JP6730201B2 - 湿潤粉体成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は,湿潤粉体成膜方法に関する。より詳細には,湿潤粉体をシート状に成膜する湿潤粉体成膜方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの電池に用いられる電極板は,一般的に,集電箔上に電極合剤層を形成することで製造されている。また,電極合剤層の形成には,電極合剤層を形成する材料である活物質等の粉末に,溶媒を含ませてなる湿潤造粒物が用いられることがある。すなわち,電極合剤層を,湿潤造粒物をロール対の間隙に通すことによって加圧し,湿潤粒子をシート状に成膜することで形成する方法がある。
このような湿潤粉体の成膜に係る先行技術として,例えば,特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には,対向するロール対の間隙に合剤塗料を通過させて,そのロール対の一方のロール上に膜状に成形し,その後,ロール上の膜状の合剤塗料を,被塗布物上に転写する技術が開示されている。また,特許文献1では,合剤塗料に含まれる溶媒と,ロール表面や被塗布物表面との接触角を調整しておくことで,被塗布物上に,均一な塗膜物を得ることができるとされている。
特開2015−178093号公報
しかしながら,上記の従来技術によっても,集電箔の表面に形成された電極合剤層には,厚みが不均一な箇所が存在している場合があった。すなわち,厚みが十分に均一な電極合剤層を集電箔上に形成できているとはいえなかった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,集電箔上に厚みが均一な電極合剤層を形成することができる湿潤粉体成膜方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の湿潤粉体成膜方法は,溶媒を少なくとも活物質および結着材と混合することにより形成された湿潤造粒物を,ロール対の間隙に通すことでシート状に成形しつつ集電箔上に付着させることで集電箔上に電極合剤層を形成する湿潤粉体成膜方法であって,湿潤造粒物を,活物質および結着材を,溶媒と攪拌により混合してこれらの混合物を得る第1の攪拌工程と,混合物を,溶媒および界面活性剤と攪拌により混合する第2の攪拌工程とにより形成するとともに,湿潤造粒物における溶媒と界面活性剤との重量比率を,溶媒と界面活性剤とを混合した混合液に対する活物質の接触角が,10°以上,80°以下の範囲内となる比率とし,湿潤造粒物の全体の重量に占める固形分の重量の割合を,63%以上,92%以下の範囲内として形成することを特徴とする湿潤粉体成膜方法である。
本発明に係る湿潤粉体成膜方法では,湿潤造粒体を,第2の攪拌工程において界面活性剤を添加することにより形成する。さらに,湿潤造粒体を,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,全体の重量に占める固形分の重量の割合を所定の範囲内として形成する。そして,その湿潤造粒体により,集電箔上に厚みが均一な電極合剤層を形成することができる。
本発明によれば,集電箔上に厚みが均一な電極合剤層を形成することができる湿潤粉体成膜方法が提供されている。
電極板の断面図である。 湿潤粉体成膜装置の概略構成図である。 湿潤造粒物の形成方法を説明するための図である。 接触角の測定方法を説明するための図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず,図1により,本形態の方法において製造される電極板100について説明する。電極板100は,図1の断面図に示すように,集電箔110と,電極合剤層120とを有している。電極板100は,図1における左右方向に長いものである。本形態の電極板100において,電極合剤層120は,集電箔110の第1面111のみに形成されている。本形態の電極板100は,例えば,リチウムイオン二次電池の正極板や負極板として用いられるものである。
集電箔110は,例えば金属箔である。例えば,電極板100がリチウムイオン二次電池の正極板である場合には,集電箔110としてアルミニウム箔を用いることができる。また,例えば,電極板100がリチウムイオン二次電池の負極板である場合には,集電箔110として銅箔を用いることができる。
また,電極合剤層120は,活物質121と結着材122とを少なくとも含むものである。活物質121は,例えば,リチウムイオン二次電池においては,リチウムイオンを吸蔵,放出することで,充放電に寄与するものである。また,結着材122は,電極合剤層120を構成する材料を互いに結着させて電極合剤層120を形成するとともに,その電極合剤層120を集電箔110の第1面111に結着させるためのものである。
さらに,本形態の電極合剤層120は,界面活性剤124を含んでいる。この界面活性剤124の作用等については,後に詳述する。
なお,電極板100がリチウムイオン二次電池の正極板である場合には,例えば,活物質121として三元系正極活物質であるNMC(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を,結着材122としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いることができる。また,電極板100がリチウムイオン二次電池の負極板である場合には,例えば,活物質121として黒鉛を,結着材122としてカルボキシメチルセルロース(CMC)やポリアクリル酸ナトリウムを用いることができる。
次に,本形態における電極板100の製造方法について説明する。本形態では,電極板100を,図2に示す湿潤粉体成膜装置1を用いて製造する。湿潤粉体成膜装置1は,図2に示すように,第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30を有している。図2において,上下方向が鉛直方向であり,重力は下向きに作用している。
本形態の湿潤粉体成膜装置1において,第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30はいずれも,軸方向を水平にした状態で配置されている。第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30は,例えば,金属などの材質よりなるものである。また,第1ロール10および第2ロール20は,それぞれの外周面11,21が第1対向位置Aにおいて互いに対向した状態で,平行に配置されている。また,第3ロール30は,外周面31が第2ロール20の外周面21と第2対向位置Bにおいて対向した状態で,第2ロール20と平行に配置されている。
第1ロール10および第2ロール20は,軸間距離が一定の距離となるように保持されている。そして,第1対向位置Aにおける第1ロール10の外周面11と第2ロール20の外周面21との間には,隙間GAが設けられている。また,第3ロール30は,第2ロール20との軸間距離が一定の距離となるように保持されている。そして,第2対向位置Bにおける第2ロール20の外周面21と第3ロール30の外周面31との間には,隙間GBが設けられている。
第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30は電極板100を製造する際にはそれぞれ回転するものである。図2には,第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30の回転方向をそれぞれ矢印により示している。つまり,図2において,第1ロール10および第3ロール30の回転方向は時計回りであり,第2ロール20の回転方向は反時計回りである。
第1ロール10および第2ロール20の回転方向は,第1対向位置Aにおける外周面11,21の移動方向がともに,同じとなる向きである。具体的には,第1ロール10および第2ロール20の回転方向は,第1対向位置Aにおける外周面11,21の移動方向がともに,鉛直方向の下向きとなる向きである。また,第3ロール30の回転方向は,第2対向位置Bにおける外周面31の移動方向が,第2ロール20の外周面21の移動方向と同じとなる向きである。
また,本形態では,第2ロール20は,第1ロール10の周速よりも速い周速で回転するものである。さらに,第3ロール30は,第2ロール20の周速よりも速い周速で回転するものである。つまり,第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30は,この順で,回転の周速が速いものである。
また,第1対向位置Aの上方には,仕切り部90が設けられている。仕切り部90は,第1ロール10および第2ロール20の上面から湿潤造粒物130がこぼれ落ちないようにするための囲いである。そして,仕切り部90の内側には,湿潤造粒物130が溜まっている。湿潤造粒物130は,第1ロール10および第2ロール20の回転により,仕切り部90の内側から第1対向位置Aへと供給される。
また,第3ロール30の外周面31には,図2に示すように,集電箔110が巻き掛けられている。集電箔110は,第2面112側を第3ロール30の外周面31に向けた状態で,第3ロール30の第2対向位置Bに巻き掛けられている。このため,集電箔110は,第3ロール30の回転により搬送される。
また,集電箔110の第1面111は,第2対向位置Bにおいて,第2ロール20の外周面21に対向している。なお,第3ロール30は,前述したように,第2ロール20よりも速い周速で回転するものである。このため,第2対向位置Bにおける集電箔110の第1面111の移動速度は,第2対向位置Bにおける第2ロール20の外周面21の移動速度よりも速いものである。
また,集電箔110は,図2における第3ロール30の右下から湿潤粉体成膜装置1内に供給され,第2対向位置Bを通過後,第3ロール30の右上に向けて排出されるように搬送されている。集電箔110は,湿潤粉体成膜装置1に供給されてくるときには,その第1面111に,まだ何も形成されていない状態である。そして,湿潤粉体成膜装置1は,第2対向位置Bにおいて集電箔110の第1面111に電極合剤層120を形成することにより,電極板100を製造することのできるものである。
次に,湿潤粉体成膜装置1によって電極板100が製造される過程について説明する。まず,仕切り部90の内部に供給された湿潤造粒物130は,その下方のものより順に,第1ロール10および第2ロール20の回転によって第1対向位置Aへと送られる。
第1対向位置Aに到達した湿潤造粒物130は,第1ロール10および第2ロール20の回転によって隙間GAを通過しつつ,その隙間GAの通過時に第1ロール10の外周面11と第2ロール20の外周面21との間で加圧される。この加圧により,湿潤造粒物130は圧延されつつ,湿潤造粒物130中の各粒子同士が結着材122の作用によって結着される。これにより,第1対向位置Aを通過した湿潤造粒物130はシート状に成形され,成膜シート131とされる。
また,成膜シート131は,第1ロール10の外周面11および第2ロール20の外周面21のうち,第1対向位置Aにおける移動速度が速い方の面に付着する。そして,前述したように,湿潤粉体成膜装置1においては,第2ロール20の方が,第1ロール10よりも周速の速いものである。つまり,第1対向位置Aで形成された成膜シート131は,第1対向位置Aの通過後,第2ロール20の外周面21に付着する。第2ロール20の外周面21に付着した成膜シート131は,第2ロール20の回転によって搬送され,第2対向位置Bへと到達する。
また,第2対向位置Bには,集電箔110が通されている。このため,第2ロール20の回転により第2対向位置Bへと到達した成膜シート131は,集電箔110とともに,第2対向位置Bの隙間GBを通過する。その隙間GBの通過の際に,集電箔110および成膜シート131は,その厚み方向に第2ロール20および第3ロール30によって加圧される。
第2対向位置Bにおいても,加圧された成膜シート131は,第2ロール20の外周面21および集電箔110の第1面111のうち,第2対向位置Bにおける移動速度が速い方に付着する。そして,前述したように,湿潤粉体成膜装置1における第3ロール30は,第2対向位置Bにおける集電箔110の第1面111の移動速度が,第2ロール20の周速よりも速くなる周速で回転している。このため,第2対向位置Bを通過した成膜シート131は,第2ロール20の外周面21上から集電箔110の第1面111上に転写される。
よって,図2に示すように,第2対向位置Bを通過後の集電箔110の第1面111には,電極合剤層120が形成されている。そして,湿潤粉体成膜装置1では,第1ロール10,第2ロール20,第3ロール30を連続して回転させることにより,成膜シート131の形成と,その成膜シート131の集電箔110への転写とが連続して行われる。従って,集電箔110の搬送方向における長さの長い電極板100が製造される。なお,電極板100は,電池の製造に用いられる際には,適宜,適当な大きさに切り出される。
ここで,本形態の湿潤造粒物130について図3により説明する。湿潤造粒物130は,前述したように,電極合剤層120を形成するための材料である。このため,湿潤造粒物130の製造には,電極合剤層120に含まれている,活物質121,結着材122,界面活性剤124を用いる。そして,本形態では,端的には,図3に示すように,これらの材料を,溶媒123とともに攪拌する第1攪拌工程と第2攪拌工程とを行うことにより,湿潤造粒物130を得る。
また,本形態では,第1攪拌工程の前に,予め活物質121と結着材122とを混合する混合工程を行っている。この混合工程は,溶媒123等を加えずに,乾式で行う。すなわち,混合工程では,活物質121の粉末と結着材122の粉末とを混合してこれらの混合粉末を得る。このように,予め乾式の混合工程を行うことにより,最終的に,活物質121の粒子と結着材122の粒子とが,より良好に分布した湿潤造粒物130を得ることができる。
次に,混合工程後の第1攪拌工程では,活物質121と結着材122との混合粉末に,溶媒123を加えて攪拌を行う。また,第1攪拌工程で加える溶媒123の量は,最終的な湿潤造粒物130における溶媒123の量の全てではなく,一部である。そして,この第1攪拌工程により,活物質121と結着材122の混合粉末に溶媒123が混合した混合物を得る。
続いて,第2攪拌工程では,第1攪拌工程で得られた混合物に,溶媒123と界面活性剤124とを加えて攪拌を行う。第2攪拌工程で加える溶媒123の量により,湿潤造粒物130の最終的な溶媒123の量が調整される。つまり,すでに第1攪拌工程で加えた溶媒123の量に,第2攪拌工程で加える溶媒123の量を合わせることで,最終的な湿潤造粒物130における溶媒123の量となる。
また,本形態の第2攪拌工程では,溶媒123とともに,界面活性剤124を加える。界面活性剤124は,本形態では,溶媒123に溶解させた状態で加えている。ただし,例えば,溶媒123とは別の粉末として界面活性剤124を加えても良い。また,本形態では,界面活性剤124として,具体的には,ポリビニルアルコール(PVA)を使用している。
そして,第2攪拌工程は,第1攪拌工程よりも,混合物を攪拌する撹拌翼の回転速度を遅くして攪拌を行う。そして,この第2攪拌工程により,活物質121等の各材料の粒子が溶媒123によって付着し合い,元の粒子よりも大きな塊となる。これにより,湿潤造粒物130が形成される。
上記のように,本形態では,湿潤造粒物130の形成を,界面活性剤124を添加して行っている。この界面活性剤124は,本形態では,溶媒123に対する活物質121の接触角を調整するために添加しているものである。
一般的に,活物質121は,電極合剤層120を構成する主成分であり,その大半を占めている物質である。そして,活物質121の溶媒123に対する接触角が小さすぎる場合には,溶媒123が活物質121の粒子の表面にのみ存在してしまい,電極合剤層120を構成する材料(主に活物質121)の粒子同士の間に存在する溶媒123の量が不足してしまうこととなる。一方,活物質121の溶媒123に対する接触角が大きすぎる場合には,活物質121と溶媒123との接触面積が小さくなってしまう。
すなわち,活物質121の溶媒123に対する接触角は,小さすぎても大きすぎても,溶媒123の,電極合剤層120を構成する材料の粒子同士を付着させる液架橋力が不足してしまうこととなる。つまり,例えば,湿潤粉体成膜装置1の第1対向位置Aにて形成された成膜シート131が,脆いものとなってしまうおそれがある。このため,例えば,第1対向位置Aにて形成され,一方の面が第1ロール10の外周面11,他方の面が第2ロール20の外周面21に張り付いている成膜シート131が,第1ロール10から適切に剥がれず,厚み方向の中間の位置で裂けてしまう等のおそれがある。これにより,第2ロール20の外周面21上に形成されるべき成膜シート131が,一部,第1ロール10の外周面11上に残ってしまうおそれがあった。
これに対し,本形態では,界面活性剤124を添加していることにより,溶媒123と活物質121との接触角を,電極合剤層120を構成する材料の粒子同士の間に作用する溶媒123の液架橋力を十分なものとすることができる。具体的には,本形態では,湿潤造粒物130における溶媒123と界面活性剤124との重量比率を,溶媒123と界面活性剤124とを混合した混合液に対する,活物質121の接触角が,10°以上,80°以下の範囲内となる比率としている。湿潤造粒物130における溶媒123の重量は,第1攪拌工程で添加する溶媒123の重量と第2攪拌工程で加える溶媒123の重量とを合わせた合計重量である。
このような比率で界面活性剤124を加えていることにより,本形態では,溶媒123の液架橋力を十分なものとすることができる。これにより,成膜シート131を,第2ロール20の外周面21上に適切に形成することができる。また,湿潤粉体成膜装置1の第2対向位置Bにおいても,第2ロール20の外周面21上に成膜シート131を残すことなく,適切に,集電箔110の第1面111上へと転写することができる。
なお,活物質121は,粉末である。このため,本形態では,溶媒123と界面活性剤124とを混合した混合液に対する活物質121の接触角を,次のようにして測定した。図4は,本形態における接触角の測定方法を示す図である。図4には,ペレット140と,ペレット140の表面に滴下した混合液141とを示している。混合液141は,前述したように,溶媒123と界面活性剤124とを混合したものである。そして,接触角θは,図4に示すように,混合液141のペレット140表面との角度により示されるものである。
また,ペレット140は,活物質121によって形成したものである。具体的には,ペレット140は,活物質121の粉末に圧縮荷重をかけて固めたものである。本形態では,活物質121の粉末に12kNの荷重をかけて固めたものをペレット140として用い,その表面に混合液141を滴下することで接触角θの測定を行った。
また,本形態では,界面活性剤124を,第2攪拌工程で添加している。第1攪拌工程,つまり,結着材122が溶媒123に十分に溶解する前の段階で界面活性剤124を添加した場合,結着材122の溶解性が低下してしまうおそれがある。第1攪拌工程で界面活性剤124を添加した場合,その時点で,溶媒123が,活物質121を濡れさせやすいものとなってしまう。このため,溶媒123が活物質121の表面に多く存在してしまい,結着材122を溶解させる溶媒123が不足してしまう。このため,結着材122が適切に分布した湿潤造粒物130を形成できないおそれがある。
このような問題に対し,本形態では,第1攪拌工程において結着材122を溶媒123に適切に溶解させ,その後の第2攪拌工程において界面活性剤124を添加している。よって,本形態では,結着材122が良好に分布した湿潤造粒物130を形成することができる。
さらに,本形態では,湿潤造粒物130を,全体の重量に占める固形分の重量の割合を,63%以上,92%以下の範囲内として形成している。全体の重量は,活物質121等の固形分の重量に,溶媒123の重量を加えた重量である。この全体の重量に占める固形分の重量の割合が低すぎる場合,溶媒123の量が多すぎることにより,攪拌によって湿潤造粒物130を適切に形成できない。一方,全体の重量に占める固形分の重量の割合が高すぎる場合,溶媒123が含まれない固形分の粒子の集まりが形成され,一部,粉末の状態で残ってしまう。
すなわち,全体の重量に占める固形分の重量の割合は,低すぎても高すぎても,湿潤造粒物130を適切に形成することができない。これに対し,本形態では,全体の重量に占める固形分の重量の割合を上記の範囲内として形成しているため,湿潤造粒物130を適切に形成することができる。
このように,本形態では,湿潤造粒物130を,界面活性剤124を第2攪拌工程で添加して形成している。さらに,湿潤造粒物130を,溶媒123と界面活性剤124との混合液141の活物質121に対する接触角,全体重量に占める固形分の重量の割合をそれぞれ上記の範囲内として形成している。そして,このように形成された湿潤造粒物130を用いることで,均一な厚みの電極合剤層120を形成することができている。これにより,品質の高い電極板100を製造することができる。
また,本形態では,電極合剤層120を構成する材料の粒子同士の間に作用する溶媒123の液架橋力を十分なものとすることができる。このため,湿潤粉体成膜装置1の各ロールの回転速度を速くしても,第2ロール20上の成膜シート131および集電箔110上の電極合剤層120が適切に形成される。すなわち,本形態では,品質の高い電極板100をより短時間で製造することができる。
次に,本形態の実施例について,比較例とともに説明する。実施例および比較例ではいずれも,図2に示す湿潤粉体成膜装置を用いて電極板を作製した。また,実施例および比較例ではいずれも,湿潤造粒物を,活物質,結着材,溶媒,界面活性剤としてそれぞれ同じ成分のものを用い,リックス社製の攪拌造粒機を用いて形成した。さらに,実施例および比較例ではいずれも,活物質と結着材と界面活性剤との割合を,98.6:1:0.4とした。つまり,実施例,比較例において,電極合剤層に占める活物質の割合は,その他の材料と比較して高いものである。
ただし,実施例および比較例ではそれぞれ,界面活性剤を添加する工程,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,全体の重量に占める固形分の重量の割合を異なる条件として湿潤造粒物を形成した。その形成条件を,次の表1にまとめて示している。
Figure 0006730201
表1に示すように,本形態に係る実施例1〜9はいずれも,界面活性剤を添加する工程,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,全体の重量に占める固形分の重量の割合(固形分率)をそれぞれ本形態の通りとして形成した湿潤造粒物を用いている。これに対し,比較例1〜5では,界面活性剤を添加する工程,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,固形分率のうち,少なくとも1つの条件が,本形態の条件とは異なる。
具体的には,比較例1では,界面活性剤を第1攪拌工程で添加している。比較例2では,界面活性剤を第1攪拌工程で添加しているとともに,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角が,10°未満の5°である。比較例3では,界面活性剤を第1攪拌工程で添加しているとともに,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角が,80°を超える85°である。比較例4では,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角が,10°未満の5°である。比較例5では,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角が,80°を超える85°である。
また,表1には,実施例1〜9および比較例1〜5について,評価項目を示している。この評価は,実施例1〜9および比較例1〜5でそれぞれ作製した電極板の電極合剤層の品質に関する評価である。具体的には,集電箔の表面に形成された電極合剤層を観察し,均一な厚みで品質の高い電極合剤層が形成されたものについては,評価を「○」として示している。一方,電極合剤層の厚みが均一でなく,例えば,電極合剤層の形成されるべき範囲において集電箔が露出しているような欠陥部分が存在している場合には,評価を「×」として示している。また,「×」と評価されるもののような明らかな欠陥部分は存在していないものの,「○」と評価されるものよりも電極合剤層の厚みの均一性が劣るものについては,評価を「△」として示している。
表1に示すように,実施例1〜9はいずれも評価が「○」または「△」であり,比較例1〜5はいずれも評価が「×」であった。すなわち,実施例1〜9では,十分な品質の電極合剤層が形成されていた。一方,比較例1〜5はいずれも,欠陥部分が存在する,品質が十分とはいえない電極合剤層が形成されていた。
まず,界面活性剤を第1攪拌工程で添加した比較例1〜3では,結着材が適切に分布した湿潤造粒物を形成できていないため,湿潤粉体成膜装置における成膜が良好に行われていない。また,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角の小さい比較例2,4では,電極合剤層を構成する材料の粒子同士の間に存在する溶媒の量が不足している。さらに,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角の大きい比較例3,5では,活物質の粒子と溶媒との接触面積が不足している。つまり,比較例2〜5ではいずれも,電極合剤層を構成する材料の粒子同士の間に作用する溶媒の液架橋力が不十分である。
すなわち,比較例1〜5はいずれも,界面活性剤を添加する工程,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,固形分率のうち,少なくとも1つの条件が,本形態の条件と異なるため,厚みの均一な電極合剤層を形成することができなかった。これに対し,界面活性剤を添加する工程,溶媒と界面活性剤との混合液に対する活物質の接触角,固形分率をいずれも本形態の条件を満たす実施例1〜9では,厚みの均一な電極合剤層が形成できることが確認された。
また,実施例1〜9のうち,固形分率を63%とした実施例6では評価が「△」であるのに対し,固形分率を65%とした実施例7では評価が「○」である。さらに,固形分率を92%とした実施例9では評価が「△」であるのに対し,固形分率を90%とした実施例8では評価が「○」である。つまり,固形分率を65%以上,90%以下として湿潤造粒物を規制することがより好ましいことが確認された。
以上詳細に説明したように,本実施の形態では,湿潤造粒物を,第1ロールおよび第2ロールの隙間に通すことでシート状の成膜シートに成形しつつ,これを集電箔の第1面上に転写により付着させる。これにより,集電箔上に電極合剤層を形成して電極板を製造する。湿潤造粒物は,活物質および結着材を,溶媒と攪拌により混合してこれらの混合物を得る第1攪拌工程と,その混合物を,溶媒および界面活性剤と攪拌により混合する第2攪拌工程とにより形成している。また,その際,湿潤造粒物における溶媒と界面活性剤との重量比率を,溶媒と界面活性剤とを混合した混合液に対する活物質の接触角が,10°以上,80°以下の範囲内となる比率としている。さらに,湿潤造粒物を,全体の重量に占める固形分の重量の割合を,63%以上,92%以下の範囲内として形成している。これにより,湿潤造粒物により集電箔上に厚みが均一な電極合剤層を形成することができる湿潤粉体成膜方法が実現されている。
また,本実施の形態の湿潤粉体成膜方法にて形成された中間物である湿潤造粒物は,界面活性剤を含んでいる。また,溶媒と界面活性剤との重量比率は,溶媒と界面活性剤とを混合した混合液に対する活物質の接触角が,10°以上,80°以下の範囲内となる比率である。さらに,全体の重量に占める,全体から溶媒を除いた固形分の重量の割合が,63%以上,92%以下の範囲内である。そして,上記の湿潤粉体成膜方法では,この湿潤造粒物を用いることにより,集電箔上に厚みが均一な電極合剤層を形成することができている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態では,集電箔の第1面のみに電極合剤層を形成する場合について説明したが,集電箔の第2面にも電極合剤層を形成することができる。集電箔の第2面の電極合剤層の形成についても,上記の実施形態で説明した第1面に形成する場合と同様に行うことができる。
また例えば,電極合剤層には,活物質および結着材の他にも,導電材等の材料が含まれていてもよい。この場合であっても,電極合剤層に占める活物質の割合は,その他の材料よりも高いものである。よって,例えば,電極合剤層に,例えば,アセチレンブラック(AB)のような導電材が含まれているような場合であっても,本発明を適用することができる。この場合,第2攪拌工程よりも前に(例えば乾式での混合工程),導電材を添加することとすればよい。
また,上記の実施形態で示した具体的な材料は,単なる一例であり,当然,その他のものを用いることもできる。つまり,例えば,活物質121としては,三元系正極活物質であるNMC(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)に替えて,スピネル型のLiMn等のその他のものを使用することも可能である。また例えば,リチウムイオン二次電池の電極板に限らず,その他の電池の電極板にも適用することができる。
また例えば,上記では,界面活性剤としてPVAを使用した例について説明している。しかし,その他の界面活性剤を用いることも可能である。
1 湿潤粉体成膜装置
10 第1ロール
20 第2ロール
30 第3ロール
100 電極板
110 集電箔
120 電極合剤層
121 活物質
122 結着材
123 溶媒
124 界面活性剤
130 湿潤造粒物
A 第1対向位置
B 第2対向位置

Claims (1)

  1. 溶媒を少なくとも活物質および結着材と混合することにより形成された湿潤造粒物を,ロール対の間隙に通すことでシート状に成形しつつ集電箔上に付着させることで集電箔上に電極合剤層を形成する湿潤粉体成膜方法において,
    前記湿潤造粒物を,
    前記活物質および前記結着材を,前記溶媒と攪拌により混合してこれらの混合物を得る第1の攪拌工程と,
    前記混合物を,前記溶媒および界面活性剤と攪拌により混合する第2の攪拌工程とにより形成するとともに,
    前記湿潤造粒物における前記溶媒と前記界面活性剤との重量比率を,前記溶媒と前記界面活性剤とを混合した混合液に対する前記活物質の接触角が,10°以上,80°以下の範囲内となる比率とし,
    前記湿潤造粒物の全体の重量に占める固形分の重量の割合を,63%以上,92%以下の範囲内として形成することを特徴とする湿潤粉体成膜方法。
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