JP6727046B2 - ピラーアレー構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ピラーアレー構造体の製造方法に関する。
マイクロメータサイズの金属柱を複数備えたピラーアレー構造体は、電池の電極や異方性導電膜をはじめ様々な応用が期待できる。このようなピラーアレー構造体の作製方法として、種々の方法が提案されている。
その一つの方法として、フォトリソグラフィー法又は電子ビームリソグラフィー法によりレジストパターンに微細なホールパターンアレイを形成し、そのホールパターンアレイにメッキ法により金属を充填してピラーアレー構造体を得る方法がある。
しかしながら、このような方法では、アスペクト比(深さ直径との比)が高いレジストパターンの形成が困難であり、高アスペクト比の高いホールパターンアレイの作製が困難であるという問題がある。
また、別の方法として、アルミニウム陽極酸化膜をパターニングする方法がある(特許文献3)。この方法では、アルミニウム基板を酸性水溶液中で陽極酸化を行って多孔性の陽極酸化膜(ポーラスアルミナ層)を形成する。
そして、ポーラスアルミナ層の上にレジストマスクを形成し、これにウェットエッチングを行うことで、レジストマスクの開口部に現れたポーラスアルミナ層にマイクロホール(開口パターン)アレーを形成する。
ポーラスアルミナ層は、表面から底面にかけて均一な幅でエッチングされるため、高いアスペクト比の開口パターンよりなるマイクロホールアレーが得られる。
このマイクロホールアレーを金属で埋めることで高いアスペクト比の金属柱を含むピラーアレー構造体が得られる可能性がある。
特開2008−055556号公報 特表2013−506309号公報 特開2010−047454号公報 特開2013−057102号公報
ところが、ポーラスアルミナ層に作製したマクロホールアレーの深さが10μm以上となり、又はアスペクト比が5を超えると、スパッタや蒸着法等の従来の技術ではマイクロホールの底まで金属を充填することが困難となり、また、形成されたピラー(金属柱)の高さもばらついてしまうという問題がある。
そのため、マクロホールアレーのアスペクト比と同程度の高いアスペクト比を有する金属柱を含んだピラーアレー構造体が得られないという問題がある。
そこで、より高いアスペクト比の金属柱を含んだピラーアレー構造体を作製できるピラーアレー構造体の製造方法を提供することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、アルミニウム基板の表面を陽極酸化させてポーラスアルミナ層を形成する工程と、前記ポーラスアルミナ層の表面にレジストパターンを形成する工程と、湿式エッチングを行って前記レジストパターンに覆われていない部分のポーラスアルミナ層を選択的に溶解除去して開口パターンを形成する工程と、前記開口パターンの底に露出したアルミニウム基板に対して置換メッキを行う工程と、前記置換メッキの後に電解メッキを行うことにより、前記開口パターン内を埋める金属柱と、前記ポーラスアルミナ層の上方を覆って前記金属柱に繋がったオーバーフロー層と、を形成する工程と、前記アルミニウム基板及びポーラスアルミナ層を除去する工程と、を有するピラーアレー構造体の製造方法が提供される。
上記観点のピラーアレー構造体の製造方法によれば、従来よりも高いアスペクト比の金属柱を含み、かつ金属柱の高さのばらつきの少ないピラーアレー構造体が得られる。
図1は、第1実施形態に係るピラーアレー構造体の製造方法において、ポーラスアルミナ層の上にレジストマスクを形成した状態を示す断面図である。 図2は、図1の構造物を湿式エッチングして得られる構造物を示す断面図である。 図3は、図2の構造物に置換メッキを行った状態を示す断面図である。 図4(a)〜図4(c)は、置換メッキ時間を長く行いすぎたときの開口パターン及び金属柱への影響を示す走査電子顕微鏡写真である。 図5は、図3の構造物に電解メッキを行って金属柱及びオーバーフロー層を形成した状態を示す断面図である。 図6(a)〜図6(c)は、複数の金属を積層した金属柱の例を示す図である。 図7は、図5の構造物からアルミニウム基板及びポーラスアルミナ層を除去して得られるピラーアレー構造体を示す断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、実験例1に係るマイクロホールアレーの走査電子顕微鏡写真である。 図9は実験例1に係る析出亜鉛を示す走査電子顕微鏡写真である。 図10は、実験例1で作製したピラーアレー構造体5の走査電子顕微鏡写真である。
本願発明者らは、高アスペクト比のマイクロホールアレーに対して、その底部から確実に金属を充填する手法について種々調査・検討した。
その結果、マイクロホールアレーの底部のアルミニウム基板に対して置換メッキを行ない、その後アルミニウム基板を電極に用いた電解メッキを行うと、極めて高いアスペクト比のマイクロホールアレーであっても、その底部から確実に金属を充填できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、例えば深さが100μm以上でアスペクト比が5以上のマイクロホールであっても底部から金属を充填できる。
以下添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るピラーアレー構造体の製造方法において、ポーラスアルミナ層の上にレジストマスクを形成した状態を示す断面図である。
本実施形態のピラーアレー構造体の製造方法にあたっては、まず、表面にポーラスアルミナ層2が形成されたアルミニウム基板1を形成する。
ポーラスアルミナ層2は、膜面に対して垂直な方向に延びた微細な細孔が密集した構造を有して多孔性材料の膜である。このポーラスアルミナ層2は、最も簡単には、アルミニウム基板1を酸性電解液中で陽極酸化することにより得ることができ、均一な直径を有する細孔が膜面に垂直に形成されるといった特徴を有する。
形成される細孔は、独立孔を形成しており陽極酸化時の化成電圧により、穴の直径は5〜800nm、及び間隔は10〜1000nmの範囲で適宜調整できる。
また、陽極酸化後、リン酸などの溶解性エッチャントに浸漬することにより、細孔の直径を拡大することもできる。
ポーラスアルミナ層2の厚さは化成時間に比例し、0.1μm〜5mmの範囲で調整できる。
この他、陽極酸化時の条件を最適化することで細孔が広範囲で規則配置した構造を得ることもできる。細孔の規則配列したポーラスアルミナ層では、細孔配列の規則化に伴い、細孔形状及び細孔直径の均一化が実現されるとともに、細孔の直行性が向上する。
このような規則化された細孔は、陽極酸化の初期に形成される規則性の低い構造の部分を除去することで得られる。
具体的には、一定時間陽極酸化を施して細孔配列を規則化した後に、いったん酸化被膜を適当なエッチングにより選択的に除去し、再び同一条件で陽極酸化を行うことで、表面から底部まで細孔が規則化したポーラスアルミナ層2が得られる。
この場合には、細孔の形状及び直径が均一であり、膜厚方向に直線的に連続した構造となる。すなわち、細孔の長さとポーラスアルミナ層2の厚さとがほぼ同じとなる。
次に、図示のように陽極酸化によって形成されたポーラスアルミナ層2の上に、耐エッチング性を有するレジストパターン3を形成する。そのレジストパターン3の開口部3aにはポーラスアルミナ層が露出している。開口部3aの形状は、所望するピラーアレー構造体の平面形状と同一となっている。
レジストパターン3の材料としては、耐水性及び耐酸性に優れ、かつアルミナ膜に対する十分な密着性を有するものを用いることができ、例えばクロロプレンゴム、ブタジエンゴム、アクルロニトリルブタジエンゴム、アクリル系接着剤、セルロースアセテート等をマスク剤として利用できる。
このようなレジストパターン3は、例えば、所定のパターン形状のスタンパの表面にレジスト剤を塗布し、そのスタンパをポーラスアルミナ層2の表面に押し付けてスタンパの表面のレジスト剤をポーラスアルミナ層2に転写することで形成できる。本手法によれば、一端作製されたスタンプを繰り返し利用することが可能であり、低コストにパターンを形成でき、さらにマスク剤がポーラスアルミナ層の細孔内に浸透するのを避けることができる。
また、上記の手法に代えて、フォトレジスト膜の塗布とフォトリソグラフィー法又は電子ビームリソグラフィー法によるパターニングによってレジストパターン3を形成してもよい
図2は、図1の構造物をエッチングして得られる構造物を示す断面図である。
次に、図2に示すように、ウェットエッチングを行うことによりレジストパターン3の開口部3aに露出したポーラスアルミナ層2を選択的に除去する。
エッチャントとしては、リン酸水溶液やクロム酸・リン酸混合溶液を用いることができる。このようなエッチャントに浸漬すると、開口部3aに露出したポーラスアルミナ層2の細孔内にエッチャントが侵入し、ポーラスアルミナ層2の上部から底部にかけて、細孔壁の均一な溶解が進行する。
これにより、厚いポーラスアルミナ層2であっても、開口部3aに露出したポーラスアルミナ層2の部分のみを選択的に除去することができるため、高アスペクト比の開口パターン(マイクロホール)2aを有するマイクロホールアレーが得られる。
このとき、開口部3aの下のポーラスアルミナ層2が完全に溶解除去され、開口パターン2aの底部にアルミニウム基板1が露出して深さ方向へのエッチングが停止する。その結果、ポーラスアルミナ層2の膜厚に応じた均一な深さを有する開口パターン2aが形成される。
このようにして形成される開口パターン2aは、その側面にポーラスアルミナ層2の膜厚方向に延びる筋状の凹凸が生じる。この筋状の凹凸は、ポーラスアルミナ層2の細孔の形状を反映したものである。
その後、アルミニウム基板1を電極にした電解メッキにより金属を析出させれば、開口パターン2aの底部から金属の充填を行うことが可能と考えられる。
ところが、アルミニウム基板1の表面に電解メッキを行っても、金属の充填は困難であることが判明した。これはアルミニウム基板1の表面に絶縁性の自然酸化膜が存在し、メッキ膜の成長を阻害してしまうためである。
電解メッキを可能とするべく、アルミニウム基板1の自然酸化膜を除去する方法が考えられる。
そこで、アルミニウム基板1の自然酸化膜を除去して開口パターン2aの底部に電解メッキのシードとなる亜鉛4を析出させるべく、亜鉛イオンを含むアルカリ性溶液(水酸化ナトリウム水溶液)に所定時間接触させる置換メッキを行うこととした。
図3は、図2の構造物に置換メッキを行った状態を示す断面図である。
図3に示すように、置換メッキを行うことにより、開口パターン2aの底に、アルミニウム基板1と導通状態に保たれ、その後の電解メッキによる金属析出のシードとなる亜鉛4が析出する。
亜鉛イオンを含むアルカリ性溶液に接触させると、アルミニウム基板1の自然酸化膜が溶解しアルミニウムが露出するようになり、亜鉛イオンと置換メッキが進行する。そして、開口パターン2aの底部に電解メッキを行う際の導通層となる亜鉛4が析出する。
置換メッキに用いるメッキ浴は、アルミニウム基板1の自然酸化膜を溶解する必要があるため水酸化ナトリウムなどを含む強アルカリである。
ところが、アルカリ溶液は、アルミニウム基板1の表面の自然酸化膜(酸化アルミニウム)だけでなく、アルミニウム基板1及びポーラスアルミナ層2を腐食してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、置換メッキについて適切な条件の下で短時間の処理を行うことでポーラスアルミナ層2を溶解することなく導通層となる亜鉛4を析出できることを見出した。
具体的には、以下の条件で置換メッキを行う。
メッキ浴の濃度範囲は、酸化亜鉛が1〜30[g/リットル](最適濃度:6.5[g/リットル])及び水酸化ナトリウムが10〜50[g/リットル](最適濃度:35[g/リットル])とすればよい。
メッキ浴の温度は、10〜30[℃](最適温度20[℃])とすればよい。
メッキ浴との接触時間は、20〜90[秒](最適時間60[秒])とすればよい。
なお、置換メッキは、開口パターン2aの底部全面を亜鉛で覆うほど行う必要はなく、開口パターン2aの一部にでもアルミニウム基板1と導通した亜鉛4が析出すれば十分である。
置換メッキの時間を上記の時間よりも短くしすぎると、一部の開口パターン2aの底部で亜鉛4の析出が不十分となるおそれがある。また、置換メッキの時間を長くしすぎると、開口パターン2aの底部のアルミニウム基板1の腐食が進んでしまう。
図4(a)は、置換メッキ時間を長い場合のアルミニウム基板1と開口パターン2aの底部付近の断面の走査電子顕微鏡写真であり、図4(b)はその結果得られる金属柱を示す走査電子顕微鏡写真であり、図4(c)は図4(b)の金属柱の先端部を拡大した走査電子顕微鏡写真である。
図4(a)に示すように、置換メッキの時間を長くしすぎると、開口パターン2aのアルミニウム基板1が溶解し、結果として開口パターン2aの底部が広がってしまうという問題が生じる。
このような溶解が生じると、図4(b)及び図4(c)に示すように、の先端部の直径が他の部分よりも大きくなった金属柱が形成されることになる。
置換メッキの別の条件としては、ポーラスアルミナ層2のエッチングを行った後、ポーラスアルミナ層2が乾燥する前に行うことが好ましい。
ポーラスアルミナ層2のエッチング後、乾燥する前であれば、開口パターン2aの内壁が親水性に保たれるため、酸化亜鉛と水酸化ナトリウムを含む水溶液が開口パターンを2aの奥まで確実に浸透できるためである。
酸化亜鉛と水酸化ナトリウムを含む水溶液のポーラスアルミナ層2への濡れ性を向上させて、微細な開口パターン2aへの浸透性を向上させるべく界面活性剤を添加してもよい。
上記の説明では、亜鉛による置換メッキを例に説明したが本実施形態はこれに限定されるものではなく、亜鉛の他に、標準電極電位がアルミニウムよりも高い金属イオンを含むアルカリ又は酸性水溶液で置換メッキを行うこともできる。このようなメッキ浴にアルミニウム基板1を浸漬すると、亜鉛による置換メッキと同様に、アルミニウム基板1の表面の自然酸化膜が酸又はアルカリによって溶解し、アルミニウムが露出した後、置換メッキが進行することで電解メッキの導通層(シード層)が得られる。
図5は、図3の構造物に電解メッキを行って金属柱及びオーバーフロー層を形成した状態を示す断面図である。
置換メッキの後、図5に示すようにアルミニウム基板1に電流を流して電解メッキを行うことで、開口パターン2aの内部に金属を充填して金属柱5aを形成する。
この電解メッキは、例えばNiなどの金属イオンを含むメッキ浴中でアルミニウム基板1に直流電圧を印加して行う。
なお、従来のように、スパッタ法や蒸着法等のドライプロセスでメッキシード層を形成することでも開口パターン2a内に金属の充填を行うことは可能である。しかし、従来の方法では、開口パターン2aの深さが増してアスペクト比が5を超えると、開口パターン2aの底部に完全に金属を充填することが難しい。
これに対し本実施形態によれば、置換メッキによって析出した亜鉛4をシードにした金属の充填が進むことで、開口パターン2aの底から金属が析出するため、アスペクト比が高い開口パターン2aであっても確実に底部に金属を充填できる。
開口パターン2a内に金属を充填した後も引き続いて電解メッキを行い、ポーラスアルミナ層2の上方を覆うとともに、金属柱5a同士をつなぐオーバーフロー層5bを形成する。
本実施形態の電解メッキで充填可能な金属は、水溶液系のメッキ浴を使用する場合には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zn、Ga、As、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Dc、In、Sn、Sb、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po等である。また、非水溶液系のメッキ浴を使用する場合には、Li、Be、Na、Mg、Al、K、Ca,Rb、Sr,Cs、Ba、Fr,Raを充填できる。
さらに、開口パターン2aの内部に金属の充填を行っている途中でメッキ浴を交換することで少なくとも2以上の金属が積層した金属柱5aを形成してもよい。
図6(a)〜図6(c)は、複数の金属を積層した金属柱5aの例を示す図である。
図6(a)は二種類の金属を積層した金属柱5aの構造を示す断面図である。また、図6(b)は三種類の金属を積層した金属柱5aの構造を示す断面図である。さらに、図6(c)は二種類の金属を交互に三層積層した構造を示す断面図である。
このような手法に基づけば、例えば、図5(c)に示すように、中心部分に機械強度に優れたNiを用い、上下の両端に接触抵抗が小さいAuを用いた機能性にすぐれた複合構造の金属柱5aを得ることもできる。
図7は、図5の構造物からアルミニウム基板1及びポーラスアルミナ層2を除去して得られるピラーアレー構造体5を示す断面図である。
金属柱5a及びオーバーフロー層5bの形成した後に、図7に示すように、アルミニウム基板及びポーラスアルミナ層2を除去する。
ここでは、図5の構造物を、例えば水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ溶液に浸漬させることで、アルミニウム基板1とポーラスアルミナ層2を除去することができる。合わせてレジスト膜3を除去する。
これにより、本実施形態のピラーアレー構造体5が完成する。ここで得られるピラーアレー構造体5の金属柱5aの高さは、ポーラスアルミナ層2の膜厚に対応したものとなり、陽極酸化時間を変化させることによって、0.1μmから5mmの範囲で制御することができる。
陽極酸化によって形成されるポーラスアルミナ層2の膜厚は、広い面積にわたってほぼ均一な厚みとなるため、本実施形態によれば、例えば数cm各の範囲内で高さのばらつきが5%以下の金属柱5aを有するピラーアレー構造体5が得られる。
また、金属柱5aの直径及びピッチは、レジストパターン3の開口部3aのサイズおよびピッチを変化させることで制御することが可能である。
さらに、レジストパターン3の形状を変化させれば開口パターン2aを円柱状のマイクロホールとするだけでなく、アラインアンドスペースパターンとすることもでき、様々なマイクロ構造体を形成できる。
さらに、本実施形態によって得られるピラーアレー構造体5の金属柱5aの側面には、ポーラスアルミナ層2の細孔の構造を反映した高さ方向の筋状の凹凸構造が形成される。
このような凹凸を有する金属柱5aを異方性導電膜に適用すると、金属柱5aと樹脂シートとの密着性が向上し、金属柱5aの引き抜けなどの不良が起こりにくくなる。
(実験例1)
実験例1では、高アスペクト比のニッケルよりなる金属柱5aによるピラーアレー構造体5を作製した。
純度99.9%のアルミニウム基板1を、過塩素酸及びエタノールの混合溶液中で電解研磨を行った。その後、0.3Mシュウ酸水溶液、浴温17℃、化成電圧40Vの条件下において10時間陽極酸化を行い、膜厚80μmのポーラスアルミナ層2を得た。
次に、ポーラスアルミナ層2の上に、直径10μmの円形窪みパターンが30μmのピッチで格子状に配置されてなるパターンを有するポリジメチルシロキサン製スタンプを用意した。そして、スタンプの表面にディップコート法でクロロプレンゴム薄膜を形成し、これをポーラスアルミナ層2の表面にクロロプレンゴムよりなるレジストパターン3の転写を行った。
次いで、上記の試料を、クロム酸(1.8wt%)とリン酸(6wt%)との混合溶液に浴温50℃の下で20分間浸漬させることで、開口部3aに露出したポーラスアルミナ層2を選択的に溶解して除去した。
その結果、図8(a)及び図8(b)に示すように、円形のマイクロホールとしての開口パターン2aよりなるマイクロホールアレーを得た。
次に、得られた試料を酸化亜鉛(0.65wt%)及び水酸化ナトリウム(3.3wt%)の水溶液に浴温20℃の下で60秒間浸漬することで、開口パターン2aの底部に亜鉛4を析出させた。
この処理により、図9に示すように、開口パターン2aの底部に亜鉛4が析出することが確認できた。
その後、試料をニッケルメッキ浴中で、−1.4Vの一定電圧をアルミニウム基板1に印加した状態でニッケルメッキを行ない、開口パターン2aをニッケルで充填した後、試料表面までニッケルの析出を行った。
最後に、水酸化ナトリウム(10wt%)水溶液に試料を浸漬させることにより、アルミニウム地金及びアルミナ部分を溶解除去してニッケルよりなるピラーアレー構造体5を得た。
図10は、実験例1で作製したピラーアレー構造体5の走査電子顕微鏡写真である。
図10に示すように、均一な高さを有する高アスペクト比の金属柱5aによって構成されたピラーアレー構造体5が得られることが確認できた。
以上に説明した本発明の製造方法によって得られるピラーアレー構造体は、各種半導体デバイスのテストなどに用いられる異方性導電膜の製造などに用いることができる。
1…アルミニウム基板、2…ポーラスアルミナ層、3…レジストパターン、4…亜鉛(析出物)、5…ピラーアレー構造体、5a…金属柱、5b…オーバーフロー層。

Claims (5)

  1. アルミニウム基板の表面を陽極酸化させてポーラスアルミナ層を形成する工程と、
    前記ポーラスアルミナ層の表面にレジストパターンを形成する工程と、
    湿式エッチングを行って前記レジストパターンに覆われていない部分のポーラスアルミナ層を選択的に溶解除去して開口パターンを形成する工程と、
    前記開口パターンの底に露出したアルミニウム基板に対して置換メッキを行う工程と、
    前記置換メッキの後に電解メッキを行うことにより、前記開口パターン内を埋める金属柱と、前記ポーラスアルミナ層の上方を覆って前記金属柱に繋がったオーバーフロー層と、を形成する工程と、
    前記アルミニウム基板及びポーラスアルミナ層を除去する工程と、
    を有することを特徴とするピラーアレー構造体の製造方法。
  2. 前記置換メッキは、アルミニウムよりも貴な標準電極電位を有する金属イオンを含む溶液中で行うことを特徴とする請求項1に記載のピラーアレー構造体の製造方法。
  3. 前記置換メッキは、亜鉛イオンを含むアルカリ性の水溶液に前記アルミニウム基板を接触させて行うことを特徴とする請求項2に記載のピラーアレー構造体の製造方法。
  4. 前記アルカリ性の水溶液はアルカリ金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項3に記載のピラーアレー構造体の製造方法。
  5. 前記開口パターンを形成する工程は、深さが10μm以上、または、アスペクト比が5以上となるように前記開口パターンを形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のピラーアレー構造体の製造方法。
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