JP6732040B2 - 緩衝器および緩衝器の製造方法 - Google Patents

緩衝器および緩衝器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ピストンロッドのストロークに対する作動流体の流れを制御して減衰力を発生する緩衝器およびその製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、減衰力調整機構を保護するためのカバーを備えた緩衝器が開示されている。このカバーは、アウタチューブの側壁に接合された取付ブラケットに取り付けられている。
特開2016−20699号公報
しかしながら、特許文献1の緩衝器は、アウタチューブの側壁に接合される取付ブラケットおよびカバーが金属製部品であるため、重量化の問題がある。
本発明の目的は、軽量化が可能な緩衝器およびその製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態による緩衝器は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されるピストンと、前記ピストンに連結され、前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記シリンダの側部に対して径方向外側に突出するハウジングと、前記ハウジング内に設けられる減衰力調整機構と、前記ハウジングの外周の少なくとも一部を覆うカバーと、を備え、前記減衰力調整機構は、ソレノイドと、前記ソレノイドに外部から電力を供給するハーネスと、前記シリンダから離間する側において前記ソレノイドを被うオーバーモールド部と、を備え、前記オーバーモールド部の外表面には、非円形に突出する突出部が形成され、前記カバーには、前記突出部により回転規制される回転規制部が設けられ、前記カバーは、前記カバーの近傍に配置される可撓体を固定するためのブラケットと一体的に形成される。
また、本発明の一実施形態による緩衝器の製造方法は、ハウジングにカバーを嵌合させた後、コイルケースを前記ハウジングに挿入する工程を備える。
本発明の一実施形態によれば、緩衝器を軽量化することができる。
第1実施形態の緩衝器の主要部を断面で示す図である。 図1の緩衝器における減衰力調整機構を拡大して示す図である。 コイルケースの軸平面による断面図である。 バルブケースとケース部材とコイルケースとが一体化された減衰力調整機構の斜視図である。 ケース部材の軸平面による断面図である。 ブラケットが一体化された第1実施形態のカバーの斜視図である。 第1実施形態のカバーが装着された減衰力調整機構の斜視図である。 第1実施形態の緩衝器の製造方法の説明図である。 第2実施形態のカバーが装着された減衰力調整機構の斜視図である。 第2実施形態の緩衝器の製造方法の説明図である。 第2実施形態の変形例を示す分解斜視図である。 第2実施形態の変形例を示す斜視図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。便宜的に、図1における上下方向を上下方向とする。
図1に示される第1実施形態の減衰力調整式緩衝器1は、シリンダ2の外側にアウタチューブ3が設けられた複筒構造である。シリンダ2とアウタチューブ3との間には、リザーバ4が形成される。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装される。シリンダ2内は、ピストン5によりシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に画分される。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7により連結される。ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2Aを通過し、さらにシリンダ2およびアウタチューブ3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されてシリンダ2の外部に延出される。
シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを画分するベースバルブ10が設けられる。ピストン5には、シリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとを連通する通路11、12が設けられる。通路12には、シリンダ下室2B側からシリンダ上室2A側への油液(作動流体)の流通のみを許容する逆止弁13が設けられる。通路11には、シリンダ上室2A側の油液の圧力が設定圧力に達したとき開弁し、この圧力をシリンダ下室2B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられる。
ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通する通路15、16が設けられる。通路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液の流通のみを許容する逆止弁17が設けられる。通路16には、シリンダ下室2B側の油液の圧力が所定圧力に達したときに開弁し、この圧力をリザーバ4側へリリーフするディスクバルブ18が設けられる。シリンダ2内には、作動流体として油液が封入される。リザーバ4内には、作動流体として油液およびガスが封入される。
シリンダ2には、上下両端部に配置されたシール部材19を介してセパレータチューブ20が外嵌される。シリンダ2とセパレータチューブ20との間には、環状通路21が形成される。環状通路21は、シリンダ2の上端部近傍の側壁に設けられた通路22によりシリンダ上室2Aに連通される。セパレータチューブ20の下部には、側方(図1における右方向)に突出する円筒形の枝管23が形成される。アウタチューブ3の側壁には、枝管23に対して同心で枝管23よりも大径の開口24が設けられる。アウタチューブ3の側壁には、開口24を囲むようにして円筒形のバルブケース25(ハウジング)が接合される。換言すると、バルブケース25は、シリンダ2の側部に突出される。バルブケース25内には、減衰力調整機構31が収容される。
減衰力調整機構31は、基端側(シリンダ2側)がリザーバ4と環状通路21との間に介在し、かつ、先端側(シリンダ2から離間する側)がアウタチューブ3から径方向外向き(図1における右方向)へ突出するように設けられる。減衰力調整機構31は、環状通路21からリザーバ4への油液の流れを減衰バルブ32により制御することで減衰力を発生させる。減衰力調整機構31は、減衰バルブ32の開弁圧を減衰力可変アクチュエータとして適用されるソレノイド33で調整することにより、発生させる減衰力を可変に調整する。バルブケース25の外周の少なくとも一部は、カバー101により被われる。
図2に示されるように、減衰力調整機構31は、バルブケース25と、基端側(図2における左端側)がセパレータチューブ20の枝管23に固定され、先端側(図2における右端側)に形成された環状のフランジ部34Aがバルブケース25の基端側の内フランジ部25Aに対して隙間をもって配置された通路部材34と、当該通路部材34のフランジ部34Aに当接するバルブ部材35とを含む。バルブケース25の内周面と減衰バルブ32との間には、リザーバ4に連通する環状の通路40が形成される。
通路部材34の内側には、一方が環状通路21に連通し、他方がバルブ部材35まで延びる通路41が形成される。通路部材34のフランジ部34Aとバルブケース25の内フランジ部25Aとの間には、円環状のスペーサ42が設けられる。スペーサ42には、通路40とリザーバ4とを連通する複数個の通路43が形成される。
バルブ部材35は、軸孔35Aの周囲に周方向に離間して設けられる複数本(図2に1本のみ表示)の通路44を有する。各通路44の一側(図2における左側)は、通路部材34の通路41に連通する。バルブ部材35の他側(図2における右側)の端面には、通路44の他側(図2における右側)の開口を取り囲むように形成された環状凹部35Bと、当該環状凹部35Bの径方向外側に位置してメインディスクバルブ45が離着座する環状のシート部46とが設けられる。このようにバルブ部材35は、環状通路21側の通路41とリザーバ4側の通路40との間を、各通路44およびメインディスクバルブ45を介して油液を流通させる。
メインディスクバルブ45は、内周側がバルブ部材35とパイロットピン47の大径部47Aとで挟持され、外周側がバルブ部材35のシート部46に着座される。メインディスクバルブ45の背面側の外周部には、環状のシール部材48が固着されている。メインディスクバルブ45は、環状通路21に連通するバルブ部材35の通路44側の圧力を受けてシート部46から離座することで開弁し、バルブ部材35の通路44を通路40に連通、換言すると、環状通路21をリザーバ4に連通させる。
パイロットピン47は、軸方向中間部に大径部47Aを有する段付円筒形に形成される。パイロットピン47の軸孔47Bの通路41側の端部には、オリフィス49が形成されている。パイロットピン47は、一端部(図2における左側の端部)がバルブ部材35の軸孔35Aに圧入され、これにより、大径部47Aとバルブ部材35との間でメインディスクバルブ45が挟持される。パイロットピン47の他端部(図2における右側の端部)は、パイロットボディ50の軸孔50Aに嵌合される。パイロットボディ50の軸孔50Aとパイロットピン47の他端部との間には、軸方向へ延びる通路51が形成される。通路51は、メインディスクバルブ45とパイロットボディ50との間に形成される背圧室52に連通される。
パイロットボディ50は、内側に段付穴が形成された円筒部50Bと当該円筒部50Bを閉塞する底部50Cとを有する略有底筒状に形成される。底部50Cには、パイロットピン47の他端部が嵌合される軸孔50Aが形成されている。パイロットボディ50の底部50Cの一端部(図2における左側の端部)の外周縁部には、全周にわたってバルブ部材35側(図2における左側)に突出する突出筒部50Dが形成されている。突出筒部50Dの内周面には、メインディスクバルブ45のシール部材48が液密に嵌合される。メインディスクバルブ45とパイロットボディ50との間には、背圧室52が形成される。背圧室52の内圧は、メインディスクバルブ45に対して閉弁方向、すなわち、メインディスクバルブ45をバルブ部材35のシート部46に押し付けるように作用する。
パイロットボディ50の底部50Cの他端側(図2における右側)には、パイロット弁部材53が離着座するシート部54が設けられる。シート部54は、軸孔50Aを囲むように形成されている。パイロットボディ50の円筒部50Bには、パイロット弁部材53をパイロットボディ50のシート部54から離れる方向に付勢するリターンばね55、ソレノイド33が非通電状態のとき(パイロット弁部材53がシート部54から最も離れたとき)にフェールセーフバルブを構成するディスクバルブ56、および通路57Aが形成された保持プレート57が設けられる。
パイロットボディ50の円筒部50Bの開口端には、当該円筒部50Bの内側にリターンばね55、ディスクバルブ56、および保持プレート57が組み付けられた状態でキャップ58が嵌合固定される。キャップ58には、保持プレート57の通路57Aを通ってソレノイド33側に流入した油液を通路40へ流通させる流路となる複数本(図1に1本のみ表示)の通路59が形成される。
パイロット弁部材53は、略円筒形に形成されており、パイロットボディ50とともにパイロットバルブを構成する。パイロット弁部材53は、パイロットボディ50のシート部54に離着座する先端部が先細りのテーパ状に形成される。パイロット弁部材53の内側には、ソレノイド33の作動ピン38の一端が嵌合固定されている。パイロット弁部材53の開弁圧は、ソレノイド33への通電を制御することで調節される。パイロット弁部材53には、ばね受として機能するフランジ部53Aが外周の全周にわたって形成されている。フランジ部53Aは、ソレノイド33が非通電状態のとき、すなわち、パイロット弁部材53がシート部54から最も離れたとき、ディスクバルブ56に当接してフェールセーフバルブを構成する。
ソレノイド33は、コイルケース61と、ケース部材71とを含む。図3に示されるように、コイルケース61は、コイル65とコア62とをモールド成形することで略円筒形に形成されており、ソレノイド33を被うモールド樹脂で形成された部分、換言すると、ソレノイド33の外郭を形成する部分が、第1実施形態におけるオーバーモールド部66である。図3、図4に示されるように、オーバーモールド部66には、コイル65へ制御電流を供給するためのハーネス63の端部を支持するハーネス保持部67と、当該オーバーモールド部66の外表面から非円形に突出する突出部68とが形成される。コイル65は、ハーネス63を通じた電力供給(通電)により磁力を発生する。コア62は、磁性体からなる部材であり、一端にフランジ部62Aを有する円筒形に形成されている。
ハーネス保持部67は、第1実施形態におけるオーバーモールド部66の側面部70に設けられ、オーバーモールド部66の軸方向端面部69からコイルケース61の径方向(図3における上方向)へ延びている。ハーネス保持部67は、コイルケース61の軸直角平面に対して平行に配置され、かつ、ハーネス63を介して対向する一対の側面67A、67Bを有する。ハーネス保持部67は、ハーネス63を介して対向して配置され、かつ、一対の側面67A、67Bに連続するとともにコイルケース61の一軸平面に対して平行に配置された一対の側面67C、67Dを有する。すなわち、ハーネス保持部67の断面は矩形(正方形)に形成される。
図3、図4に示されるように、突出部68は、軸方向端面部69の端面(オーバーモールド部66の外表面)に設けられる。突出部68は、コイルケース61と共通の軸線を有する正六角柱形状に形成されている。突出部68は、ハーネス保持部67の側面67C、67Dに対して平行な二面幅の側面68A、68B(図4参照)を有している。なお、オーバーモールド部66の軸方向端面部69の端面は、ハーネス保持部67の側面67Bと同一平面上に位置している。
図5に示されるように、ケース部材71は、略円筒形に形成されており、軸方向(図5における左右方向)の中間位置に軸孔72Aを有する底部72が形成されている。ケース部材71の底部72の軸孔72Aには、キャップ76の大径部76Aが嵌合される。キャップ76は、非磁性材料により形成されたステータコア73、コア74、およびプランジャ75を被う。キャップ76は、深絞り成形により略有底円筒形に形成され、先端部(絞り形状の底部)にステータコア73が嵌着される。キャップ76の内周には、ステータコア73との間に軸方向へ隙間をあけて配置されたプランジャ75が摺動可能に挿入されている。キャップ76の大径部76Aの内周には、コア74の外周が嵌着される。プランジャ75の減衰バルブ32側の端(図5における左側の端)は、コア74の一端面に形成された凹部74Bに摺動可能に嵌合される。
コア74の減衰バルブ32側の端(図5における左側の端)には、フランジ部74Aが形成される。フランジ部74Aの外周面と、フランジ部74Aの外周縁部の減衰バルブ32とは反対側(図5における右側)の面とは、ケース部材71に当接される。フランジ部74Aの減衰バルブ32側の面には、減衰バルブ32のキャップ58(図2参照)が当接される。フランジ部74Aの減衰バルブ32とは反対側の面の内側には、キャップ76のフランジ部76Bが密着される。フランジ部76Bは、ケース部材71の底部72の減衰バルブ32側の面に形成された環状の凹部72Bと、コア74のフランジ部74Aとで挟持される。ケース部材71とキャップ76との間は、Oリング77によりシールされる。Oリング77は、ケース部材71の底部72の軸孔72AをC面取りすることで形成された環状の空間に収容される。
作動ピン38は、ステータコア73に組み込まれたブッシュ78とコア74に組み込まれたブッシュ79とにより軸方向(図5における左右方向)へ移動可能に支持される。作動ピン38は、リング部材80を介してプランジャ75に結合される。可動鉄心とも称されるプランジャ75は、鉄系の磁性体により略円筒形に形成される。プランジャ75は、コイル65に通電されて磁力が発生することによりコア74に吸着されて推力を発生する。プランジャ75の軸孔75Aは、リング部材80からステータコア73側(図5における右側)へ向かって拡径されたテーパ状に形成される。
このように、磁力の受け渡しがし易い、コア62と近接している部分のプランジャ75の肉厚は薄く、プランジャ75が上方向に移動したときに磁力の受け渡しがし難いプランジャ75とコア74の間は、プランジャ75の肉厚が厚くなっている。これにより、磁力の受け渡しを阻害することなく、プランジャ75を軽量化することができ、応答性向上に繋げることができる。
図2に示されるように、キャップ76は、コイルケース61とケース部材71とが一体化された状態で、コイルケース61の軸孔64に挿入される。このとき、キャップ76の内周に挿入されたプランジャ75は、キャップ76を介してコイルケース61内のコア62に対向するように位置する。ケース部材71の減衰バルブ32側(図2における左側)の端部の外周面には、Oリング81を収容するための環状の溝82が形成されている。Oリング81は、バルブケース25の内周面とケース部材71の外周面88との間を液密にシールする。
ケース部材71の外周面88には、環状凹部89(図5参照)が形成されている。図2に示されるように、バルブケース25とケース部材71とは、環状凹部89に沿って一定間隔で形成された複数個(図2には2個のみ表示)のかしめ部90により結合(接合)されている。かしめ部90は、バルブケース25の側壁を外側から内側へかしめることで形成される。かしめ部90を加工するときにバルブケース25に作用する中心線方向への力をケース部材71の底部72で受けることにより、かしめ加工によるバルブケース25およびケース部材71の変形を防止することができる。
図2に示されるように、コイルケース61(軸側)とケース部材71(穴側)とは、略C形の止め輪91により結合されて一体化される。止め輪91は、コイルケース61の外周面92に形成された環状の溝93と、ケース部材71の内周面94に形成された環状の溝95との間に装着され、コイルケース61とケース部材71との軸方向(図2における左右方向)への相対移動を阻止する。コア62のフランジ部62Aは、コイルケース61の溝93の近傍まで延びている。これにより、溝93に装着された止め輪91を縮径させたときに溝93の底部93A(図3参照)に作用する力を、コア62のフランジ部62Aで受けることによりコイルケース61の変形を防ぐことができる。
図5に示されるように、ケース部材71の内周面94の開口83近傍には、当該開口83へ向かって拡径され、かつ、内周面94に連続するテーパ穴部84が形成される。止め輪91は、コイルケース61をケース部材71に挿入するときの、ケース部材71のテーパ穴部84との接触部に標準化(規格化)された面取り量よりも大きい半径のR形状が形成されている。これにより、Oリング85(図2参照)のシール面としてのテーパ穴部84が傷付くことを防止することができる。すなわち、コイルケース61をケース部材71に挿入するとき、ケース部材71のテーパ穴部84に止め輪91の角が接触することがない。
図2に示されるように、コイルケース61とケース部材71との間は、環状のシール支持部86に収容されたOリング85によりシールされる。シール支持部86は、ケース部材71の内周面94に形成されたテーパ穴部84と、コイルケース61の外周面92に形成された環状のシール溝87とにより構成される。シール溝87は、円錐台形状に形成されており、止め輪91が装着される溝93に対して軸方向端面部69側に設けられる。Oリング85は、コイルケース61とケース部材71とが一体化されると、テーパ穴部84とテーパ軸部89との間で径方向および軸方向に弾性的に支持(加圧)される。これにより、コイルケース61には、弾性変形したOリング85の反力が軸方向に作用する。
図1に示されるように、緩衝器1は、ブラケット102が一体に形成されたカバー101を備える。カバー101およびブラケット102は、プラスチック製である。図6に示されるように、カバー101は、バルブケース25(ハウジング)の開口側端部26の外周面に嵌合される略円筒形状の取付部103を有している。取付部103の軸方向一側(図6における右側)の周縁には、内フランジ部104が形成されている。内フランジ部104の内径は、バルブケース25の外径よりも小さく、かつ、ケース部材71の外径よりも大きく形成される。カバー101は、内フランジ部104がバルブケース25の開口側端部26の端面26A(図2参照)に当接されることにより、バルブケース25に対して軸方向(図2における左右方向)に位置決めされる。
図6、図7に示されるように、カバー101は、ケース部材71の一部(バルブケース25から突出する部分)およびコイルケース61の一部(ケース部材71から突出する部分)を被う保護部105を有している。保護部105は、軸方向一側(取付部103とは反対側であって図6、7における右側)の端に底部106(端板)を有する有底円筒形に形成されている。換言すると、カバー101は、取付部103と保護部105とからなる段付有底円筒形に形成されている。
保護部105の内径は、内フランジ部104の内径と同一である。換言すると、保護部105の側壁107は、内フランジ部104の内側周縁に沿うようにして設けられる。すなわち、保護部105の側壁107の内周面107Aとケース部材71との間には、設計上の隙間(図2には示されていない)が形成される。当該隙間は、なくすこともできる。この場合、保護部105の側壁107の内周面107Aは、ケース部材71の外周面88に密着される。保護部105の底部106および側壁107には、バルブケース25から突出するケース部材71および当該ケース部材71から突出するコイルケース61の正面(上向きの面)を露出させる開口部108が形成されている。換言すると、開口部108は、底部106および側壁107のブラケット102側を切り欠くことで形成される。
保護部105の底部106には、カバー101が装着された状態、すなわち、カバー101の取付部103がバルブケース25の開口側端部26に装着された状態で、オーバーモールド部66の突出部68が嵌合される回転規制部109が形成される。突出部68と回転規制部109とのはめあいは、すきま嵌めである。回転規制部109は、突出部68の側面68Aに向かい合う側面109Aおよび突出部の側面68Bに向かい合う側面109Bの正面側(ブラケット102側)の端が、底部106側に形成された略扇形の開口部108に連続している。換言すると、回転規制部109は、正面側が開口部108により開かれた形状になっている。
図1に示されるように、ブラケット102は、カバー101の取付部103からアウタチューブ3に沿うようにして上方向へ延びるアーム形状をなしている。ブラケット102は、カバー101の側壁107に沿って延びる面110に連続するビーム部111と、ビーム部111の先端に設けられる保持部112と、ビーム部111と保持部112とを補強するリブ部113とを有する。保持部112には、ハーネス63(カバー101の近傍に配置される可撓体)に外装されたグロメット114(図1参照)が固定される2つのスロット115、116が形成されている。スロット115、116は、相互に異なる型のグロメット114を異なる方向から挿入することができるように形成されている。
次に、主に図8を参照して第1実施形態の緩衝器1の製造方法を説明する。
予め、作動ピン38、ステータコア73、コア74、およびプランジャ75が組み付けられたキャップ76をケース部材71に組み付ける。まず、キャップ76が組み付けられたケース部材71と減衰バルブ32とを一体化させる。次に、ケース部材71と減衰バルブ32との組立体を、アウタチューブ3(図1参照)の側壁に接合されたバルブケース25(ハウジング)に組み付ける。次に、かしめ加工で形成した複数箇所のかしめ部90によりバルブケース25とケース部材71とを接合させる。
次に、バルブケース25に固定されたケース部材71の開口83からケース部材71内にコイルケース61を挿入する。ここで、コイルケース61の溝93には、止め輪91が装着されており、コイルケース61のシール溝87には、Oリング85(シール部材)が装着されている。これにより、コイルケース61の挿入過程で、コイルケース61の溝93に装着された止め輪91は、ケース部材71のテーパ穴部84と摺動しながら漸次縮径され、ケース部材71の溝95に対向したときに拡径して当該溝95に装着される。換言すると、止め輪91は、コイルケース61の溝93とケース部材71の溝95との間に装着される。図4に、バルブケース25とケース部材71とコイルケース61とが一体化された減衰力調整機構31の斜視図を示す。
次に、図4の減衰力調整機構31に、ブラケット102が一体化されたカバー101を装着する。予め、シリンダ2から離間する側のソレノイド33を被うオーバーモールド部66から延びるハーネス63を、カバー101の取付部103の内側を通して開口部108からカバー101の外側(ブラケット102側)へ出しておく。この状態で、カバー101の取付部103の内側にコイルケース61、ケース部材71を順に通して、カバー101の取付部103の開口103Aをバルブケース25の開口側端部26に嵌合させる。
次に、カバー101の保護部105の底部106に形成された回転規制部109にコイルケース61の軸方向端面部69に形成された突出部68が嵌るようにして、カバー101とバルブケース25とを中心線を中心に相対回転させてカバー101の回転規制部109とコイルケース61の突出部68とを位置合わせする。位置合わせ後、カバー101の内フランジ部104がバルブケース25の開口側端部26の端面26A(図2参照)に当接されるまで、カバー101の取付部103にバルブケース25を圧入させる。なお、取付部103の内周面には、圧入時に加圧されて押し潰される圧入突起が設けられている。
図7に、カバー101が装着された減衰力調整機構31の斜視図を示す。カバー101の内フランジ部104がバルブケース25の開口側端部26の端面26Aに当接された状態(図2参照)では、図7に示されるように、コイルケース61のオーバーモールド部66の外表面に突出する六角柱形状(非円形)の突出部68がカバー101の回転規制部109に嵌合される。これにより、カバー101は、減衰力調整機構31(コイルケース61)に対する中心線を中心とする相対回転が規制される。
図1に示されるように、カバー101の装着後、ブラケット102の保持部112に形成されたスロット115あるいは116(図7参照)にグロメット114を介してハーネス63を固定する。第1実施形態では、ブラケット102にソレノイド33のハーネス68を固定したが、ブラケット102に、カバー101の近傍に配置されるホース、ワイヤ等の他の可撓体を固定するようにしてもよい。
次に、第1実施形態の緩衝器1の作動を説明する。
緩衝器1は、車両のサスペンション装置のばね上、ばね下間に装着される。車両の走行時には、路面の凹凸等により上下方向の振動が発生すると、緩衝器1は、ピストンロッド6がアウタチューブ3から伸長、縮小するように変位し、減衰力調整機構31にて減衰力を発生させることにより、車両の振動を緩衝させる。このとき、コントローラによりソレノイド33のコイル65への電流値を制御し、パイロット弁部材53の開弁圧を調整することにより、緩衝器1が発生する減衰力を可変に調整することができる。
ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によりピストン5の逆止弁13が閉弁し、ディスクバルブ14の開弁前にはシリンダ上室2A側の油液(作動流体)が加圧される。加圧された油液は、通路22および環状通路21を通り、セパレータチューブ20の枝管23から減衰力調整機構31の通路部材34へ流入する。このとき、ピストン5が移動した分の油液は、リザーバ4から、ベースバルブ10の逆止弁17を開弁させてシリンダ下室2Bへ流入する。シリンダ上室2Aの圧力がピストン5のディスクバルブ14の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ14が開弁し、シリンダ上室2Aの圧力をシリンダ下室2Bへリリーフすることにより、シリンダ上室2Aの過度の圧力の上昇を防止する。
ピストンロッド6の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の移動によりピストン5の逆止弁13が開弁し、ベースバルブ10の通路15の逆止弁17が閉弁する。ディスクバルブ18の開弁前には、ピストン下室2Bの油液がシリンダ上室2Aへ流入し、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入した体積分の油液が、シリンダ上室2Aから前述した伸び行程時と同一経路でリザーバ4へ流通する。シリンダ下室2B内の圧力がベースバルブ10のディスクバルブ18の開弁圧力に達すると、ディスクバルブ18が開弁し、シリンダ下室2Bの圧力をリザーバ4へリリーフすることにより、シリンダ下室2Bの過度の圧力の上昇を防止する。
減衰力調整機構31におけるメインディスクバルブ45の開弁前(ピストン速度低速域)には、通路部材34の通路41に流入した油液は、バルブ部材35の軸孔35A、パイロットピン47の軸孔47B、およびパイロットボディ50の軸孔50Aを通り、パイロット弁部材53を押し開いてパイロットボディ50の内側へ流入する。パイロットボディ50の内側に流入した油液は、パイロット弁部材53のフランジ部53Aとディスクバルブ56との間、保持プレート57の通路57A、キャップ58の通路59、およびバルブケース25の通路40を通ってリザーバ4へ流れる。ピストン速度が上昇し、通路部材34の通路41の圧力、すなわち、シリンダ上室2Aの圧力がメインディスクバルブ45の開弁圧力に達すると、通路部材34の通路41に流入した油液は、バルブ部材35の通路44を通り、メインディスクバルブ45を押し開き、バルブケース25の通路40を通ってリザーバ4へ流れる。
このように、ピストンロッド6の伸び行程時および縮み行程時において、減衰バルブ32のメインディスクバルブ45の開弁前は、パイロットピン47のオリフィス49と、パイロット弁部材53の開弁圧力とにより減衰力を発生させ、メインディスクバルブ45の開弁後は、メインディスクバルブ45の開度に応じた減衰力を発生させる。この場合、ソレノイド33のコイル65への通電を制御してパイロット弁部材53の開弁圧力を調整することにより、ピストン速度に拘わらず、減衰力を直接制御することが可能である。
具体的には、コイル65への通電電流を小さくしてプランジャ75の推力を小さくすると、パイロット弁部材53の開弁圧力が低下し、ソフト側の減衰力が発生する。コイル65への通電電流を大きくしてプランジャ75の推力を大きくすると、パイロット弁部材53の開弁圧力が上昇し、ハード側の減衰力が発生する。このとき、パイロット弁部材53の開弁圧力により、上流側の通路51を介して連通する背圧室52の内圧が変化する。このように、パイロット弁部材53の開弁圧力を制御することでメインディスクバルブ45の開弁圧力を同時に調整することが可能であり、減衰力特性の調整を広範囲に行うことができる。
また、コイル65の断線、コントローラの故障等のフェイル発生時にプランジャ75の推力が失われた場合、リターンばね55のばね力によりパイロット弁部材53を後退させてパイロットボディ50の通路60を開き、パイロット弁部材53のフランジ部53Aをディスクバルブ56(フェールセーフディスクバルブ)に当接させ、弁室37と、バルブケース25内の通路40との間の流路を閉じる。これにより、弁室37内における通路60からバルブケース25内の通路40への油液の流れが、ディスクバルブ56により制御され、ディスクバルブ56の開弁圧力の設定値に応じた所望の減衰力を得ることが可能であり、背圧室52の内圧、すなわち、メインディスクバルブ45の開弁圧力を調整することができる。その結果、フェイル時においても適切な減衰力を得ることができる。
ここで、前述した特許文献1に記載された緩衝器のように、カバーの取付ブラケットをアウタチューブの側壁に溶接する場合、金属製の取付ブラケットを用いる必要があるため、重量化、特に、ばね下重量の増加が問題となる。また、溶接時に溶接トーチのアプローチスペースを確保する必要があるため、設計の自由度が狭まり、かつ、溶接も困難であることから工数が増加する。さらに、ソレノイドから延びるハーネスを固定させる部材をアウタチューブにカバーとは別個に設ける事例もあるが、同様に、重量化および工数の増加に伴う生産性の低下が問題となる。
これに対し、第1実施形態では、バルブケース25(ハウジング)の外周の少なくとも一部を被うカバー101と、ソレノイド33から延びるハーネス63(可撓体)を固定するブラケット102とをプラスチックにより一体形成(成形)し、当該カバー101をバルブケース25の開口側端部26に固定したので、緩衝器1の重量化を抑止することができる。
以下に、第1実施形態の作用効果を示す。
第1実施形態は、作動流体が封入されるシリンダと、シリンダ内に挿入されるピストンと、ピストンに連結されてシリンダの外部に延出されるピストンロッドと、シリンダの側部に突出されるハウジングと、ハウジング内に設けられる減衰力調整機構と、ハウジングの外周の少なくとも一部を覆うカバーと、を備え、減衰力調整機構は、ソレノイドと、ソレノイドに外部から電力を供給するハーネスと、シリンダから離間する側にソレノイドを被うオーバーモールド部とを有し、オーバーモールド部の外表面には、非円形に突出する突出部が形成され、カバーには、突出部により回転規制される回転規制部が設けられ、カバーは、カバーの近傍に配置される可撓体を固定するブラケットが一体に形成されるので、ブラケットの緩衝器本体(アウタチューブ)への溶接による固定が不要になり、溶接に伴う設計上の制約を受けないため、設計の自由度を飛躍的に向上させることができる。
第1実施形態は、カバーの固定手段にハウジングに圧入する構造を適用したので、カバーおよびブラケットの材料にプラスチックを適用することができる。これにより、金属製のカバーおよびブラケットを適用した場合と比較して、緩衝器を軽量化、特に、ばね下重量を軽くすることが可能であり、車両の燃費および運動性能を向上させることができる。また、ブラケットをカバーとの一体成型品としたので、ブラケットの設計の自由度が向上し、カバー周辺の複雑な配線(配管)の取回しへの対応(固定)が容易となり、生産性を向上させることができる。さらに、カバーの固定にボルトやナットを使用しないので、重量化および組付工数の増加を防ぐことができる。
第1実施形態は、カバーの回転規制部に、オーバーモールド部の軸方向端面部に形成した非円形の突出部を嵌合させたので、カバーの減衰力調整機構に対する中心線回りの相対回転を阻止することができる。また、カバーを減衰力調整機構に被せるだけでカバーの回転規制部をオーバーモールド部の突出部に嵌合させることができるので、組付工数の増加を抑止することが可能である。そして、非円形の突出部は、第1実施形態の六角柱形状の他、四角柱形状等を適用することができる。この場合、カバーの回転規制部を突出部の形状に整合させる。さらに、第1実施形態は、カバーの側壁の高さをソレノイド33の高さよりも高くしたので、ソレノイド33(コイルケース61)の傾きに起因する抜けを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を添付した図を参照して主に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
前述の第1実施形態は、オーバーモールド部66の軸方向端面部69に形成した六角柱形状(非円形)の突出部68を、カバー101の底板106(端板)に形成した回転規制部109に嵌合させたのに対し、図9に示されるように、第2実施形態は、ハーネス保持部67をカバー121の側壁122の開放端122Aに形成した回転規制部123に嵌合させた。すなわち、第2実施形態における突出部は、オーバーモールド部66の側面部70に設けられたハーネス保持部67である。また、第1実施形態のカバー101(図6参照)は、段付有底円筒形に形成されていたのに対し、図9に示されるように、第2実施形態のカバー121は、略円筒形に形成されている。換言すると、第2実施形態のカバー121は、第1実施形態のカバー101のような底部106(図6参照)を有していない。
カバー121の外径は、軸方向(図9における左右方向)にわたって第1実施形態のカバー101の取付部103(図6参照)の外径と同一である。また、カバー121の内径は、バルブケース25側(図9における左側)が第1実施形態のカバー101の取付部103の内径と同一で、反対側(図9における右側)がカバー101の側壁107の内径と同一である。すなわち、カバー121の側壁122の内側には、バルブケース25(ハウジング)の開口側端部26の端面26A(図4参照)に当接させる内フランジ部104に相当する段(環状面)が形成される。カバー121の側壁122のバルブケース25側には、第1実施形態の取付部103と同じ圧入突起が設けられている。
図9、図10に示されるように、回転規制部123は、側壁122の開放端122Aを略U形に切り欠くことで形成される。カバー121がバルブケース25の開口側端部26に装着された状態(図9参照)で、回転規制部123の対向する側面124、125間に突出部としてのハーネス保持部67が介在する。回転規制部123の底面126とハーネス保持部67(側面67A)との間には一定の隙間が形成される。このように、第2実施形態では、カバー121の回転規制部123の側面124、125にオーバーモールド部66に形成されたハーネス保持部67を当接させることにより、カバー121の減衰力調整機構31に対する中心線回りの相対回転を規制する。
そして、前述した第1実施形態の緩衝器1における製造方法では、バルブケース25とケース部材71とコイルケース61とが一体化された減衰力調整機構31(図4参照)にカバー101を装着したが、第2実施形態の緩衝器1における製造方法では、バルブケース25に固定されたケース部材71にコイルケース61を挿入する前に(図8参照)、ケース部材71が組み付けられたバルブケース23にカバー121を装着する(図10参照)。そして、カバー121の装着後、コイルケース61のオーバーモールド部66の側面部70に設けられたハーネス保持部67(突出部)をカバー121の回転規制部123に嵌合させるようにして、ケース部材71にコイルケース61を挿入する。
このように、第2実施形態は、回転規制部123にオーバーモールド部66の側面部70から突出したハーネス支持部67を嵌合させることにより、カバー121の減衰力調整機構31に対する中心線回りの相対回転を規制することができる。また、第2実施形態は、カバー121のバルブケース25(ハウジング)に対する軸方向(抜け方向)への相対移動を、回転規制部123の底面126をハーネス支持部67(側面67A)に当接させることで規制することができる。これにより、プラスチックのクリープ特性に起因するカバー121の抜けを阻止することができる。
図11、図12に第2実施形態の変形例を示す。
この変形例では、バルブケース25(ハウジング)の開口側端部26の外周面にキー形状の第2突出部131を形成するとともに、カバー121の側壁122の開放端122Aとは反対側の端122Bに第2突出部131に対応する第2回転規制部132を形成し、カバー121のバルブケース25の開口側端部26への装着時に、カバー121の第2回転規制部132をバルブケース25の第2突出部131に嵌合させるように構成した。
これにより、カバー121のバルブケース25(ハウジング)に対する中心線回りの相対回転を規制することができる。このカバー121の回転規制部123にオーバーモールド部66に設けられたハーネス支持部67(突出部)を嵌合させることにより、コイルケース61のカバー121に対する、延いては、コイルケース61のバルブケース25に対する中心線回りの相対回転を規制することができる。
なお、第2回転規制部132に第2突出部131を嵌合させる当該構造は、前述の第1実施形態にも適用可能である。また、第2実施形態では、ハーネス保持部67を突出部として回転規制部123に嵌合させたが、ハーネス63(可撓体)の剛性が確保されていることを条件に、ハーネス63を回転規制部123に嵌合させるようにしてもよい。
以上説明した実施形態に基づく緩衝器として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
緩衝器の第1の態様としては、相対移動可能な2部材間に取り付けられる減衰力調整式緩衝器であって、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されるピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記シリンダの側部に突出されるハウジングと、前記ハウジング内に設けられる減衰力調整機構と、前記ハウジングの外周の少なくとも一部を覆うカバーと、を備え、前記減衰力調整機構は、ソレノイドと、前記ソレノイドに外部から電力を供給するハーネスと、前記シリンダから離間する側に前記ソレノイドを被うオーバーモールド部とを有し、前記オーバーモールド部の外表面には、非円形に突出する突出部が形成され、前記カバーには、前記突出部により回転規制される回転規制部が設けられ、前記カバーは、前記カバーの近傍に配置される可撓体を固定するブラケットが一体に形成される。
第2の態様としては、第1の態様において、前記オーバーモールド部は、軸方向端面部と側面部とからなり、前記突出部は、前記軸方向端面部に設けられる。
第3の態様としては、第1の態様において、前記オーバーモールド部は、軸方向端面部と側面部とからなり、前記突出部は、前記側面部に設けられ、前記突出部は、前記ブラケットに固定される可撓体を含む。
第4の態様としては、第1の態様乃至第3の態様の何れかにおいて、前記減衰力調整機構は、前記オーバーモールド部を含み、軸孔の周囲にコイルが収容されるコイルケースと、一側の開口側に前記コイルケース、他側に減衰バルブが配置されるケース部材と、前記コイルケースの前記軸孔に設けられ、前記コイルへの通電により軸方向へ移動して前記減衰バルブの減衰力が調節されるプランジャと、前記コイルケースの外周面に形成された溝と前記ケース部材の内周面に形成された溝との間に装着され、前記コイルケースと前記ケース部材とを一体化させる止め輪と、備え、前記コイルケースと前記ケース部材との間には、前記ケース部材の、前記溝よりも前記開口側に位置するシール部材が設けられ、前記シール部材は、前記ケース部材に形成されて前記開口側に向かうにつれて拡径するテーパ穴部と、前記コイルケースの外周面との間で挟持され、前記コイルケースを前記ケース部材に対して径方向および軸方向に弾性的に支持する。
第5の態様としては、第1の態様、第3の態様、第4の態様の何れかにおいて、前記ハウジングに前記カバーを嵌合させた後、前記コイルケースを前記ハウジングに挿入する。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、上述した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
本願は、2016年11月25日出願の日本特許出願番号2016−229116号に基づく優先権を主張する。2016年11月25日出願の日本特許出願番号2016−229116号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書を含む全ての開示内容は、参照により全体として本願に組み込まれる。
1 緩衝器、2 シリンダ、5 ピストン、6 ピストンロッド、25 バルブケース(ハウジング)、31 減衰力調整機構、33 ソレノイド、63 ハーネス(可撓体)、66 オーバーモールド部、68 突出部、101 カバー、102 ブラケット、109 回転規制部

Claims (5)

  1. 相対移動可能な2部材間に取り付けられる減衰力調整式緩衝器であって、
    作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されるピストンと、
    前記ピストンに連結され、前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
    前記シリンダの側部に対して径方向外側に突出するハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられる減衰力調整機構と、
    前記ハウジングの外周の少なくとも一部を覆うカバーと、
    を備え、
    前記減衰力調整機構は、ソレノイドと、前記ソレノイドに外部から電力を供給するハーネスと、前記シリンダから離間する側において前記ソレノイドを被うオーバーモールド部と、を備え、
    前記オーバーモールド部の外表面には、非円形に突出する突出部が形成され、
    前記カバーには、前記突出部により回転規制される回転規制部が設けられ、
    前記カバーは、前記カバーの近傍に配置される可撓体を固定するためのブラケットと一体的に形成される
    緩衝器。
  2. 請求項1に記載の緩衝器であって、
    前記オーバーモールド部は、軸方向端面部と側面部とを備え、
    前記突出部は、前記軸方向端面部に設けられる
    緩衝器。
  3. 請求項1に記載の緩衝器であって、
    前記オーバーモールド部は、軸方向端面部と側面部とを備え、
    前記突出部は、前記側面部に設けられ、
    前記突出部は、前記ブラケットに固定される可撓体を含む
    緩衝器。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の緩衝器であって、
    前記減衰力調整機構は、
    前記オーバーモールド部を含み、軸孔の周囲にコイルが収容されるコイルケースと、
    ケース部材であって、該ケース部材の一方側の開口側に前記コイルケースが配置され、他方側に減衰バルブが配置されるケース部材と、
    前記コイルケースの前記軸孔内に設けられるプランジャであって、前記コイルへの通電により軸方向へ移動して、前記減衰バルブの減衰力を調節するプランジャと、
    前記コイルケースの外周面に形成された溝と、前記ケース部材の内周面に形成された溝と、の間に装着され、前記コイルケースと前記ケース部材とを一体化させる止め輪と、
    を備え、
    前記コイルケースと前記ケース部材との間には、前記ケース部材の前記溝よりも前記開口側に位置するシール部材が設けられ、
    前記シール部材は、
    前記ケース部材に形成され、前記開口側に向かうにつれて拡径するテーパ穴部と、前記コイルケースの外周面と、の間で挟持され、
    前記コイルケースを前記ケース部材に対して径方向および軸方向に弾性的に支持する
    緩衝器。
  5. 請求項4に記載の緩衝器を製造する方法であって、
    前記ハウジングに前記カバーを嵌合させた後、前記コイルケースを前記ハウジングに挿入する工程を備える
    緩衝器の製造方法。
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