JP6728835B2 - 純水製造装置の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、純水製造装置及びこの純水製造装置の運転方法に関し、特に、逆浸透膜分離装置(RO装置)と電気脱イオン装置とを有する純水製造装置及びこの純水製造装置の運転方法に関する。
従来、半導体洗浄用水として用いられている超純水は、図2に示すように前処理システム12、一次純水システム13、サブシステム(二次純水システム)14から構成される超純水製造装置11で、原水(工業用水、市水、井水等)Wを処理することにより製造される。図2において各システムの役割は次の通りである。
凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)装置などよりなる前処理システム12では、原水W中の懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
一次純水システム13は、タンク15と低圧もしくは超低圧型の逆浸透膜分離(RO)装置16、17と電気脱イオン装置18と脱気膜等の脱気装置19とを備え、前処理水W1中のイオンや有機成分の除去を行う。なお、逆浸透膜分離装置16、17では、塩類を除去すると共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。電気脱イオン装置18では、塩類を除去すると共にイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う。また、脱気装置19では電気脱イオン装置18の処理水から二酸化炭素や酸素などの溶存ガスを除去する。なお、この一次純水システム13は、必要に応じて再生式のイオン交換装置などを備えていても良い。
サブシステム14は、低圧紫外線酸化装置、イオン交換純水装置及び限外濾過膜分離装置を備え、このサブシステム14では、一次純水システム13で得られた一次純水W2の純度をより一層高めて超純水W3にする。なお、低圧紫外線酸化装置では、低圧紫外線ランプより出される波長185nmの紫外線によりTOCを有機酸、さらにはCOまで分解する。分解により生成した有機物及びCOは後段のイオン交換樹脂で除去される。限外濾過膜分離装置では、微粒子が除去され、イオン交換樹脂の流出粒子も除去される。
このような超純水製造装置11における一次純水システム13は、電気脱イオン装置18を用いているので、再生式のイオン交換装置と異なり再生処理が不要である点などの利点があり、超純水の用途に限らず、サブシステムを用いて超純水のレベルの純度の水とする必要のない医薬用や食品用などの用途にも利用可能な最も汎用的なシステムとして注目されている。そして、近年では、例えば高さと幅がそれぞれ50cm以下程度のセルを積層した小型で低コストの汎用型電気脱イオン装置が普及してきており、一次純水システム13のコンパクト化がなされてきている。
しかしながら、このような小型の電気脱イオン装置は、小型であるがゆえに水量に対する膜面積負荷が大きいため、スケールや汚れの影響を受けやすい傾向がある。そこで、小型の電気脱イオン装置を一次純水システム13に用いる場合には、低圧もしくは超低圧型の逆浸透膜分離装置を2段直列に配置して、あらかじめスケール成分であるカルシウム、シリカあるいは有機物等を除去しているが、逆浸透膜分離装置16、17は電力消費量が大きいだけでなく、設置スペースや電源の確保が必要となるため、できれば1段のRO膜装置で構成できるのが望ましい。
また、小型の電気脱イオン装置は、小型であるがゆえに所望とする性能を発揮するためには、大型の電気脱イオン装置と比べて電極間の電流密度が高くなり、脱塩室内での水乖離が盛んになるためOHが増加し、スケール傾向が増大するとともに電気脱イオン装置の内部におけるダメージが蓄積し装置寿命に悪影響を及ぼす懸念がある。さらに大型の電気脱イオン装置と比べてシリカなどの弱イオンの除去率が低くならざるを得ない。最近の一次純水W2に対しても高純度が要求されるようになってきており、一次純水W2のシリカ濃度0.3ppb以下が求められることもあり、これを維持することが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電気脱イオン装置のスケールの発生を抑制し、シリカなどの弱イオン成分の除去性能の高い逆浸透膜分離装置と電気脱イオン装置とを有する純水製造装置及びこの純水製造装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明は第一に、単段に設けられた高圧型逆浸透膜分離装置と2段直列に配置した電気脱イオン装置とを有する純水製造装置であって、前記高圧型逆浸透膜分離装置の前段にpH調整剤の供給手段を有する純水製造装置を提供する(発明1)。
高圧型逆浸透膜分離装置は1段であっても通常用いられる低圧もしくは超低圧型逆浸透膜分離装置を2段直列に配置したのに相当する高い除去率を発揮するが、一旦膜面が汚染すると低圧型逆浸透膜分離装置と比べて除去率が大きく低下するため、スケールに対して弱い電気脱イオン装置と組み合わせるには適しないとされていた。そこで本発明者が、高圧型逆浸透膜分離装置の除去率が低下する原因について研究した結果、膜面に汚れが付着すると濃縮側の濃度が処理水側に影響を及ぼしやすいためであり、この膜面の汚染は、原水中に含まれるAl濃度が0.5ppb以上で膜面に付着しやすくなるためであることがわかった。かかる発明(発明1)によれば、高圧型逆浸透膜分離装置の前段にpH調整剤を供給してpHを5以下にすることで、アルミニウムをイオン化して膜面の汚染を抑制する。さらに電気脱イオン装置を2段直列に配置し、前段の電気脱イオン装置を低電流密度で運転し、後段の電気脱イオン装置を高電流密度で運転することにより、処理水シリカ濃度0.3ppb以下を達成することができるとともに電気脱イオン装置の耐用期間の短縮化を回避することが可能となる。
上記発明(発明1)においては、前記2段直列に配置した電気脱イオン装置が、電流効率が高い電気脱イオン装置を前段に電流効率が低い電気脱イオン装置を後段にそれぞれ配置されているのが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、電流効率が高い電気脱イオン装置はシリカ濃度が高い排水であっても低い電流密度で除去性能を発揮する一方、電流効率が低い電気脱イオン装置はシリカ濃度が高い排水に対してはシリカスケールが生じやすいが低いシリカ濃度であっても高い電流密度で高い除去率を発揮する。したがって、このような異なる特性を有する電気脱イオン装置を組み合わせることで、まず電流効率が高い電気脱イオン装置で低い電流密度で被処理水を処理することで被処理水中のシリカ等をある程度除去し、続いてこのシリカ濃度が低い水を電流効率が低い電気脱イオン装置で高い電流密度で処理することで、シリカ濃度を低減した水を安定して製造することができる。
上記発明(発明1,2)においては、前記電気脱イオン装置として膜面積負荷が0.08L/h/cm以上のものを用いるのが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、電気脱イオン装置の膜面にスケールや汚れが付着するのを防止することができる。
本発明は第二に、単段に設けられた高圧型逆浸透膜分離装置と2段直列に配置した電気脱イオン装置とを有する純水製造装置の運転方法であって、pHを5以下に調整した被処理水を前記高圧型逆浸透膜分離装置に透過させた後、2段直列に配置した電気脱イオン装置で処理する純水製造装置の運転方法を提供する(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、高圧型逆浸透膜分離装置の前段にpH調整剤を供給して被処理水のpHを5以下に調整した後、高圧型逆浸透膜分離装置で処理することで、原水中のアルミニウムをイオン化して高圧型逆浸透膜分離装置の膜面の汚染を抑制する。さらに電気脱イオン装置を2段直列に配置し、前段の電気脱イオン装置を低電流密度で運転し、後段の電気脱イオン装置を高電流密度で運転することにより、処理水シリカ濃度0.3ppb以下を達成することができるとともに電気脱イオン装置の寿命の悪影響を回避し、長く使用することができる。
上記発明(発明4)においては、前記2段直列に配置した電気脱イオン装置が、前段に電流効率が高い電気脱イオン装置を後段に電流効率が低い電気脱イオン装置をそれぞれ組み合わせて配置されており、前段の電気脱イオン装置を500〜3000mA/dmの電流密度で運転し、後段の電気脱イオン装置を3500〜10000mA/dmの電流密度で運転するのが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、電流効率が高い電気脱イオン装置はシリカ濃度が高い排水であっても低い電流密度で除去性能を発揮する一方、電流効率が低い電気脱イオン装置は、シリカ濃度が高い排水に対してはシリカスケールが生じやすいが、シリカ濃度が低い場合であっても高い電流密度で除去率を発揮する。したがって、このような異なる特性を有する電気脱イオン装置を組み合わせ、まず電流効率が高い電気脱イオン装置で500〜3000mA/dmでの電流密度で処理することで処理水中のカルシウム、シリカ等をある程度除去し、続いてこのシリカ濃度が低い水を電流効率が低い電気脱イオン装置で3500〜10000mA/dmで処理することでシリカ濃度を低減した水を安定して製造することができる。
本発明によれば、pHを5以下に調整した被処理水を前記高圧型逆浸透膜分離装置に透過した後、2段直列に配置した電気脱イオン装置で処理しているので、高圧型逆浸透膜分離装置の膜面の汚染を抑制し、2段直列に配置した電気脱イオン装置により、処理水シリカ濃度は0.3ppb以下の純水を製造することができるとともに電気脱イオン装置の寿命の悪影響を回避し、耐用年数の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態による純水製造装置を示すフロー図である。 従来の純水製造装置を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態による純水製造装置及びその運転方法について図1を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態による純水製造装置を示すフロー図であり、図1において純水製造装置1は前処理システム2の後段に設けられている。
前処理システム2は、 凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)装置などにより構成され、原水(工業用水、市水、井水等)W中の懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
純水製造装置1は、タンク3とこのタンク3に付設されたpH調整剤供給手段としての酸供給機構4とpH計5とを有し、このタンク3の後段に高圧型逆浸透膜分離(RO)装置6と第一の電気脱イオン装置7と第二の電気脱イオン装置8と脱気膜等の脱気装置9とを備える。
このような超純水製造装置1において、高圧型逆浸透膜分離(RO)装置6は、従来、海水淡水化に用いられている逆浸透膜分離装置であり、標準運転圧力5.52MPa以上であり、標準運転圧力において、純水フラックス0.5m3/m2・D以上、NaCl除去率99.5%(NaCl32000mg/L)以上の特性を有する。このNaCl除去率は、NaCl濃度32000mg/LのNaCl水溶液に対する25℃における除去率である。なお、逆浸透膜のカタログ(技術資料を含む)には、膜メーカーよりスペック表示がなされており、高圧型であるか低圧型又は超低圧型であるかはカタログ値として判別できる。
この高圧型逆浸透膜は、従来の超純水製造装置の一次純水システムに用いられている低圧又は超低圧型逆浸透膜に比べて膜表面のスキン層が緻密となっている。そのため、高圧型逆浸透膜は低圧型又は超低圧型逆浸透膜に比べて単位操作圧力当りの膜透過水量は低いものの有機物除去率は極端に高い。TDS(全溶解性物質)1500mg/L以下の塩類濃度の給水を逆浸透膜処理する場合においては、回収率90%時の運転条件下で逆浸透膜にかかる浸透圧は最大1.0MPa程度である。従って、TDS1500mg/L以下の給水の処理に高圧型逆浸透膜分離装置を用いた場合、好ましくは1.5〜3MPa、特に好ましくは2〜3MPa程度の膜面有効圧力(1次側と2次側との圧力差)で、低圧型又は超低圧型逆浸透膜と同程度の水量を確保することが可能となる。その結果、1段RO膜処理のみで従来の低圧型又は超低圧型逆浸透膜の2段ROと同等の処理水水質・処理水量を得ることが可能となり、それに伴い膜本数、ベッセル、配管が削減でき低コスト、省スペース化が可能となる。
逆浸透膜の膜形状は、特に限定されるものではなく、例えばスパイラル型、中空子型等、4インチRO膜、8インチRO膜、16インチRO膜などのいずれでもよい。ただし、原水スペーサは20〜40インチ幅であるのが好ましい。
第一の電気脱イオン装置7は、膜面積負荷が0.08L/h/cm以上、特に0.1L/h/cm以上のものが好ましい。ここで膜面積負荷とは、電気脱イオン装置の脱塩室の片側のイオン交換膜の有効面積(cm)に対する脱塩室の流量(L/h)であり、この膜面積負荷が0.08L/h/cm未満では、装置が置きくなりコンパクト化が図れない。膜面積負荷の上限については、あまり大きいとスケールや汚れの影響を受けやすくなるので、0.2L/h/cm未満とすればよい。
この第一の電気脱イオン装置7は、運転時の電流効率が高いタイプのものであり、具体的には500〜3000mA/dm、特に1000〜2500mA/dmの比較的低い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するものを用いるのが好ましい。このような第一の電気脱イオン装置7は、運転時の電流効率が低い(高い電流密度で運転する)タイプのものと比較して極微量のシリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率は低いが、スケールを生じにくいという利点を有する。
また、第二の電気脱イオン装置8は、膜面積負荷が0.08L/h/cm以上、特に0.1L/h/cm以上のものが好ましい。この第二の電気脱イオン装置8は、電流効率が低いタイプのものであり、具体的には3000〜10000mA/dm、特に3500〜5000mA/dmの比較的高い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するものを用いるのが好ましい。このような第二の電気脱イオン装置8は、運転時の電流効率が高い(低い電流密度で運転する)タイプのものと比較してホウ素などの弱イオン成分の除去率が高い一方、スケールを生じやすい。
さらに、タンク3に付設された酸供給機構4から添加される酸としては、特に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができ、塩酸が好適である。また、タンク3には、必要応じて任意のスケール防止剤を添加することができる。
次に上述したような構成を有する純水製造装置1の運転方法について説明する。原水Wを前処理システム2で処理して前処理水(被処理水)W1とし、この前処理水W1をタンク3に貯留する。このときpH調整剤供給手段としての酸供給機構4から塩酸を添加し、pH計5により前処理水W1のpHを監視することで、前処理水W1をpH5以下に調整するのが好ましい。前処理水W1をpH5以下とすることで、前処理水W1中のシリカが析出しやすくなる一方、Alがイオン化することで該Alが後段の高圧型逆浸透膜分離装置6の膜面に付着するのを抑制することができる。また、高圧型逆浸透膜分離装置6の膜面へのスケールの付着を防止することを目的として、必要に応じてスケール防止剤を添加するのが好ましい。
次にこの前処理水W1を高圧型逆浸透膜分離装置6により処理する。高圧型逆浸透膜分離装置6では、塩類やカルシウム、シリカなどの除去のほかにイオン性、コロイド性のTOCを除去する。高圧型逆浸透膜分離装置6は、1段で低圧型又は超低圧型逆浸透膜と同等の除去率を発揮する。
続いて、得られたRO処理水を第一の電気脱イオン装置7で処理して、カルシウムやシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類を除去すると共にイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う。この第一の電気脱イオン装置7として本実施形態においては、比較的低い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するタイプのものを用いているので、電流密度500〜3000mA/dm、特に1000〜2500mA/dmの比較的低い電流密度で運転するのが好ましい。運転時の電流密度が3000mA/dm超えても、それ以上のシリカ等の除去効率が得られないばかりか、RO膜処理水中に含まれるシリカ成分などに起因して、第一の電気脱イオン装置7の電気抵抗が大幅に上昇して装置寿命に悪影響を及ぼすため好ましくない。一方、運転時の電流密度が500mA/dm未満では、シリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率が低下する。
続いて、第一の電気脱イオン装置7の処理水を第二の電気脱イオン装置8でさらに処理して、微量の残存するシリカ、ホウ素などの弱イオンや塩類をさらに除去すると共にイオン交換作用により吸着又はイオン交換されるTOC成分をさらに除去する。ここで、第二の電気脱イオン装置8で処理する水は、第一の電気脱イオン装置7によりすでにシリカ濃度が大きく低減されているので、第一の電気脱イオン装置7より高い電流密度で運転しても電気抵抗の上昇が少ない。そこで、この第二の電気脱イオン装置8として本実施形態においては、高い電流密度で脱イオン性能を好適に発揮するタイプのものを用いて、電流密度3000〜10000mA/dm、特に3500〜5000mA/dmの比較的高い電流密度で運転するのが好ましい。運転時の電流密度が10000mA/dm超えても、それ以上のシリカの除去効率が得られないばかりか、第二の電気脱イオン装置8の電気抵抗が上昇して装置寿命に悪影響を及ぼすため好ましくない。一方、運転時の電流密度が3000mA/dm未満では、シリカ、ホウ素などの弱イオン成分の除去率が低下する。
そして、第一の電気脱イオン装置7及び第二の電気脱イオン装置8は気密性を有していないので、処理中に炭酸や酸素などが微量溶解する。そこでこの第二の電気脱イオン装置8の処理水を脱気装置9で処理して、これら溶存ガスを除去することで純水W2を得る。
このようにして純水製造装置1で処理することにより、シリカ濃度0.3ppb以下の純水W2を安定的に製造することができる。また、高圧型逆浸透膜分離(RO)装置6への汚染物質の付着を抑制するとともに、第一の電気脱イオン装置7及び第二の電気脱イオン装置8へのカルシウム、シリカなどに起因するスケールも抑制することができるので、装置の耐用年数も向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、高圧型逆浸透膜分離(RO)装置の後段に電気脱イオン装置を2段直列に設け、高圧型逆浸透膜分離(RO)装置の前段でpHを調製すれば、純水装置に他のエレメントを種々付加することができる。例えば、第一の電気脱イオン装置7の前段に膜式脱気装置や脱炭酸塔を設けたり、必要に応じ再生型混床式イオン交換装置を設けたりしてもよい。さらに前処理システム2は必ずしも設けなくてもよく、水道水をそのまま純水製造装置1に供給してもよい。さらには、純水製造装置の後段にサブシステムを設け、純水W2を一次純水とすることで超純水製造装置を構成してもよい。
以下、比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1において、活性炭塔のみで前処理システム2を構成した。また、高圧型逆浸透膜装置6として、栗田工業(株)製の高圧型逆浸透膜(KROA−20XU−FX)を用い、電流効率の高い運転タイプの第一の電気脱イオン装置7としてVNX(EVOQUA WATER TECHNOLOGIES製)を、電流効率の低い運転タイプの第二の電気脱イオン装置8としてはVNX−EX(EVOQUA WATER TECHNOLOGIES製)をそれぞれ用いて純水製造装置1を構成した。また、酸供給機構4から塩酸及びスケール防止剤(栗田工業(株)製、N500)を添加可能とした。
横浜市の市水(シリカ濃度20ppm)を原水Wとして、上述した純水製造装置1で処理して15m/hの純水を製造した。このとき酸供給機構4から塩酸およびスケール防止剤を添加して前処理水W1のpHを4.9に調整し、第一の電気脱イオン装置7に電流密度2000mA/dmで通水するとともに第二の電気脱イオン装置8に電流密度4000mA/dmで通水した。
この純水製造装置1による純水W2の製造を6ケ月間継続したところ、原水Wのシリカ濃度20ppmに対して、純水W2のシリカ濃度は0.3ppb以下で安定しており、第一の電気脱イオン装置7の運転時の電圧は80Vから90Vに、第二の電気脱イオン装置8の運転時の電圧は60Vから65Vにわずかに上昇したが、装置の運転上支障のないものであった。
〔比較例1〕
実施例1において、高圧型逆浸透膜装置6の前段で酸供給機構4から塩酸およびスケール防止剤を添加せず、pH7.0の前処理水W1を処理した以外は同様にして純水W2を製造した。
この純水製造装置1による純水W2の製造を6ケ月間継続したところ、原水Wのシリカ濃度20ppmに対して、純水W2のシリカ濃度は1.1ppbであり、第一の電気脱イオン装置7の運転時の電圧は80Vから250Vに、第二の電気脱イオン装置8の運転時の電圧は60Vから88Vと大きく上昇してしまい、この状態が続けば装置の耐用期間は1年〜2年のレベルであった。
〔実施例2〕
実施例1において、第一の電気脱イオン装置7及び第二の電気脱イオン装置8として両方ともVNX(EVOQUA WATER TECHNOLOGIES製)を用いて純水製造装置1を構成した以外は同様にして純水製造装置1を構成し純水W2を製造した。
この純水製造装置1による純水W2の製造を6ケ月間継続したところ、原水Wのシリカ濃度20ppmに対して、純水W2のシリカ濃度は0.3ppb以下で安定しており、第一の電気脱イオン装置7の運転時の電圧は80Vから90Vに、第二の電気脱イオン装置8の運転時の電圧は60Vから70Vにわずかに上昇したが、装置の運転上支障のないものであった。ただし、ホウ素などの他の弱イオン成分の除去率の低減が認められた。
〔実施例3〕
実施例1において、第一の電気脱イオン装置7及び第二の電気脱イオン装置8として両方ともVNX−EX(EVOQUA WATER TECHNOLOGIES製)を用いて純水製造装置1を構成した以外は同様にして純水製造装置1を構成し純水W2を製造した。
この純水製造装置1による純水W2の製造を6ケ月間継続したところ、原水Wのシリカ濃度20ppmに対して、純水W2のシリカ濃度は0.3ppb以下で安定しており、第一の電気脱イオン装置7の運転時の電圧は80Vから90Vに、第二の電気脱イオン装置8の運転時の電圧は60Vから65Vにわずかに上昇したが、装置の運転上支障のないものであった。ただし、第一の電気脱イオン装置7には若干のスケール傾向が認められ、長期間の連続運転には注意を要するレベルであった。
1 純水製造装置
2 前処理システム
3 タンク
4 酸供給機構(pH調整剤供給手段)
5 pH計
6 高圧型逆浸透膜分離(RO)装置
7 第一の電気脱イオン装置
8 第二の電気脱イオン装置
9 脱気装置
W 原水
W1 前処理水
W2 純水(一次純水)

Claims (1)

  1. 単段に設けられた高圧型逆浸透膜分離装置と2段直列に配置した電気脱イオン装置とを有する純水製造装置の運転方法であって、
    pHを5以下に調整した被処理水を前記高圧型逆浸透膜分離装置に透過させた後、2段直列に配置した電気脱イオン装置で処理し、
    前記2段直列に配置した電気脱イオン装置において、前段に500〜3000mA/dm の電流密度で脱イオン性能を発揮する第一電気脱イオン装置が、後段に3000〜10000mA/dm の電流密度で脱イオン性能を発揮する第二電気脱イオン装置が、それぞれ配置されており、
    前記第一電気脱イオン装置を500〜3000mA/dm の電流密度で運転し、前記第二電気脱イオン装置を3500〜10000mA/dm の電流密度で運転する純水製造装置の運転方法。
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