハンドル(回転変位入力手段)132aと、当該ハンドル132aの回転角度を検出する図示しない目盛板(回転角度検出手段)、上記機械式ロック機構及び回転変位を直線変位に変換する機構を備えた本体部132bと、直線変位として出力する伸縮ロッド132cとを備えている。
目盛板は、本体部132bの表面にあってハンドル132aの回転軸に同軸状に設けられていると共に、図示しない回転角度の基準点(即ち、角度零を示す点)がハンドル132aの回転軸の外周に設けられた指針マークの位置に合わせることが可能になっている。即ち、目盛板は、回転角度の基準点が調整可能なものとなっている。
なお、図示しない回転角度検出器(回転角度検出手段)が本体部132bに組み込まれており、ハンドル132aの角度が回転角度検出器によって電気信号として取り出すことが可能になっている。この電気信号に基づいて図示しないコンピュータで制御することにより、所定の電気信号を回転角度の基準点として設定し、その基準点からのハンドル132aの回転角度を検出することができると共に、その回転角度に基づいて伸縮ロッド132cの伸縮変位を長さの単位で検出することも可能になっている。
荷重変換器133は、引張荷重及び圧縮荷重を連続して測定することが可能なもので構成されている。この荷重変換器133は、例えばひずみゲージ式のものによって構成される。このひずみゲージ式の荷重変換器133は、引張荷重及び圧縮荷重を受ける軸部にひずみゲージを貼り付けたもので構成されており、その軸部に生じた引張ひずみ又は圧縮ひずみを電気信号に変換して出力するようになっている。この電気信号は、図示しないひずみ測定器を用いて、引張ひずみ、圧縮ひずみ、引張荷重又は圧縮荷重等のデータとして図示しない液晶ディスプレイに表示したり、これらのデータをコンピュータに出力することで、引張ひずみ、圧縮ひずみ、引張荷重又は圧縮荷重等に基づいた種々の計算処理が可能になっている。
また、伸縮ジャッキ132の伸縮変位と、荷重変換器133の出力との関係は、例えば、
腹材として水平材Hが有る場合について考察すると、当該水平材Hに予め、引張荷重が作用しているか、圧縮荷重が作用しているかによって伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の変化傾向が異なるものとなる。
例えば、腹材としての水平材Hに既に引張荷重が作用している状態において、伸縮ジャッキ132を短縮変位させてゆくと、図4に示すように、荷重変換器133には引張荷重が作用し、当該引張荷重が除々に増加することになるが、荷重変換器133の出力の増減傾向は所定の傾きα1になる。この際、水平材Hに作用する引張荷重は徐々に低下し、所定の時点で零に達した後、今度は圧縮荷重が作用し始めると共に、当該圧縮荷重が徐々に増加することになる。水平材Hに引張荷重が作用している間は、当該引張荷重が伸縮ジャッキ132を短縮変位する際の抵抗となることがないのに対して、水平材Hに圧縮荷重が作用し始めた後は、当該圧縮荷重が伸縮ジャッキ132を短縮変位する際の抵抗となる。このため、伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の増減傾向は、水平材Hに引張荷重が作用しているときの傾きα1より大きな傾きα2となって表われる。
このため、傾きα1と傾きα2との境界を検出することにより、水平材Hに作用する荷重がほぼ零になったことを検出することが可能である。この例においては、伸縮ジャッキ132の回転入力のデータと、荷重変換器133の出力データから、伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の傾きを逐次演算すると共に、その傾きを比較することで、当該傾きが変化する境界点を特定し、これにより水平材Hに作用する荷重がほぼ零になる点を検出するプログラムとしての腹材無負荷状態検出手段(図示せず)が上記コンピュータに組み込まれている。即ち、伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の増減傾向が変化することに基づいて、二脚の主柱材Pを連結する腹材(水平材H)に作用する荷重がほぼ零になることを検出する腹材無負荷状態検出手段が設けられている。
また、コンピュータは、水平材Hに作用する荷重がほぼ零になった点を検出した際に、その結果を図示しないディスプレイや音で報知するプログラムとしての報知手段を備えている。作業者は、その報知を受けて、伸縮ジャッキ132の回転変位の入力を停止することになる。また、ディスプレイには水平材Hの荷重がほぼ零になる伸縮ジャッキ132の伸縮変位(回転変位)が表示されるようになっている。このため、作業者は、ディスプレイに表示された伸縮ジャッキ132の伸縮変位に、伸縮ジャッキ132を調整することにより、水平材Hの荷重をほぼ零の状態に調整することが可能になる。
なお、伸縮ジャッキ132への回転変位をモータで行うように構成し、そのモータをコンピュータで制御するように構成している場合には、モータ駆動手段としてのプログラムがコンピュータに組み込まれたものとなっている。そして、モータ駆動手段には、上述した傾きα1、α2の境界点を腹材無負荷状態検出手段が検出したときに、伸縮ジャッキ132の回転変位の入力を停止すべく前記モータを制御し、更に水平材Hの荷重がほぼ零となる伸縮ジャッキ132の回転変位に当該伸縮ジャッキ132を調整すべく前記モータを制御する腹材荷重零点設定手段(図示せず)が含まれている。
上記のように構成された鉄塔の主柱材間距離調整治具1においては、一方及び他方の各主柱材Pに取り付けた第1保持部材11及び第2保持部材12のそれぞれに対してピン14を介して間隔調整部材13の各端部を連結し、伸縮ジャッキ132を伸縮変位させることにより、主柱材P、P間の距離を増減する方向に調整することができる。この場合、間隔調整部材13を主柱材P、P間の内側に配置することができ、当該間隔調整部材13が鉄塔の外側に突出することがないので、電線を支持する腕金等の構造物が鉄塔の外側に突出する部位における各主柱材Pに対しても間隔調整部材13を容易に取り付けることができる。
また、伸縮ジャッキ132は長さを連続的に調整可能であるので、主柱材P、P間の距離を微調整することができる。しかも、伸縮ジャッキ132は伸縮変位した際に外部から受ける荷重によってその伸縮変位した方向とは逆の方向に変位するのを防止する機械式ロック機構を備えたもので構成されているので、微調整した後の主柱材P、P間の距離を安定的に維持することができる。
更に、荷重変換器133は引張荷重及び圧縮荷重に対応する出力が連続的に得られるように構成されているので、伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の増減傾向が変化する点を見出すことによって、例えば水平材Hに作用する荷重が零になる点を見出すことができ、その零になる点における伸縮ジャッキ132の伸縮変位に当該伸縮ジャッキ132を調整することにより、当該水平材Hを安全かつ簡単に交換することができる。即ち、水平材HをガセットプレートP1に固定するボルト・ナットBNを緩めることなく、当該水平材Hに作用する荷重がほぼ零になったことを知ることができるので、水平材Hを交換する際の安全性及び作業性の向上を図ることができる。
そして、伸縮ジャッキ132の伸縮変位に対する荷重変換器133の出力の増減傾向が変化することに基づいて、主柱材P、Pを連結する腹材に作用する荷重がほぼ零になることを検出する腹材無負荷状態検出手段を備えている場合には、水平材Hに作用する荷重を除去すべく、伸縮ジャッキ132の伸縮変位を自動で行うことができる。従って、作業能率を更に向上させることができる。
なお、斜材S1、S2の腹材についても、上述のように荷重の零となる点を見出すことによって、当該腹材の交換作業の容易化、安全化を図ることができる。この場合、間隔調整部材13は主柱材P、Pに水平に掛け渡すように設けてもよいが、腹材に作用する荷重がほぼ零になったことを明確に見出すべく、できる限り各斜材S1、S2に沿うように斜めに主柱材P、Pに掛け渡すことが好ましい。
また、間隔調整部材13の両端部が主柱材Pの軸方向に揺動可能なようにピン14によって回動自在に支持されているので、主柱材Pを含めた各種部材に弾性変位が生じても、この弾性変位によって、間隔調整部材13や第1保持部材11及び第2保持部材12等に曲げモーメントが作用するのを防止することができる。従って、間隔調整部材13や第1保持部材11及び第2保持部材12等に、曲げモーメントによる予期しない応力が発生するのを防止することができるので、安全性の向上を図ることができる。
更に、間隔調整部材13が各主柱材Pの軸心を通る軸心面A1の両側に当該軸心面A1から等しい間隔をおいて平行に2つ設けられているので、主柱材Pを連結する水平材Hや斜材S1、S2斜材等の腹材がある場合でも、当該腹材と間隔調整部材13との干渉を避けることができる。
しかも、伸縮ジャッキ132がハンドル132a及び目盛板を備えており、目盛板は回転角度の基準点の調整が可能になっているので、手動による場合でも、ハンドル132aによる回転入力開始からの正確な回転変位を伸縮ジャッキ132に簡単に入力することができる。従って、間隔調整部材13の伸縮変位(即ち、主柱材P、P間の距離の増減変位)を簡単にかつ正確に調整することができる。また、一対の間隔調整部材13を備えている場合には、双方の間隔調整部材13の引張荷重あるいは圧縮荷重又は伸縮変位を正確に同期させることができるので、安全性の向上を図ることができる。
1 鉄塔の主柱材間距離調整治具
11 第1保持部材
12 第2保持部材
13 間隔調整部材
14 ピン
131 連結ロッド
132 伸縮ジャッキ
133 荷重変換器
132a ハンドル(回転変位入力手段)
A1 軸心面
H 水平材(腹材)
P 主柱材
S1 第1の斜材(腹材)
S2 第2の斜材(腹材)

Claims (4)

  1. 隣り合う一方及び他方の二脚の主柱材間の距離を調整すると共に、その調整した状態に保持することが可能な鉄塔の主柱材間距離調整治具であって、
    前記一方及び他方の主柱材にそれぞれ取り付けられる第1保持部材及び第2保持部材と、
    直線状に延在する間隔調整部材と、
    前記第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれと、前記間隔調整部材の各端部とを回動自在に連結するピンとを備えており、
    前記間隔調整部材は、不連続的に長さの調整が可能な連結ロッドと、連続的に長さの調整が可能な機械式の伸縮ジャッキと、荷重変換器とを有し、これらを直列に配置したもので構成されており、
    前記伸縮ジャッキは、伸縮変位した際に外部から受ける荷重によってその伸縮変位した方向とは逆の方向に変位するのを防止する機械式ロック機構を有し、
    前記荷重変換器は、引張荷重及び圧縮荷重に対応する出力が連続的に得られるように構成されていることを含み、
    前記伸縮ジャッキの伸縮変位に対する前記荷重変換器の出力の増減傾向が変化することに基づいて、一方の主柱材と他方の主柱材とを連結する腹材に作用する荷重がほぼ零になることを検出する腹材無負荷状態検出手段を備えていることを特徴とする鉄塔の主柱材間距離調整治具。
  2. 前記各ピンは、前記間隔調整部材が前記主柱材の軸方向に揺動自在となるように、当該間隔調整部材の各端部と前記第1保持部材及び第2保持部材のそれぞれとを連結するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の鉄塔の主柱材間距離調整治具。
  3. 前記間隔調整部材は、前記一方及び他方の主柱材の軸心を通る軸心面を想定した場合に、当該軸心面の両側に当該軸心面から等しい間隔をおいて平行に2つ設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄塔の主柱材間距離調整治具。
  4. 前記伸縮ジャッキは、入力された回転変位を歯車機構又はネジ機構を介して直線変位に変換することで前記伸縮変位を得るように構成されており、前記回転変位を入力するための回転変位入力手段と、当該回転変位入力手段の回転角度を検出する回転角度検出手段を備えており、
    前記回転角度検出手段は、回転角度の基準点が調整可能なもので構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鉄塔の主柱材間距離調整治具。
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