JP6729148B2 - アンテナ装置、アンテナモジュールおよび電子機器 - Google Patents

アンテナ装置、アンテナモジュールおよび電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、アンテナ装置に関し、特に例えば複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置、およびそれを備えるアンテナモジュール、電子機器に関する。
従来、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)システム用のアンテナコイルと、非接触電力伝送システム用のアンテナコイルとを備えるアンテナ装置または電子機器が知られている(特許文献1)。
国際公開第2014/167881号
しかし、特許文献1に示されるアンテナ装置では、NFC用のコイルアンテナと電力伝送用のコイルアンテナとが不要結合するため、通信効率および電力伝送効率はともに低い。例えば、NFC用のコイルアンテナに生じる磁気エネルギーが電力伝送用コイルアンテナに吸収されて、通信効率が下がるといった問題が生じる。なお、このような課題は、NFC用のコイルアンテナと電力伝送用のコイルアンテナとを備えたアンテナ装置に限らず、複数のシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備える場合に生じる。
本発明の目的は、複数のシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置において、コイルアンテナ間の不要結合が抑制され、複数のコイルアンテナの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を提供することにある。また、そのアンテナ装置を備えるアンテナモジュールおよび電子機器を提供することにある。
(1)本発明のアンテナ装置は、
第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
第5端および第6端を有するインダクタと、を備え、
前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
前記第1端と前記第6端による端子対と、前記第3端と前記第6端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表すとき、
|Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
|Zij|<|M12| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つことを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとを備えるアンテナ装置において、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を実現できる。
(2)上記(1)において、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとは和動接続されていてもよい。
(3)上記(2)において、例えば、前記第1コイルアンテナおよび前記第2コイルアンテナは軸周りに巻回され、前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重なり、前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は同じである。
(4)上記(2)において、例えば、前記第1コイルアンテナおよび前記第2コイルアンテナは軸周りに巻回され、前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重ならず、前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は逆である。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第1コイルアンテナとは和動接続されていることが好ましい。この構成により、第1コイルアンテナとインダクタとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、インダクタもアンテナとして機能するため、アンテナ特性は向上する。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第2コイルアンテナとは和動接続されていることが好ましい。この構成により、第2コイルアンテナとインダクタとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、インダクタもアンテナとして機能するため、アンテナ特性は向上する。
(7)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第1コイルアンテナとの結合係数、および前記インダクタと前記第2コイルアンテナとの結合係数は、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの結合係数よりも小さいことが好ましい。この構成では、インダクタが、第1コイルアンテナおよび第2コイルアンテナのいずれにも結合しない。したがって、インダクタとコイルアンテナ(第1コイルアンテナ、第2コイルアンテナ)とが結合する場合に比べて、回路が複雑化することなく、回路の構成が容易となる。
(8)上記(7)において、前記インダクタの自己インダクタンスは前記相互インダクタンスM12に等しいことが好ましい。この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタンス(不要結合)の影響がなくなり、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が無くなる。したがって、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとを完全に独立して使用可能なアンテナ装置を実現できる。
(9)本発明のアンテナ装置は、
第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
第7端および第8端を有する第3コイルアンテナと、
第9端および第10端を有する第4コイルアンテナと、
第5端および第6端を有するインダクタと、を備え、
前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
前記第3コイルアンテナの前記第8端、前記第4コイルアンテナの前記第10端、および前記インダクタの前記第6端が互いに接続され、
前記第1端と前記第7端による端子対と、前記第3端と前記第9端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表し、第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM34で表すとき、
|Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
|Zij|<|M12+M34| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つことを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの不要結合が抑制され、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置において、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制され、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を実現できる。
(10)上記(9)において、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナと前記第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとは和動接続されていてもよい。
(11)上記(10)において、例えば、前記第1コイルアンテナ、前記第2コイルアンテナ、前記第3コイルアンテナおよび前記第4コイルアンテナは軸周りに巻回され、前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重なり、前記第3コイルアンテナのコイル開口は、前記第3コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第4コイルアンテナのコイル開口に重なり、前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は同じであり、前記第3コイルアンテナの前記第7端から前記第8端までの巻回方向と、前記第4コイルアンテナの前記第10端から前記第9端までの巻回方向は同じである。
(12)上記(10)において、例えば、前記第1コイルアンテナ、前記第2コイルアンテナ、前記第3コイルアンテナおよび前記第4コイルアンテナは軸周りに巻回され、前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重ならず、前記第3コイルアンテナのコイル開口は、前記第3コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第4コイルアンテナのコイル開口に重ならず、前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は逆であり、前記第3コイルアンテナの前記第7端から前記第8端までの巻回方向と、前記第4コイルアンテナの前記第10端から前記第9端までの巻回方向は逆である。
(13)上記(9)から(12)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第1コイルアンテナと前記第3コイルアンテナとは、和動接続されていることが好ましい。この構成により、インダクタと第1コイルアンテナと第3コイルアンテナとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、インダクタもアンテナとして機能するため、アンテナ特性は向上する。
(14)上記(9)から(13)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第2コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとは、和動接続されていることが好ましい。この構成により、インダクタと第2コイルアンテナと第4コイルアンテナとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、インダクタもアンテナとして機能するため、アンテナ特性は向上する。
(15)上記(9)から(12)のいずれかにおいて、前記インダクタと前記第1コイルアンテナとの結合係数、前記インダクタと前記第2コイルアンテナとの結合係数、前記インダクタと前記第3コイルアンテナとの結合係数、および前記インダクタと前記第4コイルアンテナとの結合係数は、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの結合係数、および前記第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの結合係数よりも小さいことが好ましい。この構成では、インダクタが、第1コイルアンテナ、第2コイルアンテナ、第3コイルアンテナおよび第4コイルアンテナのいずれにも結合しない。したがって、インダクタとコイルアンテナ(第1コイルアンテナ、第2コイルアンテナ、第3コイルアンテナおよび第4コイルアンテナ)とが結合する場合に比べて、回路が複雑化することなく、回路の構成が容易となる。
(16)上記(15)において、前記インダクタの自己インダクタンスは、前記相互インダクタンスM12と前記相互インダクタンスM34との和に等しいことが好ましい。この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタンス(不要結合)の影響がなくなり、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が無くなる。また同時に、この構成により、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタンス(不要結合)の影響がなくなり、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの相互作用(干渉)が無くなる。したがって、第1システム(第1コイルアンテナおよび第3コイルアンテナ)と第2システム(第2コイルアンテナおよび第4コイルアンテナ)とを完全に独立して使用可能なアンテナ装置を実現できる。
(17)本発明のアンテナモジュールは、
上記(1)から(8)のいずれかのアンテナ装置と、
前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記インダクタの前記第6端に接続される第1システム用回路と、
前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記インダクタの前記第6端に接続される第2システム用回路と、
を備えることを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を備えるアンテナモジュールを実現できる。
(18)本発明のアンテナモジュールは、
上記(9)から(16)のいずれかのアンテナ装置と、
前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記第3コイルアンテナの前記第7端に接続される第1システム用回路と、
前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記第4コイルアンテナの前記第9端に接続される第2システム用回路と、
を備えることを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)を抑制し、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を備えるアンテナモジュールを実現できる。
(19)上記(17)または(18)において、例えば、前記第1システム用回路は、非接触電力伝送用の回路である。
(20)上記(17)から(19)のいずれかにおいて、例えば、前記第2システム用回路は、近傍界通信用の回路である。
(21)上記(17)から(20)のいずれかにおいて、例えば、前記第1システム用回路の使用周波数帯はHF帯である。
(22)上記(17)から(21)のいずれかにおいて、例えば、前記第2システム用回路の使用周波数帯はHF帯である。
(23)上記(17)から(22)のいずれかにおいて、例えば、前記第1システム用回路の前記使用周波数帯の中心周波数は、前記第2システム用回路の前記使用周波数帯の中心周波数帯と異なっている。
(24)本発明の電子機器は、
筐体と、
前記筐体に収容されるアンテナ装置と、
前記筐体に収容される第1システム用回路および第2システム用回路と、
を備え、
前記アンテナ装置は、
第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
第5端および第6端を有するインダクタと、を有し、
前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
前記第1端と前記第6端による端子対と、前記第3端と前記第6端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表すとき、
|Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
|Zij|<|M12| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立ち、
前記第1システム用回路は、前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記インダクタの前記第6端に接続され、
前記第2システム用回路は、前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記インダクタの前記第6端に接続されることを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとを備える構成において、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を備える電子機器を実現できる。
(25)本発明の電子機器は、
筐体と、
前記筐体に収容されるアンテナ装置と、
前記筐体に収容される第1システム用回路および第2システム用回路と、
を備え、
前記アンテナ装置は、
第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
第7端および第8端を有する第3コイルアンテナと、
第9端および第10端を有する第4コイルアンテナと、
第5端および第6端を有するインダクタと、を有し、
前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
前記第3コイルアンテナの前記第8端、前記第4コイルアンテナの前記第10端、および前記インダクタの前記第6端が互いに接続され、
前記第1端と前記第7端による端子対と、前記第3端と前記第9端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表し、第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM34で表すとき、
|Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
|Zij|<M12+M34| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つ
前記第1システム用回路は、前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記第3コイルアンテナの前記第7端に接続され、
前記第2システム用回路は、前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記第4コイルアンテナの前記第9端に接続されることを特徴とする。
この構成により、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの不要結合が抑制され、第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備える構成において、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの相互作用(干渉)、および第3コイルアンテナと第4コイルアンテナとの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を備える電子機器を実現できる。
本発明によれば、複数のシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置において、コイルアンテナ間の不要結合が抑制され、複数のコイルアンテナの相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を実現できる。また、そのアンテナ装置を備えるアンテナモジュールおよび電子機器が得られる。
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部51の平面図であり、図1(B)はアンテナ部51が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。 図2は、第1の実施形態に係るアンテナモジュール201の平面図である。 図3は、第1の実施形態に係るアンテナモジュール201の回路図である。 図4(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部52の平面図であり、図4(B)はアンテナ部52が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。 図5は、第2の実施形態に係るアンテナモジュール202の平面図である。 図6(A)は第3の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部53の平面図であり、図6(B)はアンテナ部53が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。 図7は、第3の実施形態に係るアンテナモジュール203の平面図である。 図8は、第3の実施形態に係るアンテナモジュール203の回路図である。 図9(A)は第4の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部54の平面図であり、図9(B)はアンテナ部54が備える第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2および第5コイルアンテナ5Aを示す平面図である。 図10は、第4の実施形態に係るアンテナモジュール204の平面図である。 図11は、第4の実施形態に係るアンテナモジュール204の回路図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
本発明における「アンテナ装置」は、複数のシステムで使用される複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置である。本発明における「アンテナモジュール」は、複数の給電回路等を備えるモジュール部品である。本発明における「電子機器」は、筐体内に上記アンテナ装置および複数の給電回路等が収納される装置であり、例えば携帯電話端末、いわゆるスマートフォン、タブレット端末、ノートPCやPDA、ウェアラブル端末(いわゆるスマートウォッチやスマートグラス等)、カメラ、ゲーム機、玩具等である。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部51の平面図であり、図1(B)はアンテナ部51が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。図2は、第1の実施形態に係るアンテナモジュール201の平面図である。図1(B)および図2では、第1コイルアンテナ1の構造を解りやすくするため、第1コイルアンテナ1を破線で図示している。
アンテナモジュール201は、アンテナ装置101、第1システム用回路21および第2システム用回路22を備える。また、本発明における「電子機器」は、図示しない筐体、筐体に収容されるアンテナ装置101、筐体に収容される第1システム用回路21、および筐体に収容されて構成された第2システム用回路22を備える。このことは、以降に示す各実施形態でも同じである。
第1システム用回路21は、例えば電磁誘導電力伝送システムや磁界共鳴電力伝送システム等の磁界型非接触電力伝送システム用の送電回路、または受電回路である。例えば、磁界共鳴電力伝送システムの使用周波数帯は、HF帯、特に中心周波数6.78MHz付近の周波数帯で用いられる。また、磁界型非接触電力伝送システムは電力伝送相手と磁界結合により電力伝送を行う。この電力伝送システムは、例えば、スマートフォン等の電子機器を充電するために使用される。磁界共鳴電力伝送システムは本発明の「第1システム」の一例である。
第2システム用回路22は、例えばNFC等の通信システム用の給電回路であり、平衡入出力型のHF帯IC等である。近距離無線通信システムは、例えば、NFC(Near field Communication、近傍界通信)を用いたシステム等である。例えば、近距離無線通信システムの使用周波数帯は、HF帯、特に中心周波数13.56MHz付近の周波数帯で用いられる。また、近距離無線通信システムは磁界結合により通信相手と通信を行う。NFCを用いた通信システムは本発明の「第2システム」の一例である。
アンテナ装置101は、第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2およびインダクタ5を備える。
第1コイルアンテナ1は、図1(A)に示すように、基材11の表面に形成され、軸周りに巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。第1コイルアンテナ1は、第1端E1および第2端E2を有する。第1コイルアンテナ1の第1端E1は、基材11の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P1に接続される。また、第2端E2は、基材11の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P2に接続される。第1コイルアンテナ1は、例えば磁界型非接触電力伝送システムに使用される受電アンテナ、または送電アンテナである。基材11は例えばポリイミド(PI)や液晶ポリマー(LCP)等の樹脂シートである。
第2コイルアンテナ2は、図1(A)に示すように、基材11の表面に形成され、軸周りに巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。第2コイルアンテナ2は、第3端E3および第4端E4を有する。第2コイルアンテナ2の第3端E3は端子電極P3に接続される。第2コイルアンテナ2の第4端E4は、第1コイルアンテナ1の第2端E2に接続される。また、第4端E4は、基材11の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P2に接続される。第2コイルアンテナ2は、例えばNFC等の通信システムに使用されるアンテナである。
本実施形態では、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とが和動接続されている。具体的には、図1(B)に示すように、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、第1コイルアンテナ1の軸方向(Z軸方向)から視て、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なる。また、第1コイルアンテナ1の第1端E1から第2端E2までの巻回方向(右回り)と、第2コイルアンテナ2の第4端E4から第3端E3までの巻回方向(右回り)とが同じである。
インダクタ5は第5端E5および第6端E6を有する。インダクタ5の第5端E5は、端子電極P2に接続される。すなわち、第1コイルアンテナ1の第2端E2、第2コイルアンテナ2の第4端E4、およびインダクタ5の第5端E5が互いに接続される。インダクタ5は例えばチップインダクタである。
本実施形態に係るインダクタ5は、第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2のいずれにも結合しない。例えば、インダクタ5と第1コイルアンテナ1との結合係数k51、およびインダクタ5と第2コイルアンテナ2との結合係数k52は、いずれも第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との結合係数k12よりも小さい(k51<k12)(k52<k12)。
図2に示すように、第1システム用回路21は、第1コイルアンテナ1の第1端E1とインダクタ5の第6端E6に接続される。また、第2システム用回路22は、第2コイルアンテナ2の第3端E3とインダクタ5の第6端E6に接続される。
図3は、第1の実施形態に係るアンテナモジュール201の回路図である。図3において、第1コイルアンテナ1をインダクタL1で表し、第2コイルアンテナ2をインダクタL2で表し、インダクタ5をインダクタL5で表し、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスをM12で表している。また、図3において、第1システム用回路21の電源電圧をV1で表し、インダクタL1に流れる電流をI1で表し、第2システム用の電源電圧をV2で表し、インダクタL2に流れる電流をI2で表している。これは、以降に示す回路図においても同様である。
このとき、第1端E1と第6端E6による端子対と、第3端E3と第6端E6による端子対とによる二端子対回路(アンテナ装置101)のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表すと、回路方程式は以下のようになる。
Figure 0006729148
また、要素Z11,Z12,Z21,Z22に具体的な数式を代入すると、上記回路方程式は以下のようになる。
Figure 0006729148
上記回路方程式において、要素Z11,Z22の値が大きいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12(不要結合)の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z11|>|Z12|および|Z22|>|Z21|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
また、上記回路方程式において、要素Z12,Z21の値が小さいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12(不要結合)の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z12|<|M12|、および|Z21|<|M12|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
本実施形態では、上記二式のうち少なくとも一方が成り立つ構造により、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とを備える構成において、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置が実現できる。また、そのアンテナ装置を備えるアンテナモジュールおよび電子機器が得られる。
さらに、インダクタL5(インダクタ5の自己インダクタンス)は、相互インダクタンスM12に等しいことが好ましい。すなわち、次式に示すように、|Z12|=0、および|Z21|=0が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
この構成により、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12(不要結合)の影響がなくなり、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との相互作用(干渉)が無くなる。したがって、第1システム(第1コイルアンテナ1)と第2システム(第2コイルアンテナ2)とを完全に独立して使用可能なアンテナ装置を実現できる。
なお、本実施形態では、インダクタ5が、第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2のいずれにも結合しない。したがって、インダクタとコイルアンテナ(第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2)とが結合する場合(後に詳述する第4の実施形態に係るアンテナ装置104)に比べて、回路が複雑化することなく、回路の構成が容易となる。
また、本実施形態では、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、Z軸方向から視て、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なる。そのため、第1コイルアンテナの軸方向から視た面積を小さくでき、小型のアンテナ装置を構成できる。
また、本実施形態では、第2コイルアンテナ2のコイル開口全体が、Z軸方向から視て、第1コイルアンテナ1のコイル開口に重なる例について示したが、この構成に限定されるものではない。第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナとが和動接続されるのであれば、Z軸方向から視て、第1コイルアンテナ1のコイル開口の少なくとも一部が、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なる構造であってもよい。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、第1コイルアンテナおよび第2コイルアンテナの構造が第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる例について示す。
図4(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部52の平面図であり、図4(B)はアンテナ部52が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。図5は、第2の実施形態に係るアンテナモジュール202の平面図である。図4(B)および図5では、第1コイルアンテナ1の構造を解りやすくするため、第1コイルアンテナ1を破線で図示している。
アンテナモジュール202は、アンテナ装置102、第1システム用回路21および第2システム用回路22を備える。
アンテナ装置102は、第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2の構造が第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる。その他の構成については、アンテナ装置101と実質的に同じである。以下、アンテナ装置101と異なる部分について説明する。
本実施形態では、図4(B)に示すように、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、Z軸方向から視て、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なっていない。また、第1コイルアンテナ1の第1端E1から第2端E2までの巻回方向(右回り)と、第2コイルアンテナ2の第4端E4から第3端E3までの巻回方向(左回り)とが逆である。このような構成でも、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナとが和動接続される。
このような構成であっても、アンテナ装置101と同様の作用・効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、第1コイルアンテナ、第2コイルアンテナ、第3コイルアンテナおよび第4コイルアンテナを備えるアンテナ装置について示す。
図6(A)は第3の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部53の平面図であり、図6(B)はアンテナ部53が備える第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2を示す平面図である。図7は、第3の実施形態に係るアンテナモジュール203の平面図である。図6(B)および図7では、第1コイルアンテナ1および第4コイルアンテナ4の構造を解りやすくするため、第1コイルアンテナ1および第4コイルアンテナ4を破線で図示している。
アンテナモジュール203は、アンテナ装置103、第1システム用回路21および第2システム用回路22を備える。
アンテナ装置103は、第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2、第3コイルアンテナ3、第4コイルアンテナ4およびインダクタ5を備える。第1コイルアンテナ1および第3コイルアンテナ3は、例えば磁界型非接触電力伝送システムに使用される受電アンテナ、または送電アンテナである。第2コイルアンテナ2および第4コイルアンテナ4は、例えばNFC等の通信システムに使用されるアンテナである。
第1コイルアンテナ1は、図6(A)に示すように、基材13の表面に形成され、軸周りに巻回される2ターン弱の矩形スパイラル状の導体パターンである。第1コイルアンテナ1は、第1端E1および第2端E2を有する。第1コイルアンテナ1の第1端E1は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P1に接続される。また、第2端E2は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P2に接続される。
第2コイルアンテナ2は、図6(A)に示すように、基材13の表面に形成され、軸周りに巻回される2ターン弱の矩形スパイラル状の導体パターンである。第2コイルアンテナ2は、第3端E3および第4端E4を有する。第2コイルアンテナ2の第3端E3は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P3に接続される。第2コイルアンテナ2の第4端E4は、第1コイルアンテナ1の第2端E2に接続される。また、第4端E4は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P2に接続される。
第3コイルアンテナ3は、図6(A)に示すように、基材13の表面に形成され、軸周りに巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。第3コイルアンテナ3は第7端E7および第8端E8を有する。第3コイルアンテナ3の第7端E7は端子電極P4に接続される。第8端E8は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P5に接続される。
第4コイルアンテナ4は、図6(A)に示すように、基材13の表面に形成され、軸周りに巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。第4コイルアンテナ4は、第9端E9および第10端E10を有する。第4コイルアンテナ4の第9端E9は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P6に接続される。第4コイルアンテナ4の第10端E10は、第3コイルアンテナ3の第8端E8に接続される。また、第10端E10は、基材13の裏面に形成された導体パターン等を介して端子電極P5に接続される。
本実施形態では、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2が和動接続され、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4が和動接続されている。具体的には、図6(B)に示すように、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、Z軸方向から視て、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なる。また、第3コイルアンテナ3のコイル開口は、第3コイルアンテナの軸方向(Z軸方向)から視て、第4コイルアンテナ4のコイル開口に重なる。また、第1コイルアンテナ1の第1端E1から第2端E2までの巻回方向(右回り)と、第2コイルアンテナ2の第4端E4から第3端E3までの巻回方向(右回り)とが同じである。さらに、第3コイルアンテナ3の第7端E7から第8端E8までの巻回方向(左回り)と、第4コイルアンテナ4の第10端E10から第9端E9にまでの巻回方向(左回り)とが同じである。
インダクタ5は第5端E5および第6端E6を有する。インダクタ5の第5端E5は端子電極P2に接続され、インダクタ5の第6端E6は端子電極P5に接続される。すなわち、第1コイルアンテナ1の第2端E2、第2コイルアンテナ2の第4端E4、およびインダクタ5の第5端E5が接続される。第3コイルアンテナ3の第8端E8、第4コイルアンテナ4の第10端E10、およびインダクタ5の第6端E6が接続される。
本実施形態に係るインダクタ5は、第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2、第3コイルアンテナ3および第4コイルアンテナ4のいずれにも結合しない。例えば、インダクタ5と第1コイルアンテナ1との結合係数k51、およびインダクタ5と第2コイルアンテナ2との結合係数k52、インダクタ5と第3コイルアンテナ3との結合係数k53、およびインダクタ5と第4コイルアンテナ4との結合係数k54は、いずれも第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との結合係数k12よりも小さい(k51<k12)(k52<k12)(k53<k12)(k54<k12)。
図7に示すように、第1システム用回路21は、第1コイルアンテナ1の第1端E1と第3コイルアンテナ3の第7端E7に接続される。また、第2システム用回路22は、第2コイルアンテナ2の第3端E3と第4コイルアンテナ4の第9端E9に接続される。
図8は、第3の実施形態に係るアンテナモジュール203の回路図である。図8において、第3コイルアンテナ3をインダクタL3で表し、第4コイルアンテナ4をインダクタL4で表し、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との磁界結合による相互インダクタンスをM34で表している。
このとき、第1端E1と第7端E7による端子対と、第3端E3と第9端E9による端子対とによる二端子対回路(アンテナ装置103)のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表すと、回路方程式は以下のようになる。
Figure 0006729148
上記回路方程式において、要素Z11の値が大きいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12の影響は小さい。また、上記回路方程式において、要素Z22の値が大きいほど、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との磁界結合による相互インダクタンスM34の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z11|>|Z12|および|Z22|>|Z21|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
また、上記回路方程式において、要素Z12の値が小さいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12の影響は小さい。また、上記回路方程式において、要素Z21の値が小さいほど、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との磁界結合による相互インダクタンスM34の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z12|<|M12+M34|、および|Z21|<|M12+M34|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
本実施形態では、上記二式のうち少なくとも一方が成り立つ構造により、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との不要結合、および第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナとの不要結合が抑制される。したがって、2つのシステムでそれぞれ使用される複数のコイルアンテナを備える構成において、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との相互作用(干渉)、および第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置が実現できる。また、そのアンテナ装置を備えるアンテナモジュールおよび電子機器が得られる。
さらに、インダクタL5(インダクタ5の自己インダクタンス)は、相互インダクタンスM12と相互インダクタンスM34の和に等しいことが好ましい。すなわち、次式に示すように、|Z12|=0、および|Z21|=0が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
この構成により、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12(不要結合)の影響がなくなり、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との相互作用(干渉)が無くなる。また同時に、この構成により、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との磁界結合による相互インダクタンスM34(不要結合)の影響がなくなり、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4との相互作用(干渉)が無くなる。したがって、第1システム(第1コイルアンテナ1および第3コイルアンテナ3)と第2システム(第2コイルアンテナ2および第4コイルアンテナ4)とを完全に独立して使用可能なアンテナ装置を実現できる。
なお、本実施形態では、インダクタ5が、第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2、第3コイルアンテナ3および第4コイルアンテナ4のいずれにも結合しない。したがって、インダクタとコイルアンテナ(第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2、第3コイルアンテナ3および第4コイルアンテナ4)とが結合する場合に比べて、回路が複雑化することなく、回路の構成が容易となる。
本実施形態では、Z軸方向から視て、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なり、第3コイルアンテナ3のコイル開口が、第4コイル開口に重なる。そのため、第1コイルアンテナの軸方向から視た面積を小さくでき、小型のアンテナ装置を構成できる。
なお、本実施形態では、第1コイルアンテナ1のコイル開口、第2コイルアンテナ2のコイル開口、第3コイルアンテナ3のコイル開口、および第4コイルアンテナ4のコイル開口が、Z軸方向から視て、互いに重なっている例を示したが、この構成に限定されるものではない。第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とが和動接続されるのであれば、Z軸方向から視て、第1コイルアンテナ1のコイル開口の少なくとも一部が、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なる構成でもよい。また、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4とが和動接続されるのであれば、Z軸方向から視て、第3コイルアンテナ3のコイル開口の少なくとも一部が、第4コイルアンテナ4のコイル開口に重なる構成でもよい。
さらに、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とが和動接続されるのであれば、第1コイルアンテナ1のコイル開口が、Z軸方向から視て、第2コイルアンテナ2のコイル開口に重なっていなくてもよい。その場合において、第1コイルアンテナ1の第1端E1から第2端E2までの巻回方向(右回り)と、第2コイルアンテナ2の第4端E4から第3端E3までの巻回方向(左回り)が逆となる。同様に、第3コイルアンテナ3と第4コイルアンテナ4とが和動接続されるのであれば、第3コイルアンテナ3のコイル開口は、Z軸方向から視て、第4コイルアンテナ4のコイル開口に重なっていなくてもよい。その場合において、第3コイルアンテナ3の第7端E7から第8端E8までの巻回方向(左回り)と、第4コイルアンテナ4の第10端E10から第9端E9までの巻回方向(右回り)は逆となる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、インダクタが第1コイルアンテナおよび第2コイルアンテナのいずれにも結合するアンテナ装置について示す。
図9(A)は第4の実施形態に係るアンテナ装置の一部であるアンテナ部54の平面図であり、図9(B)はアンテナ部54が備える第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2および第5コイルアンテナ5Aを示す平面図である。図10は、第4の実施形態に係るアンテナモジュール204の平面図である。図9(B)および図10では、第5コイルアンテナ5Aの構造を解りやすくするため、第5コイルアンテナ5Aを破線で図示している。
アンテナモジュール204は、アンテナ装置104、第1システム用回路21および第2システム用回路22を備える。
アンテナ装置104は、第5コイルアンテナ5Aを備える点で第2の実施形態に係るアンテナ装置102と異なる。その他の構成については、アンテナ装置102と実質的に同じである。以下、アンテナ装置102と異なる部分について説明する。
第5コイルアンテナ5Aは、図9(A)に示すように、基材14の表面に形成され、軸周りに巻回される約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。第5コイルアンテナ5Aは、第5端E5および第6端E6を有する。第5コイルアンテナ5Aの第5端E5は、第1コイルアンテナ1の第2端E2と第2コイルアンテナ2の第4端E4とに接続される。第5コイルアンテナ5Aの第6端E6は、端子電極P2に接続される。
本実施形態では、この第5コイルアンテナ5Aが本発明における「インダクタ」に相当する。
第5コイルアンテナ5Aは、第1コイルアンテナ1および第2コイルアンテナ2のいずれにも結合する。具体的には、図9(B)に示すように、第5コイルアンテナ5Aのコイル開口は、Z軸方向から視て、第1コイルアンテナ1のコイル開口および第2コイルアンテナ2のコイル開口のいずれにも重なる。また、第1コイルアンテナ1の第1端E1から第2端E2までの巻回方向(右回り)と、第5コイルアンテナ5Aの第5端E5から第6端E6までの巻回方向(右回り)とが同じである。このようにして、本実施形態では、第1コイルアンテナ1と第5コイルアンテナ5Aとが和動接続されている。一方、第2コイルアンテナ2の第4端E4から第3端E3までの巻回方向(左回り)と、第5コイルアンテナ5Aの第5端E5から第6端E6までの巻回方向(右回り)とは逆である。そのため、本実施形態では、第2コイルアンテナ2と第5コイルアンテナ5Aとが差動接続されている。
また、第2の実施形態で示したように、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とは和動接続されている。
図10に示すように、第1システム用回路21は、第1コイルアンテナ1の第1端E1と第5コイルアンテナ5A(インダクタ)の第6端E6に接続される。また、第2システム用回路22は、第2コイルアンテナ2の第3端E3と第5コイルアンテナ5A(インダクタ)の第6端E6に接続されている。
図11は、第4の実施形態に係るアンテナモジュール204または電子機器304の回路図である。図11において、第5コイルアンテナ5AをインダクタL5で表し、第1コイルアンテナ1と第5コイルアンテナ5Aとの磁界結合による相互インダクタンスをM15で表し、第2コイルアンテナ2と第5コイルアンテナ5Aとの磁界結合による相互インダクタンスをM25で表している。
このとき、第1端E1と第6端E6による端子対と、第3端E3と第6端E6による端子対とによる二端子対回路(アンテナ装置104)のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表すと、回路方程式は以下のようになる。
Figure 0006729148
上記回路方程式において、要素Z11,Z22の値が大きいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z11|>|Z12|および|Z22|>|Z21|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
また、上記回路方程式において、要素Z12,M21の値が小さいほど、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との磁界結合による相互インダクタンスM12の影響は小さい。具体的には、次式に示すように、|Z12|<|M12|、および|Z21|<|M12|が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
本実施形態では、上記二式のうち少なくとも一方が成り立つ構造により、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との不要結合が抑制される。したがって、第5コイルアンテナ5A(本発明における「インダクタ」)がコイルアンテナ(第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2)に結合する構成でも、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2との相互作用(干渉)が抑制されたアンテナ装置を実現できる。
さらに、インダクタL5(第5コイルアンテナ5Aの自己インダクタンス)は、相互インダクタンスM15と相互インダクタンスM25の和から相互インダクタンスM12を減じた値に等しいことが好ましい。すなわち、次式に示すように、|Z12|=0、および|Z21|=0が成り立つことが好ましい。
Figure 0006729148
この構成により、第1システム(第1コイルアンテナ1)と第2システム(第2コイルアンテナ2)とを完全に独立して使用可能なアンテナ装置を実現できる。
本実施形態では、第1コイルアンテナ1と第5コイルアンテナ5A(本発明における「インダクタ」)とが和動接続されている。この構成により、第1コイルアンテナ1と第5コイルアンテナ5Aとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、第5コイルアンテナ5Aも第1システム用のアンテナとして機能するため、第1システム用のアンテナ特性は向上する。なお、第2システム用のアンテナ特性を向上させるため、第2コイルアンテナ2と第5コイルアンテナ5Aとが和動接続してもよい。
また、第4の実施形態に示すような、第1システム用の第1コイルアンテナおよび第3コイルアンテナ、第2システム用の第2コイルアンテナおよび第4コイルアンテナを備える場合には、第5コイルアンテナ5A(本発明における「インダクタ」)と第1コイルアンテナと第3コイルアンテナとが和動接続されていることが好ましい。この構成により、第5コイルアンテナ5Aと第1コイルアンテナと第3コイルアンテナとが互いにインダクタンスを強め合うような結合となり、第5コイルアンテナ5Aも第1システム用のアンテナとして機能するため、第1システム用のアンテナ特性は向上する。同様に、第5コイルアンテナ5Aと第2コイルアンテナと第4コイルアンテナとが和動接続されていることが好ましい。この構成により、第2システム用のアンテナ特性は向上する。
なお、上記二式|Zii|>|Zij|または|Zij|<|M12|(i,j)=(1,2)(2,1)の少なくとも一方が成り立つのであれば、複数のコイルアンテナ(第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2および第5コイルアンテナ5A)同士の結合方法は任意に変更可能である。すなわち、上記二式の少なくとも一方が成り立つのであれば、複数のコイルアンテナのいずれかが和動接続または差動接続していてもよく、複数のコイルアンテナのいずれかが結合しない構成でもよい。但し、上述したように、アンテナ特性を向上させるために、第5コイルアンテナ5Aと第1コイルアンテナ(または第2コイルアンテナ)とが和動接続していることが望ましい(相互インダクタンスM15>0、または相互インダクタンスM25>0)。なお、相互インダクタンスM15>0、相互インダクタンスM25>0の場合には、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とが和動接続する必要がある(相互インダクタンスM12>0)。
《その他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、複数のコイルアンテナ(第1コイルアンテナ1、第2コイルアンテナ2、第3コイルアンテナ3、第4コイルアンテナ4および第5コイルアンテナ5A)が、基材の表面に形成された約2ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである例について示したが、この構成に限定されるものではない。複数のコイルアンテナの概形は、軸方向(Z軸方向)から視て、円形、楕円形、多角形等、適宜変更可能である。また、複数のコイルアンテナは、ループ状の導体やヘリカル状の導体等であってもよく、ループ状またはスパイラル状の導体が形成された基材を積層したヘリカル状の積層コイルアンテナであってもよい。複数のコイルアンテナの全てが同一平面上に形成される構成に限定されるものではなく、例えば、複数の絶縁層を積層してなる基材(積層体)内に複数のコイルアンテナを設けた場合、第1コイルアンテナ1と第2コイルアンテナ2とが異なる絶縁層に形成されていてもよい。すなわち、複数のコイルアンテナは、基材の表面、裏面または内部のいずれに形成されていてもよい。さらに、複数のコイルアンテナのターン数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更が可能である。なお、複数のコイルアンテナは巻線コイルであってもよい。つまり、複数のコイルアンテナにおいて基材は必須ではない。
また、以上に示した各実施形態では、第1システムが電磁誘導電力伝送システムや磁界共鳴電力伝送システム等の電力伝送システムであり、第2システムが近距離無線通信システム等の通信システムである例を示したが、これに限定されるものではない。第1システムおよび第2システムは、通信システムおよび電力伝送システム以外の互いに異なるシステムであってもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
1…第1コイルアンテナ
2…第2コイルアンテナ
3…第3コイルアンテナ
4…第4コイルアンテナ
5…インダクタ
5A…第5コイルアンテナ(インダクタ)
E1…第1コイルアンテナの第1端
E2…第1コイルアンテナの第2端
E3…第2コイルアンテナの第3端
E4…第2コイルアンテナの第4端
E5…インダクタの第5端
E6…インダクタの第6端
E7…第3コイルアンテナの第7端
E8…第3コイルアンテナの第8端
E9…第4コイルアンテナの第9端
E10…第4コイルアンテナの第10端
k12,k51,k52,k53,k54…結合係数
L1,L2,L3,L4,L5…インダクタ
M12,M15,M25,M34…相互インダクタンス
P1,P2,P3,P4,P5,P6…端子電極
11,12,13,14…基材
21…第1システム用回路
22…第2システム用回路
51,52,53,54…アンテナ部
101,102,103,104…アンテナ装置
201,202,203,204…アンテナモジュール

Claims (25)

  1. 第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
    第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
    第5端および第6端を有するインダクタと、を備え、
    前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
    前記第1端と前記第6端による端子対と、前記第3端と前記第6端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表すとき、
    |Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
    |Zij|<|M12| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つ、アンテナ装置。
  2. 前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとは和動接続されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1コイルアンテナおよび前記第2コイルアンテナは軸周りに巻回され、
    前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重なり、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は同じである、請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1コイルアンテナおよび前記第2コイルアンテナは軸周りに巻回され、
    前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重ならず、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は逆である、請求項2に記載のアンテナ装置。
  5. 前記インダクタと前記第1コイルアンテナとは和動接続されている、請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記インダクタと前記第2コイルアンテナとは和動接続されている、請求項1から5のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 前記インダクタと前記第1コイルアンテナとの結合係数、および前記インダクタと前記第2コイルアンテナとの結合係数は、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの結合係数よりも小さい、請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 前記インダクタの自己インダクタンスは前記相互インダクタンスM12に等しい、請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
    第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
    第7端および第8端を有する第3コイルアンテナと、
    第9端および第10端を有する第4コイルアンテナと、
    第5端および第6端を有するインダクタと、を備え、
    前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第3端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
    前記第3コイルアンテナの前記第8端、前記第4コイルアンテナの前記第10端、および前記インダクタの前記第6端が互いに接続され、
    前記第1端と前記第7端による端子対と、前記第3端と前記第9端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表し、第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM34で表すとき、
    |Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
    |Zij|<|M12+M34| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つ、アンテナ装置。
  10. 前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナと前記第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとは和動接続されている、請求項9に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1コイルアンテナ、前記第2コイルアンテナ、前記第3コイルアンテナおよび前記第4コイルアンテナは軸周りに巻回され、
    前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重なり、
    前記第3コイルアンテナのコイル開口は、前記第3コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第4コイルアンテナのコイル開口に重なり、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は同じであり、
    前記第3コイルアンテナの前記第7端から前記第8端までの巻回方向と、前記第4コイルアンテナの前記第10端から前記第9端までの巻回方向は同じである、請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第1コイルアンテナ、前記第2コイルアンテナ、前記第3コイルアンテナおよび前記第4コイルアンテナは軸周りに巻回され、
    前記第1コイルアンテナのコイル開口は、前記第1コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第2コイルアンテナのコイル開口に重ならず、
    前記第3コイルアンテナのコイル開口は、前記第3コイルアンテナの軸方向から視て、少なくとも一部が前記第4コイルアンテナのコイル開口に重ならず、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端から前記第2端までの巻回方向と、前記第2コイルアンテナの前記第4端から前記第3端までの巻回方向は逆であり、
    前記第3コイルアンテナの前記第7端から前記第8端までの巻回方向と、前記第4コイルアンテナの前記第10端から前記第9端までの巻回方向は逆である、請求項10に記載のアンテナ装置。
  13. 前記インダクタと前記第1コイルアンテナと前記第3コイルアンテナとは、和動接続されている、請求項9から12のいずれかに記載のアンテナ装置。
  14. 前記インダクタと前記第2コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとは、和動接続されている、請求項9または13のいずれかに記載のアンテナ装置。
  15. 前記インダクタと前記第1コイルアンテナとの結合係数、前記インダクタと前記第2コイルアンテナとの結合係数、前記インダクタと前記第3コイルアンテナとの結合係数、および前記インダクタと前記第4コイルアンテナとの結合係数は、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの結合係数、および前記第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの結合係数よりも小さい、請求項9から12のいずれかに記載のアンテナ装置。
  16. 前記インダクタの自己インダクタンスは、前記相互インダクタンスM12と前記相互インダクタンスM34との和に等しい、請求項15に記載のアンテナ装置。
  17. 請求項1から8のいずれかに記載のアンテナ装置と、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記インダクタの前記第6端に接続される第1システム用回路と、
    前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記インダクタの前記第6端に接続される第2システム用回路と、
    を備える、アンテナモジュール。
  18. 請求項9から16のいずれかに記載のアンテナ装置と、
    前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記第3コイルアンテナの前記第7端に接続される第1システム用回路と、
    前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記第4コイルアンテナの前記第9端に接続される第2システム用回路と、
    を備える、アンテナモジュール。
  19. 前記第1システム用回路は、非接触電力伝送用の回路である、請求項17または18に記載のアンテナモジュール。
  20. 前記第2システム用回路は、近傍界通信用の回路である、請求項17から19のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  21. 前記第1システム用回路の使用周波数帯はHF帯である、請求項17から20のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  22. 前記第2システム用回路の使用周波数帯はHF帯である、請求項17から21のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  23. 前記第1システム用回路の前記使用周波数帯の中心周波数は、前記第2システム用回路の前記使用周波数帯の中心周波数帯と異なる、請求項17から22のいずれかに記載のアンテナモジュール。
  24. 筐体と、
    前記筐体に収容されるアンテナ装置と、
    前記筐体に収容される第1システム用回路および第2システム用回路と、
    を備え、
    前記アンテナ装置は、
    第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
    第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
    第5端および第6端を有するインダクタと、を有し、
    前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
    前記第1端と前記第6端による端子対と、前記第3端と前記第6端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表すとき、
    |Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
    |Zij|<|M12| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立ち、
    前記第1システム用回路は、前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記インダクタの前記第6端に接続され、
    前記第2システム用回路は、前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記インダクタの前記第6端に接続される、電子機器。
  25. 筐体と、
    前記筐体に収容されるアンテナ装置と、
    前記筐体に収容される第1システム用回路および第2システム用回路と、
    を備え、
    前記アンテナ装置は、
    第1端および第2端を有する第1コイルアンテナと、
    第3端および第4端を有する第2コイルアンテナと、
    第7端および第8端を有する第3コイルアンテナと、
    第9端および第10端を有する第4コイルアンテナと、
    第5端および第6端を有するインダクタと、を有し、
    前記第1コイルアンテナの前記第2端、前記第2コイルアンテナの前記第4端、および前記インダクタの前記第5端が互いに接続され、
    前記第3コイルアンテナの前記第8端、前記第4コイルアンテナの前記第10端、および前記インダクタの前記第6端が互いに接続され、
    前記第1端と前記第7端による端子対と、前記第3端と前記第9端による端子対と、による二端子対回路のインピーダンス行列の2行2列の要素をZ11,Z12,Z21,Z22で表し、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM12で表し、第3コイルアンテナと前記第4コイルアンテナとの磁界結合による相互インダクタをM34で表すとき、
    |Zii|>|Zij| (i,j)=(1,2),(2,1)、または
    |Zij|<M12+M34| (i,j)=(1,2),(2,1)の少なくとも一方が成り立つ
    前記第1システム用回路は、前記第1コイルアンテナの前記第1端と前記第3コイルアンテナの前記第7端に接続され、
    前記第2システム用回路は、前記第2コイルアンテナの前記第3端と前記第4コイルアンテナの前記第9端に接続される、電子機器。
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