JP6730869B2 - 複列シールチェーン - Google Patents

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Description

本発明は、ピンとブシュとの間に潤滑油(グリース)を保持するようにシールしたシールチェーンに係り、詳しくは幅方向に2列等の複列にチェーンを並べた複列シールチェーンに関する。
従来、荷重の大きな装置に大きな動力を伝達するため、ローラチェーンを横方向に並べて必要トルクを伝達し得るようにした複列チェーン、例えば2列チェーンは存在しており、該2列チェーンとして、シールのない2列標準チェーン及びシールのある2列シールチェーンがある。いずれの2列チェーンでも、単列チェーンを、長くしたピンに貫通するようにして横方向に並べて構成されている。
図2(A)は、従来の2列標準チェーンを示し、該2列標準チェーン1は、2枚の内プレート2,2の両端部をブシュで固定すると共に該ブシュにローラ5,5を遊嵌した内リンク6と、2枚の外プレート7,7の両端をピン9,9で固定した外リンク10と、をブシュにピン9を嵌挿して交互に屈曲自在に構成した2列の単列ローラチェーン11,11からなる。上記単列ローラチェーン11の各プレート、ブシュ、ローラ等の寸法は、JISで規格されており、該2列の単列ローラチェーン11,11に共通するように上記ピン9を長くして2列を横方向に並べて構成されている。従って、2列の間側に位置する外プレート7,7(中間プレートという)は、2枚が重なるように構成される。これにより、2列標準チェーン1は、単列標準チェーン11の倍に近い引張り強度を有する。
従来の2列シールチェーン1は、図2(B)に示すように、同じ内プレート2,ローラ5及び外プレート7を用い、かつブシュ3及びピン9は、同径で所定量長いものが用いられる。ブシュ3は、内プレート2,2から所定量突出するように構成され、該突出部を囲むようにして、シールリング12,12が被嵌され、該シールリング12は、内プレート2及び外プレート7の間で挟持されて、ブシュ3とピン9との間に充填されたグリース(潤滑油)を封入する。即ち、単列のシールチェーン11,11がピン9を共通にして2列横方向に並べて構成される。従って、2列の間側に位置する外プレート(中間プレート)7,7は、2枚が重なるように構成され、かつこれら中間プレート7,7は、幅方向外側に位置する外プレート7,7と同様に、長いピン9の中間部分が圧入等により嵌合(締り嵌め)されて、2枚の中間プレート7,7の間部分からグリースが漏出することを防止している。
該2列シールチェーン1は、前記2列標準チェーン1と同様の強度を有し、かつピン9とブシュ3との間の屈曲部にグリース(潤滑油)が保持されているので、摩耗を減少して耐久性(耐摩耗性能)を向上し得る。
また、シールチェーンであって、外プレート及び内プレートの厚さを薄くすることにより、両内プレートの内側間距離及び両外プレートの外側面間距離を標準チェーンと同一寸法とした細幅シールチェーンが提案されている(特許文献1)。
特開2010−169252号公報
図2(A)及び図2(B)に示すように、2列標準チェーン1と従来の2列シールチェーン1とは、同じピッチ(型番)にあっては、同じ寸法の内プレート2,外プレート7が用いられ、強度が揃えられるが、中間プレート7,7部分にシールリング12が存在する関係上、チェーン走行ラインB−B,D−Dがずれて、同じスプロケットを用いることができない。また、外プレート7,7の外側面距離A−Eも、2列シールチェーン1は、2列標準チェーン1より広くなる。このため、単列チェーンでは、シールチェーン11であっても標準チェーン11と同じスプロケットを用いることが可能であるが、2列(複列)シールチェーン1は、標準チェーン1とは異なる特殊なスプロケットを必要とし、またアタッチメント等も標準チェーンとは異なるものが必要となり、互換性が低くなっている。
特許文献1で提示した細幅シールチェーンを用いて2列(複列)シールチェーンを構成すれば、上記互換性は解決可能であるとしても、中間プレート部分は、2枚のプレートの間から潤滑油が漏出することを防止するため、ピンを嵌合する必要があり、組立性が悪く、また該細幅シールチェーンで、対応する標準チェーンと同等な強度とすることは困難である。
そこで、本発明は、中間プレートを改良することにより、上述した課題を解決した複列シールチェーンを提供することを目的とするものである。
本発明は、1対の内プレート(2)の両端部をブシュ(3)で結合した内リンク(6)と、1対のプレート(7,17)の両端部にピン(9)を配置した外リンク(10)とを、前記ブシュ(3)に前記ピン(9)を嵌挿して交互に連結し、かつ前記ブシュ(3)を前記内プレート(2)の外側面から所定量突出し、該突出部(3a)を囲むように配置したシールリング(12)を前記内プレートと前記プレートとの間に圧縮状態で挟持した単列シールチェーン(11)を、前記ピン(9)を共通にして幅方向に複列配置した複列シールチェーン(1)において、
前記複列シールチェーンの幅方向最外側の前記外リンク(10)の外側の前記プレートを、所定板厚の1枚の外プレート(7)とし、該1対の外プレート(7)に前記ピン(9)を固定し、
前記最外側の1対の外プレート(7,7)以外の前記外リンクのプレートであって、前記内プレートの間に配置されるプレートを、前記外プレート(7)の板厚(e)より厚い(f)1枚のプレートからなる中間プレート(17)とし、該中間プレートの両端部に前記ピン(9)の径より大きい径からなるピン孔(19)を形成してなる、
ことを特徴とする複列シールチェーンにある。
例えば図2,図3を参照して、前記外プレート(7)及び内プレート(2)の板厚(e)を、シールリングを備えていないノンシールチェーンであってJIS規格により規格された2列標準チェーン(1)の外プレート(7)及び内プレート(2)より所定量薄く形成し、1枚からなる前記中間プレート(17)の板厚(f)を、2枚からなる前記2列標準チェーン(1)の中間プレート(7,7)より薄く形成し、
前記複列シールチェーン(1)における前記単列シールチェーン(11,11)の幅方向中央線(B−B),(D−D)が、前記2列標準チェーンの各単列チェーン(11,11)の幅方向中央線と一致してなる。
前記複列シールチェーン(1)の前記両外プレート(7,7)の外側面間距離である全幅(A−E)が、前記2列標準チェーン(1)と一致してなる。
例えば図6を参照して、前記中間プレート(17)の1対の前記ピン孔(1919)中心(O2,O2)間の距離であるピン孔ピッチ(P2)が、前記外プレート(7)のピン孔(6a)中心(O1,O1)間の距離であるピン孔ピッチ(P1)より短い(P2<P1)。
例えば図5(B),(C)及び図6を参照して、前記中間プレート(17)の1対のピン孔(1919)の外側端の距離(G2)が、前記外プレート(7)の1対のピン孔(7a,7a)の外側端の距離(G1)以下である(G2≦G1)。
前記中間プレート(17)の板厚(f)は、前記外プレート(7)の板厚(e)より厚くかつ2倍と等しいか又はそれより小さい(e<f≦2e)。
前記複列シールチェーン(1)は、2列の前記単列シールチェーンからなる。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、シールチェーンであるため、無給油環境下にあってもチェーンの耐摩耗性能を向上できるものでありながら、複列シールチェーンの中間プレートが1枚のプレートからなり、所定の強度を維持しつつ、複列シールチェーンの幅方向寸法の増大を抑制することができる。
中間プレートのピン孔がピン径よりも大きな径からなるので、ピンをシールリングを介在した状態で中間プレートのピン孔に容易に挿入でき、複列シールチェーンの組立及びチェーン継ぎによるチェーンの装着が容易となる。
また、中間プレートは1枚のプレートからなるので、ピンに対して遊合関係にあっても潤滑油が漏れることがなく、かつ潤滑油は、複列のチェーンのピンとブシュとの間の潤滑空間を移動でき、潤滑油分布を均して潤滑効率を向上すると共に、中間プレートは、ピンに対して幅方向に移動可能であり、各シールリングの圧縮を均平化して、所定のシールリングに集中して荷重が作用することを低減してシールリングの早期破損を減少することができる。
請求項2に係る本発明によると、JIS規格である複列標準チェーンと各単列チェーンの幅方向中央線が一致するので、標準チェーン仕様のスプロケット等による装置に容易に本複列シールチェーンを適用することが可能となり、互換性を向上することができる。
請求項3に係る本発明によると、複列シールチェーンの全幅を標準チェーンと一致して、アタッチメント等を共通化することができる。
請求項4に係る本発明によると、中間プレートのピン孔ピッチと外プレートのピン孔ピッチとの関係を、外プレート及び中間プレートに作用するチェーン引張り方向の負荷を均等化するように設定して、多列シールチェーンによるトルク容量を保持することができると共に、引張りによるピンの曲げを減少して、疲労強度の低下を防止することができる。
請求項5に係る本発明によると、中間プレートのピン孔の外側端の距離が外プレートのそれ以下であるので、各プレートの負荷を均等化して、疲労強度を向上することができる。
請求項6に係る本発明によると、中間プレートの板厚を外プレートの板厚より厚くかつ2倍と等しいかそれよりも薄くすることにより、強度と厚さの抑制のバランスをとることができる。
請求項7に係る本発明によると、2列シールチェーンに適用して好適である。
本発明の実施の形態による2列シールチェーンを示す一部断面した平面図。 (A)は2列標準チェーンを示す平面図、(B)は従来の2列シールチェーンを示す平面図、(C)は本発明による2列シールチェーンを示す平面図。 従来の2列シールチェーンと本発明に係る2列シールチェーンの各プレートを比較した表。 (A)は2列シールチェーンの引張り荷重が作用する骨格部分を示す平面図、(B)は引張り荷重が作用した状態を示す概略図。 (A)(B)(C)は中間プレートのピン孔ピッチを変更した平面図。 (A)は外プレートの正面図。(B)は中間プレートの正面図。
以下、図面に沿って本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態による2列シールチェーン(以下2列FITチェーンという)1は、図1に示すように、2列の単列シールチェーン11,11からなる。各単列シールチェーン11は、内リンク6と外リンク10とを交互に連結して無端状に構成されている。内リンク6は、従来と同様に、2枚の内プレート2,2の両端部分をブシュ3で結合し、ブシュ3にローラ5が回転自在に遊嵌して構成される。外リンク10は、最外側の外プレート7,7がピン9により連結される点では同じであるが、中間プレート17が1枚からなる点及び該中間プレート17のピン孔19がピン9の径より大きい径からなる遊合関係にある点が相違している。
従って、2列FITシールチェーン1は、最外側の外プレート7,7の両端部にピン9,9が嵌合して固定され、該ピン9には、2個の内リンク6,6のブシュ3,3が回転(揺動)自在に遊嵌し、かつ該2個の隣接する内リンク6,6の内側の内プレート2,2の間に中間プレート17のピン孔19が遊嵌している。
前記ブシュ3は、内プレート2の外側面から一部突出して、該突出部3aを囲むように配置したシールリング12が内プレート2と外プレート7又は中間プレート17との間に保持される。ピン9の両端部は、カシメ等により両外側の外プレート7に嵌合・固定されており、両外側の外プレート7,7の外側面間距離A−E(図2参照)は、一定に保たれ、2個の内リンク6の幅及び中間プレート17の厚さfとが一定である関係で、外プレート7と内プレート2との間及び内プレート2と中間プレート17との間に、それぞれシールリング12(合計4個)は所定の圧縮状態で挟持される。これにより、ピン9とブシュ3との間に充填されたグリース(潤滑油)は上記各シールリング12により保持される。
即ち、前記2列シールチェーンを複列シールチェーンに一般化して示すと、以下の通りとなる。
1対の内プレート2,2の両端部をブシュ3,3で結合した内リンク6と、1対のプレート7,17の両端部にピン9を配置した外リンク10とを、前記ブシュ3に前記ピン9を嵌挿して交互に連結し、かつ前記ブシュ3を前記内プレート2の外側面から所定量突出し、該突出部3aを囲むように配置したシールリング12を前記内プレート2と前記プレート7との間に挟持した単列シールチェーン11,11を、前記ピン9を共通にして幅方向に複列配置した複列シールチェーン1において、前記複列シールチェーンの幅方向最外側の前記外リンク10の外側の前記プレートを、所定板厚の1枚の外プレート7とし、該1対の外プレート7に前記ピン9を固定し、前記最外側の1対の外プレート7,7以外の前記外リンク10のプレートであって、前記内プレート2の間に配置されるプレートを、前記外プレート7の板厚(e)より厚い(f)1枚のプレートからなる中間プレート17とし、該中間プレートの両端部に前記ピン9の径より大きい径からなるピン孔19を形成してなる。
シールリング12は、断面形状が円形のもの、リップを有するもの等どのような形状でもよいが、特に、特許第4756537号公報、特許第5415316号公報に示されるものが好適である。内プレート2及び外プレート7は、同じ厚さeからなりかつ2列標準チェーン1及び従来の2列シールチェーン1より薄い板厚eからなり、中間プレート17は、従来の2枚の外プレート7,7からなる中間プレートの合計の板厚より薄い。また、中間プレート17は、上記従来の外プレート7(及び内プレート2)より厚く、2倍に近い板厚からなる(f≒2e)。好ましくは、該2列FITチェーン1の中間プレート17は、外プレート7及び内プレート2より厚くその2倍より薄い又は等しい板厚fからなる(e<f≦2e)。
これにより、2列FITチェーン1は、図2に示すようにJIS2列標準チェーン1と、各単列チェーン11,11の幅方向中央線(チェーン走行中心線)B−B,D−Dが一致し、また最外側の外プレート7,7の外側面A−A,E−Eが一致する(即ち、チェーン全幅A−Eが一致する)。
具体的には、図3に示すように、2列標準チェーン1と同じ板厚の各プレートを用いる従来の2列シールチェーン1に対して、本2列FITチェーン1は、同じピッチであるJIS型番#40,#50,#60,#80に対して、0.75(#50,#60,#80)、0.83(#40)の板厚の外プレート7、内プレート2が用いられる。また、プレートの板厚減少に伴う強度低下を補って、2列標準ローラチェーンと略同等の強度とするために、各プレート7,2の表面硬度が高くなるように設定される。
前記2列FITチェーン1は、ピン9とブシュ3との間の軸受部に潤滑油(グリース)を封入したシールチェーンであるため、無給油条件下において上記軸受部を潤滑状態に保持して高い摩耗伸び寿命を有するものでありながら、規格化されている2列標準チェーン1と幅方向の各単列チェーン11の中央線B−B,D−D及び全幅寸法A−Eが一致しているため、標準のスプロケット及びアタッチメント等を共通して用いることができる。本2列FITシールチェーン1は、2列標準シールチェーン1に比して各プレートの板厚が薄いが、各プレートの表面硬度を高くすると共に、中間プレート17を1枚の一体物とすることにより、2列標準チェーン1と略同等の強度を有する。中間プレート17の板厚が薄くなっても、1枚の一体物からなるため、曲げ強度は高く、かつピンとの接触面を確保して、充分な強度を有する。これにより、2列標準チェーン1を使用した装置を何等変更せず、本2列FITシールチェーン1を適用することが可能となり、互換性が高く使用勝手を向上することができる。
また、本2列FITシールチェーン1は、中間プレート17のピン孔19にピン9を遊合(すき間嵌め)関係で挿入すれば足り、シールチェーンでありながら組立性を向上し得る。また、有端シールチェーンを無端に継ぐことが容易となり、従来装置への本2列FITチェーン1の適用も容易となる。ピン9とピン孔19とが遊合関係にあっても、中間プレート17は、1枚の一体物であるため、2枚重ねた中間プレート12,12[図2(B)参照]の間から潤滑油が漏れることはなく、かつピン9とブシュ3との間の潤滑空間が2列のチェーン11,11に亘って連通するため、潤滑油の融通性が向上し、2列のチェーンのピンとブシュとの間に均等に潤滑油が分布されて、潤滑性能も向上し得る。
また、中間プレート17は、ピン孔19がピン9に対して遊合関係にあって横(ピン軸線)方向に移動自在であり、ピン軸方向にある4個のシールリング12の圧縮量を均平化し得る。これにより、2列FITシールチェーン1の屈曲抵抗を低減して、動力伝達損失の減少を可能とすると共に、所定のシールリング12に過度に圧縮力が作用することを防止して、シールリング12の破損を低減して2列FITシールチェーンの寿命を向上し得る。
図4(A)は、本2列FITシールチェーン1の骨格を示す図である。外プレート7及び中間プレート17と、内プレート2,2とは互いに離れる方向の引張り力が作用し、ピン9に曲げ荷重が作用する。本2列FITシールチェーン1は、中間プレート17のピン孔19が、ピン9に対して隙間を有する遊合関係にある。
図4(B)は、内プレート2,2と外プレート7,7との間に引張り力が作用した状態を示し、ピン9に摺接するブシュ3は内周面を示す。上記引張り力によりピン9には曲げ荷重が作用し、両外側の外プレート7,7に嵌合・固着されているピン9は、ブシュ3内周面との隙間及び中間プレート17のピン孔19との隙間により湾曲するように変形する。この結果、内リンク6における外側の内プレート2a,2aに作用する引張り荷重F,Fは、内側の内プレート2b,2bに作用する引張り荷重F,Fに比して大きい。従来の2列シールチェーン1のように、中間プレート ,7がピン9に対して嵌合(締り嵌め)状態にあるものは、中間プレート7,7がピン9の曲りを抑制するが、中間プレート17のピン孔19がピン9に対して隙間があると、上記抑制がなく、上述したピン9の曲りが大きくなる。即ち、チェーン引張り力による中間プレート17の負荷が少なくなり、2列チェーンによる伝達トルク容量が低減する。
図6は、外プレート7のピン孔7a,7a(A)及び中間プレート17のピン孔19,19(B)の関係を示し、P1及びP2は、各ピン孔の中心O,Oの間の距離であるピン孔ピッチであり、G1,G2は、各ピン孔の外側端間の距離である。即ち、外プレート7のピン孔径をd1、ピン孔ピッチをP1とし、中間プレート17のピン孔径をd2,ピン孔ピッチをP2とすると、G1=P1+d1、G2=P2+d2となる。本実施の形態にあっては、図6に示すように、中間プレート17のピン孔径d2は、外プレートのピン孔径d1より大きく設定され(d2>d1)、中間プレート17の2個のピン孔1919の中心O2,O2の間の距離(ピン孔ピッチ)P2を、外プレート7の両ピン孔7a,7aの中心O1,O1の間の距離(ピン孔ピッチ)P1より小さく設定する(P2<P1)。図5(A)に示すように、外プレート7のピン孔ピッチP1と中間プレート17のピン孔ピッチP2が等しい場合(P1=P2)、中間プレート17のピン孔19は、ピン9の直径より大きいため、中間プレート17の両ピン孔1919の外側端の距離G2が外プレート7の両ピン7a,7aの外側端の距離G1より大きくなる(G2>G1)。従って、ピン孔19は、ピン9に対して引張り方向及び反対方向の両方に隙間a,bを生ずる。第1の実施の形態は、中間プレート17の両ピン孔19,19の外側端の距離G2を外プレート7の両ピン孔7a,7aの外側端の距離G1と等しく設定する(G2=G1)。即ち、図5(B)に示すように、中間プレート17のピン孔19のピッチを、外プレート7のピン孔7aに固定されたピン9に対して、チェーンに引張り力が作用していない状態で引張り方向には隙間を生ぜず、反対方向のみに隙間cが存在するように設定する。第2の実施の形態は、中間プレート17の両ピン孔1919の外側端の距離G2を外プレート7の両ピン孔7a,7aの外側端の距離G1より小さく設定する(G2<G1)。この状態では、図5(C)に示すように、ピン9に対する引張り方向の隙間がマイナスになるように設定され、従ってチェーンに引張り力が作用していない状態で、ピン9は、引張り方向とは逆方向に湾曲変形した状態で中間プレート17のピン孔19に嵌挿される。
上記図5(A),(B),(C)に示す、異なる中間プレート17のピン孔ピッチの2列FITシールチェーンを疲労強度テストした結果、疲労強度は、第2の実施の形態[図5(C)、G2<G1]、第1の実施の形態[図5(B)、G2=G1]、そして外プレートと中間プレートのピン孔ピッチが等しい実施の形態[図5(A)、G2>G1]の順で高かった。この結果から、中間プレート17のピン孔19を遊合関係(d2>d1)としたものは、外プレート7のピン孔ピッチより中間プレートのピン孔ピッチを小さくして(P2<P1)、チェーン引張り力によるピン9の曲りを抑制することが好ましいことが確認された。特に、自然状態にあって、中間プレート17のピン孔外側端距離G2が外プレート7のピン外側端距離(G1)以下とし(G2≦G1)、ピン9に対して引張り方向に隙間を生じない状態(G2=G1)、又はそれより小さくすること(G2<G1)が好ましい。即ち、チェーンの引張り力が、中間プレート17に対しても外プレート7と略均等に負荷するようにし、多列シールチェーン1の各単列シールチェーン11,11にチェーン荷重が均等に作用するようにする。
上述した実施の形態は、2列シールチェーンについて説明したが、3列、4列及びそれ以上の複列シールチェーンでも、幅方向両端の外プレート以外の外リンク10の中間プレートを、1枚のピンに対して遊合関係のピン孔を有する中間プレートを用いることにより同様に適用可能である。
1 複列(2列)シールチェーン
2列標準チェーン
2(2) 内プレート
3 ブシュ
3a 突出部
5 ローラ
6 内リンク
7(7) 外プレート
9 ピン
11 単列シールチェーン
12 シールリング
17 中間プレート
19 ピン孔
f 中間プレート板厚
e 内外プレート板厚
B−B,D−D 単列チェーン幅方向中央線
A−E 全幅

Claims (7)

  1. 1対の内プレートの両端部をブシュで結合した内リンクと、1対のプレートの両端部にピンを配置した外リンクとを、前記ブシュに前記ピンを嵌挿して交互に連結し、かつ前記ブシュを前記内プレートの外側面から所定量突出し、該突出部を囲むように配置したシールリングを前記内プレートと前記プレートとの間に圧縮状態で挟持した単列シールチェーンを、前記ピンを共通にして幅方向に複列配置した複列シールチェーンにおいて、
    前記複列シールチェーンの幅方向最外側の前記外リンクの外側の前記プレートを、所定板厚の1枚の外プレートとし、該1対の外プレートに前記ピンを固定し、
    前記最外側の1対の外プレート以外の前記外リンクのプレートであって、前記内プレートの間に配置されるプレートを、前記外プレートの板厚より厚い1枚のプレートからなる中間プレートとし、該中間プレートの両端部に前記ピンの径より大きい径からなるピン孔を形成してなる、
    ことを特徴とする複列シールチェーン。
  2. 前記外プレート及び内プレートの板厚を、シールリングを備えていないノンシールチェーンであってJIS規格により規格された2列標準チェーンの外プレート及び内プレートより所定量薄く形成し、1枚からなる前記中間プレートの板厚を、2枚からなる前記2列標準チェーンの中間プレートより薄く形成し、
    前記複列シールチェーンにおける前記単列シールチェーンの幅方向中央線が、前記2列標準チェーンの各単列チェーンの幅方向中央線と一致してなる、
    請求項1記載の複列シールチェーン。
  3. 前記複列シールチェーンの前記両外プレートの外側面間距離である全幅が、前記2列標準チェーンと一致してなる、
    請求項2記載の複列シールチェーン。
  4. 前記中間プレートの1対の前記ピン孔中心間の距離であるピン孔ピッチが、前記外プレートのピン孔中心間の距離であるピン孔ピッチより短い、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の複列シールチェーン。
  5. 前記中間プレートの1対のピン孔の外側端の距離が、前記外プレートの1対のピン孔の外側端の距離以下である、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の複列シールチェーン。
  6. 前記中間プレートの板厚は、前記外プレートの板厚より厚くかつ2倍と等しいか又はそれより小さい、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の複列シールチェーン。
  7. 前記複列シールチェーンは、2列の前記単列シールチェーンからなる、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の複列シールチェーン。
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